JP4555493B2 - 容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に封入された空気中の水分や外部から侵入する空気中の水分を吸収する乾燥剤を収納して内部を常に乾燥状態に保持して内部に収容された内容物を水分から保護する容器に関し、特に血液や尿の分析に用いるテストピースを収容する容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
水分を嫌う内容物の一例として血液や尿の分析に使用するテストピースがあり、このテストピースは、最近、簡便であり、直ぐに結果が判明するといったこと、また、日々の自己管理ができるといったことなどから、血液や尿の分析に多用されている。しかし、このテストピースは水分(湿気)に対して極めて敏感であり、少なくとも2年程度はテストピースが水分(湿気)により機能低下を起こすことがないように完全に保持されなければならない。
【0003】
そのため、テストピースは、通常アルミニウム箔層やアルミニウム蒸着層を有すると共に内面に熱接着性樹脂層を有する包装材を用い、シリカゲル等の乾燥剤を一緒に封入してワンピース単位に個包装され、完全に密封された状態に保持されている。
【0004】
しかし、このように個包装されたテストピースは、使用の都度に開封作業が必要となるが、コンパクトな包装形態のために開封作業が結構煩雑であると共に包装コストが高く、さらにテストピース使用後はその都度包装材が廃棄されるために環境への負荷が大きいなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、テストピースのような水分を嫌う内容物の個包装を排することにより、▲1▼使用時の煩雑な開封作業の排除、▲2▼包装コストの低減、▲3▼省資源・環境保全等を達成することができると共に、使用期間中は内部を常に乾燥状態に保持して内容物を水分から保護することができる気密性に優れた容器を提供することである。さらには、このような容器を生産性よく安価に提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の容器は、水分を嫌う内容物を収容する容器であって、円筒形状の容器本体の一方の開口部側内面に透湿性を有する円形仕切板を設けて前記容器本体内部を2分し、前記容器本体の前記一方の開口部を底蓋で密封して乾燥剤室を設けると共に他方の開口部を上蓋で閉塞して内容物収容室を設けた容器において、前記上蓋が環状外周壁を有する断面コの字状の外周板と該外周板の前記環状外周壁の内側に環状空隙部を介して設けられた前記環状外周壁と同心円の環状内周壁とからなり、前記上蓋の前記環状内周壁の前記環状外周壁側の面に、前記容器本体の他方の開口部側の内面と当接する少なくとも一条の内周壁外面環状突起を設け、前記環状外周壁の内面と前記内周壁外面環状突起の先端との同心円方向の距離は、前記容器本体の他方の開口部側の周壁の厚さよりも小さく、前記上蓋の前記環状空隙部で前記容器本体の他方の開口部側の周壁を保持させて、前記上蓋に設けた前記環状外周壁及び前記環状内周壁の同心円方向の弾性により、前記容器本体の他方の開口部を閉塞するようにしたことを特徴としている。
【0007】
このように構成することにより、乾燥剤室にシリカゲル等の乾燥剤を封入すると共に、内容物収容室に水分を嫌う内容物を収容することができる気密性の高い容器を得ることができる。また、乾燥剤室に封入したシリカゲル等の乾燥剤が透湿性を有する円形仕切板を通して内容物収容室内の水分を吸収して常に内容物収容室内を乾燥状態に保持するために、内容物収容室に収容された水分を嫌う内容物は、水分により機能低下を起こすことなく正常な状態に完全に保持される。また、このように構成することにより、上蓋と容器本体との気密性を高めるための諸構成を採ることができる。
【0008】
また、上記発明において、前記容器本体の他方の開口部側の内面に、前記内周壁外面環状突起に対応する少なくとも一条の容器本体内面環状溝を設け、前記容器本体内面環状溝と前記内周壁外面環状突起とが係合して前記容器本体の他方の開口部を前記上蓋で閉塞するようにした構成としてもよい。
【0009】
また、上記発明において、前記容器本体の他方の開口部側の内面に、前記内周壁外面環状突起と係合する少なくとも一条の容器本体内面環状突起を設け、前記内周壁外面環状突起が前記容器本体内面環状突起を乗り越えて互いに係合して前記容器本体の他方の開口部を前記上蓋で閉塞するようにした構成としてもよい。
