JP4516303B2 - 線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム - Google Patents

線条構造物の配線設計支援方法、その装置及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤーハーネス等の線条構造物の配線設計を支援する方法、その装置及びそのプログラムに関する。
車両等においては、複数の電装品が搭載されており、これらは、複数の電線や通信線等の線条材がインシュロック等の結束部材やテープ等の外装部材によって束ねられた上記線条構造物としての、いわゆる、ワイヤーハーネスで接続されている。図1に示すように、ワイヤーハーネス1は、各端部に電装品等と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられている。また、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。なお、各端部から分岐点4までを構成するワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、密度等も様々である。従来、このようなワイヤーハーネスを車両等に配線するための設計は、CAD(Computer Aided Design)とCAE(Computer Aided Engineering)とよばれる汎用解析ソフトを用いて計算するか、或いは、設計者の経験や勘によって行われることが多かった。
ここで、本明細書中で引用する文献を以下に示す。
B.ナス著「マトリックス有限要素法」ブレイン図書出版株式会社出版、1978年8月10日、p.7−15 安田仁彦著「モード解析と動的設計」株式会社コロナ社発行、1993年11月10日、p.54−56
ワイヤーハーネス等の線条構造物は、上記のように多種多様であり、単に、上記汎用解析ソフトを用いたり、設計者の経験等に頼るだけでは、それらの各部における曲げやねじりに対する剛性まで正確に予想して設計することは非常に困難なことであった。すなわち、有効な設計支援方法や支援装置は未だないため、設計通りの組付けが困難であったり、非現実的な形状になってしまうことも多かった。したがって、従来、最適な配線形状を得るために、設計及び組付けが試行錯誤繰り返されて、多大な時間を浪費することになっていた。
よって本発明は、上述した現状に鑑み、ワイヤーハーネス等の線条構造物の最適な配線設計を、容易かつ正確に行えるようにする配線設計支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の配線設計支援方法は、描画手段、外形パラメータ抽出手段、拘束条件抽出手段、非外形パラメータ計算手段及び予測形状計算手段として機能するコンピュータを用いて、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなしてモデル化し、有限要素法を利用して前記線条構造物の形状を予測することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、前記描画手段によって、手動操作に応じて任意の形状の線条構造物を描画する描画工程と、前記外形パラメータ抽出手段によって、線条構造物の外形を直接的に決定する物理特性である外形パラメータを、前記描画された線条構造物から抽出する外形パラメータ抽出工程と、前記拘束条件抽出手段によって、前記線条構造物の拘束条件を、前記描画された線条構造物から抽出する拘束条件抽出工程と、前記非外形パラメータ計算手段によって、前記有限要素法による形状予測の計算のために必要な前記外形パラメータ以外の前記線条構造物の物理特性である非外形パラメータを、前記外形パラメータに基づき計算する非外形パラメータ計算工程と、前記予測形状計算手段によって、前記拘束条件、前記外形パラメータ及び前記非外形パラメータを前記有限要素法に適用して、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項2記載の配線設計支援方法は、請求項1記載の配線設計支援方法において、前記線条構造物は、所定の外装部材で複数本の線条材が束ねられてなるワイヤーハーネスであり、前記外形パラメータは、前記外装部材の種類及び前記ワイヤーハーネスの太さを含んでおり、前記種類、前記太さ及び前記非外形パラメータの関係を対応づけた特性テーブルを予め格納しておき、前記非外形パラメータ計算工程では、前記種類及び前記太さを前記特性テーブルに当てはめて、前記非外形パラメータを計算する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項3記載の配線設計支援方法は、請求項2記載の配線設計支援方法において、前記特性テーブルは、前記種類及び前記太さと前記非外形パラメータとしての縦弾性係数及び横弾性係数との関係、前記種類及び前記太さと前記非外形パラメータとしての縦弾性係数及びポアソン比との関係、或いは、前記種類及び前記太さと前記非外形パラメータとしての横弾性係数及びポアソン比との関係、を対応づけたものである、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項4記載の配線設計支援方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の配線設計支援方法において、前記コンピュータが、警告出力手段としても機能し、前記警告出力手段によって、前記手動操作に応じて作成した線条構造物から、前記物理的に釣り合った状態である予測形状を計算することが不可能である場合には、その旨を警告する警告出力工程、を更に含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項5記載の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して前記線条構造物の形状を予測することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、手動操作に応じて任意の形状の線条構造物を描画する描画手段と、線条構造物の外形を直接的に決定する物理特性である外形パラメータを、前記描画された線条構造物から抽出する外形パラメータ抽出手段と、前記線条構造物の拘束条件を、前記描画された線条構造物から抽出する拘束条件抽出手段と、前記有限要素法による形状予測の計算のために必要な前記外形パラメータ以外の前記線条構造物の物理特性である非外形パラメータを、前記外形パラメータに基づき計算する非外形パラメータ計算手段と、前記拘束条件、前記外形パラメータ及び前記非外形パラメータを前記有限要素法に適用して、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた請求項6記載の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して前記線条構造物の形状を予測することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、手動操作に応じて任意の形状の線条構造物を描画する描画手段、線条構造物の外形を直接的に決定する物理特性である外形パラメータを、前記描画された線条構造物から抽出する外形パラメータ抽出手段、前記線条構造物の拘束条件を、前記描画された線条構造物から抽出する拘束条件抽出手段、前記有限要素法による形状予測の計算のために必要な前記外形パラメータ以外の前記線条構造物の物理特性である非外形パラメータを、前記外形パラメータに基づき計算する非外形パラメータ計算手段、前記拘束条件、前記外形パラメータ及び前記非外形パラメータを前記有限要素法に適用して、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段、として機能させる、ことを特徴とする。
請求項1、5及び6記載の発明によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなしてモデル化し、有限要素法を利用してこの線条構造物の形状が予測される。また、手動操作に応じて描画された線条構造物から、有限要素法の計算に必要な物理特性や拘束条件が自動計算されて、有限要素法を用いて釣り合った状態である予測形状が計算される。
また、請求項2記載の発明によれば、外装部材の種類、ワイヤーハーネスの太さ及び非外形パラメータの関係を対応づけた特性テーブルが予め格納されており、抽出した外形パラメータを、この特性テーブルに当てはめて非外形パラメータが計算される。
また、請求項3記載の発明によれば、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さと縦弾性係数及び横弾性係数との関係、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さと縦弾性係数及びポアソン比との関係、或いは、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さと横弾性係数及びポアソン比との関係、を対応づけたものである、ことを特徴とする。
また、請求項4記載の発明によれば、手動操作に応じて作成した線条構造物から、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算することが不可能である場合には、その旨が警告される。
請求項1、5及び6記載の発明によれば、線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなしてモデル化しているので、一般的なメッシュを割り当てた有限要素モデルと比較して、格段に計算量が削減される。したがって、短時間での確実な形状予測が可能になる。また、有限要素法の計算に必要なデータが、手動操作に応じて描画された線条構造物から自動計算されるので、予測形状計算のための数値入力が不要となる。したがって、特殊な技術習得や熟練も不要となる。
請求項2記載の発明によれば、外装部材の種類、ワイヤーハーネスの太さ及び非外形パラメータの関係を対応づけた特性テーブルを予め格納しておくことにより、手動操作に応じて描画された線条構造物から、有限要素法の計算に必要な非外形パラメータを容易かつ確実に得ることが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、特性テーブルを参照することにより、手動操作に応じて描画された線条構造物から、有限要素法の計算に必要なポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数を容易かつ確実に得ることが可能になる。
請求項4記載の発明によれば、手動操作に応じて作成した線条構造物から、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算することが不可能である場合には、その旨が警告されるので、より短時間での適確な経路設計が可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、図1及び図2を用いて、本発明で対象となる線条構造物としてのワイヤーハーネスの全体形状及び代表的な支持部材について説明する。図1は、本発明で対象となるワイヤーハーネスの全体形状を概略的に示す図である。図2は、ワイヤーハーネスに取り付けられる代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。
本発明で対象となるワイヤーハーネス1は、上述のように両端部に図示しない電装品と接続されるコネクタ2a、2b、2c、2dが取り付けられ、その中間部には各種クリップ3a、3b、3c、3dが取り付けられ、更に、分岐点4を有している。ワイヤーハーネス1の各枝線は、基本的に、それぞれ構成線条材の数や種類が異なるので、各枝線の太さ、長さ、弾性、密度等も異なる。
上記各コネクタ2a、2b、2c、2dは、電装品側の相手方コネクタの固定位置及びその装着方向に応じて所定の位置に着脱可能に固定され、ワイヤーハーネスの端部を完全拘束する。また、上記各クリップ3a、3b、3c、3dは、ワイヤーハーネスの所定部位を、車両のボディやステー等の所定位置に完全拘束又は回転拘束される。
ここで、クリップについて説明を加える。クリップには、基本的に、長穴クリップ及び丸穴クリップがある。丸穴クリップは、回転クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた丸穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。丸穴クリップは、Z軸(取付部位に鉛直方向)廻りに回転可能である。
一方、長穴クリップは、固定クリップともよばれ、ワイヤーハーネスを保持する台座部とステー等に設けられた長穴形状の取付穴に挿入される支持脚とから構成される。この支持脚の断面形状は、取付穴と略同様の長穴形状をしている。長穴クリップは、Z軸廻りに回転不可能である。
更に、長穴クリップ及び丸穴クリップには、X軸(ワイヤーハーネスの長手方向)廻りに回転可能な、コルゲート長穴クリップ及びコルゲート丸穴クリップがある。このような各クリップの各軸方向及び各軸廻りの拘束自由度は図2に示す通りである。
図2において、X軸、Y軸及びZ軸は、ワイヤーハーネス上の各節点(又はノードともよぶ)における右手ローカル座標系での直行する3軸に対応する。例えば、Z軸をクリップ軸と一致するようにしているが、これらの決定方法は、使用する関数によって適宜変更可能である。なお、図中、参考のために、分岐点の拘束自由度についても示している。また、ここでは図示しないが、上記拘束点以外に任意に設定されたワイヤーハーネス上の節点は、基本的に、完全自由である。このような拘束自由度が、後述するように、予測経路や反力等の計算に先立ち、各節点にそれぞれ、設定される。
次に、図3〜図5を参照しながら、本発明において前提となる仮定条件、利用される理論及び基本式の概略について説明する。これは、実施形態1〜実施形態5に共通するものである。図3(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図3(C)は、図3(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。図4は、梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。図5(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図5(B)は、図5(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。
