JP4530623B2 - サラウンド回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はサラウンド回路に関し、特に、2チャンネルステレオ信号の差成分に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、臨場感のある音を再生するシステムとしては、聴取者の前方に2つのスピーカを左右に分けて配置し、各スピーカから異なる音を再生する2チャンネルステレオ方式が知られている。一方、聴取者の背後にもスピーカを左右に配置して立体音響を再生し、一層臨場感を増したサラウンド装置も公知である。
【0003】
かつてのサラウンド装置では、前方2つ、後方2つの合計4つのスピーカの音を別々に4チャンネル分作成しておき、各チャンネルの音を各チャンネルに対応する4つのスピーカで再生することが行われていた。ところが、近年、回路技術の進歩により、サラウンド信号処理回路を用いて2チャンネルステレオ信号から4チャンネルの出力信号を生成し、この4チャンネルの出力信号を聴取者の前方と後方の左右にそれぞれ配置した4つのスピーカで再生するサラウンド装置が出現している(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
このようなサラウンド装置のサラウンド信号処理回路には、2チャンネルのステレオ信号(左チャンネル信号Lと右チャンネル信号R)が入力される。サラウンド信号処理回路は、この2チャンネルステレオ信号を内部で信号処理することにより、左フロントスピーカで再生するチャンネル信号FL、右フロントスピーカで再生するチャンネル信号FR、左リヤスピーカで再生するチャンネル信号RL、及び右リヤスピーカで再生するチャンネル信号RRの4つの信号を生成して出力する。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−091600号公報(図4)
【特許文献2】
特開平7−040760号公報(第1図、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなサラウンド信号処理回路では一般に、ステレオ2チャンネル信号L,Rの相関成分を取り除いた差成分、例えば(L−R)成分に基づいて4チャンネルのサラウンド信号を生成しているために、入力される2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションが何らかの原因、例えば、FM電波受信時の電界強度変化や、マルチパスノイズで変動した場合、(L−R)成分が減少することによってサラウンド信号の音量が減少してしまい、リヤスピーカから出る音の大きさが変化したり、最悪の場合はリヤスピーカから音が出ないという不具合が発生してしまうという問題があった。
【0007】
この問題について、例えば、FMチューナで受信した電波から2チャンネルステレオ信号L,Rを再生し、この2チャンネルステレオ信号L,Rから4チャンネルの立体音響を再生する場合について図1を用いて説明する。
【0008】
図1(a)は強電界地域にアンテナ1とFMチューナ2が設置されている場合のサラウンド信号処理回路3の動作を示すものである。強電界地域では、FMチューナ2からはセパレーションの高い2チャンネルステレオ信号のL成分とR成分が出力される。この時は(L−R)成分が十分にあり、サラウンド信号処理回路3はこの(L−R)成分に基づいて左フロントスピーカSPFLで再生するチャンネル信号FL、右フロントスピーカSPFRで再生するチャンネル信号FR、左リヤスピーカSPRLで再生するチャンネル信号RL、及び右リヤスピーカSPRRで再生するチャンネル信号RRの4つの信号を生成して出力する。この結果、4つのスピーカSPFL,SPFR,SPRL,SPRRによって立体音響が再生される。
【0009】
図1(b)は弱電界地域にアンテナ1とFMチューナ2が設置されている場合のサラウンド信号処理回路3の動作を示すものである。弱電界地域では、FMチューナ2からはセパレーションの低い2チャンネルステレオ信号のL成分とR成分が出力され、最悪の場合、出力はL成分とR成分とが等しいモノラルとなる。この時は(L−R)成分が0となり、サラウンド信号処理回路3は、左フロントスピーカSPFLで再生するチャンネル信号FLと右フロントスピーカSPFRで再生するチャンネル信号FRは生成できるが、左リヤスピーカSPRLで再生するチャンネル信号RLと右リヤスピーカSPRRで再生するチャンネル信号RRを生成することができない。この結果、左フロントスピーカSPFLと右フロントスピーカSPFRからは音が再生されるが、左リヤスピーカSPRLと右リヤスピーカSPRRからは全く音が出ないことになる。
【0010】
このように、2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションが、FM電波受信時の電界強度で変化したり、マルチパスノイズで変動するような受信状況は、例えば、FMチューナが車両に搭載されている場合に発生する。
【0011】
そこで本発明は、セパレーションが受信状況により変動する2チャンネルステレオ信号を含む電波を受信し、復調して得られた2チャンネルステレオ信号L,Rと、2チャンネルステレオ信号L,Rの差成分(L−R)に基づいて4チャンネルサラウンド信号を生成するサラウンド回路において、入力される2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションが何らかの原因で悪化した場合でも、リヤスピーカから出る音の大小の変動や、音が全く出ないという不具合が発生することのないサラウンド回路を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明のサラウンド回路の第1の形態は、入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、2チャンネルステレオ信号と差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、サラウンド信号処理回路は、サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号としてリヤスピーカの駆動信号に加えるようにしたものを基本構成とし、これに遅延回路、圧縮回路や、セパレーションの検出手段を加え、加算信号を調整することを特徴としている。
【0013】
前記目的を達成する本発明のサラウンド回路の第2の形態は、入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、2チャンネルステレオ信号と差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、サラウンド信号処理回路は、サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号としてリヤスピーカの駆動信号に加えるようにしたものを基本構成とし、これに遅延回路、圧縮回路や、セパレーションの検出手段を加え、加算信号を調整することを特徴としている。
【0014】
前記第1又は第2の形態では、受信信号は、FM電波を受信して復調された2チャンネルステレオ信号である。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に基づいて、本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図2は本発明のサラウンド回路10を備えたオーディオシステムの一実施例の全体構成を示すものである。この実施例のオーディオシステムは、オーディオの聴取者30の左前方に配置された左フロントスピーカSPFL、右前方に配置された右フロントスピーカSPFR、左後方に配置された左リヤスピーカSPRL、及び右後方に配置された右リヤスピーカSPRRの4スピーカを使用するサラウンドシステムである。
【0041】
