JP4535846B2 - Clutch cover assembly - Google Patents
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Description
本発明は、クラッチカバー組立体、特に、エンジンのフライホイールにクラッチディス組立体の摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するためものに関する。 The present invention relates to a clutch cover assembly, and more particularly to pressing and releasing a friction member of a clutch disassembly against a flywheel of an engine.
クラッチカバー組立体は、一般に、エンジンのフライホイールに装着され、エンジンの駆動力をトランスミッション側に伝達するために用いられている。このようなクラッチカバー組立体は、主に、フライホイールに固定されるクラッチカバーと、フライホイールとの間でクラッチディスク組立体の摩擦部材を挟持するためのプレッシャープレートと、プレッシャープレートをフライホイール側に押圧するためのダイヤフラムスプリングとから構成されている。ダイヤフラムスプリングは、環状弾性部と、環状弾性部の内周縁から径方向内側に延びる複数のレバー部とからなる。ダイヤフラムスプリングは、プレッシャープレートを押圧する機能とともに、プレッシャープレートへの押圧を解除するためのレバー機能も有している。 The clutch cover assembly is generally mounted on an engine flywheel and used to transmit the driving force of the engine to the transmission side. Such a clutch cover assembly mainly includes a clutch cover fixed to the flywheel, a pressure plate for sandwiching the friction member of the clutch disk assembly between the flywheel, and the pressure plate on the flywheel side. It is comprised from the diaphragm spring for pressing. The diaphragm spring includes an annular elastic portion and a plurality of lever portions extending radially inward from the inner peripheral edge of the annular elastic portion. The diaphragm spring has a function of pressing the pressure plate and a lever function for releasing the pressure on the pressure plate.
クラッチカバー組立体の押付荷重特性を説明する。押付荷重特性とは、ダイヤフラムスプリングの荷重特性において押付荷重としての使用領域を表すものである。例えば図6に示すように、押付荷重特性20において、クラッチカバー組立体の有効使用領域(摩耗代)は、一定の押付荷重が得られる領域(新品のセットライン25から、摩擦部材が摩耗限界まで達したウェアーライン26まで)である。
The pressing load characteristic of the clutch cover assembly will be described. The pressing load characteristic represents a use area as a pressing load in the load characteristic of the diaphragm spring. For example, as shown in FIG. 6, in the
次に、クラッチカバー組立体のレリーズ荷重特性について説明する。レリーズ荷重特性とは、レリーズレバーの作動量(レバーストローク量)と、レリーズレバー先端に作用する荷重(レリーズ荷重)の関係を表すものである。例えば、図9に示すように、レリーズ荷重特性60は、レバー作動量ゼロから直線的に増大していく第1部分61と、なだらかに小さくなっていく第2部分62とを有しており、両者の接点がピークである荷重バランス点63となっている。第1部分61はダイヤフラムスプリングのレバー剛性を表しており、第2部分62は押付荷重特性におけるセットラインから図右側への変化に対応している。
Next, the release load characteristics of the clutch cover assembly will be described. The release load characteristic represents the relationship between the operation amount (lever stroke amount) of the release lever and the load (release load) acting on the tip of the release lever. For example, as shown in FIG. 9, the
押付荷重特性20は、図6に示すように、ダイヤフラムスプリングの変位量がゼロから大きくなるにつれて、一定の割合で増大していくが、たわみ量がある点(ピーク点)を越えると以後はなだらかに減少していき、さらにあるたわみ量を超えるとなだらかに増大していく。このため、有効使用領域内では、山部分21(上側に凸となる部分)となっており、摩擦部材の摩耗が大きくなるにつれて(セットラインが図の左側に移動するにつれて)押付荷重が大きくなる。すなわち、摩擦部材が摩耗すると、レリーズ荷重が大きくなり、さらにはクラッチペダル踏力が大きくなってしまう。
As shown in FIG. 6, the
そこで従来より、摩擦部材が摩耗した場合にダイヤフラムスプリングの姿勢を初期状態に戻すことで、押付荷重特性においてセットラインを一定に維持するための摩耗補償機構が用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。摩耗補償機構は、主に、クラッチカバーとダイヤフラムスプリングとの間に配置されたファルクラムリングと、ファルクラムリングをプレッシャープレートから離れる方向に付勢する付勢機構と、ファルクラムリングがプレッシャープレートから離れるのを防ぐとともに摩擦フェーシングに摩耗が生じた場合に摩耗量だけファルクラムリングがプレッシャープレートから軸方向に移動するのを許容する規制機構とを有している。
摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を説明する。クッショニング機能がない場合は、図9のレリーズ荷重特性において、レリーズ荷重特性60は、荷重バランス点63までは線形に変化し、そこからなだらかに小さくなっていき、またなだらかに大きくなっていく。また、荷重バランス点63まではプレッシャープレートの切れ量はゼロである。摩擦部材がクッション機能を有している場合は、クッションの反発力によってレリーズ開始と同時にプレッシャープレートの移動が始まり荷重バランス点63においてはある程度移動している。このことは荷重バランス点での押付荷重が図6の右方向にシフトしていることを意味している。その結果、図9において荷重バランス点63におけるレリーズ荷重は、クッショニング機能がない場合に比べ大幅に小さくなる。以上の結果が得られる理由は、図6の押付荷重特性において、プレッシャープレートがレリーズ動作中に負勾配部分を移動するからである。したがって、摩擦部材の摩耗によってセットラインの位置が変われば平坦部分や正勾配部分を移動することも考えられる。その場合は、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化は得られない。
The reduction of the release load by the cushioning function in the friction member will be described. When there is no cushioning function, in the release load characteristic of FIG. 9, the
また、摩耗補償機構を用いた構造では、摩擦部材が摩耗してもダイヤフラムスプリングの姿勢は一定に維持される。このことはセットラインが一定に維持されることを意味している。この場合、最も高い荷重が得られるようにダイヤフラムスプリングをセットすることが有利となる。しかし、レリーズ動作中にプレッシャープレートがピーク部分を移動することになり、荷重勾配が平坦になるため摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化は十分に得られない。 In the structure using the wear compensation mechanism, the posture of the diaphragm spring is kept constant even if the friction member is worn. This means that the set line is kept constant. In this case, it is advantageous to set the diaphragm spring so as to obtain the highest load. However, the pressure plate moves in the peak portion during the release operation, and the load gradient becomes flat, so that a low release load due to the cushioning function in the friction member cannot be sufficiently obtained.
本発明の課題は、ダイヤフラムスプリングのセット位置をどこに設定してもかつ摩擦部材が摩耗した状態でも摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を実現することにある。 An object of the present invention is to realize a low release load by a cushioning function in a friction member regardless of where the diaphragm spring is set and the friction member is worn.
請求項1に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するための機構であって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーは、フライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する部材である。第1摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は弾性部材を有している。弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく。弾性部材は複数の部材を組み合わせて構成されている。
The clutch cover assembly according to
このクラッチカバー組立体では、第1摩耗補償機構によって、摩擦部材が摩耗してもダイヤフラムスプリングの姿勢は一定に維持される。そのため、ダイヤフラムスプリングの押し付け荷重を最も高い状態にセットすることができる。次に、低レリーズ荷重機構の弾性部材によって、摩擦部材が摩耗した状態でも、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を実現することができる。その理由は、弾性部材がレリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、弾性部材がプレッシャープレートへの押付荷重を減らしていくからである。また、このクラッチカバー組立体では、複数の部材によって好ましい特性を実現できる。 In this clutch cover assembly, the posture of the diaphragm spring is maintained constant even when the friction member is worn by the first wear compensation mechanism. Therefore, the pressing load of the diaphragm spring can be set to the highest state. Next, even when the friction member is worn by the elastic member of the low release load mechanism, a low release load can be realized by the cushioning function of the friction member. The reason is that the elastic member generates a load that opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation, and the elastic member is applied to the pressure plate in the process of increasing the displacement amount of the diaphragm spring by the cushioning function of the friction member. This is because the pressing load is reduced. Further, in this clutch cover assembly, preferable characteristics can be realized by a plurality of members.
