JP4521171B2 - オーバルカットしたダイヤモンド - Google Patents

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Description

本発明はダイヤモンドのカット、特にオーバルガードルを持ったダイヤモンドのカットで新規な反射光パターンを有するものに関するものである。
ダイヤモンドのカットとして一般に広く使われているものはラウンドブリリアントカットである。ラウンドブリリアントカットの変形としてオーバルガードルを持ったカットがある。
オーバルブリリアントカットでは断面がオーバルとなったガードルと、そのガードルの上部に設けられているとともに、その頂部にテーブルファセットを持ったクラウンと、ガードル下部にパビリオンを持つ。オーバルブリリアントカットにおけるクラウンとパビリオンはともにラウンドブリリアントカットにおける円形ガードルをオーバルガードルに代えたものとなっている。すなわち、オーバルブリリアントカットのパビリオンではオーバルガードルとそのガードルの長軸および短軸との交点および隣り合っている長軸と短軸とがなす角を2等分する2等分線とガードルとの8交点それぞれからキュレットに収束している8個のパビリオンメインファセットがある。パビリオンには隣り合っているパビリオンメインファセットとガードルとで囲まれた部分を2つに分けた楕円扇形あるいはほぼ三角形をしたロワーガードルファセットが16個ある。オーバルガードル外周上におけるガードル高さは一般的に全周に亘ってほぼ同じに作られているので長軸側に設けたパビリオンメインファセットのパビリオン角(パビリオンメインファセットとテーブルファセットとの角)に比べて短軸側にあるパビリオンメインファセットのパビリオン角が大きくなり、長軸と短軸との中間に設けたパビリオンメインファセットのパビリオン角はそれらのパビリオン角の中間となっていた。同様に、長軸側のロワーガードルファセットのテーブルファセットとなす角度よりも、短軸側のロワーガードルファセットのテーブルファセットとなす角度が大きくなっていた。
他方クラウンでは、八辺形をしたテーブルファセットの頂点のうち長軸側にある頂点を外方向にずらし、短軸側にある頂点を内側にずらして、長軸方向に少し延びた八辺形テーブルファセットとして、クラウンメインファセット(「ベーゼルファセット」と呼ぶことがある)の半径方向長さとクラウン角とを同じとすることができる。
その結果としてオーバルブリリアントカットダイヤモンドは8個のクラウン角を同じとして、8個のパビリオン角の間に差のあるものとなっていた。また16個のロワーガードルファセットがテーブルファセットとなす角度も違ったものとなっていた。パビリオン角とロワーガードルファセット角それぞれがこのように同じ値を持たないので、パビリオンメインファセットとロワーガードルファセットで反射された光およびそれらの面から出てくる光パターンはそれらの面での乱反射を受けているために一様なものとはならず、極めて細かい形状の反射パターンとなって特定が困難なものとなっていた。
宝石の鑑定にはダイヤモンドの正面から見た反射光パターンと裏から見た反射光パターンとを用いるのが一般である。例えば、ラウンドブリリアントカットダイヤモンドでは、正面から見た反射光パターンはテーブルファセット上に中心軸に関して対称に放射状のアロー(矢印)パターンが現れて、裏面から見た場合パビリオンのロワーガードルファセット上に中心軸に関して放射状のハートパターンが現れる。これらのパターンが観察されるかどうかが、そのダイヤモンドの加工が精度良く行われたかどうかのメルクマールとなっていたのである。しかし、従来のオーバルカットダイヤモンドでは裏から見た反射光パターンは図8に示すように特徴のないものとなっていた。
そこで、本発明の目的とするところは、特徴のある反射光パターンを持ったオーバルカットしたダイヤモンドを提供するものである。
すなわち、本発明は、パビリオンを中心軸の下方向から見たときに、ロワーガードルファセットに、中心軸を対称中心として4個あるいは8個のハート状反射光パターンが現れるオーバルカットしたダイヤモンドを提供するものである。
本発明のオーバルカットしたダイヤモンドは、柱状のガードルと、ガードル上部に設けられているとともに、その頂部に八辺形をしたテーブルファセットを持ったクラウンと、ガードル下部に設けられたパビリオンとを持つ。そのガードルはテーブルファセットと平行な断面の輪郭線が楕円をしている。パビリオンは、テーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸の下端に下頂点を有し、その下頂点とガードルとの間の周囲に8個のパビリオンメインファセットと16個のロワーガードルファセットとを持つ。
パビリオンメインファセットそれぞれは、
パビリオンの下頂点と柱状ガードルの外面との間で、ガードル断面の長軸、短軸および長軸と短軸とのなす角を2等分する2等分線のそれぞれの方向にパビリオンの下頂点から延びている四辺形あるいは四辺形のガードル側先端を切り取った形状であり、
隣り合っているパビリオンメインファセットとの間に前記下頂点を一端とする辺を共有している。そして、ロワーガードルファセットは、パビリオンメインファセットとガードル外面との間に形成されている。
