JP4528915B2 - トラクタ - Google Patents

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Description

本発明はトラクタに関し、特にトラクタの機関、変速機構、PTO変速機構等の動力機構を制御する動力機構制御装置に関する。
農用トラクタで各種作業を行う場合、従来は、目標とする作業精度等が得られるように、運転者がアクセルレバー又はアクセルペダル、走行変速レバー、PTO(Power Take Out)変速レバー等の操作(運転操作)によって動力機構である機関、変速機構、PTO変速機構の各運転条件、具体的には、機関回転数、走行速度段、PTO速度段を自由に設定している。そのため、農業機械の知識が豊富な農業機械士ですら、施肥、播種、防除といった軽負荷作業でも、約半数が燃料消費効率の低いスロットル3/4以上で作業しているのが現状である(例えば、非特許文献1参照)。また、同調査の結果によると、黒煙排出の多い過負荷状態で作業している割合は、ロータリ耕では約20%に達している。
生物系特定産業技術研究推進機構、乗用トラクタに関する使用実態調査結果概要、pp25、1992
図1は、耕うんピッチを約6cmと一定にし、走行速度段、PTO速度段及び機関回転速度を変えながら農用トラクタでロータリ耕を行ったときの、耕うん体積当たりの燃料消費量の比(a1、b1での条件を1.0としている)を示したものである(生物系特定産業技術研究支援センター農業機械化研究所平成15年度事業報告、p39、2004)。なお、図1において、曲線Q1は、フルスロットル時の全負荷出力曲線を示し、曲線Q2は、フルスロットル時の部分負荷出力曲線を示す。また、各記号a1(●)、a2(▲)、a3(◆)、a4(■)、b1(●)、b2(▲)、b3(◆)、b4(■)とPTO速度段及び走行速度段との関係は以下の表の通りである。
Figure 0004528915
図1でのa1→a2→a3→a4は、PTO速度段と走行速度段を1段ずつ上げて行くとともに、ほぼ一定の走行速度になるように機関回転速度を下げていった場合の値である。また、図1でのb1→b2→b3→b4は、PTO速度段と走行速度段を1段ずつ上げて行くとともに、走行速度が約20%ずつ上昇するように機関回転速度を下げて行った場合の値である。この図から、軽負荷作業時において、点a1及びb1のように、PTO速度段と走行速度段を低く設定し、高い機関回転速度で作業すると、燃料消費量が多くなる問題があることがわかる。
また図2は、農用トラクタにおける排気ガスの黒煙濃度が高い運転状態を示したものである(積栄:農用トラクタにおける排出ガスの現状、農業機械学会誌64(1)、p14-18、2002)。この図からわかるように、過負荷状態で作業を行うと、排気ガス中の黒煙濃度が高まる問題が発生する。なお、図2において、曲線Q1、Q2は、図1の場合と同様に、それぞれ、フルスロットル時の全負荷出力曲線及びフルスロットル時の部分負荷曲線を示す。
前述したように、トラクタの運転者は、走行変速レバー、PTO変速レバー、アクセルレバー又はアクセルペダル等の操作(運転操作)によって感覚的に動力機構の運転条件となる走行速度段、PTO速度段、機関回転速度等を選択しているので、前記燃料消費の観点や排ガスの観点から、その選択された運転条件が必ずしも適正なものではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、運転者が動力機構に対する操作を直接行なわなくても、適正な運転条件にて動力機構を動作させることのできる農用トラクタを提供するものである。
