JP4543140B2 - 回路基板保護用粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

回路基板保護用粘着シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はシリコンウエハーなどの基材表面に形成された回路の上に一時的に貼着して回路基板を保護するためのシートおよびそのシートの製造方法に関する。さらに詳しくは本発明は、回路が形成された基板面に貼着して回路を保護することができるように、回路により形成される凹凸に対して追随性がよく、さらにこれを引き剥がす際に回路に損傷を与えることがない程度の粘着強度を有し、粘着剤成分による回路の汚染のない保護用粘着シートおよびその製造方法に関する。
従来から接着剤あるいは粘着剤としてアクリル系粘接着剤が広汎に使用されている。このようなアクリル系粘接着剤として、例えば、特許文献1(特開平10-306267号公報)に
記載されているように、アルキル(メタ)アクリレート、これと共重合可能な他のビニル系モノマー、光重合開始剤、多官能ビニル系化合物およびラジカル連鎖移動剤を含有する光重合性組成物を基材フィルムに塗布して部分架橋ポリマーのゲル分率を5〜60重量%にし、ゾル分の重量平均分子量が5万〜70万であり、ガラス転移温度を−10℃〜+30
℃にした自着性シートなどが知られている。上記のような光重合性組成物を光重合させることにより、アルキル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとからなるアクリル系ポリマー主鎖が形成され、このアクリル系ポリマー主鎖を多官能ビニル化合物で架橋した構造を有するアクリル系接着剤が形成される。こうした架橋構造を有するアクリル系接着剤を製造する際には、モノマー成分であるアルキル(メタ)アクリレート、他のビニル系モノマーと、架橋剤である多官能ビニル系化合物とが渾然一体となった光重合性組成物を用いて光重合を行うために、架橋構造はアクリル系ポリマー主鎖に均一に形成される。こうした架橋構造が多くなるほど、接着剤は硬質になり、しかも接着力は低下することから、接着剤における架橋構造の形成密度を、ゲル分率で表して、その上限値(ゲル分率)が80重量%よりも高くなるように高密度で形成したのでは接着剤としての基本的な特性が発現しないとされていた。
従って、上記特許文献1においても部分架橋ポリマーのゲル分率の上限値は60%であり、ゲル分率が80重量%以上になるように高密度で架橋構造が形成されたアクリル系ポリマーを接着剤として使用することはできないと考えられていたのである。
こうした一般的なアクリル系粘接着剤とは別に、電子機器産業の分野においては、アクリル系粘着剤に光重合性成分を配合して、光重合によりアクリル系粘着剤中に架橋構造を形成してアクリル系粘着剤の粘着力の調整に利用されている。例えば特許文献2(特開昭61−64773号公報)に示されるように、常態時粘着性を有する粘着剤層に、光を照射する
ことにより、粘着性を接着性に変換する光硬化型感圧接着剤が用いられており、この光硬化型感圧接着剤は、予め製造された粘着剤に光重合性成分を配合した粘着剤層を形成し、この粘着剤層の有する粘着力を利用して電子部品等を貼着した後、電子部品等が貼着されていない部分の粘着剤層に光を照射して粘着剤層に架橋構造を形成して、粘着剤層の有するタックを低減させた光硬化型感圧接着剤である。
しかしながら、特許文献2には、具体的には例えば実施例に示されるように、ブチルアクリレート、メチルアクリレート、アクリル酸などのアクリル系モノマーを水に分散させて乳化重合させた後、この水分散体に、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートに、ジメチルベンジルケタール、ベンゾフェ
ノンおよびビスジエチルアミノベンゾフェノンを添加して急速攪拌して分散させた光硬化型感圧接着剤が開示されており、このように予めアクリル系ポリマーを調製した後、新た
にアクリル系モノマーおよび多官能モノマー、さらに光重合開始剤を加えており、このように予めアクリル系ポリマーを製造した後に光重合に関与する成分を加えたのでは、アクリル系ポリマーと光重合に関与する成分とが均一に混合されない虞がある。また、乳化重合に用いられる乳化剤が貼着時にブリードし、電子部品を汚染することがあった。さらに、特許文献2に記載の光硬化型感圧接着剤は、電子部品に模して貼着されたステンレス板を貼着して紫外線を照射しており、ステンレス板の貼着されていない部分のタックは低下しているけれども、このときステンレス板の貼着部分の剥離接着力は、2000g/20mm前後に上昇しており、紫外線の照射によって硬化体を形成することによって、被着体に対しては上昇しているのである。従って、粘着剤に光重合成分を配合した接着剤においては、既に被着体が接着している部分では光重合成分の硬化反応によって、被着体との接着強度が倍以上に高くなっており、光重合体の形成によって、被着体と光重合体との間に新たに強力な接着力が発現すると共に、水素引き抜き性の開始剤を使用していることからシロップ中のポリマーも架橋に関与するため、こうして形成された光重合体は硬質である。
ところで、特許文献3(特開2002-180013号公報)の段落[0004]には、「光重合性接
着剤組成物には、前記モノマーシロップに光開始剤を加える他に、その紫外線硬化物が架橋構造となるように多官能モノマー等が添加されている。このような光重合性接着剤組成物の紫外線硬化反応において、架橋構造は多官能モノマーとモノマーシロップ中のモノマー成分(単官能モノマー)の反応により形成されるため、モノマーシロップ中の増粘用ポリマー等の高分子量体は架橋には関与せず、得られる硬化物中に存在させることにより、当該硬化物は初期タック、接着力、凝集力の接着特性のバランスのよい接着層を形成することができる。」と記載されている。さらに段落[0005]には、「一般に、接着特性のバランスの取れた接着層は、前記硬化物のゲル分率が20〜60重量%のもの、言い換えれば前記増粘用ポリマー等の高分子量の未架橋性分を80〜40重量%程度の割合で含むものが望まれている。」と記載されている。
しかしながら、シリコンウエハーに形成された回路を保護するために貼着される回路基板保護用粘着シートに使用される接着剤は、この保護用粘着シートを後の工程で剥離することから、上記特許文献3に記載されているような高い粘着力は必要としない。むしろ、保護用粘着シートを剥離する際に形成された回路に損傷を与えないように粘着力が低いことが望ましい。このように回路基板保護用粘着シートは、剥離する際に回路に損傷を与えないように低い粘着力を有すると共に、基板上に凸状に形成された回路により形成される凹凸に追随して回路基板を保護し、さらには剥離時に回路を汚染しないことが必要になる。
このように回路基板保護用粘着シートの形態追随性を確保するためには、粘着剤層が柔軟であることが必要であるが、粘着剤層を軟質にすることにより、この回路基板保護用粘着シートを剥離した際に、回路基板の表面に接着剤層が転写して回路基板の表面を汚染することが多くなるという新たな問題が生ずる。
特開平10-306267号公報 特開昭61-64773号公報 特開2002-180013号公報
本発明は、回路基板を保護するための粘着シートおよびこの粘着シートを製造する方法を提供することを目的としている。
さらに本発明は、回路板基板上に凸状に形成された回路および基板を保護するように良好な形態追随性を有すると共に、この保護用粘着シートを剥離した際に形成された回路に損傷を与えることがなく、しかも基板を粘着剤で汚染することがない回路基板の保護用の
粘着シートおよびこの粘着シートを製造する方法を提供することを目的としている。
本発明の回路基板保護用粘着シートは、重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマー;20〜75重量%および(メタ)アクリル系モノマー;25〜80重量%を含有するモノマーシロップ(ただし(メタ)アクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系モノマーとの合計は100重量%)と、該モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して、分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能性モノマー;5〜30重量部と、光重合開始剤とを含有する光重合性組成物に、光を照射して該モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと該多官能モノマーとを、ゲル分率90重量%以上になるように光重合させてなる光重合体および該モノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーが共存する粘着剤層を有し、該粘着剤層の平均厚さが250〜2000μmの範囲内にあり、該粘着剤層の粘着力が500g/20mm以下であることを特徴としている。
