JP4546652B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波フィルタに係り、特にトランスバーサル型弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波(SAW)フィルタは、小型、軽量であって、調整の必要がない等の利点により移動体通信機器等に多く利用されている。弾性表面波フィルタとして、送信側と受信側にすだれ状電極のトランスジューサー(IDT(Interdigital Transducer))を配置し、各電極指の励振強度によるフィルタ特性をうるトランスバーサル型弾性表面波フィルタが知られている。
【0003】
トランスバーサル型弾性表面波フィルタでは、すだれ状電極それ自体がトランスバーサルフィルタであり、これを入出力変換器として用いる弾性表面波フィルタは、振幅特性と位相特性を独立に設計できるという従来のLCフィルタにない優れた特徴を有している。
【0004】
このようなトランスバーサル型弾性表面波フィルタの設計には、リニアアレーアンテナの指向性合成理論や、FIR(Finite Impulse Response)ディジタルフィルタの合成理論を活用して行われていた。
【0005】
このようにして設計された弾性表面波フィルタの基本構成は、送信すだれ状電極部(送信IDT)、伝搬部、受信すだれ状電極部(受信IDT)からなり、送信すだれ状電極、受信すだれ状電極の構成により、様々な特性のフィルタが実現されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、フィルタへの小型化、薄形化の要求はますます強くなってきている。従来のトランスバーサル型弾性表面波フィルタでは、弾性表面波素子チップの物理的大きさにより伝搬距離が決定されるので、十分なインパルス数を確保できず、特性を優先した素子を実現するのが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、小形であっても十分な伝搬距離を確保することにより、実効インパルス数を増やすことで良好な特性を実現できる弾性表面波フィルタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成され、入力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起する入力用IDTと、前記圧電基板上に形成され、前記入力用IDTにより励起された弾性表面波を受信して電気信号を出力する出力用IDTと、前記出力用IDTから出力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起して前記出力用IDTへ送信する帰還用IDTとを有することを特徴とする弾性表面波フィルタによって達成される。
【0009】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記入力用IDTは、前記出力用IDTと前記帰還用IDTとの間に設けられているようにしてもよい。
【0010】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記入力用IDTと前記帰還用IDTは、前記出力用IDTの一方の側に設けられているようにしてもよい。
【0011】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記入力用IDTは、前記出力用IDTの一方の側に設けられ、前記帰還用IDTは、前記出力用IDTの他方の側に設けられているようにしてもよい。
【0012】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記入力用IDTは、前記出力用IDTの一部分に相対して設けられ、前記帰還用IDTは、前記出力用IDTの他の部分に相対して設けられているようにしてもよい。
【0013】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記入力用IDTは、前記入力用IDTから前記出力用IDTへ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有するようにしてもよい。
【0014】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記帰還用IDTは、前記帰還用IDTから前記出力用IDTへ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有するようにしてもよい。
【0015】
上記目的は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成され、入力端から入力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起する入力用IDTと、前記圧電基板上に形成され、前記入力用IDTにより励起された弾性表面波を受信して電気信号を出力端に出力する出力用IDTと、前記出力用IDTから出力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起して前記出力用IDTへ送信する帰還用IDTとを有する電極構造列を複数列有し、各電極構造列の入力端及び出力端が共通接続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタによって達成される。
【0016】
上述した弾性表面波フィルタにおいて、前記各電極構造列では、前記帰還用IDT、前記入力用IDT、前記出力用IDTがこの順番で配置されているようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による弾性表面波フィルタを図1乃至図3を用いて説明する。図1は本実施形態の弾性表面波フィルタの構造を示す図であり、図2は本実施形態の弾性表面波フィルタの等価回路を示す回路図であり、図3は本実施形態の弾性表面波フィルタの特性を示すグラフである。
