JP4515579B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙を複数のビントレイに分配して収納するビントレイユニットと用紙を一括して収納する排紙トレイとを有する排紙収納装置を具備する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、孔版印刷装置に付設される排紙収納装置としては、用紙を複数のビントレイに分配して収納するビントレイユニットと、用紙を積載する単一のノンソートトレイとを上下方向に併設したものが知られている。この排紙収納装置の一例が実開平6−78358号公報に開示されており、この排紙収納装置は揺動可能な用紙搬送手段を備え、ソート時には用紙をビントレイユニット側に、ノンソート時には用紙をノンソートトレイ側にそれぞれ収納させるべく、用紙搬送手段を揺動させるように構成されている。
【0003】
この排紙収納装置において、ノンソートトレイは基本的に同一画像の印刷用紙を一括して収納するため、印刷用紙はその画像をすぐに確認できるように印刷面を上側にして収納される。また、ビントレイは複数画像の印刷用紙を複数の組に分割し、ページ番号の若い順から順序よく収納するため、孔版印刷装置本体に設けられているADFの仕様により、印刷用紙の印刷面を上側にして収納するものと印刷面を下側にして収納するものとがある。つまり、ADFがページ順に重ねられた原稿を上から送るものにおいては、印刷物はページ番号の若い順に排出されるため、ビントレイ上での印刷用紙は印刷面を下側にして収納され、ADFが原稿を下から送るものにおいては、逆にビントレイ上での印刷用紙は印刷面を上側にして収納される。また、ADFを持たない孔版印刷装置においても同様であるが、印刷面を上側にして収納するビントレイでは、ノンソートトレイと同様に画像の確認をすぐに行えるという利点がある。
さらに、上述の排紙収納装置では、ビントレイユニットに排紙揃えを行うジョガーを備えたものが知られており、インキを転移された印刷用紙はジョガーによって押されることでビントレイ上を移動して所定の位置に揃えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的な孔版印刷装置においては、装置を一定時間放置した後や印刷を停止した後に再度印刷を再開した場合等に、インキが蒸発することに起因して発生する印刷不良の不具合を防止するため、蒸発しにくい油性インキや油中水型エマルションインキが使用されている。しかし、このインキは乾燥しにくいため、印刷時において印刷用紙に転移したインキが印刷用紙内へと浸透して指等で擦っても汚れが発生しない、所謂、浸透乾燥した状態となるまでにはある程度の時間を必要とする。
通常の孔版印刷装置では、印刷された印刷用紙は連続的に排紙トレイに収納されるが、このときに前の印刷用紙上に次の印刷用紙がすぐに積載されると、インキの乾燥時間が短く前の印刷用紙の画像インキが次の印刷用紙の裏面に付着して汚してしまう、いわゆる裏移りという不具合を発生してしまう。そこで、版胴の回転周速度と無関係に印刷用紙の給送間隔を設定する手段を設け、この設定値に基づいて印刷用紙の供給を制御し、版胴を空転させることで裏移りの発生を防止する技術(以下、「スキップ給紙モード」という)が例えば特開平3−193383号公報に、また、マスタを穿孔製版するサーマルヘッドを有し、このサーマルヘッドを構成する個々の発熱部に供給する穿孔エネルギーを調整する手段を設け、穿孔エネルギーを調整することによりマスタの穿孔径を制御し、穿孔部からのインキ滲出量を変化させることで印刷濃度を制御して裏移りを防止する技術(以下、「省インキモード」という)が例えば特開平7−52515号公報にそれぞれ開示されている。
【0005】
しかし、上述した排紙収納装置を具備した孔版印刷装置において上記各号公報に開示された技術を採用したものは未だ提案されておらず、ノンソートモード時においては裏移りの不具合が生じ、ソートモード時における印刷面上側排紙の場合には裏移りの不具合が、また印刷面下側排紙の場合には最初の印刷用紙に付着した未乾燥のインキが転移してビントレイを汚してしまうという不具合が生じる。また、スキップ給紙モードあるいは省インキモードを備えた孔版印刷装置に対して上述の排紙収納装置を後付けした場合には、ノンソートモード時における不具合は解消されるが、孔版印刷装置と排紙収納装置とが連動していないため、例えばノンソートモードにおいて少量の印刷や裏移りを気にしなくともよい印刷等、スキップ給紙モードあるいは省インキモードを使用することなく印刷を行った後に、ソートモードできれいな印刷物を多量に印刷する場合等に、切換手段を操作してノンソートモードからソートモードに切り換えてもスキップ給紙モードや省インキモードには切り換えられず、上述した不具合が発生してしまうという問題点がある。また、ジョガー使用時には用紙が強制的に移動されるため、印刷面上側排紙の場合には印刷用紙同士の擦れ汚れが、また、印刷面下側排紙の場合にはビントレイと印刷用紙及び印刷用紙同士の双方に擦れ汚れが発生してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決し、ソートモード時においてビントレイ及び印刷用紙への汚れの発生を確実に防止することが可能な孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、回転自在な版胴と、マスタを製版し前記版胴に巻装する製版手段と、印刷用紙を給送する給紙手段と、印刷された前記印刷用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段によって搬送された前記印刷用紙を仕分けして収納するビントレイユニット及び一括して収納するノンソートトレイを有する排紙収納装置と、前記印刷用紙を前記ビントレイユニットに収納するか前記ノンソートトレイに収納するかを切り換える切換手段とを有する孔版印刷装置において、前記製版手段が前記マスタを穿孔製版するサーマルヘッドを有し、前記切換手段により前記印刷用紙を前記ビントレイユニットに収納するソートモードが選択されたとき、製版時における前記サーマルヘッドによる前記マスタの穿孔径を、前記印刷用紙が前記ノンソートトレイに収納されるノンソートモード選択時のそれよりも小さくすることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、さらに、前記マスタの穿孔径は印刷される画像の濃度あるいは面積によって決定されることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の孔版印刷装置において、さらに、前記ビントレイユニットは前記印刷用紙を収納する複数のビントレイを縦方向に有し、前記印刷用紙を、その印刷面が下側となるように収納することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の孔版印刷装置において、さらに、前記ビントレイユニットは前記印刷用紙の用紙揃えを行うジョガーを有することを特徴とする。
【0013】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例を採用した孔版印刷装置を示している。同図において孔版印刷装置1は、孔版印刷装置本体2と排紙収納装置3とから構成されており、両者は一体的に連結されている。
先ず、孔版印刷装置本体2について説明する。孔版印刷装置本体2は、画像読取部4、製版手段としての製版搬送部5、排版部6、給紙手段としての給紙部7、印刷部8、排紙部9、制御部10等から主に構成されている。
孔版印刷装置本体2の筐体2aの上部に配設された画像読取部4は、図示しない光源、ミラー、レンズ、画像センサー等を有しており、ミラーが走査して原稿画像を読み取り、読み取られた画像をレンズで結像して画像センサーに送る。画像センサーに送られた画像情報は、図示しないA/D変換器を経て後述するサーマルヘッド12の作動を制御するサーマルヘッドドライバへとライン毎に送られる。また、全ての原稿画像が画像読取部4によって読み取られると、原稿画像は画像読取部4内に設けられた図示しないメモリ内にビットマップデータとして格納された後、制御部10に向けて画像信号として送られる。
画像読取部4の上部にはADF4aが設けられている。本実施例で用いられるADF4aは画像面を下向きにして原稿をセットするタイプであり、ページ順に重ねられた原稿は1ページ目から順に読み取られる。
【0014】
筐体2aの上段右方であって画像読取部4の下方に設けられた製版搬送部5は、熱可塑性樹脂フィルムと和紙等の多孔性支持体とを貼り合わせてなるマスタ11をロール状に巻成したマスタロール11aを回転自在かつ着脱自在に支持する図示しないマスタ貯容手段、サーマルヘッド12、プラテンローラー13、マスタ搬送ローラー対14、切断手段15等から主に構成されている。
サーマルヘッド12は、図2(a)、(b)、(c)に示すように、マスタ搬送方向と直交する主走査方向Sに1列に配置された複数の発熱素子12a、発熱素子12aを保持・冷却するホルダー部12b、ホルダー部12bの上面に設けられサーマルヘッド12の温度を測定する温度検知センサー12cから主に構成されている。サーマルヘッド12は、画像読取部4に設けられた図示しないA/D変換器で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づいてマスタ11の熱可塑性樹脂フィルム面を選択的に溶融穿孔し、マスタ11上に穿孔画像を形成する機能を有する。温度検知センサー12cによる検知信号は制御部10に向けて送られる。
各発熱素子12aは、高電気抵抗材料による図示しない発熱体層、リード電極、保護膜等を有しており、穿孔用エネルギーとしての電気エネルギーが供給されることにより発熱し、熱エネルギーによってマスタ11の熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔する。各発熱素子12aに供給される穿孔用エネルギーは、制御部10によって制御される。なお、発熱素子によるマスタへの穿孔製版については、前記した特開平7−52515公報に詳述されている。
【0015】
サーマルヘッド12の上方にはプラテンローラー13が配設されている。プラテンローラー13は筐体2aの図示しない側板に回転自在に支持されており、図示しないステッピングモーターによって図1の時計回り方向に回転駆動される。プラテンローラー13のマスタ搬送方向である副走査方向Fの下流側にはマスタ搬送ローラー対14が配設されている。筐体2aの図示しない側板間に回転自在に支持された駆動ローラーと従動ローラーとからなるマスタ搬送ローラー対14は、図示しない駆動手段によって駆動ローラーが回転駆動されることで、プラテンローラー13と同じ搬送速度でマスタ11を搬送する。
サーマルヘッド12及びプラテンローラー13とマスタ搬送ローラー対14との間には切断手段15が配設されている。切断手段15は、固定刃である下刃15aと可動刃である上刃15b(共に図2参照)とから主に構成され、下刃15aに対して上刃15bが回転移動する周知の構成である。
