JP4514665B2 - シート重送防止装置及び画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、複写機やプリンタ、ＦＡＸなどの画像形成装置における給紙カセットや自動原稿送り装置などに用いられる、原稿や記録紙などのシート材の重送防止装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。

まず、特許文献１に記載された従来のシート重送防止装置について説明する。

図４は、給紙カセットの記録紙の送出部分の概略斜視図であり、図５はリタードローラの構成を示した平面図、図６はリタードローラを保持するローラホルダーの構成を示した図、図７は給紙カセットにローラホルダーを装着した斜視図、図８は、給紙カセットのローラホルダー装着部の斜視図、図９は、ローラホルダー周辺の構成を示す概略側面図であり、図１０は図９の要部の拡大図であり、給紙時のローラホルダーの動きを示すものである。

図中１はリタードローラ、２はこのリタードローラ１を保持するローラホルダー、３は複写機やプリンタ、ＦＡＸなどの本体側に設けられた記録紙などのシート（以下単に記録紙と略称する）の搬送ユニットを構成するフィードローラ、４は同じく搬送ユニットの一部を構成し、給紙カセット７の記録紙載置台８に載置された記録紙５をフィードローラ３側に送り出すピックアップローラ、５は記録紙、６はローラホルダー２をフィードローラ３側に押圧するためのスプリング、７は給紙カセット、８は記録紙載置台である。

このように構成したシート重送防止装置において、リタードローラ１は、図５に示したように、軸２０の左右にローラホルダー２にスナップフィットさせるための切り欠き部２１、２２を有した固定部２３、２４が設けられ、その軸２０にトルクリミッタ２５、更にそのトルクリミッタ２５の延長部分にＥＰＤＭなどを原料としたゴムを圧入したゴムローラ部２６とがはめ込まれて構成されている。そして、ゴムローラ部２６にトルクリミッタ２５が発生するトルク値以上のトルクがかかった場合、矢印２７方向に回転することができるようにされている。

ローラホルダー２は、図６に示したように、リタードローラ１の図５に２３、２４で示した固定部を受けて固定するスナップフィット部３０、３１、及びこのローラホルダー２がスプリング６の押圧力を受けたときの回動の支点となる軸受け部３３、３４を両側に持ち、これらスナップフィット部３０、３１、軸受け部３３、３４を結ぶと共に記録紙５をガイドする役目を持つ搬送ガイド部３２、及び中央下部に設けられた図４に６で示したスプリングの押圧力を受けるスプリング受け３５などで構成される。

また、図７に４１で示す給紙カセット７の記録紙搬送路４０の中央付近に設けられた窪み部４１には、図８に示すように、相対する一対の上下面が水平面に形成されるとともに、相対する一対の左右側面が円弧面に形成された支点軸３６、３７が突設されている。この支点軸３６、３７は、ローラホルダー２の軸受け部３３、３４に連結される。

このように構成したシート重送防止装置において、ローラホルダー２は、前記図７及び図８で説明したように軸受け部３３、３４を支点軸３６、３７と連結させ、さらに図４に示したように、スプリング受け３５にスプリング６を当接させて給紙カセット７の窪み部４１に収容する。そしてリタードローラ１は、図５に２３、２４で示した固定部をローラホルダー２のスナップフィット部３０、３１に嵌挿し、このローラホルダー２にはめ込む。そして図４における記録紙載置台８に記録紙を載置し、この給紙カセット７を複写機やプリンタ、ＦＡＸなどの本体に挿入すると、フィードローラ３、ピックアップローラ４などを有した搬送ユニットが図４に示したように給紙カセット７の上に位置し、ローラホルダー２はスプリング６の押圧力により、軸受け部３３、３４を支点として収容したリタードローラ１をフィードローラ３に圧接する。そして、給紙カセット７の記録紙載置台８が上昇し、この記録紙載置台８上の記録紙５がピックアップローラ４に接する位置まで来ると、記録紙搬送の準備が完了する。

この状態で記録紙搬送の指示が来ると、まず図４におけるピックアップローラ４が記録紙載置台８の最上部にある記録紙５をピックアップし、フィードローラ３とリタードローラ１のニップ方向に送り出す。このとき記録紙５の先端が垂れ下がっても、ローラホルダー２の搬送ガイド部３２に先端が当たることで、記録紙５はフィードローラ３とリタードローラ１のニップ方向に送られる。