まず、本発明では、ワイヤーハーネスの設計に有限要素法を利用するに際し、以下のような仮定をする。
(1).ワイヤーハーネスを弾性体と仮定する。
(2).ワイヤーハーネスを梁要素が結合されたものと仮定する。
(3).各梁要素に直線性が保たれるものと仮定する。
なお、梁要素と仮定することは、ワイヤーハーネスを一様断面、すなわち、均質な断面であると仮定することも意味する。また、断面を円形と仮定しているが必ずしもその必要はない。但し、以降の説明では、ワイヤーハーネスを円形断面と想定して説明していく。
本発明において、このような仮定をすることにより、従来なされていなかった、ワイヤーハーネスへの有限要素法の適用が可能になる。
本発明においては、まず、ワイヤーハーネスを離散化する。すなわち、図3(A)に示すように、複数の電線11がテープ12等の外装部材によって束ねられたワイヤーハーネス1は連続体とみなすことができる。次に、図3(B)に示すように、このようなワイヤーハーネス1を、いくつかの梁要素C1、C2、C3、…に分割(離散化)する。すなわち、ワイヤーハーネスは1本のロープのようなものなので、有限個の梁要素をつなげたものとみなすことができる。
したがって、図3(C)に示すように、ワイヤーハーネスは、複数の梁要素C1、C2、C3、…を複数のノードN1、N2、N3、…で結合したものとして表すことができる。梁要素に必要な特性値は以下の通りである。
長さl(図3(B)参照)
断面積A(図3(B)参照)
断面2次モーメントI
断面2次極モーメントJ(ねじり抵抗係数ともよばれている)
縦弾性係数E
横弾性係数G
なお、上記特性値に直接表れされていないが、それらを求めるために密度ρやポアソン比μ等も用いられる。
なお、本明細書中、長さl、断面積A等のような、線条構造物等の外形を直接的に決定する物理特性に関するパラメータを外形パラメータとよび、それ以外の断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、縦弾性係数E及び横弾性係数G、密度ρ、ポアソン比μ等のような物理特性に関するパラメータを非外形パラメータとよぶものとする。なお、実施形態1では、外形パラメータには、外装部材の種類も含まれるものとする。
そして、図4に示すように、各梁要素C(C1、C2、C3、…)はそれぞれ、2つの節点α及び節点βを有する。3次元空間においては、節点αは、3つの並進成分と3つの回転成分を持つため、合計6つの自由度を持つ。また、節点βも同様である。したがって、梁要素Cは12自由度を持つことになる。
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の節点力
yi:i番要素のyi軸方向の節点力
zi:i番要素のzi軸方向の節点力
xi:i番要素のxi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
yi:i番要素のyi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
zi:i番要素のzi軸周りの端モーメント(右ネジ方向を正とする)
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
θyi:i番要素のyi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
θzi:i番要素のzi軸周りの角変位(右ネジ方向を正とする)
αは左側の節点、βは右側の節点
を示す。
ところで、ワイヤーハーネス等のような大変形をともなう構造力学では一般に有限要素法の平衡方程式は次式の形となる。
([K]+[KG]){x}={F}…(1)
ここで、[K]:全体剛性マトリックス、[KG]:全体幾何剛性マトリックス、{x}:変位ベクトル、{F}:荷重ベクトル(力ベクトルともよぶ)
但し、式(1)は代数的には非線形連立方程式となっているため、実際の数値解析においてはそのままで解くことはできない。そのため、荷重値を細分化して逐次加算していく増分方法を採ることになる(強制変位の場合も同様)。よって、式(1)の平衡方程式も下記の増分形式で表現することになる。
([K]+[KG]){Δx}={ΔF}−{R}…(1)′
ここで、{ΔF}:荷重増分の値、{Δx}:増分ステップにおける増分変位、{R}:荷重ベクトルの補正ベクトル
そして、各増分区間では平衡方程式は線形方程式とみなして計算し、その際、生じる不平衡力(式(1)′中のベクトル{R})を次ステップに進む前に反復法により許容範囲まで減少させることになる。これら一連のアルゴリズムとしては、例えば、ニュートン・ラプソン法や弧長法といった公知の方法を利用する。
なお、形状予測のように強制変位を指定する場合には、平衡方程式左辺のうち、第2項の全体幾何剛性マトリックス[KG]を省く場合が良性となることも多く、本ケースでも省いている。
また、左辺第1項の全体剛性マトリックス[K]は各増分ステップで時々刻々と座標値を変更させながら書き替えられる各要素の剛性マトリックスを全体座標系に変換して集計されたものである。この基本となる要素剛性マトリックスの具体的な表現内容が下記の式(2)である。
Figure 0004516303
ここで、適合条件と釣り合い条件について説明する。ここでは、簡単のために、図5(A)に示すように、ワイヤーハーネスを3つの梁要素C1、C2、C3で表すものとする。この場合、梁要素C1の節点1β及び梁要素C2の節点2αの変位は等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。同様に、梁要素C2の節点2β及び梁要素C3の節点3αの変位も等しくなり、これら両節点に加わる力も釣り合うことになる。したがって、これら変位の連続性と力の釣り合いの条件を満たすことで、梁要素C1及びC2、梁要素C2及びC3を、図5(B)に示すように、結合することができる。
なお、図中、
xi:i番要素のxi軸方向の節点力
yi:i番要素のyi軸方向の節点力
zi:i番要素のzi軸方向の節点力
xi:i番要素のxi軸周りの端モーメント
yi:i番要素のyi軸周りの端モーメント
zi:i番要素のzi軸周りの端モーメント
xi:i番要素のxi軸方向の変位
yi:i番要素のyi軸方向の変位
zi:i番要素のzi軸方向の変位
θxi:i番要素のxi軸周りの角変位
θyi:i番要素のyi軸周りの角変位
θzi:i番要素のzi軸周りの角変位
を示し、
i=1α、1β、2α、2β、3α、3βである。
そして、図5(B)に示した梁要素C1、C2、C3における上記変位の連続性と力の釣り合いを上記式(2)と同様の形式で示すと、以下の式(3)のようになる。
Figure 0004516303
ここで、式(3)中の12行12列のマトリクスM1、M2及びM3は、上記式(2)で示したものと同様である。但し、マトリクスM1、M2及びM3が重なっている部分M12及びM23は、各マトリクスの各構成要素が足し合わされたものとなる。
なお、4つ以上の梁要素についても、同様に扱うことができる。このようにして、任意の数の梁要素に分割されるワイヤーハーネスの数式モデルを作成することができる。
ちなみに、上記式(3)を簡単に表すと、
[K]{x}={F}…(4)
となる。
したがって、上記(3)や式(4)に基づき、変位ベクトル{x}の各要素を求めることにより、経路、すなわち、ワイヤーハーネスの形状を算出することができる。逆に、各節点における力ベクトル{F}を求めることにより、すなわち、歪み、応力、反力、モーメント等を算出することができる。更に、後述のように固有値計算することにより、固有振動数や固有振動モードも算出することができる。なお、上記のような一般的なマトリックス有限要素法は、例えば、上記非特許文献1中でも紹介されている。
次に、本発明における形状予測に必要なポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数の求め方の一例について以下に示す。図6(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図6(B)は、断面2次極モーメント及び横弾性係数を測定する様子を示す図である。図7は、特性テーブルの一例を示す図である。
縦弾性係数Eは、図6(A)に示す測定方法を行う場合、次式(5)で表すことができる。
E=FL3/3XI…(5)
また、断面2次モーメントIは、上記のようにワイヤーハーネスを円形断面と仮定したので、次式(6)で表すことができる。
I=πD4/64…(6)
したがって、
E=64FL3/3XπD4…(7)
となる。
この測定では、
E=(F/X)×(64L3/3πD4
として、Fとxとの関係を測定することにより、縦弾性係数Eを求めることができる。
ところで、本発明では、縦弾性係数Eは、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さ毎に求める。すなわち、図7に示すように、外装無し、テープ巻き1、テープ巻き2、…、等の外装種類に対してそれぞれ、W/H(ワイヤーハーネス)径1−5、W/H径6−10、W/H径11−15、…、等のワイヤーハーネスの太さ毎に、上記のようにして縦弾性係数Eを求めるようにする。図7において、10、12、…、等の値は、所定の外装種類とW/H径とに対応するワイヤーハーネスの縦弾性係数Eの値である。
図7において、外装無しとは、インシュロックやテープ等の外装部材なしのワイヤーハーネスを示す。また、テープ巻き1とは、例えば、所定種類のテープが荒巻きされたワイヤーハーネスを示し、テープ巻き2とは、例えば、所定種類のテープがハーフラップされたワイヤーハーネスを示す。この他にも、図7では示されていないが、2重ハーフラップ、すし巻き等のような巻き方の種類、テープの種類、巻厚等の組み合わせにより、種々の外装種類が想定される。
また、図7において、W/H径1−5、W/H径6−10、W/H径11−15とは、それぞれのワイヤーハーネスの太さをミリメートル単位で表したものである。このように、現実的にあり得る外装種類とW/H径との組み合わせの全てに対してそれぞれ、上記のようにして縦弾性係数Eを求めてデータベース化しておく。
一方、横弾性係数Gは、図6(B)に示す測定方法を行う場合、次式(8)で表すことができる。
G=(TL/θJ)×2…(8)
断面2次極モーメントJは、ワイヤーハーネスが円形断面と仮定したので、次式(9)で表すことができる。
J=πD4/32…(9)
また、ねじる力は、
T=FS…(10)
となる。
よって、
G=(32FSL/θπD4)×2=(F/θ)(32SL/πD4)×2…(11)
したがって、Fとθの関係を測定することにより、横弾性係数Gを求めることができる。
横弾性係数Gも、縦弾性係数Eと同様に、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さ毎に各値を求めることが可能である。この場合、図7における各値は、所定の外装種類とW/H径とに対応するワイヤーハーネスの横弾性係数Gとなる。そして、現実的にあり得る外装種類とW/H径との組み合わせの全てに対してそれぞれ、上記のようにして横弾性係数Gを求めてデータベース化しておく。
但し、横弾性係数Gと縦弾性係数Eとは、次式(12)のような関係がある。
G=E/2(1+μ)…(12)
ここで、μ:ポアソン比
を示す。
したがって、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さとポアソン比μとの関係も予めデータベース化しておくことにより、縦弾性係数Eとポアソン比μを含む式(12)とから、横弾性係数Gを導出することも可能である。逆に、横弾性係数G及びポアソン比μから縦弾性係数Eを導出することも可能である。すなわち、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さと縦弾性係数E及び横弾性係数Gとの関係、或いは、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さと縦弾性係数E及びポアソン比μとの関係、或いは、外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さと横弾性係数G及びポアソン比μとの関係、のいずれかをデータベース化しておけば、縦弾性係数E及び横弾性係数Gを求めることが可能となる。上記測定方法は一例であり、上記測定例以外の方法によって、横弾性係数G及び縦弾性係数E各値を取得するようにしてもよい。
なお、ワイヤーハーネスの断面形状は、必ずしも完全な円形でないこともあるので、断面形状とそれを表現するパラメータ(例えば、矩形なら縦横サイズ)と、上記縦弾性係数E、横弾性係数G、ポアソン比μとの関係をデータベース化しておくと、より汎用性が高まる。
次に、上記理論、基本式及び測定値を利用して後述する処理手順にしたがってワイヤーハーネスの予測形状を計算及び出力して設計支援する、本発明に係るハードウエア構成について説明する。図8は、本発明の全実施形態に係るハードウエア構成を示すブロック構成図である。
図8に示すように、本発明では、マイクロコンピュータ21、入力装置22、表示装置23、印字装置24、記憶装置25、通信インターフェース26及びリードライト装置27を含んで構成される、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。いうまでもなく、パーソナルコンピュータ以外のディスクトップコンピュータやスーパーコンピュータを用いてもよい。マイクロコンピュータ21は、CPU21a(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM21b、各種処理結果を一時的に記憶するRAM21cを含む。入力装置22は上記各値等を入力するキーボード、マウス等であり、表示装置23は処理結果を表示するLCDやCRT等であり、印字装置24は処理結果を印字するプリンタである。
また、記憶装置25は、図7で示したような内容の特性テーブル25a(実施形態1の場合)やインストールされた配線設計支援プログラム29a(実施形態1〜5の場合)、このプログラム29aによる処理結果を記憶するハードディスクドライブであり、通信インターフェース26は外部装置との間で、例えば、インターネットやLAN回線等を用いてデータ通信を行うためのモデムボード等である。リードライト装置27は、CDやDVD等の記録媒体29に格納される本発明に係る配線設計支援プログラム29aを読み込んだり、この配線設計支援プログラム29aによる計算結果を記録媒体29に書き込む装置である。これらの各構成要素は、内部バス28を介して接続されている。