【0010】
また、上記発明において、前記円形仕切板が前記容器本体と一体的に設けられている構成としてもよい。このような構成とすることにより、容器の生産性向上に寄与することができ、さらに、容器本体を射出成形法により成形する際に、円形仕切板を金型内にインサートしておくことにより同時に一体形成されるために、一層生産性向上に寄与する。
【0011】
また、上記発明において、前記円形仕切板が前記容器本体内面に一体的に形成された2重(2条)の環状リブ間に嵌入されて設けられており、前記環状リブは、前記底蓋側の環状リブの突出幅よりも前記上蓋側の環状リブの突出幅が大きくなるように構成されている構成としてもよい。このような構成とすることによっても、容器の生産性向上に寄与することができる。
【0012】
また、上記発明において、前記容器本体の他方の開口部側の外面に容器本体螺旋状ねじ溝と該容器本体螺旋状ねじ溝近傍の前記容器本体の一方の開口部側に容器本体外面環状突起とを設け、前記上蓋の前記環状外周壁の前記環状内周壁側の面に、前記容器本体螺旋状ねじ溝と螺合する外周壁内面螺旋状ねじ溝を設けるとともに、前記上蓋の前記環状外周壁の周端部に、前記容器本体外面環状突起と係合する環状爪とを設け、前記上蓋に設けた前記外周壁内面螺旋状ねじ溝と前記容器本体に設けた前記容器本体螺旋状ねじ溝とが螺合すると共に前記上蓋に設けた前記環状爪が前記容器本体に設けた容器本体外面環状突起を乗り越えて互いに係合して前記容器本体の他方の開口部を前記上蓋で閉塞するようにした構成としてもよい。
【0013】
また、上記発明において、前記上蓋の前記環状空隙部に前記容器本体の他方の開口部の周壁の頂部と当接する空隙部環状突起が設けられている構成としてもよい。
【0014】
このような構成とすることにより、上蓋と容器本体との気密性をさらに高めることができる。
【0015】
また、上記発明において、請求項1記載の容器において、前記底蓋を前記容器本体の前記一方の開口部に超音波溶着により密封した構成としてもよい。このように構成することにより、容器本体に底蓋を容易に取り付けることができると共に容易に密封することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる容器の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は図1のX−X線の断面図、図3は本発明にかかる容器の第2の実施形態を示す要部縦断面図、図4は本発明にかかる容器の第3の実施形態を示す要部縦断面図、図5は本発明にかかる容器の第4の実施形態を示す要部縦断面図、図6は本発明にかかる容器の第5の実施形態を示す縦断面図であり、図中の1,1’,1’’,1’’’,1’’’’は容器、2,2’,2’’,2’’’,2’’’’は容器本体、2a,2bは容器本体の開口部、3は底蓋、4,4’,4’’は上蓋、5は円形仕切板、6は放射状リブ、7,7’は2重(2条)の環状リブ、21は一条の容器本体内面環状突起、22は一条の容器本体内面環状溝、23は容器本体螺旋状ねじ溝、24は容器本体外面環状突起、40は外周板、41は環状外周壁、42は環状空隙部、43は環状内周壁、411は環状外周壁内面螺旋状ねじ溝、412は環状爪、413は空隙部環状突起、431,432は一条の内周壁外面環状突起、Aは乾燥剤室、Bは内容物収容室、αは乾燥剤をそれぞれ示す。
【0017】
図1は本発明にかかる容器の第1の実施形態を示す縦断面図であり、容器1は横断面真円に構成された合成樹脂製の円筒形状の容器本体2と底蓋3と上蓋4と透湿性を有する円形仕切板5とからなり、前記容器本体2の一方の開口部2a側内面に前記円形仕切板5が設けられて前記容器本体2を2分し、前記容器本体2の一方の開口部2aを前記底蓋3で密封すると共に、他方の開口部2bを前記上蓋4で閉塞したものであって、前記底蓋3側の空間が乾燥剤室A、前記上蓋4側の空間が内容物収容室Bを形成する。
【0018】
