JP4536642B2 - 温度センサ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、軸線方向に延びる長尺形状の絶縁性セラミックからなる支持体と、支持体の内部に埋設される感温部材と、感温部材から出力される電気信号を外部に出力する信号出力部と、を備える温度センサ素子に関する。
従来より、感温部材を保護管(金属シース、ケース、金属チューブなど)の内部に配置して構成される温度センサ素子が知られている(特許文献1,2,3参照)。このような温度センサ素子は、保護管を通じて測定対象物の温度が伝導されて感温部材に到達することで温度検出を行う構成である。
また、他の温度センサ素子としては、感温部材としての導電層が露出した構成の温度センサがある(特許文献4参照)。このような温度センサ素子は、導電層が測定対象物に直接接触して温度検出を行う構成である。
これらの温度センサ素子は、例えば、内燃機関の排気ガス温度検出や宇宙・航空機器における温度検出などに利用される。
特開平10−325759号(図2) 特開2002−168700号(図1) 特開2000−266609号(図2) 特表2003−521118号(請求項1)
しかしながら、感温部材を保護管の内部に配置して構成される従来の温度センサ素子においては、感温部材と保護管との間に空気層が存在することや、保護管の熱容量によって熱伝達に遅れが生じる等により、温度検出における応答性が低下するという問題が生じやすい。
なお、感温部材と保護管との間に充填部材(絶縁粉末やセメントなど)を充填して、保護管から感温部材への熱伝導性を改善する技術が提案されている(特許文献1,3)。しかし、このような温度センサ素子は、2つの部材(保護管、充填部材)で感温部材の周囲を覆う構成であり、これら2つの部材の配置領域を考慮すると、感温部材から測定対象ガスまでの物理的な距離の縮小には限界があるため、応答性の改善には限界がある。
これに対して、感温部材が露出した構成の温度センサ素子は、感温部材が測定対象物に直接接触することから、応答性に優れている。しかし、感温部材が露出した構成の温度センサ素子は、感温部材へのススなどの付着や腐食による材料劣化による出力変動を生じやすく、耐久性に問題が生じやすい。
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、温度検出における応答性が良好であると共に耐久性に優れる温度センサ素子を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、軸線方向に延びる長尺形状且つ円柱状の絶縁性セラミックからなり、外側周囲が金属製のフランジ部材の内側に密着保持されてなる支持体と、前記支持体の内部に配置される感温部材と、前記支持体の後端側且つ前記フランジ部材に覆われた部位よりも後端側に形成されて、前記感温部材から出力される電気信号を外部に出力する信号出力部と、を備える温度センサ素子であって、前記円柱状の支持体は、軸線方向先端側に、先端方向に向かうほど断面積が小さくなる先細り部を有し、前記感温部材は、前記支持体の軸線方向先端側の前記先細り部の内部に検出端部が配置される状態で、前記支持体の内部に埋設された熱電対で構成され、前記支持体は、前記感温部材の前記検出端部に当接すると共に、自身の外表面から前記感温部材へのガス不透過性を有する緻密質とされており、且つ、前記支持体は、軸線方向に垂直な断面のうち、前記熱電対の検出端部が埋設される部位の断面積が、前記信号出力部が形成される部位の断面積より小さく、さらに、前記支持体の前記先細り部のうち、軸線方向に垂直な断面の前記熱電対の検出端部が埋設される部位の断面形状が板形形状であること、を特徴とする温度センサ素子である。
本発明の温度センサ素子は、長尺形状且つ円柱状で外側周囲が金属製のフランジ部材の内側に密着保持されてなる支持体と、支持体の内部に配置される感温部材と、支持体の後端側且つフランジ部材に覆われた部位よりも後端側に形成された信号出力部とを備えている。
この温度センサ素子は、支持体が感温部材(熱電対)の検出端部に当接する構成であることから、支持体と感温部材との間に他の部材(充填部材など)が配置されることが無い。このため、本発明の温度センサ素子は、従来のような2つの部材(保護管、充填部材)で感温部材の周囲を覆う構成の温度センサ素子に比べて、測定対象ガスの温度を感温素子に対して速やかに伝達させることができる。