【0016】
筐体2aの上段左方であって画像読取部4の下方に設けられた排版部6は、上排版部材及び下排版部材からなる図示しない排版手段、排版ボックス、圧縮板等を有し、後述する版胴21の外周面より使用済みのマスタを剥離して排版ボックス内に収容する。
製版搬送部5の下方には給紙部7が配設されている。給紙部7は、複数枚の印刷用紙Pを積載する上下動自在な給紙トレイ16,給紙トレイ16上の最上位の印刷用紙Pに接触してこれを送り出す給紙ローラー17、給紙ローラー17によって送り出された印刷用紙Pを1枚ずつに分離して給送する分離ローラー対18、分離ローラー対18によって分離給送された印刷用紙Pを印刷部8に向けて所定のタイミングで送り出すレジストローラー対19、筐体2aの下方に筐体2aに対して着脱自在に接続された給紙装置20等を有している。給紙装置20は、図示しない第1トレイ及びこれと同じサイズの用紙を収納可能な第2トレイ、第1、第2トレイよりも大サイズの用紙を収納可能な第3トレイを有しており、第2あるいは第3トレイから印刷部8に向けて印刷用紙Pを給送する。第2トレイの印刷用紙Pがなくなると第1トレイから第2トレイに印刷用紙Pが自動的に供給され、第1トレイは印刷中においても装置手前側への引き出しが可能に構成されている。この技術は、特開平11−240630号公報に詳述されている。
【0017】
筐体2aのほぼ中央部には印刷部8が配設されている。印刷部8は、版胴21、押圧手段であるプレスローラー22等から主に構成されている。
両端を一対のフランジに固定された多孔構造の支持円筒体である多孔性支持板の外周面にメッシュスクリーンを複数層巻着してなる版胴21は、インキ供給パイプを兼ねた複数の孔を有するパイプ状の支軸に各フランジを回転自在に支持されている。モーター、ギヤ、タイミングベルト等を有する版胴駆動手段により図1の時計回り方向に回転駆動される版胴21は、筐体2aに対して着脱自在に設けられている。
【0018】
版胴21の外周面上には、磁性体からなる図示しないステージ部と回動自在なクランパー23とが設けられており、クランパー23は版胴21が所定位置に達したときに図示しない開閉手段によって開閉される。版胴21の内部には、支軸、インキローラー、ドクターローラー等からなる図示しないインキ供給手段が設けられている。インキ供給手段は、版胴21の内部に設けられた図示しないインキパック内のインキを図示しない供給ポンプによって汲み上げ、多孔性支持板の内周面に供給する。
また版胴21の近傍には、版胴21の位置を検知して信号を発する図示しないエンコーダーが配設されている。この図示しないエンコーダーからの信号は制御部10に入力される。
【0019】
版胴21の下方にはプレスローラー22が配設されている。プレスローラー22はその横幅が版胴21の横幅とほぼ同じに形成されており、図3に示すように、その中心部には軸22aが挿通固定されている。軸22aの両端部は一対のガイド部材24(一方のみを示す)の一端にそれぞれ回転自在に支持されており、各ガイド部材24の他端は筐体2aの図示しない側板間に回転自在に支持された中心軸25に挿通固定されている。中心軸25の装置奥側の端部には、縦長に形成された薄い板材からなる作動板26の一端が固着されており、作動板26の他端にはカムフォロア27を回転自在に支持する軸27aが取り付けられている。作動板26の両側部はそれぞれ突出形成されており、用紙搬送方向下流側の突出部26aには他端を筐体2aに固定された引張コイルバネ28の一端が取り付けられ、作動板26には中心軸25を中心として図3において反時計回り方向への回動付勢力が付与されている。また、作動板26の用紙搬送方向上流側の突出部26bは、後述する係止部材35に対して係脱可能に構成されている。
【0020】
作動板26よりもさらに装置奥側には印圧ギヤ29が配設されている。印圧ギヤ29は筐体2aに設けられた図示しない側板に回転自在に支持されており、筐体2aに取り付けられたモーター30の出力軸端に固設されたピニオンギヤ31により回転力を伝達され、版胴21と同期して回転駆動される。印圧ギヤ29の装置手前側には、印圧カム32が印圧ギヤ29と同軸上に配設されている。印圧カム32はほぼ8の字形状を呈した板材であり、モーター30の回転力を伝達されて回転駆動される。印圧カム32の外周面には、引張コイルバネ28で付勢されたカムフォロア27の外周面が当接している。
これら作動板26、カムフォロア27、引張コイルバネ28、印圧ギヤ29、モーター30、ピニオンギヤ31、印圧カム32等により、プレスローラー22を版胴21に対して揺動させる揺動手段33が構成されている。
【0021】
揺動手段33の用紙搬送方向上流側には係止手段34が配設されている。係止手段34は係止部材35、ソレノイド36、引張コイルバネ37等から主に構成されている。
係止部材35はほぼL字形状を呈した板材であり、筐体2aの図示しない側板に植設された支軸35aに、その曲折部を回動自在に支持されている。係止部材35の一端35bには、他端を筐体2aに固定された引張コイルバネ37の一端が取り付けられており、係止部材35には図3において支軸35aを中心に反時計回り方向への回動付勢力が付与されている。また一端35bにはソレノイド36のプランジャ36aの先端部が軸36bで回動自在に取り付けられており、これにより係止部材35は、一端35bがほぼ水平となるようにソレノイド36、引張コイルバネ37及び支軸35aによって支持されている。係止部材35の他端35cは曲折部より下方に向けて延出しており、その上部側縁部には作動板26の突出部26bが係合可能な切欠部35dが形成されている。ソレノイド36は筐体2aの図示しない側板に取り付けられており、その作動は制御部10により制御される。
版胴21の用紙搬送方向上流側には、印刷用紙Pが版胴21とプレスローラー22との間に向けてレジストローラー対19から給送されたかどうかを検知する用紙センサー38が配設されている。用紙センサー38から出力された信号は制御部10に入力される。
【0022】
排紙部9は筐体2aの排紙口2bの内側近傍に配設されており、剥離爪39、用紙搬送手段としての排紙搬送部材40等から主に構成されている。剥離爪39は筐体2aの図示しない側板に固設されており、版胴21の外周面上より印刷用紙Pを剥離する。駆動ローラー41、従動ローラー42、無端ベルト43、吸引ファン44等を有する排紙搬送部材40は、剥離爪39によって版胴21より剥離された印刷用紙Pを吸引ファン44の吸引力によって無端ベルト43上に吸引し、排紙口2bより排出する。排紙搬送部材40の作動は制御部10により制御される。
制御部10は筐体2aの内部下方に配設されている。制御部10の詳細な説明は後述する。
【0023】
孔版印刷装置本体2と同一の床面上に載置される排紙収納装置3は、その排紙部対向位置Aを孔版印刷装置本体2の排紙口2bに位置合わせされ、孔版印刷装置本体2の筐体2aにその連結基板45を介して一体的に結合される。
排紙収納装置3は、床面上を移動可能な矩形塔状の本体である枠体46を備え、この枠体46の内部にビントレイユニット47、昇降機構48を備えたノンソートトレイ49、印刷用紙Pを取入方向Xに搬送する取入部搬送手段50、分配部搬送手段51、取入部搬送手段50を切り換え保持する切換駆動手段52(図6参照)等を具備している。
枠体46は、底枠53と、底枠53に一体結合され垂直方向に延出する複数の縦枠54及びこれらを連結する複数の横枠55とから主に構成されており、これら各枠部材の外側の適所には外板56(図4参照)が配設されている。枠体46の内部上部には、複数のビントレイ57を有するビントレイユニット47及び各ビントレイ57に用紙を分配する分配部搬送手段51が配設されている。
【0024】
ビントレイユニット47は、枠体46の上下の横枠55間に一体的に結合された一対の縦フレーム58と、各縦フレーム58間に配設されると共に上下方向に等配的に整列された複数のビントレイ57とを有している。各ビントレイ57はその左右両端(図1における手前側端部と奥側端部)に図示しない取付部が形成され、この取付部を介し縦フレーム58の図示しない支持部に取り付けられる。各ビントレイ57は立ち曲げ形成されたそれぞれの入口側端部57aを上下方向に整列するように設けられ、しかも上下方向において互いに隣り合う各ビントレイ57の入口側端部57aにおける上下間隔Cは、各ビントレイ57が所定枚数の印刷用紙Pを積載可能な間隔を確保するように設定されている。なお、複数のビントレイ群の外周部を囲む枠体46上の部位は開放されており、これにより、オペレーターが排紙収納装置3の前に立つだけで各ビントレイ57上に積載された印刷用紙Pを容易に取り出すことができる。
【0025】
図1に示すように、ビントレイユニット47に併設される分配部搬送手段51は、各ビントレイ57の入口側端部57aと対向する位置に設けられている。図4、図5に示すように、分配部搬送手段51は、一対の分配部縦フレーム59、これらを相互に連結する分配部横フレーム60、一対の分配部縦フレーム59の上下端近傍にそれぞれ軸受部材(図4に符号Bとして一例を破線で示した)を介して枢着される上ローラー61及び下ローラー62、各ローラー61,62に巻き掛けられた複数(ここでは4本)の無端ベルト63、無端ベルト63の回転域の内側に配設され垂直方向に搬送されてくる用紙を所定のビントレイ57の上面側に向けて偏向させるインデックサ64、無端ベルト63に空間E(図1参照)を介して対向配置される上下一対の吸引ファン65、吸引ファン65を支持すると共に空間E及び無端ベルト63側を外部より隔離する外壁部材66等を有している。
【0026】
図5に示すように、各無端ベルト63は合成樹脂またはゴム等によって構成され、その表面に多数の貫通孔Hを形成され、吸引ファン65の駆動時に貫通孔Hより空気を吸引して搬送途上にある印刷用紙Pを保持する。従動ローラーである上ローラー61及び駆動ローラーである下ローラー62にはそれぞれ4箇所の拡径部Rが形成されており、上下互いに対向する拡径部R間に無端ベルト63がそれぞれ巻き掛けられている。互いに隣り合う無端ベルト63間には隙間Dが確保され、各隙間Dにはインデックサ64の偏向用突片67が遊嵌されている。図4に示すように下ローラー62の一端部には駆動ギヤ68が一体的に取り付けられており、駆動ギヤ68は減速ギヤ列69を介して駆動モーター70に連結されている。
【0027】
無端ベルト63により垂直方向に搬送されてくる印刷用紙Pを所定のビントレイ57の上面側に向けて偏向させるインデックサ64は、図5に示すように、各ローラー61,62に近接して設けられた上インデックサ横枠71及び下インデックサ横枠72、各インデックサ横枠71,72間を連結し一対の分配部縦フレーム59の近傍に並列して配設された一対のインデックサ縦枠73,74、各インデックサ縦枠73,74に沿って並設され各インデックサ横枠71,72に枢支される一対の縦送り軸75,76、各縦送り軸75,76の上端で上インデックサ横枠71より突出した部位に一体結合される従動ギヤ77,78、各ギヤ77,78をそれぞれ中間ギヤ79,80を介して駆動する駆動ギヤ81、駆動ギヤ81を駆動するインデックサモーター82、各縦送り軸75,76に両側が螺合し、両端部がインデックサ縦枠73,74の内溝に遊嵌する可動枠83、可動枠83に一体結合され互いに隣り合う無端ベルト63の隙間Dより突出した偏向用突片67等から主に構成される。
