JP4540596B2 - リング共振器およびこれを用いた誘電体薄膜の誘電特性測定方法 - Google Patents

リング共振器およびこれを用いた誘電体薄膜の誘電特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、誘電体薄膜を具備するリング共振器と、その誘電体薄膜の誘電特性測定方法に関するものであり、特に1GHz以上のマイクロ波帯、ミリ波帯における誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接、並びにそれらの直流電界強度依存性、温度依存性等を測定する方法に関するものである。
現在、マイクロ波帯、ミリ波帯において誘電体薄膜を用いたデバイスの開発が盛んに行われており、その誘電特性(比誘電率や誘電正接、並びにそれらの直流電界強度依存性、温度依存性等)を正確に測定する方法が求められている。
従来、共振器法を用いた誘電体基板のマイクロ波帯、ミリ波帯における誘電特性を測定する方法としては大きく分けて2通りの方法が知られている。一つは、空洞共振器等の立体共振器を用いる方法(非特許文献1)である。そして、もう一つは、誘電体基板の上面にリング状のシグナル導体を配置し、下面にグランド導体を配置して構成されるいわゆるマイクロストリップライン型のリング共振器等の平面共振器を用いる方法(非特許文献2)である。
JIS R 1641、2002年制定 Aly E. Fathy et al. "An Innovative Semianalytical Technique for Ceramic Evaluation at Microwave Frequencies" IEEE Trans. MTT, vol.50, pp.2247-2252, Oct. 2002.
誘電体基板の誘電特性を測定するために用いられる非特許文献1に記載の空洞共振器を、誘電体薄膜の誘電特性測定に適用した場合、誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接を正確に決定することはできるが、電極等を設置して直流電圧を印加することができないため、比誘電率や誘電正接の直流電界強度依存性を測定することはできなかった。
また、非特許文献2に記載のリング共振器を誘電体薄膜の誘電特性測定に適用した場合、例えば、図28に示すように、誘電体支持基板1上に誘電体薄膜24が形成され、この誘電体薄膜24の上にリング状のシグナル導体34が形成されるとともに、誘電体支持基板1の下面にグランド導体35が形成された構造のリング共振器や、図29に示すように、誘電体支持基板1上にグランド導体35が形成され、このグランド導体35の上に誘電体薄膜24が形成され、さらにこの誘電体薄膜24の上にリング状のシグナル導体34が形成された構造のリング共振器を用いて測定する場合が挙げられるが、これらの場合には、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しないか、あるいは、導体損が大きく、無負荷Qが大幅に劣化することで、比誘電率や誘電正接等を正確に決定することができなかった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、マイクロ波帯やミリ波帯、特に1GHz以上の周波数帯において、誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接、並びにそれらの直流電界強度依存性、温度依存性等の誘電特性を高精度に測定することのできるリング共振器およびこれを用いた誘電体薄膜の誘電特性測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、リング状の間隙により内側導体および外側導体に分割された導体膜と、該導体膜の上面および下面の少なくとも一方に積層された誘電体薄膜とが、誘電体支持基板上に設けられており、前記間隙が、幅の広い部位と幅の狭い部位とを有することを特徴とするリング共振器である。このようなリング共振器では、内側導体と外側導体の一方から他方の導体に向けて電界を発生するような共振モードが得られるため、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすくなり、比誘電率や誘電正接等を高精度に決定することができる。なお、このようなリング共振器では、複数のモードにおいて上記効果を得ることができるため、同一試料での周波数依存性の測定が可能である。また、このようなリング共振器では、選択的に共振電磁界の電界強度の複数の極大点のうちの少なくとも1個を前記間隙の幅の狭い部位に位置させることにより、誘電体薄膜に電界エネルギーを集中させることができ、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができると共に、後述のように内側導体と外側導体との間に直流電圧をかける際、幅の狭い部位があることにより、印加する直流電圧を低減することができる。また、選択的に共振電磁界の磁界強度の複数の極大点のうちの全部を前記間隙の幅の広い部位に位置させることができるようになるため、より導体損が小さくなり、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができると共に、ループアンテナ等によって容易に磁界を励振及び検波することができる。なお、このようなリング共振器では、選択的に複数のモードにおいて上記効果を得ることができるため、同一試料での周波数依存性の測定を高精度に行うことができる。
ここで、前記誘電体薄膜の比誘電率が前記誘電体支持基板の比誘電率よりも高いのが好ましい。このようなリング共振器では、内側導体と外側導体のうちの一方から他方に向けて電界を発生するような共振モードにおいて、より誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすくなるため、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができる。
また、前記誘電体薄膜の誘電正接が前記誘電体支持基板の誘電正接よりも高いのが好ましい。このようなリング共振器では、無負荷Qに含まれる誘電体支持基板のQの寄与に対して、誘電体薄膜のQの寄与が大きくなりやすいため、誘電正接をさらに高精度に決定することができる。
ここで、前記幅の広い部位の周方向に占める割合が、前記幅の狭い部位の周方向に占める割合よりも大きいのが好ましい。これにより、容易に共振電磁界の磁界強度の極大点の全部を前記幅の広い部位に位置させることができる。なお、幅の広い部位の周方向に占める割合と幅の狭い部位の周方向に占める割合は、幅の最大値と幅の最小値を加えた値の1/2よりも大きい距離の幅の占める領域が多いか少ないかで判断するものである。
さらに、前記幅の広い部位と前記幅の狭い部位とが、それぞれ2k個(k:正の整数)ずつ交互に形成されているのが好ましい。このようなリング共振器では、2m×k個(m、k:正の整数)存在する共振電磁界の電界強度の複数の極大点のうちの1個または全部が、前記間隙の幅の狭い部位に存在するn次(n=m×k)の共振モードを得ることができるため、より効率的に誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすくなり、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができると共に、内側導体と外側導体との間に印加する直流電圧を低減することができる。また、上記n次(n=m×k)の共振モードでは2m×k個存在する磁界強度の極大点の全部を幅の広い部位に位置させることができるようになるため、より効率的に導体損が小さくなり、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができると共に、ループアンテナ等によって容易に磁界を励振および検波することができる。
なお、本発明のリング共振器は、誘電体薄膜の厚みが10−8m以上10−5m以下である場合に好ましく利用できる。このようなリング共振器は、作製が容易であると共に、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすいため、比誘電率や誘電正接等を高精度に決定することができる。
さらに本発明は、上記のリング共振器の前記幅の狭い部位に共振電磁界の電界強度の極大点が存在するように前記リング共振器を磁界励振させて、前記リング共振器の共振周波数および無負荷Qを測定し、前記共振周波数および前記無負荷Qから前記誘電体薄膜の誘電特性を決定することを特徴とする誘電体薄膜の誘電特性測定方法である。このような誘電特性測定方法では、内側導体と外側導体のうちの一方から他方に向けて電界を発生するような共振モードの共振周波数および/または無負荷Qから、比誘電率や誘電正接等を高精度に決定することができ、さらに、リング共振器の幅の狭い部位に共振電磁界の電界強
度の極大点が存在するようにリング共振器を磁界励振させることにより、より効率的に誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすくなり、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができる。また、内側導体と外側導体との間に印加する直流電圧を低減することができる。
またさらに本発明は、上記のリング共振器の前記幅の狭い部位に共振電磁界の電界強度の極大点が存在するように前記リング共振器を磁界励振させて、前記間隙に前記電界強度の極大点が2m×k個(m、n:正の整数)存在するn次(n=m×k)の共振モードの共振周波数および無負荷Qを測定し、前記共振周波数および前記無負荷Qから前記誘電体薄膜の誘電特性を決定することを特徴とする誘電体薄膜の誘電特性測定方法である。このような誘電特性測定方法により、より効率的に導体損が小さくなり、比誘電率や誘電正接等をさらに高精度に決定することができると共に、ループアンテナ等によって容易に電磁界を励振および検波することができる。なお、m=1のとき、リング状の間隙における幅の広い部位と幅の狭い部位の周方向に占める割合に関わらず、2k個存在する共振電磁界の電界強度の極大点の全部が幅の狭い部位に位置し、2k個存在する共振電磁界の磁界強度の極大点の全部が幅の広い部位に位置するn次の共振モードが得られるので、比誘電率や誘電正接等を最も高精度に決定することができる。また、このような誘電特性測定方法では、n次(n=m×k)以外の共振モードは共振波形が分離しないため、目的の共振ピークを容易に見つけることができる。また、前記mの異なる共振モードを得ることによって、より高精度での同一試料での周波数依存性の測定が可能である。
ここで、前記内側導体と前記外側導体との間に直流電圧を印加しながら、前記リング共振器を磁界励振させるのが好ましい。これにより、比誘電率や誘電正接の直流電界強度依存性を測定することができる。
なお、本発明の誘電特性測定方法においては、前記共振周波数が1GHz以上であるのが好ましい。このような誘電特性測定方法では、高次モードを用いて、導体損を小さくすることが容易となるため、誘電正接をより高精度に測定することができる。
本発明によれば、内側導体と外側導体の一方から他方の導体に向けて電界を発生するような共振モードが得られるため、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすくなり、比誘電率や誘電正接等を高精度に決定することができる。
以下、リング共振器とそれを用いた誘電特性測定方法について、図面に基づいて説明する。なお、誘電体薄膜は、厚みが10−8m以上のものを想定する。
ング共振器は、図1、図5、図6に示すように、リング状の間隙31により内側導体32と外側導体33とに分割された導体膜3と、この導体膜3の上面および下面の少なくとも一方に積層された誘電体薄膜2が、誘電体支持基板1上に設けられていることを特徴とするものである。
図1に示すリング共振器は、誘電体支持基板1上に誘電体薄膜2が形成され、さらにこの誘電体薄膜2の上面に、リング状の間隙31により内側導体32と外側導体33とに分割された導体膜3(いわゆるリング状のスロットラインが形成された導体膜)が積層された構造となっている。
誘電体支持基板1は、縦10〜100mm、横10〜100mm、厚み0.1〜10mm程度の平板状の基板である。この誘電体支持基板1は、誘電体薄膜に対して、比誘電率が低く、誘電正接が低い誘電体材料からなるのが好ましく、特に、平坦度が要求されるという点からサファイア、ガラスなどが望ましい。
誘電体薄膜2は、本発明において誘電特性を測定する測定対象であって、誘電体支持基板1上に設けられるものであるから、縦、横の長さは誘電体支持基板1と同じく形成され、その厚みは0.01〜10μmの薄膜である。
導体膜3は、主として白金、金などの金属からなり、リング状の間隙31により内側導体32と外側導体33とに分割されている。言い換えると、導体膜3は、いわゆるリング状のスロットラインが形成された構造になっている。この導体膜2の縦、横の長さ、言い換えると外側導体33の外周における縦、横の長さは誘電体薄膜2と同様に誘電体支持基板1と同じく形成され、その厚みは0.01〜10μmとなっている。
通常、誘電体薄膜2および導体膜3は、スパッタリングにより誘電体支持基板1上に形成されるが、別に機械加工等により作製された治具を載置してもよい。