また、本発明の温度センサ素子は、感温部材(熱電対)が支持体の先細り部の内部に埋設されると共に、支持体が自身の外表面から感温部材へのガス不透過性を有する緻密質とされている。これにより、感温部材に対して測定対象ガスが直接接触することがないため、感温部材の材料劣化(材料の酸化、昇華あるいは腐食等)が生じがたくなり、耐久性に優れたものとなる。
特に、熱電対がタングステンまたはタングステンを主成分とする合金で構成される場合には、この熱電対の酸化を防ぐことができ、優れた耐久性を発揮させることができる。
よって、本発明によれば、温度検出における応答性が良好であると共に耐久性に優れる温度センサ素子を実現することができる。
更に、本発明によれば、支持体は、軸線方向に垂直な断面のうち、熱電対の検出端部が埋設される部位の断面積が、熱電対の信号出力部が形成される部位の断面積より小さく形成される。
このように、支持体のうち熱電対の検出端部が埋設される部位の断面積を小さくすることで、測定対象物から感温部材(熱電対)の検出端部までの物理的な距離を短縮でき、測定対象物から感温部材(熱電対)の検出端部までの熱伝導に要する時間を短縮できる。
よって、本発明によれば、熱伝導に要する時間を短縮できることから、温度検出における応答性のさらなる向上を図ることができる。
しかも、本発明の温度センサ素子では、支持体の先細り部のうち、軸線方向に垂直な断面の熱電対の検出端部が埋設される部位の断面形状が板形形状である。
断面形状が板型形状となる部分は、換言すれば、長辺と短辺とを有する略長方形形状をなす。このような形状することにより、支持体に対して複雑な加工等を要することなく、熱電対の検出端部が埋設される部位の断面積を信号出力部が形成される部位の断面積より小さくして応答性を向上させることができる。
なお、本明細書において、「ガス不透過性を有する緻密質」とは、温度センサ素子を大気中に1000[℃]で300時間連続して晒す熱処理を行った後に、温度センサ素子より得られる特定温度下での出力値が初期値(上記熱処理を行う前の温度センサ素子より得られる特定温度下での出力値のこと)に対して10%以上変動しないことを言う。
また、上記の温度センサでは、支持体は、軸線方向の先端から検出端部の埋設箇所までの領域における気孔の存在率が10%以下としてもよい。
支持体のうち軸線方向の先端から検出端部の埋設箇所までの領域における気孔の存在率を10%以下と高密度に形成することにより、支持体を介しての感温素子(熱電対)への熱伝導性を一層良好なものにすることができる。従って、本発明によれば、温度検出における応答性を一層良好なものにすることができる。なお、温度検出の応答性をより高める観点からすると、上述した気孔の存在率をより小さく(例えば、5%以下)することが好ましい。
ここで、本明細書において「気孔の存在率」は、支持体のうち軸線方向の先端から検出端部の埋設箇所までの領域を切り出し、切り出した支持体に対して軸線方向に沿って断面を取った後、その断面に対して走査型電子顕微鏡により適宜の倍率(例えば、支持体がアルミナを主成分とする場合は500倍の倍率、支持体が窒化珪素を主成分とする場合には1000倍の倍率)で撮影した写真(SEM写真)より算出することができる。具体的には、反射電子像のSEM写真の面積に対する気孔の総面積の割合を算出することによって「気孔の存在率」が算出される。
そして、上記の温度センサ素子においては、タングステンまたはタングステンを主成分とする合金で構成された熱電対を用いることができる。
つまり、タングステンは、融点が高いという特徴があり高温耐久性に優れることから、タングステンまたはタングステンを主成分とする合金で構成された熱電対を用いることで、高温環境下での耐久性に優れた温度センサを実現できる。
また、例えば、温度センサ素子の製造工程において熱電対が1500〜1850[℃]といった高温下にさらされる場合であっても、タングステンまたはタングステンを主成分とする合金で構成された熱電対を用いることで、熱電対の溶融を回避できる。
そして、上記の温度センサ素子においては、熱電対として、少なくともマイナス脚がタングステンとレニウムの合金で構成され、マイナス脚におけるレニウム含有率がプラス脚のレニウム含有率よりも大きい熱電対を用いて構成してもよい。