請求項2に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1において、弾性部材は、クラッチ連結状態からレリーズ動作が進むにつれて荷重を大きくしていく。 In the clutch cover assembly according to a second aspect, in the first aspect, the elastic member increases the load as the release operation proceeds from the clutch connected state .
請求項3に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するための機構であって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーは、フライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する部材である。第1摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は弾性部材を有している。弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく。そして、弾性部材はクラッチカバーの摩擦部材側と軸方向反対側に配置されている。 請 Motomeko 3 clutch cover assembly according to is a mechanism for pushing and pressing cancel the cushioning function friction member of the clutch disk assembly to the flywheel of an engine, a clutch cover, a pressure plate, a diaphragm A spring, a first wear compensation mechanism, and a low release load mechanism are provided. The clutch cover is fixed to the flywheel. The pressure plate is connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover, and is a member for sandwiching the friction member with the flywheel. The diaphragm spring is a member that is supported by the clutch cover and biases the pressure plate toward the flywheel. The first wear compensation mechanism is a mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against the wear of the friction member. The low release load mechanism has an elastic member. The elastic member is supported by the clutch cover and generates a load that opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation, so that the amount of displacement of the diaphragm spring increases due to the cushioning function of the friction member. Reduce the pressing load. And the elastic member is arrange | positioned at the friction member side of a clutch cover, and the axial direction opposite side.
このクラッチカバー組立体では、前記同様に、第1摩耗補償機構によって、摩擦部材が摩耗してもダイヤフラムスプリングの姿勢は一定に維持される。そのため、ダイヤフラムスプリングの押し付け荷重を最も高い状態にセットすることができる。次に、低レリーズ荷重機構の弾性部材によって、摩擦部材が摩耗した状態でも、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を実現することができる。また、弾性部材の組み付けや取り外しが容易である。 In this clutch cover assembly , the posture of the diaphragm spring is maintained constant even when the friction member is worn by the first wear compensation mechanism as described above. Therefore, the pressing load of the diaphragm spring can be set to the highest state. Next, even when the friction member is worn by the elastic member of the low release load mechanism, a low release load can be realized by the cushioning function of the friction member. Further, the elastic member can be easily assembled and removed.
請求項4に記載のクラッチカバー組立体は、請求項3において、プレッシャープレートからクラッチカバー側に延びる支持部材をさらに備えている。弾性部材は、支持部材に対して摩擦部材側と軸方向反対側に荷重を付与する。 According to a fourth aspect of the present invention , the clutch cover assembly according to the third aspect further includes a support member extending from the pressure plate to the clutch cover side. The elastic member applies a load to the support member on the friction member side and the opposite side in the axial direction.
請求項5に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1〜4のいずれかにおいて、弾性部材はコーンスプリングである。
In the clutch cover assembly according to
請求項6に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するための機構であって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーは、フライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する部材である。第1摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は弾性部材を有している。弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく。そして、低レリーズ荷重機構は、摩擦部材の摩耗に対して弾性部材を摩耗前の姿勢に復帰させることで弾性部材の姿勢を維持するための第2摩耗補償機構をさらに有している。 The clutch cover assembly according to claim 6 is a mechanism for pressing and releasing the friction member with a cushioning function of the clutch disk assembly against the engine flywheel, the clutch cover, the pressure plate, and the diaphragm spring. And a first wear compensation mechanism and a low release load mechanism. The clutch cover is fixed to the flywheel. The pressure plate is connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover, and is a member for sandwiching the friction member with the flywheel. The diaphragm spring is a member that is supported by the clutch cover and biases the pressure plate toward the flywheel. The first wear compensation mechanism is a mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against the wear of the friction member. The low release load mechanism has an elastic member. The elastic member is supported by the clutch cover and generates a load that opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation, so that the amount of displacement of the diaphragm spring increases due to the cushioning function of the friction member. Reduce the pressing load. The low release load mechanism further includes a second wear compensation mechanism for maintaining the posture of the elastic member by returning the elastic member to the posture before wear with respect to the wear of the friction member.
このクラッチカバー組立体では、前記同様に、第1摩耗補償機構によって、摩擦部材が摩耗してもダイヤフラムスプリングの姿勢は一定に維持される。そのため、ダイヤフラムスプリングの押し付け荷重を最も高い状態にセットすることができる。次に、低レリーズ荷重機構の弾性部材によって、摩擦部材が摩耗した状態でも、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を実現することができる。また、第2摩耗補償機構によって、弾性部材の姿勢は摩擦部材が摩耗しても維持される。 In this clutch cover assembly , the posture of the diaphragm spring is maintained constant even when the friction member is worn by the first wear compensation mechanism as described above. Therefore, the pressing load of the diaphragm spring can be set to the highest state. Next, even when the friction member is worn by the elastic member of the low release load mechanism, a low release load can be realized by the cushioning function of the friction member. Further, the posture of the elastic member is maintained even when the friction member is worn by the second wear compensation mechanism.
請求項7に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するための機構であって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーは、フライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する部材である。第1摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は弾性部材を有している。弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく。第1摩耗補償機構は、プレッシャープレートに設けられダイヤフラムスプリングに対する支点として機能するファルクラム部材と、ファルクラム部材をダイヤフラムスプリング側に付勢する付勢機構と、プレッシャープレートの切れ量を制限するための制限機構とを有している。さらに、プレッシャープレートとファルクラム部材は送りネジ機構によって互いに係合しており、付勢機構はファルクラム部材に対してプレッシャープレートから軸方向に離れるようなトルクを付与している。
The clutch cover assembly according to
請求項8に記載のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールにクラッチディスク組立体のクッショニング機能付き摩擦部材を押し付け及び押し付け解除するための機構であって、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、第1摩耗補償機構と、低レリーズ荷重機構とを備えている。クラッチカバーは、フライホイールに固定されている。プレッシャープレートは、クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、フライホイールとの間で摩擦部材を挟むための部材である。ダイヤフラムスプリングは、クラッチカバーに支持され、プレッシャープレートをフライホイール側に付勢する部材である。第1摩耗補償機構は、摩擦部材の摩耗に対してダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための機構である。低レリーズ荷重機構は弾性部材を有している。弾性部材は、クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中にダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、摩擦部材のクッショニング機能によってダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく。第1摩耗補償機構は、プレッシャープレートに設けられダイヤフラムスプリングに対する支点として機能するファルクラム部材と、ファルクラム部材をダイヤフラムスプリング側に付勢する付勢機構と、プレッシャープレートの切れ量を制限するための制限機構とを有している。また、制限機構は、低レリーズ荷重機構に設けられている。
Clutch cover assembly according to
本発明では、ダイヤフラムスプリングのセット位置をどこに設定しても、また摩擦部材が摩耗した状態においても摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を実現することができる。 In the present invention, it is possible to realize a low release load by the cushioning function in the friction member regardless of where the setting position of the diaphragm spring is set or the friction member is worn.
