本発明粒剤は、内核が被覆層で被覆された粒子からなる。本発明における内核は、農薬有効成分を含有する粒状の構造物であり、被覆層は、内核を3次元的に包囲する被膜状構造物である。即ち、本発明粒剤は、本発明に規定する内核と被覆層から構成される粒子を含有する粒剤であって、該粒子のみからなるものであってもよいし、本発明の目的を達する範囲において、適宜その用途により他の剤、例えば他の農薬粒剤、粒状肥料、粒状培土、粒状植物栄養剤、粒状植物調製制御剤、粒状ホルモン剤、種子等の粒状農業資材を含有するものであってもよい。尚、特に断りのない限り、本明細書において、内核、被覆層、農薬有効成分、微粉末固体担体、粘結剤、水溶性物質、被膜形成物質、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料等の含有量を記載する場合、「本発明粒剤における〜の含有量」あるいは「〜の含有量は本発明粒剤中」は、本発明に規定する内核と被覆層から構成される粒子の平均を基準とする該粒子中の含有量の平均として表わした値を意味する。
本発明粒剤における内核の含有量は、通常50〜99.9重量%、好ましくは85〜99.8重量%である。内核は、農薬有効成分、微粉末固体担体、粘結剤、および本発明に規定の水溶性物質を含有してなる粒状物であり、全体が均一な構造となったものであってもよいし、構成成分が偏在した、例えば多層構造になっているものでもあってもよい。但し、本発明に規定の水溶性物質は、内核内に分散されてなる。ここで内核に分散されるとは、該水溶性物質が、他の成分の少なくとも1種からなるマトリックス中に散在する状態を言い、好ましい分散の形態としては、内核全体に分散されている形態や、多層構造の場合には最外層に分散されている形態等を挙げることができる。
本発明における農薬有効成分としては、例えば、以下に示す化合物を挙げることができる。フェニトロチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート]、フェンチオン[O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート]、ダイアジノン[O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート]、クロルピリホス[O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート]、アセフェート[O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート]、メチダチオン[S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、ジスルホトン[O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート]、DDVP[2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート]、スルプロホス[O−エチルO−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート]、シアノホス[O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート]、ジオキサベンゾホス[2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド]、ジメトエート[O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート]、フェントエート[エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート]、マラチオン[ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート]、トリクロルホン[ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート]、アジンホスメチル[S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート]、モノクロトホス[ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル}ホスフェート]、エチオン[O,O,O′,O′−テトラエチル−S,S′−メチレンビス(ホスホロジチオエート)]等の有機リン系化合物、
BPMC[2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート]、ベンフラカルブ[エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート]、プロポキスル[2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート]、カルボスルファン[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ[b]フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート]、カルバリル[1−ナフチル−N−メチルカーバメート]、メソミル[S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート]、エチオフェンカルブ[2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート]、アルジカルブ[2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム]、オキサミル[N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド]、フェノチオカルブ[S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート]等のカーバメート系化合物、
エトフェンプロックス[2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン]、フェンバレレート[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、エスフェンバレレート[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート]、フェンプロパトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シペルメトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ペルメトリン[3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シハロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、デルタメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シクロプロトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート]、フルバリネート[α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート]、ビフェンスリン[2−メチル−3−フェニルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、ハルフェンプロックス[2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)メチルプロパン]、トラロメトリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、シラフルオフェン[(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン]、d−フェノトリン[3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、シフェノトリン[(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−レスメトリン[5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アクリナスリン[(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート]、シフルトリン[(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テフルトリン[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、トランスフルスリン[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート]、テトラメトリン[3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、アレトリン[(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、プラレトリン[(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、エンペントリン[(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、イミプロスリン[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、d−フラメトリン[5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロぺニル)シクロプロパンカルボキシレート]、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド系化合物、
ブプロフェジン[2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン]等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、カルタップ[S,S′−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)]、チオシクラム[N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン]、ベンスルタップ[S,S′−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)]等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N′−メチル−N′−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、エンドスルファン[6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド]、γ−BHC[1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン]、ジコホル[1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノ−ル]等の塩素化炭化水素化合物、クロルフルアズロン[1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、テフルベンズロン[1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]、フルフェノクスロン[1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア]等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、アミトラズ[N,N′−{(メチルイミノ)ジメチリジン}−ジ−2,4−キシリジン]、クロルジメホルム[N′−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメチニミダミド]等のホルムアミジン誘導体、ジアフェンチウロン[N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N′−t−ブチルカルボジイミド]等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、
メトキサジアゾン[5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン]、ブロモプロピレート[イソプロピル4,4′−ジブロモベンジレート]、テトラジホン[4−クロロフェニル 2,4,5−トリクロロフェニルスルホン]、キノメチオネート[S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート]、プロパルギット[2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト]、フェンブタティンオキシド[ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド]、ヘキシチアゾクス[(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−クロロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド]、クロフェンテジン[3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン]、ピリダベン[2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン]、フェンピロキシメート[tert−ブチル (E)−4−[(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノオキシメチル]ベンゾエート]、デブフェンピラド[N−4−tert−ブチルベンジル]−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド]、ポリナクチンコンプレックス[テトラナクチン、ジナクチン、トリナクチン]、ピリミジフェン[5−クロロ−N−[2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル]−6−エチルピリミジン−4−アミン]、ミルベメクチン、アバメクチン、イバーメクチン、アザジラクチン[AZAD]、5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール、メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−カーバメート、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン、(E)−4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−N−〔1−(イミダゾール−1−イル)−2−プロポキシエチリデン〕アニリン、1−〔N−プロピル−N−〔2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル〕カルバモイル〕イミダゾール、(E)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、4−〔3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル〕−2,6−ジメチルモルホリン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、O,O−ジエチル O−2−キノキサリニル ホスホロチオエート、O−(6−エトキシ−2−エチル−4−ピリミジニル) O,O−ジメチル ホスホロチオエート、2−ジエチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル ジメチルカーバメート、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル p−トルエンスルホナート、4−アミノ−6−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−クロロ−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−エトキシカルボニル−N−〔(4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−(2−クロロエトキシ)−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕フェニルメタンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−〔(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル〕チオフェン−3−スルホンアミド、4−エトキシカルボニル−N−〔(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル〕−1−メチルピラゾール−5−スルホンアミド、2−〔4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル〕−3−キノリンカルボン酸、2−〔4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル〕−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸、メチル 6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−m−トルエート、メチル 2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−p−トルエート、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)ニコチン酸、N−(4−クロロフェニル)メチル−N−シクロペンチル−N’−フェニルウレア、(RS)−2−シアノ−N−[(R)−1(2,4−ジクロロフェニル)エチル]−3,3−ジメチルブチルアミド、N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシアミド、N−[2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾ−ルカルボキシアミド、2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−3−メチルシクロプロパンカルボキシアミド、メチル(E)−2−2−6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ−フェニル−3−メトキシアクリレイト、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、ジイソプロピル=1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオプェニルホスフェート等。
農薬有効成分は、本発明に規定の内核と被覆層とから構成される粒子中に1種が含有されていてもよいし、あるいは2種以上が含有されていてもよい。農薬有効成分の含有量は本発明粒剤中、通常0.1〜90重量%、好ましくは0.2〜70重量%である。農薬有効成分は、内核全体に分散されていてもよく、また、内核内部または内核表面に局在していてもよい。
本発明における微粉末固体担体としては、鉱物質担体、植物質担体、合成担体等を挙げることができる。
鉱物質担体としては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸カルシウム微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土などが挙げられる。
植物質担体としては、例えば、セルロース、籾殻、小麦粉、木粉、澱粉、糠、ふすま、大豆粉等が挙げられる。合成担体としては、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成品、表面改質シリカ、加工澱粉(松谷化学製パインフロー等)などが挙げられる。
これらの微粉末固体担体は本発明粒剤中、通常0.5〜99.9重量%、好ましくは25〜99.5重量%含有される。
本発明においては、これらの微粉末固体担体の中でも吸油能の低いもの、具体的には吸油能が50以下の微粉末固体担体が好適に用いられ、30以下の微粉末固体担体が更に好適に用いられる。かかる好適な微粉末固体担体としては、例えばカオリン(吸油能32〜45)、タルク(吸油能30〜50)、炭酸カルシウム(吸油能16〜30)等を挙げることができ、中でも炭酸カルシウムは特に好ましい。
微粉末固体担体の吸油能はJIS K−5101に記載の方法により測定することができる。
微粉末固体担体の平均粒子径は、通常100μm以下であり、吸油能が低いという点で、平均粒子径が2〜30μの微粉末固体担体が好ましい。
また、押出し造粒法によって内核を製造する場合には、微粉末固体担体としてモンモリロナイト鉱物を用いると、造粒時の押出し網の破損を軽減できるので好ましく、モンモリロナイト鉱物及び他の微粉末固体担体を併用することが更に好ましい。
モンモリロナイト鉱物を、他の微粉末固体担体と併用する場合、モンモリロナイト鉱物の含有量は、通常2.5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%であり、微粉末固体担体の合計量は、通常0.5〜99.9重量%、好ましくは25〜99.5重量%である。
本発明における粘結剤としては、例えば、アクリル系高分子、ビニル系高分子、ポリオキシアルキレンなどの合成高分子、セルロース誘導体、加工澱粉、リグニン誘導体などの半合成高分子、天然高分子等が挙げられる。
アクリル系高分子としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等が挙げられ、ビニル系高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンとしてはポリオキシエチレンやポリオキシプロピレン等が挙げられる。
セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、加工澱粉としては、変性澱粉、カルボキシメチルデンプン、可溶性澱粉等が挙げられる。
リグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。天然高分子としては、アラビアガム、ザンサンガム、トラガントガム、グアーガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類や、カゼイン、カゼイン石灰、ゼラチン、コラーゲンなどの蛋白質類等が挙げられる。
粘結剤の含有量は本発明粒剤中、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明粒剤においては、これらの粘結剤の中でも特に、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。粘結剤の分子量は特に限定されるものではないが、通常5000〜300000、好ましくは10000〜50000である。また、粘結剤としては、20℃における4%水溶液の粘度が3〜30センチポイズのものが好ましい。
本発明における水溶性物質は、分子量が50〜700、かつ常温で固体の水溶性物質(以下、本水溶性物質と記す。)であり、通常は界面活性能を有していない。本水溶性物質としては、例えば、単糖類、オリゴ糖類などの糖類、尿素、アミノ酸、オリゴペプチド、固体有機酸、有機酸塩などの水溶性有機物、固体無機塩などの水溶性無機物質等が挙げられる。
単糖類としては、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン等の三炭糖、トレオース、エリスルロース等の四炭糖、リボース、リキソース、キシルロース等の五炭糖、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の六炭糖、マンノヘプトース、セドヘプツトース等の七炭糖、ソルビトール、マンニトール、グルクロン酸等の誘導単糖類を挙げることができる。
オリゴ糖類としては、セロビオース、トレハロース、乳糖、蔗糖等の二糖類、マルトトリオース等の三糖類、マルトテトラオース等の四糖類等が挙げられる。
固体有機酸としては、桂皮酸、クロトン酸、グリコール酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸等が挙げられ、有機酸塩としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、アルミニウム等の酢酸塩、ぎ酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、アクリル酸塩、クロトン酸塩、桂皮酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、ピメリン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、テレフタル酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン等が挙げられる。
