JP4514177B2 - Alを含む半導体材料からなるレンズ、それを用いた面型光素子、及びその製造方法 - Google Patents

Alを含む半導体材料からなるレンズ、それを用いた面型光素子、及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小なマイクロレンズなどの半導体材料を含むレンズ、プリンタ、複写機、光通信などに使用される該レンズを用いた面発光型レーザ、面発光型LED、面型受光素子などの面型光素子、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、面発光型素子と光ファイバとの結合効率を高める目的として、面発光型素子の光出射面上に凸形状をしたマイクロレンズを直接形成する提案がいくつか成されている。例えば、特開2000-76682号公報に記載されている方法では、凸形状をしたフォトレジストとコンタクト層をドライエッチングすることによって、図9のように、面発光レーザ100のコンタクト層102を凸形状にしてマイクロレンズ115を形成している。尚、図9において、101は半導体堆積体(柱状部)、103は上部DBRミラー、104は下部DBRミラー、105は量子井戸活性層、106は上部電極、107は下部電極、108は絶縁層、109は基板である。
【0003】
また、特開平11-233888号公報に記載されている方法では、実際に、凸形状をしたマイクロレンズを面発光レーザ装置の光出射面に形成しているのではない。しかし、図10に示すように、複数の半導体材料で構成された半導体層の一部の層を酸化し、酸化部と非酸化部の界面での屈折率の変化により集光作用を持つ光学素子(レンズ部17)を、面発光レーザ装置11のアノード電極18と上部DBR層16の間に、形成している。尚、図10において、12は基板、13は下部DBR層、14はカソード電極、15は中間層である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000-76682号公報に記載された方法では、凸形状をしたレジストの形を反映させながら、半導体層(コンタクト層)102をドライエッチングにより凸形状にするために、微細な形状制御をすることが困難であるという問題点がある。さらに、キャリア密度の高いコンタクト層102により凸レンズ115を形成しているため、通常よりもコンタクト層が厚くなり、コンタクト層102のキャリアによる光吸収損失が増加し、光出力が低下するという問題も発生する。
【0005】
また、特開平11-233888号公報に記載された方法では、簡単な方法で、かつ、大量に集光作用を持った光学素子(レンズ部)17を作製できるが、滑らかな立体形状を有していないため、集光作用が弱い。さらに、図10に示したように、アノード電極18と上部DBR層16の間に集光作用を持った光学素子(レンズ部)17が形成されているため、レンズ部17の酸化領域が大きな抵抗となり、素子11の抵抗が増加するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、簡単な方法で大量に作製でき、その形状を容易に制御性良く形成できるマイクロレンズなどのレンズ、光出力の低下や素子抵抗の増大を生じないマイクロレンズと一体化した面発光型レーザ、面発光型LED、面型受光素子などの面型光素子、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するための本発明のマイクロレンズなどのレンズは、少なくともAlを含む半導体材料からなるレンズであって、基板に平行な面内では均一な組成であり該基板に垂直な方向にはAl濃度が変化した柱状の半導体領域が該基板上に形成され、該柱状の半導体領域の一部が該柱状の側壁面から酸化されてなる酸化領域が該半導体領域に形成され、酸化されていない半導体領域の形状が立体形状で残って成ることを特徴としたり(図2(a)参照)、レンズ光軸に垂直な面内では均一な組成であり該レンズ光軸の方向にはAl濃度が変化した柱状の半導体領域を有し、該柱状の半導体領域の一部が該柱状の側壁面から酸化されてなる酸化領域が該半導体領域に形成され、酸化されていない半導体領域の形状が立体形状で残って成ることを特徴としたり(図2(a)の構成から基板を無くしたもの参照)、基板に平行な面内では均一な組成であり該基板に垂直な方向にはAl濃度が変化した半導体領域が該基板上に立体形状に形成されて成ることを特徴としたり(図3参照)、レンズ光軸に垂直な面内では均一な組成であり該レンズ光軸の方向にはAl濃度が変化した半導体領域が立体形状に形成されて成ることを特徴としたりする(図3の構成から基板を無くしたもの参照)。こうした構成のレンズは、光軸方向に適当な濃度分布でAlを含んだ柱状の半導体材料の側壁面からの酸化という簡単な方法のみで、所望の立体形状のものを制御性良く形成できる。