リタードローラ１は、記録紙がフィードローラ３とリタードローラ１のニップ部に至っていないときは、圧接しているフィードローラ３から伝達される駆動力が図５におけるトルクリミッタ２５のトルクを上回るので、フィードローラ３に追従して回転している。そして、このフィードローラ３とリタードローラ１のニップ部に記録紙５が送り込まれると、記録紙５はそのままニップ部でフィードローラ３からの駆動力を受けて進行するが、記録紙５が一枚だけの場合はリタードローラ１も記録紙５を通してフィードローラ３の駆動力を受け、前記したようにこの駆動力がトルクリミッタ２５のトルクを上回るので、フィードローラ３に追従して回転する。そのため記録紙５は、図示していない画像の転写位置方向に送り出される。

いま、ピックアップローラ４で記録紙５が複数枚ピックアップされ、フィードローラ３とリタードローラ１のニップ部に重送されてくると、記録紙５間の摩擦抵抗は比較的低いため、最上部の記録紙５はフィードローラ３で送られるが、重送されてきた記録紙５間の滑りでリタードローラ１へはトルクリミッタ２５のトルクに抗するだけの駆動力が伝達されず、このリタードローラ１の回転が停止する。そのため最上部の記録紙５以外の重送された記録紙５は、このリタードローラ１のニップ部で搬送を止められ、図示していない画像の転写位置方向への送出が阻まれる。

そのため、フィードローラ３とリタードローラ１のニップ部に重送されてきた記録紙５は、一枚だけが図示していない画像の転写位置方向に送り出され、他の記録紙５は分離されてここで停止する。すなわち、リタードローラ１に従来のような逆転駆動力を加えずとも、重送されてきた記録紙５の重送を停止することができ、そのため、リタードローラ１への駆動力伝達機構が不要となる。

また、前記したようにリタードローラ１は、ローラホルダー２のスナップフィット部３０、３１に挿入されて固定されているだけであり、給紙カセット７を本体から引き出して、フィードローラ３やピックアップローラ４を有する搬送ユニットがない図７のような状態では、駆動力伝達機構などの取り外しを邪魔するものがないから、手で簡単に取り外すことが可能であり、メンテナンス性も非常によくなる。
特開２００２−１６７０６７号公報

ところが、上記の構成においては、ローラホルダー２を支点軸３６、３７の回りに回動自在とし、かつ、手で簡単に取り外すことができるようにしているため、軸受け部３３、３４と支点軸３６、３７とを遊嵌状態で連結することが必要であり、その結果若干のガタ（図９中のｄ参照）が生じてしまう。

ところで、ローラホルダー２はフィードローラ３に対向して設けられているため、給紙時はローラホルダー２に用紙搬送方向への力が常に働いている。そうすると、図１０中にＡで示すように、軸受け部３３、３４の円弧状の内面は支点軸３６、３７の左上部の曲面で当接し、上記ガタの範囲内でローラホルダー２は用紙搬送方向に支点軸３６、３７の形状に沿って移動させられる。この用紙搬送力とリタードローラ１のスリップ時の自重の働きによる、もとの位置に戻ろうとする力との繰り返しにより、ローラホルダー２に振動が生じ、異音の原因となっていた。

本発明は、ローラホルダーの動きや着脱性を損なうことなく給紙時の振動を抑制することのできるシート重送防止装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明は、フィードローラと、該フィードローラに圧接され、軸に設けたトルクリミッタで一定以上のトルクを受けたときに回転するよう構成したリタードローラと、前記リタードローラの軸を回転しないよう保持するローラホルダーと、前記ローラホルダーに設けられ円弧状の内面を有する軸受け部と、前記ローラホルダーの装着部に別途設けられ前記軸受け部と連結されることにより前記ローラホルダーを回動自在に支持する支点軸と、前記リタードローラを前記フィードローラに圧接するように前記ローラホルダーを付勢する付勢手段とを有するシート重送防止装置において、前記支点軸は、給紙時にローラホルダーに働く用紙搬送方向の力と、ローラホルダーの自重により接する部分に、切り欠き形状を持つことを特徴とする。

なお、前記支点軸の軸形状は、円柱又は小判型断面の円弧形状を持つことを特徴とする。

本発明によると、給紙時にローラホルダーに用紙搬送方向の力が働きガタの範囲でローラホルダーが動いても、支点軸の左上部には切り欠き部が存在するため、支点軸の形状の影響を受けることなく、最短の距離で移動が規制される位置まで到達することができる。

