JP4543164B2 - 物質の収着により色が変化する構造性変色材 - Google Patents

物質の収着により色が変化する構造性変色材 Download PDF

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Description

本発明は、光透過型の刺激応答性構造性変色材に関するものであり、更に詳しくは、物質の種類及び収着量により色が変化する構造性変色材、及びその製造方法等に関するものである。
本発明は、外部刺激によって反射光の光を変化させる構造性変色材(構造性変色材、構造性色性)の技術分野において、大気中又は溶液中に存在する物質を収着(吸着)して鮮やかな発色と微小な色変化を起こす、新規な光透過型の刺激応答性構造性変色材及びそれを利用した物質の検出手段を提供するものとして有用である。
本発明の構造性変色材は、物質の収着を色変化に可視化して、簡便に検出することが可能であり、例えば、大気中や溶液中に存在する物質の検出に好適に利用し得るものとして、次世代の新しいタイプのセンサー等の構造性変色部材の実用化を可能にするものである。
自然界には、色素を有していないにも拘らず、鮮やかに発色しているものが存在する。これは、例えば、モルフォチョウの羽や熱帯魚の体表面などに見られるものであり、構造性発色あるいは構造色と呼ばれる。この構造性発色は、表面の微細構造によって起こる光の干渉作用により、特定の波長の光を反射することで生じるものであり、人工的に作ることも可能であり(例えば、非特許文献1〜4参照)、化粧品や繊維などに応用されている。
光の干渉作用は、例えば、光学フィルターにも応用されている。一般的な光干渉フィルターは、屈折率の異なる二種類の無機物質を交互に積層することによって作られている。それにより、極く狭い領域の波長の光のみを透過するフィルターが作られている(例えば、非特許文献5〜7参照)。光学フィルターには安定性が求められるため、環境によって変化しにくい無機物質の使用が有効であるが、逆に言えば、環境によって変化するような有機物質を用いれば、外部環境に応じて色を変化させることが可能であると考えられる。その代表的な例として、コレステリック液晶などのサーモクロミック物質などを挙げることができる。
一方、大気中の特定成分を検出するガスセンサーも、様々なものが開発されている。その仕組みは、センサーに物質が吸着されることにより、センサーの電気的性質が変化することを利用したものである。しかし、その使用には通電が必要であり、状況によっては作動しないことも考えられる。
H.Tabata et al.,高分子,47,738−741(1998) T.Yoko et al.,セラミックス論文誌,75,867−870(2000) K.Naitoh et al.,J.Phys.Chem.,95,7908−7915(1991) M.Hayakawa et al.,Langmuir,13,3395−3397(1991) A.Convertino et al.,Appl.Phys.Lett.,70,2799(1997) M.Thomsen et al.,Appl.Opt.,36,307(1997) K.V.Popov et al.,Appl.Opt.,36,2139(1997)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、簡便な手段で、優れた発色性を有する新しいタイプの刺激応答性構造色プレートを開発することを目標として鋭意研究を重ねる過程で、例えば、ガラス等の基板を疎水化し、ポリ(γ−ヘキシルL−グルタメート)単分子膜を多層に累積(例えば、60〜150層)することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、大気中又は溶液中に存在する物質の種類及び量を、色の変化として検出することが可能な新規構造性変色材、及びその製造方法等を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)基板に、物質を収着し得る可視光透過性の高分子薄膜層を構造発色が可能な状態で固定し、該高分子薄膜層の表面、あるいは該高分子薄膜層の表面及び高分子薄膜層と基板の間に金属層を形成することからなる刺激応答性構造性変色材の製造方法であって、