【0028】
インデックサ64は、非作動時において、最下段のビントレイ57に印刷用紙Pを仕分ける基準位置に偏向用突片67を保持している。この状態より、ソートモード時に下から2番目のビントレイ57に印刷用紙Pを仕分ける信号が入力されると、インデックサモーター82を1ピッチ相当分駆動して偏向用突片67を上昇移動させ、搬送されてくる印刷用紙Pを偏向用突片67により下から2番目のビントレイ57に排出する。以下、このようにして順次搬送されてくる印刷用紙Pを指定されたビントレイ57に順次分配して収納するという仕分け処理を行い、指定枚数の仕分け動作終了後にインデックサモーター82を逆転させ、偏向用突片67を基準位置に戻して動作を完了する。
なお、一対の分配部縦フレーム59とその内側の一対のインデックサ縦枠73,74との間や複数の無端ベルト63の回転域より外れた上下の隙間は図示しない隔壁で覆われており、これにより吸引ファン65の吸引するエアの通路が規制され、無端ベルト63の回転域において印刷用紙Pが受ける吸引力が確実に作用するように構成されている。
【0029】
枠体46の内側であってビントレイユニット47及び分配部搬送手段51の直下方には、分配部搬送手段51または枠体46の下部に配設されたノンソートトレイ49に向けて印刷用紙Pを搬送する取入部搬送手段50が配設されている。取入部搬送手段50は排紙部対向位置Aで排紙部9より印刷用紙Pを取り入れて搬送するものであり、流入側搬送路切換部84と流出側搬送部85とを具備している。
流入側搬送路切換部84は、図1、図4、図6に示すように、枠体46の縦枠54及び横枠55に一体結合された連結基板45に、上下方向に揺動自在に支持されている。流入側搬送路切換部84は、一対の連結基板45の内側に支持される扁平箱状の基台86、基台86の内部に枢支される駆動プーリー87及び従動プーリー88、各プーリー87,88間に巻き掛けられ一部を基台86の上面に露呈した複数(ここでは3本)の無端ベルト89、基台86の下壁に取り付けられ印刷用紙Pを無端ベルト89上に吸着させる吸引ファン90等から主に構成されている。
駆動プーリー87は、図示しないチェーン、スプロケット等の駆動力伝達機構により図示しない駆動手段からの回転駆動力を伝達されて回転駆動される。無端ベルト89は合成樹脂あるいはゴム等により構成され、多数の貫通孔Hを形成されている。無端ベルト89は吸引ファン90の作動時において、搬送途上にある印刷用紙Pをその上面に吸着保持する。図示しない駆動手段の作動は制御部10により制御される。
基台86の流入側端部の左右外側壁には、駆動プーリー87の回転中心と同一中心線に沿って水平方向に延びる枢支ピン91が突設されている。この枢支ピン91が連結基板45に枢支されることにより、無端ベルト89及び基台86の流入側端部が常時排紙部対向位置Aに保持され、基台86の流出側端部を上下方向に揺動可能となる。
図6に示すように、基台86を構成する上板86aの流出側(用紙搬送方向下流側)端部の両側角部には、無端ベルト89によって搬送されてきた印刷用紙Pに腰付けを行うための板材からなる腰付け部材92がそれぞれ配設されている。腰付け部材92は図示しない蝶番によって上板86aに回動可能に取り付けられている。
【0030】
図7に示すように、基台86の下面にはL字形状のブラケット93が固着されており、ブラケット93にはソレノイド94が取り付けられている。ソレノイド94のプランジャ94aには、基台86の両側面に回動自在に支持されたD字形状の支軸95aの一端にその中央部を固着された、ほぼL字形状をなすアーム部材95の一端が取り付けられている。また、支軸95aの他端にも同様のアーム部材95が固着されており、各アーム部材95はその他端を腰付け部材92に当接可能である位置に配設されている。
さらに、ブラケット93にはアーム部材95の回動を規制するストッパー96が取り付けられると共にプランジャ94aには圧縮バネ97が取り付けられ、この構成により、ソレノイド94のオフ時にはプランジャ94aが圧縮バネ97の付勢力により引き上げられ、アーム部材95の一端がストッパー96に当接して腰付け部材92は上板86aとほぼ同一平面をなす図7に示す第1の位置に位置決めされ、ソレノイド94のオン時にはプランジャ94aが吸引されてアーム部材95が支軸95aを中心に図7において時計回り方向に回動され、アーム部材95の他端に押し上げられることで腰付け部材92は図8に示す第2の位置に位置決めされる。ソレノイド94の作動は、孔版印刷装置本体2の内部に設けられた制御部10によって制御される。
【0031】
基台86の流出側端部の下壁面には、図6に示す切換駆動手段52が連結されている。切換駆動手段52は流入側搬送路切換部84の支持位置を切り換えるものであり、枢支ピン91を中心として流入側搬送路切換部84を選択的に揺動させる。この場合、切換駆動手段52は、ソート時に流入側搬送路切換部84を流出側搬送部85と対向する、図1に実線で示す第1の態位であるソート位置P1に保持して仕分け搬送路を形成し、ノンソート時に流入側搬送路切換部84をノンソートトレイ49と対向する、図1に二点鎖線で示す第2の態位であるノンソート位置P2に保持して非仕分け搬送路を形成する。
【0032】
切換駆動手段52は、基台86の下壁面に突設されるブラケット98、ブラケット98に枢軸99を介して枢支される一対のピニオンギヤ100、左右の連結基板45に形成され各ピニオンギヤ100が噛合するラック101、枢軸99の中央部に一体的に結合されたウォームホイール102、ウォームホイール102に噛合するウォーム103、ウォーム103を駆動するモーター104(図2参照)等から主に構成されている。一対のラック101は枢支ピン91の中心線を中心とした扇形状となるように形成されている。
流入側搬送路切換部84のソート位置P1及びノンソート位置P2への揺動は、孔版印刷装置本体2から送られてくる信号が制御部10を経由してモーター104に入力されることにより行われる。なお、排紙収納装置3には、流入側搬送路切換部84がソート位置P1に達した際にモーター停止指令を発する第1位置センサー105と、ノンソート位置P2に達した際にモーター停止指令を発する第2位置センサー106とが設けられている。モーター104は、各センサー105,106のモーター停止指令に応じてピニオンギヤ100を正逆転させ、流入側搬送路切換部84をソート位置P1とノンソート位置P2とに選択的に切り換え保持するように構成される。
【0033】
図1、図4、図9に示すように、流出側搬送部85は、箱状の基台107、基台107の内部に枢支される一対のプーリー108,109、各プーリー108,109間に巻き掛けられ一部を基台107の上面に露呈された無端ベルト110、基台107の下壁面に取り付けられ印刷用紙Pを無端ベルト110上に吸着させる吸引ファン111等から主に構成されている。なお、プーリー108,109はチェーン、スプロケット、モーター等の図示しない駆動機構により駆動される。また、基台107は一対の縦フレーム58にほぼ水平に固定されており、流出側搬送部85はソート位置P1にある流入側搬送路切換部84からの印刷用紙Pを流出端側の偏向片107aにより上向きに偏向させた後、分配部搬送手段51の下端に搬送する。無端ベルト110も合成樹脂またはゴム等の部材により構成され、多数の貫通孔Hを有し、吸引ファン111の駆動時に搬送途上にある印刷用紙Pをその上面に吸着保持する。図示しない駆動機構の作動は制御部10により制御される。
なお、図1、図4、図9には、一対の縦フレーム58に直接固定された流出側搬送部85を示したが、手前側G(図4参照)の縦フレーム58を排除する等、枠体46側のレイアウトを調整して流出側搬送部85の手前側Gを開放し、手前側Gに延びる図示しないレール部材を介して流出側搬送部85を枠体46側に引き出し可能に支持される構成としてもよい。この場合、流出側搬送部85あるいは分配部搬送手段51にジャムが発生した場合に、流出側搬送部85を手前側Gに引き出すことにより、ジャム処理の容易化を図ることが可能となる。
【0034】
ビントレイユニット47には、用紙揃えを行うためのジョガー127が配設されている。ジョガー127は、図10に示すように、エンドジョガー128とサイドジョガー129とから構成されている。
エンドジョガー128は、エンドジョガー板130、エンドジョガーベース131、エンドジョガーレール132、モーター133等を有している。
長方形の板材からなるエンドジョガー板130は、ビントレイユニット47の上下方向に、各ビントレイ57に形成された孔部57bを貫通して配設されており、その上下端部にはエンドジョガーベース131がそれぞれ取り付けられている。一端にエンドジョガー板130を取り付けられた箱形形状の板材からなる一対のエンドジョガーベース131は、エンドジョガー板取付位置近傍の両側面に孔部をそれぞれ有しており、ビントレイユニット47の上下端部近傍に配設された一対のエンドジョガーレール132に、排紙方向と平行な方向にそれぞれ移動自在に支持されている。各エンドジョガーベース131の、エンドジョガー板取付位置と対向する側にはベルト取付部131aがそれぞれ設けられており(上側のみ図示)、下方のエンドジョガーベース131のエンドジョガー板取付位置近傍にはドグ131bが一体形成されている。ドグ131bは、エンドジョガー板130がホームポジションを占めたときにビントレイユニット47に取り付けられたセンサー134に検知され、センサー134からの信号は制御部10に送られる。
【0035】
ビントレイユニット47に取り付けられた正逆転可能なステッピングモーターからなるモーター133は、その出力軸に歯付プーリー133aを有している。モーター133配設位置の近傍には、ビントレイユニット47に回転自在に支持された駆動軸135が縦枠54に沿って配設されており、駆動軸135の一端にはプーリー付ギヤ136が、他端にはギヤ137がそれぞれ取り付けられている。プーリー付ギヤ136は歯付プーリー136aとギヤ136bとを一体的に有しており、各歯付プーリー133a,136a間にはタイミングベルト138が掛けられ、モーター133の駆動力が駆動軸135に伝達される。
【0036】
プーリー付ギヤ136の近傍には、同様のプーリー付ギヤ139が、ビントレイユニット47に回転自在に支持されており、そのギヤ部がギヤ136bと噛合している。プーリー付ギヤ139の右方であってビントレイ57の用紙幅方向端部近傍の位置にはプーリー付ギヤ140が配設されており、各プーリー付ギヤ139,140の各歯付プーリー間にはタイミングベルト141が掛け渡されている。プーリー付ギヤ140の近傍にはプーリー付ギヤ142がビントレイユニット47に回転自在に支持されており、そのギヤ部はプーリー付ギヤ140のギヤ部と噛合している。プーリー付ギヤ142の図10における奥側であってビントレイ57の用紙長さ方向端部近傍の位置には歯付プーリー143が配設されており、プーリー付ギヤ142の歯付プーリーと歯付プーリー143との間にはタイミングベルト144が掛け渡されている。タイミングベルト144は、図10において左側部分を下側のエンドジョガーベース131のベルト取付部に固定されている。