ガードル断面の輪郭線が形成している楕円は、その長軸方向半径(以下、「長径」という)をa、その短軸方向半径(以下、「短径」という)をbと表したときに、短長径比(b/a)が0.6以上である。テーブルファセットはその最も長い対角線がその長軸方向に延びており、その長さの半分(以下、「長半径」という)(Del)が長径(a)によって0.375aと表される値以上となっている。各パビリオンメインファセットとテーブルファセットとの間のパビリオン角(p)が38.0度〜45.0度の間で同じ値をしている。隣り合っている2つのパビリオンメインファセットが共有している辺の他端までの中心軸からの距離の、中心軸を通りその2つのパビリオンメインファセットの1つを2分割する面への投影をロワーガードルファセット距離(Gd)と表したときに、ロワーガードルファセット距離(Gd)が長径(a)によって0.15a〜0.40aと表される値である。
本発明のオーバルカットしたダイヤモンドにおいて、ガードル断面の長軸、短軸および前記2等分線をそれぞれ8等分線、その8等分線それぞれとテーブルファセットに立てた中心軸とを含む平面を8等分面、そして隣り合う8等分面が中心軸の周りに作る角を2等分する面を第二の8等分面としたときに、
パビリオンメインファセットそれぞれは、
長軸とガードル外面との交点を中心軸の周りに回して描いた円と8等分面との交点それぞれと、パビリオン下頂点とを対頂点として持つとともに、
その下頂点を一端とするパビリオンメインファセットの辺およびその辺の他端とを、その8等分面を挟んで隣接する2つの第二の8等分面の上で、隣接するパビリオンメインファセットとの間で共有している、
四辺形あるいは四辺形のガードル側先端を切り取った形状である。ロワーガードルファセットそれぞれは、
隣接する2つのパビリオンメインファセットが共有している辺の他端と、それら隣接する2つのパビリオンメインファセットのうち一方のパビリオンメインファセットを通る8等分面と前記円との交点とを通るそのパビリオンメインファセットの側辺と、
前記共有辺の他端を通る第二の8等分面とガードル外面との交線上の点とその他端とを結ぶ線とに、
挟まれた3角形あるいは楕円扇形であることが好ましい。
本発明のオーバルカットしたダイヤモンドにおいて、ロワーガードルファセットそれぞれは、
隣接する2つのパビリオンメインファセットが共有している辺の他端と、それら隣接する2つのパビリオンメインファセットのうち一方のパビリオンメインファセットを通る8等分面と前記円との交点とを通るそのパビリオンメインファセットの側辺と、
当該他端を通る第二の8等分面と前記円との交点と当該他端とを結ぶ線とに、
挟まれた3角形あるいは楕円扇形であることが更に好ましい。
本発明のオーバルカットしたダイヤモンドにおいて、クラウンは更に、ガードルとテーブルファセットとの間の周囲に、8個の四辺形をしたクラウンメインファセットと、8個の三角形をしたスターファセットと、16個のアッパーガードルファセットとを持つことができる。そのテーブルファセットは、その対向する2頂点がテーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸から前記ガードル断面の長軸方向に同じ距離にあり、対向する他の2頂点が中心軸から前記ガードル断面の短軸方向に同じ距離にあり、他の4頂点それぞれは前記長軸と短軸とのなす角を2等分する2等分線の方向に中心軸から同じ距離にある。クラウンメインファセットそれぞれは、
8等分線がそれぞれガードル外面と交差する各点とテーブルファセットの各頂点とを対頂点としているとともに、
隣り合う8等分線がなす角を2等分する第二の8等分面の上で隣接するクラウンメインファセットそれぞれとの間で他の頂点を共有している、
四辺形である。スターファセットそれぞれは、
テーブルファセットの各辺を底辺として、
隣接する2つのクラウンメインファセットが共有している他の頂点を対頂点として持つ、
三角形である。アッパーガードルファセットそれぞれは、
クラウンメインファセットの側辺のうち、8等分面とガードル外面との交点と、当該クラウンメインファセットが隣接するクラウンメインファセットとの間で共有している頂点とを通る辺を底辺として、
当該頂点を通る第二の8等分面とガードル外面との交線上の点を頂点とする
三角形あるいは楕円扇形である。
短長径比(b/a)が0.7を超えた値で、パビリオン角(p)が38.0度〜43.5度であることが好ましい。また、パビリオン角(p)が38.0度〜39度であることが更に好ましい。テーブルファセットの長半径(Del)が長径(a)によって0.425aで表される値以上であることが好ましい。
本発明のオーバルカットしたダイヤモンドでは、下から観察したときに、すなわち中心軸の下端の方向から観察したときに、中心軸を対称の中心として、ハート状反射光パターンがロワーガードルファセットに4個好ましくは8個観察をすることができる。そのハート形が正しく出ていることをダイヤモンド加工の対称性の良さの尺度とすることができる。
本発明のオーバルカットをしたダイヤモンドをその実施例を示す図面に基づいて詳しく説明をする。図1は本発明の実施例によるオーバルカットしたダイヤモンドの上面図、図2はその底面図、図3は正面図、図4は側面図をそれぞれ示している。これらの図で、オーバルカットしたダイヤモンド100は柱状のガードル10と、そのガードル10の上部にクラウン20と、ガードル10の下部にパビリオン40を持つ。クラウン20はその頂部に八辺形をしたテーブルファセット22を持っている。図1はクラウン20を上部から見た図、図2はパビリオン40を底部から見た図となっている。