固体無機塩としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、アンモニウム等の塩化物、弗化物、臭化物、よう化物、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、硼酸塩、炭酸塩、アルミン酸塩、珪酸塩等が挙げられる。
本水溶性物質の含有量は本発明粒剤中、通常4〜50重量%、好ましくは8〜30重量%である。
また、本発明においては、本水溶性物質の中でも20℃における水溶解度が10%以上のものが好ましく、20%以上のものがさらに好ましい。水溶解度が20%以上の本水溶性物質の具体例としては、蔗糖、グルコース、デキストリン等の糖類、尿素、塩化カルシウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリン酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等の金属塩類、クエン酸等の有機酸が挙げられ、中でも糖類、尿素、金属塩類が好ましく、さらに尿素と糖類が好ましい。
さらに、本発明粒剤が押出し造粒法により製造される場合には、粘結剤と相溶性の良い本水溶性物質を使用すると製造性の面で特に好適である。相溶性の良否は、粘結剤の水溶液に本水溶性物質を添加した時に粘結剤の沈殿や凝集が生じるか否かにより判定することができる。その一例を示すと、粘結剤としてポリビニルアルコールが使用される場合の好適な本水溶性物質としては、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、尿素、クエン酸、蔗糖等が挙げられる。
本発明粒剤における内核は、農薬有効成分、微粉末固体担体、粘結剤、および水溶性物質を含有してなるが、必要に応じて、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料等を含有していてもよい。
使用しえる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン界面活性剤;ドデシルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩などのアルキル四級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤;パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩などの高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホサクシネートのどのジアルキルスルホコハク酸塩、オレイン酸アミドスルホン酸などの高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩などのアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ペンタデカンー2―サルフェートなどの高級アルコール硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、スチレンーマレイン酸共重合体等のアニオン性界面活性剤;N−ラウリルアラニン、N,N,N―トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシルーN,N―ジメチルアミノ酢酸、1―(2―カルボキシエチル)ピリミジニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤の含有量は本発明粒剤中、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明において用い得る溶媒としては、例えば、ヘキサン、デカン、トリデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの飽和脂肪族炭化水素、1―ウンデセン、1―ヘンエイコセンなどの不飽和炭化水素、セレクロールS45(ICI製、商品名)などのハロゲン化炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、ブタノール、オクタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、フタル酸ジメチル、ラウリル酸メチル、パルミチン酸エチル、酢酸オクチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジデシルなどのエステル類、キシレン、エチルベンゼン、オクタデシルベンゼン、ソルベッソ100(エクソン化学製、商品名)、ドデシルナフタレン、トリデシルナフタレン、ソルベッソ200(エクソン化学製、商品名)などのアルキルナフタレン類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、オレイン酸、カプリン酸、エナント酸などの脂肪酸類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジエチルホルムアミドなどの酸アミド類、オリーブ油、大豆油、菜種油、ヒマシ油、アマニ油、綿実油、パーム油、アボガド油、サメ肝油などの動植物油、マシン油などの鉱物油、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステルなどのグリセリン誘導体等が挙げられる。溶媒の含有量は本発明粒剤中、通常30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明において使用し得る安定化剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、紫外線吸収剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化菜種油等のエポキシ化植物油、イソプロピルアシッドホスフェート、流動パラフィン、エチレングリコールなどが挙げられる。安定化剤の含有量は本発明粒剤中、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
本発明において使用し得る着色剤としては、例えば、ローダミンB,ソーラーローダミンなどのローダミン類、黄色4号、青色1号、赤色2号などの色素等が挙げられ、香料としては、例えば、アセト酢酸エチル、エナント酸エチル、桂皮酸エチル、酢酸イソアミル等のエステル系香料、カプロン酸、桂皮酸等の有機酸系香料、桂皮アルコール、ゲラニオール、シトラール、デシルアルコール等のアルコール系香料、バニリン、ピペロナール、ペリルアルデヒド等のアルデヒド類、マルトール、メチルβ―ナフチルケトン等のケトン系香料、メントールなどが挙げられる。着色剤及び香料の含有量は本発明粒剤中、通常それぞれ0.01〜5重量%である。
本発明粒剤における内核は、例えば、農薬の製剤化において通常用いられる造粒法によって造粒することによって得られる。該造粒法としては、押出し造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、流動床造粒法、転動造粒法、被覆造粒法等を挙げることができ、中でも押出し造粒法が好ましい。その一例を以下に示す。