そして、リング状の間隙31の幅(内側導体32と外側導体33との間隔)は、10−6〜10−2mであることが望ましい。この幅が狭くなると導体損が大きくなるため、誘電正接を高精度に測定することが困難となる。また、目的の共振モードの電磁界を励振および検波することも困難となる。一方、この幅が広くなると誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しにくくなるため、比誘電率を高精度に測定することが困難となる。また、一定範囲における直流電界強度依存性を測定する上で、大きな直流電圧が必要となるため、危険である。特に、前記リング状間隙31の幅(内側導体32と外側導体33との間隔)は10−5〜10−3mであることが望ましく、直流電界強度依存性を測定する必要のある場合には10−5〜10−4m、直流電界強度依存性を測定する必要のない場合には10−4〜10−3mであることがより望ましい。
リング状の間隙31の形状については、共振モードの説明とともに後述する。
このようなリング共振器は、図4に示すように、例えば一対のループアンテナを導体膜3に平行にした状態で、リング状の間隙31の対向する位置にそれぞれ近づけることにより励振される。具体的には、一方の同軸ケーブル41の先端に設けられたループアンテナ42により励振され、他方のループアンテナ42により検波される。詳しくは、発振器、例えばシンセサイズドスイーパーから、周波数が掃引された信号を一方の同軸ケーブル41からループアンテナ42を通して共振器に注入することで、目的の共振モードの電磁界が励振される。そして、他方のループアンテナ42から同軸ケーブル41を通して、共振器の透過信号がネットワークアナライザー等の測定機器に入力されることで、このリング共振器の共振周波数と無負荷Qを測定することができる。なお、ループアンテナ42のリング共振器への挿入深さは、測定する目的の共振モードの共振周波数における挿入損失が30dB程度になるように調整される。
ここで、上記のリング共振器では、図2に示すように、内側導体と外側導体のうちの一方から他方に向けて電界を発生する共振モードが得られるため、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しやすくなり、比誘電率や誘電正接等を高精度に決定することができる。また、上記のリング共振器では、図3に示すように、導体膜3に磁界(電流)が集中しない共振モードが得られるため、導体損が小さくなり、無負荷Qに含まれる導体のQの寄与に対して、誘電体薄膜のQの寄与が大きくなりやすいため、誘電正接を高精度に決定することができる。
比誘電率や誘電正接等の誘電特性は、このリング共振器の共振周波数と無負荷Qの測定値から有限要素法やモードマッチング法等による数値解析を行うことで計算できる。特に、本発明に用いるような軸対称形状のリング共振器に対しては、軸対称の有限要素法を用いることができるため、寸法、比誘電率、誘電正接等から共振電磁界分布、共振周波数、無負荷Q等を高精度、かつ短時間で計算できる。従って、これを応用すれば共振周波数や無負荷Qから、誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接を求めることができる。
より具体的な計算方法として、以下のような方法があげられる。まず、リング共振器の寸法を測定顕微鏡等を用いて測定し、形状を決定しておく。次に、誘電体薄膜2(誘電体試料)の比誘電率ε’を少なくとも3点以上変化させたときの共振周波数f0を、軸対称の有限要素法等により計算しておく。このとき得られる共振周波数f0の計算値は共振周波数の測定値とそのバラツキの程度であることが望ましい。次に、線形最小二乗法により共振周波数f0 と比誘電率ε’の線形近似式、f0=a×ε’+bの係数a、bを求める。これによって、共振周波数f0の測定値f0Aから比誘電率ε’が計算できる。
続いて、この比誘電率ε’の計算値を用いることで導体Q(Q)、誘電体試料内に蓄積される電界エネルギーの比率(P)を軸対称の有限要素法により計算する。このとき得られるQ、Pの計算値と、無負荷Q(Q)、誘電正接 tanδとにはQ -1=Q -1+P×tanδという関係式が成り立つ。従って、この式に無負荷Qの測定値を代入することによって、誘電正接が計算できる。
ここで、目的の周波数で測定を行うためには、モード次数nを変更すればよい。モード次数nをn1からn2に変更すると共振周波数は約n2/n1倍になる。また、リング共振器の形状(リング径d、間隙の幅w等)を変更することによっても、共振周波数を制御できる。リング径dをd1からd2に変更すると共振周波数は約d1/d2倍になる。また、間隙の幅wを小さくすると誘電体薄膜に電界エネルギーが集中するようになるため、共振周波数は低くなり、間隙の幅wを大きくすると誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しないようになるため、共振周波数は高くなる。
上記の誘電特性測定法では、誘電体支持基板の誘電特性(比誘電率、誘電正接)、導体膜の導電率を予め測定しておく必要がある。誘電体支持基板の誘電定数は、従来の空洞共振器法等を用いることによって測定できる。また、導体膜の導電率は、例えば、図1、図5、図6に示すリング共振器における誘電体薄膜2及び誘電体薄膜4を取り除いたような構造のリング共振器を用いることによって測定できる。
そして、図1に示すリング共振器では、内側導体32と外側導体33が剥き出しになっており、これらの間に容易に直流電圧を印加することができる。例えば、図4に示すように、内側導体32と外側導体33の上には端子5が接合されるとともに、導線等を介して端子7と直流電源とが電気的に接続され、直流電圧が印加される。このときの端子5の形成方法としては、誘電体薄膜2および導体膜3等に影響を及ぼさない温度以下で形成されるものであれば何でもよい。例えば、めっき、蒸着、印刷、エッチング、リフロー、あるいはこれらを組み合わせた方法などがあげられる。また、端子5の材質は、金、銀、銅、はんだなど何でもよいが、電気抵抗が低いという点から金、銀、銅などが望ましく、また、融点が低いという点から、はんだなどが望ましい。
この直流電圧の印加とともにリング共振器を磁界励振させることにより、比誘電率や誘電正接の直流電界強度依存性を測定することができ、この測定方法については後述する。
その他、無負荷Qに含まれる放射のQの寄与を低減するという点からは、リング共振器全体を覆うことのできる遮蔽導体、誘電定数の温度依存性を測定するという点からは、恒温槽等を設置してもよい。
リング共振器としては、図1に示すような誘電体支持基板1上に誘電体薄膜2が形成され、さらにこの誘電体薄膜2の上面に、リング状の間隙31により内側導体32と外側導体33とに分割された導体膜3が積層された構造に限定されず、図5および図6に示すような構造のものも採用できる。
図5に示すリング共振器では、誘電体支持基板1上に、リング状の間隙31により内側導体32と外側導体33とに分割された導体膜3が設けられ、この導体膜3の上面に誘電体薄膜2が積層された構造となっている。また、図においては、導体膜3の内側導体32と外側導体33との間に直流電圧を印加できるように、誘電体薄膜2の一部(内側導体32の上側および外側導体33の上側)に一対の直流電圧印加孔6が設けられており、内側導体32の一部と外側導体33の一部が露出している。