また、本発明の回路基板保護用粘着シートの製造方法は、重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマーを20〜75重量%および該(メタ)アクリル系ポリマーを溶解する(メタ)アクリル系モノマーを25〜80重量%の量で含有するモノマーシロップ(合計100重量%)に、該モノマーシロップ中の(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して、5〜30重量部の分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能性モノマー、および、光重合開始剤を配合してなる光重合性組成物を、基材フィルム上に、硬化後の厚さが250〜2000μmになるように塗布した後、該光重合性組成物層に光を照射して、該モノマーシロップ中の(メタ)アクリル系モノマーと該多官能モノマーとをゲル分率が90重量%以上になるように光重合させて、粘着強度が500g/20mm以下に調整された粘着剤層を形成することを特徴とすることを特徴としている。
本発明の回路基板保護用粘着シートでは、このモノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとの光重合により形成された光重合体(架橋重合体)と、モノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーとが分子レベルで混在した状態で粘着剤層を形成しており、しかも、架橋重合体と(メタ)アクリル系ポリマーとは独立に存在している。従って、この粘着剤層は、軟質であり、基板と回路とによって形成される凹凸に対して優れた追随性を有している。しかしながら、光重合体と(メタ)アクリル系ポリマーとを共存させることにより、軟質でありながら粘着強度は高くはならず、この保護用粘着シートを剥離する際に形成されている回路に損傷を与えることがなく、また回路を汚染することもない。さらに、本発明の保護用粘着シートの粘着剤層には乳化剤、可塑剤等の低分子量体は含有されていないので、乳化剤などのブリード成分によって回路基板の表面が汚染されることもない。
本発明の粘着シートの粘着剤層においては、モノマーシロップ中の(メタ)アクリル系モノマーと特定の多官能モノマーとが光重合して形成された光重合物に高い架橋密度で架橋構造が形成されており、こうして形成された架橋重合物構造体と、モノマーシロップ中に含有されていた重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマーとが共存して粘着剤層を形成している。この重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマーは、粘着性を有するが、粘着剤層においては架橋重合物構造体中に封じ込められており、この粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーの被着体との接触は架橋重合物構造体によって規制されて、粘着剤層の粘着力は500g/20mm以下に抑制される。他方、この粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーが共存することによって、この(メタ)アクリル系ポリマーを内包する架橋重合物からなる粘着剤層全体は硬質にはならず、粘着剤層の平均厚さを250〜2000μmにすることによって、基板上に形成された回路に
よる凹凸に対応してこの粘着剤層が変形する。
従って、本発明の粘着シートを、回路が形成された基板上に貼着すると、回路の凹凸に追随して粘着剤層が変形して基板全面にこの粘着シートが均一に貼着され、回路基板を確実に保護することができる。しかも、この粘着シートの粘着力は、粘着シートを基板表面に保持するには充分であるが、剥離する際に基板に形成された回路に損傷を与えるほど高くはなく、しかも粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーは、架橋重合物からなる構造物内に保持されているので、粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーが基板に転写して基板表面を汚染することもない。さらに、この粘着剤層には乳化剤などのブリードしやすい成分は含有されていないので、回路基板表面がこうした乳化剤などで汚染されることもない。
このため本発明の粘着シートを回路基板の保護用粘着シートとして使用することにより、形成されている回路の形態に拘わりなく回路基板の貼着面全面に密着してこの回路基板を保護することができ、しかもこの粘着シートを剥離する際にも回路に損傷などを与えることがなく、また粘着剤成分が回路基板上に移動する(転写される)こともないので、回路基板が汚染されることもない。さらに、粘着剤層には、分離されやすい乳化剤などは含まれていないので、こうしたブリード成分による汚染も発生しない。
次の本発明の回路基板保護用粘着シートおよびその製造方法について具体的に説明する。
本発明の粘着シートは、通常は基材フィルムとこの基材フィルムの表面に形成された粘着剤層を有する。この粘着剤層には、特定の(メタ)アクリル系ポリマーが(メタ)アクリル系モノマーに溶解されたモノマーシロップに、特定の多官能モノマーと、光重合開始剤とを配合した光重合性組成物に光を照射して、モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとをゲル分率が90重量%以上になるように光重合させた光重合体と、モノマーシロップ中に含有されていた特定の(メタ)アクリル系ポリマーとが共存している。
本発明で使用するモノマーシロップは、特定の(メタ)アクリル系ポリマーと、この(メタ)アクリル系ポリマーを溶解する(メタ)アクリル系モノマーとからなる。
このモノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、5万〜80万の範囲内にあり、さらに10万〜40万の範囲内にあることが好ましい。この(メタ)アクリル系ポリマーは、本発明の粘着シートに粘着性を付与するものであり、通常は粘着性を有している。従って、このアクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、通常は−100℃〜0℃、好ましくは、−70〜−30℃の範囲内にある。本発明において重合体のガラス転移温度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によ
り測定した値である。
この(メタ)アクリル系ポリマーは、通常は、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、これに共重合可能な他のモノマーとの共重合体である。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、エステルを形成するアルキル基の炭素数が通常は1〜18、好ましくは3〜12の化合物であり、このアルキル基は直鎖であっても分岐を有していてもよい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートおよびノニル(メタ)アクリレートなどのアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートおよびt-ブチル(メタ
)アクリレートなどの分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレートなどの環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
また、上記のような(メタ)アクリル酸アルキルエステルと反応してアクリル系ポリマーを形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリル化合物および(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有化合物のいずれかを用いることが好ましい。
ここで(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、これらの酸無水物およびこれらの塩を挙げることができる。
水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレン
グリコールまたはポリエチレングリコールとのモノエステルおよびラクトン類と(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルとの付加物のようなヒドロキシル基含有ビニル化合物を
挙げることができる。
また、(メタ)アクリル酸を除くカルボキシル基含有化合物の例としては、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸およびフマル酸のような不飽和カルボン酸を挙げることができる。
本発明における(メタ)アクリル系ポリマーには、さらに上記(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他の単官能モノマーが共重合していてもよい。他の官能基モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルコキシエステル、(メタ)アクリル酸アリルエステルなど、上記以外の(メタ)アクリル系モノマー、酢酸ビニル、スチレンなどのビニルモノマーを挙げることができる。
本発明において、モノマーシロップに含有される(メタ)アクリル系ポリマーには、形成モノマーの合計を100重量部としたとき、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、