この実施例のオーディオシステムには、2チャンネルステレオ信号L,Rを出力するオーディオ再生機器として、アンテナ1に接続するチューナ2、CD(コンパクトディスク)プレーヤ4、MD(ミニディスク)プレーヤ5、及びカセットプレーヤ6があり、これらの再生機器の信号出力端子は全て切り換えスイッチ7に接続されている。この場合のチューナ2は、AMステレオチューナ、FMステレオチューナ、ステレオTVチューナ(地上波受信用、衛星波受信用)のいずれかである。また、プレーヤとしては、MD,CD,カセットのプレーヤ4,5,6以外にも、DVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤ、ハードディスクプレーヤ、半導体メモリの再生装置等がある。切り換えスイッチ7は、これらの再生機器から出力される2チャンネルステレオ信号L,Rのうちの1つをサラウンド回路10に出力する。切り換えスイッチ7は、サラウンド回路10の中に含めることもできる。
【0042】
チューナ2の内部には、アンテナ1で受信した電波を周波数変換して中間周波数を出力するフロントエンド2Aと、中間周波数を検波してオーディオ信号を取り出し、これから2チャンネルステレオ信号L,Rを生成して出力するマルチプレックス回路2Bとがある。フロントエンド2Aからは、アンテナ1で受信した電波の電界強度信号が出力されており、この電界強度信号はこのオーディオシステムの全体を制御するマイクロコンピュータ9に入力される。
【0043】
マイクロコンピュータ9には2チャンネルステレオ信号L,Rを出力する再生機器(チューナ2、CDプレーヤ4、MDプレーヤ5及びカセットプレーヤ6)の何れかを選択するための再生機器のセレクタ8が接続されており、この再生機器のセレクタ8で選択された再生機器に対応する切り換え信号がマイクロコンピュータ9から切り換えスイッチ7に出力される。この結果、再生機器のセレクタ8で選択された再生機器からの出力のみが、切り換えスイッチ7を通じてサラウンド回路10に出力される。
【0044】
また、FMチューナ2のマルチプレックス回路2Bからは、受信したステレオ信号L,Rのセパレーションを示す信号がマイクロコンピュータ9に出力され、マイクロコンピュータ9はこのセパレーション信号に基づいて、後述するサラウンド回路10内で生成されたリヤスピーカの駆動信号への他の信号の混合率を、混合率補正回路20に指示する。混合率補正回路20は、マイクロコンピュータ9からの指示に基づいて、サラウンド回路10に他の信号の混合率を指示する指示信号GL,GRを出力する。この混合率指示信号GL,GRについては以後の実施例の中で詳細に説明される。
【0045】
サラウンド回路10は、切り換えスイッチ7から入力された2チャンネルステレオ信号L,Rに基づいて、聴取者30の左前方に配置された左フロントスピーカSPFLへの信号FL、右前方に配置された右フロントスピーカSPFRへの信号FR、左後方に配置された左リヤスピーカSPRLへの信号RL、及び右後方に配置された右リヤスピーカSPRRへの信号RRを生成して出力する。
【0046】
ここで、以上のように構成された4スピーカサラウンドシステムにおける本発明のサラウンド回路10の内部の構成を、第1から第6の6つの実施形態、及びこの実施形態に属する実施例に基づいて説明する。なお、図2で説明した本発明のサラウンド回路10には、入力される左チャンネル用信号Lと右チャンネル用信号Rとから差信号(L−R)を生成し、2つの入力信号L,Rと差信号(L−R)に基づいて、聴取者30の前方に配置する2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FR、及び、聴取者の後方に配置する2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRを生成する機能を有する従来例と同じサラウンド信号処理回路3があるが、このサラウンド信号処理回路3の構成は公知であるのでここでは説明しない。
(1)第1の実施形態
この実施形態は、図2に示したサラウンド回路10内に設けられているサラウンド信号処理回路3で生成された2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一部をそれぞれ混合する形態である。
【0047】
図3(a)は第1の実施形態の第1の実施例の構成を示すものである。この実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに、それぞれ加算器12が設けられている。また、加算器12の手前のラインにはそれぞれ増幅器11Rが設置されている。そして、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRへの駆動信号FL、FRのラインは途中で分岐され、分岐されたラインがそれぞれ増幅器11Fを介して加算器12に接続されている。増幅器11Fと増幅器11Rの増幅率は固定でも良いが、後述するように、2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションに応じて可変とすることができる。
【0048】
以上のように構成された第1の実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRのラインを流れる信号の一部が混合される。この結果、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRがたとえ0になったとしても、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRには2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一部が流れるので、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから音が出なくなるという不具合を防止することができる。
【0049】
図3(b)は第1の実施形態の第2の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図3(a)で説明した第1の実施例の、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインにそれぞれ設けられた加算器12の後段側に遅延回路13がそれぞれ設けられたものである。2つの遅延回路13に設定する遅延時間は同じで良い。この遅延回路13により、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音に時間遅れが発生し、音が前方から来るように聴取者に聞こえ、音に方向感が出る。この第2の実施例によれば、前方からの音の方向性を保ったまま、従来の問題点を解消することができる。
【0050】
図3(c)は第1の実施形態の第3の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図3(a)で説明した第1の実施例の2つのフロントスピーカSPFL,SPFRへのラインの分岐点と増幅器11Fとの間に、遅延回路13Fがそれぞれ設けられたものである。2つの遅延回路13Fに設定する遅延時間は同じで良い。この遅延回路13Fにより、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音のうち、混合された2つのフロントスピーカSPFL,SPFR用の音のみに時間遅れが発生して音が前方から来るように聴取者に聞こえ、音に一層方向感が出る。この第3の実施例によれば、第2の実施例の効果に加えて、前方からの音の方向性が増大する。
【0051】
図3(d)は第1の実施形態の第4の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図3(c)で説明した第3の実施例の構成に加えて、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへのラインに設けられた増幅器11Rの前段側にも遅延回路13Rがそれぞれ設けられたものである。2種類の遅延回路13Fと13Rに設定する遅延時間は同じにしても良いが、異ならせることができる。この2種類の遅延回路13Fと13Rに設定する遅延時間を異ならせることにより、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る本来の音と、混合された2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの音との間に時間差を設けることができ、この結果、第4の実施例は、第3の実施例に比べて音場調整がし易くなる。例えば、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音に広がり感と一層の方向感を持たせることができる。