【0037】
ビントレイユニット47の上部側には、上述した構成と同様にプーリ−付ギヤ145,146,147及び歯付プーリー148が配設されており、各歯付プーリー間にはタイミングベルト149,150が掛け渡されている。タイミングベルト150の左側部分は上側のエンドジョガーベース131のベルト取付部131aに固定されている。
上述の構成により、モーター133が作動することで、ギヤ137が図の黒矢印方向に回転したときにはエンドジョガー板130が図の黒矢印方向である印刷用紙Pを入口側端部57aに押し付ける方向に移動し、ギヤ137が図の白矢印方向に回転したときにはエンドジョガー板130が図の白矢印方向である印刷用紙Pから離れる方向に移動する。
【0038】
サイドジョガー129は、サイドジョガー板151、サイドジョガー補助板152、サイドジョガーベース153、補助サイドジョガーアーム154、サイドジョガーレール155、モーター156等を有している。
長方形の板材からなるサイドジョガー板151は、ビントレイユニット47の上下方向に、各ビントレイ57に形成された台形状の孔部57cを貫通して配設されており、その上下端部にはサイドジョガーベース153がそれぞれ取り付けられている。一側部にサイドジョガー板151を取り付けられた箱形形状の板材からなる一対のサイドジョガーベース153は、サイドジョガー板取付位置と直交する両壁面に孔部をそれぞれ有しており、ビントレイユニット47の上下端部近傍に配設された一対のサイドジョガーレール155に、排紙方向と直交する方向にそれぞれ移動自在に支持されている。各サイドジョガーベース153の、サイドジョガー板取付位置と対向する壁面にはベルト取付部153aがそれぞれ設けられており、下方のサイドジョガーベース153にはドグ153bが一体形成されている。ドグ153bは、サイドジョガー板151がホームポジションを占めたときにビントレイユニット47に取り付けられたセンサー157に検知され、センサー157からの信号は制御部10に送られる。
【0039】
長方形の板材からなるサイドジョガー補助板152は、ビントレイユニット47の上下方向に、各ビントレイ57に形成された台形状の孔部57dを貫通して配設されている。孔部57dは、図12にも示すように孔部57cよりも小さく形成され、その開孔部がエンドジョガー128の移動経路内に臨まないように形成されている。サイドジョガー補助板152の上下端部には、図11に示すように補助サイドジョガーアーム154の一端がそれぞれネジ158によって取り付けられている。補助サイドジョガーアーム154は他端に取付部154aを一体的に有しており、この取付部154aによってサイドジョガー板151に固定されている。取付部154aは、図12に示すように支軸154b、取付ピン154cを有しており、支軸154bによってサイドジョガーアーム154を回動自在に支持し、取付ピン154cをサイドジョガー板151に係合させる。支軸154bとサイドジョガーアーム154との間にはトーションコイルバネ159が、また取付ピン154cとサイドジョガー板151との間には圧縮コイルバネ160がそれぞれ介装されている。
【0040】
ビントレイユニット47に取り付けられた正逆転可能なステッピングモーターからなるモーター156はその出力軸に図示しない歯付プーリーを有しており、モーター156配設位置の近傍には、ビントレイユニット47に回転自在に支持された駆動軸161が縦枠54に沿って配設されている。駆動軸161の一端にはプーリー付ギヤ162が、他端にはギヤ163がそれぞれ取り付けられ、モーター156と駆動軸161とはタイミングベルト164により連結されている。
【0041】
プーリー付ギヤ162の近傍にはこれと噛合するプーリー付ギヤ165が配設されており、その右方であってビントレイ57の用紙幅方向端部近傍の位置には歯付プーリー166が配設され、プーリー付ギヤ165と歯付プーリー166とはタイミングベルト167によって連結されている。タイミングベルト167は、図10において上側部分を下側のサイドジョガーベース153のベルト取付部153aに固定されている。
ビントレイユニット47の上部側には、上述した構成と同様にプーリ−付ギヤ168と歯付プーリー169とが配設されており、これらの間にはタイミングベルト170が掛け渡されている。タイミングベルト170の上側部分は上側のサイドジョガーベース153のベルト取付部153aに固定されている。
【0042】
上述の構成により、モーター156が作動することで、ギヤ163が図の黒矢印方向に回転したときにはサイドジョガー板151及びサイドジョガー補助板152が図の黒矢印方向である印刷用紙Pを排紙収納装置3の前ドア171(図12にのみ示す)に押し付ける方向に移動し、ギヤ163が図の白矢印方向に回転したときにはサイドジョガー板151及びサイドジョガー補助板152が図の白矢印方向である印刷用紙Pから離れる方向に移動する。この移動時において、孔部57dが孔部57cよりも小さく形成され、その開孔部がエンドジョガー128の移動経路内に臨まないように形成されているため、ビントレイ57上に積載された印刷用紙Pが図12に符号PAで示す大サイズ用紙(本実施例ではB4、A3)の場合には、黒矢印方向に移動するサイドジョガー補助板152はエンドジョガー板130と干渉することなく大サイズ用紙PAの後端部を押し、ビントレイ57上に積載された印刷用紙Pが小サイズ用紙PB(本実施例ではB5、A4)の場合には、サイドジョガー補助板152は孔部57dによって移動を規制され、エンドジョガー板130と衝突することを防止されている。
【0043】
ノンソートトレイ49は、図13ないし図15に示すように、枠体46の下部に配設された縦支持枠112に昇降機構48を介して支持されている。ノンソートトレイ49は、昇降機構48に昇降枠113を介して支持されるトレイ本体114、トレイ本体114上の用紙搬送方向下流側に立設されたエンドフェンス115、トレイ本体114の両側部に立設されたサイドフェンス116,117等を有している。トレイ本体114の用紙搬送方向上流側端部の中央部と同方向下流側端部の手前側角部とには切欠部114a,114bが形成されている。
【0044】
各サイドフェンス116,117は同様の構成となるため、手前側のサイドフェンス116を主に説明する。サイドフェンス116は図15に白抜き矢印で示す方向に起倒自在に設けられており、トレイ本体114に取り付けられたレール118にスライダー119を介して摺動自在に支持されている。レール118はその両側部に隙間を有し、両端部がトレイ本体114に一体的に結合されている。スライダー119は、レール118に摺動自在に嵌合する摺動体119a、摺動体119aの両側を挟むように配置される逆U字形状の枢支部材119b、枢支部材119bの両側端の立ち上がり部間を連結すると共にサイドフェンス116の下端中央部に形成された角柱状の軸受部119cを枢支する枢軸119d、軸受部119cを枢支部材119bを介してレール118の上面に弾性的に押圧する2本の圧縮バネ119eを有している。この構成によりサイドフェンス116は、図15に実線で示す起立した態位と二点鎖線で示す外側に倒伏した態位とをとることができる。また、各サイドフェンス116,117は互いに連動して移動する図示しない周知の構成を有している。
【0045】
トレイ本体114を昇降させる昇降機構48は、図13に示すように、モーター120、ウォーム121、ウォームホイール122、ピニオンギヤ123、上限リミットスイッチ124及び下限リミットスイッチ125等から主に構成されている。
正逆転可能なモーター120は縦支持枠112に取り付けられており、その出力軸先端にはウォーム121が取り付けられている。ウォーム121にはウォームホイール122が噛合しており、ウォームホイール122は軸126を介して縦支持枠112に軸着されている。ウォームホイール122は軸126に枢支されるピニオンギヤ123と一体的に結合され、ピニオンギヤ123は昇降枠113に形成されたラック113aと噛合するように設けられている。上限リミットスイッチ124及び下限リミットスイッチ125は縦支持枠112に取り付けられており、トレイ本体114の上下限位置信号を出力する。なお、モーター120の駆動は制御部10によって制御される。
上述の構成により、ノンソートトレイ49は、モーター120が回転することによってトレイ本体114を図1に符号U1で示す上限位置と符号U2で示す下限位置との間で移動自在に構成されている。これにより、流入側搬送路切換部84がノンソート位置P2を占め、ノンソートトレイ49に印刷用紙Pが排出されるノンソートモード時において、排出される印刷用紙Pのカウント数に応じてトレイ本体114を下限位置U2に向けて徐々に降下させるようにモーター120を駆動制御することにより、流入側搬送路切換部84から排出される印刷用紙Pの先端部とトレイ本体114上に積載された印刷用紙Pの最上位用紙との間の高さH1(図1参照)を一定間隔に保つことができ、排出される印刷用紙Pがトレイ本体114上に積載されている印刷用紙Pと接触することで発生するずれや擦れ汚れ等の不具合の発生を防止することができる。このモーター120の制御としては、例えば印刷用紙Pを10枚程度印刷する毎にトレイ本体114を1〜2mmずつ降下させることにより、H1の間隔を30〜60mm程度に保持することが好ましい。
上述のように、ノンソートトレイ49が排紙収納装置3の枠体46の下部に配置されることよりレイアウト上の自由度を確保でき、特に、ラック113aを十分な長さで形成すればトレイ本体114の上下動域を十分確保することでその容量を大きく設定できる。この場合、エンドフェンス115と各サイドフェンス116,117も十分な高さに設定されることとなる。
【0046】
図1に示すように、排紙収納装置3には搬送される印刷用紙Pの挙動を監視するための複数のセンサーが設けられている。中間搬送用紙センサー172は流入側搬送路切換部84の基台86の内部に配設されており、無端ベルト89上を通過する印刷用紙Pを検知して信号を出力する。横搬送用紙センサー173は流出側搬送部85の基台107の内部に配設されており、無端ベルト110上を通過する印刷用紙Pを検知して信号を出力する。インデックサ用紙センサー174は偏向用突片67の下方近傍に配設されており、分配部搬送手段51の無端ベルト63上を通ってインデックサ64に案内される印刷用紙Pを検知して信号を出力する。投光部と受光部とを有するエントリーセンサー175及びビンセンサー176は図16に示すようにそれぞれ一体的に構成されており、ビントレイユニット47の下部に投光部177aを上部に受光部177bを有している。エントリーセンサー175は、各ビントレイ57の用紙進入側端部近傍であって検知光が各ビントレイ57に遮られない位置に配設されており、各ビントレイ57に送られる印刷用紙Pを検知して信号を出力する。ビンセンサー176は、ビントレイ57に積載される最小サイズの印刷用紙Pの積載位置と対応する位置に配設されており、各ビントレイ57上に存在する印刷用紙Pを検知して信号を出力する。ビンセンサー配設位置と対応する各ビントレイ57には、ビンセンサー176の検知光を通過させるための孔部57eがそれぞれ形成されている。各センサーからの検知信号は制御部10に送られる。なお、図16では、図が煩雑になるために各ビントレイ57の入口側端部57aの立ち曲げ部の図示を省略している。