通常は85〜100重量部、好ましくは90〜99重量部の範囲内の量で共重合されており、(メタ)アクリル酸は、通常は0〜15重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲内の量で共重合されており、水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、通常は0〜10重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲内の量で共重合されており、カルボキシル基含有化合物は、通常は0〜15重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲内の量で共重合されており、その他のモノマーは、通常は0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部の範囲内の量で共重合されている。ただし、モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーが必要とする粘着力を発現するためには、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外に、この(メタ)アクリル酸アルキルエステル100重量部に対して極性基を含有するモノマーが通常は1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度共重合していることが望ましい。
上記のようなモノマーシロップに含有される(メタ)アクリル系ポリマーには、通常は架橋構造は形成されておらず、従って、この(メタ)アクリル系ポリマーについてゲル分率を測定してみても、0〜1重量%、好ましくは実質的に0重量%である。
本発明で使用するモノマーシロップは、上記のような(メタ)アクリル系ポリマーと、この(メタ)アクリル系ポリマーを溶解する(メタ)アクリル系モノマーとを含むものである。
モノマーシロップを形成するアクリル系モノマーは、上記アクリル系ポリマーを溶解、あるいは均一に分散したときに、このモノマーシロップが流動性を有するようになるアクリル系モノマーを使用する。本発明においてモノマーシロップとしては、25℃における粘度が、通常は3〜50Pa・s、好ましくは5〜30Pa・s の範囲内にあるモノマーシロ
ップを使用することができる。
上記のようなモノマーシロップは、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリル化合物およびカルボキシル基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の単量体とからなるこ
とが好ましい。モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、エステルを形成するアルキル基の炭素数が通常は1〜18、好ましくは3〜12の化合物であり、このアルキル基は直鎖であっても分岐を有していてもよい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートおよびノニル(メタ)アクリレートなどのアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートおよびt-ブチル(メタ)アクリレートなどの分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
また、上記のような(メタ)アクリル酸アルキルエステルと反応してアクリル系ポリマーを形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリル化合物、(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有化合物のいずれかを用いることが好ましい。
ここで(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの酸無水物、これらの塩を挙げることができる。
水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレン
グリコールまたはポリエチレングリコールとのモノエステルおよびラクトン類と(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルとの付加物のようなヒドロキシル基含有ビニル化合物を
挙げることができる。
また、(メタ)アクリル酸を除くカルボキシル基含有化合物の例としては、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸およびフマル酸のような不飽和カルボン酸を挙げることができる。
また、モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーは、さらに上記(メ
タ)アクリル系モノマーと共重合可能な他の単官能モノマーが共重合していてもよい。
本発明において、モノマーシロップに含有される(メタ)アクリル系モノマー100重量部中には、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、通常は85〜100重量部、好ましくは90〜99重量部の範囲内の量で含有されており、(メタ)アクリル酸が、通常は0〜15重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲内の量で含有されており、水酸基含有(メタ)アクリル化合物が、通常は0〜15重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲内の量で含有されており、カルボキシル基含有化合物が、通常は0〜15重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲内の量で含有されており、その他のモノマーが、通常は0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部の範囲内の量で含有されている。
上記のモノマーシロップに含有される(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成と、このモノマーシロップ中に含有されるモノマーの組成とは一致していてもよいし、一致していなくともよい。すなわち、(メタ)アクリル系モノマーを部分重合して(メタ)アクリル系ポリマーを形成した場合には、モノマーシロップの組成と(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成とは同一になる。また、(メタ)アクリル系ポリマーを別途調製して、モノマー中に均一に溶解もしくは分散させた場合には、(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成と、モノマーシロップ中に含有されるモノマーの組成とが一致しないようにすることができる。
本発明のモノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーは、このモノマーシロップを形成するモノマーの組成と同一の組成を有するものであることが好ましい。このようにモノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系モノマーの組成と、これに溶解されてモノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー組成とを揃えるためには、(メタ)アクリル系モノマーの混合物に後述するような少量の重合開始剤およびn-ドデシルメルカプタンのような連鎖移動剤を配合した組成物を用いて(メタ)アクリル系モノマーの一部を重合させる方法を採用することが好ましい。
本発明で使用するモノマーシロップ(100重量%)中において、(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は、20〜75重量%、好ましくは25〜65重量%の範囲内にあり、(
メタ)アクリル系モノマーの含有量は、25〜80重量%、好ましくは35〜75重量%
の範囲内にある。
本発明においては、上記のような組成を有するモノマーシロップに、分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能性モノマーおよび光重合開始剤を配合して光重合性組成物を調製する。
ここで使用する分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能性モノマーは、分子内に(メタ)アクロイル基のようなエチレン性二重結合を2個以上有しており、モノマー
シロップ中に含有されるアクリル系モノマーと共重合可能な化合物である。このような分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの例としては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリアクリル酸エステル、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジアクリレートおよびネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートのような多価アクリル酸エステル;
エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ジエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、プロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルおよびトリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルのような(ポリ)アルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