図1と図2から明らかなように、この実施例のオーバルカットしたダイヤモンドではそのガードル10,すなわちテーブルファセットと平行なガードル断面が楕円となっている。しかし、後で説明するようにガードル断面が楕円となっているものだけではなく、テーブルファセットと平行なガードル断面の輪郭線が楕円あるいは楕円に類似した形をしているダイヤモンドにも本発明は適用できるものである。
パビリオン40はテーブルファセット22の中心に垂直に立てた中心軸60の下端に下頂点62,すなわちキュレットを持つ。パビリオン40は下頂点62とガードル10との間がほぼ楕円錐形となっており、その外周に8個のパビリオンメインファセット42,44,46と16個のロワーガードルファセット52とを持つ。
説明の便宜上から、図に示すように、ガードル断面の輪郭線が形成している楕円の長軸方向をx軸、その短軸方向をy軸とする。そして、x軸(長軸)とy軸(短軸)とのなす角を2等分する2等分線を70とおく。
パビリオンメインファセットそれぞれは、下頂点62とガードル10の外面との間で、x軸方向、y軸方向、およびそれらの2等分線70の方向に下頂点62から延びており、x軸方向に延びたパビリオンメインファセット42は四辺形であり、y軸方向のパビリオンメインファセット46と2等分線方向のパビリオンメインファセット44とは四辺形の先端を切り取った形状となっている。そして、パビリオンメインファセット42は隣り合っているパビリオンメインファセット44との間に下頂点62を一端とする辺86を共有している。他のパビリオンメインファセット44,46についても同様に隣り合っているパビリオンメインファセットとの間に下頂点62を一端とする辺86を共有している。
ロワーガードルファセット52それぞれは、パビリオン楕円錐形外周面上で、パビリオンメインファセット42,44,46とガードル10の外面との間に形成されている。
ガードル断面の輪郭線が形成している楕円で、図1に示すように、x軸方向すなわち長軸方向半径(長径)をa、y軸方向半径(短径)をbと表す。本発明のオーバルカットしたダイヤモンドではその短長径比(b/a)が0.6以上あることが必要で、好ましくは0.7を超えている。また、テーブルファセット22の最も長い対角線がx軸方向(長軸方向)に延びており、その対角線長さの半分すなわちテーブルファセットの長半径(Del)は、長径(a)によって0.375aと表される値以上になっている。
パビリオンメインファセットそれぞれがテーブルファセットとなす角(p)が38.0度〜45.0度の間で同じ値をしている必要がある。
また、隣り合っている2つのパビリオンメインファセット42と44,あるいは44と46が共有している辺86の他端87までの中心軸60からの距離の、中心軸60を通りそれらパビリオンメインファセットのうち1つ、例えばパビリオンメインファセット42を2等分する面、ここではx軸と中心軸60とを含む面への投影をロワーガードルファセット距離(Gd)としたときに、ロワーガードルファセット距離(Gd)が長径(a)によって0.15a〜0.40aと表される値である。
この実施例を用いてオーバルカットしたダイヤモンド100の形状を、特にパビリオンの形状について更に詳しく説明する。
x軸すなわち長軸とガードル10の外面との交点48を中心軸60の回りに回して描いた円47を考える(図2参照)。x軸、y軸およびそれらの2等分線70(以下、「8等分線」ということがある)のそれぞれと中心軸60とを含む平面(以下、「8等分面」ということがある)が、円47と点48,49および50で交わる。パビリオンメインファセット42,44,46のそれぞれは、下頂点62と点48,49,50のそれぞれとを対頂点として持つ。ここで、隣り合う8等分面が中心軸60の周りに作る角を2等分する面を第二の8等分面80と呼ぶと、下頂点62を一端とした辺86と、その辺86の他端87とを、その8等分面を挟んでいる隣接する2つの第二の8等分面80の上で、隣接するパビリオンメインファセットとの間で共有している。このように、各パビリオンメインファセットは仮想円47の円周上の点と下頂点62とを対頂点として、それらを結ぶ対角線を持っており、その対角線がテーブルファセットとなす角(パビリオン角)が同じとなっている。図2から明らかなように短軸側では、ガードル10の半径が仮想円47の半径よりも小さくなっているので、短軸側にあるパビリオンメインファセット46のガードル側先端が切断されて部分四辺形となっている。
ロワーガードルファセット52それぞれは、図2を参照して、隣接する2つのパビリオンメインファセット(例えば、42と44)が共有している辺86の他端87と、8等分面と円47との交点49とを通る辺(線分87−49)を持つ。そして、その他端87を通る第二の8等分面80とガードル10の外面との交線上の点54と他端87とを結ぶ線(線分54−87)を、ロワーガードルファセット52は他辺として持つ。より厳密に言うと、その他辺はその第二の8等分面80と円47との交点53と、その他端87とを結ぶ線(線分53−87)である。そこでロワーガードルファセット52は線分87−49と線分54−87あるいは線分53−87とで挟まれた3角形あるいは楕円扇形である。