図示はしないが、前記円形仕切板5は前記容器本体2を射出成形法で成形する時に、前記円形仕切板5を金型内にインサートすることにより同時に一体形成される。具体的には、図2に示すように、インサート射出成形法により前記円形仕切板5は前記容器本体2を横断して形成された放射状リブ6に一体的に設けられる。図2において、前記放射状リブ6を○(まる)に十(じゅう)の字形状としたが、これは一例を示したものであって、要するに透湿性を有する円形仕切板5の透湿性を低下ないし阻害しない形状のリブであれば、特に限定するものではないし、また、上記のようなリブを設けずに容器本体の内面で一体固定するようにしてもよい。
【0019】
また、前記容器本体2の一方の開口部2aを前記底蓋3で密封する方法としては、生産性、作業の容易さ、密封性の確かさ、開封の困難さ(底蓋3を誤って開封しようとしても容易に開封することができず、シリカゲル等の乾燥剤αを確実に乾燥剤室に保持することができる)等を考慮すると超音波溶着法を用いて行うのが適当である。当然のことながら、この密封は、前記乾燥剤室にシリカゲル等の乾燥剤αを充填して後に行われるものである。なお、前記底蓋3も容器本体2同様に射出成形法で成形されたものである。
【0020】
次に、前記容器本体2の他方の開口部2bを前記上蓋4で閉塞する機構(方法)について説明する。
この機構は、内容物収容室B内部に封入された空気中の水分や外部から侵入する空気中の水分を乾燥剤室Aに封入された乾燥剤αが吸収して、内部を常に乾燥状態に保持して内部に収容された内容物を水分から保護するために、気密性が確実に確保される閉塞機構である必要がある。そのため、図1に示した閉塞機構は、前記上蓋4が環状外周壁41を有する断面コの字状の外周板40と該外周板40の前記環状外周壁41の内側に環状空隙部42を介して前記環状外周壁41と同心円の環状内周壁43を設けると共に、該環状内周壁43の前記環状外周壁41側の面に前記容器本体2の他方の開口部2b側の周壁内面と摺動的に当接する一条の内周壁外面環状突起431を設けた構成からなり、前記上蓋4に前記環状空隙部42を介して設けられた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43を前記容器本体2の周壁に摺動的に圧入して前記容器本体2の他方の開口部2bを前記上蓋4で閉塞するようにしたものであり、気密性の高い閉塞機構となっている。
【0021】
ところで、このような気密性の高い閉塞機構は、前記環状外周壁41の内面と前記一条の内周壁外面環状突起431の先端との同心円方向の距離が前記容器本体2の他方の開口部2b側の周壁厚さより小さく、例示するとするならば0.1〜0.5mm程度小さく構成することにより達成される。さらに、前記一条の内周壁外面環状突起431は角部のない(角部がアール状に面取りされた)断面略台形状に形成され、スムーズな閉塞と開封を約束すると共に前記一条の内周壁外面環状突起431の先端が前記容器本体2の内面に面で当接することにより、容器内部の気密性が確実に約束される。また、前記上蓋4の前記環状外周壁41の内面と前記容器本体2の周壁の外面とにおいても気密性が約束されるようになっている。この気密性は、前記上蓋4に設けた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43の同心円方向の弾性により前記容器本体2の周壁を前記上蓋4に設けた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43の前記一条の内周壁外面環状突起431が圧接することにより得ることができる。
【0022】
図3は本発明にかかる容器の第2の実施形態を示す要部縦断面図であり、容器本体の他方の開口部を上蓋で閉塞する第2の実施形態を示す図である。容器1’は第1の実施形態の前記上蓋4の前記環状内周壁43に設けた前記一条の内周壁外面環状突起431に係合する一条の容器本体内面環状突起21を設けた構成の容器本体2’からなり、前記上蓋4に前記環状空隙部42を介して設けられた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43を前記容器本体2’の周壁に摺動的に圧入させると共に、前記上蓋4に設けた前記一条の内周壁外面環状突起431が前記容器本体2’に設けた前記一条の容器本体内面環状突起21を乗り越えて互いに係合して前記容器本体2’の他方の開口部2bを前記上蓋4で閉塞するようにしたものであって、これ以外は第1の実施形態の容器1と同じである。
【0023】