本発明において、上記のような多官能性モノマーは、モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは8〜25重量部の範囲内の量で使用される。特にこの多官能モノマーはモノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと光重合してゲル分率が90重量%以上、好ましくは98〜100重量%になるように光重合体を形成するものである。このような量で多官能モノマーを使用することにより、モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーの全てが多官能モノマーと光重合して光重合体を形成する際に、光重合体のゲル分率を、確実に90重量%以上、好ましくは98重量%以上、特に好ましくは99〜100
重量%にすることができる。
この多官能性モノマーは、モノマーシロップ中に含有されるアクリル系モノマーと共重合して本発明の粘着シートの粘着剤層中に架橋構造を形成する。本発明において上記のように多量の多官能モノマーを使用することにより、非常に高い架橋密度で架橋構造を形成することができる。一般の粘接着剤として使用する場合には、本発明のように多官能モノマーを上記のような量で使用すると、接着力、初期タック、凝集力などが一般的な粘接着剤として使用されるのに許容される範囲にはなりえない。しかしながら、本発明の粘着シートは、基板上に回路が形成された回路基板に貼着して形成された回路を保護するものであり、本発明の粘着シートは、貼着した後に剥離して使用することを前提とするものであり、この剥離の際に保護している回路に損傷を与えないような微粘着力で貼着されていることが必要である。このように剥離した際に回路に損傷を与えないような微粘着力を発現させ、粘着剤成分に染み出しによる回路の汚染を防止するためには、上記のように多官能性モノマーを上記のような量で使用することが必要になるのである。
従って、上記の量を下回る量の多官能性モノマーを使用したのでは、粘着強度が高くなりすぎて剥離の際に回路に損傷を与えることがあり、また、高い粘着力を有する粘着剤層の一部が回路基板側に転写することがあり、基板を汚染することがある。また、上記の量を上回る量の多官能性モノマーを使用したのでは、本発明の粘着シートを回路基板表面に貼着するに足りる粘着力を発現させることができず、さらに粘着剤層が硬質化するので、被着対象面である回路基板の表面の凹凸に追随して粘着剤層が変形する形態追随性が著しく低下する。
本発明で使用する重合性組成物中に含有される光重合開始剤は、可視光線、紫外線、α線、X線などのエネルギー線、好ましくは波長200〜400nmの紫外線を照射することによりこの重合性組成物中のモノマー成分をラジカル重合せさることができるものである。このような光重合開始剤の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルおよび2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンゾインエーテル;アニソールメチルエーテル等の置換ベンゾインエーテル;2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンおよび1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等の置換アセトフェノン;2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン等
の置換アルファーケトール;2-ナフタレンスルフォニルクロライド等の芳香族スルフォニルクロライド;1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシム
などの光活性オキシム;ならびに、アシルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができる。これらの光重合開始剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。なお、本発明においてベンゾフェノン系等の水素引き抜き性のある開始剤の使用は、モノマーシロップ中のポリマーから水素を引き抜き架橋反応に関与させるため、形成される粘着剤層の柔軟性が失われ、凹凸に対する追随性が悪くなるため好ましくない。
このような光重合開始剤は、モノマーシロップ100重量部に対して、通常は0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部の量で使用される。上記のような量で光重合開始剤を使用することにより、モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーおよび多官能モノマーの全量を反応させて架橋重合体を形成することができる。さらに、光重合反応を円滑に進行させることができる。
本発明の回路基板保護用粘着シートの製造に際しては、上記のような光重合性組成物を、硬化後の厚さが250〜2000μm、好ましくは300〜1000μmになるように塗布する。本発明で使用する光重合性組成物は(メタ)アクリル系モノマーを溶媒とする塗布可能な粘性を有する液状であり、反応性を有しない有機溶媒などは含有されておらず、光重合によりその厚さが著しく減少するものではないので、光重合性組成物の塗布厚と
粘着剤層の厚さとはほぼ同一である。従って、光重合性組成物の塗布厚は、設定した粘着剤層の厚さと同一にすればよい。
上記の光重合性組成物は、通常は、基材シート上に塗布される。ここで使用される基材シートとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)などのポリエス
テルフィルム、ポリアミドフィルムおよびポリオレフィンフィルムなどの合成樹脂フィルム、ならびに、紙、不織布および織布などの繊維シートなどを挙げることができる。これらの中でもPETフィルムのような透明性を有する合成樹脂フィルムを使用することが好ま
しい。このような基材シートは、回路基板の凹凸が基材表面に現れないような硬さを持つことが好ましく、通常は50μm以上、好ましくは100μm以上である。
例えば上記のような基材シート上に塗布された光重合性組成物層を光重合させるに際しては、この光重合性組成物層の表面に保護フィルムを配置することが望ましい。すなわち、光重合する際には光重合性組成物層の表面の活性度が高くなるので、この光重合性組成物層を空気(特に酸素)と非接触状態で光重合させることが好ましい。このために上記のようにして形成された光重合性組成物層の表面に例えば剥離性を付与したフィルムなどを配置して光重合性組成物層と空気との接触を遮断した後に光重合させることが好ましい。ここで使用する離性を付与したフィルムとしては、剥離性を付与したPETフィルム、ポリ
オレフィンフィルムなどを挙げることができる。
上記のようにして形成された光重合性組成物層に、光を照射して共重合反応を行うことから、基材シートおよび/または保護フィルムの少なくとも一方、好ましくは両者が光透過性であることが望ましく、本発明では保護フィルムとして剥離性を付与したPETフィル
ムが好適に使用できる。
上記のようにして形成された光重合性樹脂層にエネルギー線、好ましくは波長200〜400nmの紫外線を照射して、光重合性組成物中のモノマーシロップを構成するアクリル系モノマーと多官能性モノマーとを光重合させて、三次元架橋構造を形成する。例えば紫外線を照射する場合、紫外線の照射条件は適宜選定することができるが、照度は、通常は0.1〜400mW/cm2の範囲内に設定され、光量は通常は100〜5000mJ/cm2の範囲内に設定される。
本発明の粘着シートの粘着剤層に形成される架橋構造は、エチレン性二重結合を2個以上有する多官能モノマーが、アクリル系モノマーと共重合することによって形成されるものであり、多官能モノマーのエチレン性二重結合は、通常は、アクリル系モノマーと共にアクリル樹脂の主鎖を形成する。従って、本発明の粘着シートの粘着剤層には、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物などを用いて、アクリル系共重合体の側鎖にある官能基を連結するような架橋構造は形成されていない。
上記のようにして光照射して粘着剤層を形成すると、この粘着剤層中には、モノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーと、光重合により生成した架橋重合体が分子レベルで混合された状態で共存する。架橋重合体は、所定の形態保持性を有するが、分子レベルで混合されている(メタ)アクリル系ポリマーによって可塑化され、この粘着剤層は、良好な凹凸追随性を有するようになる。他方、この粘着剤層の粘着力は主としてモノマーシロップ中に含有されている(メタ)アクリル系ポリマーによるものであるが、分子レベルで混合された架橋重合体の有する形態保持力が、(メタ)アクリル系ポリマーの有する粘着力に対抗するように作用して、全体としてみるとこの粘着剤層の粘着力は、500g/20mm以下、好ましくは50〜500g/20mm、特に好ましくは50〜300g/20mmの範囲内に抑制される。
一般に基板上に形成される配線と基板とはある程度の密着強度で密着しており、従って、回路が形成された基板上に本発明の保護用粘着シートを貼着しても、この保護用粘着シートを剥離する際に回路にかかる力(粘着力に相当)は、回路と基板との密着力を上回ることはないので、回路に損傷を与えることはない。他方、この粘着剤層の粘着力が50g
