JP4550193B2 - 高輝度放電ランプ用アーク管 - Google Patents
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- Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は高輝度放電ランプ用のアーク管に関し、より詳細には高輝度放電ランプ用アーク管の補助スタータに関する。これは特に石英製の高輝度放電ランプへの適用性を持つ。
【０００２】
【従来の技術】
ワット数の低い（２０ｗから７０ｗ）またはたとえワット数がより高くても、高輝度放電ランプの始動にはたいてい安定器に加えてグロー管を使用する必要がある。安定器はランプを始動するための高電圧パルスを供給する。前記グロー管は、所定の分圧（＜１気圧）のアルゴン、窒素または他のガス混合物を含有する。このガスは所定の分圧の水銀を含むこともある。これらのグロー管は付加的に電気的な引込線を有し、この引込線はそこに十分な電位が生じると「グロー放電」または含有ガスのイオン化を促進する。グロー放電またはイオン化が生じるためには、グロー管のガラス容器も逆の電位の引込部に近接していなくてはならない。
【０００３】
グロー管は普通の環境においては良好に使用できる。しかしランプが小さくなるにつれて、グロー管を使用をすることは問題になる。例えば、ＰＡＲ２０ランプジャケットのネック領域には、グロー管を配置するための十分な空間がない。
またそのような配置は、投影された像または光ビームのひずみに関連した付加的な問題に直面する。この問題は、ランプの反射体表面またはレンズ光学系を妨害する領域にグロー管を配置すると生じる。
【０００４】
前記問題の別の解決法では、放射性のクリプトン８５をアーク管の充填ガスとして用いる。しかし、この解決法は特別なフィルタのための出費および危険物に対する免許を必要とする。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高輝度放電ランプ用のアーク管における従来技術の欠点を除くことである。また本発明の課題は、高輝度放電ランプの始動を強化することである。また本発明の別の課題は、危険物を使用しない補助スタータを高輝度放電ランプに対して提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明により前記課題は、気密にシールされたアーク管を
長手軸方向に沿って対向して配置された端部を有し、かつアークを発生し維持するための媒質を含有する中空体と、
前記中空体の各端部内に配置された電極と、
前記端部の１つに近接し、該端部の一部であるイオン化領域とを有し、
前記イオン化領域は前記媒質とは異なるガス媒体に曝されている、ように構成して解決される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例によると気密にシールされたアーク管は中空体を有し、この中空体は長手軸方向に沿って対向して配置された端部を有し、かつアークを発生し維持するための媒質を含有する。前記中空体の各端部内には電極が配置され、かつイオン化領域が前記端部の１つに近接し、その一部となっている。前記イオン化領域は、前記媒質とは異なるガス媒体に曝されている。
【０００８】
本発明の別の実施例では、気密にシールされた中空体と、電極受容シールと、電極構造体と、シール延長部と、補助スタータとを有する放電ランプ用のアーク管が提供されている。前記中空体は前記媒質を含有し、かつ第１および第２端部を有する。前記電極受容シールは各端部から延びており、前記電極構造体は前記シールそれぞれの内部に配置される。前記電極構造体それぞれは近位電極端と、遠位電極端と、中間区分とを有する。遠位電極端は前記中空体の内部へ突入し、遠位電極端は前記シールの外部へ突出し、中間区分はこれらの間に配置されている。中間区分は前記シール内に気密にシールされている。前記シール延長部は前記シールの第１のシールに取り付けられ、前記中空体とは逆の方向に延びている。前記延長部は、第１端部において前記シールから突出した前記電極の遠位電極端を実質的に取り囲む管状区分を有する。前記補助スタータは補助電極（ electrode adjunct ）と、導電部材とから成る。前記補助電極は前記管状区分内で、第１端部から突出した前記電極の遠位電極端に取り付けられ、前記導電部材は前記管状区分を取り囲み、かつ第２端部内に配置された前記電極構造体の遠位電極端に電気的に接続されている。
【０００９】
【実施例】
