JP4544228B2 - ポリブチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレートの製造方法に関し、詳しくは、テトラヒドロフランの副生を抑制しながら、生産性を犠牲にすることなく、色調、耐加水分解性、熱安定性、透明性、成形性に優れ、異物が低減された、フィルム、モノフィラメント、繊維、電気電子部品、自動車部品などに好適に使用することが出来るポリブチレンテレフタレートの製造方法に関する。
熱可塑性ポリエステル樹脂の中で代表的なエンジニアリングプラスチックであるポリブチレンテレフタレートは、成形加工の容易さ、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、保香性、その他の物理的、化学的特性に優れていることから、自動車部品、電気・電子部品、精密機器部品などの射出成型品に広く使用されている。近年は、その優れた性質を活かし、フィルム、シート、モノフィラメント、繊維などの分野でも広く使用される様になってきており、これらの分野では従来の射出成形品に比べ高い分子量のポリブチレンテレフタレートが求められている。
ポリブチレンテレフタレートは、上記のような優れた性質を有する一方で、耐加水分解性が必ずしも十分ではなく、特に湿熱下の使用においては、分子量の低下に伴う機械的物性の低下が問題になっている。一般に、ポリブチレンテレフタレートは末端カルボキシル基濃度が高いほど耐加水分解性が悪化することが知られており(例えば特許文献1参照)、加水分解による分子量低下、ひいては機械的物性などの低下を招くことが大きな問題である。
上記の問題を解決するため、溶融重合で得られたポリブチレンテレフタレートを一旦固化させ、その融点以下の温度で固相重合させることにより、末端カルボキシル基濃度を低減させることが広く行われている(例えば特許文献1参照)。ところが、この方法では、一旦冷却固化させたポリブチレンテレフタレートを再度昇温する必要があるため、エネルギーロスが大きくなるという問題がある。また、通常の溶融成形はポリブチレンテレフタレートの融点以上で行われるため、従来のポリブチレンテレフタレートでは、固相重合によって末端カルボキシル基濃度を低減させても、成型時に再び末端カルボキシル基濃度の上昇が起こるという問題がある。この末端カルボキシル基濃度の上昇は、ブタジエンやテトラヒドロフランを発生する反応と表裏一体であるため(例えば非特許文献1参照)、結果的に成型時のガスの発生が多くなるという問題も惹起する。
このような溶融時の末端カルボキシル基濃度の上昇速度は、触媒として添加されポリブチレンテレフタレート中に残存しているチタン化合物の存在によって促進されると考えられるが、これを抑制するためにチタン化合物を減らそうとすると、重合速度が遅くなり、実用的な重合速度でポリブチレンテレフタレートを製造する場合は重合温度を上げざるを得なくなる。そのため、結果として、末端カルボキシル基濃度が上昇する分解反応を促進し、意図したようには末端カルボキシル基濃度が低下しない。また、高温の反応は色調の悪化を招き、商品価値を落とすという問題もある。
上記のような問題を解決するため、触媒として特定のモル比のチタン化合物と特定の金属化合物を使用することにより重合温度を低く設定する方法(例えば特許文献2参照)や特定状態のチタンの使用が提案されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法においても上記課題の解決は十分とは言えず、ポリブチレンテレフタレートへの品質要求が高まる中で、満足できる方法とは言えなかった。
ポリブチレンテレフタレートの製造方法としては、一般に、原料にジメチルテレフタレートと1,4―ブタンジオールを使用するエステル交換法(DMT法)又はテレフタル酸と1,4―ブタンジオールを使用する直接重合法が知られているが、エステル交換法は反応の副生物としてメタノールが発生し、副生低分子量物の回収処理の問題を有していることから、近年では、原料原単位的に有利な直接重合法が注目され、更には、製品品質の安定性、生産設備の小型化、エネルギー効率等の観点から、連続的に原料を供給し、連続的に製品を得る直接連続重合法が注目されている。
ところが、ポリブチレンテレフタレートの製造で使用されるチタン触媒は、その一部がポリブチレンテレフタレートの製造工程の途中で失活してしまうという問題があり、当該失活は、原料としてテレフタル酸を使用する直接連続重合法の場合に顕著である(例えば特許文献4及び5参照)。チタン触媒の失活は、文字通り反応性の悪化を招くだけでなく、ヘイズの悪化や異物の増加を招くという深刻な問題がある。
これらの問題を解決するために、ポリブチレンテレフタレート製造の際に添加する有機チタン化合物の量を規定し、初期のエステル化反応段階で有機スズ化合物を共存させる方法(例えば特許文献4及び6参照)、更に、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを連続的にエステル化する反応を2段階に分け、第1段階のエステル化反応では有機スズ化合物のみを添加し、第2段階のエステル化反応で有機チタン化合物を追添加し、触媒由来の異物やヘイズを低減する方法が提案されている(例えば特許文献7参照)。ところが、これらの方法では、異物やヘイズの低減効果は限定的であるだけでなく、スズ化合物の多量添加によるポリブチレンテレフタレートの色調の悪化を招くという問題がある。
更に、ポリブチレンテレフタレートの直接連続重合法では、初期のエステル化反応でテトラヒドロフランが副生し、原料の1,4−ブタンジオールの原単位を悪化させるという問題がある。この問題を解決するために、エステル化反応時のテレフタル酸に対する1,4−ブタンジオールのモル比を比較的低く設定し、チタンの他にスズを共存させる方法が提案されているが(例えば特許文献6参照)、依然として得られたポリブチレンテレフタレートの溶液ヘイズは高く、触媒の失活の問題は何ら解決されていない。また、エステル化を特定温度、特定圧力で行う方法も提案されているが(例えば特許文献8参照)、この方法においてもテトラヒドロフランの副生抑制と触媒の失活防止は両立できなかった。
飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(1989年12月22日、 日刊工業新聞社発行、第274頁) 特開平9−316183号公報 特開平8−20638号公報 特開平8−41182号公報 特開2002−284868号公報 特開2002−284870号公報 特開平10−330469号公報 特開平10−330468号公報 特開昭62−195017号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、テトラヒドロフラン副生を抑制しながら、生産性を犠牲にすることなく、色調、耐加水分解性、熱安定性、透明性、成形性に優れ、しかも、異物の低減された、フィルム、モノフィラメント、繊維、電気電子部品、自動車部品などに好適に使用することが出来るポリブチレンテレフタレートの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒としてチタン化合物および周期表1族および2族から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物を使用して特定の態様でエステル化反応および重合反応を行うならば、驚くべきことに、チタン触媒の失活を防ぎ、熱分解反応に起因する末端カルボキシル基の上昇を抑制しながら、低末端カルボキシル基濃度のポリブチレンテレフタレートが得られ、更には、溶融押出時や成型時における末端カルボキシル基濃度の上昇も抑制可能であり、加えて重縮合反応が大幅に促進されるために、色調や熱安定性に優れたポリブチレンテレフタレートを効率的に製造することが可能であるとの知見を得、本発明の完成に至った。
本発明の要旨は、触媒としてチタン化合物と周期表1族および2族から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物とを使用し、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとからポリブチレンテレフタレートを連続的に製造するに当たり、次の(a)〜(c)の条件を満足することを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法に存する。
(a)チタン原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり460μmol以下のチタン触媒の存在下にテレフタル酸と1,4−ブタンジオールを連続的にエステル化反応してオリゴマーを得る。