そして、容器1’は第1の実施形態の容器1と同じように、前記環状外周壁41の内面と前記一条の内周壁外面環状突起431の先端との同心円方向の距離は前記容器本体2の他方の開口部2b側の周壁厚さより小さく、例示するとするならば0.1〜0.5mm程度小さく構成されている。また、前記容器本体2に設けた前記一条の容器本体内面環状突起21の突出寸法は0.05〜0.20mm、前記一条の内周壁外面環状突起431の突出寸法は0.05〜1.0mmに構成されると共に前記一条の内周壁外面環状突起431は角部のない(角部がアール状に面取りされた)断面略台形状に形成され、スムーズな閉塞と開封を約束すると共に前記一条の内周壁外面環状突起431の先端が前記容器本体2の内面に面で当接することにより、容器内部の気密性が確実に約束される。さらに、前記上蓋4の前記環状外周壁41の内面と前記容器本体2の周壁の外面とにおいても気密性が約束されるようになっている。なお、気密性の保持は、上記したように前記上蓋4に設けた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43の前記開口部2bの同心円方向の弾性により達成される。
【0024】
図4は本発明にかかる容器の第3の実施形態を示す要部縦断面図であり、容器本体の他方の開口部を上蓋で閉塞する第3の実施形態を示す図である。容器1’’は第1の実施形態の前記容器本体2の他方の開口部2b側の周壁内面に一条の容器本体内面環状溝22を設けた容器本体2’’と、前記上蓋4の前記環状内周壁43に設けた前記一条の内周壁外面環状突起431に代えて前記容器本体2’’に設けた前記一条の容器本体内面環状溝22に対応する一条の内周壁外面環状突起432を設けた上蓋4’とからなり、前記容器本体2’’に設けた前記容器本体内面環状溝22と前記上蓋4’の環状内周壁43に設けた前記一条の内周壁外面環状突起432が係合して前記容器本体2’’の他方の開口部2bを前記上蓋4’で閉塞するように構成したものであって、これ以外は容器1と同じである。容器1’’は、容器1同様に前記上蓋4’に前記環状空隙部42を介して設けられた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43を前記容器本体2’’の周壁に摺動的に圧入させると共に、前記容器本体2’’の開口部2b側の内面に設けられた前記一条の容器本体内面環状溝22に前記上蓋4’の前記環状内周壁43に設けられた前記一条の内周壁外面環状突起432を係合することにより気密性が約束されるようになっている。なお、気密性の保持は、第1の実施形態同様に前記上蓋4’に設けた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43の前記開口部2bの同心円方向の弾性により達成される。
【0025】
なお、図4に示した第3の実施形態においては、前記上蓋4’の前記環状内周壁43に前記一条の内周壁外面環状突起432を設け、前記容器本体2’’の開口部2b側の周壁内面に前記容器本体内面環状溝22を設けたものを例示したが、環状突起を前記容器本体2’’の開口部2b側の周壁内面に設け、環状溝を前記上蓋4’の前記環状内周壁43に設けてもよいし、環状突起ないし環状溝についても一条に限ることはなく複数条であってもよい。
【0026】
図5は本発明にかかる容器の第4の実施形態を示す要部縦断面図であり、容器本体の他方の開口部を上蓋で閉塞する第4の実施形態を示す図である。容器1’’’は前記容器本体2の他方の開口部2b側の周壁外面に容器本体螺旋状ねじ溝23と該容器本体螺旋状ねじ溝23近傍の前記容器本体2の一方の開口部2a(図示せず)側の周壁外面に容器本体外面環状突起24とを設けた容器本体2’’’からなると共に、前記上蓋4の前記環状外周壁41の前記環状内周壁43側の面に前記容器本体2’’’の他方の開口部2b側の周壁外面に設けた容器本体螺旋状ねじ溝23と螺合する環状外周壁内面螺旋状ねじ溝411と前記上蓋4の前記環状外周壁41の周端部に前記容器本体2’’’の他方の開口部2b側の外面に設けた前記容器本体外面環状突起24と係合する環状爪412と前記上蓋4の前記環状空隙部42に前記容器本体2’’’の他方の開口部2bの周壁の頂部と当接する空隙部環状突起413とを設けた上蓋4’’とからなり、前記上蓋4’’に設けた前記外周壁内面螺旋状ねじ溝411と前記容器本体2’’’に設けた前記容器本体螺旋状ねじ溝23とが螺合すると、前記上蓋4’’の前記環状内周壁43の前記環状外周壁側の面に設けられた前記一条の内周壁外面環状突起431は前記容器本体2’’’の他方の開口部2b側の周壁内面に摺動的に圧入され、前記上蓋4’’に設けた前記環状爪412が前記容器本体2’’’に設けた前記容器本体外面環状突起24を乗り越えて互いに係合すると共に前記上蓋4’’に設けた前記空隙部環状突起413が前記容器本体2’’’の他方の開口部2bの周壁の頂部と当接して閉塞するようにしたものであって、これ以外は容器1と同じである。