本発明ではクラウンにあるクラウンメインファセット、スターファセット、アッパーガードルファセットなどクラウンファセットの形状はそれほど重要ではない。しかし、クラウン20はテーブルファセット22の他に、8個の四辺形をしたクラウンメインファセット26と、8個の三角形をしたスターファセット32と、16個のアッパーガードルファセット36とを持つことができる。
テーブルファセット22の対向する2頂点23は中心軸60からx軸方向(長軸方向)に同じ距離にあり、他の対向する2頂点24は中心軸60からy軸方向(短軸方向)に同じ距離にあり、他の4頂点25それぞれは長軸(x軸)と短軸(y軸)とのなす角を2等分する2等分線70の方向に中心軸60から同じ距離にある。
クラウンメインファセット26それぞれは、8等分線がそれぞれガードル10の外面と交差する各点27,29および28とテーブルファセット22の各頂点23,24および25とを対頂点27と23,29と24および28と25として、隣り合う8等分線(例えば、70とx軸)がなす角を2等分する第二の8等分面80の上で隣接するクラウンメインファセット26との間で他の頂点21を共有している四辺形であることが好ましい。
スターファセット32それぞれは、テーブルファセット22の各辺(例えば、線分23−25)を底辺として、隣接する2つのクラウンメインファセット26と26が共有している他の頂点21を持つ三角形であることが好ましい。
アッパーガードルファセット36それぞれは、クラウンメインファセット26が隣接するクラウンメインファセットとの間で共有している頂点21と、8等分面とガードル外面との交線上の点(例えば27)とを通る線分(21−27)を底辺として、その頂点21を通る第二の8等分面80とガードル外面との交線上の点38を頂点とするものであることが好まし。それは通常三角形であるが、図にあるようにガードルとの交線が楕円弧となっている楕円扇形の場合がある。
上で説明した本発明の実施例の構造を持ったオーバルカットしたダイヤモンドを用いてその反射光パターンを観察すると、パビリオンのロワーガードルファセット上に図6および図7に示すような反射光パターンが現れた。観察は図5に示すように、平板502上にテーブルファセットを下向きにして置き、周辺からの光を円筒503で遮断して、オーバルカットしたダイヤモンド100のパビリオンからその中心軸に対して0〜20°の角度で光線504を照射した。ダイヤモンド100の中で反射してパビリオン上に現れた反射光パターンをデジタルカメラ510で撮像して、それをCRT520で観察、あるいはそれをプリントして観察した。
図6に示す反射光パターンは、本発明の実施例のオーバルカットしたダイヤモンドで、短長径比(b/a)が0.85,テーブルファセットの長半径(Del)が0.5a,ロワーガードルファセット距離(Gd)が0.25a,パビリオン角(p)が38.5度のものについて観察したものである。このダイヤモンドではハート状反射光パターンが中心軸に関して対称に各ロワーガードルファセットに合計8個現れている。
図7に示す反射光パターンは、本発明の実施例の他のオーバルカットしたダイヤモンドで、短長径比(b/a)が0.68,テーブルファセットの長半径(Del)が0.5a,ロワーガードルファセット距離(Gd)が0.25a,パビリオン角(p)が38.5度のものについて観察したものである。このダイヤモンドではハート状反射光パターンが中心軸に関して対称に長軸に近いロワーガードルファセットに合計4個現れている。短軸側のロワーガードルファセットに現れているパターンはハートの上部が潰れている。このように本発明のオーバルカットしたダイヤモンドではハート状反射光パターンが4個あるいは8個現れるのである。
パビリオンのロワーガードルファセットに現れるハート状反射光パターンは、パビリオンメインファセットの下頂点付近からダイヤモンドに入射した光によるパビリオンメインファセットの像がテーブルファセットで反射して、それがロワーガードルファセットに写ったものである。図9はオーバルカットしたダイヤモンドを図2のx軸と第二の8等分面80との間で切断した断面を用いて、ダイヤモンドに入射した光の光路を模式的に示している。入射光がパビリオンメインファセット42′に入射してテーブルファセット22で反射し、それが反対側のロワーガードルファセット52に写り観察されるのである。この図で断面のハッチングは図が煩雑になるので省略している。
図2でx軸の方向にあるパビリオンメインファセット42のすぐ上にあるロワーガードルファセット52に現れるハート状反射光パターン90を図10に拡大して模式的に示している。そして、ハート状反射光パターンを形成している光がダイヤモンド内に入射するファセットである−x軸の方向にあるパビリオンメインファセット42′を拡大して図11に示している。図11のパビリオンメインファセット42′と図10のハート状反射光パターン90とを対応させて説明する。下頂点62近くのパビリオンメインファセット内に入射した光が、図10のハート状反射光パターン90のR部近くに出てきて、パビリオンメインファセット42′の下頂点62のところにある頂角rがハート状反射光パターン90の頂角Rとなる。下頂点62とパビリオンメインファセット42′の頂点87′とを結ぶ側辺86′が図10のハート状反射光パターンのRS線に対応する。しかし、ロワーガードルファセット距離(Gd)が大きいときには像がロワーガードルファセット52の幅よりも大きくなるので、第二の8等分面80上にあるロワーガードルファセット52の稜線によって切られたパビリオンメインファセット42′のrs像がロワーガードルファセット52上にRS線として現れる。しかし、そのときは、ハート状反射光パターン90上のS点がパビリオンの半径外方向に移動してくるので、ハート状反射光パターン中央の切り込みが浅くなってくる。反対にロワーガードルファセット距離(Gd)が小さくなると、側辺86′の像が完全にロワーガードルファセット52に生じる。また、テーブルファセット22で反射した像なので、テーブルファセット22の半径が小さくなるとハート状反射光パターン90のR部が削られてくる。