(b)金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり450μmol以下の周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の存在下に上記のオリゴマーを連続的に重縮合反応させる。
(c)上記の金属の化合物は、エステル化率90%以上のオリゴマーに至る前の段階においては金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり300μmol以下の範囲で添加してもよいが、エステル化率90%以上のオリゴマーに至った以降の段階においては金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり10μmol以上添加する。
そして、本発明の第2の要旨は、上記の製造方法により得られたポリブチレンテレフタレートを、更に融点未満の温度で固相重縮合させることを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法に存する。
本発明によれば、色調、耐加水分解性、熱安定性、透明性、成形性に優れ、しかも、異物の低減された、フィルム、モノフィラメント、繊維、電気電子部品、自動車部品などに好適に使用することが出来るポリブチレンテレフタレートの製造方法が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明におけるポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記することがある)とは、テレフタル酸単位および1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有し、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸単位から成り、ジオール成分の50モル%以上が1,4−ブタンジオール単位から成る高分子を言う。全ジカルボン酸単位中のテレフタル酸単位の割合は、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最適には98%以上であり、全ジオール単位中の1,4ブタンジオール単位の割合は、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最適には98%以上である。テレフタル酸単位または1,4−ブタンジオール単位が50モル%より少ない場合は、PBTの結晶化速度が低下し、成形性の悪化を招く。
本発明において、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分には特に制限はなく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることが出来る。これらのジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、または、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体を原料として、ポリマー骨格に導入できる。
本発明において、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分には特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール等を挙げることが出来る。
本発明においては、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分などを共重合成分として使用することが出来る。
先ず、本発明においては、チタン原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり460μmol以下のチタン触媒の存在下にテレフタル酸と1,4−ブタンジオールを連続的にエステル化反応してオリゴマーを得る。
チタン触媒の具体例としては、酸化チタン、四塩化チタン等の無機チタン化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が挙げられる。これらの中ではテトラアルキルチタネートが好ましく、その中ではテトラブチルチタネートが好ましい。
チタン触媒の使用量の上限は、チタン原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たりの値として、好ましくは320μmol、更に好ましくは230μmol、特に好ましくは190μmolである。チタン触媒の使用量の下限は、特に制限されないが、上記と同一基準の値として、通常45μmol、好ましくは90μmol、更に好ましくは130μmolである。チタン触媒の使用量が多過ぎる場合は、色調、耐加水分解性などが悪化し、チタン触媒の失活物由来の異物が増加する傾向にあり、チタン触媒の使用量が少な過ぎる場合は、重合性が悪化したり、副生するTHF量が増加したりする傾向にある。なお、本発明において、複数段のエステル化反応装置を使用し、徐々にエステル化率を上昇させる場合は、必ずしも1段目のエステル化反応装置においてチタン触媒の必要量の全量を添加する必要はなく、1段目のエステル化反応装置において添加を行わないことも可能であり、エステル化反応の終了までに必要な量が添加されていればよい。
また、チタン触媒は溶媒などに溶解させたり希釈させたりせずに直接エステル化反応器に供給することも出来るが、供給量を安定化させ、反応器の熱媒ジャケット等からの熱による変性、失活による異物発生などの悪影響を軽減するためには、1,4−ブタンジオール等の溶媒で希釈することが好ましい。この際の濃度は、適宜決められるが、一般的にはチタン触媒濃度として、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.08〜8重量%である。
中でも、異物低減の観点から、チタン触媒が0.01〜20重量%(好ましくは1〜10重量%)の1,4−ブタンジオール溶液として供給され、かつ、当該溶液中の水分濃度が0.05〜1.0重量%であることが好ましい。また、チタン触媒溶液は、劣化防止、析出防止、異物抑制の点から、テレフタル酸とは反応器に供給する前に混合せずに、独立に供給することが好ましい。
また、本発明の製造方法ではチタン触媒存在下にエステル化反応を行うことを必須とするが、エステル化反応の後重縮合反応前または重縮合反応中にチタン触媒を更に添加することも可能である。このような場合も、最終的に得られるポリブチレンテレフタレート中のチタン触媒の含有量の上限は、チタン原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり460μmolであることが好ましく、更に好ましくは320μmol、特に好ましくは230μmol、最も好ましくは190μmolである。チタン触媒の含有量が上記の上限を超えると、得られるポリブチレンテレフタレートの色調、耐加水分解性が悪くなる傾向となり、チタン触媒の失活物由来の異物が増加する傾向となる。
チタンの他に、スズが触媒として使用されていてもよい。スズは、通常、スズ化合物として使用され、その具体例としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などが挙げられる。
スズはポリブチレンテレフタレートの色調を悪化させるため、その添加量はスズ原子として、通常200ppm以下、好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下であり、中でも添加しないことが最も好ましい。
次いで、本発明においては、金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり450μmol以下の周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の存在下に上記のオリゴマー連続的に重縮合反応させる。重縮合反応時に存在する周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の上限は、金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり、好ましくは300μmol、更に好ましくは180μmol、特に好ましくは130μmol、最も好ましくは100μmolである。重縮合反応時に存在する周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物が上記の上限を超えると、重縮合反応が進むにつれて重縮合反応速度が低下する傾向となり、得られるポリブチレンテレフタレートの色調や耐加水分解性が悪化する場合がある。なお、上記の値は金属種が複数含まれている場合にはその合計量を指す。