農薬有効成分、微粉末固体担体および粘結剤あるいは、農薬有効成分、微粉末固体担体、粘結剤および本水溶性物質、必要に応じて、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料等を混合して、混合物を調製する。この際に用いられる混合機としては、例えばリボンミキサー、ナウターミキサー、シュギミキサー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等が挙げられる。次に、該混合物に水および/または本水溶性物質の水溶液を滴下、噴射、あるいは噴霧し、混練して混練物を調製する。この際に用いられる混練機としては、例えばナウターミキサー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を挙げることができる。混練において水溶性物質の水溶液が添加される場合の本水溶性物質の水溶液の濃度は、使用する水溶性物質によって異なるが、通常、5〜85重量%、好ましくは20〜70重量%である。また、混練の際に用いられる水の量は、添加する水および/または水溶性物質の水溶液中の合計量で内核重量に対し、通常、5〜35重量%、好ましくは、10〜25重量%である。次に、該混練物を造粒機を用いて造粒物を調製する。この際に用いられる造粒機としては、例えばバスケット式造粒機、スクリュー式造粒機、ペレタイザーなどの押出し造粒機、ローラーコンパクターなどの圧縮造機、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーなどの攪拌造粒機、パングラニュレーターなどの転動造粒機、流動層造粒機等を挙げることができる。得られた造粒物に、通常の乾燥、整粒、篩別処理を付すことにより、本発明における内核が得られる。この際に用いられる乾燥機としては、例えば流動層乾燥機やベッド式乾燥機を挙げることができる。整粒機としては、例えばマルメライザーやピンミル、解砕機等を挙げることができ、篩別機としては、例えばジャイロシフターや電磁振動式篩別機等を挙げることができる。こうして製造された内核の平均粒子径は、一般に0.1〜5mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度である。なお、本発明における粒子径とは内核の最大径を意味するものである。
本発明粒剤における被覆層の含有量は、通常0.1〜50重量%、好ましくは、0.2〜15重量%である。該被覆層は、主に被膜形成物質からなり、必要に応じて、微粉末固体担体、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料等が含有される。
該被膜形成物質としては、例えばワックス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、硫黄等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、カーボワックス、ヘキストロウ、蔗糖エステル、脂肪酸エステルなどの合成ワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
ウレタン樹脂は、ポリイソシアナートとポリオールとを、有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に反応させることによって生成する。該硬化剤としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオ錫酸、オクチル酸第一錫、ジ−n−オクチル錫ジラウレートなどの有機金属、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルジドデシルアミン、N−ドデシルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、オキシイソプロピルバナデート、n−プロピルジルコネート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
ウレタン樹脂のモノマーであるポリイソシアネート及びポリオールは、モノマー単独、溶液、水系エマルジョン、または、有機溶剤系エマルジョン等の形態で使用される。
該ポリイソシアネートとしては、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト等を挙げることができ、該ポリイソシアネートは2種以上の混合物であってもよい。また、該ポリイソシアネートに代えて、該ポリイソシアネートの変性体や該ポリイソシアネートのオリゴマーを用いることもできる。変性体としては、例えばアダクト変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ブロック変性体、プレポリマー変性体、2量化変性体等が挙げられる。
該ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリル酸ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然ポリオール等、あるいは該ポリオールの変性物等が用いられる。
縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応によって、ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシドの重合反応によって得られる。ポリ(メタ)アクリル酸ポリオールは、通常、ポリ(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応または、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合反応によって得られる。ラクトン系ポリエステルポリオールは通常、多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタムの開環重合によって得られる。ポリカーボネートポリオールはポリオールとジフェニルカーボネート等のカーボネートとの反応によって得られ、この際に用いられるポリオールとしては、通常、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖等、あるいはこれらのオリゴマー等が挙げられる。二塩基酸としては、通常、アジピン酸、フタル酸等を挙げることができる。
かかるポリオールは市販されており、例えば、スミフェン3086、スミフェン3900、スミフェン5200、スミフェンTS、スミフェンTM、スミフェンVN、 SBUポリオール0248、 SBUポリオール0363、SBUポリオール0474、SBUポリオール480J、 SBUポリオール0480、 SBUポリオール0485、 SBUポリオール0487、 SBUポリオール0248、 SBUポリオール0363、 SBUポリオール0262、デスモフェン550U、デスモフェン900U、デスモフェン1600U、デスモフェン1900U(いずれも住友バイエルウレタン株式会社の商品名)等が挙げられる。
エポキシ樹脂は、硬化剤の存在下でのフェノール類又はアルコール類とエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下でのカルボン酸類とエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下でのアミン類、シアヌル酸又はヒダントインとエピクロルヒドリンとの反応、過酢酸等の硬化剤の存在下の脂肪族環状エポキシ化合物の反応等によって生成する。
該硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシサンジアミド、有機酸ジヒドラジド、ポリアミド変性ポリアミン、ケトン変性ポリアミン、エポキシ変性ポリアミン、チオ尿素変性ポリアミン、マンニッヒ変性ポリアミン、マイケル付加変性ポリアミン、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸、ノボラック型ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリイソシアネート、カルボン酸含有ポリエステル樹脂、ベンジルジメチルアニリン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール、2ーメチルイミダゾール、2ーエチル、4ーメチルーイミダゾール、2ーヘプタデシルイミダゾール、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、レゾール型フェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂などが挙げられる。
生成するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレイン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型、ヒダントイン型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。
アルキド樹脂は、必要に応じて、天然植物油または動物脂等の変成剤、金属石鹸、皮張防止剤の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとの反応によって生成する。