【0047】
筐体2aの上部には、図17に示す操作パネル178が配設されている。操作パネル178には、製版スタートキー179、印刷スタートキー180、試し刷りキー181、クリア/ストップキー182、テンキー183、エンターキー184、プログラムキー185、モードクリアキー186、印刷速度設定キー187、上キー188a、下キー188b、左キー188c、右キー188dを有する4方向キー188、7セグメントLEDからなる表示装置189、LCDからなる表示装置190、給紙トレイを「トレイ1」(給紙トレイ16)または「トレイ2」(給紙装置20)に切り換えるトレイ切換キー191、トレイ切換キー191によって選択されたトレイを表示するLEDからなるトレイ表示装置192、ソートモード選択時に押下される切換手段としてのソートキー193、ソートモードを表示するLEDからなるソートモード表示装置194、製版動作と印刷動作とを連続して行う場合に押下される連続キー195等を有している。操作パネル178からの動作指令は制御部10に向けて出力され、制御部10からは各表示装置189,190,192,194への表示信号が送られる。
表示装置190は4個の表示部190a,190b,190c,190dを有しており、初期状態時において表示部190aには原稿種類設定表示が、表示部190bには変倍設定表示が、表示部190cには用紙種類設定表示が、表示部190dには位置調整設定表示がそれぞれなされている。また、各表示部190a,190b,190c,190dの下方には、それぞれ対応するキー196,197,198,199が配設されている。表示装置190は階層表示構造となっており、図17に示された状態からキー196が押下されると原稿種類設定モードに、キー197が押下されると変倍設定モードに、キー198が押下されると用紙種類設定モードに、キー199が押下されると位置調整モードにそれぞれモード設定され、表示装置190の表示が変化する。また、表示装置190の表示は、プログラムキー185、ソートキー193が押下されたときにも変化し、各キー196,197,198,199の役割も変化する。
【0048】
筐体2aの内部下方には制御部10が配設されている。制御部10は、図18に示すように、CPU201、RAM202、ROM203、I/Oエキスパンダ204等を有する周知のマイクロコンピューターである制御手段200より主に構成されている。制御手段200は、孔版印刷装置1すなわち孔版印刷装置本体2と排紙収納装置3とを一括してこれらの動作を制御する。
CPU201には各センサー及び操作パネル178からの出力信号が入力される。入力された各信号はROM127に記憶された動作プログラムに基づいて演算処理され、画像読取部4、製版搬送部5、排版部6、給紙部7、印刷部8、排紙部9及び排紙収納装置3の動作を制御する各駆動回路にそれぞれ動作信号として出力されると共に、操作パネル178に表示信号として出力される。RAM202にはCPU201によってROM203から呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれ、この動作プログラムは操作パネル178からの入力によって書き換えられる。ROM203には孔版印刷装置本体2及び排紙収納装置3の各アクチュエーターを作動させる複数の動作プログラムが記憶されている。
【0049】
以下、本実施例における孔版印刷装置1の動作を説明する。まず、印刷済みの印刷用紙Pをノンソートトレイ49に一括して排出するノンソートモードについて説明する。孔版印刷装置1は、図示しないメイン電源スイッチがオンされた初期状態時において、操作パネル178上のソートモード表示装置194が消灯したノンソートモードとなるように設定されている。オペレーターは画像読取部4に原稿をセットすると共に、操作パネル178上のトレイ切換キー191を押下して使用するトレイを選択する。この実施例では給紙トレイ16が選択された場合を説明する。オペレーターはトレイ表示装置192の「トレイ1」側のLEDが点灯していることを確認して給紙トレイ16上に印刷用紙Pを積載させる。 その後、オペレーターによって操作パネル178上の製版スタートキー179が押下されると、版胴21上に巻装された図示しない使用済みのマスタ11が排版部6によって剥離される。排版動作完了後、版胴21はクランパー23がほぼ右真横に位置する図1に示す給版位置まで回転して停止し、図示しない開閉手段が作動してクランパー23が開放されることで給版待機状態となる。
【0050】
版胴21が給版待機状態となると、プラテンローラー13及びマスタ搬送ローラー対14が共に回転を開始してマスタロール11aよりマスタ11が繰り出される。また、画像読取部4では原稿画像が読み取られ、読み取られた画像に対応してサーマルヘッド12の発熱素子12aが選択的に発熱し、プラテンローラー13によって搬送されるマスタ11に対して加熱溶融穿孔製版が行われる。そして、プラテンローラー13を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ11の先端が開放しているクランパー23と対応する所定位置まで搬送されたと制御手段200が判断すると、クランパー23が閉じられて版胴21上にマスタ11の先端が係止される。
【0051】
クランパー23にマスタ11の先端が係止されると、プラテンローラー13によるマスタ11の搬送速度とほぼ同じ周速度で版胴21が図1の時計回り方向に回転を開始する。プラテンローラー13を回転駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の長さのマスタ11が製版されたと判断されると、版胴21及びプラテンローラー13の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段15が作動し、下刃15a上を回転移動した上刃15bによってマスタ11が切断される。その後、再び版胴21が図1の時計回り方向に回転駆動され、切断されたマスタ11の後端が製版搬送部5より引き出されて版胴21へのマスタ11の巻装動作が完了する。
【0052】
版胴21へのマスタ11の巻装動作と同時に、制御手段200からの指令によりモーター120が作動し、ノンソートトレイ49を上限位置U1に向けて移動させる。そして昇降枠113が上限リミットスイッチ124に接触してこれを作動させると、制御手段200からの指令によりモーター120が停止してノンソートトレイ49が上限位置U1に位置決めされる。
さらに、制御手段200は、流入側搬送路切換部84がノンソート位置P2にあるか否かを第2位置センサー106の出力より判断し、流入側搬送路切換部84がノンソート位置P2にない場合には切換駆動手段52のモーター104を回転駆動させ、流入側搬送路切換部84をノンソートトレイ49と対向するノンソート位置P2に移動させる。
【0053】
次に、給紙ローラー17及び分離ローラー対18が作動し、1枚の印刷用紙Pがレジストローラー対19を介して印刷速度よりも低速である所定の周速度で回転駆動している版胴21とプレスローラー22との間に分離給送される。このとき制御手段200からの指令を受けてモーター30が作動し、印圧カム32が版胴21と同期して回転駆動される。また、このとき制御手段200から動作指令が送られ、排紙搬送部材40及び流入側搬送路切換部84が作動を開始する。レジストローラー対19は、分離ローラー対18より送られた印刷用紙Pの先端をくわえ込み、版胴21の外周面上に巻装されたマスタ11の製版画像と印刷用紙Pの画像形成領域とが対応する所定のタイミングで印刷用紙Pを給送する。
【0054】
レジストローラー対19によって印刷用紙Pが給送され、その先端が用紙センサー38に検知されると、用紙センサー38から制御手段200に向けて検知信号が出力される。信号を受けた制御手段200はソレノイド36に向けて動作指令を出力し、動作指令を受けたソレノイド36はそのプランジャ36aを図3の矢印方向に吸引する。プランジャ36aが吸引されることにより、係止部材35が引張コイルバネ37の付勢力に抗して支軸35aを中心に図3において時計回り方向に回動される。この回動により切欠部35dと突出部26bとの係合が解除され、作動板26が引張コイルバネ28の付勢力によって中心軸25を中心に図3において時計回り方向に回動される。この回動により、カムフォロア27の外周面が印圧カム32の外周面に圧接され、プレスローラー22が印圧カム32の形状に対応して版胴21の外周面に対して接離される。印圧カム32の形状は、クランパー23の近傍部位がプレスローラー22と対応する位置に達したときにプレスローラー22を版胴21より離隔させ、その他の部位がプレスローラー22と対応する位置に達したときにプレスローラー22を引張コイルバネ28の付勢力で版胴21に対して押圧するように形成されている。
【0055】
レジストローラー対19によって所定のタイミングで給送された印刷用紙Pは、プレスローラー22で版胴21上のマスタ11に所定の押圧力で押圧されることにより、マスタ11の穿孔部から滲出したインキを転移される。インキを転移された印刷用紙Pは、剥離爪39で版胴21の外周面より剥離された後に排紙搬送部材40へと送られる。吸引ファン44で無端ベルト43上に吸引されつつ搬送された印刷用紙Pは排紙口2bより機外へと排出され、流入側搬送路切換部84を介してノンソートトレイ49上に載置される。その後、版胴21及びモーター30が駆動され、プレスローラー22が版胴21の外周面より離間する位置において制御手段200から信号が送られ、ソレノイド36への通電が遮断される。これにより引張コイルバネ37の付勢力によって係止部材35が支軸35aを中心に図3において反時計回り方向に回動され、切欠部35dと突出部26bとが係合してプレスローラー22が版胴21の外周面より離間した位置に保持される。版胴21はさらに回転を継続し、クランパー23がほぼ真上に位置するホームポジションにおいて停止する。これら一連の動作により版付け工程が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0056】