【0018】
本実施形態の弾性表面波フィルタはトランスバーサル型弾性表面波フィルタである。図1に示すように、水晶の圧電基板(図示せず)上に、帰還用IDT10、入力用IDT12、出力用IDT14が形成されている。中央上部には入力用IDT12が形成され、左側下部には帰還用IDT10が形成されている。入力用IDT12と帰還用IDT10の右側には電極指の長さが2倍の出力用IDT14が形成されている。入力用IDT12と出力用IDT14との間には伝搬路13(Z-n)があり、帰還用IDT10と出力用IDT14の間には伝搬路13より長い伝搬路11(Z-m)がある。
【0019】
入力用IDT12は、入力端Xに外部から入力された電気信号X(z)により圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。右側の出力用IDT14は、その上半部で、入力用IDT12により励起され伝搬路13を伝搬した弾性表面波を受信して出力端Yに電気信号Y(z)を出力する。
【0020】
帰還用IDT10は、出力用IDT14から出力された電気信号により圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。出力用IDT14は、その下半部で、帰還用IDT10により励起された伝搬路11を伝搬した弾性表面波を受信する。
【0021】
入力用IDT12は、入力用IDT12から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。帰還用IDT10は、帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。出力用IDT14は、入力用IDT12及び帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。なお、これら入力用IDT12、帰還用IDT10及び出力用IDT14については双方向性であってもよい。
【0022】
本実施形態の弾性表面波フィルタは、出力用IDT14から出力される出力信号Y(z)が、帰還用IDT10により出力用IDT14に帰還され、これが繰り返される再帰型のIIRフィルタを構成している。再帰型であるため小形の素子チップで各IDT10、12、14の電極指数が少なくとも、十分なインパルス数を確保でき、特性のよいフィルタ素子を実現することができる。
【0023】
本実施形態の弾性表面波フィルタは、図2の等価回路に示すように、入力端Xに入力用IDT12によるフィルタ部(H1(z))22が接続され、フィルタ部22には伝搬路13による遅延部(Z-n)23が接続されている。遅延部(Z-n)23には加算ノード25を介して出力用IDT14によるフィルタ部(H2(z))24が接続されている。フィルタ部(H2(z))24には出力端Yが接続されている。出力端Yには帰還用IDT10によるフィルタ部(H3(z))20が接続され、伝搬路11、入力用IDT12、伝搬路13による遅延部(Z-m)21が接続されている。遅延部21(Z-m)は、加算ノード25を介してフィルタ部(H2(z))24に接続されている。
【0024】
図2の等価回路からわかるように、本実施形態の弾性表面波フィルタは、出力用IDT14から出力される出力信号Y(z)が、帰還用IDT10により出力用IDT14に帰還され、これが繰り返される再帰型のIIR(Ininite Impulse Response)フィルタを構成していることに特徴がある。再帰型であるため小形の素子チップで各IDT10,12,14の電極指数が少なくても、十分なインパルス数を確保でき、特性のよいフィルタ素子を実現することができる。
【0025】
図2の等価回路から、出力信号Y(z)と出力信号X(z)の比は次の式で表される。
【0026】
Y(z)/X(z)=(H1(z)・H2(z)・Z-n)/(1−a・H2(z)・H3(z)・Z-m
ただし、aは伝搬損失である。
【0027】
(実施例)
本発明の第1実施形態の構造の弾性表面波フィルタを作成して、その特性を計算機シミュレーションにより求めた。その結果、図3に示すように、本実施例の弾性表面波フィルタについてシミュレーションによる計算結果が得られた。中心周波数は85.380MHzである。図3の周波数特性から、弾性表面波フィルタとして、良好な特性が実現できることがわかった。
【0028】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による弾性表面波フィルタを図4を用いて説明する。図4は本実施形態の弾性表面波フィルタの構造を示す図である。図1に示す実施形態における構成要素と同一又は同種の構成要素には同じ符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0029】
本実施形態の弾性表面波フィルタはトランスバーサル型弾性表面波フィルタである。図4に示すように、水晶の圧電基板(図示せず)上に、帰還用IDT10、入力用IDT12、出力用IDT14が形成されている。左側上部には入力用IDT12が形成され、左側下部には帰還用IDT10が形成されている。入力用IDT12と帰還用IDT10の右側には電極指の長さが2倍の出力用IDT14が形成されている。入力用IDT12と出力用IDT14との間には伝搬路13があり、帰還用IDT10と出力用IDT14の間には伝搬路11がある。
【0030】
入力用IDT12と帰還用IDT10の間には吸音部30が設けられている。
入力用IDT12と帰還用IDT10の左側、出力用IDT14の右側にも、それぞれ吸音部31、32が設けられている。吸音部30、31、32は、樹脂を塗布するか、溝を形成するか等により形成され、圧電基板上を弾性表面波が伝搬することを阻止する。吸音部30により入力用IDT12と帰還用IDT10間の弾性表面波のクロストークを防止する。吸音部31、32により弾性表面波が外方に伝搬して圧電基板の端部で反射して雑音となることを防止する。
【0031】