周期表1族金属の化合物の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの各種化合物が挙げられ、周期表2族金属の化合物の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの各種化合物が挙げられるが、取り扱いや入手の容易さ、触媒効果の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの化合物が好ましく、中でも、触媒効果に優れるマグネシウム又はリチウム化合物が好ましく、特にはマグネシウム化合物が好ましい。マグネシウム化合物の具体例としては、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等が挙げられ、これらの中では酢酸マグネシウムが好ましい。
上記の金属化合物は、エステル化率90%以上のオリゴマーに至る前の段階においては金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり300μmol以下の範囲で添加してもよいが、エステル化率90%以上のオリゴマーに至った以降の段階においては金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり10μmol以上添加する。
オリゴマーのエステル化率は計算式(1)によって酸価およびケン化価から算出することが出来る。酸価は、ジメチルホルムアミドにオリゴマーを溶解させ、0.1NのKOH/メタノール溶液を使用して滴定により求め、ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めることが出来る。
エステル化率90%以上のオリゴマーに至る前の段階において添加する金属化合物の量が上記の範囲を超える場合は、エステル化反応が阻害され、色調の悪化やTHFの副生量の増加を招く。この段階での金属化合物の使用量は、前記と同一基準の値として、好ましくは270μmol以下、更に好ましくは130μmol以下、特に好ましくは90μmol、最も好ましくは45μmolであり、この段階においては前記の金属化合物を添加しないことが最も好ましい。
エステル化率90%以上のオリゴマーに至った以降の段階において添加する金属化合物の使用量の下限は、前記の通り10μmolであるが、好ましくは45μmol、更に好ましくは80μmolである。一方、その上限は、前記と同一基準の値として、通常300μmol以下、好ましくは180μmol以下、更に好ましくは130μmol以下、特に好ましくは100μmol以下である。周期表1族および2族の金属の化合物は、初期の重縮合速度を大きくし、得られるPBTの色調や耐加水分解性などを向上させる。しかしながら、その使用量が多過ぎる場合は、後期の重縮合速度を低下させるため、上記の効果が発現されず、少な過ぎる場合は、初期の重縮合速度の向上が認められない。
また、本発明において、チタン原子に対する周期表1族および2族から選ばれる少なくとも1種の金属のモル比[(周期表1族+2族金属)/チタン)]は、通常0.1〜5、好ましくは0.1〜2、更に好ましくは0.3〜1.0、特に好ましくは0.3〜0.8である。
チタン原子などの金属含有量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、InductivelyCoupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
エステル化率90%以上のオリゴマーに至った以降の段階において添加する金属化合物は次の様に添加するのがよい。すなわち、反応器の出口における固有粘度が通常0.50dL/g以下、好ましくは0.40dL/g以下、更に好ましくは0.30dL/g以下の段階で添加する。上記の固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃で測定した値である。
また、添加方法としては、重縮合反応器の気相部経由で液相部に添加する方法、液相部に直接添加する方法などが挙げられるが、エントレインメント、失活、析出などを防止するためには、オリゴマーの抜出ライン(エステル化工程の最終反応槽からオリゴマーを抜出し、これを重縮合工程の最初の反応槽へ供給する配管)に添加し、ここから重縮合工程へ供給する方法が好ましい。
また、前記の金属化合物は、溶媒などに溶解させたり希釈させたりせずに直接添加することも出来るが、供給量を安定化させ、熱媒ジャケット等からの熱による変性、失活による異物発生などの悪影響を軽減するためには、ジオール、水などの溶媒で希釈して添加することが好ましい。この際の濃度の上限値は、金属化合物濃度として、通常10重量%、好ましくは3重量%、更に好ましくは1.5重量%、特に好ましくは0.5重量%であり、その下限値は、金属化合物濃度として、通常0.01重量%、好ましくは0.05重量%、更に好ましくは0.1重量%である。金属化合物の濃度が高すぎる場合は、溶媒による希釈効果がなくなり、低すぎる場合は、希釈溶媒を多量に反応器に送り込むこととなるため、分子量の低下を招いたり、反応器や減圧装置など、重縮合設備への負荷が増大する。
希釈溶媒の少なくとも1つとしては、プロセスへ与える影響が軽微な1,4−ブタンジオールが好ましく、その濃度は、金属化合物を含む溶液全体の重量を100重量%とした場合に、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
また、希釈溶媒の少なくとも1つとしては、金属化合物を安定的に溶解させる効果のある水を使用することが好ましい。この際の水の濃度の下限値は、金属化合物を含む溶液全体の重量を100重量%とした場合の値として、通常0.01重量%、好ましくは0.1重量%、更に好ましくは0.3重量%、特に好ましくは0.5重量%である。一方、水の濃度の上限値は、通常30重量%、好ましくは10重量%、更に好ましくは5重量%、特に好ましくは3重量%である。水の濃度が低すぎる場合は、周期表1族および2族の金属の化合物の溶解度が低下し、析出、閉塞、失活などが起き易くなる傾向にあり、高すぎる場合は、オリゴマーやプレポリマーの加水分解を招いたり、減圧装置への負荷が増大したりする傾向にある。
本発明における好ましい態様は、溶媒として、1,4−ブタンジオールと水とを使用した溶液を調製する方法である。溶液全体の量に対する濃度として、1,4−ブタンジオールの濃度は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であり、水の濃度は、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上、更にに好ましくは5重量%以上であり、金属化合物の濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは3重量%以上である。そして、調製槽などを使用し、通常0〜100℃、好ましくは20〜80℃で調製した後、調製液と1,4−ブタンジオールとを配管で混合させて更に希釈した後、オリゴマー配管に添加する。
最終的にオリゴマーの抜出ラインへ添加する際の金属化合物溶液中の金属化合物の濃度は、配管閉塞などのトラブル防止の観点から、前述の様に、通常10重量%以下、好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。また、最終的にオリゴマー配管へ添加する際の金属化合物溶液の配管線速は、添加配管の閉塞を防止する観点から、通常0.01m/s以上、好ましくは0.03m/s以上、更に好ましくは0.05m/s以上、特に好ましくは0.1m/s以上である。
本発明で得られるPBTの末端カルボキシル基濃度の上限は、通常30μeq/g以下、好ましくは25μeq/g以下、更に好ましくは20μeq/g以下、特に好ましくは15μeq/g以下、最も好ましくは10μeq/g以下であり、下限は、通常1μeq/g以上、好ましくは3μeq/g以上、更に好ましくは5μeq/g以上である。末端カルボキシル基濃度が高すぎる場合はPBTの耐加水分解性が悪化する傾向にある。
ところで、PBTの末端カルボキシル基濃度を下げても、混練時や成形時の熱により再び上昇すると、結果的に製品の耐加水分解性を悪化させるだけでなく、テトラヒドロフラン(THF)等のガスの発生を招くことがある。従って、本発明で得られるPBTにおいて、不活性ガス雰囲気下、245℃で40分間、熱処理した際の加水分解反応を除く末端カルボキシル基濃度の上昇は、通常0.1〜20μeq/g、好ましくは0.1〜15μeq/g、更に好ましくは0.1〜10μeq/g、特に好ましくは0.1〜8μeq/gである。