【0008】
滑らかな立体形状として性能の良いレンズとする為には、前記Al濃度はほぼ連続的に変化しているのが良い。Al濃度をほぼ連続的に増加させれば、前記立体形状は凸形状にできる。前記酸化領域と前記酸化されていない半導体領域の屈折率は夫々ほぼ均一になる。
【0009】
Alを含む半導体の酸化に関しては、例えば、K.D.Choquette等による論文「Low threshold voltage vertical-cavity lasers fabricated by selective oxidation」(Electron. Lett.、30、2043、1994)において開示されている様に、AlGaAsの酸化速度はAl組成に大きく依存し、Al組成の高い方が酸化速度が速いことが知られている。この性質を用いることにより、上記の構成のように、少なくともAlを含む半導体材料を用いて、基板に垂直な方向にAl濃度をほぼ連続的に変化させた半導体領域を形成し、それを水蒸気中で400℃程度に加熱して酸化した場合、Al組成の高い半導体領域をより多く酸化させ、Al濃度が低い半導体領域を少なく酸化させることが可能である。その結果、酸化後のAlを含む半導体材料の酸化部と非酸化部の境界の形状は凸形状等の立体形状になる。
【0010】
上記の酸化された半導体材料は、残滓物質は別にして主にAlOzに変化し、電気的には絶縁層となるとともに、屈折率が1.5程度となることが知られている。通常、半導体材料の屈折率は測定する波長にもよるが3.0〜3.5程度であるため、上記の凸形状等をしたAlを含む半導体材料は、屈折率の低いAlOzに囲まれ、その結果、光線制御作用(典型的には、集光作用)を持ったレンズとして機能することができる。従って、ドライエッチングなどの複雑な工程を行うことなく、酸化のみで、簡単に凸形状等の立体形状をしたマイクロレンズなどのレンズを形成できる。
【0011】
凸形状等をしたレンズを形成するAlを含む半導体材料の形状は、その半導体材料の膜厚・組成分布、酸化温度、酸化時間などの酸化パラメータ、マスク形状などにより簡単に制御することができ、それらのファクターを精確に設定することで容易にその凸形状等の立体形状を制御性良く制御することが可能である。
【0012】
本発明に係るレンズは、酸化領域を除去して、凸形状等をしたAlを含む半導体材料のみにより形成してもよい。このようにした場合、凸形状等をした半導体材料とそれを囲んでいる物質の屈折率の差が変化するので、レンズの焦点距離を変化させられる。また、酸化領域での僅かな光吸収あるいは光散乱もなくすことができ、光の透過率も増加できる。
【0013】
また、本発明のレンズは、Alを含む半導体材料がAlxGa1-xAs 、AlxIn1-xAs、AlxGa1-xP、AlxIn1-xP、(AlxGa1-x)yIn1-yP及び、(AlxGa1-x)yIn1-yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)の少なくとも1種類から構成されうる。典型的には、1種類から構成してAl濃度を変化させる。しかし、異なる種類のものを積層してレンズを構成すれば、DBRミラーの機能を兼ねさせることもできる。この場合、面発光レーザなどと一体化して使用するとき、面発光レーザ中のDBRミラー層の積層数を減らすことができる。
【0014】
また、レンズを形成する前記半導体領域が全て酸化されていてもよい。このように、酸化領域により凸形状等をしたレンズを形成した場合、バンドギャップエネルギーが広がるので、Alを含む半導体材料のバンドギャップよりも大きなエネルギーを持つ光において、その透過率を増加することが可能となる。さらに、凸形状等をしたレンズを構成する材料の屈折率が変化するため(小さくなる)、レンズの焦点距離も変化させられる。
【0015】
上記のレンズを半導体基板上に1次元あるいは2次元的に並べてレンズアレイを構成することもできる。