入力用IDT12は、入力端Xに外部から入力された電気信号X(z)により圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。右側の出力用IDT14は、その上半部で、入力用IDT12により励起され伝搬路13を伝搬した弾性表面波を受信して出力端Yに電気信号Y(z)を出力する。
【0032】
帰還用IDT10は、出力用IDT14から出力された電気信号により圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。出力用IDT14は、その下半部で、帰還用IDT10により励起され伝搬路11を伝搬した弾性表面波を受信する。
【0033】
入力用IDT12は、入力用IDT12から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。帰還用IDT10は、帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。出力用IDT14は、入力用IDT12及び帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。なお、これら入力IDT12、帰還用IDT10及び出力用IDT14については双方向性であってもよい。
【0034】
本実施形態の弾性表面波フィルタも、出力用IDT14から出力される出力信号Y(z)が、帰還用IDT10により出力用IDT14に帰還され、これが繰り返される再帰型のIIRフィルタを構成している。再帰型であるため小形の素子チップで各IDT10,12,14の電極指数が少なくても、十分なインパルス数を確保でき、特性のよいフィルタ素子を実現することができる。
【0035】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による弾性表面波フィルタを図5を用いて説明する。図5は本実施形態の弾性表面波フィルタの構造を示す図である。図1及び図4に示す実施形態における構成要素と同一又は同種の構成要素には同じ符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0036】
本実施形態の弾性表面波フィルタはトランスバーサル型弾性表面波フィルタである。図5に示すように、水晶の圧電基板(図示せず)上に、帰還用IDT10、入力用IDT12、出力用IDT14が形成されている。中央に出力用IDT14が形成され、左側上部には入力用IDT12が形成され、右側下部には帰還用IDT10が形成されている。出力用IDT14の電極指は、入力用IDT12、帰還用IDT10の電極指の2倍の長さである。入力用IDT12と出力用IDT14との間には伝搬路13があり、帰還用IDT10と出力用IDT14の間には伝搬路11がある。
【0037】
入力用IDT12の左側と右斜め下には吸音部33、34がそれぞれ設けられている。帰還用IDT10の右側と左斜め上には吸音部35、36がそれぞれ設けられている。吸音部33、34、35、36は、樹脂を塗布するか、溝を形成するか等により形成され、圧電基板上を弾性表面波が伝搬することを阻止する。
吸音部34により出力用IDT14から入力用IDT12に弾性表面波が伝搬するのを阻止する。吸音部36により出力用IDT14から帰還用IDT10に弾性表面波が伝搬するのを阻止する。吸音部33、35により入力用IDT12と帰還用IDT10からの弾性表面波が外方に伝搬して圧電基板の端部で反射して雑音となることを防止する。
【0038】
入力用IDT12は、入力端Xに外部から入力された電気信号X(z)により圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。出力用IDT14は、その上半部で、入力用IDT12により励起され伝搬路13を伝搬した弾性表面波を受信して出力端Yに電気信号Y(z)を出力する。
【0039】
帰還用IDT10は、出力用IDT14から出力された電気信号により圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。出力用IDT14は、その下半部で、帰還用IDT10により励起され伝搬路11を伝搬した弾性表面波を受信する。
【0040】
入力用IDT12は、入力用IDT12から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。帰還用IDT10は、帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。出力用IDT14は、入力用IDT12及び帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かう弾性表面波を受信するので双方向であることが望ましい。なお、入力用IDT12、帰還用IDT10については双方向性であってもよい。
【0041】
本実施形態の弾性表面波フィルタも、出力用IDT14から出力される出力信号Y(z)が、帰還用IDT10により出力用IDT14に帰還され、これが繰り返される再帰型のIIRフィルタを構成している。再帰型であるため小形の素子チップで各IDT10,12,14の電極指数が少なくても、十分なインパルス数を確保でき、特性のよいフィルタ素子を実現することができる。
【0042】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による弾性表面波フィルタを図6及び図7を用いて説明する。図6は本実施形態の弾性表面波フィルタの構造を示す図であり、図7は本実施形態の弾性表面波フィルタの等価回路を示す回路図である。
【0043】
本実施形態の弾性表面波フィルタは、例えば、上述した第1乃至第3の実施形態のような弾性表面波フィルタを構成する電極構造列をひとつの単位とし、その電極構造列を複数列設け、各電極構造列の入力端と出力端を共通接続したものである。
【0044】
本実施形態の弾性表面波フィルタは、上述した第1乃至第3の実施形態の弾性表面波フィルタとは異なり、図6上部に記載したように、帰還用IDT10、入力用IDT12、出力用IDT14が、伝搬路11、13を介して直列に配列された電極構造列をひとつの単位として弾性表面波フィルタを構成している。