次に印刷工程が開始される。印刷工程に先立ち、オペレーターは操作パネル178上の4方向キー188及び「用紙種類」の表示(この例では表示部190c)に対応したキー(この例ではキー198)を用いて印刷に使用される印刷用紙P(給紙トレイ16上に積載されている印刷用紙P)の種類を設定する。この例では使用される印刷用紙Pを「普通紙」と「厚紙」の2種類とし、この例では「普通紙」が選択された場合を説明する。
オペレーターにより操作パネル178上の印刷スタートキー180が押下されると、制御手段200は流入側搬送路切換部84がノンソート位置P2にあるか否かを第2位置センサー106の出力より判断し、流入側搬送路切換部84がノンソート位置P2にない場合には切換駆動手段52のモーター104を回転駆動させ、流入側搬送路切換部84をノンソートトレイ49と対向するノンソート位置P2に移動させる。
さらに制御手段200は、モーター120を作動させてノンソートトレイ49を上限位置U1に位置決めさせると共にソレノイド94をオンさせる。これにより各腰付け部材92は、図8に示す第2の位置にそれぞれ位置決めされる。
【0057】
流入側搬送路切換部84がノンソート位置P2に位置決めされると、版胴21及びモーター30が版付け行程時よりも高速で回転駆動される。その後、版付け工程時と同様に給紙ローラー17及び分離ローラー対18が作動し、印刷用紙Pはレジストローラー対19に送られる。レジストローラー対19に先端をくわえられた印刷用紙Pは、所定のタイミングで高速回転している版胴21とプレスローラー22との間に向けて給送される。そして、版付け行程時と同様にプレスローラー22によって版胴21の外周面に押圧されてインキを転移された印刷用紙Pは、剥離爪39で版胴21の外周面より剥離された後に排紙搬送部材40へと送られ、排紙口2bより機外へと排出されて流入側搬送路切換部84を介してノンソートトレイ49上に積載される。
【0058】
印刷用紙Pが排紙口2bを経て流入側搬送路切換部84に移動する際に、共に搬送機能を備えた無端ベルト43より無端ベルト89に印刷用紙Pが搬送されるので、この部位で無端ベルト43と無端ベルト89の相対的な位置精度が多少低くても確実に印刷用紙Pの搬送が行なわれ、ジャムの発生が確実に防止される。
また、印刷用紙Pには腰付け部材92によって適切な腰付けが行われるので、印刷用紙Pがノンソートトレイ49上に順次排出される際に正常な搬送が行われ、排紙ジャムの発生が防止されると共に安定した積載が行われる。
【0059】
このとき制御手段200は、モーター120と協働してトレイ駆動手段としても機能する。すなわち制御手段200は、印刷用紙Pのカウント数に応じてトレイ本体114を徐々に下限位置U2(図1参照)に向けて降下させるようにモーター120を駆動制御する。この際、流入側搬送路切換部84から排出される印刷用紙Pの先端部とトレイ本体114上に積載された印刷用紙Pの最上位用紙との間の高さH1(図1参照)を一定間隔に保つことで、ノンソートトレイ49上に安定して印刷用紙Pを積載することができるので、排出される印刷用紙Pがノンソートトレイ49上に積載されている印刷用紙Pと接触することで発生するずれや擦れ汚れ等の不具合を防止することができる。なお、モーター120の制御において、例えば印刷用紙Pを10枚程度印刷する毎にトレイ本体114を1ないし2mmずつ降下させるのが適当である。また、H1の間隔は印刷用紙Pのサイズや種類によって異なるが、30ないし60mm程度が好ましい。
【0060】
ノンソートトレイ49上に積載された印刷用紙Pを取り出す際には、先ず装置手前側に位置するサイドフェンス116を図14、図15に白抜き矢印で示す方向に倒して取り出し操作の邪魔にならないようにし、右手をトレイ本体114の切欠部114aに、左手を切欠部114bに入れて両手で積載された印刷用紙Pを掴み、手前側に引き出すことで容易に印刷用紙Pを取り出すことができる。また、手前側に位置するサイドフェンス116を倒さずに上述の動作と同様の印刷用紙Pの取り出し操作を行っても、サイドフェンス116は印刷用紙Pに押されて容易に倒れるので印刷用紙Pを容易に取り出すことができる。
【0061】
なお、印刷に使用される印刷用紙Pの種類が「厚紙」に設定された場合は、初期状態時において制御手段200からソレノイド94への作動信号が出力されず、各腰付け部材92は図7に示す第1の位置を占めた状態で印刷が開始される。そして、2枚目の給紙が終了して3枚目の給紙が行われる際に制御手段200からソレノイド94に動作指令が出力され、各腰付け部材92が第2の位置に位置決めされ、以下、その状態で印刷動作が続行される。
【0062】
次に、印刷用紙Pを仕分けして複数のビントレイ57上に排出するソートモードについて説明する。オペレーターは画像読取部4に原稿をセットすると共に、操作パネル178上のトレイ切換キー191を押下して使用するトレイを選択する。この実施例では給紙トレイ16が選択された場合を説明する。オペレーターはトレイ表示装置192の「トレイ1」側のLEDが点灯していることを確認して給紙トレイ16上に印刷用紙Pを積載させる。
そして、オペレーターは操作パネル178上のソートキー193を押下し、ソートモードを設定する。ソートキー193が押下されると、操作パネル178上のソートモード表示装置194のLEDが点灯すると共に、表示装置190の表示が図17に示す初期状態から図19に示すソートモード設定状態に切り換えられる。図19に示すようにソートモードにはスキップ給紙モードと省インキモードの2つのモードがあり、オペレーターは所望の印刷物に応じて何れかのモードを選択する。
【0063】
スキップ給紙モードは給紙部7からの印刷用紙Pの給紙を間引いて版胴21を数回転空転させるものであり、省インキモードはサーマルヘッド12によりマスタ11に穿孔される穿孔径を減少させるものである。従って、省インキモードでは印刷用紙Pに転移されたインキの乾燥時間を稼ぐことができ、また省インキモードではマスタ11から印刷用紙Pに転移されるインキ量を減少させることができるので、何れのモード選択時においても、インキを転移された最初の印刷用紙Pがビントレイ57上に排出される際に、印刷用紙Pからビントレイ57へのインキの転移が防止され(本実施例では画像面下向き排出のため)、ビントレイ57のインキによる汚損を防止することができ、次回印刷時におけるビントレイ57から印刷用紙Pへのインキの再転移を防止することができる。また、印刷されてビントレイ57上に排出された印刷用紙Pに次の印刷用紙Pが積載されたときに、先の印刷用紙Pの裏面に後の印刷用紙Pからのインキが転移される、いわゆる裏移り現象の発生も防止され、さらにジョガー127使用時における、ビントレイ57上でのインキの擦れ汚れの発止も防止される。
しかし、スキップ給紙モード選択時には、版胴21を空転させるために通常印刷時よりも印刷時間が長くなり、また省インキモード選択時には、マスタ11から印刷用紙Pへのインキ転移量を減少させるので通常印刷時よりもインキ濃度が薄くなるという短所がある。従って、印刷時間が長くなっても通常印刷物と同程度の画像品質を望むのであればスキップ給紙モードを選択し、画像品質が少々落ちても通常印刷時と同程度の印刷時間を望むのであれば省インキモードを選択する。先ず、スキップ給紙モードが選択された場合を説明する。
【0064】
ソートキー193が押下されると孔版印刷装置1はソートモード設定状態となり、図19に示すように、表示装置190の表示内容が「スキップ給紙モード」あるいは「省インキモード」を選択する状態に変化し、表示部190aには「←」が、表示部190bには「→」が、表示部190cには「キャンセル」が、表示部190dには「設定」がそれぞれ表示された状態となる。ソートキー193が押下されたソートモード設定状態の初期時において表示装置190では「スキップ給紙モード」の表示が反転されており、この反転表示は各表示部190a,190bに対応した各キー196,197を押下することにより切り換えられる。オペレーターは「スキップ給紙モード」を反転表示させた状態で「設定」を表示している表示部190dに対応したキー199を押下する。
【0065】
キー199が押下されてスキップ給紙モードが設定されると、孔版印刷装置1は次にスキップ給紙設定状態となり、図20に示すように、表示装置190の表示内容のみが「オート」あるいは「マニュアル」を選択する状態に変化する。各表示部190a,190b,190c,190dの表示は変化しない。このスキップ給紙設定状態の初期時において表示装置190では「オート」の表示が反転されており、この反転表示は各キー196,197を押下することにより切り換えられる。
ここでいう「オート」とはスキップ給紙回数を孔版印刷装置1が自動的に設定するモードであり、これは、画像読取部4によって読み取られ、その内部のメモリ内にビットマップデータとして格納された後に制御部10に向けて画像信号として送られた原稿画像情報を、制御手段200のCPU201がROM203内に予め記憶された画像データと比較して2〜9回の範囲でスキップ給紙回数を設定するものである。原稿画像の濃度が高い場合(ベタ部がある場合等)あるいは原稿画像面積が大きい場合(画像密度が高い場合)にはスキップ給紙回数が多くなり、逆の場合にはスキップ給紙回数が少なくなる。また、「マニュアル」とはスキップ給紙回数をオペレーターが任意に設定するモードである。
【0066】
「オート」が反転表示された状態でキー199が押下されると、スキップ給紙がオートで設定され孔版印刷装置1はジョガー設定状態となる。また、「マニュアル」が反転表示された状態でキー199が押下されると、スキップ給紙がマニュアルで設定され孔版印刷装置1はスキップ給紙回数設定状態となる。スキップ給紙回数設定状態では表示装置190の表示のみが図21に示す状態に変化し、各表示部190a,190b,190c,190dの表示は変化しない。このスキップ給紙回数設定状態の初期時において表示装置190ではスキップ給紙回数が「2回」と表示されており、この表示は各キー196,197を押下することにより増減し、また、操作パネル178上のテンキー183を押下することで2〜9の範囲で直接的に入力可能である。スキップ給紙回数を入力した後にキー199が押下されると、スキップ給紙回数が設定され孔版印刷装置1はジョガー設定状態となる。
【0067】
孔版印刷装置1がジョガー設定状態となると、表示装置190の表示が図22に示す状態に変化する。各表示部190a,190b,190c,190dの表示は変化しない。このジョガー設定状態の初期時において表示装置190では「オン」の表示が反転表示されており、この反転表示は各キー196,197を押下することにより切り換えられる。「オン」を反転表示した状態でキー199を押下することによりジョガー127が作動し、「オフ」を反転表示した状態でキー199を押下することによりジョガー127が非作動となる。ジョガー設定状態からキー199が押下されると孔版印刷装置1は製版待機状態となり、表示装置190の表示が図17に示す初期状態に戻る。この例ではスキップ給紙を「マニュアル」の3回に、ジョガー127の作動を「オン」にそれぞれ設定した場合を説明する。
【0068】