(1)クラッチカバー組立体の全体構造
図1〜図4に示すプルタイプのダイヤフラムスプリング式クラッチカバー組立体1は、エンジンのフライホイール51に対してクラッチディスク組立体52の摩擦部材53を押し付けてクラッチを連結し、あるいは押し付けを解除してクラッチを切断するための装置である。なお、摩擦部材53は、摩擦フェーシング53aとクッショニングプレート53bとを有し、軸方向に所定範囲内でたわみ可能なクッショニング機能を有している。
(1) Overall Structure of Clutch Cover Assembly The pull type diaphragm spring type
図1に示すO−O線が、フライホイール51及びクラッチカバー組立体1の回転軸線である。以下、図の左側を軸方向エンジン側といい、図の右側を軸方向トランスミッション側という。図2に示す矢印R1方向がクラッチ装置の回転方向であり、矢印R2方向がその反対方向である。なお、図1、3及び4における各部材の位置及び姿勢はクラッチディスク組立体52の摩擦部材53に摩耗が生じていない初期段階でクラッチが連結された状態である。
The OO line shown in FIG. 1 is the rotational axis of the
クラッチカバー組立体1は、フライホイール51のトルクをクラッチディスク組立体52に伝達又は遮断するための装置であり、主に、クラッチカバー2と、プレッシャープレート3と、ダイヤフラムスプリング4とから構成されている。
The
クラッチカバー2は、概ね皿形状のプレート部材であり、外周部が例えばボルトによりフライホイール51に固定されている。クラッチカバー2は、フライホイール51の外周部に対して軸方向に隙間をあけて対向する円板状部分を有している。
The
プレッシャープレート3は、クラッチカバー2の内周側において、クラッチディスク組立体52の摩擦フェーシング53aとクラッチカバー2との軸方向間に配置された環状の部材である。プレッシャープレート3には、フライホイール51に対向する側に環状でかつ平坦な押圧面3aが形成されている。プレッシャープレート3の第2軸方向側にはクラッチカバー2と対向する第2軸方向面3bが形成されている。押圧面3aとフライホイール51との間には、クラッチディスク組立体52の摩擦部材53が配置される。プレッシャープレート3は、複数のストラッププレート7によって、クラッチカバー2に対して、軸方向には移動可能であるが相対回転不能に連結されている。具体的には、各ストラッププレート7のR2側端はボルト56によりプレッシャープレート3の外周部に固定され、R1側端は図示しないリベットによりクラッチカバー2に固定されている。この連結によって、プレッシャープレート3は、クラッチカバー2とともにR1側に回転するようになっている。また、クラッチ連結状態においてストラッププレート7は軸方向にたわんでおり、プレッシャープレート3に対して軸方向トランスミッション側に付勢力を与えている。
The
ダイヤフラムスプリング4は、プレッシャープレート3とクラッチカバー2との間に配置された円板状部材であり、環状弾性部4aと、環状弾性部4aの内周部から径方向内側に延びる複数のレバー部4bとから構成されている。環状弾性部4aの内周部は、ファルクラムリング12(後述)に当接している。環状弾性部4aの外周部はワイヤリング5を介してクラッチカバー2に支持されている。この状態で環状弾性部4aは、第1摩耗補償機構8(後述)を介して、プレッシャープレート3をフライホイール51側に付勢している。ダイヤフラムスプリング4のレバー部4b間はスリットになっており、そのスリットの外周部には小判状の孔4cが形成されている。ダイヤフラムスプリング4のレバー部4bの先端にはプルタイプのレリーズ装置(図示せず)が係合している。このレリーズ装置は、レリーズベアリング等から構成されている。
The
(2)第1摩耗補償機構
次に、第1摩耗補償機構8について説明する。図3に詳細に示すように、第1摩耗補償機構8は、クラッチディスク組立体52の摩擦フェーシング53aが摩耗した後にダイヤフラムスプリング4の姿勢を初期の状態に復帰させること、すなわちダイヤフラムスプリング4からプレッシャープレート3への押付荷重を一定に保つことを目的としている。
(2) First Wear Compensation Mechanism Next, the first
第1摩耗補償機構8は、主に、ファルクラムリング12と、付勢機構9とから構成されている。第1摩耗補償機構8はプレッシャープレート3に設けられており、ファルクラムリング12はプレッシャープレート3側の部材として第2ネジ部材14に支持されている。ダイヤフラムスプリング4に支持されている。また、付勢機構9はファルクラムリング12に対してプレッシャープレート3から離れる側に荷重を付与している。
The first
ファルクラムリング12は、環状のリング部材であって、軸方向に長い筒形状である。ファルクラムリング12は、プレッシャープレート3の軸方向トランスミッション側に配置されている。
The
付勢機構9は、プレッシャープレート3の第2軸方向面3bに配置された複数の機構からなる。各付勢機構9は、円周方向に並んでおり、第1ネジ部材13と、第2ネジ部材14と、第1アジャストスプリング15から構成されている。第1ネジ部材13は、軸方向に伸びる棒状の部材であり、外周面全体にネジ13aが形成されている。第1ネジ部材13は、軸方向エンジン側部分がプレッシャープレート3のネジ孔3dに螺合しており、軸方向トランスミッション側部分がプレッシャープレート3からさらに軸方向トランスミッション側に延びている。第2ネジ部材14は、第1ネジ部材13に対応して配置されている。第2ネジ部材14は、円柱状の本体14aを有するナット部材であり、軸方向エンジン側に第1ネジ部材13に螺合するネジ14d(ネジ孔)が形成されている。このねじ螺合部によって、第2ネジ部材14が第1ネジ部材13に対して回転方向の一方側に回転させられると軸方向トランスミッション側に移動する第1送りネジ機構58が構成されている。なお、図3に示す初期状態で第2ネジ部材14の軸方向トランスミッション側端は、プレッシャープレート3の第2軸方向面3bに当接又は近接している。さらに、第2ネジ部材14は、本体14aの軸方向エンジン側端から外周側に延びるフランジ14bを有している。フランジ14bは、ファルクラムリング12を支持するための部分であり、軸方向エンジン側に筒状に延びており、その先端には外周側に延びる環状の支持部14cを有している。図2及び図3から明らかなように、ファルクラムリング12は、軸方向エンジン側端が第2ネジ部材14の支持部14cに支持され(支持部14cの一部にのみ当接している)、軸方向トランスミッション側端がダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aの内周部に支持されている。支持部14cは、ファルクラムリング12を軸方向に支持しており、フランジ14bはファルクラムリング12を半径方向に支持している。つまり、ファルクラムリング12は、複数の第2ネジ部材14によって軸方向に支持されており、クラッチ中心を軸に相対回転可能であるがそれは必要条件ではない。また、各第2ネジ部材14は、自らの中心を軸にファルクラムリング12に対して相対回転可能である。
The
第1アジャストスプリング15は、第2ネジ部材14に回転方向一方側への付勢力を与えることで、第2ネジ部材14を軸方向トランスミッション側に移動させるための部材である。第1アジャストスプリング15は、コイル部15aと第1アーム部15bと第2アーム部15cとを有している。コイル部15aは、第2ネジ部材14の本体14aの回りに配置されている。第1アーム部15bはその先端が第2ネジ部材14に形成された孔14fに挿入されている。第2アーム部15cはその先端がプレッシャープレート3の孔3cに挿入されている。
The
第2ネジ部材14の軸方向トランスミッション側端面には、六角孔14eが形成されている。六角穴14eは、ダイヤフラムスプリング4の孔4c及びクラッチカバー2の孔16に対応している。孔16は、孔4cより大きな円形状である。以上より、工具を六角孔14eに挿入して回転させることで、第2ネジ部材14の軸方向位置を調整できる。特に、クラッチディスク組立体52の摩擦フェーシング53aが摩耗して交換した場合に、再びクラッチカバー組立体1を使用する場合にはこの作業が必要である。
A
以上をまとめると、この第1摩耗補償機構8では、ファルクラムリング12の高さ調整を送り送りネジ機構で行っているため、製作が容易であり、そのため少量生産にも適している。特に、従来のようにファルクラムリングとプレッシャープレート側の両方に複数の傾斜面を設けていた構造に比べて、製作が容易であり、精度を維持したまま加工が容易になる。その結果、コストも低い。また、送りネジ機構を用いているため、衝撃等が入力されても付勢機構がファルクラムリングの軸方向の位置を変化させにくい。
In summary, the first
また、送りネジ機構が小型化しているため、各部材の加工が容易である。そのため、コストが低くなるとともに、精度も向上する。さらに、ネジ螺合部が構造的にカバーするのが容易でありこの実施形態でも外部に対して開かれていないため、螺合部にゴミが入りにくいし、さびが生じにくい。 Moreover, since the feed screw mechanism is downsized, each member can be easily processed. Therefore, the cost is reduced and the accuracy is improved. Furthermore, since the screw threaded portion is easy to cover structurally and is not opened to the outside in this embodiment, dust does not easily enter the screwed portion, and rust hardly occurs.