パビリオンメインファセット42′で下頂点62と頂点87″とを結ぶ側辺86″がハート状反射光パターン90のRQ線に対応する。そして、頂点87″と頂点48′とを結ぶ側辺がハート状反射光パターンのQP線に対応する。パビリオンメインファセット42′のロワーガードルファセット距離(Gd)が大きいほど、パビリオンメインファセット42′の幅が広くなり頂点87″が図11の上で下頂点62から遠くに移動する。それに伴い、ロワーガードルファセット52が小さくなるので、ハート状反射光パターン90のP点が半径外方向に移動する。
ここでは、テーブルファセットの半径とロワーガードルファセット距離(Gd)とがハート状反射光パターンに及ぼす影響を定性的に説明したが、それ以外にガードル断面の短長径比(b/a)およびパビリオン角(p)も影響がある。以下それらの影響について検討した結果を述べる。
本発明のオーバルカットしたダイヤモンドでは、パビリオンメインファセットがテーブルファセットとなす角、すなわちパビリオン角(p)がそのダイヤモンドの中で同じ値でなければならない。隣り合っている2つのパビリオンメインファセット、例えば図2で42と44とが違った値のパビリオン角を持っていると、それらの間に挟まれている2つのロワーガードルファセット52が中心軸60に対して傾くために、2つのロワーガードルファセットに写ったハート状反射光パターンの左半分と右半分との形が歪んで来たり、像がそのファセット上に結ばなくなる。そこで以下の検討においては、1個のダイヤモンドの持つパビリオンメインファセットそれぞれのパビリオン角が同じ値であるとした。
検討1 テーブルファセットの長半径(Del)の影響
上で説明したように、テーブルファセットの半径が小さくなるとハート状反射光パターン90のR部が削られ、あるいは切り取られてくるので、まずテーブルファセットの長半径(Del)を変えたときのハート状反射光パターンへの影響を調べた。ガードル断面の短長径比(b/a):0.8,クラウン角(c):26度で、ロワーガードルファセット距離(Gd)を0.15aと一定にしたオーバルカットしたダイヤモンドで、パビリオン角(p)を38.0度から41.5度まで変えるとともに、テーブルファセットの長半径(Del)を0.35aから0.625aまで変えたものを用意して、図5を参照して説明した観察方法に従ってハート状反射光パターンを観察した。ハート状反射光パターンを数値的に評価するために、図12に示すように、ハート状反射光パターン90の全体長さをL、中央の切り込み深さをDとして、その比(D/L)を用いた。D/Lが0.1以下となると中央の切り込み深さがあまりにも浅くなり場合によっては三角形となって、ハート状反射光パターンとは呼べない。反対にD/Lが0.6以上となると、鏃の先端のようになりハート状反射光パターンとは呼べない。そこで、D/Lが0.1〜0.6の間のときにハート状反射光パターンと呼ぶことができる。D/Lが0.2〜0.5の間では更に好ましいハート状反射光パターンとなる。
観察結果を纏めて、図13に示す。図13は横軸に長半径(Del)を、縦軸にD/Lをとったもので、パビリオン角(p)をパラメータとして、グラフに示している。なおグラフの上ではaを省略して、長半径(Del)を示している。このグラフから長半径(Del)が0.375a以上でパビリオン角(p)の値に関係なくD/Lが0.1よりも大きくなっていることがわかる。更に、長半径(Del)が0.425a以上で、パビリオン角(p)がほぼ40度以下では、D/Lがほぼ0.2以上となっている。長半径(Del)が小さくなるとハート状反射光パターンの頂部R部が削られて中央の切り込み深さ(D)が浅くなることを裏付けるものであった。
検討2 パビリオン角(p)の影響
ここではパビリオン角(p)を38.0度から45.0度まで変えるとともに、ロワーガードルファセット距離(Gd)を0.15aから0.30aまで変えて、パビリオン角のハート状反射光パターンへの影響を調べた。ガードル断面の短長径比(b/a):0.8,テーブルファセットの長半径(Del):0.5aとしたオーバルカットしたダイヤモンドを用いた。ハート状反射光パターンの観察は図5を参照して説明した観察方法により、パターンの数値的評価は検討1と同様とした。長軸側にあるハート状反射光パターンの観察結果を図14に、短軸側にあるハート状反射光パターンの観察結果を図15に示した。これらのグラフは、ロワーガードルファセット距離(Gd)をパラメータとして、D/Lを縦軸に、パビリオン角(p)を横軸にとって示した。