加水分解反応は、PBT中に含まれる水分を減少させる操作、具体的には乾燥を十分行えば防止することが可能であり、成形時などに問題となるTHFの発生も伴わないが、加水分解以外の分解反応による末端カルボキシル基濃度の上昇は、乾燥操作で防ぐことが不可能である。一般的には、分子量が低い方が、また、PBT中のチタン濃度が高い方が、加水分解以外の熱分解による末端カルボキシル基濃度の上昇が大きい傾向がある。
上記の評価法において温度と時間を規定したのは、温度が低すぎたり時間が短すぎたりすると末端カルボキシル基濃度の上昇の速度が小さすぎ、逆の場合は大きすぎて評価が不正確になるためである。また、極端に高い温度で評価すると、末端カルボキシル基が生成する以外の副反応が併発し、評価が不正確になることも理由の一つである。当該熱処理条件では、PBTに含まれる水分が引き起こす加水分解反応以外の反応による数平均分子量の低下は無視することが可能であり、加水分解反応による末端カルボキシル基濃度の上昇分は、熱処理前後の末端グリコール基濃度の上昇分と略同じと見做すことが出来るため、混練時や成形時に問題となる加水分解反応以外の熱分解反応による末端カルボキシル基濃度の上昇分は以下の式(2)で求めることが出来る。
(式(2)中、ΔAV(d)は加水分解反応以外の熱分解反応による末端カルボキシル基濃度の変化量、ΔAV(t)は熱処理前後の末端カルボキシル基濃度の全変化量、ΔAV(h)は加水分解反応による末端カルボキシル基濃度の変化量、ΔOHは熱処理前後の末端グリコール基濃度の変化量を表す。)
熱分解反応評価の信頼性の観点からは、加水分解反応が少ない方が好ましいため、熱処理に使用するPBTの含水量は、通常200ppm以下が推奨される。熱処理前後の末端グリコール基濃度は、H−NMRによって定量することが出来る。
本発明で得られるPBTの末端カルボキシル基濃度は、PBTを有機溶媒などに溶解し、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ溶液を使用して滴定することにより求めることが出来る。
本発明で得られるPBTの固有粘度は特に制限されないが、低すぎると機械的物性が低下し、高すぎると流動性が低下し、成形性が悪化するため、その下限は、通常0.70dL/g、好ましくは0.80dL/g、更に好ましくは0.90dL/g、特に好ましくは1.00dL/g、最適には1.10dL/gである。また、その上限は、通常2.50dL/g、好ましくは1.50dL/g、更に好ましくは1.40dL/g、特に好ましくは1.20dL/gである。上記の固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃で測定した値である。
本発明におけるPBTの降温結晶化温度は、通常160〜200℃、好ましくは170〜195℃、更に好ましくは175〜190℃である。本発明における降温結晶化温度とは、示差走査熱量計を使用して樹脂が溶融した状態から降温速度20℃/minで冷却した際に現れる結晶化による発熱ピークの温度である。降温結晶化温度は、結晶化速度と対応し、降温結晶化温度が高いほど結晶化速度が速いため、射出成形に際して冷却時間を短縮し、生産性を高めることが出来る。降温結晶化温度が低い場合は、射出成形に際して結晶化に時間が掛かり、射出成形後の冷却時間を長くせざるを得なくなり、成形サイクルが伸びて生産性が低下する傾向にある。
本発明におけるPBTの環状2量体の含有量は、PBTに対する重量比として、通常5000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、更に好ましくは2000ppm以下、特に好ましくは1500ppm以下であり、最も好ましくは800ppm以下であり、その下限値は通常10ppmである。また、環状3量体の含有量は、通常4000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは800ppm以下であり、最も好ましくは500ppm以下であり、その下限値は通常10ppmである。環状2量体および環状3量体の含有量が上記の範囲を超える場合は、金型汚れやロール汚れが惹起され、フィルム表面にブリードアウトし、食品包装などの用途ではその溶出が問題となる。
本発明で得られるPBTの溶液ヘイズは、特に制限されないが、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比3/2)20mLにPBT2.7gを溶解させて測定した際の溶液ヘイズとして、通常10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。溶液ヘイズが高い場合は、透明性が悪化し、異物も増加する傾向があるため、フィルム、モノフィラメント、繊維など、特に透明性が要求される用途においては、商品価値を著しく落とす。溶液ヘイズは、チタン触媒の失活が大きい場合に上昇する傾向がある。
次に、本発明のPBTの製造方法について詳細に説明する。
先ず、本発明においては、エステル化反応器にて、前記チタン触媒の存在下、少なくとも一部の1,4−ブタンジオールをテレフタル酸とは独立にエステル化反応器に供給しながら、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを連続的にエステル化する工程が好ましく採用される。以後、テレフタル酸とは独立にエステル化反応器に供給される1,4−ブタンジオールを「別供給1,4−ブタンジオール」と称することがある。
通常、エステル化反応器より留出した1,4−ブタンジオールは、1,4−ブタンジオール成分以外に、水、THF、アルコール、ジヒドロフラン等の成分を含んでいる。従って、エステル化反応器から留出した成分は、コンデンサ等で捕集した後、または、捕集しながら、水、アルコール、テトラヒドロフラン等の成分と1,4−ブタンジオール分離、精製し、反応器に戻すことが好ましい。
また、本発明においては、触媒の失活を防ぐため、エステル化反応に使用されるチタン触媒の内、10重量%以上をテレフタル酸とは独立に反応液液相部に直接供給することが好ましい。ここで、反応液液相部とは、エステル化反応器の気液界面の液相側を示し、反応液液相部に直接供給するとは、配管などを使用し、チタン触媒が反応器の気相部を経由せずに直接液相部分に供給されることを表す。反応液液相部に直接添加するチタン触媒の割合は、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。
上記のチタン触媒は、前記のように供給量を安定化させ、反応器の熱媒ジャケット等からの熱による変性などの悪影響を軽減するために、1,4−ブタンジオール等の溶媒で希釈することが好ましい。溶液調製の際の温度は、失活や凝集を防ぐ観点から、通常20〜150℃、好ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜80℃である。また、触媒溶液は、劣化防止、析出防止、失活防止の点から、別供給1,4−ブタンジオールと配管などで混合してエステル化反応器に供給することが好ましい。
また、周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物をエステル化反応器に供給してもよい。この場合、その供給位置は、制限されず、これら反応器の反応液気相部から反応液上面へ供給してもよいし、反応液液相部に直接供給してもよい。また、この場合、テレフタル酸やチタン触媒と共に供給してもよいし、独立して供給してもよいが、触媒の安定性の観点からはテレフタル酸やチタン触媒とは独立に、反応液気相部から反応液上面に供給することが好ましい。
連続エステル化法の一例は次の通りである。すなわち、テレフタル酸を主成分とする前記ジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とする前記ジオール成分とを原料混合槽で混合してスラリーとし、単数または複数段のエステル化反応器内において、チタン触媒の存在下で周期表1族および2族金属の不存在下に連続的にエステル化反応させる。反応温度は、通常180〜260℃、好ましくは200〜245℃、更に好ましくは210〜235℃、反応圧力は、通常20〜133kPa、好ましくは30〜101kPa、更に好ましくは50〜90kPa、反応時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜6時間である。
直接重合法の場合は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとのモル比は、以下の式(3)を満たすことが好ましい。