(3)低レリーズ荷重特性実現機構
図2及び図3を用いて、低レリーズ荷重特性実現機構10について説明する。低レリーズ荷重特性実現機構10は、摩擦部材53におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を、摩擦部材53が摩耗した状態でも実現するためのレリーズ補助用機構である。最初に、図9を用いて、摩擦部材におけるクッショニング機能による低レリーズ荷重化を説明する。クッショニング機能がない場合は、レリーズ荷重特性60は、ピークすなわち荷重バランス点63までは線形に変化し、そこからなだらかに小さくなっていき、またなだらかに大きくなっていく。また、荷重バランス点63まではプレッシャープレートの切れ量65はゼロである。摩擦部材がクッション機能を有している場合は、レリーズ時のプレッシャープレートの動きが早くなり、プレッシャープレートの切れ量65はクッショニングプレートがない場合に比べて早く大きくなる。また、図9において荷重バランス点63におけるピークが大幅に小さくなり、低レリーズ荷重特性が実現される。以上の結果が得られるのは、プレッシャープレートの位置がレリーズ動作中において、図6の押付荷重特性において負の勾配方向(右方向)に移動するからである。したがって、摩擦部材の摩耗によってセットラインの位置が変わればプレッシャープレートはレリーズ動作中において平坦部分や正勾配部分を移動することも考えられる。しかし、本発明の実施形態では、第1摩耗補償機構8によって、セットラインは変化しない。また設計目的により、セットラインの初期設定を平坦部分や正勾配の部分に設定する場合においても本発明の実施形態では低レリーズ荷重機構10の働きにより、レリーズ時に強制的に負の荷重勾配を創出するのでクラッチディスクのクッショニング機能の効果も相まって低レリーズ荷重を実現することができる。
(3) Low Release Load Characteristic Realization Mechanism The low release load
低レリーズ荷重特性実現機構10は、第1摩耗補償機構8の各付勢機構9と同一半径方向位置に交互に並んで配置されている。低レリーズ荷重特性実現機構10は合計4カ所に配置されている。各機構10は、図4及び図5に示すように、支持ボルト31と、スプリングホルダー43と、アジャストナット32と、第1支持部材33と、スナップリング34と、第2支持部材35と、一対の第1コーンスプリング36と、第2コーンスプリング37と、支持リング40とから構成されている。
The low release load characteristic realizing
支持ボルト31は、プレッシャープレート3の第2軸方向面3bから軸方向トランスミッション側に延びている。支持ボルト31は、胴部31a、ネジ部31b、先端部31cをこの順に有している。胴部31aは、ダイヤフラムスプリング4の孔4cを軸方向に貫通している。ネジ部31bは、表面にネジが螺旋状に形成された部分であり、クラッチカバー2に形成された孔11内に配置されている。孔11は概ね円形の形状を有している。先端部31cにはスプリングホルダー43が取り付けられており、軽量化のために樹脂等で作られている。スプリングホルダー43は、軸方向に比較長く形成されており、その回りには第2アジャストスプリング39が巻かれている(後述)。
The
アジャストナット32は、筒状の部材であり、筒部32aとフランジ部32bとから構成されている。筒部32aの内周面には、ネジ部31bに螺合するネジ32dが形成されている。このねじ螺合部によって、アジャストナット32が支持ボルト31に対して相対回転すると軸方向に移動する第2送りネジ機構59が形成されている。なお、図5の状態ではネジ部31bは、筒部32aより軸方向トランスミッション側にも形成されている。フランジ部32bは筒部32aの軸方向トランスミッション側端から外周側に延びている。フランジ部32bには軸方向に貫通する複数の孔32cが形成されている。
The adjusting
第1支持部材33は、筒状の部材であり、アジャストナット32の外周に配置されている。アジャストナット32の軸方向エンジン側の端部の外周面にはスナップリング34がはめられており、スナップリング34によって、第1支持部材33はアジャストナット32に対して、軸方向に移動不能に保持されている。なお、第1支持部材33の内周面とアジャストナット32の外周面との間には半径方向隙間が確保されており、そのため両者は相対回転可能である。第2支持部材35は、環状の部材であり、第1支持部材33の軸方向トランスミッション側部分の外周面に堅く固定されている。以上に述べたように、アジャストナット32と第1支持部材33と第2支持部材35は、軸方向に一体に動く1つの構造となっている。また、第1支持部材33は、外周側に延び第2支持部材35と軸方向に対向する環状突部33aを有している。
The
一対の第1コーンスプリング36は並列に作用するように重ねて配置されており、内周縁が第2支持部材35に軸方向エンジン側から当接しており、外周縁が第2コーンスプリング37(後述)の外周縁を介してクラッチカバー2に支持されている。また、第2コーンスプリング37は、内周縁が第1支持部材33の環状突部33aに軸方向トランスミッション側から当接しており、外周縁が第1コーンスプリング36の外周縁を介して支持リング40に支持されている。支持リング40は、クラッチカバー2の孔11の回りの軸方向トランスミッション側に固定部材41によって固定されている。以上より、第1コーンスプリング36は、アジャストナット32等からなる構造体に対して軸方向トランスミッション側への荷重を与えることが可能であり、第2コーンスプリング37はアジャストナット32等からなる構造体に対して軸方向エンジン側への荷重を与えることが可能である。コーンスプリング36,37は、クラッチ連結時にはアジャストナット32等にほとんど荷重を付与していないが、クラッチレリーズ動作中にはアジャストナット32等に軸方向トランスミッション側に荷重を与えて、レリーズ荷重を低下させる。つまり、第1コーンスプリング36の荷重が第2コーンスプリング37の荷重より大きいことになる。また、コーンスプリングの組み合わせ方法は必ずしも前記の例に限定されることはない。例えば、コーンスプリングは谷荷重が0以下の特性を設定することも可能であるがこの場合は同じ方向に重ねて必要な荷重が得られるよう枚数を設定すればよい。
The pair of first cone springs 36 are arranged so as to act in parallel, the inner peripheral edge is in contact with the
コーンスプリング36,37は、クラッチカバー2の軸方向トランスミッション側に配置されているため、組み付けや取り外しが容易である。
Since the cone springs 36 and 37 are arranged on the side of the
第2アジャストスプリング39は、捩りコイルスプリングであって、スプリングホルダー43に巻かれたコイル部39aと、アジャストナット32の孔32cに挿入された第1アーム部39bと、スプリングホルダーに係合している第2アーム部39cとを有している。この結果、第2アジャストスプリング39は、アジャストナット32を回転方向片側にほぼ一定の荷重を与えている。第2アジャストスプリング39からの荷重付与方向は、アジャストナット32がネジ部31bに沿って軸方向トランスミッション側に移動していく方向である。
The
低レリーズ荷重特性実現機構10の動作について説明する。図7に示すように、第1コーンスプリング36の特性43は正側(軸方向トランスミッション側)に向けて荷重を発生するようになっており、第2コーンスプリング37の特性44は負側(軸方向エンジン側)に向けて荷重を発生するようになっている。第1コーンスプリング36の特性43は谷部と山部の差が大きくて勾配が大きく、第2コーンスプリング37の特性44は谷部と山部の差が小さくて勾配が小さい。合成特性45は、谷部がクラッチエンゲージ位置に配置され、そこでの荷重がゼロになっている。なお、合成特性45の谷荷重はゼロ以下になるように設計されることが好ましい。荷重ゼロから最大レリーズ位置側に移動すると、荷重は正側に徐々に大きくなっていく。これを図8のセット荷重特性でみると、セットラインを荷重特性のピーク位置に設定した場合でもレリーズ動作を行うと、摩擦部材53におけるクッション機能によってセットラインが変位量大側にライン47のようにシフトする。つまり、押付特性において負勾配が必ず確保されており、したがってクッション機能による低レリーズ荷重化が確実に実現される。
The operation of the low release load characteristic realizing