マイクロコンピュータ21は、リードライト装置27にて読み込まれた配線設計支援プログラム29aを記憶装置25にインストールする。また、電源が投入されると、マイクロコンピュータ21は、ROM21bに記憶されるブートプログラムにしたがって起動され、インストールされている配線設計支援プログラム29aを立ちあげる。そして、マイクロコンピュータ21は、配線設計支援プログラム29aにしたがって、形状予測に係る処理をしたり、処理結果を表示装置23や印字装置24から出力させたり、処理結果を記憶装置25や記録媒体29に保存させたりする。なお、実施形態1の場合には、形状予測に際して、特性テーブル25aが参照される。配線設計支援プログラム29aは、上記基本構成を有する他のパーソナルコンピュータ等にもインストール可能であり、インストール後は、そのコンピュータを配線設計支援装置として機能させる。なお、配線設計支援プログラム29aは、記録媒体29のみならず、インターネットやLAN等の通信回線を経由して提供されたものであってもよい。
[実施形態1]
上述したように、ワイヤーハーネスの形状予測又は経路設計は、CADとCAEとよばれる汎用解析ソフトとの組み合わせにより行われることもある。この場合、従来、CADを用いて電線の太さ、長さ、種類等を反映したワイヤーハーネスの詳細形状をモデリングして描画させた後、所定の汎用CAEに必要データを数値入力して予測形状を計算させ、この計算結果を評価した後、再度、CADを用いて予測形状を描画させるようにしていた。そして、従来、このようなサイクルがCADや汎用CAE等の操作に習熟した設計者によって試行錯誤的に繰り返されていた。
しかしながら、CADと汎用CAEとがソフトウエア的に分離しているため、汎用CAEに必要な数値を度々入力する必要があった。また、必要な数値の入力操作も煩雑であり、汎用CAEを使いこなすための技術習得に多大な時間を要していた。更に、汎用CAEによると、ワイヤーハーネスの変形をシミュレートするためのリードタイム、すなわち、形状予測のために要する時間が非常に長くなるという問題もあった。そこで、実施形態1では、特に、これらの問題を解決して、ワイヤーハーネス等の線条構造物の最適な配線設計を、容易かつ正確に行えるようにする。
図9〜図11を用いて、実施形態1に係る処理手順について説明する。図9は、図8に示したハードウエア構成を用いて行われる本発明に係る主処理手順を示すフローチャートである。図10は、図9の主処理手順における非外形パラメータ計算のサブルーチンを示すフローチャートである。図11(A)〜図11(E)はそれぞれ、図9の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を例示する図である。
まず、図9に示すステップS1においては、マウス等の手動操作、即ち、マウス及びこれと同等の入力手段を用いた手動操作(以下、本明細書においては、「手動操作」という。)に応じて任意の形状のワイヤーハーネスが描画される。このステップS1は、周知のCADを用いた設計及び描画方法と同様である。すなわち、図11(A)の1aに示すような、表示装置23上の真っ直ぐな状態のワイヤーハーネスの形状に対して、入力装置22としてのマウス等が用いられて、例えば、m1で示すようにその端部が1a5から1b5に変位される。そして、同図の1bに示すような、所望の長さ及び太さのワイヤーハーネスの形状が、車両内の所定の3次元空間に配策されることを前提として描画される(実際には、例えば、図3(A)のようなイメージで)。この際、上記図7を用いて説明した外装種類も判別できるように描画される(実際には、例えば、図3(A)のようなイメージで)。また、クリップ等の支持部材も描画される。なお、ここでは、簡単のために、1a1で示す端部のみが完全拘束され、1a5で示す端部が変位可能であるものとする。他の部位は、完全自由であるとする。
なお、図11(A)で1a1〜1a5で示される部位は、このワイヤーハーネスが複数の梁要素が結合されたものとして表されて、モデル化された際に割り当てられる代表的な節点に対応する部位である。これら1a1〜1a5で示される各部位にそれぞれ対応する部位は、図11(A)〜図11(E)において、1b1〜1b5、1c1〜1c5、1d1〜1d5、1e1〜1e5で表される。ステップS1は、請求項中の描画工程及び描画手段に対応する。なお、ワイヤーハーネスはCAD等により予め描画したものを保存しておき、これを随時読み出して以降の処理に進むようにしてもよい。
続いて、ステップS2においては、ステップS1にて描画されているワイヤーハーネスの形状1bから外形パラメータが抽出される。詳しくは、この形状1bから外装部材の種類、ワイヤーハーネスの太さ及びその長さ等が抽出される。そして、これらは、この後で行われる処理のために、一旦、RAM21cのワークエリアに記憶される。ステップS2は、請求項中の外形パラメータ抽出工程及び外形パラメータ抽出手段に対応する。
続いて、ステップS3においては、ステップS1にて描画されたワイヤーハーネスの形状1bから非外形パラメータが計算される。非外形パラメータとは、ここでは、剛性マトリクス[K]の各要素に含まれる、断面積A、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gである。ステップS3は、請求項中の非外形パラメータ計算工程及び非外形パラメータ計算手段に対応する。
詳しくは、ステップS3の非外形パラメータの計算では、図10に示すように、ステップS31において、まず、断面積Aが計算される。この断面積Aは、上記ステップS2で抽出されたワイヤーハーネスの太さから計算可能である。
次に、ステップS32において、断面2次モーメントIが計算される。この断面2次モーメントIは、ステップS31で計算された断面積A及び上記式(6)にしたがって計算可能である。次に、ステップS33において、断面2次極モーメントJが計算される。この断面2次極モーメントJは、ステップS31で計算された断面積A及び上記式(9)にしたがって計算可能である。
次に、ステップS34において、記憶装置25に予め格納される上記特性テーブル25aが参照されて、縦弾性係数Eが取得される。すなわち、特性テーブル25aを参照することにより、上記ステップS2で抽出された外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さに応じた縦弾性係数Eが、容易かつ確実に取得可能となる。
そして、ステップS35においても、上記特性テーブル25aが参照されて、横弾性係数Gが取得される。すなわち、上記ステップS2で抽出された外装部材の種類及びワイヤーハーネスの太さに応じた縦弾性係数Eが取得可能である。勿論、上述したように、式(12)を利用して、縦弾性係数Eから導出するようにしてもよい。
このような非外形パラメータの計算が終了すると、続いて、ステップS4において、拘束条件の抽出が行われる。拘束条件は、割り当てられる各節点における、図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)や、特に重要となるのは、完全拘束される端部1b1の座標、m1による変位先の端部1b5である。なお、ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。ステップS4は、請求項中の拘束条件抽出工程及び拘束条件抽出手段に対応する。
続いて、ステップS5において、有限要素法を用いて予測形状が計算される。すなわち、図11(A)に示したワイヤーハーネスの形状1bは、単に、CADを用いて描画されたものであるため、必ずしも、上記物理特性及び拘束条件を満足するように、物理的に釣り合った状態であるとは限らないので、有限要素法を用いて、図11(B)の1cに示すような、釣り合った状態である予測形状が計算される。ステップS5は、請求項中の予測形状計算工程及び予測形状計算手段に対応する。
有限要素法を用いた計算では、上記式(3)のように、ワイヤーハーネスが複数の梁要素が結合されたものとしてモデル化され、このモデルに上記外形パラメータ及び非外形パラメータ等の物理特性及び拘束条件が適用されて、このモデル中の未知数が計算される。すなわち、変位ベクトル{x}中の未知数が計算されると、1cに示すような釣り合った状態のワイヤーハーネスの予測形状が得られる。
但し、上記物理特性及び拘束条件を満足するような解が得られない場合もあり得る。すなわち、1cに示すような、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算することが不可能な場合もあり得る。このような場合を想定して、ステップS6においては、予測形状計算の成功/不成功の判定が行われる。
ステップS6において、予測形状計算が成功したと判定されると(ステップS6のY)、ステップS7に進んで、例えば、描画中の1bで示す形状に替えて、1cで示す予測形状が描画される。すなわち、入力装置22にてワイヤーハーネスの端部を変位させると、有限要素法にて物理的に釣り合った形状が自動計算されてこれが再描画される。つまり、CADによる周知の操作による形状設計に追従してそのバックグランドで、物理的に釣り合った形状が自動計算され描画される。
一方、ステップS6において、予測形状計算が不成功であると判定されると(ステップS6のN)、ステップS8に進んで、その旨の警告が出力される。この警告は、表示装置23上に文字表示するようにしてもよいし、鳴音装置(不図示)にて警報音を発するようにしてもよい。なお、この場合には、1bで示す描画中のワイヤーハーネスの形状は、表示装置23上に表示されたままとする。このように、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算することが不可能である場合には、その旨が警告されるので、より短時間での適確な経路設計が可能になる。ステップS8は、請求項中の警告出力工程及び警告出力手段に対応する。
続いて、ステップS9において、手動操作に応じた形状変更の有無が判定される。例えば、1cで示す予測形状の上に電装品等の障害物が存在するために、入力装置22が操作されて、図11(C)のm2で示すように端部が1c5から1d5に変位されたものとする。そうすると、ステップS4に戻って(ステップS9のY)、新たな拘束条件が抽出される。すなわち、端部1c5の座標が端部1d5の座標に更新される。そして、ステップS5に進んで、再度有限要素法を用いた計算が行われ、図11(D)の1eに示すような、新たな拘束条件を満足する形状が計算される。
そして、図11(E)に示すように、表示装置23上には、1dに示す形状に替えて、1eに示すワイヤーハーネスの形状が描画される。勿論、何らかの理由により、再々度、手動操作に応じた形状変更があれば、上記ステップS4〜ステップS8の処理が繰り返される。そして、手動操作に応じた形状変更が無しと判定されると(ステップS9のN)、一連の処理が終了する。終了時には、予測形状1eを記憶装置25としてのハードディスク等に保存するようにしてもよいし、印字装置24から紙上印字させるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、端部以外の節点は、完全自由としたが、重力の影響を考慮して予測形状を計算するようにしてもよい。重力の影響は、上記式(3)中の力ベクトル{F}中の各要素に係わる。
このように、実施形態1によれば、ワイヤーハーネスを、直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなしてモデル化しているので計算量が大幅に削減され、短時間での確実な形状予測が可能になる。また、有限要素法の計算に必要なデータが、手動操作に応じて描画されたワイヤーハーネスから自動計算されるので、予測形状計算のための数値入力が不要となる。したがって、特殊な技術習得や熟練も不要となる。なお、実施形態1は、請求項1〜6に対応するものである。
[実施形態2]
図12及び図13を用いて、実施形態2に係る処理手順について説明する。図12は、図8に示したハードウエア構成を用いて行われる本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図13(A)〜図13(F)はそれぞれ、図12に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
まず、図12に示すステップS1において設定された初期値に基づいて、ステップS2において初期形状が算出され、ステップS3において、図13(B)に示すように、算出された初期形状33が出力される。この初期形状33を得るための初期値としては、例えば、図13(A)に示すように、設計対象となるワイヤーハーネスの両端のコネクタが取り付けられる拘束位置31a、31z、拘束方向32a、32z及びこのワイヤーハーネスの最小曲げ半径等が用いられ、この拘束位置を拘束方向に通過し、最小曲げ半径等より大きな曲げ半径を有する曲線である初期形状33が得られるが、このワイヤーハーネスの中間部に取り付けられるクリップの座標及び拘束方向等も用いるようにしてもよい。なお、最小曲げ半径は、ワイヤーハーネスの材料特性に依存する値であり、ワイヤーハーネスの組み付け作業を行う作業者の通常の力では、この最小曲げ半径まで曲げることができない場合も想定される。したがって、最小曲げ半径よりもむしろ、作業者の通常の力で曲げることのできる曲げ半径を用いて、初期形状33を得るほうが現実的である。この曲げ半径は、材料特性に依存する上記最小曲げ半径よりもやや大きな曲げ半径となり、予め典型的なワイヤーハーネス毎に試験等により取得しておくことが可能である。なお、下記(b1)〜(b9)中の「曲げ半径」は、上記材料特性及び作業者の力に依存する曲げ半径を共に含むものである。また、上記拘束方向とは、支持部材によって、その拘束位置からワイヤーハーネスの延びる方向が、規制又は拘束された特定の方向である。なお、初期形状33を求める方法はこのような方法に限定されるものでなく、他の方法を用いてもよい。上記形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、初期値の設定には入力装置22が用いられ、初期形状の出力には表示装置23が用いられる。なお、以降の処理においても、形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、各値の設定には入力装置22が用いられ、算出結果の出力には表示装置23が用いられる。ステップS2及び関連するハードウエアは、下記(b1)〜(b9)中の第1算出手段に対応する。