本発明のトラクタは、機関の回転速度を検出する機関回転速度検出手段と、機関の出力を検出する機関出力検出手段と、前記機関回転速度検出手段及び前記機関出力検出手段にて検出される前記機関の回転速度及び出力に基づいて動力機構の現行運転条件を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、複数の回転速度しきい値と複数の機関出力しきい値とに基づいて定まる複数の運転状態が規定された判定マップと、前記機関の回転速度及び出力とから現行の運転状態の判定を行い、複数の運転状態ごとに予め定められている制御処理のうち、前記現行の運転状態に対応する制御処理に従って、前記動力機構の現行運転条件を制御する構成となる。
このような構成により、動力機構の現行運転条件に応じて機関の回転速度及び出力が種々変化する過程で、前記機関の回転速度及び出力が検出され、その検出された前記機関の回転速度及び出力に基づいて前記動力機構の現行運転条件が予め定めた適正運転条件に制御される。
前記動力機構は、動力源(機関)及び動力伝達系に含まれる機構を含み得る。その動力機構の運転条件は、動力機構の動作状態を表すものであり、例えば、動力機構が変速機構であれば、その変速機構の動作状態を表す走行速度段が運転条件となり得、動作機構がPTO変速機構であれば、そのPTO変速機構の動作状態を表すPTO速度段が運転条件となり得、また、動力機構が動力源である機関(エンジン等)であれば、その機関の動作状態を表す機関回転数が運転条件となり得る。
前記適正運転条件は、所定の観点から適正であると定められた運転条件であり、例えば、燃料消費の観点から、あるいは、前記機関がディーゼルエンジンであれば、排気ガスの黒煙濃度の観点から適正運転条件を定めることができる。
また、本発明のトラクタは、前記機関出力検出手段が、機関の排気温度を検出する排気温検出手段と、前記排気温検出手段にて検出された排気温度と前記機関回転速度検出手段にて検出され回転速度とに基づいて前記機関の出力を演算する演算手段とを有する構成とすることができる。
このような構成により、機関の出力を直接検出しなくても、機関の回転速度と機関の排気温度とに基づいて当該機関の出力を得ることができる。
また、本発明のトラクタは、前記制御手段が、前記動力機構の現行運転条件となる変速機構の現行の走行速度段を制御する走行速度段制御手段を含む構成とすることができる。
このような構成により、変速機構の走行速度段が所定の観点から予め定められた適正な走行速度段に制御されるようになる。
更に、本発明に係るトラクタは、前記制御手段が、前記動力機構の現行運転条件となる前記機関の現行の回転速度を制御する機関回転速度制御手段を含み、前記機関回転速度制御手段が、前記機関の現行の回転速度を、前記現行の走行速度段と前記走行速度段制御手段による制御後の走行速度段との差と、前記走行速度段の単位変化に対する走行速度の変化率と、前記機関回転速度検出手段にて検出された前記機関の回転速度とに基づいて決まる回転速度に制御する構成とすることができる。
このような構成により、変速機構の走行速度段が適正な走行速度段に制御されると共に、機関の現行の回転速度が所定の観点から定められた適正な回転速度に制御されるようになる。
また、本発明のトラクタは、前記機関からの動力がPTO軸を介して供給されるべき作業機連結されている場合、前記制御手段が、前記動力機構の現行運転条件となるPTO変速機構の現行のPTO速度段を制御するPTO速度段制御手段を含む構成とすることができる。
このような構成により、PTO変速機構のPTO速度段が所定の観点から予め定められた適正なPTO変速段に制御されるようになる。
更に、本発明のトラクタは、前記制御手段が、前記動力機構の現行運転条件となる前記機関の現行の回転速度を制御する機関回転速度制御手段を含み、前記機関回転速度制御手段が、前記機関の現行の回転速度を、現行のPTO速度段と前記PTO速度段制御手段による制御後のPTO速度段との差と、前記PTO速度段の単位変化に対するPTO回転速度変化率と、前記機関回転速度検出手段にて検出された前記機関の回転速度とに基づいて決まる前記機関の回転速度に制御する構成とすることができる。
このような構成により、現行のPTO速度段が適正なPTO速度段に制御されると共に、機関の現行の回転速度が所定の観点から定められた適正な回転速度に制御されるようになる。