タングステンとレニウムとの合金は、タングステン単体に比べて、脆弱性が低くなり、強度に優れることから、このような合金を用いて形成される熱電対は、強度に優れたものとなり、破損による断線が生じがたくなる。
そして、マイナス脚におけるレニウム含有率がプラス脚のレニウム含有率よりも大きいことから、マイナス脚とプラス脚とが異なる金属で構成されるため、この熱電対は、熱電対本来の機能(温度検出機能)を損なうことはない。なお、プラス脚は、タングステン単体で構成されたものでもよく、あるいは、タングステンとレニウムの合金で構成されたものであってもよいことは、言うまでもない。
よって、本発明によれば、強度に優れた熱電対を備えることから、さらに耐久性に優れる温度センサ素子を実現できる。
次に、上記の温度センサ素子においては、支持体は、窒化珪素またはアルミナを主成分とする絶縁性セラミックで構成することができる。
窒化珪素およびアルミナは、高温環境下での耐久性に優れる材料であることから、これらを主成分とする絶縁性セラミックからなる支持体は、高温環境下での耐久性に優れたものとなる。
よって、このような支持体を備える温度センサ素子は、より一層耐久性に優れたものとなる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
まず、本発明の一実施形態である温度センサ素子10を備える温度センサ1の部分断面図を、図1に示す。
なお、温度センサ1は、自動車の排気管、特にディーゼルエンジンの排気ガス後処理装置の前後に装着することにより、温度センサ素子10の先端部を排気ガスが流れる排気管内に配置させて、排気ガスの温度検出に使用するものである。
図1に示すように、温度センサ1は、温度センサ素子10と、フランジ部材40と、継手部材50と、ナット部材60と、を備えて構成されている。
温度センサ素子10は、軸線方向に延びる長尺形状に形成されており、内部に温度検出を行うための熱電対21(図2参照)を備えている。また、フランジ部材40は、温度センサ素子10の後端側周囲を覆う状態で設けられる金属製の部材であり、継手部材50は、フランジ部材40に係合するステンレス製で筒状に形成された部材である。さらに、ナット部材60は、フランジ部材40に係合し、継手部材50のうちフランジ部材40に当接する先端部分を覆い、温度センサ1を設置位置(本実施形態では、排気管)に固定するための部材である。
フランジ部材40は、温度センサ素子10の後端側(図1における上側)の周囲を取り囲んで設けられ、軸線方向後端側に延びる鞘部42と、この鞘部42の先端側(図1における下側)に位置し、径方向外側に向かって突出する突出部41と、を有している。突出部41は、先端側に排気管の取付部のテーパ部(図示省略)に対応したテーパ形状の座面43を有する環状に形成されており、座面43が取付部のテーパ部に密着することで、排気ガスが排気管外部へ漏出するのを防止するように形成されている。
また、フランジ部材40の周囲には、六角ナット部61およびネジ部62を有するナット部材60が回動自在に嵌挿されている。温度センサ1は、排気管の取付部にフランジ部材40の突出部41の座面43を当接させた状態で、ナット部材60により固定される。
さらに、フランジ部材40のうち鞘部42の径方向外側には、筒状の継手部材50が気密状態で接合されている。具体的には、鞘部42の外周面に継手部材50の内周面が重なり合うように、継手部材50が鞘部42に圧入され、継手部材50と鞘部42とが周方向に渡ってレーザ溶接されて、フランジ部材40と継手部材50とが気密状態で接合されている。
また、フランジ部材40のうち鞘部42の内周には、温度センサ素子10の外側周囲が密着保持されており、温度センサ素子10の後端部に設けられた2つの電極リング12,13が継手部材50の内部に露出されている。この2つの電極リング12,13のそれぞれに、外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)に接続するための一対のリード線14,15が接合されており、継手部材50の内部にて保護されている。この2本のリード線14,15は、ステンレス合金製の導線と銅製の導線とからなる撚り線を絶縁性の被覆材にて被覆したものであり、継手部材50の後端側開口に設けられた耐熱ゴム製の補助リング(図示省略)に挿通されている。