【0045】
各電極構造列において、中央の入力用IDT12は、入力端Xに外部から入力された電気信号X(z)におり圧電基板に弾性表面波を励起して出力用IDT14に向かって送信する。各電極構造列において、右側の出力用IDT14は、入力用IDT12により励起され伝搬路13を伝搬した弾性表面波を受信して出力端Yに電気信号Y(z)を出力する。各電極構造列において、左側の帰還用IDT10は、出力用IDT14から出力された電気信号により圧電基板に弾性表面波を励起して入力用IDT12の先の出力用IDT14に向かって送信する。出力用IDT14は、帰還用IDT10により励起され、伝搬路11、入力用IDT12、伝搬路13を伝搬した弾性表面波を受信する。
【0046】
入力用IDT12は、入力用IDT12から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。帰還用IDT10は、帰還用IDT10から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。出力用IDT14は、入力用IDT12から出力用IDT14へ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有することが望ましい。帰還用IDT10及び出力用IDT14については双方向性であってもよい。
【0047】
弾性表面波フィルタは、図6に示すように、これら電極構造列41〜47を一列に配置している。各電極構造列41〜47の入力端子X、出力端子Y、接地端子は共通接続されている。
【0048】
本実施形態の弾性表面波フィルタは、図7の等価回路に示すように、各電極構造列41〜47では、入力端子Xに加算ノード25を介して入力用IDT12によるフィルタ部(H1(z))22が接続され、フィルタ部22には伝搬路13による遅延部(Z-n)23が接続されている。遅延部(Z-n)23には出力用IDT14によるフィルタ部(H2(z))24が接続されている。フィルタ部(H2(z))24には出力端Yが接続されている。出力端Yには帰還用IDT10によるフィルタ部(H3(z))20が接続され、伝搬路11、入力用IDT12、伝搬路13による遅延部(Z-m)21が接続されている。遅延部21(Z-m)は、加算ノード25を介してフィルタ部(H1(z))22に接続されている。各電極構造列41〜47からの出力信号Y1〜Y7は加算されて出力信号Y(=ΣYn)が出力される。
【0049】
図7の等価回路からわかるように、本実施形態の弾性表面波フィルタは、各電極構造列41〜47が再帰型IIRフィルタを構成し、更に各電極構造列41〜47の出力信号Y1〜Y7が加算されるので、十分なインパルス数を確保でき、特性のよいフィルタ素子を実現することができる。なお、図7の等価回路では、加算ノードの位置が図2の等価回路と異なるが、図7の等価回路により容易に計算式が導出できる。
【0050】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による弾性表面波フィルタを図8を用いて説明する。図8は本実施形態の弾性表面波フィルタの構造を示す図である。図6に示す実施形態における構成要素と同一又は同種の構成要素には同じ符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0051】
本実施形態の弾性表面波フィルタでは、例えば、図1に示す弾性表面波フィルタを構成する電極構造列をひとつの単位として弾性表面波フィルタを構成している。図8に示すように、帰還用IDT10、入力用IDT12、出力用IDT14をこの順番で配列して電極構造列41〜47、51〜57を構成している。更に、電極構造列41〜47と電極構造列51〜57では、接地端子側が相対する用に配置し、各電極構造列41〜47、51〜57の入力端子X、出力端子Y、接地端子を共通接続している。
【0052】
本実施形態の弾性表面波フィルタによれば、各電極構造列41〜47、51〜57が再帰型IIRフィルタを構成し、更に各電極構造列41〜47、51〜57の出力信号が加算されるので、十分なインパルス数を確保でき、より特性のよいフィルタ素子を実現することができる。
【0053】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、入力用IDT、出力用IDT、帰還用IDTの配置は、上記実施形態の配置に限らない。入力用IDTが入力された電気信号により弾性表面波を励起し、出力用IDTが励起された弾性表面波を受信し、帰還用IDTが出力信号により弾性表面波を励起して出力用IDTへ送信するものであれば、いかなる配置構成であってもよい。
【0054】
また、第4実施形態、第5実施形態において各電極構造列の構成は他の弾性表面波フィルタの構成であってもよく、電極構造列の数は上記実施形態に記載したものに限らない。
【0055】
また、圧電基板としては水晶の圧電基板に限らず、四ホウ酸リチウム単結晶基板等の他の圧電基板でもよい。
【0056】
また、すだれ状電極としては、上記実施形態のものに限らず、アポタイズ法等により重み付けをしたものや、複数本の電極指を単位としてくし型電極を構成してもよい。
【0057】