該多塩基酸としては、無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられ、該多価アルコールとしては、ペンタエリストール、グリセリン等が挙げられる。
該変成剤としては、例えば、大豆油、アマニ油、桐油、サフラワー油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油等が挙げられ、該金属石鹸としては、通常、マンガン、コバルト、ジルコニウム、ニッケル、鉄、鉛等のナフテン類またはオクチル酸類、例えば、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、オクチル酸コバルト等、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。該皮張防止剤としては、通常、ジペンテン、メトキシフェノール、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトンオキシム等、あるいはそれらの混合物が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和二塩基酸と二価アルコールとをビニルモノマーの存在下で反応せしめることによって生成する。
該不飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、該二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル等が挙げられる。
該ビニルモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒドとが、塩酸、しゅう酸、ヘキサメチレンテトラミン等の触媒の存在下で反応することによって生成する。
該フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、mークレゾール、pークレゾール、キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、レゾルシノール等が挙げられる。この反応で、酸性触媒下ではノボラック型フェノール樹脂が、塩基性触媒下ではレゾール型フェノール樹脂が得られる。
ウレア・メラミン樹脂は、塩基性触媒の存在下、ウレア又はメラミンとホルマリンとの反応により生成する。 シリコン樹脂は、触媒の存在下、シリコンと多官能性シロキサンとの反応により生成する。
本発明において被覆層に用いられる被膜形成材料としては、モノマーの取扱い易さや硬化反応の条件等から、ポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく、操作性の点でウレタン樹脂は更に好ましい。
微粉末固体担体、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色剤、香料としては、前記した内核の項において挙げたものを同様に挙げることができる。
本発明粒剤は、内核を被覆層で被覆することにより得ることができる。
被覆層による被覆方法としては、例えば、被膜形成材料を溶剤に溶解又は分散し、該溶液を回転パン、回転ドラム、流動層、流動床等で運動している内核に添加しつつ、熱風で同時に乾燥せしめて被覆層を形成・生長させて所定の被覆率にまで被覆する方法(被膜乾燥法)や、被膜形成材料の原料を、回転パン、回転ドラム、攪拌ミキサー等で運動している内核に添加しつつ、必要に応じて、加熱あるいは冷却しながら、必要に応じて、触媒を加え、被膜形成材料の原料を硬化せしめて被覆層を形成・生長させて、所定の被覆率にまで被覆する方法(被膜硬化法)等が挙げられる。これらの被覆方法のうち、一般的に、被膜乾燥法は熱可塑性樹脂を被覆する際に用いられることが多く、被膜硬化法は熱硬化性樹脂を被覆する際に用いられることが多い。ワックスや硫黄による被覆においては、被膜乾燥法及び被膜硬化法のいずれも適用される。また、内核を被覆するに際して、運動状態にある内核に、一度に多量の被膜形成材料を添加すると、被覆層の形成過程で被膜形成材料が曳糸性を帯びて内核が凝集した塊状となり易いことから、被膜形成材料は少量単位で間欠的に添加するのがよい。
本発明粒剤における内核と被覆層から構成される粒子の平均粒子径は、一般に0.1〜5mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度である。
本発明粒剤は、含有する農薬有効成分種や使用目的に応じて、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、露地などの農耕地、森林、芝生、ゴルフ場、街路樹、道路、路肩、湿地などの非農耕地、池、貯水池、川、水路、下水道などの水系等で使用することができる。
本発明粒剤は、農薬が一般的に施用される方法によって施用することができ、例えば、手で直接散布する方法や、背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、動力散粒機、育苗箱用散粒機、トラクター搭載型散粒機、多口ホース散粒機、散粒機を搭載した田植機等による方法を挙げることができる。
本発明粒剤の施用に際しては、本発明粒剤の徐放化性能を活用できる場面での使用が好適である。例えば、育苗箱施用、田植時施用、育苗期施用、播種期施用、発芽時施用等、通常農薬が施用される時期よりも早期の施用などは、本発明粒剤の特性の面から好適である。
本発明粒剤が育苗箱において使用される場合には、その施用量は育苗箱(通常、面積0.16m2程度)1枚あたり、通常10〜200g、好ましくは25〜100gであり、その際の施用方法としては、手で直接施用する方法、あるいは育苗箱用散粒機を用いて施用する方法が挙げられる。
なお、本水溶性物質として尿素を含有する本発明粒剤が、育苗箱に施用される場合、尿素の含有量は本発明粒剤中、3〜20%とすることが好ましい。
本発明粒剤が水田や畑地において使用される場合には、その施用量は10アールあたり、通常0.1〜10kg、好ましくは0.25〜5kgであり、その際の施用方法としては、手で直接散布する方法や、背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、多口ホース散粒機、散粒機を搭載した田植機、散粒機を搭載した耕うん機等を用いる方法等を挙げることができる。
次に、製造例及び試験例をあげて本発明を具体的に説明する。
製造例1
(1) N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド 4重量部と含水二酸化珪素0.8重量部とをジュースミキサーでよく混合した後、ピンミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒子径は6.4μmであった(コールターカウンターTA−IIによる測定値)。
上記で得た粉砕物4.8重量部、ポリビニルアルコール3重量部、ベントナイト富士(豊順洋行製)20重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部及び炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)65.2重量部をジュースミキサーでよく混合し、粉末混合物を得た。次に、5重量部の尿素を15重量部の水に溶解せしめ、尿素を含有する水溶液を調製した。得られた水溶液20重量部を、粉末混合物に添加してよく練合した。得られた練合物を0.9mmφのスクリーン付き小型押し出し造粒機で造粒し、整粒した後に、60℃で15分間乾燥して粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 得られた内核1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながら、ポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート) 37.6重量%、分岐型ポリエーテルポリオール33.2重量%、直鎖ポリエーテルポリオール28.2重量%及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.0重量%からなる混合物(以下、混合物Aと記す。)5重量部を添加し、5分間80℃に保った。混合物A 5gの添加と80℃に5分間保つ操作とを12回繰り返し行い、最後に80℃で10分間保持して農薬粒剤(1)を得た。