次に、図2を参照して、温度センサ素子10について説明する。なお、図2は、温度センサ素子10の内部構成を表す断面図である。
温度センサ素子10は、円柱状の絶縁性セラミック基体20と、絶縁性セラミック基体20の内部に埋設された熱電対21と、絶縁性セラミック基体20の後端側に形成された電極取出部25,26と、を備えている。
絶縁性セラミック基体20は、窒化珪素またはアルミナ若しくはサイアロン(Si−Al−O−N:窒化珪素とアルミナから合成されるセラミック材料)を主成分とする熱伝導性が高く耐食性が良好な絶縁性セラミックで形成されており、先端方向に向かうほど断面積が小さくなる先細り部27を先端に備えている。
なお、本実施形態において「主成分」とは、その成分が、含有される全成分のうち70重量%以上を占める成分であることを示す。
熱電対21は、プラス脚23とマイナス脚24との接続点である感温端部22が絶縁性セラミック基体20の先端側内部に配置されると共に、プラス脚23およびマイナス脚24のそれぞれの後端側端部が電極取出部25,26に接続される状態で、絶縁性セラミック基体20の内部に埋設されている。
熱電対21のうち、プラス脚23は、レニウムを5%含むタングステン−レニウム合金(W−Re5%)で形成されており、マイナス脚24は、レニウムを26%含むタングステン−レニウム合金(W−Re26%)で形成されている。
電極取出部25,26は、窒化珪素あるいはサイアロンと、金属のホウ化物、炭化物、窒化物、珪化物のうち少なくとも一種以上の物質とからなる導電性複合材料を主成分とする導電性セラミック材料で形成されている。また、電極取出部25,26は、それぞれ少なくとも一部が絶縁性セラミック基体20の外周表面において露出する状態で備えられており、電極リング12,13と電気的に接続されている。
なお、電極取出部25は、絶縁性セラミック基体20において電極取出部26よりも先端側に配置されている。
このように構成された温度センサ素子10は、感温端部22で検出した温度に応じて熱電対21に起電力が発生し、検出した温度に応じた電圧信号を電極取出部25,26から外部に出力するよう構成されている。
図1に戻り、電極リング12,13は、絶縁性セラミック基体20の後端側に嵌められた導電性の金属部材であり、電極リング12は、電極リング13よりも軸線方向の先端側に配置されている。電極リング12は、その内周にて電極取出部25に電気的に接続されており、電極リング13は、その内周にて電極取出部26に電気的に接続されている。
また、電極リング12,13の外周には、外部回路接続用のリード線14,15が超音波溶接などで接続されており、熱電対21にて発生する電圧信号は、電極リング12,13およびリード線14,15を介して外部回路(ECUなど)に出力される。
次に、温度センサ1の温度センサ素子10の製造方法について説明する。
まず、絶縁性セラミック基体20の原料となる混合粉末を作製する工程を実施する。
具体的には、平均粒径約1.0[μm]の窒化珪素またはアルミナ若しくはサイアロンからなる原料粉末86重量部に対して、焼結助剤として酸化エルビニウム8重量部、酸化バナジウム1重量部、酸化タングステン2重量部、2珪化モリブデン3重量部を加え、ボールミル中で40時間湿式混合し、バインダを加えた後、スプレードライ法により混合粉末を作製する。
次に、電極取出部25,26の原料となる印刷用インクを作製する工程を実施する。
具体的には、平均粒径0.5[μm]の炭化タングステン原料粉末65重量部、平均粒径1.0[μm]の窒化珪素原料粉末35重量部、および焼結助剤として酸化エルビニウム4重量部、二酸化珪素2重量部をボールミル中で40時間湿式混合し、バインダを添加して、印刷用インクを製造する。
ここで、温度センサ素子10の製造工程における各段階の状態を表した説明図を、図3に示す。
上記の混合粉末および印刷用インクを作製した後、次の製造工程では、上記の混合粉末を半割成形体用金型を用いてプレス加工することで、絶縁性セラミック基体20を軸線方向に半分の大きさとした半割成形体31を作製し、半割成形体31の表面に熱電対21を配置して、上記の印刷用インクを塗布することで電極取出部25,26を形成する工程を実施する(図3の(1)参照)。