1)ステアリン酸若しくは臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウムの累積可能な化合物、α−へリックス構造を有する有機高分子化合物、又はポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を多層に累積することにより高分子薄膜層とすること、2)光を反射する10〜50nmの厚さの金属層を形成すること、を特徴とする刺激応答性構造性変色材の製造方法。
(2)所定の高分子を気−液、気−固界面で配列させて基板上に写し取るか、あるいは高分子の自己組織化を活用し、それを多層に累積することにより、高分子薄膜層を形成することを特徴とする、前記(1)に記載の構造性変色材の製造方法。
(3)物質を収着して、色変化を起こす構造性変色材において、物質を収着し得る可視光透過性の高分子薄膜層を、基板上に構造性発色が可能な状態で固定し、該高分子薄膜層の表面、あるいは該高分子薄膜層の表面及び高分子薄膜層と基板の間に金属層を形成した刺激応答性構造性変色材であって、
1)ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を多層に累積した高分子薄膜層を、基板上に固定したこと、2)光を反射する10〜50nmの厚さの金属層を形成したこと、を特徴とする刺激応答性構造性変色材。
(4)大気中又は溶液中に存在している物質を収着して、色変化を起こす、前記(3)に記載の構造性変色材。
(5)基板の表面を疎水化処理し、その上に高分子薄膜層を固定したことを特徴とする、前記(3)に記載の構造性変色材。
(6)金属薄膜層の表面を疎水化処理したことを特徴とする、前記(3)に記載の構造性変色材。
(7)高分子薄膜層の両面に金属層を有し、更に、これらが複数層をなしていることを特徴とする、前記(3)に記載の構造性変色材。
(8)基板が、表面が平滑であり、光を効率よく反射又は透過する材料からなることを特徴とする、前記(3)に記載の構造性変色材。
(9)前記(4)から(8)のいずれかに記載の刺激応答性構造性変色材を構成要素として含み、大気中又は溶液中に存在する物質の種類、量によって変化する色の波長変化により、物質の存在、量を検出する機能を有することを特徴とする刺激応答性構造性変色部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明においては、可視光透過性で、目的物質(被収着物質)を収着し、膨潤によって厚さが変化する高分子薄膜層の両面に、光反射率が高い物質からなり、薄層としたことにより可視光透過性である光透過性薄層(例えば、金属層)を積層して、該高分子薄膜層の構造性変色が可能なように固定する。例えば、構造性変色が可能な状態で固定するために、基板上に、前記光透過性薄層(例えば、金属層)を形成し、必要があれば、その表面を前記高分子薄膜層が固定可能になるように加工した後、前記高分子薄膜層を固定し、更に該高分子薄膜層の上に前記光透過性薄層を形成して、前記高分子薄膜層の両面に前記光透過性薄層を有する構造を形成することにより、目的物質(被収着物質)の収着により色が変化する構造性変色材が作製され得る。
構造性変色が可能な物質としては、例えば、ステアリン酸、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウムなどの累積可能な化合物、及び、高分子化合物、例えば、α−へリックス構造のように、整然とした(rigidな)構造を有する有機高分子化合物が、累積制御、前記光透過性薄層との積層及び目的物質(被収着物質)を有機化合物とした場合などを考慮すると、好適である。特に、ポリアミノ酸及びその修飾物、例えば、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)などのアルキル基を導入したもの、が好ましい。光反射率が高い物質からなり、薄層としたことにより可視光透過性である光透過性薄層としては、10〜50nm程度の厚さで、光を一定量透過するものが好適に使用される。例えば、銀、金、銅、白金若しくはアルミニウムなどの、光反射率が高く、薄層としたとき可視光を透過することのできる金属の薄膜が好ましい。
基板として用いる材料については、可視光を反射又は透過し得るもので、目的物質(被収着物質)によって変性しないものでさえあれば、材質を特定するものではない。例えば、ステンレス、シリコン、ガラス又は雲母など、表面が平坦であり、光を効率よく反射又は透過する材料が好適に用いられるが、これらに制限されない。また、前記光透過性薄層の表面を、前記高分子薄膜層が固定可能になるように加工するには、例えば、金属層とポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)薄層との積層を例にとると、金属との結合部及びヘキシル基との相互作用を示す疎水部を有する化合物、例えば、アルキルメルカプタンによる疎水化処理をする方法が例示されるが、これらに制限されない。