製造例2
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を60.2重量部とし、尿素の量を10重量部とし、尿素を含有する水溶液の量を25重量部とした以外は製造例1(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを11回とした以外は製造例1(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(2)を製造した。
製造例3
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を55.2重量部とし、尿素の量を15重量部とし、尿素を含有する水溶液の量を30重量部とした以外は製造例1(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例1(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(3)を製造した。
製造例4
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を50.2重量部とし、尿素の量を20重量部とし、尿素を含有する水溶液の量を35重量部とした以外は製造例1(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを6回とした以外は製造例1(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(4)を製造した。
製造例5
(1) 尿素に代えて蔗糖を用いる以外は製造例1(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを14回とした以外は製造例1(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(5)を製造した。
製造例6
(1) 尿素に代えて蔗糖を用いる以外は製造例2(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを10回とした以外は製造例2(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(6)を製造した。
製造例7
(1) 尿素に代えて蔗糖を用いる以外は製造例3(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを11回とした以外は製造例3(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(7)を製造した。
製造例8
(1) 尿素に代えて蔗糖を用いる以外は製造例4(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを10回とした以外は製造例4(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(8)を製造した。
製造例9
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を55.2重量部とし、尿素5重量部に代えて尿素10重量部及び蔗糖5重量部を用い、尿素及び蔗糖を含有する水溶液の量を30重量部とした以外は製造例1(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 重量部gの添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例1(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(9)を製造した。
製造例10
(1)尿素の量を5重量部とし、蔗糖の量を10重量部とした以外は製造例9(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを12回とした以外は製造例9(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(10)を製造した。
製造例11
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を60.2重量部とし、尿素の量を5重量部とし、尿素及び蔗糖を含有する水溶液の量を25重量部とした以外は製造例9(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 重量部gの添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを11回とした以外は製造例9(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(11)を製造した。
製造例12
(1)尿素及び蔗糖の量を共に7.5重量部とした以外は製造例9(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを7回とした以外は製造例9(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(12)を製造した。
製造例13
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を50.2重量部とし、尿素及び蔗糖の量を共に10重量部とし、尿素及び蔗糖を含有する水溶液の量を35重量部とした以外は製造例9(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを6回とした以外は製造例9(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(13)を製造した。
製造例14
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)に代えてカオリンクレーを用いた以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(14)を製造した。
製造例15
(1) ベントナイト富士(豊順洋行製)の量を5重量部とし、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を70.2重量部とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(15)を製造した。
製造例16
(1) ベントナイト富士(豊順洋行製)の量を10重量部とし、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を65.2重量部とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(16)を製造した。
製造例17
(1) ベントナイト富士(豊順洋行製)の量を30重量部とし、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を45.2重量部とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(17)を製造した。
製造例18
(1) ポリビニルアルコールに代えてカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いる以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを10回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(18)を製造した。
製造例19
(1) ポリビニルアルコール3重量部に代えてポリビニルアルコール1重量部及びカルボキシメチルセルロースナトリウム2重量部を用いる以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを10回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(19)を製造した。
製造例20
(1) ポリビニルアルコール3重量部に代えてポリビニルアルコール1重量部及びカルボキシメチルセルロースナトリウム2重量部を用いる以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを8回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(20)を製造した。