次に、電極取出部25,26(印刷用インク)が乾燥した状態の半割成形体31に対して、熱電対21および電極取出部25,26を覆うように上記の混合粉末を配置し、それらを一体成形体用金型を用いてプレス加工することで、絶縁性セラミック基体20の原型となる一体成形体32を作製する工程を実施する(図3の(2)参照)。そして、一体成形体32を窒素中に配置すると共に、800[℃]で1時間にわたり脱バインダ処理を行う。
なお、図3の(2)では、一体成形体32の内部に埋設される熱電対21および電極取出部25,26を透視した状態で、一体成形体32を図示している。
このあと、一体成形体32をホットプレスによりプレス圧力30[MPa]、1650[℃]、60分で焼成(焼結)した後、センタレス研磨により丸棒形状の素子焼結体33を作製する工程を実施する(図3の(3)参照)。
なお、図3の(3)では、素子焼結体33の内部に埋設される熱電対21および電極取出部25,26を透視した状態で、素子焼結体33を図示している。
次いで、素子焼結体33の先端側について、先端方向に向かうほど断面積が小さくなるように研磨し、先細り形状となる先細り部27を形成する工程を実施する(図3の(4)参照)。
なお、図3の(4)では、素子焼結体33の内部に埋設される熱電対21および電極取出部25,26を透視した状態で、素子焼結体33を図示している。
さらに、素子焼結体33の先細り部27について、軸線方向に垂直な断面形状が板型形状となるように研磨する工程を実施することで、温度センサ素子10が完成する(図3の(5)参照)。
このようにして製造された温度センサ素子10は、上述したように、電極リング12,13やフランジ部材40、ナット部材60などの他部材と共に組み立てられることで、温度センサ1を構成する。
上記のように製造される温度センサ素子10においては、熱電対21が内部に埋設された状態の一体成形体32を焼成して絶縁性セラミック基体20を作製することから、絶縁性セラミック基体20が熱電対21の感温端部22の略全周に当接する構成となる。つまり、温度センサ素子10は、絶縁性セラミック基体20と熱電対21の感温端部22とが密着する構成である。このため、温度センサ素子10は、絶縁性セラミック基体20から熱電対21の感温端部22への熱伝導に際して他の部材を介在しない構成となることから、従来に比べて熱伝導経路を短縮することができる。
また、絶縁性セラミック基体20においては、熱電対21の感温端部22が埋設される部位(先細り部27)の断面形状を板型形状をなすように加工することで、この先細り部27の断面積が、電極取出部25,26が形成される部位の断面積より小さく形成されている。このことから、温度センサ素子10は、測定対象物から熱電対21の感温端部22に到る熱伝導経路が短く形成されている。
さらに、上記のように焼成(焼結)した絶縁性セラミック基体20は、自身の外表面から熱電対21の感温端部22へのガス不透過性を有する緻密質とされており、気孔がほとんど存在しない高密度の緻密体として形成される。なお、絶縁性セラミックは、気孔が多く存在する場合には、耐衝撃性に劣り、気孔の部分での熱伝導性が悪くなるが、緻密体であれば耐衝撃性が高く、気孔による熱伝導性への悪影響が少ないものとなる。
つまり、高密度に形成された絶縁性セラミックは、低密度(気孔の存在率が高い状態)に形成された部材に比べて熱伝導性が良好となることから、高密度の緻密体として形成された絶縁性セラミック基体20は、熱伝導性に優れたものである。
なお、絶縁性セラミック基体20の全体に対する気孔の存在率が少なくとも10%以下であれば、優れた耐衝撃性および熱伝導性を示すことが、実験により明らかとなっており、本実施形態の絶縁性セラミック基体20は、気孔の存在率が10%以下となるように形成されている。
これらのことから、絶縁性セラミック基体20の先細り部27は、測定対象物から熱電対21の感温端部22に到る熱伝導経路が短く形成されると共に高密度に形成されることから、熱伝導に優れたものとなる。このような絶縁性セラミック基体20を備える温度センサ素子10は、温度検出における応答性に優れたものとなる。
また、この温度センサ素子10は、熱電対21の全体が絶縁性セラミック基体20の内部に埋設されていることから、熱電対21が測定対象物(排気ガス)に直接接触することがないため、熱電対21の腐食や材料劣化が生じがたくなり、耐久性に優れたものとなる。