また、一方向性のすだれ状電極としては、3相形一方向性変換器やグループ形一方向性変換器等の多相形一方向性変換器や、内部反射質量効果を用いた一方向性変換器や、反射バンク形一方向性変換器、電気機械結合係数の差による反射を利用した一方向性変換器、浮き電極による反射を用いた一方向性変換器、ナチュラル一方向性変換器等の単相形一方向性変換器として構成したものでもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、入力用IDTにより入力された電気信号により弾性表面波を励起し、出力用IDTにより入力用IDTにより励起された弾性表面波を受信して電気信号を出力し、帰還用IDTにより出力用IDTから出力された電気信号により弾性表面波を励起して出力用IDTへ送信するようにしたので、小形であっても十分な伝搬距離を確保することにより、実効インパルス数を増やすことで良好な特性を実現することができ、フィルタ特性の設計値を拡大できる性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による弾性表面波フィルタの構造を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態による弾性表面波フィルタの等価回路を示す回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態による弾性表面波フィルタの特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態による弾性表面波フィルタの構造を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態による弾性表面波フィルタの構造を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態による弾性表面波フィルタの構造を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態による弾性表面波フィルタの等価回路を示す回路図である。
【図8】本発明の第5実施形態による弾性表面波フィルタの構造を示す図である。
【符号の説明】
10…帰還用IDT
11…伝搬路
12…入力用IDT
13…伝搬路
14…出力用IDT
20…フィルタ部
21…遅延部
22…フィルタ部
23…遅延部
24…フィルタ部
30、31、32、33、34、35…吸音部
41〜47、51〜57…電極構造列

Claims (9)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に形成され、入力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起する入力用IDTと、
    前記圧電基板上に形成され、前記入力用IDTにより励起された弾性表面波を受信して電気信号を出力する出力用IDTと、
    前記出力用IDTから出力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起して前記出力用IDTへ送信する帰還用IDTと
    を有することを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 請求項1記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力用IDTは、前記出力用IDTと前記帰還用IDTとの間に設けられている
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  3. 請求項1記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力用IDTと前記帰還用IDTは、前記出力用IDTの一方の側に設けられている
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  4. 請求項1記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力用IDTは、前記出力用IDTの一方の側に設けられ、
    前記帰還用IDTは、前記出力用IDTの他方の側に設けられている
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  5. 請求項3又は4記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力用IDTは、前記出力用IDTの一部分に相対して設けられ、
    前記帰還用IDTは、前記出力用IDTの他の部分に相対して設けられている
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力用IDTは、前記入力用IDTから前記出力用IDTへ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有する
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  7. 請求項6記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記帰還用IDTは、前記帰還用IDTから前記出力用IDTへ向かって弾性表面波を送信する一方向性を有する
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  8. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に形成され、入力端から入力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起する入力用IDTと、前記圧電基板上に形成され、前記入力用IDTにより励起された弾性表面波を受信して電気信号を出力端に出力する出力用IDTと、前記出力用IDTから出力された電気信号により前記圧電基板に弾性表面波を励起して前記出力用IDTへ送信する帰還用IDTとを有する電極構造列を複数列有し、
    各電極構造列の入力端及び出力端が共通接続されている
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  9. 請求項8記載の弾性表面波フィルタにおいて、
    前記各電極構造列では、前記帰還用IDT、前記入力用IDT、前記出力用IDTがこの順番で配置されている
    ことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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