製造例21
(1) ポリビニルアルコールの量を1重量部とし、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を57.2重量とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを12回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(21)を製造した。
製造例22
(1) ポリビニルアルコールの量を2重量部とし、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を56.2重量とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを12回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(22)を製造した。
製造例23
(1) ポリビニルアルコールの量を5重量部とし、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を53.2重量とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを6回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(23)を製造した。
製造例24
(1) ベントナイト富士(豊順洋行製)を添加せず、炭酸カルシウム微粉末(平均粒径14.8μm)の量を75.2重量とした以外は製造例12(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを6回とした以外は製造例12(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(24)を製造した。
製造例25
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を56.2重量部とし、ポリビニルアルコールの量を2重量部とし、尿素に代えて硝酸カルシウムを用い、尿素を含有する水溶液代えて硝酸カルシウムを含有する水溶液用いた以外は製造例3(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを10回とした以外は製造例3(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(25)を製造した。
製造例26
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を61.2重量部とし、ポリビニルアルコールの量を2重量部とし、尿素に代えてデキストリンを用い、尿素を含有する水溶液に代えてデキストリンを含有する水溶液を用いた以外は製造例2(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物A 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを10回とした以外は製造例2(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(26)を製造した。
製造例27
(1) デキストリンに代えてグルコースを用い、デキストリンを含有する水溶液に代えてグルコースを含有する水溶液を用いた以外は製造例26(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 製造例26(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(27)を製造した。
製造例28
(1) 炭酸カルシウム微粉末(平均粒子径14.8μm)の量を51.2重量部とし、デキストリン10重量部に代えて硫酸マグネシウム20重量部を用い、デキストリンを含有する水溶液25重量部に代えて硫酸マグネシウムを含有する水溶液35重量部を用いた以外は製造例26(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 製造例26(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(28)を製造した。
製造例29
(1) 硝酸カルシウムに代えて炭酸カリウムを用い、硝酸カルシウムを含有する水溶液に代えて炭酸カリウムを含有する水溶液を用いた以外は製造例25(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 製造例25(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(29)を製造した。
製造例30
(1) 硝酸カルシウムに代えてピロリン酸カリウムを用い、硝酸カルシウムを含有する水溶液に代えてピロリン酸カリウムを含有する水溶液を用いた以外は製造例25(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 製造例26(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(30)を製造した。
製造例31
(1) 硝酸カルシウムに代えて硝酸アンモニウムを用い、硝酸カルシウムを含有する水溶液に代えて硝酸アンモニウムを含有する水溶液を用いた以外は製造例25(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 製造例25(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(31)を製造した。
製造例32
(1) 硝酸カルシウムに代えてクエン酸を用い、硝酸カルシウムを含有する水溶液に代えてクエン酸を含有する水溶液を用いた以外は製造例25(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 製造例25(2)と同様の実験を行い、農薬粒剤(32)を製造した。
比較製造例1
(1) N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド 4重量部と含水二酸化珪素0.8重量部とをジュースミキサーでよく混合した後、ピンミルで粉砕した。得られた粉砕物の平均粒子径は6.4μmであった(コールターカウンターTA−IIによる測定値)。 上記で得た粉砕物4.8重量部、ベントナイト富士(豊順洋行製)30重量部、カルボキシメチルセルロース2重量部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5重量部及びカオリンクレー60.7重量部をジュースミキサーでよく混合した後、乳鉢に移し、水を加えてよく練合した。得られた練合物を0.9mmφのスクリーン付き小型押し出し造粒機で造粒し、整粒した後に、60℃で15分間乾燥して粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 得られた内核1000重量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で回転させ、80℃に保持しながらポリメリックMDI 35.9重量%、分岐型ポリエーテルポリオール31.3重量%、直鎖ポリエーテルポリオール31.3重量%及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1.5重量%からなる混合物(以下、混合物Bと記す。)5重量部を添加し、5分間80℃に保った。混合物Bの添加と80℃に5分間保つ操作とを8回繰り返し行い、最後に80℃に10分間保持して比較農薬粒剤(1)を製造した。
比較例2
(1) 比較製造例1(1)と同様の実験を行い、粒径が1400〜850μmの内核を得た。
(2) 混合物B 5重量部の添加と80℃に5分間保つ操作の繰り返しを20回とした以外は比較製造例1(2)と同様の実験を行い、比較例農薬粒剤(2)を製造した。
試験例1
500mlビーカー中に、表1に示す農薬粒剤300mgと3度硬水300mlとを入れ、緩やかに攪拌した。水温を25±1℃に設定し、1、3、7、14、21、…(以下7日おき)日後にビーカーの中央部分より採取した1mlを液体クロマトグラフィーにより分析して、農薬有効成分量を測定し、次式により、溶出率を求め、内挿法により農薬有効成分が50%溶出するのに要する日数を求めた。結果を表1に示す。