クラッチ連結状態では、第2アジャストスプリング39によりアジャストナット32を回転させる力(トルク)とコーンスプリング36,37の合成荷重(軸方向荷重)によるねじ面の摩擦力とが釣り合っており、そのためこの状態で支持ボルト31にかかる軸方向荷重はゼロよりわずかに大きい値になっている。摩擦部材53が摩耗すると、支持ボルト31、アジャストナット32等は軸方向エンジン側に移動する。すると、コーンスプリング36,37の変形が進み、それら部材の荷重が低下し荷重のバランスが崩れる。そのとき、第2アジャストスプリング39がアジャストナット32を回転させて軸方向エンジン側に移動させる。すると、コーンスプリング36,37による軸方向の合成荷重が増加し、それに正比例してねじ面の摩擦力が増加するため、第2アジャストスプリング39のトルクによりアジャストナット32を回転させることが不可能になり、そこでアジャストナット32の軸方向移動が停止する。このように、摩擦部材53が摩耗しても、低レリーズ荷重特性実現機構10におけるコーンスプリング36,37の姿勢は、元の状態に復帰させられる。つまり、低レリーズ荷重特性実現機構10において第2摩耗補償機構が実現されており、その結果、コーンスプリング36,37の姿勢は摩擦部材53が摩耗しても維持され、低レリーズ荷重特性実現機構10の荷重は一定に維持される。
In the clutch engaged state, the force (torque) for rotating the
なお、図5に示すように、クラッチ連結状態において、第1コーンスプリング36と支持リング40との間には隙間42が確保されている。より具体的には、支持リング40の内周部と第1コーンスプリング36との間にはプレッシャープレートの切れ代に相当する隙間が確保されている。一方、第1コーンスプリング36は、内周側が外周側より軸方向エンジン側に位置するような円錐形状となっているため、隙間42は外周側から内周側に向けて徐々に大きくなっている。レリーズ動作では、プレッシャープレート3、支持ボルト31及びアジャストナット32等が軸方向トランスミッション側に移動するため、コーンスプリング36の内周部が軸方向トランスミッション側に引き上げられる。やがて、コーンスプリング36が支持リング40の内周部に当接すると、プレッシャープレート3やアジャストナット32等の軸方向移動が停止する。このように、支持リング40と第1コーンスプリング36とによって、プレッシャープレートの移動量を制限するストッパー機構55が形成されている。このように、低レリーズ荷重特性実現機構10が第1摩耗補償機構8のストッパー機構55の機能を有しているため、構成が簡単になり、部品点数が少なくなる。さらに、レリーズ状態では、低レリーズ荷重特性実現機構10において支持ボルト31からアジャストナット32に対して軸方向の荷重が作用しているが、ネジ螺合によって大きな軸方向に大きな荷重が発生するため、第1摩耗補償機構8におけるオーバーアジャストが生じにくい。
As shown in FIG. 5, a
さらに、摩擦部材53が摩耗した場合であっても、前述したように、低レリーズ荷重特性実現機構10におけるコーンスプリング36,37の姿勢は、元の状態に復帰させられる。つまり、摩擦部材53が摩耗してもストッパー機構55における隙間42の大きさは一定に保たれる。
Further, even when the
(4)クラッチ連結・レリーズ動作
このクラッチカバー組立体1では、図示しないレリーズ装置がダイヤフラムスプリング4のレバー部4bの先端をトランスミッション側に引き出すと、ワイヤリング5を支点としてダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aの内周部が軸方向トランスミッション側に引き上げられる。これにより、環状弾性部4aがプレッシャープレート3を押圧しなくなり、プレッシャープレート3はストラッププレート7により摩擦部材53から引き離され、最後に摩擦部材53がフライホイール51から離れる(クラッチ解除状態)。
(4) Clutch connection / release operation In this
図示しないレリーズ装置がダイヤフラムスプリング4のレバー部4bの先端に荷重を与えていない状態で、環状弾性部4aはプレッシャープレート3に押圧荷重を与えている。その結果、クラッチディスク組立体52の摩擦部材53がフライホイール51に押し付けられ、クラッチディスク組立体52にトルクが伝達される(クラッチ連結状態)。
The annular
この状態で摩擦フェーシング53aが摩耗すると、エンゲージ状態においてプレッシャープレート3がフライホイール51側に移動する。そのため、低レリーズ荷重特性実現機構10において、支持ボルト31、アジャストナット32等も軸方向エンジン側に移動する。その結果、コーンスプリング36,37が変形し、それらと支持リング40との間の隙間42が大きくなる。しかしコーンスプリング荷重とアジャストスプリングのトルクにより発生するアジャストナット32の軸力とのバランスが崩れるので第2アジャストスプリング39のトルクでアジャストナット32が回転しコーンスプリング36,37の姿勢は元に戻り、隙間42も元に戻り一定値が保たれる。同時にこの状態ではプレッシャープレート3は摩擦部材53の摩耗分だけフライホイール51側に変位しており、その結果ダイヤフラムスプリング4の先端高さも変化している。本発明においてはレリーズ量は最大レリーズ時のダイヤフラムスプリング4の内径端(レバー部4bの先端)の位置で規定されており、具体的にはフライホイール51からの距離、もしくは図示しないクラッチハウジングの特定部分よりの距離で定めている。そのためダイヤフラムスプリング4をレリーズすると結果的に摩擦部材53の摩耗前よりレリーズ量が増えることになりファルクラムリング12と接触しているダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aも余分に移動する。しかし、図10に示すように、プレッシャープレート3の移動量は隙間42で一定に保たれるので、結果としてファルクラムリング12とダイヤフラムスプリング4の環状弾性部4aとの間に隙間Aを生じ、その隙間を埋める形で第1アジャストスプリング15のトルクで第2ネジ部材14が回転する。これで第1摩耗補償機構8の作動が完了する。
When the friction facing 53a is worn in this state, the
(5)低レリーズ荷重特性実現機構の別の実施例
図11を用いて、低レリーズ荷重特性実現機構71を説明する。低レリーズ荷重特性実現機構71は、前記実施形態の機構10と同様の機能を実現するための機構であり、クラッチカバー72に設けられている。なお、図11はクラッチ連結状態を示している。
(5) Another Example of Low Release Load Characteristic Realization Mechanism A low release load
支持ボルト73は、前記実施形態と同様に、プレッシャープレートから軸方向トランスミッション側に延びている。支持ボルト73の胴部73aは、クラッチカバー72に形成された孔72aを貫通している。その結果、胴部73aの一部及び頭部73bはクラッチカバー72の軸方向トランスミッション側に位置している。
The
スプリングユニット75は、クラッチカバーに形成された円形状の孔72bの軸方向トランスミッション側に配置されている。スプリングユニット75は、支持ボルト73と概ね同一半径方向位置に配置されている。スプリングユニット75は、一対の第1コーンスプリング77と、第2コーンスプリング78と、スプリングシート79と、スナップリング80と、第1部材81と、第2部材82とから構成されている。スプリングシート79は、クラッチカバー72の孔72bの回りに着座した筒状の部材である。第1部材81と第2部材82は、孔72b内に配置され、互いにネジによって堅く固定されている。第1部材81は外周側に延びる環状の突部81aを有し、第2部材82は突部81aに対して軸方向に隙間をあけて対向する部分82bを有している。
The
第1コーンスプリング77と第2コーンスプリング78の内周縁は、第1部材81と第2部材82との空間内に配置されている。具体的には、第1コーンスプリング77の内周縁は、第1部材81の突部81aに対して軸方向エンジン側から当接している。第2コーンスプリング78の内周縁は、第2部材82の部分82bに軸方向エンジン側から当接している。第1コーンスプリング77と第2コーンスプリング78の外周縁は、スプリングシート79によって支持されている。具体的には、スプリングシート79の軸方向トランスミッション側端の内周面にはスナップリング80が固定され、コーンスプリング77,78の軸方向エンジン側への移動を制限している。第2コーンスプリング78の外周縁は、スプリングシート79の軸方向エンジン側に形成された内周側突出部79aに軸方向トランスミッション側から当接している。第1コーンスプリング77の外周縁と第2コーンスプリング78の外周縁との間には、ワイヤリングが配置されている。第1コーンスプリング77の外周縁とスナップリング80との間には、ワイヤリングが配置されている。以上より、第1コーンスプリング77は第1及び第2部材81,82からなる構造体に対して軸方向トランスミッション側への荷重を与えることが可能であり、第2コーンスプリング78は第1及び第2部材81,82からなる構造体に対して軸方向エンジン側への荷重を与えることが可能である。クラッチ連結時には、コーンスプリング77,78はアーム部材76にほとんど荷重を付与していないが、クラッチレリーズ動作中にはアーム部材76に軸方向トランスミッション側に荷重を与えて、レリーズ荷重を低下させる。つまり、第1コーンスプリング77の荷重が第2コーンスプリング78の荷重より大きいことになる。