また、図6に示すリング共振器では、誘電体支持基板1上に、リング状の間隙31により内側導体32および外側導体33に分割された導体膜3と、この導体膜3の上面および下面に積層された誘電体薄膜2とが設けられた構造となっている。また、図においては、導体膜3の内側導体32と外側導体33との間に直流電圧を印加できるように、誘電体薄膜2の一部(内側導体32の上側および外側導体33の上側)に一対の直流電圧印加孔6が設けられており、内側導体32の一部と外側導体33の一部が露出している。
次に、リング状の間隙31の形状と共振モードについて説明する。
図7は、本発明のリング共振器のリング状の間隙31の形状と共振モード(1次共振モード)を説明するための平面図であって、リング状間隙の幅が一周において変化がなく、共振電磁界が一周に1波長存在する1次共振モードが表されている。
図7のように、リング状間隙の幅が一周において変化がない(幅の広い部位と幅の狭い部位を有するものでない)場合、軸対称の有限要素法を用いることができるため、寸法、比誘電率、誘電正接等から共振電磁界分布、共振周波数、無負荷Q等を高精度、かつ短時間で計算できる。但し、この場合、大きな直流電圧を必要とせずに一定範囲における直流電界強度依存性を測定することと目的の共振モードの電磁界を励振および検波することとを両立させることが困難となる。
そこで、本発明のリング共振器では、リング状間隙が、幅の広い部位と幅の狭い部位とを有している。リング状間隙の幅は、共振電磁界の電界強度が極大となるような点(電界極大点)の少なくとも1個で狭くなっていることが望ましく、リング状間隙の幅は、共振電磁界の磁界強度が極大となるような点(磁界極大点)の少なくとも2個(励振用に1個と検波用に1個)で広くなっていることが望ましい。また、誘電体薄膜に電界エネルギーを集中させ、比誘電率や誘電正接等を高精度に測定するためにも、リング状間隙の幅は上記電界極大点の少なくとも1個で狭くなっていることが望ましい。言い換えると、リング状の間隙が、幅の広い部位と幅の狭い部位とを有している。また、導体損を小さくし、比誘電率や誘電正接等を高精度に測定するためには、リング状間隙の幅は上記磁界極大点の全部で広くなっていることが望ましい。言い換えると、リング状の間隙における幅の広い部位の周方向に占める割合が、幅の狭い部位の周方向に占める割合よりも大きいのが望ましい。このような形状および共振モードの例が、図8、図9に示してある。
図8は、リング状間隙の他の形状と共振モードを説明するための平面図であって、(a)は1次共振モード、(b)は2次共振モードを表している。そして、リング状間隙は一周において変化があるもので、言い換えると、幅の狭い部位と幅の広い部位が2個ずつあり、かつ、幅の広い部位の周方向に占める割合が、幅の狭い部位の周方向に占める割合よりも大きくなっている。なお、幅の広い部位の周方向に占める割合と幅の狭い部位の周方向に占める割合は、幅の最大値と幅の最小値を加えた値の1/2よりも大きい距離の幅の占める領域が多いか少ないかで判断するものである。
リング状の間隙が図8に示す形状の場合、電界極大点と磁界極大点とにおける上記要請を両立させる可能性がある。図8(a)のような一周に1波長存在する1次の共振モードや、図8(b)のような一周に2波長存在する2次の共振モードが存在し得る。なお、リング状間隙の構造には、180degの対称性があり、図8のような共振モードと、その電界極大点と磁界極大点とを反転させた共振モードが存在し得る(最小作用の原理)。そこで、図8のような共振モードを用いた場合、リング状間隙における幅の一番狭い点に電界極大点の半分又は全部があり、幅の一番広い(図8(a))または比較的幅の広い(図8(b))点に磁界極大点の全部がある共振モードを用いて測定することができる。このような意味から、上記リング状間隙の幅は最低二種類で良いことがわかる。
また、図9は、リング状間隙のさらに他の形状と共振モードを説明するための平面図であって、(a)は1次共振モード、(b)は2次共振モードを表している。そして、リング状間隙において幅の狭い部位と幅の広い部位が1個ずつあり、かつ、幅の広い部位の周方向に占める割合が、幅の狭い部位の周方向に占める割合よりも大きくなっている。
リング状の間隙が図9に示す形状の場合、図9(a)のような1周に1波長存在する1次の共振モードや図9(b)のような1周に2波長存在する2次の共振モードが存在し得る。なお、これと、その電界極大点と磁界極大点とを反転させた共振モードも存在し得る(最小作用の原理)。そこで、図9のように、幅の狭い部位に電界極大点の1個があり、幅の広い部位に磁界極大点の全部がある共振モードを用いて測定することができる。このように、高次モードにおいても磁界極大点の全部を幅の広い部位に位置させるためには、幅の広い部位は幅の狭い部位よりも周方向に占める割合の大きいことが望ましい。この割合は、測定するモードの次数を考慮し、適宜調整することができる。図9のようなリング状間隙の形状では、n次(1周にn波長)の共振モードまで測定する場合、幅の狭い部位は90/m[deg]未満であることが望ましい。
また、図9において、リング状間隙の幅の広い部位と前記幅の狭い部位とが、それぞれ2k個(k:正の整数)ずつ交互に形成されていると仮定すると、k次の共振モードを用いた場合、幅の狭い部位に電界極大点の全部があると考えられる。
そこで、幅の広い部位と幅の狭い部位とが、それぞれ2k個(n:正の整数)ずつ交互に形成されているのが望ましい。このような形状および共振モードの例が、図10に示してある。
図10は、リング状間隙のまたさらに他の形状と共振モードを説明するための平面図であって、(a)はm×k=2次共振モード、(b)はm×k=4次共振モードを表している。そして、リング状間隙において幅の広い部位と幅の狭い部位とが、それぞれ4個ずつ(2k個のk=2の場合)交互に形成されている。
そして、図10のようにリング状の間隙が、幅の広い部位と幅の狭い部位とを2k個(k:正の整数)ずつ交互に形成した周期構造をもっている場合、電界強度の極大点が2m×k個(m、k:正の整数)存在するn次(n=m×k)の共振モード、例えば図10(a)のような一周に2波長存在する2次の共振モードや図10(b)のような1周に4波長存在する4次の共振モードが存在し得る。なお、これと、その電界極大点と磁界極大点とを反転させた共振モードも存在し得る(最小作用の原理)。そこで、図10のように、幅の狭い部位に電界極大点の半分または全部があり、幅の広い部位に磁界極大点の全部がある共振モードを用いて測定することができる。
また、図11は、本発明のリング共振器のまたさらに他の構造を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。