次に、ステップS4においては、上記出力された初期形状33に対して、図13(C)に示すような各節点31a〜31zを割り当てると共に、これら各節点31a〜31zに対して、強制変位させる際の各拘束条件が設定される。拘束条件としては、各節点31a〜31zに対する図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)やローカル座標等が設定される。これらの拘束条件は、変位先に対応するものである。各節点31a〜31zとしては、コネクタやクリップ等の支持部材が取り付けられる部位等が割り当てられる。なお、拘束種類の設定には、図2で示したように、コネクタ、クリップ等の支持部材名を利用してもよい。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。
これと共に、ステップS4においては、被予測ワイヤーハーネスの外形パラメータ及び非外形パラメータも設定される。外形パラメータとしては上記長さl及び断面積Aが設定され、非外形パラメータとしては、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、ポアソン比μ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gが設定される。これらは、上記のようにして予め計測或いは算出されている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。ステップS4及び関連するハードウエアは、下記(b1)〜(b9)中の設定手段に対応する。また、外形パラメータ及び非外形パラメータは、下記(b1)〜(b9)中の物理特性に対応する。
このような各値の設定が完了すると、ステップS5に進んで、現在、表示中の経路形状が消去される。次に、ステップS6において、有限要素法が適用されて、新たな予測形状が算出される。すなわち、ステップS6においては、上記ステップS4にて設定された各値が上記式(3)に適用されて、上記式(3)中の各未知数が算出される。詳しくは、式(3)中の変位ベクトル{x}の未知数が算出されると、ワイヤーハーネスの新たな予測形状が得られる。ステップS5及び関連するハードウエアは、下記(b1)〜(b9)中の算出手段及び第2算出手段に対応する。
次に、ステップS7において、図13(D)に示すように、上記算出された新たな予測形状35が表示される。なお、図13(D)に示す新たな予測形状35の各節点31b′、31c′、31d′、及び31e′はそれぞれ、図13(C)に示した初期形状33における各節点31b、31c、31d、及び31eに対応する。なお、ここでは、節点31a及び31zの位置は不動であり、その他の節点は強制変位されている。ステップS7及び関連するハードウエアは、下記(b1)〜(b9)中の出力手段に対応する。なお、下記(b1)〜(b9)中に記載の出力には、表示装置23による表示に限定されず、印字装置24による印字等も含まれる。
次に、ステップS8においては、設定値の変更の有無が判定される。例えば、図13(E)に示すように、強制変位の結果、各種電装品やステー等を起因とする障害物36に、新たな予測形状35が干渉することが判明すれば、例えば、新たな曲げ半径や新たな強制変位すべき位置等が、入力装置22等を用いて再設定される。再設定変更する要素はこれらに限定されず、式(3)中の他の要素であってもよい。そして、ここで、設定値の変更ありと判定されると、次の新たな予測形状を算出すべくステップS5に戻る(ステップS8のY)。
ステップS5〜ステップS7に戻ると、次の新たな予測形状が算出及び表示される。このような検証処理を繰り返し、例えば、図13(F)に示すような、障害物36を回避しつつ、与えられた条件を満たす予測形状37が表示される。そして、所定の設定値を満足する予測形状が得られると、一連の処理を終了する(ステップS8のN)。ステップS8及びステップS5〜ステップS7は、下記(b1)〜(b9)中の検証手段に対応する。
このように、実施形態2によれば、設計者の熟練度に依存することなく、常に安定した精度のワイヤーハーネス等の線条構造物の予測形状が取得できるようになる。したがって、線条構造物の最適な配線の設計が、容易かつ正確に行えるようになる。特に、本実施形態によれば、従来、正確に設計することが困難であった太さや剛性が変化するワイヤーハーネス、分岐点を有するワイヤーハーネスにも適用可能になる。また、本実施形態は、ワイヤーハーネスの経路形状に大きな影響を与え、且つ設計の要点である拘束点、拘束方向等を任意に変更して、最適な経路形状を検討する際にも有用となる。
実施形態2から把握できる技術思想(b1)〜(b9)について、以下にその効果と共に記載する。
(b1)の線条構造物の配線設計支援方法は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を前記有限要素法に適用して、この条件を満たすように前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を算出して、この算出結果を出力する、ことを特徴とする。
また、(b2)の線条構造物の配線設計支援方法は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、初期値として設定された前記線条構造物の所定の曲げ半径、拘束位置及び前記拘束位置における前記線条構造物に対する拘束方向に基づいて、前記線条構造物の初期形状を算出し、この初期形状に対して前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を与え、前記有限要素法を利用して、前記与えられた条件を満たすように前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を算出して、この算出結果を出力する、ことを特徴とする。
また、(b3)の線条構造物の配線設計支援方法は、(b1)又は(b2)の配線設計支援方法において、出力された前記予測形状に対して、前記物理特性及び前記拘束条件の変更に関する情報を与え、前記有限要素法を利用して、前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を再度算出して、この算出結果を再度出力させて、最適な前記線条構造物の形状を検証可能にする、ことを特徴とする。
また、(b4)の線条構造物の配線設計支援方法は、(b1)〜(b3)のいずれかに記載の線条構造物の配線設計支援方法において、前記線条構造物は、車両に配線されるワイヤーハーネスであり、前記拘束条件は、前記複数の梁要素の各頂点の座標及び前記各頂点における自由度とし、前記物理特性は、前記線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値である、ことを特徴とする。
また、(b5)の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段と、前記所定条件を前記有限要素法に適用して、この条件を満たすように前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を算出する算出手段と、前記算出手段にて算出された前記予測形状を出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(b6)の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、初期値として設定された前記線条構造物の所定の曲げ半径、拘束位置及び前記拘束位置における前記線条構造物に対する拘束方向に基づいて、前記線条構造物の初期形状を算出する第1算出手段と、前記初期形状に対して前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段と、前記有限要素法を利用して、前記設定された条件を満たすように前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を算出する第2算出手段と、前記第2算出手段にて算出された前記予測形状を出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(b7)の線条構造物の配線設計支援装置は、(b5)又は(b6)の線条構造物の配線設計支援装置において、前記出力手段にて出力された前記予測形状に対して、前記物理特性及び前記拘束条件の変更に関する情報を与え、前記有限要素法を利用して、前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を再度算出して、この算出結果を前記出力手段に再度出力させて、最適な前記線条構造物の形状を検証可能にする検証手段、を更に含むことを特徴とする。
また、(b8)の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段、前記所定条件を前記有限要素法に適用して、この条件を満たすように前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を算出する算出手段、前記算出手段にて算出された前記予測形状を出力する出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
また、(b9)の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、初期値として設定された前記線条構造物の所定の曲げ半径、拘束位置及び前記拘束位置における前記線条構造物に対する拘束方向に基づいて、前記線条構造物の初期形状を算出する第1算出手段、前記初期形状に対して前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段、前記有限要素法を利用して、前記設定された条件を満たすように前記線条構造物を強制変位させた際の予測形状を算出する第2算出手段、前記第2算出手段にて算出された前記予測形状を出力する出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
(b1)、(b5)及び(b8)によれば、有限要素法に線条構造物の物理特性及び拘束条件を与えて、線条構造物がこれら物理特性及び拘束条件を満たすように強制変位された際に予測される線条構造物の形状が出力される。
また、(b2)、(b6)及び(b9)によれば、まず、初期値として設定された線条構造物の拘束位置、拘束方向及び所定の曲げ半径に基づき初期形状が算出される。更に、この初期形状に対して、線条構造物の物理特性及び拘束条件を与えて、この線条構造物がこれら物理特性及び拘束条件を満たすように強制変位された際に予測される線条構造物の形状が出力される。
また、(b3)及び(b7)によれば、出力された予測形状に対して、物理特性及び拘束条件の変更に関する情報を与え、有限要素法を利用して、線条構造物を強制変位させた際の予測形状を再度算出して、この算出結果を再度出力させて、最適な線条構造物の形状を検証可能にしている。
また、(b4)によれば、拘束条件は、複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、物理特性は、断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値としている。
[効果]
(b1)、(b5)及び(b8)によれば、有限要素法に線条構造物の物理特性及び拘束条件を与えて、線条構造物がこれら物理特性及び拘束条件を満たすように強制変位された際に予測される線条構造物の形状が出力される。このように有限要素法を用いることにより、設計者の熟練度に依存することなく、常に安定した精度の線条構造物の予測形状を得ることができる。したがって、線条構造物の最適な配線の設計が、容易かつ正確に行えるようになる。
また、(b2)、(b6)及び(b9)によれば、まず、初期値として設定された線条構造物の拘束位置、拘束方向及び所定の曲げ半径に基づき初期形状が算出されるので、おおよその線条構造物を即座に得ることができる。更に、この初期形状に対して、線条構造物の物理特性及び拘束条件を与えて、この線条構造物がこれら物理特性及び拘束条件を満たすように強制変位された際に予測される線条構造物の形状が出力されるので、設計者の熟練度に依存することなく、常に安定した精度の線条構造物の予測形状を得ることができる。したがって、線条構造物の最適な配線の設計が、より容易かつ正確に行えるようになる。
また、(b3)及び(b7)によれば、出力された予測形状に対して、物理特性及び拘束条件の変更に関する情報を与え、有限要素法を利用して、線条構造物を強制変位させた際の予測形状を再度算出して、この算出結果を再度出力させて、最適な線条構造物の形状を検証可能にしているので、線条構造物の最適な配線の設計が、更に正確に行えるようになる。
また、(b4)によれば、拘束条件は、複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、物理特性は、断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値とし、これらの値はすべて、車両に配線されるワイヤーハーネスから予め取得できるものであるので、実際の組み付け作業を想定した現実的な的確な経路の検討が可能になる。
[実施形態3]
図14及び図15を用いて、実施形態3に係る処理手順について説明する。図14は、図8に示したハードウエア構成を用いて行われる本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図15(A)〜図15(D)はそれぞれ、図14に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
まず、図14に示すステップS1において設定された初期値に基づいて、ステップS2において初期形状が算出され、ステップS3において、図15(A)に示すように、算出された初期形状1aが出力される。この初期形状1aを得るための初期値としては、例えば、対象となるワイヤーハーネスの両端(図中、節点1a1及び1a8の位置に対応する)のコネクタが取り付けられる位置が用いられるが、このコネクタの拘束方向や、このワイヤーハーネスの中間部に取り付けられるクリップの座標及び拘束方向、或いは、このワイヤーハーネスの材料特性に依存する最小曲げ半径やワイヤーハーネスを組み付ける際に作業者が通常の力で曲げることができる曲げ半径等を用いてもよい。いずれにしても、対象となるワイヤーハーネスの組み付け前の形状が反映された初期形状を出力することが好ましい。上記形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、初期値の設定には入力装置22が用いられ、初期形状の出力には表示装置23が用いられる。なお、以降の処理においても、形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、各値の設定には入力装置22が用いられ、算出結果の出力には表示装置23が用いられる。