このように構成することにより、少なくとも前記上蓋4’’の前記一条の内周壁外面環状突起431の先端が前記容器本体2’’’の内面に面で当接すると共に前記上蓋4’’の前記空隙部環状突起413が前記容器本体2’’’の周壁の頂部と当接することにより、容器内部の気密性が確実に約束される。
なお、気密性の保持については、前記上蓋4’’の前記一条の内周壁外面環状突起431と前記容器本体2’’’の内面との当接個所は前記上蓋4’’に設けた前記環状外周壁41と前記環状内周壁43の前記開口部2bの同心円方向の弾性により達成され、前記上蓋4’’の前記空隙部環状突起413と前記容器本体2’’’の他方の開口部2bの周壁の頂部との当接個所は前記上蓋4’’に設けた前記外周壁内面螺旋状ねじ溝411と前記容器本体2’’’に設けた前記容器本体螺旋状ねじ溝23とを螺合するときの締める力(締圧)により達成される。ところで、図5に示した第4の実施形態の容器1’’’においては、前記上蓋4’’に前記空隙部環状突起413を設けたが、図1〜図4に示した第1〜3の実施形態のように前記空隙部環状突起413を設けない構成としてもよい。
【0027】
図6は本発明にかかる容器の第5の実施形態を示す縦断面図であり、容器1’’’’は円形仕切板5が円筒形状の一方の開口部側の内面に一体的に形成された2重(2条)の環状リブ7、7’間に嵌入された容器本体2’’’’からなるものであって、これ以外は図1に示した第1の実施形態の容器1と同じである。前記2重(2条)の環状リブ7、7’は底蓋3側の環状リブ7’が突出幅が小さく、上蓋4側の環状リブ7が突出幅が大きく構成され、前記底蓋3側から前記円形仕切板5を前記2重(2条)の環状リブ7、7’間に嵌入し易く構成されている。図示はしないが、容器1’’’’は図3〜5に示した第2〜4の実施形態の上蓋を用いることができることは当然である。
【0028】
また、今まで説明をしなかった円形仕切板としては、透湿性を有するものであれば特に限定するものではないが、たとえば、板紙や連続気泡の発泡体などを用いることができる。また、容器本体、底蓋、上蓋を形成するものとしては、水蒸気バリアー性に優れた合成樹脂であれば特に限定するものではないが、たとえば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等がコスト、射出成形性等を考慮すると適当である。
【0029】
本発明の容器は、今まで縷々説明してきたように、より気密性の高い閉塞機構を有しており、テストピースのような水分を嫌う内容物を使用期間中は内部を常に乾燥状態に保持して内容物を水分から保護することができるという優れた効果を奏すると共に、生産性良く安価に提供することができるという効果を奏するものである。また、本発明の容器はテストピースのような水分を嫌う内容物を直に複数個収容することができるために、個包装の場合に必要とした煩雑な開封作業をなくすと共に、包装コストの低減や省資源に繋げることができ、さらには環境にも優しいという種々の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる容器の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 図1のX−X線の断面図である。
【図3】 本発明にかかる容器の第2の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図4】 本発明にかかる容器の第3の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図5】 本発明にかかる容器の第4の実施形態を示す要部縦断面図である。
【図6】 本発明にかかる容器の第5の実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,1’,1’’,1’’’,1’’’’ 容器
2,2’,2’’,2’’’,2’’’’ 容器本体