図11に示すリング共振器では、幅の広い部位と幅の狭い部位とが交互に形成されたリング状の間隙をもち、この幅の広い部位と幅の狭い部位が一周に20個(2k個のk=10のとき)ずつの周期構造をもつ構造となっている。上記のように、このようなリング共振器では、20m個(2m×k個のk=1、mが正の整数のとき)存在する複数の電界強度の極大点の一部または全部が幅の狭い部位に位置する10m次の(一周につき10m波長を有する)共振モードが得られる。このような共振モードを用いれば、20m個存在する複数の磁界強度の極大点の全部が幅の広い部位に位置する10m次の(一周につき10m波長を有する)共振モードが得られ易くなるため、導体損が小さくなり、誘電正接を高精度に測定することが容易となる。また、目的の共振モードの電磁界を励振および検波することも容易となる。これに加えて、誘電体薄膜2に電界エネルギーが集中するようになるため、比誘電率を高精度に測定することができる。また、一定範囲における直流電界強度依存性を測定する上で、大きな直流電圧が不要となるため、安全である。特に、幅の狭い部位における内側導体32と外側導体33との間隔w5は10−7〜10−4mであることが望ましく、幅の広い部位における内側導体32と外側導体33との間隔w4は10−5〜10−2mであることが望ましい。また、周方向における幅の広い部位と幅の狭い部位との比は2:1から200:1であることが望ましい。この比が2:1よりも小さくなると上記効果が得られにくくなり、200:1よりも大きくなると目的の共振モードを同定することが困難となる。また、数値計算も困難となる。
図11に示すリング共振器を用いて、誘電体薄膜の直流電界強度依存性を測定する方法として以下のような方法が挙げられる。
まず、内側導体32と外側導体33との間に直流電圧を印加しない場合の共振モード(20m個存在する電界強度の極大点の一部または全部が、リング状間隙における幅の狭い部位に位置する)の共振周波数と無負荷Qの測定値から比誘電率や誘電正接等の誘電特性を計算しておく。次に、内側導体32と外側導体33との間に直流電圧を印加した場合の上記共振モードの共振周波数と無負荷Qを測定し、幅の狭い部位に位置する誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等のみが変化すると仮定して、これらの誘電特性を計算する。このとき、幅の広い部位に位置する誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等は、直流電圧を印加しない場合の計算結果と等しいものとする。この直流電圧を適宜変化させた場合の各共振モードの共振周波数と無負荷Qの変化を測定することによって、目的の周波数における誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等の直流電界強度依存性が計算できる。具体的には、幅の狭い部位に位置する誘電体薄膜に発生する実効的な直流電界強度Eeffを直流電圧Vと幅の狭い部位の内側導体32と外側導体33との間隔Lとから下記の(式1)によって決定することによって、目的の周波数における誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等の直流電界強度依存性が計算できる。
Figure 0004540596
但し、上記方法は、幅の広い部位の内側導体32と外側導体33との間隔が幅の狭い部位の内側導体32と外側導体33との間隔よりも十分に大きく、かつその幅の狭い部位の内側導体32と外側導体33との間隔が内側導体32および外側導体33の厚みに対して十分に大きい場合には有効であるが、それ以外の場合には、幅の狭い部位に位置する誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等のみが変化すると仮定できなくなるか、幅の狭い部位に位置する誘電体薄膜に発生する実効的な直流電界強度Eeffを(式1)によって決定することができなくなるため、有効でない。
そこで、理想的には、内側導体32と外側導体33との間に直流電圧を印加したときの直流電界強度(E)分布と上記共振モードの共振周波数における電界強度(E)分布とを計算することによって誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等の直流電界強度依存性を計算する。具体的には、誘電体薄膜の各微小領域iにおける比誘電率の変化量Δε’による共振周波数の変化量Δf0,iと、誘電正接の変化量Δtanδによる無負荷Qの変化量ΔQu,iとが、下記の(式2)で表される上記共振モードの共振周波数における誘電体薄膜の各微小領域iの(誘電体薄膜全体に対する)電界エネルギー比率Pe,iの大きさに比例して大きくなることを利用し、誘電体薄膜に発生する実効的な直流電界強度Eeffを、直流電圧を印加したときの直流電界強度E1,iの上記Pe,iによる重み平均から下記の(式3)のように決定することができる。
Figure 0004540596
Figure 0004540596
これによって、幅の広い部位の内側導体32と外側導体33との間隔、幅の狭い部位の内側導体32と外側導体33との間隔、内側導体32および外側導体33の厚み等に関わらず、より正確に誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等の直流電圧依存性を計算できる。
また、図1、図5、図6に示す軸対称形状のリング共振器を用いて、誘電体薄膜の直流電界強度依存性を測定する場合には、内側導体32と外側導体33との間に直流電圧を印加したときの直流電界強度(E)は周方向に対して一様とみなせ、且つ上記共振モードの共振周波数における電界強度(E)の径方向に対する分布はEの径方向に対する分布で近似できるため、Eの分布を計算する必要はなく、Eの分布を計算するだけでよい。このとき、誘電体薄膜に発生する実効的な直流電界強度Eeffは(式2)によって決定することができる。
Figure 0004540596
誘電体薄膜における比誘電率や誘電正接等の直流電界強度依存性がわかる上記の方法によれば、例えば可変容量素子(チューナブルキャパシタ)に誘電体薄膜を適用する際に効果を発揮することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
図1に示すリング共振器モデル(誘電体支持基板の厚みa1=0.3mm、誘電体薄膜の厚みb1=0.001mm、導体膜の厚みc1=0.001mm、リング径d1=20mm、リング状間隙の幅w1=0.05mm)を作製し、軸対称の有限要素法による数値解析を行った。このとき、誘電体支持基板の誘電定数はサファイアを想定し、比誘電率ε’=11.54、Qf=10GHzとした。また、導体膜の導電率はPtを想定し、導電率σ=9.434×10S/mとした。
まず、誘電体薄膜の誘電定数を比誘電率ε’=500、誘電正接tanδ=0.05としたときの共振周波数fとQ値(導体のQ:Q、誘電体支持基板のQ:Qd,sub、誘電体薄膜のQ:Qd,film、無負荷Q:Q)の計算を行った。