本発明によれば、検出された機関の回転速度及び出力に基づいて動力機構の現行運転条件が予め定めた適正運転条件に制御されようになるので、運転者が動力機構に対する操作を直接行なわなくても、適正な運転条件にて動力機構を動作させることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図3に示すように農用トラクタ100は、耕うん、施肥、播種、防除等の作業を行なうための作業機200が連結されている。農用トラクタ100は、機関(例えば、ディーゼルエンジン)につながるPTO(Power Take Out)軸40を有し、機関からの動力がPTO軸40を介して作業機200に伝達されるようになっている。また、農用トラクタ100の前方所定部位には、各種情報の提示を運転者に行なうためのモニタ装置20が設けられており、運転席近傍には、走行変速レバー31、PTO変速レバー32、アクセルレバー33及びアクセルペダル34が設けられている。
本発明の実施の形態に係る動力機構制御装置は、図4に示すように構成される。
図4において、この動力機構制御装置は、制御ユニット10、PTOスイッチ11、回転センサ12、排気温センサ13、記憶ユニット15、スロットルバルブ調整アクチュエータ16、変速アクチュエータ17、18及びモニタ装置20を有している。PTOスイッチ11は、農用トラクタ100の動力機構としてのPTO変速機構52に連結されるPTO変速レバー32に装着され、その段(例えば、1段乃至4段)及びPTOの使用の有無に応じたPTO操作位置信号を出力する。回転センサ12は、農用トラクタ100の動力機構としての機関50の出力軸の回転速度を検出し、その回転速度(以下、機関回転速度という)に応じて回転速度信号を出力する。排気温センサ13は、機関50の排気管を通る排気ガスの温度を検出し、その温度に応じた排気温検出信号を出力する。制御ユニット10は、PTOスイッチ11からのPTO操作位置信号、回転センサ12からの回転速度信号及び排気温センサ13からの排気温検出信号に基づいてスロットルバルブ調整アクチュエータ16及び各変速アクチュエータ17、18の駆動制御を行う。
スロットルバルブ調整アクチュエータ16は、機関50のスロットルバルブの開度調整を行なう。変速アクチュエータ17は、農用トラクタ100の走行用の変速機構51に連結する走行変速レバー31の切換え駆動を行なう。変速アクチュエータ18は、PTO軸40の速度段を切換えるPTO変速機構52に連結するPTO変速レバー32の切換え駆動を行なう。前述したスロットルバルブ調整アクチュエータ16及び各変速アクチュエータ17、18として、電気モータ、油圧シリンダ、電磁ソレノイドを用いることができる。モニタ装置20は、制御ユニット10の制御のもと、種々の情報を表示する。
記憶ユニット15は、図5乃至図8のそれぞれに示す機関回転速度と機関出力とに基づいて定まる運転状態領域の判定マップ(ROMテーブル等)を格納している。図5乃至図8それぞれでは、フルスロットル時の全負荷出力曲線Q1とフルスロットル時の部分負荷曲線Q2に挟まれる領域が複数の運転状態領域に分割されている。
図5は、PTO4段変速の農用トラクタ100においてPTO速度段が「1速」となる運転条件の場合に適用される運転状態領域を示す。具体的には、9個の機関回転速度しきい値A〜Iと13個の機関出力しきい値a〜mとによって特定される5つの運転状態領域(1)〜(5)が存在する。
この場合、例えば、運転状態領域(5)は、
「機関回転速度がA以上で、機関出力がl以下」及び
「機関回転速度がB以上A以下で、機関出力がm以下」
という条件により特定される。
図6は、PTO4段変速の農用トラクタ100においてPTO速度段が「2速」となる運転条件の場合に適用される運転状態領域を示す。具体的には、機関回転速度しきい値A〜Iと機関しきい値a〜mとによって特定される4つの運転状態領域(1)〜(4)が存在する。
この場合、例えば、運転状態領域(4)は、