詳細な図面を参照する。図１に放電ランプ用のアーク管１０を示す。アーク管１０は内部１３に前記媒質を含有した、気密にシールされた中空体１２を有し、かつ第１端部１４および第２端部１６を有する。前記端部からはそれぞれ電極受容シール１８、１８ａが延び、この場合前記シール１８、１８ａはプレスシール（ press seals ）を構成する。電極構造体２０がシール１８内に、電極構造体２０ａがシール１８ａ内に配置されている。各電極構造体は中空体１２の内部２４内へ突入した近位電極端２２を有する。電極構造体２０はシール１８の外部へ突出した遠位電極端２６、および中間区分２８を有する。電極構造体２０ａはシール１８ａの外部へ突出した遠位電極端２６ａ、および中間区分２８ａを有する。当分野では公知であるが、前記中間区分は通常モリブデン製リボンまたはホイルから形成され、一方近位電極端および遠位電極端は一般的にタングステンである。気密シールはガラスとモリブデン製ホイルとの間に形成されている。
【００１０】
シール延長部３０は前記端部の１つ、例えば第１端部１４に取り付けられており、管状区分３２を有する。この管状区分３２は電極構造体２０の遠位電極端２６を実質的に取り囲む。補助スタータ３３は補助電極３４および導電部材３６から成り、補助電極３４は前記管状区分内で電極構造体２０の遠位電極端２６に取り付けられており、導電部材３６は管状区分３２を取り囲んでいる。導電部材３６は、第２端部１６に配置された電極構造体２０ａの遠位電極端２６ａに、例えばコネクタ３８によって電気的に接続されている。
【００１１】
本発明の有利な実施例では、補助電極３４は直径０．３８１ｍｍ（≒０．０１５インチ）のモリブデンワイヤの一片であり両端が管状区分３２の内壁の近傍にあるように配置され、導電部材３６は３回巻かれた直径０．７６２ｍｍ（≒０．０３０インチ）のニッケルワイヤから成る。管状区分３２の管材料は有利には外径４．８ｍｍ内径３．２ｍｍであり、壁の厚さは０．８ｍｍである。この構成により、イオン化領域が管状区分３２内に形成される。電力が適切な安定器からアーク管へ供給されると、瞬時のグロー放電またはガス媒体のイオン化が管状区分内で達成される。このガス媒体はアーク管内のガス媒体とは異なり、有利には空気である。このイオン化による放射は、アーク管内におけるアーク放電の始動を助ける。
【００１２】
本発明の択一的な実施例を図２に示す。ここで補助電極３４ａは、管状区分３２の外側で遠位電極端２６に取り付けられるが、上向きに管状区分内へ延びている。この場合補助電極３４ａの終端部４０は管状区分内にあり、管状区分の内壁に向かって延びるように曲げられている。
【００１３】
本発明の別の実施例を図３に示す。ここで補助スタータ３３はシュラウド４２内に組み込まれており、このシュラウドは管状区分３２に固定されているかまたはその一部である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による高輝度放電ランプ用のアーク管を示す立面図である。
【図２】本発明の別の実施例を示す立面図である。
【図３】本発明の別の実施例を示す立面図である。
【符号の説明】
１０ アーク管
１２ 中空体
１４ 第１端部
１６ 第２端部
１８、１８ａ 電極受容シール
２０、２０ａ 電極構造体
２２ 近位電極端
２４ 内部
２６、２６ａ 遠位電極端
２８、２８ａ 中間区分
３０ シール延長部
３２ 管状区分
３４ 補助電極
３６ 導電部材
３８ コネクタ
４０ 終端部
４２ シュラウド
【発明の属する技術分野】
本発明は高輝度放電ランプ用のアーク管に関し、より詳細には高輝度放電ランプ用アーク管の補助スタータに関する。これは特に石英製の高輝度放電ランプへの適用性を持つ。
【０００２】
【従来の技術】
ワット数の低い（２０ｗから７０ｗ）またはたとえワット数がより高くても、高輝度放電ランプの始動にはたいてい安定器に加えてグロー管を使用する必要がある。安定器はランプを始動するための高電圧パルスを供給する。前記グロー管は、所定の分圧（＜１気圧）のアルゴン、窒素または他のガス混合物を含有する。このガスは所定の分圧の水銀を含むこともある。これらのグロー管は付加的に電気的な引込線を有し、この引込線はそこに十分な電位が生じると「グロー放電」または含有ガスのイオン化を促進する。グロー放電またはイオン化が生じるためには、グロー管のガラス容器も逆の電位の引込部に近接していなくてはならない。
【０００３】
グロー管は普通の環境においては良好に使用できる。しかしランプが小さくなるにつれて、グロー管を使用をすることは問題になる。例えば、ＰＡＲ２０ランプジャケットのネック領域には、グロー管を配置するための十分な空間がない。
またそのような配置は、投影された像または光ビームのひずみに関連した付加的な問題に直面する。この問題は、ランプの反射体表面またはレンズ光学系を妨害する領域にグロー管を配置すると生じる。
【０００４】