以上説明したように、本実施形態の温度センサ素子10は、測定対象物から熱電対21の感温端部22に到る熱伝導経路が短く形成されると共に高密度に形成される絶縁性セラミック基体20を備えており、測定対象物から熱電対21の感温端部22までの熱伝導に優れたものとなることから、温度検出における応答性に優れたものとなる。
また、温度センサ素子10は、熱電対21が絶縁性セラミック基体20の内部に埋設されると共に、絶縁性セラミック基体20が自身の外表面から熱電対21の感温端部22へのガス不透過性を有する緻密質であることから、熱電対21が測定対象物(排気ガス)に直接接触することがない。このため、温度センサ素子10は、熱電対21(感温端部22)の酸化が生じがたくなり、耐久性に優れている。
よって、本実施形態の温度センサ素子10は、温度検出における応答性が良好であると共に耐久性に優れるという利点がある。
また、温度センサ素子10においては、タングステンまたはタングステンを主成分とする合金で構成された熱電対21を用いている。タングステンは融点が高いという特徴があり高温耐久性に優れることから、このような熱電対21を備える温度センサ素子10は、高温環境下での耐久性に優れたものとなる。
なお、温度センサ素子10の製造工程においては、一体成形体32の焼成(焼結)工程において熱電対21が高温下にさらされるが、高温耐久性に優れる熱電対21を用いることから、焼成工程において熱電対21が溶融するのを防止できる。
さらに、タングステンとレニウムとの合金は、タングステン単体に比べて、脆弱性が低く、強度に優れることから、このような合金を用いて形成される熱電対21は、強度に優れており、破損による断線が生じがたいという特徴がある。
また、窒化珪素およびアルミナは、高温環境下での耐久性に優れる材料であり、これらを主成分とする絶縁性セラミック基体20は、高温環境下での耐久性に優れる。よって、このような絶縁性セラミック基体20を備える温度センサ素子10は、高温環境下での耐久性に優れたものとなる。
なお、熱電対は、プラス脚およびマイナス脚を構成する電極線の径寸法(断面積)が異なる場合であっても、検出温度に対する起電力にバラツキが生じないという特性を有している。このため、温度センサ素子の製造時におけるプラス脚およびマイナス脚の径寸法(断面積)を厳密に管理する必要がない点において、温度変化に応じて電気抵抗値が変化する感温抵抗体を用いる場合に比べて、製造時の煩雑さを軽減できる。
すなわち、感温抵抗体は、径寸法(断面積)が異なることで抵抗値特性が変化することから、温度センサ素子の製造時においては、感温抵抗体の径寸法(断面積)を厳密に管理して、感温抵抗体の抵抗値に誤差が生じるのを抑制する必要がある。これに対して、熱電対は、温度センサ素子の製造時におけるプラス脚およびマイナス脚の径寸法(断面積)を厳密に管理する必要がないため、製造時の煩雑さを軽減できる。
なお、上記実施形態においては、絶縁性セラミック基体20が特許請求の範囲に記載の支持体に相当し、熱電対21の感温端部22が検出端部に相当し、電極取出部25,26が信号出力部に相当している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、熱電対は、プラス脚がW−Re5%の合金であり、マイナス脚がW−Re26%の合金で構成されるものに限られることはなく、レニウム(Re)の含有量は任意の値を採ることができる。なお、マイナス脚におけるレニウム含有率がプラス脚のレニウム含有率よりも大きい熱電対であればよく、レニウムを含まないタングステンでプラス脚を形成し、レニウムを含むタングステンでマイナス脚を形成した熱電対を用いても良い。
また、上記実施形態における温度センサ素子10は、絶縁性セラミック基体20の先端面が円形状に形成されているが、絶縁性セラミック基体は、その先端面が長方形となる形状(換言すれば、マイナスドライバの先端部分と同様の形状)であってもよい。
また、一体成形体32の焼結方法としては、ホットプレス焼結(HP)に限られることはなく、常圧焼結(PLS)、ガス圧焼結(GPS)、熱間等方圧加圧焼結(HIP)、あるいはこれらの組み合わせによる焼結が利用できる。