【0052】
図4(a)は第1の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第3の実施例において増幅器11Fの前段側に設けられていた遅延回路13Fが、増幅器11Fと加算器12の間に移されている。この構成の効果は第3の実施例と同じである。図4(b)は第1の実施形態の第4の実施例の第1の変形例の構成を示すものであり、図4(c)は第1の実施形態の第4の実施例の第2の変形例の構成を示すものである。第1の変形例では、第4の実施例において増幅器11Fの前段側に設けられていた遅延回路13Fが、増幅器11Fと加算器12の間に移されている。また、第2の変形例では、第4の実施例において増幅器11Rの前段側に設けられていた遅延回路13Rが、増幅器11Rと加算器12の間に移されている。これらの構成の効果は第4の実施例と同じである。
(2)第2の実施形態
この実施形態は、第1の実施形態のサラウンド回路の、サラウンド信号処理回路3から2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインに、圧縮回路14がそれぞれ設けられた形態である。ここで説明する第2の実施形態の第1から第4の実施例は、前述の第1の実施形態の第1から第4の実施例の構成に対応している。
【0053】
第2の実施形態における圧縮回路14は、具体的には、コンプレッサ回路、リミッタ回路等の信号のダイナミックレンジを抑えるものである。この圧縮回路14の作用により、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音の大小変動が低減される。そして、この2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音の大小変動を抑える効果は、フロントスピーカSPFL,SPFRから出る音をリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音に混合することにより、一層高まる。よって、以後の第2の実施形態の第1から第4の実施例は、ここではその構成のみを説明するに留める。
【0054】
図5(a)は第2の実施形態の第1の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第1の実施形態の第1の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。
【0055】
図5(b)は、第2の実施形態の第1の実施例の変形例の構成を示すものである。この第1の実施例の変形例が第1の実施例と異なる点は、圧縮回路14の位置のみである。すなわち、第1の実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14が設置されていたが、この変形例では、圧縮回路14は加算器12の後段側に設置されている点が第1の実施例と異なる点である。
【0056】
図6(a)は第2の実施形態の第2の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第1の実施形態の第2の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。
【0057】
図6(b)は第2の実施形態の第3の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第1の実施形態の第3の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。
【0058】
図6(c)は第2の実施形態の第4の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第1の実施形態の第4の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた遅延回路13Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。圧縮回路14は遅延回路13Rと増幅器11Rの間に設置されても良い。
【0059】
図7(a)は第2の実施形態の第2の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第2の実施例において増幅器11Rの前段側に設けられていた圧縮回路14が、遅延回路13と加算器12の間に移されている。図7(b)は第2の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第3の実施例において増幅器11Rの前段側に設けられていた圧縮回路14が、加算器12の後段側に移されている。図7(c)は第2の実施形態の第4の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第4の実施例において遅延回路13Rの前段側に設けられていた圧縮回路14が、加算器12の後段側に移されている。
【0060】
以上、種々の実施例及び変形例を説明したが、第2の実施形態におけるサラウンド信号処理回路3から2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインに設置する圧縮回路14の位置は特に限定されるものではなく、サラウンド信号処理回路3の出力信号の大きさに対応させて適宜決定すれば良い。
(3)第3の実施形態
この実施形態は、サラウンド信号処理回路3で生成された2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、サラウンド信号処理回路3への2チャンネルステレオ信号L,Rの一部をそれぞれ混合する形態である。
【0061】
図8(a)は第3の実施形態の第1の実施例の構成を示すものである。この実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに、それぞれ加算器12が設けられている。また、加算器12の手前のラインにはそれぞれ増幅器11Rが設置されている。そして、サラウンド信号処理回路3への2チャンネルステレオ信号L,Rの供給ラインが途中で分岐され、分岐されたラインがそれぞれ増幅器11Fを介して加算器12に接続されている。増幅器11Fと増幅器11Rの増幅率は固定でも良いが、後述するように、2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションに応じて可変とすることができる。
【0062】
以上のように構成された第3の実施形態の第1の実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに、2チャンネルステレオ信号L、Rの供給ラインを流れる信号の一部が混合されるので、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRがたとえ0になったとしても、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRには2チャンネルステレオ信号L、Rの一部が流れるので、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから音が出なくなるという不具合を防止することができる。
【0063】
図8(b)は第3の実施形態の第2の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図8(a)で説明した第1の実施例の、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインにそれぞれ設けられた加算器12の後段側に遅延回路13がそれぞれ設けられたものである。2つの遅延回路13に設定する遅延時間は同じで良い。この遅延回路13により、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音に時間遅れが発生し、音が前方から来るように聴取者に聞こえ、音に方向感が出る。この第2の実施例によれば、前方からの音の方向性を保ったまま、従来の問題点を解消することができる。