次に、本発明の構造性変色材の変色原理について説明する。 図1に示すような(N−2)層からなる構造体(なお、1層目及びN層目は、構造体の外層であって、以下の計算式では空気とする)に、入射角θで光を入射したときの反射率R及び透過率Tは、次の式で表すことが出来る[J.Umemura et al.,J.Phys.Chem.,94,62−67(1990)]。
Figure 0004543164
ここで、i番目の層につき、
Figure 0004543164
は複素屈折率、θjは入射角又は屈折角であり、また
Figure 0004543164
で、mklは次の行列式から得られる。
Figure 0004543164
ここで、β =2πh/λ、hjはj層の厚さ、λは光の波長である。
2層目が厚さ20nmの銀(n = 0.05〜0.08, k = 2〜5:波長により異なる)、3層目が100nm又は150nmの高分子(n = 1.5, k = 0.01とする)、4層目が20nmの銀である構造体が、空気(n = 1, k = 0)中に存在する、即ち、1層目及び5層目は空気であると仮定して、構造体の表面に垂直に照射された可視光の透過率を、各波長(400〜750nm)について計算すると、図2のような、一定の領域にのみピークを示すスペクトルが得られる。このとき、Aは青色、Bは橙色の光を透過することを示す。つまり、高分子層の厚さによって透過光色が変化する。
高分子層の厚さを250nm又は300nmに増やして計算すると、図3の様なスペクトルが得られる。図2の場合と同様に、一定の領域でのみピークを示すが、図2よりもピークの幅が狭いスペクトルが得られる。どちらの図の場合も、ピーク波長は、高分子層が厚くなると長波長側に変化する。前記両図の場合の中間として、高分子の厚さが200nmの場合で計算すると、図4のような、可視領域の両側にピークを持つ赤紫色に相当するスペクトルが得られる。つまり、どのような色にも調整可能である。高分子層の厚さを350nmに増やして計算すると、図5のAのように、ピークの数が二つになる。更に高分子層の厚さを1000nmに増やすと、図5のBのように、ピークの数は更に増え三つになり、また、高分子層の可視光線吸収係数によっては、全体の可視光線透過率もそれなりに低くなってくる。因みに、高分子層の厚さを50nmとすると、図6のように、ピークが可視光領域に現れなくなる。このように、金属−高分子−金属の三層の構造体を作製することによって、特定の波長の光のみを透過する構造体を作製することができる。また、どの波長の光を通すかは、高分子層の厚さによって制御することができる。
金属の厚さは、適度なものを選ぶべきである。厚すぎれば光を透過しないし、薄過ぎて透過率が高くなり過ぎれば、色のコントラストが落ちる。図7に、図2のA(金属の厚さ20nm)と同じスペクトル(A)と、金属の厚さを10nmとしたもの(B)及び40nmとしたもの(C)のスペクトルとを合わせて示す。Bのように、金属層が薄いと、ピークがブロードになる。また、Cのように、金属層が厚いと、透過率が落ちる。用いる金属の吸収係数を考慮して、金属層の厚さを調整して用いる。図8に、同じく図2のA(高分子層の両面の金属層の厚さが、共に20nm)と同じスペクトル(A)と、金属層の厚さが高分子層の両面で互いに異なる場合のスペクトルとを共に示す。Bは、一方の層が10nm厚で、他方の層が20nm厚、Cは、一方の層が20nm厚で他方の層が40nm厚、Dは一方の層が10nm厚で他方の層が40nm厚である。一方の層だけの厚さを変えた場合(A、C)も、両層の厚さを変えた場合(D)と同様に、スペクトル変化が起きる。また、一方の層を薄くし、他方の層を厚くする(D)と、可視光線透過率が小さくなるとともに、ブロードなピークになる。したがって、金属層の厚さは、10nm〜50nmが好ましい。