図14から明らかなように、長軸側では、パビリオン角(p)が38.0度から45度の間でハート状反射光パターンとなっている。しかし、短軸側では図15にあるように、ロワーガードルファセット距離(Gd)が0.15aになると38.0度〜43.5度のパビリオン角(p)のときに、ロワーガードルファセット距離(Gd)がそれよりも大きくなると38.0度〜39度のパビリオン角(p)のときにハート状反射光パターンとなる。パビリオン角(p)が38.0度〜43.5度、好ましくは38.0度〜39度のときには、長軸側と短軸側との両方にハート状反射光パターンが出るので、それは合計8個のハート状反射光パターンがロワーガードルファセットに現れることを意味している。パビリオン角(p)がそれよりも大きく45度以下の時には長軸側のみに出るので、合計で4個のハート状反射光パターンが現れることを意味している。
検討3 短長径比(b/a)の影響
ガードル断面の短長径比(b/a)を0.6から0.9まで変えるとともに、ロワーガードルファセット距離(Gd)を0.15aから0.40aまで変えて、短長径比(b/a)のハート状反射光パターンへの影響を調べた。パビリオン角(p):38.5度,テーブルファセットの長半径Del:0.5aとしたオーバルカットしたダイヤモンドを用いた。ハート状反射光パターンの観察は図5を参照して説明した観察方法により、パターンの数値的評価は検討1と同様とした。長軸側にあるハート状反射光パターンの観察結果を図16に、短軸側にあるハート状反射光パターンの観察結果を図17に示した。これらのグラフは、ロワーガードルファセット距離(Gd)をパラメータとして、D/Lを縦軸に、ガードル断面の短長径比(b/a)を横軸にとって示した。
図16から明らかなように、長軸側では、ガードル断面の短長径比(b/a)が0.6以上ではハート状反射光パターンとなっている。しかし短軸側では、ロワーガードルファセット距離(Gd)が0.15aでは短長径比(b/a)が0.67以上、ロワーガードルファセット距離(Gd)が0.20a以上で短長径比(b/a)が0.7を超える必要がある。ロワーガードルファセット距離(Gd)を0.10aから0.40aまで変えたダイヤモンドについて短軸側ハート状反射光パターンのD/Lを測定した結果を図18に示している。図18ではガードル断面の短長径比(b/a)をパラメータにしている。このグラフから短長径比(b/a)に関係なく、ロワーガードルファセット距離(Gd)が0.10aから0.20aに増えるに従い、D/Lが急激に小さくなっている。短長径比(b/a)が0.65以下ではロワーガードルファセット距離(Gd)が0.14a未満の場合のみハート状反射光パターンとなっている。言い換えれば、ガードル断面の短長径比(b/a)が0.7を超えているときには、8個のハート状反射光パターンとなるが、短長径比(b/a)がそれよりも小さいときにはロワーガードルファセット距離(Gd)の値によって短径側のハートパターンが崩れて、全体として4個のハート状反射光パターンとなる。
以上説明した検討結果を以下に纏める。
(1)本発明のオーバルカットしたダイヤモンドでは、テーブルファセットの長半径(Del)が0.375a以上で、0.1よりも大きなD/Lを持ったハート状反射光パターンを持っており、0.2よりも大きなD/Lを持ったハート状反射光パターンを持つためには長半径(Del)が0.425a以上である必要がある。
(2)パビリオン角(p)が38.0度〜45度では少なくとも4個のハート状反射光パターンを持ち、パビリオン角(p)が38.0度〜43.5度では8個のハート状反射光パターンを持つ。8個のハート状反射光パターンを持つ好ましいパビリオン角(p)の範囲は38.0度〜39度である。
(3)ガードル断面の短長径比(b/a)が0.6以上では少なくとも4個のハート状反射光パターンを持ち、短長径比(b/a)が0.7を超えると8個のハート状反射光パターンを持つ。短長径比(b/a)が1のときにはラウンドとなるので当然8個のハート状反射光パターンを持つが、オーバルカットとは言えない。
(4)ロワーガードルファセット距離(Gd)については、図16,図17から明らかなように0.15aから0.40aの範囲でハート状反射光パターンを持つ。
オーバルカットしたダイヤモンドについて上の実施例ではガードル断面が楕円の場合を説明した。本発明は、図19に示すように2つの円弧14が交わって形成されたガードル断面を持つ場合、および図20に示すようにガードル断面が多角形(図20では16角形)をしておりその輪郭線18が楕円あるいは楕円に類似した形をしている場合に適用できる。
また上の実施例では、中心軸からx軸方向(長軸方向)、y軸方向(短軸方向)およびそれらのなす角を2等分する2等分線の方向に、クラウンのメインファセットが放射状に設けられ、パビリオンの8個のパビリオンメインファセットが同様に放射状に設けられている。そのために中心軸に関して、各クラウンメインファセットと各パビリオンメインファセットとが同じ方向にある。しかし、本発明はクラウンあるいはパビリオンを中心軸の周りに22.5度回した図21に上面図で示すクラウン20′を持ちパビリオンは図2に示すものを持つオーバルカットしたダイヤモンド、およびパビリオンを中心軸の周りに22.5度回した図22に底面図で示すパビリオン40′を持ちクラウンは図1に示すものを持つオーバルカットしたダイヤモンドであっても本発明を適用することが出来て、ハート状反射光パターンを少なくとも4個持つことができる。更に、図21に示すクラウン20′と図22に示すパビリオン40′を持つオーバルカットしたダイヤモンドであっても本発明を適用することができる。ロワーガードルファセットの現れるハート状反射光パターンはパビリオンメインファセットの像がテーブルファセットで反射されて形成されたものなので、クラウンの周辺にあるクラウンメインファセットやスターファセットとパビリオンの各ファセットとの関係が影響するものではない。