「機関回転速度がA以上で、機関出力がh以下」、
「機関回転速度がB以上A以下で、機関出力がj以下」、
「機関回転速度がC以上B以下で、機関出力がl以下」及び
「機関回転速度がD以上C以下で、機関出力がm以下」
という条件により特定される。
図7は、PTO4段変速の農用トラクタ100においてPTO速度段が「3速」となる運転条件の場合に適用される運転状態領域を示す。具体的には、機関回転しきい値A〜Iと機関しきい値a〜mとによって特定される3つの運転状態領域(1)〜(3)が存在する。
この場合、運転状態領域(3)は、
「機関回転速度がA以上で、機関出力がe以下」、
「機関回転速度がB以上A以下で、機関出力がg以下」、
「機関回転速度がC以上B以下で、機関出力がh以下」、
「機関回転速度がD以上C以下で、機関出力がj以下」、
「機関回転速度がF以上D以下で、機関出力がl以下」及び
「機関回転速度がG以上F以下で、機関出力がm以下」
という条件により特定される。
図8は、PTOを使用しない農用トラクタ100に適用される運転状態領域を示す。具体的には、機関回転速度しきい値A〜Iと機関出力しきい値a〜mとによって特定される運転状態領域(1)〜(5)が存在する。
この場合、運転状態領域(5)は、
「機関回転速度がA以上で、機関出力がl以下」または
「機関回転速度がB以上A以下で、機関出力がm以下」
という条件により特定される。
前述した各運転状態領域は、燃料消費量の観点及び排気ガス中の黒煙濃度に基づいて区分されている。例えば、図5に示す例では、運転状態領域(1)は、燃費が適正となる領域であり、運転状態領域(3)、(4)、(5)の順番に燃費が悪くなる。また、運転状態領域(2)は、過負荷状態の領域であり、排気ガス中の黒煙濃度が最も高い領域である。この場合、運転状態領域(1)内の運転状態(機関回転数及び機関出力)にする運転条件(走行速度段、PTO速度段、機関回転速度)が適正運転条件となる。図6乃至図8に示す例においても、運転状態領域(1)が適正運転条件に対応する。
記憶ユニット15に格納される前記運転状態領域の判定マップは、各運転条件に対応付けられている。即ち、PTO速度段が「1速」という運転条件に図5に示す運転状態領域の判定マップが、PTO速度段が「2速」という運転条件に図6に示す運転状態領域の判定マップが、PTO速度段が「3速」という運転条件に図7に示す運転状態領域の判定マップが、PTOを用いないという条件には図8に示す運転状態領域の判定マップが、それぞれ対応づけられている。
制御ユニット10は、機関回転数と機関出力で決まる現行の運転状態が、運転状態領域(1)内となるように各動力機構(機関50、変速機構51、PTO変速機構52)の運転条件(機関回転数、走行速度段、PTO速度段)を制御する。具体的には、図9に示す手順に従って処理がなされる。
図9において、制御ユニット10は、回転センサ12からの回転速度信号を入力して機関回転速度を取得し(S1)、排気温センサ13からの排気温検出信号を入力して機関の排気温度を取得する(S2)。制御ユニット10は、前記機関回転速度と前記排気温度とに基づいて機関出力を推定演算する(S3)。機関(例えば、ディーゼルエンジン)では、機関回転速度と排気温度と機関出力との間には所定の関係があり、その関係に基づいて前記機関出力を演算することができる。また、機関回転速度及び排気温度を一定期間(例えば、10秒)測定して、その平均値を用いて機関出力を算出することが好ましい。機関出力の演算が終了すると、制御ユニット10は、PTOスイッチ11からのPTO操作位置信号を入力してPTO変速レバー32の操作位置を取得する(S4)。
次いで、制御ユニット10は、前記取得したPTO変速レバー32の操作位置に基づき、そのPTO速度段に対応させて記憶ユニット15に格納された運転状態領域の判定マップを用いて、前記取得した機関回転速度と前記演算された機関出力に対応する運転状態領域を判定する(S5)。例えば、PTO速度段が「1速」である場合には、図5に示す判定マップが用いられ、前記取得した機関回転速度がA以上であって、前記演算された機関出力がl以下であれば、その機関回転速度及び機関出力で決まる現行の運転状態が運転状態領域(5)内にあるとの判定結果が得られる。