なお、絶縁性セラミック基体(焼結体)の粒界相に、希土類元素(以下、「RE」とする。)−Si−O−Nの結晶相が析出していないことが望ましい。すなわち、焼結体の粒界相には、非晶質、または、窒素を含有しない、RE−Si−O、RE−Si−Al−Oのいずれかの結晶相が析出していることが望ましい。このようにすれば焼結体の耐酸化性を向上することができ、温度センサ1を長時間使用しても絶縁性セラミック基体20が酸化腐食することがないので、絶縁性セラミック基体20が肉薄となって熱電対21が露出するといったトラブルが防止される。
さらに、温度センサ素子10の絶縁性セラミック基体20の全体形状は、図3(5)に示した形態のものに限定されることはなく、絶縁性セラミック基体の断面形状が円形状、楕円形状、四角形などの多角形状をなす形で軸線方向に延びる形態をなしていても良い。また、上記実施形態における温度センサ素子10では、熱電対をタングステン合金からなる素線を用いて形成したが、タングステン合金粉末を含む導電性ペーストを用いつつ、未焼成状態の絶縁性セラミック基体と同時焼成して、熱電対を埋設した絶縁性セラミック基体を有する温度センサ素子を構成するようにしても良い。
また、温度センサ素子における温度検出の応答性をより高めるためには、絶縁性セラミック基体における気孔の存在率は、上述した気孔の存在率(10%以下)よりも小さい範囲に設定(例えば、5%以下に設定)するとよい。
温度センサ素子を備える温度センサの部分断面図である。 温度センサ素子の内部構成を表す断面図である。 温度センサ素子の製造工程における各段階の状態を表した説明図である。
符号の説明
1…温度センサ、10…温度センサ素子、12…電極リング、13…電極リング、20…絶縁性セラミック基体、21…熱電対、22…感温端部、23…プラス脚、24…マイナス脚、25…電極取出部、26…電極取出部、27…先細り部、31…半割成形体、32…一体成形体、33…素子焼結体、40…フランジ部材、50…継手部材、60…ナット部材。

Claims (5)

  1. 軸線方向に延びる長尺形状且つ円柱状の絶縁性セラミックからなり、外側周囲が金属製のフランジ部材の内側に密着保持されてなる支持体と、
    前記支持体の内部に配置される感温部材と、
    前記支持体の後端側且つ前記フランジ部材に覆われた部位よりも後端側に形成されて、前記感温部材から出力される電気信号を外部に出力する信号出力部と、
    を備える温度センサ素子であって、
    前記円柱状の支持体は、軸線方向先端側に、先端方向に向かうほど断面積が小さくなる先細り部を有し、
    前記感温部材は、前記支持体の軸線方向先端側の前記先細り部の内部に検出端部が配置される状態で、前記支持体の内部に埋設された熱電対で構成され、
    前記支持体は、前記感温部材の前記検出端部に当接すると共に、自身の外表面から前記感温部材へのガス不透過性を有する緻密質とされており、
    且つ、前記支持体は、軸線方向に垂直な断面のうち、前記熱電対の検出端部が埋設される部位の断面積が、前記信号出力部が形成される部位の断面積より小さく、さらに、前記支持体の前記先細り部のうち、軸線方向に垂直な断面の前記熱電対の検出端部が埋設される部位の断面形状が板形形状であること、
    を特徴とする温度センサ素子。
  2. 前記支持体は、軸線方向の先端から前記検出端部の埋設箇所までの領域における気孔の存在率が10%以下であること、
    を特徴とする請求項1に記載の温度センサ素子。
  3. 前記熱電対は、タングステンまたはタングステンを主成分とする合金で構成されたこと、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度センサ素子。
  4. 前記熱電対は、少なくともマイナス脚がタングステンとレニウムとの合金で構成され、マイナス脚におけるレニウム含有率がプラス脚のレニウム含有率よりも大きいこと、
    を特徴とする請求項3に記載の温度センサ素子。
  5. 前記支持体は、窒化珪素またはアルミナを主成分とする絶縁性セラミックで構成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の温度センサ素子。
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