次に、ステップS4においては、上記出力された初期形状1aに対して、図15(B)に示すような各節点1a1〜1a8を割り当てると共に、これら各節点1a1〜1a8における所定の拘束条件が設定される。拘束条件としては、各節点1a1〜1a8に対する図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)やローカル座標等が設定される。これらの拘束条件は、変位先に対応するものである。各節点1a1〜1a8としては、コネクタやクリップ等の支持部材が取り付けられる部位等が割り当てられる。なお、拘束種類の設定には、図2で示したように、コネクタ、固定クリップ等の支持部材名を利用してもよい。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。
これと共に、ステップS4においては、被予測ワイヤーハーネスの外形パラメータ及び非外形パラメータも設定される。外形パラメータとしては上記長さl及び断面積Aが設定され、非外形パラメータとしては、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、ポアソン比μ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gが設定される。これらは、上記のようにして予め計測或いは算出されている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。
更に、ステップS4においては、図15(B)に示すように、ワイヤーハーネスの所定部位、例えば、コネクタが取り付けられる位置に対応する節点1a8に加える力fを設定するようにしてもよい。この力fは、例えば、組付け時に予想される作業者の動き等に基づくようにする。ここで設定される値は、上記式(3)中の力ベクトル[f]中の各要素に係わる。このように力fを設定することにより、組付け時に予想される作業者の動き等を正確に反映させたワイヤーハーネスの変形の様子を検討することが可能になる。また、所定部位を任意に引っ張たり、曲げたりした場合のワイヤーハーネスの変形の様子も検討することが可能になる。なお、このステップS4では、算出処理に係る各種制御値等も設定される。このステップS4は、下記(c1)〜(c9)中の設定手段及び第2設定手段に対応する。また、外形パラメータ及び非外形パラメータは、下記(c1)〜(c9)中の物理特性に対応する。
このような、形状算出に必要な各値の設定が完了した後、算出開始のための所定トリガがあると、ステップS5において上記初期形状1aが表示装置23から消去された後ステップS7以降に進む。ステップS7以降では、ワイヤーハーネスの初期形状が上記設定された拘束条件等を満たす釣り合いがとれた最終形状に変位する迄の変形の様子を、逐次、表示装置23上に更新出力する。この様子は、例えば、上記初期形状から最終形状に至るまでの間に割り当てられた複数の時点t1、t2、…、tiにそれぞれ対応したものとする。説明を加えると、初期形状から最終形状に至るまでを例えば10秒としておき、1秒ごとの変形の様子を出力するようにする。この処理を以下に説明する。
まず、ステップS6において時点tiを時点t1に設定した後、ステップS7以降に進む。そして、ステップS7〜ステップS11の処理ループにおいては、順次、時点t1、t2、…、tiにおけるワイヤーハーネスの形状を有限要素法を利用して算出し、時点tdに至るまでワイヤーハーネスの変形の様子を更新出力していく。
すなわち、ステップS7においては、上記ステップS4で設定された形状算出に必要な各値を有限要素法、特に、上記式(3)に適用して、時点tiにおける予測形状が算出される。次に、ステップS8においては、上記ステップS7にて算出された時点tiにおける予測形状(途中形状)を、表示装置23上に出力させる。そして、ステップS9において、時点tiをカウントアップした後、ステップS11において時点tiが最終時点tdに到達したか否かが判定される。なお、上記ステップS7は、下記(c1)〜(c9)中の算出手段に対応する。
更に、ステップS10において、時点tiが未だ最終時点tdに到達していないと判定されると(ステップS10のN)、ステップS11において時点tiの予測形状が消去された後、ステップS7に戻って、次の時点tiにおける予測形状が上記と同様に算出される。すなわち、時点tiが最終時点tdに到達するまで、ステップS7及びステップS8において、途中形状の算出及び出力処理が切り返し行われる。このような処理により、図15(C)に示すようなワイヤーハーネスの変形の様子が逐次出力される。すなわち、初期形状1aから、途中形状1b及び1cを経て、後述する最終形状1dに至る迄の変形の様子が出力される。なお、図中、最終形状1dの節点1z1、1z2、1z3、1z4、1z5、1z6、1z7、及び1z8の位置はそれぞれ、上記初期形状1aにおける節点1a1、1a2、1a3、1a4、1a5、1a6、1a7、及び1a8の位置に対応する。また、途中形状1b、1cの節点1b8、1c8は、上記初期形状1aにおける節点1a8に対応する。
なお、上記処理によると、各時点における途中形状は、自動的に、逐次更新出力されていくようになっているが、上記ステップS10とステップS11との間に、ステップS11の更新出力を一時停止させる処理を挿入してもよい(下記(c1)〜(c9)中の一時停止制御手段に対応)。すなわち、入力装置22による所定のトリガがあるまでは、現在の形状を表示装置23上に静止させて出力させるようにしてもよい。こうすることにより、本装置のユーザは、変形途中のワイヤーハーネスの様子を任意の時点で静止させて、ワイヤーハーネスと干渉物との位置関係や歪み具合等を検討することも可能になる。
一方、上記ステップS10において、時点tiが最終時点tdに到達したと判定されると(ステップS10のY)、ステップS12に進んで図15(D)に示すような最終時点tdにおける予測形状、すなわち、最終形状1zを表示装置23上に出力させた上で一連の処理を終了する。この最終形状1zは、上記設定された拘束条件等を満たすような力学的に釣り合った安定状態である。この最終形状1zは、印字装置24にも出力するようにしていもよい。なお、上記ステップS8及びステップS12は、下記(c1)〜(c9)中の出力手段に対応する。
このように、実施形態3によれば、ワイヤーハーネスが最終形状に変位する迄変形の様子を、組み付け作業を行う前に予め知ることができる。この結果、ワイヤーハーネスの最適な配線設計が、設計者の熟練度に依存することなく、短期間で、容易かつ正確に行えるようになる。特に、ワイヤーハーネスを、円形断面で直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなすことによって有限要素法の適用を可能にして、より精度の高い形状予測を実現している。
実施形態3から把握できる技術思想(c1)〜(c8)について、以下にその効果と共に記載する。
(c1)の線条構造物の配線設計支援方法は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物が任意の初期形状から前記所定条件を満たすような釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を、逐次算出してその結果を逐次出力する、ことを特徴とする。
また、(c2)の線条構造物の配線設計支援方法は、(c1)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記線条構造物の所定部位に所定の力を加えて変位させた際の前記線条構造物の変形の様子を逐次算出してその結果を逐次出力する、ことを特徴とする。
また、(c3)の線条構造物の配線設計支援方法は、(c1)又は(c2)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記線条構造物は、車両に配線されるワイヤーハーネスであり、前記拘束条件は、前記複数の梁要素の各頂点の座標及び前記各頂点における自由度とし、前記物理特性は、前記線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値である、ことを特徴とする。
また、(c4)の線条構造物の配線設計支援方法は、線条構造物の配線に関する予測形状を算出することにより、線条構造物の最適な配線設計を支援する方法において、対象となる線条構造物が任意の初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を逐次算出してその結果を逐次出力する、ことを特徴とする。
また、(c5)の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段と、前記所定条件を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物が任意の初期形状から前記所定条件を満たすような釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を、逐次算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果に基づき、前記線条構造物の変形の様子を逐次、更新出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(c6)の線条構造物の配線設計支援装置は、(c5)の線条構造物の配線設計支援装置において、前記所定条件として、前記線条構造物の所定部位に加える力を設定する第2設定手段を更に含み、前記算出手段は、前記力を加えて変位させた際の前記線条構造物の変形の様子を逐次算出する、ことを特徴とする。
また、(c7)の線条構造物の配線設計支援装置は、(c5)又は(c6)の線条構造物の配線設計支援装置において、手動操作に基づくトリガにより、前記出力手段による出力を一時的に静止させる一時停止制御手段、を更に含むことを特徴とする。
また、(c8)の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の形状を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段、前記所定条件を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物が任意の初期形状から前記所定条件を満たすような釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を、逐次算出する算出手段、前記算出手段による算出結果に基づき、前記線条構造物の変形の様子を逐次、更新出力する出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
(c1)によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなす。そして、有限要素法を利用して、所定条件を満たす線条構造物の予測形状を出力する。特に、線条構造物の物理特性及び拘束条件を満たしつつ、この線条構造物が初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を、有限要素法を利用して逐次算出してその結果を逐次出力するようにしている。
また、(c2)によれば、線条構造物の所定部位に力を加えて変位させた際の線条構造物の変形の様子を逐次算出してその結果を逐次出力するようにしている。
また、(c3)によれば、拘束条件を線条構造物を構成する複数の梁要素の各頂点の座標及び各頂点における自由度とし、物理特性を線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値としている。
また、(c4)によれば、対象となる線条構造物が初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を、逐次算出してその結果を逐次出力するようにしている。
また、(c5)によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなす。そして、有限要素法を利用して、所定条件を満たす線条構造物の予測形状を出力する。特に、線条構造物の物理特性及び拘束条件を満たしつつ、この線条構造物が初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変位する際の線条構造物の変形の様子を、有限要素法を利用して逐次算出してその結果を逐次出力するようにしている。
また、(c6)によれば、線条構造物の所定部位に力を加えて変位させた際の線条構造物の変形の様子を逐次算出してその結果を逐次出力するようにしている。
また、(c7)によれば、手動操作に基づくトリガにより、出力手段による出力が一時的に静止される。
(c8)によれば、有限要素法を利用して、コンピュータに、所定条件を満たす線条構造物の予測形状を出力させる。特に、線条構造物の物理特性及び拘束条件を満たしつつ、この線条構造物が初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変位する際の線条構造物の変形の様子を、有限要素法を利用して逐次算出させてその結果を逐次出力させるようにしている。
[効果]
(c1)、(c5)及び(c8)によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす線条構造物の予測形状が出力される。特に、線条構造物の物理特性及び拘束条件を満たしつつ、この線条構造物が初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子が、有限要素法を利用して逐次算出されてその結果が逐次出力されるようにしている。したがって、線条構造物が最終形状に変位する迄の線条構造物の変形の様子を、組み付け作業を行う前に予め知ることができる。この結果、線条構造物の最適な配線設計又は配策設計が、設計者の熟練度に依存することなく、短期間で、容易かつ正確に行えるようになる。
また、(c2)及び(c6)によれば、線条構造物の所定部位に力を加えて変位させた際の線条構造物の変形の様子を逐次算出してその結果を逐次出力するようにしているので、組付け時に予想される作業者の動き等を正確に反映させた線条構造物の変形の様子を検討することが可能になる。また、所定部位を任意に引っ張たり、曲げたりした場合の線条構造物の変形の様子も検討することが可能になる。
また、(c3)によれば、拘束条件を線条構造物を構成する複数の梁要素の各頂点の座標及び各頂点における自由度とし、物理特性を線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値としており、これらの値はすべて、車両に配線されるワイヤーハーネスから予め取得できるものである。したがって、実際の組み付け作業を想定したワイヤーハーネスの配線シミュレーションが可能になる。