制御ユニット10は、現行の運転状態がどの運転状態領域にあるかという判定結果に基づいて、運転条件制御処理を行なう(S6)。この運転条件制御処理は、動力機構である走行変速機構51の運転条件となる走行速度段を制御する走行速度段制御処理、動力機構であるPTO変速機構52の運転条件となるPTO速度段を制御するPTO速度段制御処理、及び動力機構である機関50の運転条件となる機関回転速度を制御する機関回転速度制御処理を含む。これらの制御処理は具体的に次のようになされる。
PTO速度段(S4で取得)が「1速」となる場合、図5に示す各運転状態領域に対応する制御処理は次表の通りとなる。
Figure 0004528915
即ち、機関回転速度(S1で取得)及び機関出力(S3で取得)で決まる現行の運転状態が運転状態領域(1)にあるとの判定がなされた場合(S5)、現行の運転条件(走行速度段、PTO速度段、機関回転数)が維持される。現行の運転状態が運転状態領域(2)にあるとの判定がなされた場合(S5)、制御ユニット10は、過負荷状態で黒煙が出ているので、現行の走行速度段(運転条件)を1段下げるように、変速アクチュエータ17に制御指示を行なう(走行速度段制御)。この制御指示に従った変速アクチュエータ17の動作によって走行変速レバー31が変速機構51の走行速度段を1段下げるように動かされる。現行の運転状態が運転状態領域(3)にあるとの判定がなされた場合(S5)、制御ユニット10は、燃費を良くするために、PTO速度段と走行速度段とを1段高くするように、変速アクチュエータ17及び18に制御指示を行なう。この制御指示に従った変速アクチュエータ17及び18の動作によって走行変速レバー31が変速機構51の走行速度段を1段上げるように動かされる(走行速度段制御)と共に、PTO変速レバー32がPTO変速機構52のPTO速度段を1段上げるように動かされる(PTO速度段制御)。
更に、制御ユニット10は、適正な運転条件となる機関回転速度を演算して、現行の機関回転速度をその演算で得られた機関回転速度となるように、スロットルバルブ調整アクチュエータ16に制御指示を行なう(機関回転速度制御)。この制御指示に従ったスロットルバルブ調整アクチュエータ16の動作によってスロットルバルブが調整され、機関50の回転速度が前記演算にて得られた機関回転速度に制御される。この適正な機関回転速度Nt(表2乃至表5の***rpm部分)は、次のようにして演算される。
現行の走行速度段と適正な走行速度段との差Δ(例えば、前記走行速度段の変化段数「1」)と、走行速度段を1段変更した場合(単位変化した場合)の走行速度変化率α(農用トラクタ100の性能に応じて予め設定される)と、前記取得した機関回転速度Nn(S1での処理)とを用いて、適正な機関回転速度Ntが、
Nt=Nn/(1+α×Δ) (1)
に従って演算する(S6b)。これにより、現行の機関回転速度Nn(取得された機関回転速度)より小さい値の機関回転速度が適正な機関回転速度Ntとして算出される。即ち、燃費削減に寄与することとなる(図1参照)。
現行の運転状態が運転状態領域(4)にあるとの判定がなされた場合(S5)、及び現行の運転状態が運転状態領域(5)にあるとの判定がなされた場合についても、表2に示される対応する制御処理(走行速度段制御、PTO速度段制御、機関回転速度制御)の内容となるように、各変速アクチュエータ17、18及びスロットルバルブ調整アクチュエータ16の動作制御がなされる。
PTO速度段(S4で取得)が「2速」となる場合、図6に示す各運転状態領域に対応する制御処理は次表の通りとなる。
Figure 0004528915
PTO速度段(S4で取得)が「3速」となる場合、図7に示す各運転状態領域に対応する制御処理は次表の通りとなる。