(式(3)中、BMは単位時間当たりにエステル化反応器に外部から供給される1,4−ブタンジオールのモル数、TMは単位時間当たりにエステル化反応器に外部から供給されるテレフタル酸のモル数を表す。)
上記の「エステル化反応器に外部から供給される1,4−ブタンジオール」とは、原料スラリー又は溶液として、テレフタル酸と共に供給される1,4−ブタンジオールの他、これらとは独立に供給する1,4−ブタンジオール(別供給1,4−ブタンジオール)、チタン触媒の溶媒として使用される1,4−ブタンジオール等、反応器外部から反応器内に入る1,4−ブタンジオールの総和である。
上記のBM/TMの値が1.1より小さい場合は、転化率の低下や触媒失活を招き、5.0より大きい場合は、熱効率が低下するだけでなく、テトラヒドロフラン等の副生物が増大する傾向にある。BM/TMの値は、好ましくは1.5〜4.5、更に好ましくは2.0〜4.0、特に好ましくは3.1〜3.8である。
本発明において、エステル化反応は、反応時間短縮のため、1,4−ブタンジオールの沸点以上の温度で行うことが好ましい。1,4−ブタンジオールの沸点は反応の圧力に依存するが、101.1kPa(大気圧)では230℃、50kPaでは205℃である。
エステル化反応器としては、公知のものが使用でき、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応器などの何れの型式であってもよく、また、単数槽としても、同種もしくは異種の槽を直列または並列させた複数槽としてもよい。中でも、攪拌装置を有する反応器が好ましく、攪拌装置としては、動力部、軸受、軸、攪拌翼から成る通常のタイプの他、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機などの高速回転するタイプも使用することが出来る。
攪拌の形態は、特に制限されず、反応器中の反応液を反応器の上部、下部、横部などから直接攪拌する通常の攪拌方法の他、配管などで反応液の一部を反応器の外部に持ち出してラインミキサー等で攪拌し、反応液を循環させる方法も採ることが出来る。
攪拌翼の種類は、公知のものが選択でき、具体的には、プロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼などが挙げられる。
次いで、上記で得られたエステル化反応生成物またはエステル交換反応生成物としてのオリゴマーは、重縮合反応器に移される。この際のオリゴマーの数平均分子量は、通常300〜3000であり、好ましくは500〜1500である。
本発明のPBTの製造においては、通常、複数段、好ましくは2〜5段、特に好ましくは2〜3段の反応条件の異なる重縮合反応器を使用し、順次分子量を上昇させていく。重縮合反応器の形態は、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応器などの何れの型式であってもよく、また、これらを組み合わせることも出来る。中でも、少なくとも1つの重縮合反応器においては攪拌装置を有するタイプであることが好ましく、攪拌装置としては、動力部、軸受、軸、攪拌翼から成る通常のタイプの他、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機などの高速回転するタイプも使用することが出来る。
攪拌の形態は、特に制限されず、反応器中の反応液を反応器の上部、下部、横部などから直接攪拌する通常の攪拌方法の他、配管などで反応液の一部を反応器の外部に持ち出してラインミキサー等で攪拌し、反応液を循環させる方法も採ることが出来る。中でも、少なくとも重縮合反応器の1つは、水平方向に回転軸を有する表面更新とセルフクリーニング性に優れた横型の反応器を使用することが推奨される。
本発明においては、エステル化率が90%以上の時点で、周期表1族および2族から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物を添加することが必要である。特に、エステル化反応器でエステル化率90%以上のオリゴマーを得た後、当該オリゴマーを絶対圧力20kPa未満で重縮合反応させる反応器へ供給する配管へ、溶媒で希釈した上記の金属化合物を添加することが好ましい。
重縮合反応は好ましくは撹拌下に行われる。そして、反応温度は、通常210〜280℃、好ましくは220〜250℃、更に好ましくは230〜245℃、特に好ましくは少なくとも一つの反応器においては230〜240℃である。反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間であり、反応圧力は、通常20kPa未満、好ましくは10kPa未満、特に好ましくは5kPa以下である。着色や劣化を抑え、ビニル基生成などの副反応の増加を抑制するため、少なくとも1つの反応器において、通常1.3kPa以下、好ましくは0.5kPa以下、更に好ましくは0.3kPa以下の高真空下で行うのが好ましい。
重縮合反応により得られたポリマーは、通常、重縮合反応器の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら又は水冷後、カッターで切断され、ペレット状、チップ状などの粒状体とされる。
更に、PBTの重縮合反応工程は、一旦、溶融重縮合で比較的分子量の小さい、例えば、固有粘度0.1〜0.9程度のPBTを製造した後、引き続き、PBTの融点未満の温度で固相重縮合(固相重合)させることも出来る。
以下、添付図面に基づき、PBTの製造方法の好ましい実施態様を説明する。図1は、本発明で採用するエステル化反応工程の一例の説明図、図2は、本発明で採用する重縮合工程の一例の説明図である。
図1において、原料のテレフタル酸は、通常、原料混合槽(図示せず)で1,4−ブタンジオールと混合され、原料供給ライン(1)からスラリー又は液体の形態で反応器(A)に供給される。また、チタン触媒は、好ましくは触媒調整槽(図示せず)で1,4−ブタンジオールの溶液とした後、チタン触媒供給ライン(3)から供給される。図1では再循環1,4−ブタンジオールの再循環ライン(2)に触媒供給ライン(3)を連結し、両者を混合した後、反応器(A)の液相部に供給する態様を示した。
反応器(A)から留出するガスは、留出ライン(5)を経て精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離される。通常、高沸成分の主成分は1,4−ブタンジオールであり、低沸成分の主成分は、水およびTHFである。
精留塔(C)で分離された高沸成分は抜出ライン(6)から抜き出され、ポンプ(D)を経て、一部は再循環ライン(2)から反応器(A)に循環され、一部は循環ライン(7)から精留塔(C)に戻される。また、余剰分は抜出ライン(8)から外部に抜き出される。一方、精留塔(C)で分離された軽沸成分はガス抜出ライン(9)から抜き出され、コンデンサ(G)で凝縮され、凝縮液ライン(10)を経てタンク(F)に一時溜められる。タンク(F)に集められた軽沸成分の一部は、抜出ライン(11)、ポンプ(E)及び循環ライン(12)を経て精留塔(C)に戻され、残部は、抜出ライン(13)を経て外部に抜き出される。コンデンサ(G)はベントライン(14)を経て排気装置(図示せず)に接続されている。反応器(A)内で生成したオリゴマーは、抜出ポンプ(B)及びオリゴマーの抜出ライン(4)を経て抜き出される。
図1に示す工程においては、再循環ライン(2)に触媒供給ライン(3)が連結されているが、両者は独立していてもよい。また、原料供給ライン(1)は反応器(A)の液相部に接続されていてもよい。
周期表1族および2族から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物は、調製槽(図示せず)で所定濃度に調製した後、図2におけるライン(L7)を経て、1,4−ブタンジオールの供給ライン(L8)に連結され、1,4−ブタンジオールで更に希釈された後、前述の図1に示すオリゴマーの抜出ライン(4)に供給される。
次に、第1重縮合反応器(a)に供給されたオリゴマーは、減圧下に重縮合されてプレポリマーとなった後、抜出用ギヤポンプ(c)及び抜出ライン(L1)を経て第2重縮合反応器(d)に供給される。第2重縮合反応器(d)では、通常、第1重縮合反応器(a)よりも低い圧力で更に重縮合が進みポリマーとなる。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(e)及び抜出ライン(L3)を経て、第3重縮合槽(k)に供給される。第3重縮合反応器(k)は、複数個の攪拌翼ブロックで構成され、2軸のセルフクリーニングタイプの攪拌翼を具備した横型の反応器である。抜出ライン(L3)を通じて第2重縮合反応器(d)から第3重縮合反応器(k)に導入されたポリマーは、ここで更に重縮合が進められた後、抜出用ギヤポンプ(m)及び抜出ライン(L5)を経てダイスヘッド(g)から溶融したストランドの形態で抜き出され、水などで冷却された後、回転式カッター(h)で切断されてペレットとなる。符号(L2)、(L4)、(L6)は、それぞれ、第1重縮合反応器(a)、第2重縮合反応器(d)、第3重縮合反応器(k)のベントラインである。