【0064】
図8(c)は第3の実施形態の第3の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図8(a)で説明した第1の実施例の2チャンネルステレオ信号L,Rの供給ラインの分岐点と増幅器11Fとの間に、遅延回路13Fがそれぞれ設けられたものである。2つの遅延回路13Fに設定する遅延時間は同じで良い。この遅延回路13Fにより、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音のうち、混合された2チャンネルステレオ信号L,Rのみに時間遅れが発生して音が前方から来るように聴取者に聞こえ、音に一層方向感が出る。すなわち、第3の実施例によれば、第2の実施例の効果に加えて、前方からの音の方向性が増大する。
【0065】
図8(d)は第3の実施形態の第4の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図8(c)で説明した第3の実施例の構成に加えて、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへのラインに設けられた増幅器11Rの前段側にも遅延回路13Rがそれぞれ設けられたものである。2種類の遅延回路13Fと13Rに設定する遅延時間は同じにしても良いが、異ならせることができる。この2種類の遅延回路13Fと13Rに設定する遅延時間を異ならせることにより、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る本来の音と、混合された2チャンネルステレオ信号L,Rによる音との間に時間差を設けることができ、この結果、第4の実施例は、第3の実施例に比べて音場調整がし易くなる。例えば、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音に広がり感と一層の方向感を持たせることができる。
【0066】
図9(a)は第3の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第3の実施例において増幅器11Fの前段側に設けられていた遅延回路13Fが、増幅器11Fと加算器12の間に移されている。この構成の効果は第3の実施例と同じである。図9(b)は第3の実施形態の第4の実施例の第1の変形例の構成を示すものであり、図9(c)は第3の実施形態の第4の実施例の第2の変形例の構成を示すものである。第1の変形例では、第4の実施例において増幅器11Fの前段側に設けられていた遅延回路13Fが、増幅器11Fと加算器12の間に移されている。また、第2の変形例では、第4の実施例において増幅器11Rの前段側に設けられていた遅延回路13Rが、増幅器11Rと加算器12の間に移されている。これらの構成の効果は第4の実施例と同じである。
(4)第4の実施形態
この実施形態は、第3の実施形態のサラウンド回路の、サラウンド信号処理回路3から2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインに、圧縮回路14がそれぞれ設けられた形態である。ここで説明する第4の実施形態の第1から第4の実施例は、前述の第3の実施形態の第1から第4の実施例の構成に対応している。
【0067】
第4の実施形態における圧縮回路14は、具体的には、コンプレッサ回路、リミッタ回路等の信号のダイナミックレンジを抑えるものである。この圧縮回路14の作用により、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音の大小変動が低減される。そして、この2つのリヤスピーカSPRL,SPRRから出る音の大小変動を抑える効果は、2チャンネルステレオ信号L,Rを、リヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL,RRに混合してやることにより、一層高まる。よって、以後の第4の実施形態の第1から第4の実施例は、ここではその構成のみを説明するに留める。
【0068】
図10(a)は第4の実施形態の第1の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第3の実施形態の第1の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。
【0069】
図10(b)は第4の実施形態の第1の実施例の変形例の構成を示すものである。この第1の実施例の変形例が第1の実施例と異なる点は、圧縮回路14の位置のみである。すなわち、第1の実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14が設置されていたが、この変形例では、圧縮回路14は加算器12の後段側に設置されている点が第1の実施例と異なる点である。
【0070】
図11(a)は第4の実施形態の第2の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第3の実施形態の第2の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。
【0071】
図11(b)は第4の実施形態の第3の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第3の実施形態の第3の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた増幅器11Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。
【0072】
図11(c)は第4の実施形態の第4の実施例の構成を示すものである。この実施例の構成は第3の実施形態の第4の実施例に対応しており、相違点は2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに設けられた遅延回路13Rの前段に圧縮回路14がそれぞれ設置されている点のみである。圧縮回路14は遅延回路13Rと増幅器11Rの間に設置されても良い。
【0073】
図12(a)は第4の実施形態の第2の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第2の実施例において増幅器11Rの前段側に設けられていた圧縮回路14が、遅延回路13と加算器12の間に移されている。図12(b)は第4の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第3の実施例において増幅器11Rの前段側に設けられていた圧縮回路14が、加算器12の後段側に移されている。図12(c)は第4の実施形態の第4の実施例の変形例の構成を示すものである。この変形例では、第4の実施例において遅延回路13Rの前段側に設けられていた圧縮回路14が、加算器12の後段側に移されている。
【0074】
以上、種々の実施例及び変形例を説明したが、第4の実施形態におけるサラウンド信号処理回路3から2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインに設置する圧縮回路14の位置は特に限定されるものではなく、サラウンド信号処理回路3の出力信号の大きさに対応させて適宜決定すれば良い。
(5)第5の実施形態
この実施形態は、サラウンド信号処理回路3で生成された2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一部を、加算器12Fによって加算した後に分岐してそれぞれ混合する形態である。言い換えれば、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRを加えてモノラル化したものの一部を加えるものである。
【0075】