/20mm以上あれば、この保護用粘着シートを貼着した基板を取り扱う際に保護用粘着シートが自然剥離することがなく、被保護体である基板および回路を充分に保護することができる。
上記のようにモノマーシロップに特定の多官能モノマーを配合した光重合性組成物を調製し、この光重合性組成物からなる塗布層を形成した後に、この塗布層(光重合性組成物層)に、光を照射して光重合反応を行ってモノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとを反応させて架橋重合体を形成することにより、架橋構造が、架橋重合体中に集中して形成され、モノマーシロップに含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーには架橋構造は形成されない。
本発明の保護用粘着シートにおける光重合により形成された架橋重合体のゲル分率(3)は、粘着剤層のゲル分率(2)から求めた粘着剤層中におけるゲル成分の量から、モノマーシロップのゲル分率(1)から求めたモノマーシロップ中におけるゲル成分の量との差を求め、得られたゲル成分量の、光照射によって形成された架橋重棒体の総量に対する割合から下記式により算定することができる。
{[(粘着剤層のゲル分率(2)から求めた粘着剤層中のゲル成分の量−モノマーシロッ
プのゲル分率(1)から求めたモノマーシロップ中のゲル成分の量)/光重合により生成した重合体の総量]×100}。
本発明の保護用粘着シートは、剥離性を付与した保護フィルムを剥離して、回路が形成された基板面に貼着して使用する。本発明の保護用粘着シートは感圧接着性を有しており、通常は加圧下に貼着する。なお、必要により圧力に加えて、加熱することもできる。
このように本発明の回路基板保護用粘着シートにおいては、(メタ)アクリル系モノマーを溶媒とし、特定の(メタ)アクリル系ポリマーが溶解されたモノマーシロップに、特定の多官能モノマーを配合した光重合性組成物を用いて、モノマーシロップを形成していた(メタ)アクリル系モノマーと特定の多官能モノマーとを光重合してゲル分率が80重量%以上、好ましくは98重量%以上、特に好ましくは99〜100重量%の光重合体を形成して、架橋重合体と、モノマーシロップに含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーとが分子レベルで混合された状態で存在して粘着剤層を形成している。このようにして光重合により架橋構造が形成されるが、モノマーシロップに含有される(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、この架橋構造を形成する光重合反応は影響を及ぼさない。しかしながら、モノマーシロップを用いて、粘着力を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、形態保持性を有する架橋重合体とが分子レベルで混合された状態の粘着剤層を形成することにより、形態保持性を有する光重合体に対しては(メタ)アクリル系ポリマーが可塑剤的に作用して、粘着剤層に凹凸追随性を付与し、他の(メタ)アクリル系ポリマーに対しては光重合体が粘着力の抑制剤的に作用して、粘着剤層に再剥離性(抑制された粘着性)を付与しているのである。従って、本発明の保護用粘着シートにおける粘着剤層は、架橋構造が光重合体に集中して形成されており、例えばモノマーに少量の多官能性モノマーを配合して部分的に架橋構造を形成した粘着剤からなる粘着剤層の構成とも異なるものであるし、(メ
タ)アクリル系モノマーを重合させた(メタ)アクリル系ポリマーと、(メタ)アクリル系モ
ノマーと多官能モノマーとを重合させた架橋重合体とを別々に製造して混合した混合物からなる粘着剤層の構成とも異なるものである。すなわち、例えばモノマーに少量の多官能性モノマーを配合して部分的に架橋構造を形成した粘着剤からなる粘着剤層では、架橋構造が粘着剤全体に均一に形成されており、同一のゲル分率を有していたとしても凹凸追随
性および再剥離性は発現しない。また、例えば(メタ)アクリル系モノマーを重合させた(
メタ)アクリル系ポリマーと、(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとを重合させ
た架橋重合体とを別々に製造して混合した混合物からなる粘着剤層では、(メタ)アクリル系ポリマーと架橋重合体とを、分子レベルで均一に混合することはできないので、同様に、同一のゲル分率を有していたとしても凹凸追随性および再剥離性は発現しない。
このように本発明の(メタ)アクリル系ポリマーが(メタ)アクリル系モノマーに均一に溶解したモノマーシロップに、特定の多官能モノマーを配合して、光重合によりモノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとをゲル分率が90重量%以上、好ましくは98重量%以上、特に好ましくは99〜100重量%になるように光重合させてなり、こうして架橋構造を形成した重合体と、モノマーシロップ中に含まれていた(メタ)アクリル系ポリマーとを共存させることにより、この粘着剤層の粘着力が500g/20mm以下の微粘着力になると共に、この粘着剤層が軟質になり、回路の形成により凹凸が生じている基板表面の凹凸に追随して粘着剤層の形態が変化する。従って、本発明の粘着シートを凹凸の形成された回路基板表面に確実に貼着してこの回路基板を保護することができる。さらに、この粘着シートを剥離する際に、粘着剤層が回路基板表面に残留する糊残りが発生することがなく、また粘着シートの剥離によっても回路が損傷を受けることがない。
上記のようにして光重合させることにより、多官能モノマーとモノマーシロップ中のアクリル系モノマーとが光重合して架橋構造を形成するが、モノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーはこの架橋構造形成反応には関与しない。このようにして架橋重合して得られた粘着剤層を形成する全成分のゲル分率は、通常は25〜80重量%の範囲内、好ましくは35〜75重量%の範囲内になる。
本発明の回路基板保護用粘着シートは、上記のような構成を有するが、本発明の目的に反しない限り他の成分が配合されていてもよい。例えば、着色剤、充填剤などを配合することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の回路基板保護用粘着シートおよびその製造方法について実施例を示して説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
モノマーシロップ〔1〕の調製
攪拌機、窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2-エチルへキシルアクリレート(以下「2EHA」と記載する)980g、アクリル酸(以下「AA」と記載する)20g、n-ドデシルメルカプタン0.1gおよび光重合開始剤として2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン0.05gを投入し、窒素ガス雰囲気で紫外
線を照射してモノマー濃度50重量%、ポリマー濃度50重量%のモノマーシロップを調製した。このモノマーシロップ中に含有されるポリマーの重量平均分子量は、30万であった。また、このモノマーシロップ(1)中のアクリル系ポリマーのゲル分率は、0重量%であった。また、このモノマーシロップ〔1〕の25℃における粘度は20Pa・sであ
った。このモノマーシロップの組成、ポリマー分子量、ポリマーのゲル分率および粘度を表1に示す。
光重合性組成物[1]の調製
上記のようにして調製したポリマー濃度50重量%、モノマー濃度50重量%のモノマーシロップ〔1〕100重量部に、分子内にエチレン性二重結合を3個有するトリメチロールプロパントリアクリレート(TMP-A)10重量部(モノマー100重量部に対する配
合量20重量部)と、光重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-エチル-1-フェニルプロパン-1
-オン(商品名:ダイキュア1173、チバガイギー社製)0.4重量部を添加して光重合性
組成物[1]を調製した。
保護用粘着シート《1》の調製
上記のようにして得られた光重合性組成物[1]を、平均厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、粘着剤層の平均厚さが300μmになる
ように塗布し、この塗布面を剥離性PETフィルムで被覆した後、波長200〜400nmの
高圧水銀灯を75秒間照射して光重合性組成物からなる塗布層中の(メタ)アクリル系モノマーとTMP-Aとを光重合させて架橋重合体を生成させて、(メタ)アクリル系ポリマーと
架橋重合体とが分子レベルで混合された状態の粘着剤層を有する保護用粘着シート《1》を調製した。
こうして形成された粘着剤層を有する保護用粘着シート《1》の粘着力は150g/20mmであった。また、この粘着剤層を形成する樹脂について測定したゲル分率は、50重量%であった。
従って、光重合により生成した重合体のゲル分率(3)は100重量%である。
得られた粘着シート《1》を回路基板に貼着して回路の保護状態について評価した。結果を表2−1および表2−2に示す。
ゲル分率の測定