本発明の製造方法においては、チタン触媒の失活による色調の悪化や異物の増加を抑止できると同時に、エステル化反応で副生するTHFを低減することが出来るだけでなく、重縮合反応の速度を大きくすることが可能で、本発明の製造方法で得られるPBTは、色調、耐加水分解性、熱安定性、透明性、成形性に優れているため、電気、電子部品、自動車用部品などの射出成形部品として好適であるが、特に、異物が少なく、透明性に優れているため、フィルム、モノフィラメント、繊維などの用途においてその利用価値が高い。
本発明におけるPBTには、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物などの抗酸化剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸およびそのエステル、シリコーンオイル等の離型剤などを添加してもよい。
本発明におけるPBTには、強化充填材を配合することが出来る。強化充填材としては、特に制限されないが、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維などの有機繊維、ガラスフレーク、雲母、金属箔等の板状無機充填材、セラミックビーズ、アスベスト、ワラストナイト、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、カオリン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの強化充填材は、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
本発明におけるPBTには、難燃性を付与するために難燃剤を配合することが出来る。難燃剤としては、特に制限されず、例えば、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、その他の有機難燃剤、無機難燃剤などが挙げられる。有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられる。リン化合物としては、例えば、リン酸エステル、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等が挙げられる。その他の有機難燃剤としては、例えば、メラミン、シアヌール酸などの窒素化合物などが挙げられる。その他の無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物などが挙げられる。
本発明におけるPBTには、必要に応じ、慣用の添加剤などを配合することが出来る。斯かる添加剤としては、特に制限されず、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤の他、滑剤、離型剤、触媒失活剤、結晶核剤、結晶化促進剤などが挙げられる。これらの添加剤は、重合途中または重合後に添加することが出来る。更に、PBTに、所望の性能を付与するため、紫外線吸収剤、耐候安定剤などの安定剤、染顔料などの着色剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤などを配合することが出来る。
本発明におけるPBTには、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸エステル、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を配合することが出来る。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用することも出来る。
前記の種々の添加剤や樹脂の配合方法は、特に制限されないが、ベント口から脱揮できる設備を有する1軸または2軸の押出機を混練機として使用する方法が好ましい。各成分は、付加的成分を含めて、混練機に一括して供給することが出来、あるいは、順次供給することも出来る。また、付加的成分を含めて、各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合しておくことも出来る。
本発明におけるPBTの成形加工方法は、特に制限されず、熱可塑性樹脂について一般に使用されている成形法、すなわち、射出成形、中空成形、押し出し成形、プレス成形などの成形法を適用することが出来る。
本発明におけるPBTは、色調、耐加水分解性、熱安定性、透明性、成形性に優れているため、電気、電子部品、自動車用部品などの射出成形部品として好適であるが、特に、異物が少なく、透明性や成形性に優れているため、フィルム、モノフィラメント、繊維などの用途において改良効果が顕著である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の諸例で採用した物性および評価項目の測定方法は次の通りである。
(i)エステル化率:
以下の計算式(4)によって酸価およびケン化価から算出した。酸価は、ジメチルホルムアミドにオリゴマーを溶解させ、0.1NのKOH/メタノール溶液を使用して滴定により求めた。ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めた。
(ii)PBT中のチタン、周期表1族および2族金属の濃度:
電子工業用高純度硫酸および硝酸でPBTを湿式分解し、高分解能ICP(InductivelyCoupled Plasma)−MS(Mass Spectrometer )(サーモクエスト社製)を使用して測定した。
(iii)THF副生量:
ガスクロマトグラフィーにより留出液中のTHF濃度を定量し、以下の式(5)で求めた。数字が小さいほど副生量が少ないことを示す。
(式(5)中、mは単位時間当たりに留出したTHF量(mol)を示し、Mは単位時間当たりに供給したテレフタル酸(mol)を示す。)
(iv)固有粘度(IV):
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度1.0g/dLのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(6)より求めた。
(但し、ηSP=η/η0−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。)
(v)末端カルボキシル基濃度:
ベンジルアルコール25mLにPBT又はオリゴマー0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定した。
(vi)ペレット色調:
日本電色(株)製色差計(Z−300A型)を使用し、L、a、b表色系におけるb値で評価した。値が低いほど黄ばみが少なく色調が良好であることを示す。
(vii)加水分解反応以外の反応による末端カルボキシル基濃度の上昇(ΔAV):
内径5mmのキャピラリーに、PBTペレットを粉砕し、乾燥した後に充填して窒素置換し、窒素下で245℃にコントロールしたオイルバスに浸漬し、40分後に取り出し、液体窒素で急冷させた。内容物の温度が十分下がった後、内容物を取り出し、末端カルボキシル基濃度および末端水酸基濃度を測定し、前述の式(2)より求めた。
(viii)溶液ヘイズ:
フェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)の混合溶媒20mLにPBT2.70gを110℃で30分間溶解させた後、30℃の恒温水槽で15分間冷却し、日本電色(株)製濁度計(NDH−300A)を使用し、セル長10mmで測定した。値が低いほど透明性が良好であることを示す。
(ix)フィシュアイ数:
Film Quality Testing System[オプティカルコントロールシステムズ社 形式FS−5]を使用し、厚さ50μmのフィルムを成形し、1m当たりの200μm以上のフィッシュアイ数を測定した。
(x)耐加水分解性(加水分解試験後のIV保持率):
PBTペレットを純水を張った圧力容器に直接水に触れない様に入れ、密閉した後、121℃の加圧飽和水蒸気下で48時間処理し、固有粘度(IV ')の測定を行う。上述の(IV)及び(IV ')の値から以下の式(7)によりIV保持率を算出する。IV保持率が大きいほど耐加水分解性が良好なことを示す。