【0016】
更に、本発明に係るマイクロレンズは、面型受・発光素子(面型発光素子或いは面型受光素子を指し、面発光型LED、面発光型レーザ、フォトダイードなどである)の光出入射面側に一体化されてもよい。このような構成にすることで、凸形状等を高精度に制御できるマイクロレンズと面型受・発光素子が一体化した面型受・発光素子を簡単な方法で大量に作製することが可能となる。さらに、一体化して作製することにより、マイクロレンズと面型光素子の光軸を調整する必要もなくなる。
【0017】
マイクロレンズは面型受・発光素子の電極用のコンタクト層上に形成されうる。この様にマイクロレンズをコンタクト層上に形成する構成では、面型受・発光素子自体の抵抗を変化させることはない。また、ここでのマイクロレンズは、コンタクト層として機能するのではないため、マイクロレンズを構成する材料のキャリア密度を上げる必要はなく、キャリアの吸収による光吸収損失を低減させられる。さらに、上記酸化層で構成されたマイクロレンズを用いることで、キャリアの吸収による光吸収損失がないマイクロレンズを面型受・発光素子のコンタクト層上に形成できる。
【0018】
従って、本発明のマイクロレンズを面型受・発光素子のコンタクト層上に形成することにより、光出力の低下や素子抵抗の増大を生じない、マイクロレンズと一体化した面型受・発光素子を実現できる。
【0019】
また、上記面型受・発光素子は1次元あるいは2次元的に配列されてもよい。
【0020】
更に、上記目的を達成する為の本発明のレンズの製造方法は、少なくともAlを含む半導体材料を用いたレンズの製造方法であって、基板に垂直な方向に、該基板に平行な面内では均一な組成であり該基板に垂直な方向にはAl濃度を変化させて半導体を形成し、該半導体から柱状の半導体領域を形成し、該柱状の半導体領域の一部を該柱状の側壁面から酸化して酸化領域を該半導体領域に形成することで該半導体領域中に酸化されていない半導体領域を立体形状で形成することを特徴とする。この製造方法によれば、酸化という簡単な方法のみで、容易に凸形状等をしたレンズを形成することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係るレンズの製造方法では、上述した製造工程の後に、酸化領域を除去してもよい。酸化領域の除去はウエットエッチングあるいはドライエッチングと超音波を用いて行い得る。好適には、エッチング溶液中で超音波をかけて酸化領域を剥離する。この製造方法によれば、酸化領域と凸形状等をしたAlを含む半導体層を容易に分離できる。
【0022】
さらに、本発明に係るレンズの製造方法では、上述した工程の後に、前記凸形状等をしたAlを含む半導体を全て酸化する工程を行ってもよい。この製造方法によれば、容易に、マイクロレンズを構成する材料の屈折率を変化(減少)させることができる。また、全て酸化してしまうので材料の経時変化の恐れがなくなる。
【0023】
前記基板は除去して、レンズ機能を果たす立体形状部のみからレンズを構成してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態である実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1の実施例)
図1及び図2は、本発明の第1の実施例であるマイクロレンズとその製造方法を示す。図1に示すように、GaAs基板上201に、通常の有機金属気相成長法を用いて、膜厚方向にAl組成をx=0.9からx=1に徐々に変化させたAlxGa1-xAsからなるマイクロレンズ形成層202を1μm、マイクロレンズ形成層202を保護するための層としてGaAs層203を0.05μm続いて形成する。ここでは、マイクロレンズ形成層202のAl組成分布を、最下面でAl0.9Ga0.1Asとし、最表面でAlAsとした(図2(b)参照)。
【0026】
次に、その上に、上面からの酸化を保護するための酸化防止膜としてSiNx膜204をプラズマCVD法により、約0.2μm堆積させる。さらに、フォトレジストからなるエッチングマスク205を形成する(図1(a))。このマスク205の形状は直径10μmの円形とした。
【0027】
次いで、SiNx膜204をCF4を用いたドライエッチングによりエッチングする。さらに、側面にAlxGa1-xAsから成るマイクロレンズ形成層202がすべて露出するまで、Cl2を用いた反応性エッチングによりエッチングし、円柱状構造を形成する(図1(b))。