金属としては、光を反射し得るものなら特定しないが、高い反射率を有するものを使用した方が有効である。図9に、いくつかの金属の垂直照射光に対する反射率を示す。前述の銀は、可視光領域のほぼ全ての波長の光に対して100%近い反射率という、非常に高い反射率を有しており、最も有効であると考えられるが、他の金属でも作製できなくはない。例えば、金や銅なども、領域によっては100%近い反射率を示す。図10に、金、図11に、銅を用いた場合の、図2で前述した、銀を用いた場合と同様の構造体(但し、いずれも、金属の厚さが20nm、高分子層はAが100nm、Bは150nm)の場合の、計算に基づくスペクトルを示す。ピークが多少いびつになるが、高分子層の厚さによるシフトを示している。また、アルミニウムの反射率は、銀より若干低いが、可視光領域内では一様な反射率を有する。アルミニウムは吸収係数が高いので、厚さを5nmとした以外は同様の構造体のスペクトルを計算し、図12に示す。Aは高分子の厚さを100nm、Bは150nmとしたときのものである。ピークはブロードになるが、高分子の厚さによるピークシフトは見られる。更に言えば、理論的には、反射率が高く、光を透過することができる程度に薄層で、層内の組成が一様であるような材料は、金属に限らず使用できる。
前述の金属−高分子−金属の3層からなる構造体では、その厚さは1μmにも満たず、機械的強度が非常に弱いし、該構造体だけを形成するのも困難であるが、実際の作製にあたっては、基体の上に該構造体を構築する。基体として、透明な基板を用いれば、前述の場合と同様に、特定の光のみを透過する板状体を作製することができる。そのスペクトルは、前述の計算のうち、5層目の屈折率と吸収係数を透明な基板のそれらに置き換えることによって得られる。一般的な透明基板の屈折率は約1.5、吸収係数は約0であるので、n = 1.5, k = 0として、図2及び3の場合と同様に、高分子の厚さが100nm及び300nmの場合について計算すると、スペクトルは図13及び14のようになる。
これらのスペクトルは、図2及び3と比べて、ほとんど差が無い。つまり、透明な基板の上に、前述の3層構造体を構築することによって、前述の3層構造体と同様のスペクトルを実現することができる。実際の作製では、先ず透明な板の上に真空蒸着法等を用いて金属層を形成する。次に、該金属層の上に高分子層を形成する。金属表面への付着方法は様々な手法があるが、変色を一様にするためには可能な限り表面を平滑に保つことが必要であるため、スピンコーティング法やLB法などの手法が有効である。最後に、該高分子層の上に更に金属層を形成する。このときの金属層の形成には真空蒸着法が有効であることが解った。真空蒸着法は、高分子表面への金属層の付加に適用しても支障の無いことを確認している。また、このように調製した金属層は、有機溶剤程度の大きさの低分子なら透過することを確認している。
上記の方法で製造した本発明の構造性変色材を、有機分子(被収着物質)の蒸気が密閉されている空間に導入すると、有機分子が高分子層中に入り込み、高分子層を膨潤させ、高分子層の厚さを変化させる。高分子層の厚さが変われば、前述の説明の通り、基板の色が変化する。つまり、分子(被収着物質)の収着を基板の色の変化に可視化することができる。高分子層には、目的とする物質(被収着物質)を容易に収着できるものを選択して使用する。例えば、大気中や水中に分散した有機物質(被収着物質)を検出する場合、該有機物質が溶解可能な高分子又はその有機物質と選択的に結合する部位を有する高分子であれば、高分子層中への有機物質の取り込みが有利になる。また、基材には、被収着物質によって光学的性質が冒されないことが要求される。
これまでは、透過光について説明してきたが、反射光も一定の色を示す。前述の式に従い、図2の条件の3層構造体の反射率を計算すると、図2のスペクトルを逆様にしたような、図15のスペクトルが得られる。つまり、見える色は、図2の場合に見える色の補色になる。例えば、図15のAは黄色、Bは青色に見える。この場合も、実際の構造体の作製にあたっては、基板の上に前述の3層構造体を構築する。図15の場合の構造体を、透明なガラス基板上に作製したときの反射スペクトルは、図16のようになり、図15とほとんど変わらない。反射光を見る場合は、光を透過するような基板を使用しなくてもよい。例えば、金属光沢を有するが反射率が20〜30%しかないシリコンを基板として、図16の場合と同じように3層構造体を構築した場合も、反射スペクトルは、図17のようになり、ピーク位置は若干移動するものの、ほぼ同様のスペクトルを示す。また、これまで、基板を用いる場合について説明したが、条件を満たすものならば、板状のものでなくても構わない。
本発明により、(1)基板、金属層及び高分子薄膜層の単純な組み合わせ構造からなる、鮮やかに発色する新規構造性変色材を製造し、提供することができる、(2)光透過型の刺激応答性構造色プレート等の構造性変色材を提供できる、(3)この構造性変色材は、被収着物質の収着により色変化を示すことから、特定物質の検出を可視化するセンサー等の構造性変色部材として用いることができる、(4)具体的には、例えば、火災報知器、ガス漏れ探知器、水質検査器などへ応用することができる、(5)このセンサーには、電気回路的な仕組みなどが基本的には不要であり、エネルギーを節約することができる、という効果がある。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