実施例1:
図1に示すエステル化工程と図2に示す重縮合工程を通し、次の要領でPBTの製造を行った。先ず、テレフタル酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.80モルの割合で混合した60℃のスラリーをスラリー調製槽から原料供給ライン(1)を通じ、予め、エステル化率99%のPBTオリゴマーを充填したスクリュー型攪拌機を有するエステル化のための反応器(A)に、40kg/hとなる様に連続的に供給した。同時に、再循環ライン(2)から185℃の精留塔(C)の塔底成分(98重量%以上が1,4−ブタンジオール)を18.4kg/hで供給し、チタン触媒供給ライン(3)から触媒として65℃のテトラブチルチタネートの6.0重量%1,4−ブタンジオール溶液を127g/hで供給した。この触媒溶液中の水分は0.2重量%とした。
反応器(A)の内温は230℃、圧力は78kPaとし、生成する水とテトラヒドロフラン及び余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン(5)から留出させ、精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98重量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔(C)の液面が一定になる様に、抜出ライン(8)を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、水とTHFを主体とする低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサ(G)で凝縮させ、タンク(F)の液面が一定になる様に、抜出ライン(13)より外部に抜き出した。
反応器(A)で生成したオリゴマーの一定量は、ポンプ(B)を使用し、オリゴマーの抜出ライン(4)から抜き出し、反応器(A)内液のテレフタル酸ユニット換算での平均滞留時間が3hrになる様に液面を制御した。抜出ライン4から抜き出したオリゴマーは、第1重縮合反応器(a)に連続的に供給した。系が安定した後、反応器(A)の出口で採取したオリゴマーのエステル化率は97.3%であった。
酢酸マグネシウム4水塩を、純水に溶解させた後、1,4−ブタンジオールを添加し、酢酸マグネシウム4水塩、純水、1,4−ブタンジオールがそれぞれ、5重量%、20重量%、75重量%になるように、調製槽(図示せず)で調製した。この時の温度は、25℃であった。この溶液を、供給ライン(L7)を通じて、1,4−ブタンジオールのライン(L8)に供給し、更に濃度の低い溶液としてオリゴマーの抜出ライン(4)に所定量を供給した。ライン(4)に供給する時点での酢酸マグネシウム4水塩としての濃度は0.29重量%、線速は0.18m/sであり、供給量は24時間以上安定していた。
第1重縮合反応器(a)の内温は246℃、圧力2.4kPaとし、滞留時間が120分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L2)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は第2重縮合反応器(d)に連続的に供給した。
第2重縮合反応器(d)の内温は239℃、圧力150Paとし、滞留時間が130分になる様に液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L4)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(e)により抜出ライン(L3)を経由し、第3重縮合反応器(k)に連続的に供給した。第3重縮合反応器(k)の内温は238℃、圧力は130Pa、滞留時間は70分とし、更に、重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、ダイスヘッド(g)からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター(h)でカッティングした。得られたPBTの固有粘度は1.20dL/g、末端カルボキシル基濃度は17μeq/gであり、色調および透明性に優れ、異物が少なく、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇も小さかった。結果をまとめて表1に示した。
実施例2:
エステル化反応は、ライン(15)から酢酸マグネシウム4水塩溶液を表1に示した量を供給した他は実施例1と同様に行った。系が安定した後、反応器(A)の出口で採取したオリゴマーのエステル化率は96.5%であった。一方、オリゴマーの抜出ライン(4)への酢酸マグネシウム4水塩供給量は、表1の通りとし、ライン(4)に供給する時点での酢酸マグネシウム4水塩としての濃度は0.88重量%とした。第1重縮合反応器(a)の条件は実施例1と同様に行い、第2重縮合反応器(d)の内温を240℃、圧力160Pa、第3重縮合反応器(k)の内温を243℃にした他は実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたPBTの分析値を表1に示した。色調および透明性に優れ、異物が少なく、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇も小さかった。
実施例3:
エステル化反応は、ライン(15)から酢酸マグネシウム4水塩溶液を表1に示した量を供給し、平均滞留時間を3.4hrにした他は実施例1と同様に行った。系が安定した後、反応器(A)の出口で採取したオリゴマーのエステル化率は95.4%であった。一方、オリゴマーの抜出ライン(4)への酢酸マグネシウム4水塩供給量および第1重縮合反応器(a)の条件は実施例1と同様に行い、第2重縮合反応器(d)の内温を241℃、圧力160Pa、第3重縮合反応器(k)の内温を244℃にした他は実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたPBTの分析値を表1に示した。色調および透明性に優れ、異物が少なく、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇も小さかった。
実施例4:
エステル化反応は実施例1と同様に行った。酢酸マグネシウム4水塩に換えて、酢酸リチウム2水塩、純水、1,4−ブタンジオールがそれぞれ、2.5重量%、20重量%、77.5重量%になるように、調製槽(図示せず)で調製し、この溶液を、供給ライン(L7)を通じて、1,4−ブタンジオールのライン(L8)に供給し、更に濃度の低い溶液としてオリゴマーの抜出ライン(4)に所定量を供給した。ライン(4)に供給する時点での酢酸リチウム2水塩としての濃度は0.08重量%であった。第1重縮合反応器(a)の条件は実施例1と同様に行い、第2重縮合反応器(d)の内温を241℃、第3重縮合反応器(k)の内温を242℃にした他は実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたPBTの分析値を表1に示した。色調および透明性に優れ、異物が少なく、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇も小さかった。
実施例5:
実施例1において、テトラブチルチタネートの供給量を変え、表1の量になるようにした他は実施例1と同様にエステル化反応を行った。系が安定した後、反応器(A)の出口で採取したオリゴマーのエステル化率は97.4%であった。酢酸マグネシウム4水塩の供給および重縮合の条件は実施例1と同様に行った。得られたPBTの分析値を表1に示した。
実施例6:
エステル化反応は実施例1と同様に行った。オリゴマーの抜出ライン(4)への酢酸マグネシウム4水塩供給量は、表1の通りとし、ライン(4)に供給する時点での酢酸マグネシウム4水塩としての濃度は0.58重量%とした。第1重縮合反応器(a)の条件は実施例1と同様に行い、第2重縮合反応器(d)の内温を240℃、第3重縮合反応器(k)の内温を241℃にした他は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたPBTの分析値を表1に示した。色調および透明性に優れ、異物が少なく、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇も小さかった。
比較例1:
酢酸マグネシウム4水塩を添加しなかった他は実施例1と同様に行った。実施例1に比較し、得られたPBTの分子量が低く、重合性が悪化した。また、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇が大きかった。結果を表1に示した。
比較例2:
実施例1において、酢酸マグネシウム4水塩の供給量を表1の通りとし、オリゴマーの抜出ライン(4)に供給する時点での酢酸マグネシウム4水塩としての濃度を1.76重量%にした他は、実施例1と同様に行った。酢酸マグネシウム4水塩の供給開始から2時間後、供給量が不安定となり、配管の閉塞傾向が見られた。また、実施例1に比較し重合性が悪化した。結果を表1に示した。
比較例3:
実施例1において、テトラブチルチタネートの供給量を変え、表1の量になるようにした他は実施例1と同様に行った。得られたPBTは末端カルボキシル基濃度が高く、色調が悪化し、熱滞留時の末端カルボキシル基濃度の上昇が大きかった。また、溶液ヘイズが高く、異物の量も多かった。結果を表1に示した。
比較例4:
実施例1において、エステル化反応で酢酸マグネシウム4水塩を表1の通り供給し、オリゴマーに酢酸マグネシウム4水塩を添加しなかった他は実施例1と同様に行った。THFの副生量が多く、重合性も悪化した。結果を表1に示した。
実施例7:
実施例1において、第3縮合反応器(k)を使用せず、第2縮合反応器(d)の抜出ライン(L3)を直接ダイスヘッド(g)に接続し、第2重縮合反応器(d)から得られたポリマーをダイスヘッド(g)からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター(h)でカッティングした。得られたチップの固有粘度は0.85dL/gであった。このチップを内容積100Lのダブルコーン型のジャケット付き固相重合装置に仕込み、減圧/窒素置換を3回繰り返した。次いで、圧力を130Paにコントロールし、190℃まで昇温させた。内温が190℃に達してから7時間後ジャケット熱媒を冷却し始め、内温が40℃以下になった時点で内容物を取り出した。分析値はまとめて表1に示した。異物、オリゴマー、末端カルボキシル基が少なく、色調に優れ、透明性が良好で耐加水分解性に優れたPBTが得られた。
実施例8:
実施例1において、第3縮合反応器(k)を使用せず、第2縮合反応器(d)の抜出ライン(L3)を直接ダイスヘッド(g)に接続し、第2重縮合反応器(d)から得られたポリマーをダイスヘッド(g)からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター(h)でカッティングした。得られたチップの固有粘度は0.85dL/gであった。このチップを内容積100Lのダブルコーン型のジャケット付き固相重合装置に仕込み、減圧/窒素置換を3回繰り返した。次いで、圧力を130Paにコントロールし、205℃まで昇温させた。内温が205℃に達してから5時間後ジャケット熱媒を冷却し始め、内温が40℃以下になった時点で内容物を取り出した。分析値はまとめて表1に示した。異物、オリゴマー、末端カルボキシル基が少なく、色調に優れ、透明性が良好で耐加水分解性に優れたPBTが得られた。
本発明で採用するエステル化反応工程の一例の説明図 本発明で採用する重縮合工程の一例の説明図
符号の説明
1:原料供給ライン
2:再循環ライン
3:チタン触媒供給ライン
4:オリゴマーの抜出ライン
5:留出ライン
6:抜出ライン
7:循環ライン
8:抜出ライン
9:ガス抜出ライン
10:凝縮液ライン
11:抜出ライン
12:循環ライン
13:抜出ライン
14:ベントライン
15:金属化合物供給ライン
A:反応器
B:抜出ポンプ
C:精留塔
D、E:ポンプ
F:タンク
G:コンデンサ
L1、L3:抜出ライン
L2、L4、L6:ベントライン
L5:ポリマー抜出ライン
L8:1,4−ブタンジオール供給ライン
L7:金属化合物供給ライン
a:第1重縮合反応器
d:第2重縮合反応器
k:第3重縮合反応器
c、e、m:抜出用ギヤポンプ
g:ダイスヘッド
h:回転式カッター

Claims (14)

  1. 触媒としてチタン化合物と周期表1族および2族から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物とを使用し、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとからポリブチレンテレフタレートを連続的に製造するに当たり、次の(a)〜(c)の条件を満足することを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法。
    (a)チタン原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり460μmol以下のチタン触媒の存在下にテレフタル酸と1,4−ブタンジオールを連続的にエステル化反応してオリゴマーを得る。
    (b)金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり450μmol以下の周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の存在下に上記のオリゴマーを連続的に重縮合反応させる。
    (c)上記の金属の化合物は、エステル化率90%以上のオリゴマーに至る前の段階においては金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり300μmol以下の範囲で添加してもよいが、エステル化率90%以上のオリゴマーに至った以降の段階においては金属原子としてテレフタル酸ユニット1mol当たり10μmol以上添加する。
  2. 周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の添加量が金属原子の合計としてテレフタル酸ユニット1mol当たり45μmol以上である請求項1に記載の製造方法。
  3. 周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の添加量が金属原子の合計としてテレフタル酸ユニット1mol当たり180μmol以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 固有粘度が1.10dL/g以上のポリブチレンテレフタレートを得る請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. ポリブチレンテレフタレートの融点以上の温度で重縮合反応させて固有粘度が1.10dL/g以上のポリブチレンテレフタレートを得る請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度が30μeq/g以下である請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
  7. 周期表1族および2族の金属の化合物が有機酸塩である請求項1〜6の何れかに記載の製造方法。
  8. 周期表1族および2族の金属がマグネシウムである請求項1〜7の何れかに記載の製造方法。
  9. 周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物を、1,4−ブタンジオールが主成分である液体で希釈し、金属化合物として1.5重量%以下の溶液として添加する請求項1〜8の何れかに記載の製造方法。
  10. 周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物を、水分濃度が0.01〜10重量%で1,4−ブタンジオールが50重量%以上である溶液として添加する請求項9に記載の製造方法。
  11. 周期表1族および2族の金属から選ばれる少なくとも1種の金属の化合物を、オリゴマーの抜出ラインに添加する請求項1〜10の何れかに記載の製造方法。
  12. チタン化合物の含有量が、テレフタル酸ユニット1mol当たりチタン原子として460μmol以下のポリブチレンテレフタレートを得る請求項1〜11の何れかに記載の製造方法。
  13. チタン化合物の含有量が、テレフタル酸ユニット1mol当たりチタン原子として320μmol以下のポリブチレンテレフタレートを得る請求項1〜11の何れかに記載の製造方法。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載の製造方法により得られたポリブチレンテレフタレートを、更に融点未満の温度で固相重縮合させることを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法。
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