【0028】
次に、フォトレジスト205を取り除いた後、水蒸気雰囲気中で380℃、5分加熱することで、AlxGa1-xAsからなるマイクロレンズ形成層202の最表面近傍のAl組成がx=0.97からx=1 のAlxGa1-xAs層202のすべての領域、及びこの領域の下のAl組成がx=0.9からx=0.96のAlxGa1-xAs層202の周辺領域を酸化する。この際、酸化防止膜204により円柱状構造の上面からの酸化が防止される。こうして、円柱状構造をしたマイクロレンズ形成層202の円柱周辺部及び最表面部分にAlxGa1-xAs酸化領域206を形成する。その結果、円柱状構造をしたマイクロレンズ形成層202内に、凸形曲面状をしたAlを含む半導体層であるAlxGa1-xAs層202が形成された(図2(a)参照)。本実施例では、最終的には酸化防止膜204を取り除いて、保護膜203が酸化領域206上に存在する図2(a)の形態で使用する。
【0029】
このように作製した凸形状をしたマイクロレンズにレーザ光を照射したところ、レーザ光を集光することができた。
【0030】
上述したように円柱状構造をしたマイクロレンズ形成層202内部に凸形状を有したAlを含むAlxGa1-xAs半導体層202が形成されるのは、前述したように、Al組成が高い半導体層がAl組成の低い半導体層よりも速く酸化されるためである。従って、例えば、AlxGa1-xAsのAlの組成分布は、ここで示したように、x=0.9からx=1である必要はなく、x=0.8からx=1でもよい。さらに、ここでは、Al組成分布を徐々に変化させたが、このことが不可能な場合、差分の小さい階段状にAl組成を変化させることも可能である。
【0031】
Al組成分布を徐々にリニアに変化させた図2(b)のグラフと図2(a)のAlxGa1-xAs半導体層202の凸形状曲面とはほぼ対応している。すなわち、適当に条件を設定すれば、Al組成分布を図2(b)のグラフの如く徐々にリニアに変化させたときに、AlxGa1-xAs半導体層202の凸形状曲面を図2(a)の如く形成できる。こうして、上記に示した方法では、マイクロレンズ形成層202のAl組成分布、厚さ、さらには、その層202の酸化時間、酸化温度等の酸化パラメータを制御して、酸化領域206を変化させることで、容易に所望の形状をしたマイクロレンズを作製することが可能となる。
【0032】
本実施例においては、基板201及びマイクロレンズ形成層202として、GaAs基板及びAlGaAs層を用いたが、基板としては、Alを含んだ半導体結晶を形成できるものであればよい。また、マイクロレンズ形成層としてはAlを含んだ半導体であればよい。例えば、InP基板を用い、マイクロレンズ形成層としてはAlInAs層を用いることもできる。
【0033】
さらに、製造工程中に上面からAlを含む半導体層202の酸化が進行しない様にする為の(更には、そのまま残す場合には、レンズ使用時にレンズを保護する為の)マイクロレンズ形成層保護層204としては、酸化しない材料であればよく、酸化防止膜204としてはSiO2などであってもよい。
【0034】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例について説明する。図3は本実施例に係るマイクロレンズの断面図である。
【0035】
本実施例のマイクロレンズは、第1の実施例においてマイクロレンズを形成しているAlを含むAlxGa1-xAs半導体層202の周辺部にある酸化領域206を除去した構成となっている。第2の実施例の作製方法は、第1の実施例のマイクロレンズ(図2(a)参照)を形成した後に、以下の工程を行う。従って、途中の工程までは第1の実施例と同様であるため、その工程の説明は省略する。同一の材料には同一の番号を付して説明する。
【0036】
図2(a)に示した第1の実施例のマイクロレンズを、例えば、Buffered HF溶液(以下BHF)中に浸しながら、約2分間超音波をかける。その結果、BHF溶液がAlGaAs酸化領域206とAlGaAs202の界面に浸透し、AlGaAs酸化領域とAlGaAsを剥離できる。こうして、Alを含んだ半導体層であるAlxGa1-xAs層202のみで凸形状をしたマイクロレンズを形成できる(図3)。このとき、BHF溶液により、AlGaAs層202も若干エッチングされるが、これによりマイクロレンズ表面の凹凸が低減される。