また、(c4)によれば、対象となる線条構造物が初期形状から釣り合いがとれた最終形状に変形していく様子を、逐次算出してその結果を逐次出力するようにしている。したがって、線条構造物が最終形状に変位する迄の線条構造物の変形の様子を、組み付け作業を行う前に予め知ることができる。この結果、線条構造物のより最適な配線設計が、容易かつ正確に行えるようになる。
また、(c7)によれば、手動操作に基づくトリガにより、出力手段による出力が一時的に静止される。したがって、本装置のユーザは、変形途中の線条構造物の出力を任意の時点で静止させて、線条構造物と干渉物との位置関係や歪み具合等を検討することが可能になる。
[実施形態4]
図16及び図17を用いて、実施形態4に係る処理手順について説明する。図16は、図8に示したハードウエア構成を用いて行われる本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図17(A)〜図17(D)はそれぞれ、図16に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
まず、図16に示すステップS1において設定された初期値に基づいて、ステップS2において初期形状が算出され、ステップS3において、図17(A)に示すように、算出された初期形状31が出力される。この初期形状31を得るための初期値としては、例えば、対象となるワイヤーハーネスの両端のコネクタが取り付けられる位置が用いられるが、このコネクタの拘束方向や、このワイヤーハーネスの中間部に取り付けられるクリップの座標及び拘束方向、或いは、このワイヤーハーネスの材料特性に依存する最小曲げ半径やワイヤーハーネスを組み付ける際に作業者が通常の力で曲げることができる曲げ半径等を用いてもよい。いずれにしても、対象となるワイヤーハーネスの組み付け前の形状が反映された初期形状を出力することが好ましい。上記形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、初期値の設定には入力装置22が用いられ、初期形状の出力には表示装置23が用いられる。なお、以降の処理においても、形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、各値の設定には入力装置22が用いられ、算出結果の出力には表示装置23が用いられる。
次に、ステップS4においては、上記出力された初期形状31に対して、図17(B)に示すような各節点33a〜33zを割り当てると共に、これら各節点33a〜33zにおける所定の拘束条件が設定される。拘束条件としては、各節点33a〜33zに対する図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)やローカル座標等が設定される。これらの拘束条件は、変位先に対応するものである。各節点33a〜33zとしては、コネクタやクリップ等の支持部材が取り付けられる部位等が割り当てられる。なお、拘束種類の設定には、図2で示したように、コネクタ、クリップ等の支持部材名を利用してもよい。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。
これと共に、ステップS4においては、被予測ワイヤーハーネスの外形パラメータ及び非外形パラメータも設定される。外形パラメータとしては上記長さl及び断面積Aが設定され、非外形パラメータとしては、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、ポアソン比μ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gが設定される。これらは、上記のようにして予め計測或いは算出されている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。外形パラメータ及び非外形パラメータは、下記(d1)〜(d10)中の物理特性に対応する。
次に、ステップS5においては、ワイヤーハーネスの所定部位に加える力fの大きさ及び向きが設定される。加える力fの大きさ及び向きは、ワイヤーハーネスを初期形状から最終形状に至るまでの中間点に変位させるための値にしてもよいし、ワイヤーハーネスを一気に最終形状に変位させるための値にしてもよい。力fを加える部位は、図17(B)に示すように、例えば、節点33zのみとしてもよいし、節点33a以外の節点33b〜33zの全てとしてもよいし、或いは、このうちのいずれかとしてもよい。加える力fは、力を加える部位に、全てに均等であってもよいし、適宜、差を持たせてもよい。また、加える力fとしては、このワイヤーハーネス自体の重力Gも含ませるようにすると、より現実的になる。
また、この加える力fは、例えば、組付け時に予想される作業者の動き等に基づくようにしてもよい。ここで設定される値は、上記式(3)中の力ベクトル[f]中の各要素に係わる。このように力fを設定することにより、組付け時に予想される作業者の動き等を正確に反映させたワイヤーハーネスの変形の様子を検討することが可能になる。また、所定部位を任意に引っ張たり、曲げたりした場合のワイヤーハーネスの変形の様子も検討することが可能になる。
このような各値の設定が完了すると、ステップS6に進んで、現在、表示中の経路形状が消去される。次に、有限要素法が適用されて、ステップS7において新予測形状が算出され、ステップS8において歪み及び応力が算出され、ステップS9において拘束点に発生する反力及びモーメントが算出される。
すなわち、ステップS7〜ステップS9においては、上記ステップS4及びステップS5で設定された各値が上記式(3)に適用されて、上記式(3)中の各未知数が算出される。詳しくは、式(3)中の変位ベクトル{x}の未知数が算出されると、ワイヤーハーネスの新予測形状が得られる。更に、式(3)中の力ベクトル{F}中の未知数が算出されると、このワイヤーハーネスに対する歪み及び応力、反力及びモーメントが算出可能になる。なお、周知のように、応力は(外力/断面積)、歪みは(伸び/長さ)と表されるので、応力及び歪みを算出する際には、これらの関係式も利用される。ステップS7及びステップS8は下記(d1)〜(d10)中の歪み応力算出手段に対応し、ステップS7及びステップS9は下記(d1)〜(d10)中の反力モーメント算出手段に対応する。
次に、ステップS10において、図17(C)に示すように、上記算出された新予測形状が表示される。なお、図17(C)に示す新予測形状36の各節点35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g及び35zは、図17(B)に示した初期形状31における各節点33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g及び33zに対応する。節点33aの位置は節点35aの位置と一致し、その他の節点は加えられた力f及び重力Gにより変位している。
次に、ステップS11において、算出された歪みや応力が新予測形状36と共に、上記表示装置23上に表示される。表示形態は、数値によるものでもよいが、好ましくは、歪みや応力がそれらの値に応じて多色表示されるようにする。例えば、図17(D)に示すように、歪みや応力の値が大きいワイヤーハーネスの部位36bは赤色で表示され、それらの値が小さい部位36aは緑色で表示されるようにする。このように、多色表示することにより、容易かつ直感的にワイヤーハーネス上の歪みや応力を認識できるようになる。なお、上記ステップS10及びステップS11は、下記(d1)〜(d10)中の歪み応力出力手段に対応する。
また、ステップS12においては、算出された反力やモーメントが新予測形状36と共に、上記表示装置23上に表示される。表示形態は、数値によるものでもよいが、好ましくは、反力やモーメントがそれぞれ、矢印37a、37b、及び38a、38bにて、表示されるようにする。このように、矢印表示することにより、コネクタやクリップ等の拘束部材の配置や耐久性の検討が容易になる。なお、上記ステップS10及びステップS12は、下記(d1)〜(d10)中の反力モーメント出力手段に対応する。
次に、ステップS13においては、入力装置22の所定操作等による終了トリガの有無が判定され、終了トリガが有れば上記一連の処理を終了するが(ステップS13のY)、終了トリガがない限り上記ステップS5に戻る(ステップS13のN)。ステップS5に戻ると、最終形状に至るまでの次の中間点に変位させるための値、或いは、ワイヤーハーネスを一気に最終形状に変位させるための値が設定されて、上記と同様の処理手順にて、次の新予測形状と共にこれに対応する歪みや応力、反力やモーメントが再表示される。このような処理は、任意に繰り返すことが可能である。これにより、初期形状から最終形状に至るまで、ワイヤーハーネスに所定の力を加えながら変位させていき、その際に加えられた力に基づいて、実際に作業ができるが否かを検討することが可能となる。
このように、実施形態4によれば、ワイヤーハーネスの経路設計に有限要素法を用いることを可能にし、力を加えながらワイヤーハーネスを変位させた際に発生する歪みや応力、拘束点に発生する反力やモーメントを正確に予知可能にする。したがって、本実施形態によれば、無理な負荷がかかることない経路設計や作業手順の立案、並びに拘束部材の最適な配置や耐久性の検討が、設計者の熟練度に依存することなく、容易かつ正確に行えるようになる。
実施形態4から把握できる技術思想(d1)〜(d10)について、以下にその効果と共に記載する。
(d1)の線条構造物の配線設計支援方法は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、前記線条構造物の初期形状に対して、所定の力を加えながら所定条件を満たすように変位させた際に発生する現象を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、前記力の大きさ及び向きに関する情報を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物の予測形状、並びに、前記線条構造物に発生する歪み及び応力を算出して、これら算出結果を出力する、ことを特徴とする。
また、(d2)の線条構造物の配線設計支援方法は、(d1)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記歪み及び応力をそれらの値に応じて多色表示する、ことを特徴とする。
また、(d3)の線条構造物の配線設計支援方法は、(d1)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記歪み及び応力に替えて、前記線条構造物の拘束点に発生する反力及びモーメントを算出して、その算出結果を前記予測形状と共に出力する、ことを特徴とする。
また、(d4)の線条構造物の配線設計支援方法は、(d3)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記反力及びモーメントを矢印にて表示する、ことを特徴とする。
また、(d5)の線条構造物の配線設計支援方法は、(d1)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記歪み及び応力と共に、前記線条構造物の拘束点に発生する反力及びモーメントも算出して、それらの算出結果を前記予測形状と共に出力する、ことを特徴とする。
また、(d6)の線条構造物の配線設計支援方法は、(d1)〜(d5)のいずれかに記載の線条構造物の配線設計支援方法において、前記線条構造物は、車両に配線されるワイヤーハーネスであり、前記拘束条件は、前記複数の梁要素の各頂点の座標及び前記各頂点における自由度とし、前記物理特性は、前記線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値である、ことを特徴とする。
また、(d7)の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、前記線条構造物の初期形状に対して、所定の力を加えながら所定条件を満たすように変位させた際に発生する現象を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、前記力の大きさ及び向きに関する情報を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物の予測形状、並びに、前記線条構造物に発生する歪み及び応力を算出する歪み応力算出手段と、前記歪み応力算出手段にて算出された前記予測形状、並びに、前記歪み及び応力を出力する歪み応力出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(d8)の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、前記線条構造物の初期形状に対して、所定の力を加えながら所定条件を満たすように変位させた際に発生する現象を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、前記力の大きさ及び向きに関する情報を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物の予測形状、並びに、前記線条構造物の拘束点に発生する反力及びモーメントを算出する反力モーメント算出手段と、前記反力モーメント算出手段にて算出された前記予測形状、並びに、前記反力及びモーメントを出力する反力モーメント出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(d9)の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、前記線条構造物の初期形状に対して、所定の力を加えながら所定条件を満たすように変位させた際に発生する現象を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、前記力の大きさ及び向きに関する情報を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物の予測形状、並びに、前記線条構造物に発生する歪み及び応力を算出する歪み応力算出手段、前記歪み応力算出手段にて算出された前記予測形状、並びに、前記歪み及び応力を出力する歪み応力出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