図12に、モード次数nに対する共振周波数fの計算結果を示す。モード次数nと共振周波数fとがほぼ比例関係になっていることがわかる。これは、高次モードを用いることによって、より高い周波数での測定が可能であることを示している。
図13に、モード次数nに対するQ値の計算結果を示す。モード次数が高くなるにつれて、Qが高くなっていることがわかる。これは、高次モードを用いることによって、導体膜に磁界(電流)が集中しなくなることを示している。また、モード次数が高くなるにつれて、Qd,subが低くなっていることがわかる。誘電体支持基板への電界エネルギーの集中率と誘電体薄膜への電界エネルギーの集中率はモード次数によってほとんど変化しないため、この変化は、高周波化に伴うサファイアの高tanδ化に起因するものであるといえる。
次に、モード次数nをn=10としたときの共振周波数fとQ値(導体のQ:Q、誘電体支持基板のQ:Qd,sub、誘電体薄膜のQ:Qd,film、無負荷Q:Q)の計算を行った。
図14に、誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を示す。ε’の変化に対するfの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、fの測定誤差は通常±1MHz程度であることから、fの測定値より、図14のチャートを用いることで、ε’を高精度に決定できることがわかる。
図15に、誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を示す。tanδの変化に対するQの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、Qの測定誤差は通常±5%程度であることから、Qの測定値より、図15のチャートを用いることで、tanδを高精度に決定できることがわかる。
図5に示すリング共振器モデル(誘電体支持基板の厚みa2=0.3mm、誘電体薄膜の厚みb2=0.001mm、導体膜の厚みc2=0.001mm、リング径d2=20mm、リング状間隙の幅w2=0.05mm)を作製し、軸対称の有限要素法による数値解析を行った。このとき、誘電体支持基板の誘電定数はサファイアを想定し、比誘電率ε’=11.54、Qf=10GHzとした。また、導体膜の導電率はPtを想定し、導電率σ=9.434×10S/mとした。
モード次数nをn=10としたときの共振周波数fとQ値(導体のQ:Q、誘電体支持基板のQ:Qd,sub、誘電体薄膜のQ:Qd,film、無負荷Q:Q)の計算を行った。
図16に、誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を示す。ε’の変化に対するfの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、fの測定誤差は通常±1MHz程度であることから、fの測定値より、図16のチャートを用いることで、ε’を高精度に決定できることがわかる。
図17に、誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を示す。tanδの変化に対するQの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、Qの測定誤差は通常±5%程度であることから、Qの測定値より、図17のチャートを用いることで、tanδを高精度に決定できることがわかる。
図6に示すリング共振器モデル(誘電体支持基板の厚みa3=0.3mm、誘電体薄膜
の厚みb3=0.001mm、導体膜の厚みc3=0.001mm、リング径d4=20mm、リング状間隙の幅w3=0.05mm)を作製し、軸対称の有限要素法による数値解析を行った。このとき、誘電体支持基板の誘電定数はサファイアを想定し、比誘電率ε’=11.54、Qf=10GHzとした。また、導体膜の導電率はPtを想定し、導電率σ=9.434×10S/mとした。
モード次数nをn=10としたときの共振周波数fとQ値(導体のQ:Q、誘電体支持基板のQ:Qd,sub、誘電体薄膜のQ:Qd,film、無負荷Q:Q)の計算を行った。
図18に、誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を示す。ε’の変化に対するfの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、fの測定誤差は通常±1MHz程度であることから、fの測定値より、図18のチャートを用いることで、ε’を高精度に決定できることがわかる。
図19に、誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を示す。tanδの変化に対するQの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、Qの測定誤差は通常±5%程度であることから、Qの測定値より、図19のチャートを用いることで、tanδを高精度に決定できることがわかる。
図1に示すリング共振器モデル(誘電体支持基板の厚みa1=0.3mm、誘電体薄膜の厚みb1=0.001mm、導体膜の厚みc1=0.001mm、リング径d1=20mm、リング状間隙の幅w1=0.5mm)を作製し、軸対称の有限要素法による数値解析を行った。リング状間隙の幅を変更したこと以外は<実施例1>と全く同様の計算である。
図20に、誘電体薄膜の誘電定数を比誘電率ε’=500、誘電正接tanδ=0.05としたときのモード次数nに対する共振周波数fの計算結果を示す。リング状間隙の幅w1を大きくしたことによって、fが高くなっていることがわかる。これは、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しなくなったことに起因するものであるといえる。
図21に、このときのモード次数nに対するQ値の計算結果を示す。リング状間隙の幅w1を大きくしたことによって、Qが高くなっていることがわかる。これは、導体膜に磁界(電流)が集中しなくなることを示している。また、w1を大きくしたことによって、Qd,subが低くなっていることがわかる。これは、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しなくなったことに伴って、誘電体支持基板に電界エネルギーが集中するようになったことに起因するものであるといえる。
次に、モード次数nをn=10としたときの共振周波数fとQ値(導体のQ:Q、誘電体支持基板のQ:Qd,sub、誘電体薄膜のQ:Qd,film、無負荷Q:Q)の計算を行った。