本発明において、モノマーシロップのゲル分率(1)は、モノマーシロップから(メタ)アクリル系モノマーを除去した(メタ)アクリル系ポリマーについて、溶媒としてトルエンを使用し、この溶媒に不溶な成分の重量を求めて、モノマーシロップ中における不溶成分の重量比を算定して求めた。粘着剤層のゲル分率(2)は、粘着剤層を形成している樹脂成分を集めて、溶媒としてトルエンを使用し、この溶媒に不溶な成分の重量を求めて、粘着剤層中における不溶成分の重量比を算定して求めた。光重合により生成した重合体のゲル分率(3)は、上記のようにして求めた粘着剤層のゲル分率(2)から求めた粘着剤層中におけるゲル成分の量から、モノマーシロップのゲル分率(1)から求めたモノマーシロップ中におけるゲル成分の量との差を求め、得られたゲル成分量の、光照射によって形成された架橋重棒体の総量に対する割合{[(粘着剤層のゲル分率(2)から求めた粘着
剤層中のゲル成分の量−モノマーシロップのゲル分率(1)から求めたモノマーシロップ中のゲル成分の量)/光重合により生成した重合体の総量]×100}である。
凹凸追随性試験
上記のようにして製造した粘着性シートを150×150mmの大きさで切り出して試験片とした。この試験片から剥離性PETフィルムを剥がして、表面に高さ50μmのいぼ状
突起物が多数存在している金属板上に置き、2kgのローラーを用いて圧着して、この試験片のいぼ状突起物が形成されている金属面への密着性を目視観察した。
再剥離試験
上記凹凸追随性試験で使用した金属板に、粘着シートを圧着し、24時間放置した。その後、金属板から粘着シートを剥がして金属板表面に粘着剤層が転写しているかどうかを確認した。
重量平均分子量の測定
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
により測定した値である。
得られた粘着シートの組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
なお、比較のためにこの実施例1で使用したモノマーシロップに含有される(メタ)アクリル系ポリマーと同等のポリマーを以下のようにして溶液重合法で製造した。
攪拌機、窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2EHA980g、AA20g、酢酸エチル1000gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で、熱分解
型の開始剤として、ジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.3gを投入
して重量平均分子量が30万になるように反応温度を75℃、反応時間を6時間に設定してポリマーを製造した。このポリマーのゲル分率は0重量%であり架橋構造は形成されていない。このポリマーを用いて厚さ300μmの粘着剤層を形成した粘着シートについてその粘着力を測定したところ、640g/20mmであり、この粘着シートを回路が形成された基板に貼着して剥離したところ、回路の一部が基材から粘着シート側に転写されて回路に損傷を与えた。
上記ポリマーとは別に、2EHA980g、AA20g、TMP−A20g、および、光重合開始剤として2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン8gを混合して、100μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、粘着剤層の平均厚さが30
0μmになるように塗布し、この塗布面を剥離性PETフィルムで被覆した後、波長200
〜400nmの高圧水銀灯を75秒間照射して2EHA、AAおよびTMP−Aを光重合させてゲル分率100%の粘着剤層を形成して粘着シートを製造した。この粘着シートの粘着力は50g/mmであったが、上記と同様にして凹凸追随試験を行ったところ、金属板に形成
された凸部の頂部には粘着剤層が接触しているが、凹部には殆ど粘着剤層が接触していなかった。
また、上記のように溶液重合により製造した分子量30万のポリマーと、別途調製した2EHA、AAおよびTMP−Aの光重合物(ゲル分率;100重量%)とを混合して粘着剤組成物を形成してこの粘着剤組成物を塗布して粘着シートを製造しようと試みたが、無溶剤下では、両者を均一に混合することはできなかったので、粘着シートの製造を断念した。
実施例1の光重合性組成物の調製において、調製したポリマー濃度50重量%、モノマー濃度50重量%のモノマーシロップ〔1〕100重量部に対するトリメチロールプロパントリアクリレート(TMP-A)の添加量を2.5重量部(モノマーシロップ中のモノマー100重量部に対して5重量部)とした以外は同様にして光重合性組成物[9]を調製した。
この光重合性組成物[9]を用いた以外は実施例1と同様にして粘着シート《12》を製造した。(粘着剤層を形成する樹脂のゲル分率;48重量%)。従って、光重合により形成された樹脂のゲル分率は95重量%である。
得られた粘着シート《12》を回路基板に貼着して回路の保護状態について評価した。結果を表2−1および表2−2に示す。この粘着シートは、回路基板に汚染あるいは損傷を与えることなく、またその形態追随性も良好であり、回路基板を良好に保護することができたが、実施例1との対比において、粘着力が多少高いこともあって剥離時の作業性は多少劣る傾向が見られた。
実施例1のモノマーシロップの調製において、使用するモノマー(2EHA=980g、AA=20g)を、2-EHA=1000gに変えた以外は同様にしてモノマーシロップ〔4〕
を製造した。このモノマーシロップの性状を表1に示す。
実施例1の光重合性組成物の製造において、上記モノマーシロップ〔4〕を用いた以外は同様にして粘着シート《13》を調製した。この粘着シート《13》の粘着力は70g/20mmであった。
得られた粘着シート《13》を回路基板に貼着して回路の保護状態について評価した。
結果を表2−1および表2−2に示す。この粘着シートは、回路基板に汚染あるいは損傷を与えることなく、またその形態追随性も良好であり、回路基板を良好に保護することができたが、実施例1との対比において、粘着力が多少低く、回路基板との密着性に多少劣る傾向が見られた。
〔比較例1〕
光重合性組成物[2]の調製
実施例1において、モノマーシロップ〔1〕[モノマー濃度50重量%、ポリマー濃度
50重量%、ポリマーの重量平均分子量30万、ゲル分率(1)0重量%]を100重量
部に対して、TMP-Aを0.1重量部(モノマーシロップ中のモノマー100重量部に対し
て0.2重量部)と、光重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-エチル-1-フェニルプロパン-1-オン0.4重量部を添加して光重合性組成物[2]を調製した。このモノマーシロップの
組成、ポリマー分子量、ポリマーのゲル分率および粘度を表1に示す。
保護用粘着シート《2》の調製
実施例1において、光重合性組成物[1]の代わりに、上記のようにして得られた光重合性組成物[2]を用いた以外は同様にして粘着剤層を有する保護用粘着シート《2》を調製した。
こうして形成された粘着剤層を有する保護用粘着シート《2》の粘着力は1500g/20mmであった。また、この粘着剤層を形成する樹脂について測定したゲル分率(2)は、
32重量%であった。
従って、光重合により生成した重合体のゲル分率(3)は64重量%である。
上記のようにして製造した粘着シート《2》を用いて凹凸追随性試験および再剥離試験を行った。
この粘着シート《2》は、粘着力が高いために、剥離時に回路基板表面に糊残りが発生し、さらに回路の一部が破損した。
得られた粘着シート《2》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
〔比較例2〕
光重合性組成物[3]の調製
実施例1において、モノマーシロップ〔1〕[モノマー濃度50重量%、ポリマー濃度
50重量%、ポリマーの重量平均分子量30万、ゲル分率(1)0重量%]を100重量
部に対して、TMP-Aを使用せずに、1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサ
ンを10重量部と、光重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-エチル-1-フェニルプロパン-1-
オン0.3重量部を添加して光重合性組成物[3]を調製した。このモノマーシロップの組成、ポリマー分子量、ポリマーのゲル分率および粘度を表1に示す。
保護用粘着シート《3》の調製
実施例1において、光重合性組成物[1]の代わりに、上記のようにして得られた光重合性組成物[3]を用いた以外は同様にして粘着剤層を有する保護用粘着シート《3》を調製した。この粘着シート《3》には1,3-ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンによる架橋構造が形成されているので、光重合により生成したポリマーのゲル分率は測定できない。
こうして形成された粘着剤層を有する保護用粘着シート《3》の粘着力は50g/20mm
であった。また、この粘着剤層を形成する樹脂について測定したゲル分率(2)は、85重量%であった。
上記のようにして製造した粘着シート《3》を用いて凹凸追随性試験および再剥離試験を行った。
得られた粘着シート《3》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。この粘
着シート《3》では粘着剤層全体が架橋されているので、凹凸追随性が発現しなかった。〔比較例3〕
モノマーシロップ〔2〕の調製
攪拌機、窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2EHA980g、AA20g、n-ドデシルメルカプタン0.1gおよび光重合開始剤として2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン0.05gを投入し、窒素ガス雰囲気で紫外線