第5の実施形態では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRを加えてモノラル化したものの一部を加えるために、リヤスピーカSPRL,SPRRから出る音のセパレーションは悪化するが、後方から安定して音が再生されるという利点がある。そして、この第5の実施形態では、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRを加えてモノラル化した後に分岐するという点を除いて、第1の実施形態と同じ実施例、及びその変形例が可能である。
【0076】
そこで、第5の実施形態では、第1の実施形態の第1から第4の実施例に対応する基本的な第1から第4の実施例と、1つの変形例の構成のみを説明するに留める。
【0077】
図13(a)は第5の実施形態の第1の実施例の構成を示すものである。この実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに、それぞれ加算器12が設けられている。また、加算器12の手前のラインにはそれぞれ増幅器11Rが設置されている。そして、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRへの駆動信号FL、FRのラインは途中で分岐され、分岐されたラインがそれぞれ増幅器11Fを介して加算器12Fに接続されている。加算器12Fの出力は2つに分岐されてそれぞれ加算器12に接続されている。増幅器11Fは、加算器12Fの後段に1つだけ設けても良い。
【0078】
図13(b)は第5の実施形態の第2の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図13(a)で説明した第1の実施例の、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインにそれぞれ設けられた加算器12の後段側に遅延回路13がそれぞれ設けられたものである。
【0079】
図13(c)は第5の実施形態の第3の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図13(a)で説明した第1の実施例の加算器12Fの後段に、1つの遅延回路13Fが設けられたものである。
【0080】
図13(d)は第5の実施形態の第4の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図13(c)で説明した第3の実施例の構成に加えて、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへのラインに設けられた増幅器11Rの前段側にも遅延回路13Rがそれぞれ設けられたものである。
【0081】
また、第5の実施形態では、第2の実施形態のように、サラウンド信号処理回路3から2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインに、圧縮回路14がそれぞれ設けられた実施例も可能である。
(6)第6の実施形態
この実施形態は、サラウンド信号処理回路3で生成された2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、サラウンド信号処理回路3への2チャンネルステレオ信号L,Rの一部を、加算器12Fによって加算した後に分岐してそれぞれ混合する形態である。即ち、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2チャンネルステレオ信号L,Rを加えてモノラル化したものの一部を加えるものである。
【0082】
第6の実施形態でも、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2チャンネルステレオ信号L,Rを加えてモノラル化したものの一部を加えるために、リヤスピーカSPRL,SPRRから出る音のセパレーションは悪化するが、後方から安定して音が再生されるという利点がある。そして、この第6の実施形態では、2チャンネルステレオ信号L,Rを加えてモノラル化した後に分岐するという点を除いて、第3の実施形態と同じ実施例、及びその変形例が可能である。
【0083】
そこで、第6の実施形態では、第3の実施形態の第1から第4の実施例に対応する基本的な第1から第4の実施例と、1つの変形例の構成のみを説明するに留める。
【0084】
図14(a)は第6の実施形態の第1の実施例の構成を示すものである。この実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインに、それぞれ加算器12が設けられている。また、加算器12の手前のラインにはそれぞれ増幅器11Rが設置されている。そして、2チャンネルステレオ信号L,Rの供給ラインは途中で分岐され、分岐されたラインがそれぞれ増幅器11Fを介して加算器12Fに接続されている。加算器12Fの出力は2つに分岐されてそれぞれ加算器12に接続されている。増幅器11Fは、加算器12Fの後段に1つだけ設けても良い。
【0085】
図14(b)は第6の実施形態の第2の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図14(a)で説明した第1の実施例の、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号RL、RRのラインにそれぞれ設けられた加算器12の後段側に遅延回路13がそれぞれ設けられたものである。
【0086】
図14(c)は第6の実施形態の第3の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図14(a)で説明した第1の実施例の加算器12Fの後段に、1つの遅延回路13Fが設けられたものである。
【0087】
図14(d)は第6の実施形態の第4の実施例の構成を示すものである。この実施例は、図14(c)で説明した第3の実施例の構成に加えて、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへのラインに設けられた増幅器11Rの前段側にも遅延回路13Rがそれぞれ設けられたものである。
【0088】
また、第6の実施形態では、第4の実施形態のように、サラウンド信号処理回路3から2つのリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインに、圧縮回路14がそれぞれ設けられた形態も可能である。
【0089】
図15(a)は第5の実施形態の第1の実施例の1つの変形例の構成を示す回路図である。第5の実施形態の第1の実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRを加えてモノラル化したものの一部を加えていたが、この変形例では、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRのうちの一方の一部を加える点が異なる。この変形例では、フロントスピーカSPFLの駆動信号FLの一部が加えられているが、フロントスピーカSPFRの駆動信号FRを加えても良い。
【0090】
図15(b)は第6の実施形態の第1の実施例の1つの変形例の構成を示す回路図である。第6の実施形態の第1の実施例では、2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに、2チャンネルステレオ信号L,Rを加えてモノラル化したものの一部を加えていたが、この変形例では、2チャンネルステレオ信号L、Rのうちの一方の一部を加える点が異なる。この変形例では、フロントスピーカSPFRの駆動信号FRの一部が加えられているが、フロントスピーカSPFLの駆動信号FLを加えても良い。
(7)第1から第6の実施形態における増幅器の増幅率調整
以上説明した第1から第6の実施形態には、増幅器11F及び増幅器11Rが使用されており、これらの増幅器のゲイン(増幅率)は、予め設定した固定値とすることもできるが、可変することもできる。この増幅器11F,11Rの増幅率を調整する場合について、第1の実施形態の第1の実施例の回路を例にとって説明する。
【0091】