図22に、モード次数nをn=10としたときの誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を示す。<実施例1>程ではないもののε’の変化に対するfの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、fの測定誤差は通常±1MHz程度であることから、fの測定値より、図22のチャートを用いることで、ε’を高精度に決定できることがわかる。
図23に、誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を示す。<実施例1>に対して、誘電体薄膜に電界エネルギーが集中しなくなったことによってQd,filmは高くなっているが、それ以上にQが高くなったために、Qの変化は<実施例1>のときよりも十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、Qの測定誤差は通常±5%程度であることから、Qの測定値より、図23のチャートを用いることで、tanδを高精度に決定できることがわかる。特に直流電界強度依存性を測定する必要のない場合には、リング状間隙の幅w1は<実施例1>よりも適当な大きさになっていると考えられる。
1に示す本発明のリング共振器モデル(誘電体支持基板の厚みa4=0.3mm、誘電体薄膜の厚みb4=0.001mm、導体膜の厚みc4=0.001mm、リング径d4=10mm、広い方のリング状間隙の幅w4=0.1mm、狭い方のリング状間隙の幅w5=0.01mm、広い方のリング状間隙の角度=12°、狭い方のリング状間隙の角度=6°)を想定し、図2示す計算モデルを作製した。この計算モデルでは、対称性を考慮し、図1における太枠部だけを切り出している(誘電体支持基板の径方向の幅e=0.5mm、導体膜の径方向の幅f=0.2mm、誘電体支持基板の厚みg=0.2mm、上部空気層の厚みh=0.2mm)。切り出した際に付与すべき境界条件については、周方向の両端面を電気壁(10次の共振モードで20個存在する電界極大点の全てがリング状間隙の幅の狭い方の内側導体3と外側導体4との間に位置し、20個存在する磁界極大点の全てがリング状間隙の幅の広い方の内側導体3と外側導体4との間に位置する)とし、それ以外の側面を磁気壁とした。この計算モデルを用いて、3次元の有限要素法(市販ソフト:HFSS)による数値解析を行った。このとき、誘電体支持基板の比誘電率はサファイアを想定し、c軸に垂直な方向(リング状間隙の存在する平面に垂直な方向)の比誘電率をε=9.4、c軸に並行な方向(リング状間隙の存在する平面に並行な方向)の比誘電率をε//=11.54とした。なお、誘電体支持基板の誘電正接は誘電体薄膜の誘電正接に比べて非常に小さいために、tanδ=0として無視した。また、導体膜の導電率はPtを想定し、導電率σ=9.434×10S/mとした。
まず、誘電体薄膜の誘電定数を比誘電率ε’=500、誘電正接tanδ=0.05としたときのモード次数n=10の共振周波数fとQ値(導体のQ:Q、誘電体薄膜のQ:Qd,film、無負荷Q:Q)の計算を行った。
計算の結果、f=16.600GHz、Q=60.6、Qd,film=27.1、Q=18.7となった。図23と図24に、この共振モードの電界分布と磁界分布をそれぞれ示す。電界極大点がリング状間隙の幅の狭い方の内側導体と外側導体との間に位置しており、磁界極大点がリング状間隙の幅の広い方の内側導体と外側導体との間に位置していることがわかる。
なお、上記モデルと同様の計算を行った結果、広い方のリング状間隙の幅w4=0.1mmのみが存在する場合、f=31.492GHz、Q=89.0、Qd,film=49.9、Q=32.0、狭い方のリング状間隙の幅w5=0.01mmのみが存在する場合、f=19.701GHz、Q=21.6、Qd,film=25.6、Q=11.7、周方向の両端面を磁気壁(10次の共振モードで20個存在する電界極大点の全てがリング状間隙の幅の広い方の内側導体3と外側導体4との間に位置し、20個存在する磁界極大点の全てがリング状間隙の幅の狭い方の内側導体3と外側導体4との間に位置する)とした場合、f=34.325GHz、Q=42.0、Qd,film=42.8、Q=21.2となった。このように、図22に示す計算モデルは、広い方のリング状間隙の幅のみが存在する場合と同様に導体損が小さく(Qが高く)、狭い方のリング状間隙の幅のみが存在する場合と同様に誘電体薄膜に電界エネルギーが集中する(Qd,filmが低い)。
次に、モード次数n=20の共振周波数fと誘電体薄膜のQ:Qd,filmの計算を行った。
計算の結果、f=47.463GHz、Qd,film=49.7となった。なお、上記モードは、周方向の両端面を磁気壁(20次の共振モードで40個存在する電界極大点の半分がリング状間隙の幅の狭い方の内側導体3と外側導体4との間に位置し、40個存在する磁界極大点の全部がリング状間隙の幅の広い方の内側導体3と外側導体4との間に位置する)とした場合の共振モードである。
次に、内側導体3と外側導体4とに直流電圧を印加した場合を想定し、リング状間隙の幅の狭い方の内側導体3と外側導体4との間の誘電体薄膜の比誘電率のみがε’=500からε’=50まで変化したときの(リング状間隙の幅の狭い方の内側導体3と外側導体4との間の電界強度が高くなる)モード次数n=10の共振周波数fの計算を行った。
図25に、リング状間隙の幅の狭い方の内側導体と外側導体との間の誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を示す。ε’の変化に対するfの変化は十分大きな傾きを持っていることがわかる。実際の測定を想定した場合、fの測定誤差は通常±1MHz程度であることから、fの測定値より、図25のチャートを用いることで、ε’を高精度に決定できることがわかる。
図1に示すリング共振器モデル(誘電体支持基板の厚みa1=0.3mm、誘電体薄膜
の厚みb1=0.001mm、導体膜の厚みc1=0.001mm、リング径d1=任意、リング状間隙の幅w1=0.1mm)における誘電体薄膜の比誘電率や誘電正接等の直流電界強度依存性の計算を想定し、2次元の有限要素法による数値解析を行った。このとき得られた誘電体薄膜の各微小領域iにおける直流電界強度Eの結果を用いて、(式2)により誘電体薄膜に発生する実効的な直流電界強度Eeffを計算した。このとき、誘電体薄膜を比誘電率ε’=500、誘電体支持基板の誘電定数はサファイアを想定し、比誘電率ε’=9.4とした。また、内側導体と外側導体との間に印加した直流電圧を100Vとした。
計算の結果、Eeff=1.03×10V/mとなった。これは一様な直流電界を考慮した場合の(式3)による結果(Eeff=1.00×10V/m)と近似する。すなわち、リング状間隙の幅w1が0.1mmのときは、(式2)による結果と(式3)による結果が近似する。
次に、リング状間隙の幅w1をw1=0.1mmからw1=0.0015mmに変更した場合の誘電体薄膜に発生する実効的な直流電界強度Eeffを計算した。