図21に示すクラウン20′はガードル断面の長軸方向にx軸を、短軸方向にy軸を取ると、八辺形をしたテーブルファセット22′の対向する2辺がx軸と直交するとともに、他の対向する2辺がy軸と直交し、残りの4辺がx軸とy軸とのなす角を2等分する2等分線とほぼ直交している。スターファセット32′がそれらx軸、y軸および2等分線、すなわち、8等分線、の方向に延びていて、三角形スターファセットの頂点がそれら8等分線の方向にある。そしてクラウンメインファセット26′は8等分面で挟まれている。図22に示すパビリオン40′は、8等分面のなす角を2等分する第二の8等分面80の方向に中心軸からパビリオンメインファセット42″,44″,46″が延びている。そしてロワーガードルファセット52′の中央にある稜が8等分線70の方向に延びている。
本発明の実施例によるオーバルカットしたダイヤモンドの上面図を示す。 本発明の実施例によるオーバルカットしたダイヤモンドの底面図を示す。 本発明の実施例によるオーバルカットしたダイヤモンドの正面図を示す。 本発明の実施例によるオーバルカットしたダイヤモンドの側面図を示す。 オーバルカットしたダイヤモンドの観察方法を説明する模式図である。 本発明の実施例によるオーバルカットしたダイヤモンドの反射光パターンを示す模式図である。 本発明の実施例による他のオーバルカットしたダイヤモンドの反射光パターンを示す模式図である。 従来のオーバルカットダイヤモンドを裏から見たときに観察される反射光パターンの模式図である。 オーバルカットしたダイヤモンドを図2のx軸と第二の8等分面との間で切断した断面を用いて、ダイヤモンドに入射した光の光路を模式的に示す図である。 ロワーガードルファセットに形成されたハート状反射光パターンの拡大模式図である。 ハート状反射光パターンを形成するパビリオンメインファセットの拡大模式図である。 ハート状反射光パターンを説明する図である。 ハート状反射光パターンの評価D/Lとテーブルファセット長半径(Del)との関係を、パビリオン角(p)をパラメータとして、示すグラフである。 長軸側のハート状反射光パターンの評価D/Lとパビリオン角(p)との関係を、ロワーガードルファセット距離(Gd)をパラメータとして、示すグラフである。 短軸側のハート状反射光パターンの評価D/Lとパビリオン角(p)との関係を、ロワーガードルファセット距離(Gd)をパラメータとして、示すグラフである。 長軸側のハート状反射光パターンの評価D/Lとガードル断面の短長径比(b/a)との関係を、ロワーガードルファセット距離(Gd)をパラメータとして、示すグラフである。 短軸側のハート状反射光パターンの評価D/Lとガードル断面の短長径比(b/a)との関係を、ロワーガードルファセット距離(Gd)をパラメータとして、示すグラフである。 短軸側のハート状反射光パターンの評価D/Lとロワーガードルファセット距離(Gd)との関係を、ガードル断面の短長径比(b/a)をパラメータとして、示すグラフである。 2つの円弧で形成されたガードル断面を説明する図である。 16角形で形成されたガードル断面を説明する図である。 本発明の他の実施例のクラウンを上面図で示す。 本発明の他の実施例のパビリオンを底面図で示す。
10 ガードル
14 円弧
18 輪郭線
20 クラウン
21,23,24,25, 頂点
22、22′ テーブルファセット
26、26′ クラウンメインファセット
32、32′ スターファセット
36 アッパーガードルファセット
40 パビリオン
42,42′,42″,44,44″,46、46″ パビリオンメインファセット
47 円(仮想円)
27,28,29,38,48,48′,49,50,53,54 (交)点
52、52′ ロワーガードルファセット
60 中心軸
62 下頂点
70 2等分線
80 第二の8等分面
86,86′,86″ 辺
87,87′,87″ 他端(頂点)
90 ハート状反射光パターン
100 オーバルカットしたダイヤモンド
502 平板
503 円筒
504 光線
510 デジタルカメラ
520 CRT

Claims (7)

  1. 柱状のガードルと、ガードル上部に設けられているとともに、その頂部に八辺形をしたテーブルファセットを持ったクラウンと、ガードル下部に設けられたパビリオンとを有し、
    前記ガードルはテーブルファセットと平行な断面の輪郭線が楕円であり、
    前記パビリオンは、テーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸の下端に下頂点を有し、その下頂点とガードルとの間の周囲に8個のパビリオンメインファセットと16個のロワーガードルファセットとを持つとともに、
    そのパビリオンメインファセットそれぞれは、
    前記下頂点と柱状ガードルの外面との間で、前記ガードル断面の長軸、短軸および長軸と短軸とのなす角を2等分する2等分線のそれぞれの方向に前記下頂点から延びている四辺形あるいは四辺形のガードル側先端を切り取った形状であり、
    隣り合っているパビリオンメインファセットとの間に前記下頂点を一端とする辺を共有しており、
    前記ロワーガードルファセットは、パビリオンメインファセットと前記ガードル外面との間に形成されているものである、
    オーバルカットしたダイヤモンドにおいて、