図16(a)は第1の実施形態の第1の実施例の回路に、増幅率調整回路21が設けられた状態を示している。増幅率調整回路21は、図2で説明した混合率補正回路20からの混合率指示信号GL,GRを受けると、混合率指示信号GL,GRに合わせて増幅器11F及び増幅器11Rの増幅率を決定し、増幅器11F及び増幅器11Rの増幅率を制御する。
【0092】
2つのリヤスピーカSPRL,SPRRの駆動信号RL、RRに混合する、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FR、あるいは、2チャンネルステレオ信号L,Rの割合は、2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションが大きい時には小さくてよい。そこで、図2に示したマイクロコンピュータ9は、例えば、図16(b)に示すような特性をマップ化したデータを共通マップ、或いは増幅器個別のマップの形で記憶しており、2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションが大きい時には、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FR、あるいは、2チャンネルステレオ信号L,Rの混合率、すなわち、増幅器11F及び増幅器11Rの増幅率が小さくなるように制御する。
【0093】
また、2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションの値に所定の閾値を設定しておき、入力された2チャンネルステレオ信号L,Rのセパレーションがこの閾値よりも大きい時には、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FR、あるいは、2チャンネルステレオ信号L,Rの混合率、すなわち、増幅器11F及び増幅器11Rの増幅率が小さくなるように制御するようにしても良い。
【0094】
このような制御により、2チャンネルステレオ信号のセパレーションが大きい時には、サラウンド効果を発揮させるようにし、セパレーションが小さい時にはリヤスピーカから音が出ないという不具合を無くすことができる。
【0095】
更に、図2で説明した切り換えスイッチ7によって切り換えられる、2チャンネルステレオ信号L,Rのサラウンド回路10への入力ソースの種類によって、リヤスピーカへの駆動信号に加算する他の信号の加算量を制御するようにしても良い。例えば、CD,MD,カセット、DVD、ハードディスク、半導体メモリ等の記録媒体からステレオ信号を再生するプレーヤ系では、再生されるステレオ信号のセパレーションに変動がなく、電波を受信するチューナ系では受信環境によって再生されるステレオ信号のセパレーションに変動があるので、チューナ系ではリヤスピーカへの駆動信号に加算する他の信号の加算量が多くなるように制御し、プレーヤ系ではリヤスピーカへの駆動信号に加算する他の信号の加算量が少なくなるように制御しても良い。
(8)第7の実施形態
以上説明した第1から第6の実施形態は、聴取者30の左前方に配置された左フロントスピーカSPFL、右前方に配置された右フロントスピーカSPFR、左後方に配置された左リヤスピーカSPRL、及び右後方に配置された右リヤスピーカSPRRの4スピーカを使用するサラウンドシステムに本発明のサラウンド回路を適用したものであった。
【0096】
一方、第7の実施形態は、図17(a)に示すように、聴取者30の左前方に配置された左フロントスピーカSPFL、右前方に配置された右フロントスピーカSPFR、後方に1つだけ配置されたリヤスピーカSPRCの3スピーカを使用するサラウンドシステムに本発明のサラウンド回路を適用したものである。第7の実施形態では、サラウンド信号処理回路3で生成されたリヤスピーカSPRCの駆動信号RCに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一部、あるいは2チャンネルステレオ信号L,Rの一部が、混合された後に加えられている。
【0097】
図17(b)は第7の実施形態における1つの実施例の構成を示す回路図であり、第1の実施形態の第1の実施例に対応するものである。この実施例では、リヤスピーカSPRCへの駆動信号RCのラインに加算器12が設けられている。また、加算器12の手前のラインには増幅器11Rが設置されている。そして、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRへの駆動信号FL、FRのラインは途中で分岐され、分岐されたラインがそれぞれ増幅器11Fを介して加算器12Fに接続された後に、加算器12に接続されている。
【0098】
第7の実施形態には、この実施例の他に、以下のような実施例が可能である。
【0099】
(A)加算器12の前段又は後段側に遅延回路を備える。
【0100】
(B)増幅器11Fの前段又は後段側に遅延回路を備える。
【0101】
(C)増幅器11F,11Rの前段又は後段側にそれぞれ遅延回路を備える。
【0102】
(D)リヤスピーカSPRCへの駆動信号ラインに圧縮回路を備える。
【0103】
(E)2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一方の一部、あるいは2チャンネルステレオ信号L,Rの一方の一部がリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号のラインに加えられる。
(9)第8の実施形態
第8の実施形態は、図18(a)に示すように、左フロントスピーカSPFL、右フロントスピーカSPFR、左リヤスピーカSPRL、及び右リヤスピーカSPRRの4スピーカに加えて、聴取者30の前方中央に配置されたフロントセンタスピーカSPFCを加えた5スピーカを使用するサラウンドシステムに、本発明のサラウンド回路を適用したものである。第8の実施形態では、サラウンド信号処理回路3で生成された2つのリヤスピーカSPRLとSPRRの駆動信号RL,RRに、2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一部、あるいは2チャンネルステレオ信号L,Rの一部を加える第1形態と、フロントセンタスピーカSPFCの駆動信号FCの一部を加える第2形態とがある。
【0104】
図18(b)は第1形態の第1の実施例であり、サラウンド信号処理回路3から前方中央のセンタスピーカSPFCの駆動信号FCが増えただけであり、残りの構成は図3(a)で説明した第1の形態の第1の実施例の構成と全く同じであるので、その説明を省略する。図18(c)は第2形態の第2の実施例であり、2つのリヤスピーカSPRL,SPRCへの駆動信号RL,RRのラインに設けられた加算器12には、フロントセンタスピーカSPFCの駆動信号FCの一部が、増幅器11Fで増幅された後にそれぞれ加えられる。
【0105】
第8の実施形態には、この実施例の他に、以下のような実施例が可能である。
【0106】
(A)加算器12の前段又は後段側に遅延回路を備える。
【0107】
(B)増幅器11Fの前段又は後段側に遅延回路を備える。
【0108】
(C)増幅器11F,11Rの前段又は後段側にそれぞれ遅延回路を備える。
【0109】
(D)リヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号ラインにそれぞれ圧縮回路を備える。
【0110】
(E)2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRを混合した後の一部、あるいは2チャンネルステレオ信号L,Rを混合した後の一部が、分岐した後にそれぞれリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号のラインに加えられる。
【0111】
(F)2つのフロントスピーカSPFL,SPFRの駆動信号FL、FRの一方の一部、あるいは2チャンネルステレオ信号L,Rの一方の一部が、それぞれリヤスピーカSPRL,SPRRへの駆動信号のラインに加えられる。
(10)第9の実施形態