従って、記録紙の重送によりリタードローラのスリップが発生しても、ローラホルダーの振動が抑制され、異音発生を防止することができる。また、連結部にはガタを持たせたままであるので、ローラホルダーの回動自在な動きや着脱性を損なうことがない。

以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。

図１は、本発明の実施の形態に係る給紙カセットのローラホルダー装着部の斜視図、図２は、上記本発明の実施の形態に係る給紙カセットのローラホルダー周辺を示す概略側面図であり、図３は図２の要部の拡大図であり、給紙時のローラホルダーの動きを示すものである。これらの図は、前記説明した図８、図９及び図１０の従来例にそれぞれ対応する図であり、上記従来の給紙カセットと同一の部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。

本発明では、図１に示すように、支点軸３６、３７は、給紙時にローラホルダー２に働く用紙搬送方向の力と、ローラホルダー２の自重により接する部分（図１０中のＡ部）に、直角に切り欠いた形状の切り欠き部３６ａ、３６ｂを有する形状としている。なお、支点軸３６、３７の形状は図示したような小判型断面の柱形状だけでなく円柱などであってもよく、また、切り欠き面の形状も直角には限られず円弧などであってもよい。

そうすると、図３に示すように、給紙時にローラホルダー２に用紙搬送方向の力が働きガタの範囲でローラホルダー２が動いても、支点軸３６、３７の左上部には切り欠き部３６ａ、３７ａが存在するため、支点軸３６、３７の形状の影響を受けることなく、最短の距離で移動が規制される位置（図では切り欠き部３６ａ、３７ａのエッジ部）まで到達することができる。

従って、記録紙５の重送によりリタードローラ１のスリップが発生しても、ローラホルダー２の振動が抑制され、異音発生を防止することができる。また、連結部にはガタを持たせたままであるので、ローラホルダー２の回動自在な動きや着脱性を損なうことがない。

なお、以上の説明では、本発明を記録紙の給紙カセットの送出部分に適用した場合を説明してきたが、複数枚積み重ねた原稿を順次原稿台に送り出す送出部分にもこういったリタードローラを用いた重送防止装置が用いられており、この場合も全く同様に構成できることは明らかである。

本発明は、複写機やプリンタ、ＦＡＸなどの画像形成装置における給紙カセットや自動原稿送り装置などに利用することができる。

は、本発明の実施の形態に係る給紙カセットのローラホルダー装着部の斜視図である。 は、上記本発明の実施の形態に係る給紙カセットのローラホルダー周辺を示す概略側面図である。 は、図２の要部の拡大図であり、給紙時のローラホルダーの動きを示すものである。 は、給紙カセットの要部構成を示す概略図である。 は、リタードローラの構成を示した図である。 は、リタードローラを保持する本発明のローラホルダーの構成を示した図である。 は、給紙カセットにローラホルダーを装着した斜視図である。 は、従来の給紙カセットのローラホルダー装着部の斜視図である。 は、上記従来の給紙カセットのローラホルダー周辺を示す概略側面図である。 は、図９の要部の拡大図であり、給紙時のローラホルダーの動きを示すものである。

符号の説明

１ リタードローラ
２ ローラホルダー
３ フィードローラ
５ 記録紙
６ スプリング
７ 給紙カセット
２５ トルクリミッタ
３３、３４ 軸受け部
３６、３７ 支点軸
３６ａ、３７ａ エッジ部
４０ 記録紙搬送路
４１ 窪み部（ローラホルダー装着部）

Claims (3)

1. フィードローラと、該フィードローラに圧接され、軸に設けたトルクリミッタで一定以上のトルクを受けたときに回転するよう構成したリタードローラと、前記リタードローラの軸を回転しないよう保持するローラホルダーと、前記ローラホルダーに設けられ円弧状の内面を有する軸受け部と、前記ローラホルダーの装着部に別途設けられ前記軸受け部と連結されることにより前記ローラホルダーを回動自在に支持する支点軸と、前記リタードローラを前記フィードローラに圧接するように前記ローラホルダーを付勢する付勢手段とを有するシート重送防止装置において、前記支点軸は、給紙時にローラホルダーに働く用紙搬送方向の力と、ローラホルダーの自重により接する部分に、切り欠き形状を持つことを特徴とするシート重送防止装置。
2. 前記支点軸の軸形状は、円柱又は小判型断面の円弧形状を持つことを特徴とする請求項１に記載のシート重送防止装置。
3. 請求項１又は２に記載のシート重送防止装置を備えた画像形成装置。

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