    ガードル断面の輪郭線が形成している前記楕円は、その長軸方向半径(以下、「長径」という)をa、その短軸方向半径(以下、「短径」という)をbと表したときに、短長径比(b/a)が0.6以上であり、
    前記テーブルファセットはその最も長い対角線が前記長軸方向に延びており、その長さの半分(以下、「長半径」という)(Del)が長径(a)によって0.375aと表される値以上であり、
    各パビリオンメインファセットとテーブルファセットとの間のパビリオン角(p)が38.0度〜45.0度の間で同じ値をしているとともに、
    隣り合っている2つのパビリオンメインファセットが共有している前記辺の他端までの中心軸からの距離の、中心軸を通りその2つのパビリオンメインファセットの1つを2分割する面への投影をロワーガードルファセット距離(Gd)と表したときに、ロワーガードルファセット距離(Gd)が長径(a)によって0.15a〜0.40aと表される値である
    ことを特徴とするオーバルカットしたダイヤモンド。
  2. 前記長軸、短軸および前記2等分線をそれぞれ8等分線、その8等分線それぞれと前記中心軸とを含む平面を8等分面、そして隣り合う8等分面が中心軸の周りに作る角を2等分する面を第二の8等分面としたときに、
    前記パビリオンメインファセットそれぞれは、
    前記長軸とガードル外面との交点を中心軸の周りに回して描いた円と8等分面との交点それぞれと、前記下頂点とを対頂点として持つとともに、
    前記下頂点を一端とした前記辺およびその辺の他端とを、当該8等分面を挟んで隣接する2つの第二の8等分面の上で、隣接するパビリオンメインファセットとの間で共有している
    四辺形あるいは四辺形のガードル側先端を切り取った形状であり、
    前記ロワーガードルファセットそれぞれは、
    隣接する2つのパビリオンメインファセットが共有している前記辺の他端と、それら隣接する2つのパビリオンメインファセットのうち一方のパビリオンメインファセットを通る8等分面と前記円との交点とを通る当該パビリオンメインファセットの側辺と、
    当該他端を通る第二の8等分面とガードル外面との交線上の点と当該他端とを結ぶ線とに、
    挟まれた3角形あるいは楕円扇形である
    ことを特徴とする請求項1記載のオーバルカットしたダイヤモンド。
  3. 前記ロワーガードルファセットそれぞれは、
    隣接する2つのパビリオンメインファセットが共有している前記辺の他端と、それら隣接する2つのパビリオンメインファセットのうち一方のパビリオンメインファセットを通る8等分面と前記円との交点とを通る当該パビリオンメインファセットの側辺と、
    当該他端を通る第二の8等分面と前記円との交点と当該他端とを結ぶ線とに、
    挟まれた3角形あるいは楕円扇形である
    ことを特徴とする請求項2記載のオーバルカットしたダイヤモンド。
  4. 前記クラウンは更に、ガードルとテーブルファセットとの間の周囲に、8個の四辺形をしたクラウンメインファセットと、8個の三角形をしたスターファセットと、16個のアッパーガードルファセットとを有し、
    前記テーブルファセットの対向する2頂点はテーブルファセット中心に垂直に立てた中心軸から前記ガードル断面の長軸方向に同じ距離にあり、
    テーブルファセットの対向する他の2頂点は中心軸から前記ガードル断面の短軸方向に同じ距離にあり、
    テーブルファセットの他の4頂点それぞれは前記長軸と短軸とのなす角を2等分する2等分線の方向に中心軸から同じ距離にあり、
    前記クラウンメインファセットそれぞれは、
    前記8等分線がそれぞれガードル外面と交差する各点とテーブルファセットの各頂点とを対頂点としているとともに、
    隣り合う8等分線がなす角を2等分する第二の8等分面の上で隣接するクラウンメインファセットそれぞれとの間で他の頂点を共有している
    四辺形であり、
    前記スターファセットそれぞれは、
    前記テーブルファセットの各辺を底辺として、
    隣接する2つのクラウンメインファセットが共有している前記他の頂点を対頂点として持つ
    三角形であり、
    前記アッパーガードルファセットそれぞれは、
    クラウンメインファセットの側辺のうち、8等分面とガードル外面との交点と、当該クラウンメインファセットが隣接するクラウンメインファセットとの間で共有している頂点とを通る辺を底辺として、
    当該頂点を通る前記第二の8等分面とガードル外面との交線上の点を頂点とする
    三角形あるいは楕円扇形である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーバルカットしたダイヤモンド。
  5. 短長径比(b/a)が0.7を超えた値で、パビリオン角(p)が38.0度〜43.5度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオーバルカットしたダイヤモンド。
  6. パビリオン角(p)が38.0度〜39度であることを特徴とする請求項5記載のオーバルカットしたダイヤモンド。
  7. テーブルファセットの長半径(Del)が長径(a)によって0.425aで表される値以上であることを特徴とする請求項5あるいは6記載のオーバルカットしたダイヤモンド。
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