第9の実施形態は、図19(a)に示すように、左フロントスピーカSPFL、右フロントスピーカSPFR、左リヤスピーカSPRL、及び右リヤスピーカSPRRの4スピーカに加えて、フロントセンタスピーカSPFCとリヤセンタスピーカSPRCを加えた6スピーカを使用するサラウンドシステムに本発明のサラウンド回路を適用したものである。
【0112】
第9の実施形態では、リヤセンタスピーカSPRCにどのような信号を混合するかによって、以下の4つの実施例が考えられる。
【0113】
第1の実施例は、リヤセンタスピーカSPRCに、フロントセンタスピーカSPFCへの駆動信号FCの一部を混合するものであり、この構成が図19(b)に示される。その他の構成は第1の実施形態の第1の実施例と同じであるので、その説明を省略する。
【0114】
第2の実施例は、3つのリヤスピーカSPRL,SPRC,SPRRの全てに、フロントセンタスピーカSPFCへの駆動信号FCの一部を混合するものであり、この構成が図19(c)に示される。
【0115】
第3の実施例は、リヤセンタスピーカSPRCに、左フロントスピーカSPFLと右フロントスピーカSPFRへの駆動信号FLとFRの一部を混合した後に加えるものであり、この構成が図20(a)に示される。
【0116】
第4の実施例は、リヤセンタスピーカSPRCへの駆動信号RCに、左フロントスピーカSPFLへの駆動信号FLの一部が混合された後の左リヤスピーカSPRLへの駆動信号と、右フロントスピーカSPFRへの駆動信号FRの一部が混合された後の右リヤスピーカSPRRへの駆動信号とが、増幅回路11Cを経て加算器12Cに加えられるものであり、この構成が図20(b)に示される。
【0117】
第9の実施形態にも、第8の実施例と同様に、前述の(A)〜(F)の構成の実施例が可能である。
【0118】
なお、以上のように構成された本発明のサラウンド回路は、FMチューナを備えたサラウンドシステムが車両に搭載された場合において、車両が電波状態の悪い地域を走行した場合に特に有効である。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ステレオ2チャンネル信号の差成分に基づいて4チャンネルのサラウンド信号を生成するサラウンド回路において、入力されるステレオ2チャンネル信号のセパレーションが何らかの原因で悪化した場合でも、リヤのスピーカから出る音の大小の変動や、音が全く出ないという不具合が発生することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は強電界地域にFMチューナが設置されている場合のサラウンド処理回路の動作を示す図、(b)は弱電界地域にFMチューナが設置されている場合のサラウンド処理回路の動作の問題点を示す図である。
【図2】本発明のサラウンド回路を備えたオーディオシステムの全体構成図である。
【図3】本発明のサラウンド回路を4スピーカシステムに適用した場合の第1の実施形態を示しており、(a)は第1の実施形態の第1の実施例の構成を示す回路図、(b)は第1の実施形態の第2の実施例の構成を示す回路図、(c)は第1の実施形態の第3の実施例の構成を示す回路図、(d)は第1の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図4】(a)は第1の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示す回路図、(b)は第1の実施形態の第4の実施例の第1の変形例の構成を示す回路図、(c)は第1の実施形態の第4の実施例の第2の変形例の構成を示す回路図である。
【図5】本発明のサラウンド回路を4スピーカシステムに適用した場合の第2の実施形態を示しており、(a)は第2の実施形態の第1の実施例の構成を示す回路図、(b)は第2の実施形態の第1の実施例の変形例の構成を示す回路図である。
【図6】(a)は第2の実施形態の第2の実施例の構成を示す回路図、(b)は第2の実施形態の第3の実施例の構成を示す回路図、(c)は第2の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図7】(a)は第2の実施形態の第2の実施例の変形例の構成を示す回路図、(b)は第2の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示す回路図、(c)は第2の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図8】本発明のサラウンド回路を4スピーカシステムに適用した場合の第3の実施形態を示しており、(a)は第3の実施形態の第1の実施例の構成を示す回路図、(b)は第3の実施形態の第2の実施例の構成を示す回路図、(c)は第3の実施形態の第3の実施例の構成を示す回路図、(d)は第3の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図9】(a)は第3の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示す回路図、(b)は第3の実施形態の第4の実施例の第1の変形例の構成を示す回路図、(c)は第3の実施形態の第4の実施例の第2の変形例の構成を示す回路図である。
【図10】本発明のサラウンド回路を4スピーカシステムに適用した場合の第4の実施形態を示しており、(a)は第4の実施形態の第1の実施例の構成を示す回路図、(b)は第4の実施形態の第1の実施例の変形例の構成を示す回路図である。
【図11】(a)は第4の実施形態の第2の実施例の構成を示す回路図、(b)は第4の実施形態の第3の実施例の構成を示す回路図、(c)は第4の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図12】(a)は第4の実施形態の第2の実施例の変形例の構成を示す回路図、(b)は第4の実施形態の第3の実施例の変形例の構成を示す回路図、(c)は第4の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図13】本発明のサラウンド回路を4スピーカシステムに適用した場合の第5の実施形態を示しており、(a)は第5の実施形態の第1の実施例の構成を示す回路図、(b)は第5の実施形態の第2の実施例の構成を示す回路図、(c)は第5の実施形態の第3の実施例の構成を示す回路図、(d)は第5の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図14】本発明のサラウンド回路を4スピーカシステムに適用した場合の第6の実施形態を示しており、(a)は第6の実施形態の第1の実施例の構成を示す回路図、(b)は第6の実施形態の第2の実施例の構成を示す回路図、(c)は第6の実施形態の第3の実施例の構成を示す回路図、(d)は第6の実施形態の第4の実施例の構成を示す回路図である。
【図15】(a)は第5の実施形態の第1の実施例の変形例の構成を示す回路図、(b)は第6の実施形態の第1の実施例の変形例の構成を示す回路図である。
【図16】(a)は以上説明した実施例の回路に設けられた増幅器の増幅率を調整する回路構成を示す回路図、(b)は2チャンネルステレオ信号のセパレーションと各増幅器のゲイン特性の特徴を説明する代表特性図である。
【図17】(a)は本発明のサラウンド回路を3スピーカシステムに適用した第7の実施形態における各スピーカの配置例を示す図、(b)は第7の実施形態における1つの実施例の構成を示す回路図である。
【図18】(a)は本発明のサラウンド回路を5スピーカシステムに適用した第8の実施形態における各スピーカの配置例を示す図、(b)は第8の実施形態における第1の実施例の構成を示す回路図、(c)は第8の実施形態における第2の実施例の構成を示す回路図である。
【図19】(a)は本発明のサラウンド回路を6スピーカシステムに適用した第9の実施形態における各スピーカの配置例を示す図、(b)は第9の実施形態における第1の実施例の構成を示す回路図、(c)は第9の実施形態における第2の実施例の構成を示す回路図である。
【図20】(a)は第9の実施形態における第3の実施例の構成を示す回路図、(b)は第9の実施形態における第4の実施例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1…アンテナ