前記問題の別の解決法では、放射性のクリプトン８５をアーク管の充填ガスとして用いる。しかし、この解決法は特別なフィルタのための出費および危険物に対する免許を必要とする。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高輝度放電ランプ用のアーク管における従来技術の欠点を除くことである。また本発明の課題は、高輝度放電ランプの始動を強化することである。また本発明の別の課題は、危険物を使用しない補助スタータを高輝度放電ランプに対して提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明により前記課題は、気密にシールされたアーク管を
長手軸方向に沿って対向して配置された端部を有し、かつアークを発生し維持するための媒質を含有する中空体と、
前記中空体の各端部内に配置された電極と、
前記端部の１つに近接し、該端部の一部であるイオン化領域とを有し、
前記イオン化領域は前記媒質とは異なるガス媒体に曝されている、ように構成して解決される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例によると気密にシールされたアーク管は中空体を有し、この中空体は長手軸方向に沿って対向して配置された端部を有し、かつアークを発生し維持するための媒質を含有する。前記中空体の各端部内には電極が配置され、かつイオン化領域が前記端部の１つに近接し、その一部となっている。前記イオン化領域は、前記媒質とは異なるガス媒体に曝されている。
【０００８】
本発明の別の実施例では、気密にシールされた中空体と、電極受容シールと、電極構造体と、シール延長部と、補助スタータとを有する放電ランプ用のアーク管が提供されている。前記中空体は前記媒質を含有し、かつ第１および第２端部を有する。前記電極受容シールは各端部から延びており、前記電極構造体は前記シールそれぞれの内部に配置される。前記電極構造体それぞれは近位電極端と、遠位電極端と、中間区分とを有する。遠位電極端は前記中空体の内部へ突入し、遠位電極端は前記シールの外部へ突出し、中間区分はこれらの間に配置されている。中間区分は前記シール内に気密にシールされている。前記シール延長部は前記シールの第１のシールに取り付けられ、前記中空体とは逆の方向に延びている。前記延長部は、第１端部において前記シールから突出した前記電極の遠位電極端を実質的に取り囲む管状区分を有する。前記補助スタータは補助電極（ electrode adjunct ）と、導電部材とから成る。前記補助電極は前記管状区分内で、第１端部から突出した前記電極の遠位電極端に取り付けられ、前記導電部材は前記管状区分を取り囲み、かつ第２端部内に配置された前記電極構造体の遠位電極端に電気的に接続されている。
【０００９】
【実施例】
詳細な図面を参照する。図１に放電ランプ用のアーク管１０を示す。アーク管１０は内部１３に前記媒質を含有した、気密にシールされた中空体１２を有し、かつ第１端部１４および第２端部１６を有する。前記端部からはそれぞれ電極受容シール１８、１８ａが延び、この場合前記シール１８、１８ａはプレスシール（ press seals ）を構成する。電極構造体２０がシール１８内に、電極構造体２０ａがシール１８ａ内に配置されている。各電極構造体は中空体１２の内部２４内へ突入した近位電極端２２を有する。電極構造体２０はシール１８の外部へ突出した遠位電極端２６、および中間区分２８を有する。電極構造体２０ａはシール１８ａの外部へ突出した遠位電極端２６ａ、および中間区分２８ａを有する。当分野では公知であるが、前記中間区分は通常モリブデン製リボンまたはホイルから形成され、一方近位電極端および遠位電極端は一般的にタングステンである。気密シールはガラスとモリブデン製ホイルとの間に形成されている。
【００１０】
シール延長部３０は前記端部の１つ、例えば第１端部１４に取り付けられており、管状区分３２を有する。この管状区分３２は電極構造体２０の遠位電極端２６を実質的に取り囲む。補助スタータ３３は補助電極３４および導電部材３６から成り、補助電極３４は前記管状区分内で電極構造体２０の遠位電極端２６に取り付けられており、導電部材３６は管状区分３２を取り囲んでいる。導電部材３６は、第２端部１６に配置された電極構造体２０ａの遠位電極端２６ａに、例えばコネクタ３８によって電気的に接続されている。
【００１１】
本発明の有利な実施例では、補助電極３４は直径０．３８１ｍｍ（≒０．０１５インチ）のモリブデンワイヤの一片であり両端が管状区分３２の内壁の近傍にあるように配置され、導電部材３６は３回巻かれた直径０．７６２ｍｍ（≒０．０３０インチ）のニッケルワイヤから成る。管状区分３２の管材料は有利には外径４．８ｍｍ内径３．２ｍｍであり、壁の厚さは０．８ｍｍである。この構成により、イオン化領域が管状区分３２内に形成される。電力が適切な安定器からアーク管へ供給されると、瞬時のグロー放電またはガス媒体のイオン化が管状区分内で達成される。このガス媒体はアーク管内のガス媒体とは異なり、有利には空気である。このイオン化による放射は、アーク管内におけるアーク放電の始動を助ける。