スライドガラス(幅26mm×長さ75mm×厚さ1mm)に、銀を真空蒸着法により20nm蒸着し、ステアリルメルカプタンの1mM エタノール溶液に1日浸漬して、銀表面を疎水化した。得られたプレート上に、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を、ラングミュア−ブロジェット法により、60層(プレートA)、 90層(プレートB)、 120層(プレートC)累積した後、更に銀を厚さ20nmに蒸着した。得られたプレートは、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)単分子膜の累積層数に応じて異なる色を示し、透過光は、プレートAが青色、プレートBが黄緑色、プレートCが赤色を示した。
実施例1で得られたプレートを、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)にとって良溶媒である1,4−ジオキサン10mlの入った容器とともに、容積90mlの密閉セル内に設置した。この際、該プレートは1,4−ジオキサンの液体に直接触れないようにした。設置直後からプレートの変色が始まり、約1時間で、プレートAは緑色、プレートBは赤紫色、プレートCは明るい青色に変化した。
実施例1で得られたプレートについて、1,4−ジオキサンの代わりにメタノールを使用して、実施例2と同様の実験を行った。設置直後からプレートの変色が始まり、約1時間で、プレートAは明るい青色、プレートBは橙色、プレートCは紫色に変化した。実施例2及び実施例3から、プレートが、溶媒物質の種類によって異なる色を示すことが解った。
シリコン板(幅10mm×長さ20mm×厚さ0.7mm)に、銀を真空蒸着法により20 nm蒸着し、ステアリルメルカプタンの1mM エタノール溶液に1日浸漬して、銀表面を疎水化した。得られたプレート上に、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を、ラングミュア−ブロジェット法を用いて90層累積した後、更に銀を20nm蒸着した。得られたプレートの反射光は、青色を示した。この色は、実施例1で得られた90層累積膜を有する透過型基板の示した色(黄色)の補色に相当し、図2及び図16の計算例に対応するので、前述したような機構による光の干渉作用に基づいて発色したものである。
ステンレス板(幅20mm×長さ35mm×厚さ0.1mm)に、銀を真空蒸着法により20nm蒸着し、ステアリルメルカプタンの1mM エタノール溶液に1日浸漬して、銀表面を疎水化した。得られたプレート上に、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を、ラングミュア−ブロジェット法を用いて90層累積した後、更に銀を20nm蒸着した。得られたプレートの反射光は、実施例4で得られたプレートと同様に、青色を示した。このことは、基板の材質は、光を反射するものであれば特に限定されないことを示す。
40メッシュのステンレス製網(幅20mm×長さ35mm)に、銀を真空蒸着法により20nm蒸着し、ステアリルメルカプタンの1mM エタノール溶液に1日浸漬して、銀表面を疎水化した。得られた網状体の上に、ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を、ラングミュア−ブロジェット法を用いて90層累積した後、更に銀を20nm蒸着した。得られたプレートの反射光は、実施例4及び5で得られたプレートと同様に、青色を示した。このことは、基板の形状が板状でなくても発色することを示す。
実施例1で得られたプレートA,B及びCについて、U−3000形分光光度系(日立)を用いて、透過スペクトル測定を行った。得られたスペクトルを、図18に示す。銀による光の吸収があるため、高波長ほどピークが小さくなるが、計算で予測されたものと同様のピークが得られた。また、累積層数が増えるほど、ピークは高波長側へシフトしており、この結果も計算で予測されたものと同様である。