を照射してモノマー濃度88重量%、ポリマー濃度12重量%のモノマーシロップを調製した。このモノマーシロップ中に含有されるポリマーの重量平均分子量は、30万であった。このモノマーシロップ〔2〕中のアクリル系ポリマーのゲル分率は、0重量%であった。このモノマーシロップ〔2〕の25℃における粘度は3Pa・sであった。このモノマ
ーシロップの組成、ポリマー分子量、ポリマーのゲル分率および粘度を表1に示す。
光重合性組成物[4]の調製
実施例1において、モノマーシロップ〔1〕[モノマー濃度50重量%、ポリマー濃度
50重量%]の代わりに、上記のようにして調製したモノマーシロップ〔2〕[モノマー濃度88重量%、ポリマー濃度15重量%、ポリマーの重量平均分子量150万、ゲル分率0重量%]を使用し、TMP-Aを10重量部(モノマーシロップ中のモノマー100重量部に対して11.4重量部)配合した以外は同様にして光重合性組成物[4]を調製した。
保護用粘着シート《4》の調製
実施例1において、光重合性組成物[1]の代わりに、上記のようにして得られた光重合性組成物[4]を用いた以外は同様にして粘着剤層を有する保護用粘着シート《4》を調製した。
こうして形成された粘着剤層を有する保護用粘着シート《4》の粘着力は20g/20mm
であった。また、この粘着剤層を形成する樹脂について測定したゲル分率(2)は、88重量%であった。
従って、光重合により生成した重合体のゲル分率(3)は100重量%である。
上記のようにして製造した粘着シート《4》を用いて凹凸追随性試験および再剥離試験を行った。
得られた粘着シート《4》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。この粘着シートは、ゲル分が多いために回路基板に対する凹凸追随性が悪かった。
〔比較例4〕
モノマーシロップ〔3〕の調製
攪拌機、窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2EHA980g、AA20g、n-ドデシルメルカプタン0.1gおよび光重合開始剤として2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン0.05gを投入し、窒素ガス雰囲気で紫外線
を照射してモノマー濃度15重量%、ポリマー濃度85重量%のモノマーシロップを調製した。このモノマーシロップ中に含有されるポリマーの重量平均分子量は、30万であった。またこのモノマーシロップ〔3〕のゲル分率は、0重量%であった。このモノマーシロップ〔3〕の25℃における粘度は50Pa・s であった。
光重合性組成物[5]の調製
実施例1において、モノマーシロップ〔1〕[モノマー濃度50重量%、ポリマー濃度
50重量%、ポリマーの重量平均分子量30万、ゲル分率0重量%]の代わりに、上記の
ようにして調製したモノマーシロップ〔3〕[モノマー濃度15重量%、ポリマー濃度8
5重量%、ポリマーの重量平均分子量10万、ゲル分率0重量%]を使用し、TMP-Aを10重量部(モノマーシロップ中のモノマー100重量部に対して66.7重量部)配合した以外は同様にして光重合性組成物[5]を調製した。
保護用粘着シート《5》の調製
実施例1において、光重合性組成物[1]の代わりに、上記のようにして得られた光重合
性組成物[5]を用いた以外は同様にして粘着剤層を有する保護用粘着シート《5》を調製した。
こうして形成された粘着剤層を有する保護用粘着シート《5》の粘着力は1700g/20mmであった。また、この粘着剤層を形成する樹脂について測定したゲル分率(2)は、15重量%であった。
従って、光重合により生成した重合体のゲル分率(3)は100重量%である。
上記のようにして製造した粘着シート《5》を用いて凹凸追随性試験および再剥離試験を行った。
得られた粘着シート《5》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。得られた粘着シートは、ゲル分が少ないため、糊残りが発生して、回路基板の表面を汚染した。〔比較例5〕
実施例1で使用したモノマーシロップにTMP-Aを10重量部(モノマーシロップ中のモ
ノマー100重量部に対して20重量部)配合した以外は同様にして光重合性組成物[6]を調製した。
実施例1において、光重合性組成物[1]の代わりに、上記の光重合性組成物[6]を使用し、粘着剤層の塗布厚を100μmにした以外は同様にして粘着シート《6》を製造した(粘着シートのゲル分率;50重量%)。従って、光重合成分のゲル分率は100重量部である。
得られた粘着シート《6》の粘着力は、130g/20mmであった。この粘着シート《6》を実施例1と同様に回路が形成された基板上に貼着して凹凸追随性を調べたが、PET
フィルム表面に回路の凹凸に起因する凹凸が観察された。
得られた粘着シート《6》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
〔比較例6〕
実施例1における2EHA;980gと、AA;20gとを含有するポリマーシロップを用い
て、TMP-Aを1重量部(モノマーシロップ中のモノマー100重量部に対して2重量部)
、光重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-エチル-1-フェニルプロパン-1-オン;15gとを
混合して光重合性組成物[7]を調製した。
実施例1において、光重合性組成物[1]の代わりに、上記の光重合性組成物[7]を使用した以外は同様にして粘着シート《7》を製造した(ゲル分率;72重量%)。
得られた粘着シート《7》の粘着力は、500g/20mmであり、形成した粘着剤層を剥離する際に曇りが発生した。
得られた粘着シート《7》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
〔比較例7〕
実施例1において、TMP-Aを17.5重量部(モノマーシロップ中のモノマー100重
量部に対して35重量部)、光重合開始剤である2-ヒドロキシ-2-エチル-1-フェニルプロパン-1-オン;15gとを混合して光重合性組成物[8]を調製した。この光重合性組成物[8]を用いて300μmの粘着剤層を形成した粘着シート《8》についてその粘着力を測定したところ、20g/20mmであり、この粘着シート《8》を回路が形成された基板に貼
着して剥離したところ、高架橋になり粘着剤層の働きが抑えられてしまい、空隙が形成され、回路基板の保護が不完全であった。
得られた粘着シート《8》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
〔比較例8〕
モノマーシロップ〔5〕の調製
攪拌機、窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2EHA980g、AA20g、n-ドデシルメルカプタン0.8gおよび光重合開始剤として2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン0.05gを投入し、窒素ガス雰囲気下で紫外線を照射してモノマー濃度50重量%、ポリマー濃度50重量%のモノマーシロップ〔5〕を調製した。このモノマーシロップ〔5〕中に含有されるポリマーの重量平均分子量は4万であり、このポリマーのゲル分率は0重量%であり架橋構造は形成されていない。
このモノマーシロップ〔5〕を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ300μmの粘着剤層を形成した粘着シート《9》についてその粘着力を測定したところ、300g/20mmであり、この粘着シート《9》を回路が形成された基板に貼着して剥離したところ、ポリマーが低分子量であるために回路が粘着シート《9》の粘着剤層によって汚染された。
得られた粘着シート《9》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
〔比較例9〕
モノマーシロップ〔6〕の調製
攪拌機、窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2EHA980g、AA20g、n-ドデシルメルカプタン0.003gおよび光重合開始剤とし
て2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン0.05gを投入し、窒素ガス雰囲気下で
紫外線を照射してモノマー濃度50重量%、ポリマー濃度50重量%のモノマーシロップ〔6〕を調製した。このモノマーシロップ〔6〕中に含有されるポリマーの重量平均分子量は100万であり、このポリマーのゲル分率は0重量%であり架橋構造は形成されていない。
このモノマーシロップを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ300μmの粘着剤層を形成した粘着シート《11》についてその粘着力を測定したところ、170g/20mmであり、この粘着シート《11》と回路との間に僅かな空隙が生じ、回路の保護が不完全であった。
得られた粘着シート《11》の組成および特性を表2−1および表2−2に示す。
Figure 0004543140
Figure 0004543140
Figure 0004543140