2a,2b 容器本体の開口部
3 底蓋
4,4’,4’’ 上蓋
5 円形仕切板
6 放射状リブ
7,7’ 2重(2条)の環状リブ
21 一条の容器本体内面環状突起
22 一条の容器本体内面環状溝
23 容器本体螺旋状ねじ溝
24 容器本体外面環状突起
40 外周板
41 環状外周壁
42 環状空隙部
43 環状内周壁
411 環状外周壁内面螺旋状ねじ溝
412 環状爪
413 空隙部環状突起
431,432 一条の内周壁外面環状突起
A 乾燥剤室
B 内容物収容室
α 乾燥剤
Claims (8)
- 水分を嫌う内容物を収容する容器であって、
円筒形状の容器本体の一方の開口部側内面に透湿性を有する円形仕切板を設けて前記容器本体内部を2分し、
前記容器本体の前記一方の開口部を底蓋で密封して乾燥剤室を設けると共に他方の開口部を上蓋で閉塞して内容物収容室を設けた容器において、
前記上蓋が環状外周壁を有する断面コの字状の外周板と該外周板の前記環状外周壁の内側に環状空隙部を介して設けられた前記環状外周壁と同心円の環状内周壁とからなり、
前記上蓋の前記環状内周壁の前記環状外周壁側の面に、前記容器本体の他方の開口部側の内面と当接する少なくとも一条の内周壁外面環状突起を設け、
前記環状外周壁の内面と前記内周壁外面環状突起の先端との同心円方向の距離は、前記容器本体の他方の開口部側の周壁の厚さよりも小さく、
前記上蓋の前記環状空隙部で前記容器本体の他方の開口部側の周壁を保持させて、前記上蓋に設けた前記環状外周壁及び前記環状内周壁の同心円方向の弾性により、前記容器本体の他方の開口部を閉塞するようにしたことを特徴とする容器。 - 前記容器本体の他方の開口部側の内面に、前記内周壁外面環状突起に対応する少なくとも一条の容器本体内面環状溝を設け、
前記容器本体内面環状溝と前記内周壁外面環状突起とが係合して前記容器本体の他方の開口部を前記上蓋で閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の容器。 - 前記容器本体の他方の開口部側の内面に、前記内周壁外面環状突起と係合する少なくとも一条の容器本体内面環状突起を設け、
前記内周壁外面環状突起が前記容器本体内面環状突起を乗り越えて互いに係合して前記容器本体の他方の開口部を前記上蓋で閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の容器。 - 前記円形仕切板が前記容器本体と一体的に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の容器。
- 前記円形仕切板が前記容器本体内面に一体的に形成された2重(2条)の環状リブ間に嵌入されて設けられており、
前記環状リブは、前記底蓋側の環状リブの突出幅よりも前記上蓋側の環状リブの突出幅が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の容器。 - 前記容器本体の他方の開口部側の外面に容器本体螺旋状ねじ溝と該容器本体螺旋状ねじ溝近傍の前記容器本体の一方の開口部側に容器本体外面環状突起とを設け、
前記上蓋の前記環状外周壁の前記環状内周壁側の面に、前記容器本体螺旋状ねじ溝と螺合する外周壁内面螺旋状ねじ溝を設けるとともに、
前記上蓋の前記環状外周壁の周端部に、前記容器本体外面環状突起と係合する環状爪とを設け、
前記上蓋に設けた前記外周壁内面螺旋状ねじ溝と前記容器本体に設けた前記容器本体螺旋状ねじ溝とが螺合すると共に前記上蓋に設けた前記環状爪が前記容器本体に設けた容器本体外面環状突起を乗り越えて互いに係合して前記容器本体の他方の開口部を前記上蓋で閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の容器。 - 前記上蓋の前記環状空隙部に前記容器本体の他方の開口部の周壁の頂部と当接する空隙部環状突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の容器。
- 前記底蓋を前記容器本体の前記一方の開口部に超音波溶着により密封したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の容器。
Priority Applications (1)
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