また、(d10)の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、前記線条構造物の初期形状に対して、所定の力を加えながら所定条件を満たすように変位させた際に発生する現象を予測して出力することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、前記所定条件としての前記線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、前記力の大きさ及び向きに関する情報を前記有限要素法に適用して、前記線条構造物の予測形状、並びに、前記線条構造物の拘束点に発生する反力及びモーメントを算出する反力モーメント算出手段、前記反力モーメント算出手段にて算出された前記予測形状、並びに、前記反力及びモーメントを出力する反力モーメント出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
(d1)、(d7)及び(d9)によれば、有限要素法に線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、加える力の大きさ及び向きに関する情報を与えて、線条構造物の予測形状、並びに、線条構造物に発生する歪み及び応力を算出して、これら算出結果を出力する。
また、(d2)によれば、歪みや応力がそれらの値に応じて多色表示される。
また、(d3)、(d8)及び(d10)によれば、有限要素法に線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、力の大きさ及び向きに関する情報を与えて、線条構造物の予測形状、並びに、線条構造物に発生する反力及びモーメントを算出して、これら算出結果を出力する。
また、(d4)によれば、反力やモーメントが矢印にて表示される。
また、(d5)によれば、有限要素法を用いて、歪み及び応力と共に、線条構造物の拘束点に発生する反力及びモーメントも算出して、それらの算出結果を予測形状と共に出力する。
また、(d6)によれば、拘束条件は、複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、物理特性は、断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値としている。
[効果]
(d1)、(d7)及び(d9)によれば、有限要素法に線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、加える力の大きさ及び向きに関する情報を与えて、線条構造物の予測形状、並びに、線条構造物に発生する歪み及び応力を算出して、これら算出結果を出力する。このように、有限要素法を用いることにより、力を加えながら線条構造物を変位させた際に発生する歪みや応力を正確に予知できる。
また、(d2)によれば、歪みや応力がそれらの値に応じて多色表示されるので、容易かつ直感的に線条構造物上の歪みや応力を認識できる。
また、(d3)、(d8)及び(d10)によれば、有限要素法に線条構造物の物理特性及び拘束条件、並びに、力の大きさ及び向きに関する情報を与えて、線条構造物の予測形状、並びに、線条構造物に発生する反力及びモーメントを算出して、これら算出結果を出力する。このように、有限要素法を用いることにより、力を加えながら線条構造物を変位させた際に発生する線条構造物の拘束点に発生する反力やモーメントを正確に予知できる。
また、(d4)によれば、反力やモーメントが矢印にて表示されるので、容易かつ直感的に線条構造物上の拘束点に発生する反力やモーメントを認識できる。
また、(d5)によれば、有限要素法を用いて、歪み及び応力と共に、線条構造物の拘束点に発生する反力及びモーメントも算出して、それらの算出結果を予測形状と共に出力するので、力を加えながら線条構造物を変位させた際の線条構造物への影響を正確に把握できる。
また、(d6)によれば、拘束条件は、複数の節点の座標及び各節点における拘束自由度とし、物理特性は、断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値とし、これらの値はすべて、車両に配線されるワイヤーハーネスから予め取得できるものであるので、実際の組み付け作業を想定した現実的な的確な経路の検討が可能になる。
[実施形態5]
ワイヤーハーネス等の線条構造物が車両に配線される場合には、エンジンによる振動や走行による振動等が多発するので、これらの振動と共振現象を起こさないようにワイヤーハーネスの設計をすることが好ましい。そこで、実施形態5においては、特に、ワイヤーハーネス等の線条構造物の予測形状に対しての振動に関する固有値も出力するようにして、線条構造物のより的確な配線設計を容易かつ正確に行えるようにする。
実施形態5では、ワイヤーハーネスの予測形状に対しての振動に関する固有値解析、すなわち、固有振動数及び固有振動モードの算出も行われるため、その際に利用する理論及び基本式についても簡単に説明しておく。
すなわち、上記式(4)に対する運動方程式は、ニュートンの第2法則を適用すると、以下の式(12)のようになる。
[M]{x″}−[K]{x}=0…(12)
ここで、[M]:慣性マトリックス、{x″}:変位ベクトル{x}の2階の時間微分を示す。
いま、
{x}=[X]ejωt…(13)
とすると、
{x′}=jω[X]ejωt…(14)
{x″}=−ω2[X]ejωt…(15)
となる。
ここで、{x′}:変位ベクトル{x}の1階の時間微分を示す。
上記式(12)に式(13)、式(14)及び式(15)を代入すると、
[M](ω2)(−ω2[X]ejωt)−[K]([X]ejωt)=0
となり、これを更に変形していくと最終的に以下の式(16)が得られる。
(−ω2[M]−[K])[X]ejωt=0
(−ω2[M]−[K])[X]ejωt=0
(−ω2[M]−[K])[X]=0
(−ω2[I]−[M]-1[K])[X]=0…(16)
ここで、[I]:単位マトリクス ω:固有振動数 [X]:固有振動モード
を示す。
なお、上記のような一般的な固有値解析は、例えば、上記非特許文献2でも示されている。
したがって、上記のような理論及び基本式を用いて、ワイヤーハーネスの予測形状に対して、固有振動数及び固有振動モードを算出することが可能になる。
図18及び図19を用いて、実施形態5に係る処理手順について説明する。図18は、図8に示したハードウエア構成を用いて行われる本実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図19(A)〜図19(C)はそれぞれ、図18に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
まず、図18に示すステップS1において、図19(A)の節点1a1、1a2及び1a3で示されるような、対象となるワイヤーハーネスのコネクタやクリップが取り付けられる部位における拘束条件が設定される。この拘束条件としては、各節点1a1、1a2及び1a3に対する図2で示したような拘束種類(完全拘束、回転拘束、完全自由等)やローカル座標等が設定される。これらの拘束条件は、変位先に対応するものである。各節点1a1、1a2及び1a3としては、コネクタやクリップ等の支持部材が取り付けられる部位等が割り当てられる。なお、拘束種類の設定には、図2で示したように、コネクタ、固定クリップ等の支持部材名を利用してもよい。ここで設定される各値は、上記式(3)中の変位ベクトル{x}中の各要素に係わる。
これと共に、ステップS1においては、被予測ワイヤーハーネスの外形パラメータ及び非外形パラメータも設定される。外形パラメータとしては上記長さl及び断面積Aが設定され、非外形パラメータとしては、断面2次モーメントI、断面2次極モーメントJ、ポアソン比μ、密度ρ、縦弾性係数E及び横弾性係数Gが設定される。これらは、上記のようにして予め計測或いは算出されている値が利用される。ここで設定される値は、上記式(3)中の剛性マトリクス[K]中の各要素に係わる。なお、上記各値の設定に際しては、上記入力装置22が用いられる。以降の処理においても、各値の設定には入力装置22が用いられ、形状算出処理はマイクロコンピュータ21にて行われ、算出結果の出力には表示装置23が用いられる。
また、ステップS1においては、ワイヤーハーネスの所定部位、例えば、コネクタが取り付けられる位置に対応する節点1a3等に加える力fを設定するようにしてもよい。この力fは、例えば、組付け時に予想される作業者の動き等に基づくようにする。ここで設定される値は、上記式(3)中の力ベクトル[f]中の各要素に係わる。なお、このステップS1の前に、予め初期形状を算出しておくようにしてもよい。初期形状を得るための初期値としては、例えば、対象となるワイヤーハーネスの両端のコネクタが取り付けられる位置及び拘束方向、このワイヤーハーネスの材料特性に依存する最小曲げ半径やワイヤーハーネスを組み付ける際に作業者が通常の力で曲げることができる曲げ半径等を用いることができる。なお、このステップS1では、算出処理に係る各種制御値等も設定される。このステップS1は、下記(e1)〜(e7)中の設定手段に対応する。また、外形パラメータ及び非外形パラメータは、下記(e1)〜(e7)中の物理特性に対応する。
このような、形状算出に必要な各値の設定が完了した後、算出開始のための所定トリガがあると、ステップS2以降において、有限要素法を利用して上記設定された拘束条件等を満たす釣り合いがとれた予測形状が算出されると共に、上記固有値解析が行われて、これらの結果が出力される。そして、所定の終了トリガがあるまで、上記各値の設定変更等により、繰り返し予測形状を出力させることができる。この処理を以下に説明する。
すなわち、ステップS2においては、上記ステップS1で設定された形状算出に必要な各値を有限要素法、特に、上記式(3)に適用して、図19(B)に示すような、力学的に釣り合いがとれた状態である予測形状1aが算出される。この図19(B)に示すような予測形状1aは、後述するように固有振動数及び固有振動モードの算出結果と共に出力するようにしてもよし、予測形状1aのみを単独で出力できるようにしてもよい。なお、このステップS2は、下記(e1)〜(e7)中の予測形状算出手段に対応する。
次に、ステップS3においては、上記ステップS2にて算出された予測形状1aに対しての固有振動数及び固有振動モードが算出される。この算出処理には、上記式(16)等が利用される。そして、ステップS4においては、図19(C)に示すように、上記ステップS2及びステップS3にて算出された予測形状1a、固有振動数及び固有振動モードが、表示装置23上に出力される。固有振動数及び固有振動モードの出力結果としては、図19(C)の点線1b及び破線1cで示すように、算出された固有振動数及び固有振動モードから予測されるワイヤーハーネスの波形、特に、最大振幅値等の情報を盛り込むことが好ましい。このような出力結果により、所定の拘束条件を満たすように配線されたワイヤーハーネスが、振動により各種障害物等と干渉するか否かを直感的に把握することが可能となる。このためには、各種障害物等を予測形状1a、固有振動数及び固有振動モードの出力結果と共に、表示装置23上に出力するようにしておくとよい。また、固有振動数及び固有振動モードを、数値で出力するようにしてもよい。こうすることにより、車両のエンジン等を起因とする振動源からの振動周波数との比較が容易になり、共振現象を効果的に防止することができるようになる。なお、上記ステップS3は、下記(e1)〜(e7)中の固有振動数算出手段及び固有振動モード算出手段に対応する。また、上記ステップS4における固有振動数及び固有振動モードの出力処理はそれぞれ、下記(e1)〜(e7)中の第1出力手段及び第2出力手段に対応する。
次に、ステップS5においては、所定の終了トリガの有無が判定され、終了トリガがない限りステップS6に進み(ステップS5のN)、終了トリガがあれば一連の処理を終了する(ステップS5のY)。なお、終了トリガは、例えば、入力装置22のキーボート操作等である。
ステップS6においては、振動による各種障害物等との干渉状態や共振現象等が考慮されて、上記ステップS1にて設定された各値が変更されて再設定される。すなわち、振動源の影響を受けて共振しないように、拘束条件、外形パラメータ及び非外形パラメータを変更してみる。次に、ステップS7において、表示装置23上の現予測形状1aが消去された上で、上記ステップS2に戻る。そして、ステップS5において終了トリガ有りと判定されるまで、ステップS2〜ステップS4において、設定変更された各値に基づいて、有限要素法を利用した予測形状、固有振動数及び固有振動モードの算出処理、並びにその結果の出力処理が行われる。
なお、ステップS5において、終了トリガがあると、図19(B)に示すような、最終的なワイヤーハーネスの予測形状1aのみを出力させるようにしてもよい。
このように、実施形態5によれば、ワイヤーハーネスの予測形状及び振動による影響を、組み付け作業を行う前に予め知ることができる。特に、車両には、エンジンによる振動や走行による振動等が多発するので、これらの振動と共振現象を起こさないようなワイヤーハーネスを設計する上で、本実施形態は非常に有効となる。この結果、ワイヤーハーネスの最適な配線設計が、設計者の熟練度に依存することなく、短期間で、容易かつ正確に行えるようになる。勿論、ワイヤーハーネスを、円形断面で直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなすことによって有限要素法の適用を可能にして、より精度の高い形状予測を実現していることはいうまでもない。
なお、本発明の方法及び装置は、車両内に配線されるワイヤーハーネスに限定されず、振動の発生する各種装置等に配線されるワイヤーハーネスにも、同様に適用可能である。また、共振現象を防止するためには、上記実施形態で説明した以外に、大きな減衰をかけて振動を押さえ込むようにしてもよい。
実施形態5から把握できる技術思想(e1)〜(e7)について、以下にその効果と共に記載する。
(e1)の線条構造物の配線設計支援方法は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の予測形状を出力することによって、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、前記所定条件として、予測対象となる線条構造物の物理特性及び拘束条件を前記有限要素法に適用して、釣り合いがとれた状態である予測形状を算出すると共に、この算出した予測形状に対しての振動に関する固有値も算出して、これらの算出結果を出力する、ことを特徴とする。
また、(e2)の線条構造物の配線設計支援方法は、(e1)の線条構造物の配線設計支援方法において、前記振動に関する固有値には、固有振動数及び固有振動モードの少なくともいずれかが含まれる、ことを特徴とする。