The inner peripheral edges of the first cone spring 77 and the
また、スプリングユニット75の荷重特性は、前記実施形態のコーンスプリング36,37の合成荷重特性(図7)と同等であり、またコーンスプリングユニット75の構造も、前記実施形態と同様なものであっても良い。
The load characteristic of the
アーム部材76は、支持ボルト73とスプリングユニット75とを連結させるための部材であり、本体部76aはクラッチカバー72に沿って延びている。本体部76aの一端には、第1係合部76bが形成されている。第1係合部76bは、本体部76aから軸方向エンジン側に延びる第1突出部76eと、その中心からさらに延びる第2突出部76fとから構成されている。第1突出部76eの端面は第1部材81の軸方向トランスミッション側面に当接しており、第2突出部76fは第1部材81の内側に入り込んでいる。本体部76aの他端には、第2係合部76cが形成されている。第2係合部76cは軸方向に延びる孔76dが形成されており、孔76dには支持ボルト73の胴部73aが摩擦係合している。ここでいう摩擦係合とは、所定荷重が作用するまでは固定状態であるが、所定荷重以上の荷重が作用すると滑りが生じることをいう。第2係合部76cは軸方向エンジン側に延びており、先端面がクラッチカバー72の孔72aの周囲の部分に当接している。
The
図11の状態からクラッチレリーズ動作を行うと、支持ボルト73及びアーム部材76が軸方向トランスミッション側に移動する。このとき、スプリングユニット75からアーム部材76に作用する荷重は徐々に大きくなっていく。以上より、低レリーズ荷重特性が得られる。なお、このとき、支持ボルト73と孔76dの摩擦係合部に対してスプリングユニット75からの荷重が作用するが、支持ボルト73と孔76dの間で滑りが生じない。その理由は、スプリングユニット75による荷重で孔76dが支持ボルト73に対して傾き、孔76dの両端部に軸方向の移動を阻止する力が働く。本体部76aの長さが孔76dの長さが孔76dの軸長に対して十分に長い場合は、そのロック荷重がスプリングユニット75の荷重を上回るため滑りを阻止することができる(いわゆるセルフロック現象)。
When the clutch release operation is performed from the state shown in FIG. 11, the
クラッチ連結状態で摩擦部材が摩耗すると、支持ボルト73はプレッシャープレートともに摩擦部材側に移動する。このときに、支持ボルト73と孔76dでは滑りが生じる。そのため、スプリングユニット75においてコーンスプリング77,78の姿勢は変化しない。つまり、摩擦部材の摩耗によって低レリーズ荷重特性実現機構71の荷重特性は変化しない。
When the friction member wears in the clutch engaged state, the
以上に述べたように、支持ボルト73とアーム部材76とからなる摩擦係合部において、クラッチ連結時に支持ボルト73に作用する抵抗をクラッチレリーズ時に支持ボルト73に作用する抵抗をより小さくしているため、低レリーズ荷重特性実現機構71の機能を維持したまま、プレッシャープレート3への押付荷重低減を防止できる。
As described above, in the friction engagement portion composed of the
(6)低レリーズ荷重特性実現機構及びストッパー機構の別の実施例
図12を用いて、他の実施例としての低レリーズ荷重特性実現機構110及びストッパー機構の他の実施例を説明する。なお、基本的な構造は第1実施形態と同様であるので、異なる部分を中心に説明する。
(6) Another Embodiment of Low Release Load Characteristic Realization Mechanism and Stopper Mechanism Another embodiment of the low release load
第2支持部材135は、筒状の部材であり、第1支持部材133の軸方向トランスミッション側部分の外周面にねじ又はかしめ等により堅く固定されている。アジャストナット132と第1支持部材133と第2支持部材135は、軸方向に一体に動く1つの構造となっている。また、第1支持部材133は外周側に延びる環状突部133aを有しており、第2支持部材135は外周側に延びる環状突部135aを有している。
The
一対の第1コーンスプリング136は並列に作用するように重ねて配置されており、内周縁が第2支持部材135の環状突部135aに軸方向エンジン側から当接しており、外周縁が支持リング138に軸方向トランスミッション側から当接している。支持リング138は、クラッチカバー102の孔111の回りの軸方向トランスミッション側に固定されている。第2コーンスプリング137は、内周縁が第1支持部材133の環状突部133aに軸方向トランスミッション側から当接しており、外周縁が支持リング138に軸方向エンジン側から当接している。以上より、第1コーンスプリング136は、アジャストナット132等からなる構造体に対して軸方向トランスミッション側への荷重を与えることが可能であり、第2コーンスプリング137はアジャストナット132等からなる構造体に対して軸方向エンジン側への荷重を与えることが可能である。コーンスプリング136,137は、クラッチ連結時にはアジャストナット132等にほとんど荷重を付与していないが、クラッチレリーズ動作中にはアジャストナット132等に軸方向トランスミッション側に荷重を与えて、レリーズ荷重を低下させる。つまり、第1コーンスプリング136の荷重が第2コーンスプリング137の荷重より大きいことになる。
The pair of first cone springs 136 are arranged so as to act in parallel, the inner peripheral edge is in contact with the
この実施形態では、低レリーズ荷重特性実現機構110は、さらに、カバー部材146を有している。カバー部材146は、ボルト131、スプリングホルダー143、アジャストナット132及びコーンスプリング136,137を覆う薄板状の部材である。カバー部材146の外周縁は、支持リング138とともにボルトでクラッチカバー102に固定される。このため、カバー部材146はクラッチカバー102と一体である。カバー部材146の中心部とスプリングホルダー143との軸方向間には所定の隙間142が確保されている。この隙間142がプレッシャープレートの切れ代に対応しており、カバー部材146がストッパー機構155を構成している。つまり、ボルト131に取り付けられたスプリングホルダー143がカバー部材146に当接するとプレッシャープレートの移動が停止する。なお、前述したように、低レリーズ荷重特性実現機構110の第2摩耗補償機構の機能によって、摩擦部材が摩耗しても隙間142の大きさは一定に保たれる。
In this embodiment, the low release load characteristic realizing
(7)第1摩耗補償機構の別の実施例
図13〜図15を用いて、本発明に係る他の実施形態としての摩耗補償機構229について説明する。なお、クラッチカバー組立体の基本的な構成は前記実施形態と同様であるので説明を省略する。
(7) Another Example of First Wear Compensation Mechanism A wear compensation mechanism 229 as another embodiment according to the present invention will be described with reference to FIGS. Since the basic configuration of the clutch cover assembly is the same as that of the above embodiment, the description thereof is omitted.