ソートモードの設定が全て終了し、孔版印刷装置1が製版待機状態となった後、オペレーターにより製版スタートキー179が押下されると、ノンソートモード時と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われ、制御手段200は、巻装動作と同時にモーター120を作動させてノンソートトレイ49を上限位置に位置決めさせると共に、モーター104を作動させて流入側搬送部84をノンソート位置P2に移動させる。巻装動作完了後、ノンソートモード時と同様に版付け動作が行われ、インキを転移された印刷用紙Pはノンソートトレイ49上に排出される。その後、プレスローラー22が版胴21の外周面より離間した位置に保持されると共に、版胴21がホームポジションにおいて停止し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0069】
次に印刷工程が開始される。このソートモードでは「厚紙」への印刷は行うことができず、用紙種類は「普通紙」に固定されており、各腰付け部材92は図7に示す第1の位置にそれぞれ位置決めされている。オペレーターは操作パネル178上のテンキー183を用いて仕分け部数を設定した後に印刷スタートキー180を押下する。印刷スタートキー180が押下されると、制御手段200はモーター104を作動させて流入側搬送路切換部84を流出側搬送部85と対向するソート位置P1に移動させる。
【0070】
流入側搬送路切換部84がソート位置P1に位置決めされると、版胴21及びモーター30が版付け行程時よりも高速で回転駆動されると共に、排紙搬送部材40、流入側搬送路切換部84、流出側搬送部85、分配部搬送手段51がそれぞれ作動を開始する。その後、給紙ローラー17及び分離ローラー対18が作動し、1枚の印刷用紙Pがレジストローラー対19に送られる。レジストローラー対19に先端をくわえられた印刷用紙Pは、所定のタイミングで高速回転している版胴21とプレスローラー22との間に向けて給送される。プレスローラー22によって版胴21の外周面に押圧されてインキを転移された印刷用紙Pは、剥離爪39で版胴21の外周面より剥離された後に排紙搬送部材40へと送られ、排紙口2bより流入側搬送路切換部84へと送られる。そして、印刷用紙Pの先端が中間搬送用紙センサー172によって検知されると、制御手段200から指令が送られて排紙搬送部材40、流入側搬送路切換部84、流出側搬送部85の作動がそれぞれ停止され、印刷用紙Pは取入部搬送手段50にて一時的に停留される。
【0071】
1枚目の印刷用紙Pへの印刷後、版胴21の近傍に設けられた図示しないエンコーダーから版胴21のホームポジション信号が3回出力されることで版胴21が3回転空転したことを制御手段200が確認すると、制御手段200より排紙搬送部材40、流入側搬送路切換部84、流出側搬送部85へ指令が送られ、それぞれの作動が再開される。取入部搬送手段50で停留されていた印刷用紙Pは分配部搬送手段51によって上昇搬送された後、インデックサ64の偏向用突片67により最下段のビントレイ57に向けて偏向されて載置される。
1枚目の印刷用紙Pが最下段のビントレイ57に載置されると、設定された仕分け部数に応じてインデックサモーター82が作動し、インデックサ64は1番目のビントレイ57と偏向用突片67とが対応した基準位置から1ピッチ相当分づつ順次上昇移動され、下から2番目のビントレイ57と偏向用突片67とが対応する位置に位置決めされる。
ビントレイ57への載置時において、取入部搬送手段50に停留されることで印刷用紙Pに転移されたインキが乾燥しているので、印刷用紙Pからビントレイ57へのインキの転移が防止され、次回印刷時においてビントレイ57から印刷済みの印刷用紙Pへインキが再転移することによる画像不良の発生を防止することができる。また、印刷用紙Pの上に次の印刷用紙Pが載置される際に、前の印刷用紙Pの裏面に次の印刷用紙Pのインキが転移する裏移りの発生も防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【0072】
排紙搬送部材40、流入側搬送路切換部84、流出側搬送部85の作動再開と共に給紙ローラー17及び分離ローラー対18が作動し、2枚目の印刷用紙Pがレジストローラー対19に向けて送られる。印刷用紙Pは、レジストローラー対19によって所定のタイミングで高速回転している版胴21とプレスローラー22との間に向けて給送され、プレスローラー22によって版胴21の外周面に押圧されてインキを転移された後、排紙搬送部材40を介して流入側搬送路切換部84へと送られる。そして、その先端が中間搬送用紙センサー172によって検知されると、上述と同様に取入部搬送手段50にて一時的に停留される。
【0073】
2枚目の印刷用紙Pへの印刷後、版胴21が3回転空転したことを制御手段200が確認すると、制御手段200より排紙搬送部材40、流入側搬送路切換部84、流出側搬送部85へ指令が送られ、それぞれの作動が再開される。取入部搬送手段50で停留されていた印刷用紙Pは分配部搬送手段51によって上昇搬送された後、インデックサ64の偏向用突片67により下から2段目のビントレイ57に向けて偏向されて載置される。
2枚目と同様のタイミングで3枚目の印刷用紙がレジストローラー対19に向けて送られ、レジストローラー対19は所定のタイミングで版胴21とプレスローラー22との間に印刷用紙Pを給送する。このとき、インデックサ64は下から3段目のビントレイ57と偏向用突片67とが対応する位置に位置決めされており、インキを転移された印刷用紙Pは取入部搬送手段50に停留された後、下から3番目のビントレイ57上に載置される。
【0074】
以下、同様に4枚目、5枚目の印刷が行われ、設定された仕分け部数の印刷が完了すると、制御手段200より各モーター133,156に動作指令が送られ、エンドジョガー128及びサイドジョガー129が作動して印刷用紙Pが所定位置に揃えられる。そして、画像読取部4のADF4aに次の原稿がセットされていると、排版動作、製版動作、巻装動作、版付け動作が行われた後、同様に印刷動作が行われ、設定された仕分け部数の印刷が完了するとエンドジョガー128及びサイドジョガー129が作動して印刷用紙Pが所定位置に揃えられる。このジョガー127の動作時において、取入部搬送手段50に停留されることで印刷用紙Pに転移されたインキが乾燥しているので、印刷用紙Pとビントレイ57との間及び各印刷用紙P同士の間でのインキの擦れ汚れの発生が防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【0075】
次に、省インキモードが選択された場合を説明する。
図19に示す状態から「→」を表示している表示部190bに対応したキー197が押下されると反転表示が切り換えられ、「省インキモード」が反転表示された状態となる。この状態からキー199を押下することにより省インキモードが設定され、孔版印刷装置1は次に省インキ設定状態となり、図23に示すように、表示装置190の表示のみが「オート」あるいは「マニュアル」を選択する状態に変化する。各表示部190a,190b,190c,190dの表示は変化しない。この省インキ設定状態の初期時において表示装置190は「オート」の表示が反転されており、この反転表示は各キー196,197を押下することにより切り換えられる。
【0076】
ここでいう「オート」とはインキ濃度を孔版印刷装置1が自動的に決定するモードであり、これは、画像読取部4によって読み取られ、その内部のメモリ内にビットマップデータとして格納された後に制御部10に向けて画像信号として送られた原稿画像情報を、制御手段200のCPU201がROM203内に予め記憶された画像データと比較して1〜3の3段階でインキ濃度を設定するものである。原稿画像の濃度が高い(ベタ部がある場合等)あるいは原稿画像面積が大きい場合(画像密度が高い場合)にはインキ濃度が薄くなり、逆の場合にはインキ濃度が濃くなる。この例では段階「3」が最も濃度が薄く、段階「1」で通常印刷時における濃度よりもやや薄くなるように設定されており、段階「1」では製版時におけるサーマルヘッド12の発熱素子12aへの通電量が通常時の80%に、段階「2」では60%に、段階「3」では40%となるように設定されている。
【0077】
「オート」が反転表示された状態でキー199が押下されると、インキ濃度がオートで設定され孔版印刷装置1は図22に示すジョガー設定状態となる。また、「マニュアル」が反転表示された状態でキー199が押下されると、インキ濃度がマニュアルで設定され孔版印刷装置はインキ濃度設定状態となる。インキ濃度設定状態では表示装置190の表示のみが図24に示す状態に変化し、各表示部190a,190b,190c,190dの表示は変化しない。このインキ濃度設定状態の初期時において表示装置190ではインキ濃度が「1」と表示されており、この表示は各キー196,197を押下することにより増減し、また、操作パネル178上のテンキー183を押下することで1〜3の範囲で直接的に入力可能である。インキ濃度を入力した後にキー199が押下されると、インキ濃度が設定され孔版印刷装置1はジョガー設定状態となる。
【0078】
ジョガー設定状態となった後、上述と同様の手順によりジョガーの作動、非作動が設定されると、孔版印刷装置1は製版待機状態となる。その後、オペレーターにより製版スタートキー179が押下されると、ノンソートモード時と同様に排版動作、製版動作、巻装動作が行われるが、製版動作では設定されたインキ濃度に応じての通電量が発熱素子12aに通電され、マスタ11に穿孔される穿孔径はこの通電量に応じて通常時よりも減少される。制御手段200は、巻装動作と同時にノンソートトレイ49を上限位置に位置決めさせると共に、流入側搬送部84をノンソート位置P2に移動させる。巻装動作後に版付け動作が行われ、プレスローラー22が離間位置に保持されると共に版胴21がホームポジションに位置決めされて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
【0079】
オペレーターにより仕分け部数が設定された後に印刷スタートキー180が押下されると、制御手段200は流入側搬送路切換部84をソート位置P1に移動させる。流入側搬送路切換部84がソート位置P1に位置決めされると、版胴21及びモーター30が高速で回転駆動されると共に、排紙搬送部材40、流入側搬送路切換部84、流出側搬送部85、分配部搬送手段51が作動を開始する。その後、給紙ローラー及び分離ローラー対18が作動し、1枚の印刷用紙Pがレジストローラー対19に向けて送られる。レジストローラー対19に先端をくわえられた印刷用紙Pは、所定のタイミングで版胴21とプレスローラー22との間に向けて送られてインキを転移される。インキを転移された印刷用紙Pは剥離爪39で版胴21の外周面より剥離された後に排紙搬送部材40へと送られ、排紙口2bより流入側搬送路切換部84を介して流出側搬送部85へと送られる。流出側搬送部85へと送られた印刷用紙Pは分配部搬送手段51によって上昇搬送された後、インデックサ64の偏向用突片67により最下段のビントレイ57に向けて偏向されて載置される。