2…FMチューナ
3…サラウンド信号処理回路
7…切り換えスイッチ
8…操作器セレクタ
9…マイクロコンピュータ
10…本発明のサラウンド回路
11,11F,11R…増幅器
12,12C,12F…加算器
13,13F,13R…遅延回路
14…圧縮回路
20…混合率補正回路
21…増幅率調整回路
30…聴取者
SPFC…フロントセンタスピーカ
SPFL…左フロントスピーカ
SPFR…右フロントスピーカ
SPRC…リヤセンタスピーカ
SPRL…左リヤスピーカ
SPRR…右リヤスピーカ
Claims (12)
- 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも左右のフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも左右のリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記左右のフロントスピーカの駆動信号の一部は、前記左右のリヤスピーカの駆動信号への加算前に、第1の遅延回路によって所定時間遅延されるようにし、
前記左右のリヤスピーカの駆動信号は、前記左右のフロントスピーカの駆動信号の一部との加算前に、第2の遅延回路によって所定時間遅延されるようにし、
前記第1と第2の遅延回路の遅延時間を異ならせたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記左右チャンネル用信号の一部は、前記リヤスピーカの駆動信号への加算前に、第1の遅延回路によって所定時間遅延されるようにし、
前記左右リヤスピーカの駆動信号は、前記左右チャンネル用信号の一部との加算前に、第2の遅延回路によって所定時間遅延されるようにし、
前記第1と第2の遅延回路の遅延時間を異ならせたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記サラウンド信号処理回路からの前記リヤスピーカへの駆動信号は、前記加算信号との加算前に、各ラインにそれぞれ設けられた圧縮回路により圧縮されるようにし、
前記各圧縮回路の圧縮率を共通にしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記サラウンド信号処理回路からの前記リヤスピーカへの駆動信号は、前記加算信号との加算前に、各ラインにそれぞれ設けられた圧縮回路により圧縮されるようにし、
前記各圧縮回路の圧縮率を共通にしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも左右のフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記サラウンド信号処理回路からの前記リヤスピーカへの駆動信号、及びこの駆動信号に加えられる前記左右のフロントスピーカの駆動信号の一部は、各ラインにそれぞれ設けられた圧縮回路により加算後に圧縮されるようにし、
前記各圧縮回路の圧縮率を共通にしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記サラウンド信号処理回路からの前記リヤスピーカへの駆動信号、及びこの駆動信号に加えられる前記左右チャンネル用信号の一部は、各ラインにそれぞれ設けられた圧縮回路により加算後に圧縮されるようにし、
前記各圧縮回路の圧縮率を共通にしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記入力される左チャンネル用信号と右チャンネル用信号のセパレーションの検出手段を備え、検出したセパレーションの大きさによって、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を制御するようにし、
検出した前記セパレーションが大きい時には、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を小さくするようにしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記入力される左チャンネル用信号と右チャンネル用信号のセパレーションの検出手段を備え、検出したセパレーションの大きさによって、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を制御するようにし、
検出した前記セパレーションが大きい時には、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を小さくするようにしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記入力される左チャンネル用信号と右チャンネル用信号のセパレーションの検出手段を備え、検出したセパレーションの大きさによって、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を制御するようにし、
検出した前記セパレーションが所定の閾値より大きい時には、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を小さくするようにしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
前記入力される左チャンネル用信号と右チャンネル用信号のセパレーションの検出手段を備え、検出したセパレーションの大きさによって、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を制御するようにし、
検出した前記セパレーションが所定の閾値より大きい時には、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を小さくするようにしたことを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記フロントスピーカの駆動信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
入力される前記信号のソースを選択する手段を備え、選択されたソースの種類によって、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を制御するようにし、
前記信号のソースは、AMチューナ、FMチューナ及びTVチューナのうちの少なくとも1つのチューナ、及び記録媒体からステレオ信号を再生する少なくとも1つの再生装置、の少なくとも1つであり、
前記セパレーション検出手段は、前記チューナから出力されるステレオ信号のセパレーションを、前記チューナにより受信された電界強度に基づいて検出することを特徴とするサラウンド回路。 - 入力される2チャンネルステレオ信号の左チャンネル用信号と右チャンネル用信号とから差信号を生成し、前記2チャンネルステレオ信号と前記差信号に基づいてサラウンド信号を生成するサラウンド信号処理回路を備え、前記2チャンネルステレオ信号は、そのセパレーションが受信状況により変動する受信信号であるサラウンド回路において、
前記サラウンド信号処理回路は、前記サラウンド信号として聴取者の前方に配置する少なくとも2つのフロントスピーカの駆動信号、及び聴取者の後方に配置する少なくとも1つのリヤスピーカの駆動信号を生成し、
前記2チャンネルステレオ信号の一部を、加算信号として前記リヤスピーカの駆動信号に加えるようにし、
入力される前記信号のソースを選択する手段を備え、選択されたソースの種類によって、前記リヤスピーカへの駆動信号に加算する前記加算信号の加算量を制御するようにし、
前記信号のソースは、AMチューナ、FMチューナ及びTVチューナのうちの少なくとも1つのチューナ、及び記録媒体からステレオ信号を再生する少なくとも1つの再生装置、の少なくとも1つであり、
前記セパレーション検出手段は、前記チューナから出力されるステレオ信号のセパレーションを、前記チューナにより受信された電界強度に基づいて検出することを特徴とするサラウンド回路。
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