フルクラムリング223は、ダイヤフラムスプリング227からの荷重を受け、プレッシャープレート222とともにフライホイール202側に移動するための部材である。フルクラムリング223は、半径方向幅が短い筒状の部材であり、プレッシャープレート222の第2側面222bに形成された溝222c内に配置されている。フルクラムリング223とプレッシャープレート222の溝222cとの軸方向間には所定の間隔が確保されている。 The
摩耗補償機構229は、摩擦フェーシング211の摩耗量に応じてフルクラムリング223をプレッシャープレート222に対して軸方向トランスミッション側に移動させて、ダイヤフラムスプリング227の姿勢を維持するための機構であり、付勢機構224を備えている。
The wear compensation mechanism 229 is a mechanism for maintaining the posture of the
付勢機構224は、図13に示すように、プレッシャープレート222の溝222cとフルクラムリング223との間に配置されている。付勢機構224は、フルクラムリング223に対してプレッシャープレート222から離れる方向(軸方向トランスミッション側)にオフセット加重を与えるための機構である。付勢機構224は、主に、フルクラムリング223と回転プレート232と複数のリターンスプリング(図示せず)とから構成されている。フルクラムリング223の軸方向エンジン側面には、円周方向に所定距離だけ延びる複数の第1傾斜面223aが形成されている。図14に示すように、フルクラムリング223の第1傾斜面223aはR2方向端が高くなっており(エンジン側に突出している)、R1方向端が低くなっている。回転プレート232は、筒状の部材であり、溝222c内で円周方向に移動自在に配置されている。回転プレート232の軸方向エンジン側の側面は平坦な形状であり、溝222cの底面に当接している。回転プレート232の軸方向トランスミッション側の側面には、円周方向に所定距離だけ延びる複数の第2傾斜面232aが軸方向トランスミッション側面に形成されている。回転プレート232の第2傾斜面232aは第1傾斜面223aに対して相補的に当接するように形成・配置されており、両者によってくさび機構を構成している。
As shown in FIG. 13, the
リターンスプリング(図示せず)は、引っ張りコイルばねであって、回転プレート232をフルクラムリング223に対して回転方向R2側に引っ張っている。この結果、回転プレート232にはリターンスプリングから回転方向R2側への荷重を与えられている。この結果、フルクラムリング223は、回転プレート232から軸方向トランスミッション側すなわち回転プレート232から軸方向に離れる側に荷重(付勢機構224のオフセット荷重)を与えられている。後述するクラッチ摩耗補償時においてダイヤラムスプリング227がフルクラムリング223から離れていくときには、図15に示すように、回転プレート232はプレッシャープレート222及びフルクラムリング223に対して回転方向R2側に移動し、フルクラムリング223はプレッシャープレート222及び回転プレート232に対して軸方向トランスミッション側に移動する。
The return spring (not shown) is a tension coil spring that pulls the
(8)ストッパー機構の別の実施例
図16に示すように、規制機構225は、プレッシャープレート222の切れ制限機構であって、クラッチレリーズ時にプレッシャープレート222がクラッチディスク204の摩擦フェーシングから離れる方向に移動するのを制限する。規制機構225は、プレッシャープレート222の突出部222dに設けられている。ストッパー機構225は、ボルト245と、ブッシュ246とから構成されている。ボルト245は突出部222dの第2ボルト孔222fに螺合している。ボルト245は、クラッチカバー221の外周側部221bの第2軸方向孔221eを軸方向トランスミッション側に延びている。ブッシュ246は、ボルト245の胴部の外周面に摩擦係合するともに、クラッチカバー221の第2軸方向孔221eに対して所定距離だけ軸方向に移動可能に係合する筒状の部材である。ブッシュ246の軸方向トランスミッション側端にはスナップリング247が固定されている。スナップリング247の径は第2軸方向孔221eの径より大きく、さらにスナップリング247はクラッチカバー221の軸方向トランスミッション側面に当接している。ブッシュ246の軸方向エンジン側端には、外周側に延びるフランジ248が形成されている。フランジ248は円板状部分248aと、その外周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状部248bとから構成されている。フランジ248とクラッチカバー221の軸方向エンジン側面との間には所定の隙間が確保されている。この隙間の軸方向長さが、プレッシャープレート222がクラッチ連結状態とクラッチレリーズ状態との間でクラッチカバー221に対して移動可能な距離(切れ代)となっている。また、このフランジ248の軸方向エンジン側面にはコーンスプリング249が配置されている。コーンスプリング249の外周縁は、筒状部248bの内周面に固定されたスナップリング250によって円板状部分248aに固定されている。コーンスプリング249の内周縁は、円板状部分248aから軸方向に離れた位置にあり、ボルト245の胴部に当接している。ボルト245がブッシュ246に対して軸方向エンジン側に移動しようとする場合(クラッチ連結時に摩擦フェーシング211に摩耗が生じた場合)は、ボルト245に対してブッシュ246からスライド荷重が作用する。また、ボルト245がブッシュ246に対して軸方向トランスミッション側に移動しようとする場合(クラッチレリーズ時においてブッシュ246がクラッチカバー221に当接した以降)は、ボルト245に対してブッシュ246からスライド荷重が作用し、さらにコーンスプリング249は内周縁がボルト245に対して食い込む。このため、後者の場合にボルト245に作用するロック荷重は、前者のスライド荷重より大幅に大きくなっている。このように、ボルト245とブッシュ246は、コーンスプリング249によって、軸方向移動向きによってプレッシャープレート222に対してクラッチカバー221から作用する抵抗が変化するワンウェイロック機構を構成している。なお、ボルト245の先端には頭部245aが形成されており、頭部245aはブッシュ246の軸方向トランスミッション側面から所定距離だけ離れている。
(8) Another Example of Stopper Mechanism As shown in FIG. 16, the
(9)さらに他の実施形態
前記実施形態は本発明の一実施例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、前記実施形態はプルタイプのクラッチカバー組立体であるがプッシュタイプのクラッチカバー組立体にも本発明を適用できる。
( 9 ) Other Embodiments The above embodiments are merely examples of the present invention, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, the above embodiment is a pull type clutch cover assembly, but the present invention can also be applied to a push type clutch cover assembly.