また、(e3)の線条構造物の配線設計支援方法は、(e1)又は(e2)記載の線条構造物の配線設計支援方法において、前記線条構造物は、車両に配線されるワイヤーハーネスであり、前記拘束条件は、前記複数の梁要素の各頂点の座標及び前記各頂点における自由度とし、前記物理特性は、前記線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値である、ことを特徴とする。
また、(e4)の線条構造物の配線設計支援方法は、線条構造物の配線に関する予測形状を算出することにより、線条構造物の最適な配線設計を支援する方法において、前記予測形状に対しての振動に関する固有値解析を行い、その解析結果を出力する、ことを特徴とする。
また、(e5)の線条構造物の配線設計支援装置は、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の予測形状を出力することによって、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、前記所定条件としての、線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段と、前記設定手段にて設定された前記物理特性及び拘束条件を前記有限要素法に適用して、釣り合いがとれた状態である予測形状を算出する予測形状算出手段と、前記予測形状算出手段にて算出された予測形状に対する固有振動数を算出する固有振動数算出手段と、前記予測形状及び前記固有振動数を出力する第1出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(e6)の線条構造物の配線設計支援装置は、(e5)の線条構造物の配線設計支援装置において、前記固有振動数算出手段に替えて、前記予測形状算出手段にて算出された予測形状に対する固有振動モードを算出する固有振動モード算出手段と、前記第1出力手段に替えて、前記予測形状及び前記固有振動モードを出力する第2出力手段と、を含むことを特徴とする。
また、(e7)の線条構造物の配線設計支援プログラムは、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して、所定条件を満たす前記線条構造物の予測形状を出力することによって、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、前記所定条件としての、線条構造物の物理特性及び拘束条件を設定する設定手段、前記設定手段にて設定された前記物理特性及び拘束条件を前記有限要素法に適用して、釣り合いがとれた状態である予測形状を算出する予測形状算出手段、前記予測形状算出手段にて算出された予測形状に対する固有振動数を算出する固有振動数算出手段、前記予測形状及び前記固有振動数を出力する出力手段、として機能させる、ことを特徴とする。
(e1)、(e2)、(e5)、(e6)及び(e7)によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなす。そして、予測対象となる線条構造物の物理特性及び拘束条件を有限要素法に適用して、釣り合いがとれた状態である予測形状を算出すると共に、この算出した予測形状に対しての振動に関する固有値も算出して、これらの算出結果を出力するようにしている。
また、(e3)によれば、車両に配線されるワイヤーハーネスに適用され、拘束条件を線条構造物を構成する複数の梁要素の各頂点の座標及び各頂点における自由度とし、物理特性を線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値としている。
また、(e4)によれば、線条構造物の配線に関する予測形状を算出することにより、線条構造物の最適な配線設計を支援する方法において、予測形状に対しての振動に関する固有値解析を行い、その解析結果を出力するようにしている。
[効果]
(e1)、(e2)、(e5)、(e6)及び(e7)によれば、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなす。そして、予測対象となる線条構造物の物理特性及び拘束条件を有限要素法に適用して、釣り合いがとれた状態である予測形状を算出すると共に、この算出した予測形状に対しての振動に関する固有値、すなわち、固有振動数、固有振動モードも算出して、これらの算出結果を出力するようにしている。したがって、この線条構造物が取り付けられる対象物に振動が発生した際の共振現象等を組み付け作業を行う前に予め知ることができる。この結果、線条構造物のより的確な配線設計が、設計者の熟練度に依存することなく、容易かつ正確に行えるようになる。
また、(e3)によれば、車両に配線されるワイヤーハーネスに適用され、拘束条件を線条構造物を構成する複数の梁要素の各頂点の座標及び各頂点における自由度とし、物理特性を線条構造物の断面積、長さ、断面2次モーメント、断面2次極モーメント、密度、ポアソン比、縦弾性係数及び横弾性係数に基づく値としているので、非常に現実に則したワイヤーハーネスの設計シミュレーションが可能になる。特に、車両には、エンジンによる振動や走行による振動等が多発するので、これらの振動と共振現象を起こさないようなワイヤーハーネスを設計する上で、本発明は非常に有効となる。
また、(e4)によれば、線条構造物の配線に関する予測形状を算出することにより、線条構造物の最適な配線設計を支援する方法において、予測形状に対しての振動に関する固有値解析を行い、その解析結果を出力するようにしているので、この線条構造物が取り付けられる対象物に振動が発生した際の共振現象等を組み付け作業を行う前に予め知ることができる。この結果、線条構造物のより的確な配線設計が可能になる。
以上のように、本発明の実施形態によれば、ワイヤーハーネス等の線条構造物の最適な配線設計を、容易かつ正確に行うことができるようになる。
なお、上記実施形態においては、線条構造物として車両内に配線されるワイヤーハーネスを例示して説明したが、本発明は、このようなワイヤーハーネスのみならず、ワイヤーハーネスよりもシンプルな構造の車両外に配線されるホースやチューブ、或いは、一般電線や1本の電線等にも同様に適用可能であることはいうまでもない。すなわち、本発明の線条構造物とは、これらホース、チューブ、一般電線、1本の電線等も含むものである。また、本発明は、枝線を有するワイヤーハーネス等にも適用可能である。また、本発明は、円形断面のみならず、矩形断面、円環断面、楕円断面、H字断面等の線条構造物に対しても、同様に適用可能である。すなわち、本発明が適用される線条構造物は、円形断面に限定されない。
本発明で対象となるワイヤーハーネスの全体形状を概略的に示す図である。 ワイヤーハーネスに取り付けられる代表的な支持部材と拘束自由度との関係を示す図である。 図3(A)は、ワイヤーハーネスの外観を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のワイヤーハーネスを離散化した様子を示す図であり、図3(C)は、図3(A)のワイヤーハーネスを梁要素と節点とで表した図である。 梁要素と節点とで表したワイヤーハーネスにおける自由度を説明するための図である。 図5(A)は、ワイヤーハーネスを3つの梁要素で表した図であり、図5(B)は、図5(A)の3つの梁要素を結合した状態を示す図である。 図6(A)は、断面2次モーメント及び縦弾性係数を測定する様子を示す図であり、図6(B)は、断面2次極モーメント及び横弾性係数を測定する様子を示す図である。 実施形態1に係る特性テーブルの一例を示す図である。 全実施形態に係るハードウエア構成の一例を示すブロック構成図である。 実施形態1に係る主処理手順を示すフローチャートである。 図9の主処理手順における非外形パラメータ計算のサブルーチンを示すフローチャートである。 図11(A)〜図11(E)はそれぞれ、図9の各処理過程においてワイヤーハーネスが変形する状態を例示する図である。 実施形態2に係る処理手順を示すフローチャートである。 図13(A)〜図13(F)はそれぞれ、図12に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。 実施形態3に係る処理手順を示すフローチャートである。 図15(A)〜図15(D)はそれぞれ、図14に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。 実施形態4に係る処理手順を示すフローチャートである。 図17(A)〜図17(D)はそれぞれ、図16に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。 実施形態5に係る処理手順を示すフローチャートである。 図19(A)〜図19(C)はそれぞれ、図18に示す各処理の過程における出力結果を例示する図である。
符号の説明
1 ワイヤーハーネス(線条構造物)
2a、2b、2c、2d コネクタ
3a、3b、3c、3d クリップ
4 分岐点
21 マイクロコンピュータ
22 入力装置
23 表示装置
24 印字装置
25 記憶装置
26 通信インターフェース
27 リードライト装置
28 内部バス
C1〜C7 梁要素
N1〜N8 節点(ノード)

Claims (6)

  1. 描画手段、外形パラメータ抽出手段、拘束条件抽出手段、非外形パラメータ計算手段及び予測形状計算手段として機能するコンピュータを用いて、対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなしてモデル化し、有限要素法を利用して前記線条構造物の形状を予測することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する方法であって、
    前記描画手段によって、手動操作に応じて任意の形状の線条構造物を描画する描画工程と、
    前記外形パラメータ抽出手段によって、線条構造物の外形を直接的に決定する物理特性である外形パラメータを、前記描画された線条構造物から抽出する外形パラメータ抽出工程と、
    前記拘束条件抽出手段によって、前記線条構造物の拘束条件を、前記描画された線条構造物から抽出する拘束条件抽出工程と、
    前記非外形パラメータ計算手段によって、前記有限要素法による形状予測の計算のために必要な前記外形パラメータ以外の前記線条構造物の物理特性である非外形パラメータを、前記外形パラメータに基づき計算する非外形パラメータ計算工程と、
    前記予測形状計算手段によって、前記拘束条件、前記外形パラメータ及び前記非外形パラメータを前記有限要素法に適用して、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算工程と
    を含むことを特徴とする線条構造物の配線設計支援方法。
  2. 請求項1記載の配線設計支援方法において、
    前記線条構造物、所定の外装部材で複数本の線条材が束ねられてなるワイヤーハーネスとし
    前記外形パラメータ、前記外装部材の種類及び前記ワイヤーハーネスの太さを含んだものとし、そして
    前記種類、前記太さ及び前記非外形パラメータの関係を対応づけた特性テーブルを予め格納しておいて、前記非外形パラメータ計算工程では、前記種類及び前記太さを前記特性テーブルに当てはめて、前記非外形パラメータを計算する
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援方法。
  3. 請求項2記載の配線設計支援方法において、
    前記特性テーブル、前記種類及び前記太さと前記非外形パラメータとしての縦弾性係数及び横弾性係数との関係、前記種類及び前記太さと前記非外形パラメータとしての縦弾性係数及びポアソン比との関係、或いは、前記種類及び前記太さと前記非外形パラメータとしての横弾性係数及びポアソン比との関係、を対応づけたものである
    ことを特徴とする線条構造物の配線設計支援方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の配線設計支援方法において、
    前記コンピュータが、警告出力手段としても機能し、
    前記警告出力手段によって、前記手動操作に応じて作成した線条構造物から、前記物理的に釣り合った状態である予測形状を計算することが不可能である場合には、その旨を警告する警告出力工程を更に含むことを特徴とする線条構造物の配線設計支援方法。
  5. 対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して前記線条構造物の形状を予測することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援する装置であって、
    手動操作に応じて任意の形状の線条構造物を描画する描画手段と、
    線条構造物の外形を直接的に決定する物理特性である外形パラメータを、前記描画された線条構造物から抽出する外形パラメータ抽出手段と、
    前記線条構造物の拘束条件を、前記描画された線条構造物から抽出する拘束条件抽出手段と、
    前記有限要素法による形状予測の計算のために必要な前記外形パラメータ以外の前記線条構造物の物理特性である非外形パラメータを、前記外形パラメータに基づき計算する非
    外形パラメータ計算手段と、
    前記拘束条件、前記外形パラメータ及び前記非外形パラメータを前記有限要素法に適用して、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段と
    を含むことを特徴とする線条構造物の配線設計支援装置。
  6. 対象となる線条構造物を直線性が保たれた複数の梁要素が結合された弾性体とみなし、有限要素法を利用して前記線条構造物の形状を予測することにより、前記線条構造物の最適な配線設計を支援するために、コンピュータを、
    手動操作に応じて任意の形状の線条構造物を描画する描画手段、
    線条構造物の外形を直接的に決定する物理特性である外形パラメータを、前記描画された線条構造物から抽出する外形パラメータ抽出手段、
    前記線条構造物の拘束条件を、前記描画された線条構造物から抽出する拘束条件抽出手段、
    前記有限要素法による形状予測の計算のために必要な前記外形パラメータ以外の前記線条構造物の物理特性である非外形パラメータを、前記外形パラメータに基づき計算する非外形パラメータ計算手段、および、
    前記拘束条件、前記外形パラメータ及び前記非外形パラメータを前記有限要素法に適用して、物理的に釣り合った状態である予測形状を計算する予測形状計算手段
    として機能させることを特徴とする線条構造物の配線設計支援プログラム。
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