Figure 0004528915
また、PTOを用いない場合(S4で得られるPTO変速レバー32の位置が例えば「切」の場合)、図8に示す各運転状態領域に対応する制御処理は次表の通りとなる。
Figure 0004528915
表3乃至表5に示す場合も、表2に示す場合と同様に、制御ユニット10は、機関回転速度(S1で取得)及び機関出力(S3で取得)で決まる現行の運転状態が属する運転状態領域に対応した制御処理を行なう。なお、PTOが用いられない場合(表5に示す場合)は、PTO速度段の制御はなされない。
前述したように走行変速機構51、PTO変速機構52及び機関50の運転条件(走行速度段、PTO速度段、機関回転速度)を行なう動力機構制御装置によれば、機関回転速度及び機関出力で決まる運転状態が、常に、燃料消費の観点及び排気ガスの黒煙濃度の観点から適正となる運転状態領域(1)内に入るように、現行の走行速度段、PTO速度段、機関回転速度が適正な走行速度段、PTO速度段、機関回転速度に制御される。このため、運転者が動力機構(走行変速機構51、PTO変速機構52、機関50)に対する操作を直接行なわなくても、適正な運転条件にてそれら動力機構を動作させることができるようになる。その結果、軽負荷時に機関回転速度が高い運転条件となることが避けられ、燃料消費量を低減できるとともに、過負荷状態の運転が避けられて、排気ガス中の黒煙を低減させることができるようになる。
なお、前記制御されるべき機関回転速度Ntは、次式(2)によっても演算することができる。即ち、現行のPTO速度段と適正なPTO速度段との差Δpto(例えば、PTO速度段を3段高くした場合には「3」)と、PTO速度段を1段変更した場合(単位変化した場合)のPTO回転速度変化αptoと、前記取得した機関回転速度Nn(S1での処理)とを用いた
Nt=Nn/(1+αpto×Δpto) (2)
に従って適正な機関回転速度Ntを算出することができる。この場合も、現行の機関回転速度Nn(取得された機関回転速度)より小さい値の機関回転速度が適正な機関回転速度Ntとして算出される。
なお、動力機構としての走行変速機構51は、HSTやCVT等の無段変速装置とすることができる。この場合、連続的な走行速度段の制御が可能となる。
前述した動力機構制御装置において、例えば図10に示すような運転支援情報をモニタ装置20に表示させることができる。
図10において、この運転支援情報は、前述したのと同様に機関回転速度と機関出力とに基づいて定まる複数の運転状態領域を区分して表すバックグラウンド情報と、前記取得された機関回転速度と前記算出された機関出力とに対応した位置に付されるマーク(●)とで構成される。前記バックグラウンド情報の各運転状態領域に燃費の状態(「燃費悪」、「燃費やや悪」、「燃費ほぼ良」、「燃費良」)や黒煙の状態(「黒煙多」)を表す情報が付加されている。また、表示ユニット22がカラー表示可能なものであれば、前記バックグラウンド情報の各運転状態領域を燃費の状態及び黒煙の状態に応じて色分け(「赤色」、「黄色」、「黄緑色」、「緑色」、「灰色」)することが可能である。
制御ユニット10は、前記バックグラウンド情報とそのバックグラウンド情報の前記機関回転速度及び機関出力に対応した位置に重ね表示すべき前記マーク(●)とを運転支援情報として生成する。そして、その運転支援情報がモニタ装置20に提供され、モニタ装置20に図10に示すような運転支援情報が表示される。
モニタ装置20に表示されたこのような運転支援情報を見た運転者は、マーク(●)の位置により「燃費良」(「緑色」)の運転状態に適切に制御されているか否かを確認することができる。