1 クラッチカバー組立体
2 クラッチカバー
3 プレッシャープレート
4 ダイヤフラムスプリング
8 第1摩耗補償機構
9 付勢機構
10 低レリーズ荷重特性実現機構(低レリーズ荷重機構)
13 支持ボルト(支持部材)
12 ファルクラムリング
36,37 コーンスプリング
51 フライホイール
52 クラッチディスク組立体
53 摩擦部材
DESCRIPTION OF
13 Support bolt (support member)
12 Falcrum rings 36, 37
Claims (8)
前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく弾性部材を有する低レリーズ荷重機構と、
を備え、
前記弾性部材は複数の部材を組み合わせて構成されている、
クラッチカバー組立体。 A clutch cover assembly for pressing and releasing a friction member with a cushioning function of a clutch disk assembly on an engine flywheel,
A clutch cover fixed to the flywheel;
A pressure plate connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover and sandwiching the friction member with the flywheel;
A diaphragm spring supported by the clutch cover and biasing the pressure plate toward the flywheel;
A first wear compensation mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against wear of the friction member;
In the process in which the displacement amount of the diaphragm spring is increased by the cushioning function of the friction member by generating a load that is supported by the clutch cover and opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation. A low release load mechanism having an elastic member that reduces the pressing load of
Equipped with a,
The elastic member is configured by combining a plurality of members.
Clutch cover assembly.
前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく弾性部材を有する低レリーズ荷重機構と、
を備え、
前記弾性部材は前記クラッチカバーの前記摩擦部材側と軸方向反対側に配置されている、
クラッチカバー組立体。 A clutch cover assembly for pressing and releasing a friction member with a cushioning function of a clutch disk assembly on an engine flywheel,
A clutch cover fixed to the flywheel;
A pressure plate connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover and sandwiching the friction member with the flywheel;
A diaphragm spring supported by the clutch cover and biasing the pressure plate toward the flywheel;
A first wear compensation mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against wear of the friction member;
In the process in which the displacement amount of the diaphragm spring is increased by the cushioning function of the friction member by generating a load that is supported by the clutch cover and opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation. A low release load mechanism having an elastic member that reduces the pressing load of
With
The elastic member is disposed on the opposite side to the friction member side of the clutch cover in the axial direction .
Click latch cover assembly.
前記弾性部材は前記支持部材に対して前記摩擦部材側と軸方向反対側に荷重を付与する、請求項3に記載のクラッチカバー組立体。 A support member extending from the pressure plate to the clutch cover side;
The clutch cover assembly according to claim 3 , wherein the elastic member applies a load to the support member on an axially opposite side to the friction member side.
前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく弾性部材を有する低レリーズ荷重機構と、
を備え、
前記低レリーズ荷重機構は、前記摩擦部材の摩耗に対して前記弾性部材を摩耗前の姿勢に復帰させることで前記弾性部材の姿勢を維持するための第2摩耗補償機構をさらに有している、
クラッチカバー組立体。 A clutch cover assembly for pressing and releasing a friction member with a cushioning function of a clutch disk assembly on an engine flywheel,
A clutch cover fixed to the flywheel;
A pressure plate connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover and sandwiching the friction member with the flywheel;
A diaphragm spring supported by the clutch cover and biasing the pressure plate toward the flywheel;
A first wear compensation mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against wear of the friction member;
In the process in which the displacement amount of the diaphragm spring is increased by the cushioning function of the friction member by generating a load that is supported by the clutch cover and opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation. A low release load mechanism having an elastic member that reduces the pressing load of
With
The low release load mechanism further includes a second wear compensation mechanism for maintaining the posture of the elastic member by returning the elastic member to a posture before wear with respect to wear of the friction member .
Click latch cover assembly.
前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく弾性部材を有する低レリーズ荷重機構と、
を備え、
前記第1摩耗補償機構は、前記プレッシャープレートに設けられ前記ダイヤフラムスプリングに対する支点として機能するファルクラム部材と、前記ファルクラム部材を前記ダイヤフラムスプリング側に付勢する付勢機構と、前記プレッシャープレートの切れ量を制限するための制限機構とを有しており、
前記プレッシャープレートと前記ファルクラム部材は送りネジ機構によって互いに係合しており、前記付勢機構は前記ファルクラム部材に対して前記プレッシャープレートから軸方向に離れるようなトルクを付与している、
クラッチカバー組立体。 A clutch cover assembly for pressing and releasing a friction member with a cushioning function of a clutch disk assembly on an engine flywheel,
A clutch cover fixed to the flywheel;
A pressure plate connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover and sandwiching the friction member with the flywheel;
A diaphragm spring supported by the clutch cover and biasing the pressure plate toward the flywheel;
A first wear compensation mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against wear of the friction member;
In the process in which the displacement amount of the diaphragm spring is increased by the cushioning function of the friction member by generating a load that is supported by the clutch cover and opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation. A low release load mechanism having an elastic member that reduces the pressing load of
With
The first wear compensation mechanism includes a fulcrum member that is provided on the pressure plate and functions as a fulcrum for the diaphragm spring, an urging mechanism that urges the fulcrum member toward the diaphragm spring, and a cutting amount of the pressure plate. A limiting mechanism for limiting,
The pressure plate and the fulcrum member are engaged with each other by a feed screw mechanism, and the biasing mechanism applies a torque to the fulcrum member so as to be separated from the pressure plate in the axial direction .
Click latch cover assembly.
前記フライホイールに固定されたクラッチカバーと、
前記クラッチカバーに対して相対回転不能に連結され、前記フライホイールとの間で前記摩擦部材を挟むためのプレッシャープレートと、
前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを前記フライホイール側に付勢するダイヤフラムスプリングと、
前記摩擦部材の摩耗に対して前記ダイヤフラムスプリングの姿勢を維持するための第1摩耗補償機構と、
前記クラッチカバーに支持され、レリーズ動作中に前記ダイヤフラムスプリングの付勢力に対抗する荷重を発生することで、前記摩擦部材のクッショニング機能によって前記ダイヤフラムスプリングの変位量が増大する過程において、前記プレッシャープレートへの押付荷重を減らしていく弾性部材を有する低レリーズ荷重機構と、
を備え、
前記第1摩耗補償機構は、前記プレッシャープレートに設けられ前記ダイヤフラムスプリングに対する支点として機能するファルクラム部材と、前記ファルクラム部材を前記ダイヤフラムスプリング側に付勢する付勢機構と、前記プレッシャープレートの切れ量を制限するための制限機構とを有しており、
前記制限機構は、前記低レリーズ荷重機構に設けられている、
クラッチカバー組立体。 A clutch cover assembly for pressing and releasing a friction member with a cushioning function of a clutch disk assembly on an engine flywheel,
A clutch cover fixed to the flywheel;
A pressure plate connected to the clutch cover so as not to rotate relative to the clutch cover and sandwiching the friction member with the flywheel;
A diaphragm spring supported by the clutch cover and biasing the pressure plate toward the flywheel;
A first wear compensation mechanism for maintaining the posture of the diaphragm spring against wear of the friction member;
In the process in which the displacement amount of the diaphragm spring is increased by the cushioning function of the friction member by generating a load that is supported by the clutch cover and opposes the urging force of the diaphragm spring during the release operation. A low release load mechanism having an elastic member that reduces the pressing load of
With
The first wear compensation mechanism includes a fulcrum member that is provided on the pressure plate and functions as a fulcrum with respect to the diaphragm spring, an urging mechanism that urges the fulcrum member toward the diaphragm spring, and a cutting amount of the pressure plate. A limiting mechanism for limiting,
The limiting mechanism is provided in the low release load mechanism,
Clutch cover assembly.
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