本発明の回路基板保護用粘着シートは、特定の(メタ)アクリル系ポリマーを含有するモノマーシロップに、複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーを配合した光重合性組成物に、光を照射してモノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと上記多官能モノマーとを光重合させている。従って、本発明の回路基板保護用粘着シートの粘着剤層には、上記のようにして光重合反応により形成されたゲル分率が80重量%以上である光重合体と、モノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーとが分子レベルで混合された状態で共存している。このような粘着剤からなる厚さ250〜2000μmの粘着剤層を有する本発明の回路基板保護用粘着シートは、光重合体(架橋重合体)と(メタ)アクリル系ポリマーとが相互に作用して粘着強度をこのシートが回路に損傷を与えることなく、しかも剥離した際に粘着剤が回路基板表面に転写されることがなく、かつこのシートが自然剥離しない程度の粘着強度を有する。さらに、本発明の回路基板保護用粘着シートの粘着剤層は、架橋重合体である光重合体と(メタ)アクリル系ポリマーとが共同して回路を形成することにより生ずる基板上の凹凸に追随する程度に軟質である。従って、本発明の保護用粘着シートを回路が形成された基板表面に貼着すると、粘着剤層が基板上の凹凸に対応して変形して基板表面全体に貼着される。このような良好な凹凸追随性を有するように粘着剤層が軟質であるけれども、この保護用粘着シートを剥離した際に、この粘着剤層が分離して基板表面に移行する糊残りが発生しにくい。
従って、本発明の保護用粘着シートを回路基板表面に貼着することにより、この回路基板を良好に保護することができると共に、この保護用粘着シートを貼着したことによって回路基板が損傷を受けるあるいは回路基板が汚染されるといったことは生じずることがなく、回路基板の保護用のシートとして極めて有用性が高い。

Claims (18)

  1. 重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマー;20〜75重量%および(メタ)アクリル系モノマー;25〜80重量%を含有するモノマーシロップ(ただし(メタ)アクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系モノマーとの合計は100重量%)と、該モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して、分子内にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能性モノマー;5〜30重量部と、光重合開始剤とを含有する光重合性組成物に、光を照射して該モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系モノマーと該多官能モノマーとを、ゲル分率90重量%以上になるように光重合させてなる光重合体および該モノマーシロップ中に含有されていた(メタ)アクリル系ポリマーが共存する粘着剤層を有し、該粘着剤層の平均厚さが250〜2000μmの範囲内にあり、該粘着剤層の粘着力が500g/20mm以下であることを特徴とする回路基板保護用粘着シート。
  2. 上記粘着剤層を形成する架橋重合体のゲル分率が98重量%以上であることを特徴とする請求項第1項記載の回路基板保護用粘着シート。
  3. 上記モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーのゲル分率が0〜1重量%であることを特徴とする請求項第1項記載の回路基板保護用粘着シート。
  4. 上記粘着剤層を形成する粘着剤全体のゲル分率が25〜85重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の回路基板保護用粘着シート。
  5. 上記粘着剤層の粘着強度が、50〜500g/20mmになるように(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとを架橋重合させることを特徴とする請求項第1項記載の回路基板保護用粘着シート。
  6. 上記モノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系モノマーの組成と、該(メタ)アクリル系モノマーと共にモノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成とが実質的に同一であることを特徴とする請求項第1項乃至第5項のいずれかの項記載の回路基板保護用粘着シート。
  7. 重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマーを20〜75重量%および該(メタ)アクリル系ポリマーを溶解する(メタ)アクリル系モノマーを25〜80重量%の量で含有するモノマーシロップ(合計100重量%)に、該モノマーシロップ中の(
    メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して、5〜30重量部の分子内にエチレン性
    二重結合を2個以上有する多官能性モノマー、および、光重合開始剤を配合してなる光重合性組成物を、基材フィルム上に、硬化後の厚さが250〜2000μmになるように塗布した後、該光重合性組成物層に光を照射して、該モノマーシロップ中の(メタ)アクリル系モノマーと該多官能モノマーとをゲル分率が90重量%以上になるように光重合させて、粘着強度が500g/20mm以下に調整された粘着剤層を形成することを特徴とする回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  8. 上記粘着剤層を形成する架橋重合体のゲル分率が98重量%以上であることを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  9. 上記モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーのゲル分率が0〜1重量%であることを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  10. 上記粘着剤層を形成する粘着剤全体のゲル分率が25〜80重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  11. 上記モノマーシロップ中に含有される重量平均分子量が5万〜80万の(メタ)アクリル系ポリマーが、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリル化合物およびカルボキシル基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の単量体との共重合体であることを特徴と
    する請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  12. 上記モノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系モノマーが、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリル化合物およびカルボキシル基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の単量体とを含有することを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シ
    ートの製造方法。
  13. 上記光重合性組成物を基材フィルム表面に塗布し、該塗布された光重合性組成物の表面を剥離性フィルムで被覆した後、光を照射することを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  14. 上記モノマーシロップ中に含有される(メタ)アクリル系ポリマーのゲル分率が0〜1重量%であることを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  15. 上記粘着剤層の粘着強度が、50〜500g/20mmになるように(メタ)アクリル系モノマーと多官能モノマーとを架橋重合させることを特徴とする請求項第7項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  16. 上記基材フィルムおよび剥離性被覆フィルムの少なくとも一方が、光透過性を有することを特徴とする請求項第7項または第13項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  17. 上記モノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系モノマーの組成と、該(メタ)アクリル系モノマーと共にモノマーシロップを形成する(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成とが実質的に同一であることを特徴とする請求項第7項乃至第16項のいずれかの項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
  18. 上記モノマーシロップが、(メタ)アクリル系モノマーの混合物を部分重合することにより形成されてなることを特徴とする請求項第17項記載の回路基板保護用粘着シートの製造方法。
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