走行速度段、PTO速度段及び機関回転速度を変えながら農用トラクタでロータリ耕を行ったときの、耕うん体積当たりの燃料消費量の比を示した図である。 農用トラクタにおける排気ガスの黒煙濃度が高い運転状態を示した図である。 作業機が連結された農用トラクタを示す図である。 本発明の実施の形態に係る農用トラクタの動力機構制御装置を示すブロック図である。 機関回転速度と機関出力とに基づいて定まる運転状態領域の判定マップ(PTO速度段が「1速」の場合)である。 機関回転速度と機関出力とに基づいて定まる運転状態領域の判定マップ(PTO速度段が「2速」の場合)である。 機関回転速度と機関出力とに基づいて定まる運転状態領域の判定マップ(PTO速度段が「3速」の場合)である。 機関回転速度と機関出力とに基づいて定まる運転状態領域の判定マップ(PTOを用いない場合)である。 制御ユニットの処理手順を示すフローチャートである。 表示出力された運転支援情報の一例を示す図である。
符号の説明
10 制御ユニット
11 PTOスイッチ
12 回転センサ
13 排気温センサ
15 記憶ユニット
16 スロットルバルブ調整アクチュエータ
17、18 変速アクチュエータ
20 モニタ装置
31 走行変速レバー
32 PTO変速レバー
33 アクセルレバー
34 アクセルペダル
40 PTO軸
50 機関
51 走行変速機構
52 PTO変速機構
100 農用トラクタ
200 作業機

Claims (6)

  1. 機関の回転速度を検出する機関回転速度検出手段と、
    機関の出力を検出する機関出力検出手段と、
    前記機関回転速度検出手段及び前記機関出力検出手段にて検出される前記機関の回転速度及び出力に基づいて動力機構の現行運転条件を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、複数の回転速度しきい値と複数の機関出力しきい値とに基づいて定まる複数の運転状態が規定された判定マップと、前記機関の回転速度及び出力とから現行の運転状態の判定を行い、複数の運転状態ごとに予め定められている制御処理のうち、前記現行の運転状態に対応する制御処理に従って、前記動力機構の現行運転条件を制御する、ことを特徴とするトラクタ。
  2. 前記機関出力検出手段は、機関の排気温度を検出する排気温検出手段と、
    前記排気温検出手段にて検出された排気温度と前記機関回転速度検出手段にて検出され回転速度とに基づいて前記機関の出力を演算する演算手段とを有することを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
  3. 前記制御手段は、前記動力機構の現行運転条件となる変速機構の現行の走行速度段を制御する走行速度段制御手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載のトラクタ。
  4. 前記制御手段は、前記動力機構の現行運転条件となる前記機関の現行の回転速度を制御する機関回転速度制御手段を含み、
    前記機関回転速度制御手段は、前記機関の現行の回転速度を、前記現行の走行速度段と前記走行速度段制御手段による制御後の走行速度段との差と、前記走行速度段の単位変化に対する走行速度の変化率と、前記機関回転速度検出手段にて検出された前記機関の回転速度とに基づいて決まる回転速度に制御することを特徴とする請求項3記載のトラクタ。
  5. 前記機関からの動力がPTO軸を介して供給されるべき作業機が連結されている場合、前記制御手段は、前記動力機構の現行運転条件となるPTO変速機構の現行のPTO速度段を制御するPTO速度段制御手段を含むことを特徴とする請求項3または4記載のトラクタ。
  6. 前記制御手段は、前記動力機構の現行運転条件となる前記機関の現行の回転速度を制御する機関回転速度制御手段を含み、
    前記機関回転速度制御手段は、前記機関の現行の回転速度を、現行のPTO速度段と前記PTO速度段制御手段による制御後のPTO速度段との差と、前記PTO速度段の単位変化に対するPTO回転速度変化率と、前記機関回転速度検出手段にて検出された前記機関の回転速度とに基づいて決まる前記機関の回転速度に制御することを特徴とする請求項5記載のトラクタ。
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