実施例1で得られたプレートBを、n−ヘキサン5mlの入った容器とともに容積70mlの密閉セル内に設置して、30分おきに透過スペクトル測定を行った。この際、プレートはn−ヘキサンの液体に直接触れない様にした。得られたスペクトルを、図19に示す。時間の経過とともに、ピーク位置が長波長側へシフトした。収着したn−ヘキサンにより、高分子が膨潤して膜厚が増加し、このような変化が起こったものと思われる。シフト量を時間に対してプロットすると、図20のようになった。シフト量は、約200分で、一定値に達した。高分子内でのn−ヘキサン濃度が、飽和量に達したことによるものと思われる。他の厚さのプレートでも同様の測定を行い、同様のピーク位置の変化を確認した。また、高分子を累積せず、銀のみを蒸着したプレートについても測定を行った。この場合は、ピークは観測されず、ピークのシフトも見られなかった。このことから、ピークのシフトは、高分子の膨潤によるものであることが確認された。
実施例1で得られたプレートB及びCについて、実施例8と同様の測定を、溶媒としてエタノールを用いた系で行い、収着が飽和に達した時のピークのシフト値を、累積層数に対してプロットした(図21)。シフト量は、累積層数に比例していた。これは、飽和収着量が、累積された高分子の量(厚さ)に比例することを示すものであり、ピークのシフトが、高分子の膨潤によるものであることを裏付けるものである。他の溶媒(ヘキサン、1,4−ジオキサン等)を用いた場合も同様の傾向を示した。
実施例1で得られたプレートBについて、実施例8と同様の測定を、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、テトラヒドロフラン(THF) 、n−ヘキサン(C6)、1,4−ジオキサン(dioxane)、シクロヘキサン(c−C6)、1,2−ジクロロエタン(EDC)及びクロロホルム(CHCl)を用いて行い、収着が飽和に達した時の、ピークのシフト値を比較した(図22)。用いる溶媒によって、異なるシフト量が得られた。これは、溶媒と高分子との親和性の差に基づくものである。
本発明は、構造性変色材及びその製造方法等に係るものであり、本発明により、被収着物質の収着により変色する新規構造性変色材を提供することができる。この構造性変色材は、センサー等の構造性変色部材として用いることができるので、例えば、火災報知器、ガス漏れ探知器、水質検査器などへ応用することが可能である。また、本発明により、該構造性変色材の生産技術を提供することができる。本発明により、上述の新しい構造性変色材を応用した新技術及び新産業の創出が期待できる。
(N−2)層からなる構造体の模式図を示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚,B:150nm厚)−銀薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:250nm厚、B:300nm厚)−銀薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(200nm厚)−銀薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:350nm厚、B:1000nm厚)−銀薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(50nm厚)−銀薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(A:20nm厚、B:10nm厚、C:40nm厚)−高分子薄膜層(100nm厚)−銀薄層(A:20nm厚、B:10nm厚、C:40nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(A:20nm厚、B:10nm厚、C:20nm厚、D:10nm厚)−高分子薄層(100nm厚)−銀薄層(A:20nm厚、B:20nm厚、C:40nm厚、D:40nm厚)の透過スペクトルを示す。 各金属の可視光反射率を示す。 