計算の結果、Eeff=6.20×10V/mとなった。これは一様な直流電界を考慮した場合の(式3)による結果(Eeff=6.67×10V/m)に対して小さい値である。すなわち、リング状間隙の幅w1が0.0015mmのときは、(式2)による結果と(式3)による結果が大きく異なる。
したがって、(式2)を用いて計算するのがよいことがわかる。
ング共振器を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。 図1に示すリング共振器におけるリング状間隙断面部の電界分布を示す濃淡図である。 図1に示すリング共振器におけるリング状間隙断面部の磁界分布を示す濃淡図である。 電特性測定方法を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。 ング共振器の他の構造を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。 ング共振器のさらに他の構造を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。 ング共振器のリング状間隙の形状と共振モード(n=1)を説明するための平面図である。 本発明のリング共振器のリング状間隙と共振モードを説明するための平面図であって、(a)は1次共振モード、(b)は2次共振モードを表している。 本発明のリング共振器のリング状間隙のさらに他の形状と共振モードを説明するための平面図であって、(a)は1次共振モード、(b)は2次共振モードを表している。 本発明のリング共振器のリング状間隙のまたさらに他の形状と共振モードを説明するための平面図であって、(a)はm×k=2次共振モード、(b)はm×k=4次共振モードを表している。 本発明のリング共振器のまたさらに他の構造を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。 図1のリング共振器モデルにおけるモード次数nに対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおけるモード次数nに対するQ値の計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を表すグラフである。 図5のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 図5のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を表すグラフである。 図6のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 図6のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおけるモード次数nに対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおけるモード次数nに対するQ値の計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の比誘電率ε’に対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 図1のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜の誘電正接tanδに対するQ値の計算結果を表すグラフである。 図11のリング共振器モデルにおける計算モデルを説明するための図である。 図11のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜上面部の電界分布を示す濃淡図である。 図11のリング共振器モデルにおける誘電体薄膜上面部の磁界分布を示す濃淡図である。 図11のリング共振器モデルにおけるリング状間隙の幅の狭い部位の誘電体薄膜の比誘電率に対する共振周波数fの計算結果を表すグラフである。 リング共振器の比較例を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。 リング共振器の他の比較例を説明するための平面図(上)と断面図(下)である。
符号の説明
1:誘電体支持基板
2:誘電体薄膜(試料)
3:導体膜
31:間隙
32:内側導体
33:外側導体
41:同軸ケーブル
42:ループアンテナ
5:端子
6:直流電圧印加孔

Claims (8)

  1. リング状の間隙により内側導体および外側導体に分割された導体膜と、該導体膜の上面および下面の少なくとも一方に積層された誘電体薄膜とが、誘電体支持基板上に設けられており、前記間隙が、幅の広い部位と幅の狭い部位とを有することを特徴とするリング共振器。
  2. 前記誘電体薄膜の比誘電率が前記誘電体支持基板の比誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のリング共振器。
  3. 前記誘電体薄膜の誘電正接が前記誘電体支持基板の誘電正接よりも高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリング共振器。
  4. 前記幅の広い部位の周方向に占める割合が、前記幅の狭い部位の周方向に占める割合よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のリング共振器。
  5. 前記幅の広い部位と前記幅の狭い部位とが、それぞれ2k個(k:正の整数)ずつ交互に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリング共振器。
  6. 請求項乃至請求項のいずれかに記載のリング共振器の前記幅の狭い部位の少なくとも1個に共振電磁界の電界強度の極大点が存在するように前記リング共振器を磁界励振させて、前記リング共振器の共振周波数および無負荷Qを測定し、前記共振周波数および前記無負荷Qから前記誘電体薄膜の誘電特性を決定することを特徴とする誘電体薄膜の誘電特性測定方法。
  7. 請求項に記載のリング共振器の前記幅の狭い部位の少なくとも1個に共振電磁界の電界強度の極大点が存在するように前記リング共振器を磁界励振させて、前記間隙に前記電界強度の極大点が2m×k個(m、k:正の整数)存在するn次(n=m×k)の共振モードの共振周波数および無負荷Qを測定し、前記共振周波数および前記無負荷Qから前記誘電体薄膜の誘電特性を決定することを特徴とする誘電体薄膜の誘電特性測定方法。
  8. 前記内側導体と前記外側導体との間に直流電圧を印加しながら、前記リング共振器を磁界励振させることを特徴とする請求項6または請求項に記載の誘電体薄膜の誘電特性測
    定方法。
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