1枚目の印刷用紙Pが最下段のビントレイ57に載置されると、インデックサモーター82が作動してインデックサ64が1ピッチ分上昇移動され、下から2番目のビントレイ57と偏向用突片67とが対応する位置に位置決めされる。
【0080】
ビントレイ57への載置時において、マスタ11の穿孔径が減少されていることでマスタ11から印刷用紙Pに転移されるインキ量が減少されているので、印刷用紙Pに転移されたインキが乾燥し易くなり、印刷用紙Pからビントレイ57へのインキの転移が防止され、次回印刷時においてビントレイ57から印刷済みの印刷用紙Pへインキが再転移することによる画像不良の発生を防止することができる。また、印刷用紙Pの上に次の印刷用紙Pが載置される際に、前の印刷用紙Pの裏面に次の印刷用紙Pのインキが転移する裏移りの発生も防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【0081】
以下、同様に2枚目、3枚目の印刷が行われ、設定された仕分け部数の印刷が完了すると、制御手段200より各モーター133,156に動作指令が送られ、エンドジョガー128及びサイドジョガー129が作動して印刷用紙Pが所定位置に揃えられる。そして、画像読取部4のADF4aに次の原稿がセットされていると、排版動作、製版動作、巻装動作、版付け動作が行われた後、同様に印刷動作が行われ、設定された仕分け部数の印刷が完了するとエンドジョガー128及びサイドジョガー129が作動して印刷用紙Pが所定位置に揃えられる。このジョガー127の動作時において、マスタ11の穿孔径が減少されていることで印刷用紙Pに転移されたインキが乾燥し易くなっているので、印刷用紙Pとビントレイ57との間及び各印刷用紙P同士の間でのインキの擦れ汚れの発生が防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【0082】
このソートモード時においても、流入側搬送路切換部84の流入端部が排紙部対向位置Aに対向しており、印刷用紙Pが排紙部9より流入側搬送路切換部84側に移動する際に、無端ベルト43より無端ベルト89に印刷用紙Pが搬送されるので、この部位で無端ベルト43と無端ベルト89との相対的な位置精度が多少低くても確実に印刷用紙Pの搬送が行なわれ、ジャムの発生が確実に防止される。
また、印刷用紙Pには腰付け部材92による腰付けが行われないため、印刷用紙Pが流入側搬送路切換部84から流出側搬送部85にスムーズに受け渡され、排紙ジャムの発生が防止される。
【0083】
上記実施例では、孔版印刷装置1として画像面下向き排出タイプの排紙収納装置3を有するものを示したが、孔版印刷装置として図25に示す画像面上向き排出タイプの排紙収納装置205を有するものを用いてもよい。
排紙収納装置205は、排紙収納装置本体206、昇降自在に設けられた複数のビントレイ207、ビントレイ207を昇降させる昇降機構部208、孔版印刷装置本体2より排出された印刷用紙Pをビントレイ207に受け渡す用紙搬送部209等から主に構成されている。
【0084】
ビントレイ207は、その用紙搬送方向上流側の端部がほぼ直角に立ち上がって形成されており、下部にはコロが回転自在に取り付けられている。最下段のビントレイ207は昇降機後部208を構成する図示しないブラケットに固着されており、最上段のビントレイ207は端部の立ち上がりが大きく形成され、ノンソートトレイとして用いられる。
昇降機後部208は、図示しないブラケット、周面に螺旋状の溝を形成されたリードカム210、図示しない駆動手段等から主に構成されており、ビントレイ207に設けられたコロをリードカム210の溝に嵌合させた状態でリードカム210を回転させることにより、ビントレイ207を昇降させる周知の構成である。
用紙搬送部209は、箱形の筐体と天板とから一体的に構成された搬送部本体211、駆動ローラー212、従動ローラー213、各ローラー間に張設された複数の無端ベルト214、搬送部本体211の下部に配設された吸引ファン215とから主に構成されている。また、搬送部本体211の内部には、無端ベルト214上を通過する印刷用紙Pを検知して信号を出力する中間搬送用紙センサー216が配設されている。
このような排紙収納装置205を有する孔版印刷装置に本発明を適用した場合には、印刷用紙P同士間での裏移りの発生が防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、マスタの穿孔径が減少されていることでマスタから印刷用紙に転移されるインキ量が減少されているので、印刷用紙に転移されたインキが乾燥し易くなり、印刷用紙が積載される際に、印刷用紙の裏面に他の印刷用紙のインキが転移する裏移りの発生が防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【0088】
請求項2記載の発明によれば、画像に応じたインキの乾燥時間が適切に選択されるので、インキの乾燥が良好に行われて良好な印刷物を得ることができる。
【0089】
請求項3記載の発明によれば、ビントレイ上に積載された印刷用紙がページ順に揃えられると共に、最初の印刷用紙がビントレイ上に載置された際にビントレイへのインキの転移が防止されるので、次回印刷時においてビントレイから印刷用紙へインキが再転移することによる画像不良の発生を防止することができる。
【0090】
請求項4記載の発明によれば、印刷用紙に転移されたインキが乾燥しているので、ジョガー作動時における印刷用紙と排紙収納装置との間及び各印刷用紙同士間でのインキの擦れ汚れの発生が防止され、良好な印刷物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる製版搬送部の(a)初期状態時(b)製版時(c)切断時における概略平面図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられるプレスローラーの揺動機構及び保持機構を説明する斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に用いられる排紙収納装置の取入部搬送手段を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施例に用いられる排紙収納装置の分配部搬送手段を示す側面図である。
【図6】本発明の一実施例に用いられる排紙収納装置の切換駆動手段を示す部分断面斜視図である。
【図7】本発明の一実施例に用いられる腰付け部材の第1の位置を説明する図である。
【図8】本発明の一実施例に用いられる腰付け部材の第2の位置を説明する図である。
【図9】本発明の一実施例に用いられる排紙収納装置の流出側搬送部を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施例に用いられるジョガーを示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施例に用いられるジョガーのサイドジョガー板とサイドジョガー補助板との接続状態を説明する斜視図である。
【図12】本発明の一実施例に用いられるジョガーのサイドジョガー板及びサイドジョガー補助板の動作を説明する概略図である。
【図13】本発明の一実施例に用いられる排紙収納装置のノンソートトレイ及び昇降手段を説明する要部正面図である。
【図14】本発明の一実施例に用いられるノンソートトレイの平面図である。
【図15】本発明の一実施例に用いられるノンソートトレイのサイドフェンス支持機構を説明する部分側面図である。
【図16】本発明の一実施例に用いられる排紙収納装置のエントリーセンサー及びビンセンサーを説明する斜視図である。
【図17】本発明の一実施例に用いられる孔版印刷装置の操作パネルを示す概略図である。
【図18】本発明の一実施例に用いられる孔版印刷装置制御部のブロック図である。
【図19】本発明の一実施例に用いられる表示装置のソートモード設定状態を説明する図である。
【図20】本発明の一実施例に用いられる表示装置のスキップ給紙設定状態を説明する図である。
【図21】本発明の一実施例に用いられる表示装置のスキップ給紙回数設定状態を説明する図である。
【図22】本発明の一実施例に用いられる表示装置のジョガー動作設定状態を説明する図である。
【図23】本発明の一実施例に用いられる表示装置の省インキ設定状態を説明する図である。
【図24】本発明の一実施例に用いられる表示装置のインキ濃度設定状態を説明する図である。
【図25】本発明の他の実施例に用いられる排紙収納装置の概略正面図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
3,205 排紙収納装置
5 製版手段(製版搬送部)
7 給紙手段(給紙部)
12 サーマルヘッド
21 版胴
22 押圧手段(プレスローラー)
40 用紙搬送手段(排紙搬送部材)
47 ビントレイユニット
49 ノンソートトレイ
57,207 ビントレイ
127 ジョガー
193 切換手段(ソートキー)
P 印刷用紙

Claims (4)

  1. 回転自在な版胴と、マスタを製版し前記版胴に巻装する製版手段と、印刷用紙を給送する給紙手段と、印刷された前記印刷用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段によって搬送された前記印刷用紙を仕分けして収納するビントレイユニット及び一括して収納するノンソートトレイを有する排紙収納装置と、前記印刷用紙を前記ビントレイユニットに収納するか前記ノンソートトレイに収納するかを切り換える切換手段とを有する孔版印刷装置において、
    前記製版手段が前記マスタを穿孔製版するサーマルヘッドを有し、前記切換手段により前記印刷用紙を前記ビントレイユニットに収納するソートモードが選択されたとき、製版時における前記サーマルヘッドによる前記マスタの穿孔径を、前記印刷用紙が前記ノンソートトレイに収納されるノンソートモード選択時のそれよりも小さくすることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 請求項1記載の孔版印刷装置において、
    前記マスタの穿孔径は印刷される画像の濃度あるいは面積によって決定されることを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 請求項1または2記載の孔版印刷装置において、
    前記ビントレイユニットは前記印刷用紙を収納する複数のビントレイを縦方向に有し、前記印刷用紙を、その印刷面が下側となるように収納することを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 請求項3記載の孔版印刷装置において、
    前記ビントレイユニットは前記印刷用紙の用紙揃えを行うジョガーを有することを特徴とする孔版印刷装置。
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