本発明の金薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚、B:150nm厚)−金薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銅薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚、B:150nm厚)−銅薄層(20nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明のアルミニウム薄層(5nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚、B:150nm厚)−アルミニウム薄層(5nm厚)の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚,B:150nm厚)−銀薄層(20nm厚)−透明基板の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:250nm厚、B:300nm厚)−銀薄層(20nm厚)−透明基板の透過スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚,B:150nm厚)−銀薄層(20nm厚)の反射スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚,B:150nm厚)−銀薄層(20nm厚)−透明ガラス基板の反射スペクトルを示す。 本発明の銀薄層(20nm厚)−高分子薄膜層(A:100nm厚,B:150nm厚)−銀薄層(20nm厚)−シリコン基板の反射スペクトルを示す。 本発明の銀蒸着薄層(20nm厚)−ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート) 薄層(A:60層、B:90層、C:120層)−銀蒸着薄層(20nm厚)−スライドガラスの透過スペクトルを示す。 本発明のn−ヘキサンを収着した銀蒸着薄層(20nm厚)−ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート) 薄層(90層)−銀蒸着薄層(20nm厚)−スライドガラスの透過スペクトルの経時変化を示す。 図19のピーク位置のシフト量と時間の関係を示す。 実施例1で得られたB及びCのピーク位置のシフト量と累積層数の関係を示す。 用いる溶媒とピーク位置のシフト量の関係を示す。

Claims (9)

  1. 基板に、物質を収着し得る可視光透過性の高分子薄膜層を構造発色が可能な状態で固定し、該高分子薄膜層の表面、あるいは該高分子薄膜層の表面及び高分子薄膜層と基板の間に金属層を形成することからなる刺激応答性構造性変色材の製造方法であって、
    1)ステアリン酸若しくは臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウムの累積可能な化合物、α−へリックス構造を有する有機高分子化合物、又はポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を多層に累積することにより高分子薄膜層とすること、2)光を反射する10〜50nmの厚さの金属層を形成すること、を特徴とする刺激応答性構造性変色材の製造方法。
  2. 所定の高分子を気−液、気−固界面で配列させて基板上に写し取るか、あるいは高分子の自己組織化を活用し、それを多層に累積することにより、高分子薄膜層を形成することを特徴とする、請求項1に記載の構造性変色材の製造方法。
  3. 物質を収着して、色変化を起こす構造性変色材において、物質を収着し得る可視光透過性の高分子薄膜層を、基板上に構造性発色が可能な状態で固定し、該高分子薄膜層の表面、あるいは該高分子薄膜層の表面及び高分子薄膜層と基板の間に金属層を形成した刺激応答性構造性変色材であって、
    1)ポリ(γ−ヘキシル−L−グルタメート)の単分子膜を多層に累積した高分子薄膜層を、基板上に固定したこと、2)光を反射する10〜50nmの厚さの金属層を形成したこと、を特徴とする刺激応答性構造性変色材。
  4. 大気中又は溶液中に存在している物質を収着して、色変化を起こす、請求項3に記載の構造性変色材。
  5. 基板の表面を疎水化処理し、その上に高分子薄膜層を固定したことを特徴とする、請求項3に記載の構造性変色材。
  6. 金属薄膜層の表面を疎水化処理したことを特徴とする、請求項3に記載の構造性変色材。
  7. 高分子薄膜層の両面に金属層を有し、更に、これらが複数層をなしていることを特徴とする、請求項3に記載の構造性変色材。
  8. 基板が、表面が平滑であり、光を効率よく反射又は透過する材料からなることを特徴とする、請求項3に記載の構造性変色材。
  9. 請求項4から8のいずれかに記載の刺激応答性構造性変色材を構成要素として含み、大気中又は溶液中に存在する物質の種類、量によって変化する色の波長変化により、物質の存在、量を検出する機能を有することを特徴とする刺激応答性構造性変色部材。
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