【００１２】
本発明の択一的な実施例を図２に示す。ここで補助電極３４ａは、管状区分３２の外側で遠位電極端２６に取り付けられるが、上向きに管状区分内へ延びている。この場合補助電極３４ａの終端部４０は管状区分内にあり、管状区分の内壁に向かって延びるように曲げられている。
【００１３】
本発明の別の実施例を図３に示す。ここで補助スタータ３３はシュラウド４２内に組み込まれており、このシュラウドは管状区分３２に固定されているかまたはその一部である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による高輝度放電ランプ用のアーク管を示す立面図である。
【図２】本発明の別の実施例を示す立面図である。
【図３】本発明の別の実施例を示す立面図である。
【符号の説明】
１０ アーク管
１２ 中空体
１４ 第１端部
１６ 第２端部
１８、１８ａ 電極受容シール
２０、２０ａ 電極構造体
２２ 近位電極端
２４ 内部
２６、２６ａ 遠位電極端
２８、２８ａ 中間区分
３０ シール延長部
３２ 管状区分
３４ 補助電極
３６ 導電部材
３８ コネクタ
４０ 終端部
４２ シュラウド
Claims (8)
- 放電ランプ用のアーク管において、
気密にシールされた中空体と、電極受容シールと、電極構造体と、シール延長部と、補助スタータとを有し、
前記中空体はアークを発生し維持するための媒質を含有し、かつ第１端部および第２端部を有し、
前記電極受容シールは前記各端部から延びており、
前記電極構造体は前記シールそれぞれの内部に配置され、
前記電極構造体それぞれは近位電極端と、遠位電極端と、中間区分とを有し、
前記近位電極端は前記中空体の内部へ突入し、
前記遠位電極端は前記シールの外部へ突出し、
前記中間区分はこれらの間に配置され、
前記中間区分は前記シール内に気密にシールされており、
前記シール延長部は前記シールの第１のシールに取り付けられ、前記中空体とは逆の方向に延びており、
前記シール延長部は、第１端部において前記シールから突出した前記電極の前記遠位電極端を実質的に取り囲む管状区分を有し、
前記補助スタータは補助電極と、導電部材とから成り、
前記補助電極は前記管状区分内で、第１端部から突出した前記電極の前記遠位電極端に取り付けられ、
前記導電部材は前記管状区分を取り囲み、かつ第２端部内に配置された前記電極構造体の前記遠位電極端に電気的に接続されている、
ことを特徴とする放電ランプ用のアーク管。 - 前記導電部材は複数回巻かれた線材から成る、請求項１記載のアーク管。
- 気密にシールされたアーク管において、
長手軸方向に沿って対向して配置された端部を有し、かつ前記媒質を含有する中空体と、
前記中空体の両方の端部内に配置された電極と、
前記端部の１つに近接し、該端部の一部であるイオン化領域とを有し、
前記イオン化領域は、前記媒質とは異なるガス媒体に曝されている、
ことを特徴とする、請求項１記載のアーク管。 - 前記補助電極は、前記電極の前記遠位電極端に垂直に延びるワイヤを含む、請求項１記載のアーク管。
- 前記補助電極は、前記電極の前記遠位電極端に平行に延びるワイヤを含む、請求項１記載のアーク管。
- 前記補助電極は、前記電極に取り付けられた端部および該端部から離れている自由な第２の端部を有する、請求項５記載のアーク管。
- 前記自由な端部は前記管状区分の内壁を向いている、請求項６記載のアーク管。
- 前記アーク管はシュラウドに取り囲まれ、かつ前記管状区分は前記シュラウドの一部である、請求項１記載のアーク管。
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| US09/205,581 US6268698B1 (en) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | Capacitive glow starting of high intensity discharge lamps |
| US09/205581 | 1998-12-04 |
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| JP34349999A Expired - Fee Related JP4550193B2 (ja) | 1998-12-04 | 1999-12-02 | 高輝度放電ランプ用アーク管 |
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