【0037】
この様な構成にすることで、AlGaAs202で構成された凸形状をしたマイクロレンズを酸化領域206で覆う場合よりも、マイクロレンズ202とそれを囲んでいる媒質(通常は空気)との屈折率差を大きくできる。そのため、同じ焦点距離を出すのに、形成するマイクロレンズ202の厚さを薄くすることが可能になった。さらに、酸化領域206及びマイクロレンズ形成層保護層203での光吸収や光散乱もなくすことができる。尚、AlGaAs202の表面は若干自然酸化される場合もある。
【0038】
(第3の実施例)
図4は本発明の第3の実施例に係るマイクロレンズを示す断面図である。
【0039】
本実施例に係るマイクロレンズでは、第2の実施例においてマイクロレンズを形成しているAlを含む半導体層202をすべて酸化し、酸化領域206のみでマイクロレンズを構成している。作製方法は、第2の実施例のマイクロレンズを形成した後に、以下の工程を行う。ここでも、途中の工程までは第1及び2の実施例と同様であるため、その工程の説明は省略する。同一の材料には同一の番号を付して説明する。
【0040】
本実施例の作製方法では、図3に示した第2の実施例で作製したマイクロレンズ202を水蒸気雰囲気中で380℃で10分加熱する。この結果、GaAs層で構成された基板201のみを残して、AlxGa1-xAs層からなるAlを含んだ半導体層202で構成されたマイクロレンズのすべてが酸化され、AlxGa1-xAs酸化領域206で構成されたマイクロレンズが形成される(図4)。
【0041】
このように構成された凸レンズでは、絶縁体であるAlOzにより凸レンズが構成されるため、AlGaAsのバンドギャップよりもエネルギーの高いレーザ光を照射した場合にも、そのレーザ光の透過率を増加させることができる。また、AlOzの屈折率(1.5程度)はAlGaAsの屈折率(3程度)よりも小さいので、第2の実施例で示したマイクロレンズよりも焦点距離を長くすることができる。
【0042】
尚、第1乃至第3の実施例において、結晶基板201が着いたままでレンズを他の素子に固着して使用してもよいが、レンズの上側を適当な支持板に一時的に付着して結晶基板201を取り除いてからレンズを他の素子に固着して使用することもできる。
【0043】
(第4の実施例)
本発明に係るマイクロレンズは、面発光型素子の光出射面と一体化することができる。図5、図6、図7は本発明に係るマイクロレンズと面発光レーザを一体に作製した第4の実施例の面発光レーザ装置の製造工程を示した図である。
【0044】
本実施例の面発光レーザ装置は以下の如く作製される。先ず、n-GaAs結晶基板400上に、n型AlGaAs多層膜からなる分布ブラック反射鏡(DBR)層401、GaAs/AlGaAsの3量子井戸から成る活性層を含み最下層と最上層としてAlGaAsを有する1波長共振器層402、AlGaAs多層膜から成るp側DBRミラー層403、p-GaAsコンタクト層404、AlGaAs層から成るマイクロレンズ形成層405(この詳しい構成は上記実施例を参照)、マイクロレンズ形成層保護層であるGaAs層406を有機金属気相成長法などにより結晶成長する(図5(a))。その後、酸化防止膜としてSiNx膜407をプラズマCVD法で形成し、さらに、フォトレジストによりエアポストを形成するためのマスク408を形成し、SiNx膜407をそのマスク形状に合わせてエッチングする。(図5(b))。
【0045】
次に、p-DBR層403にエアポストを、Cl2を用いた反応性エッチングにより形成する(図6(a))。その後、AlGaAsからなるマイクロレンズ形成層405の一部を選択的に水蒸気酸化して酸化領域409を形成し、非酸化領域410よりなるマイクロレンズを形成する(図6(b))。この工程は上記実施例で説明した工程に準じる。
【0046】
このウエハをBuffered HF溶液中に浸して、2分間超音波をかけることにより、酸化領域409、マイクロレンズ形成層保護層406、酸化防止膜407を除去し、コンタクト層404を露出させる(図7(a))。その後、図中には示していないが隣接素子間の分離のために露出したp-DBR層403上にSiNx膜により絶縁膜を形成して、ポリイミド411で平坦化を行い、p側電極412及びn側電極413を成膜する(図7(b))。p側電極412としては例えばTi/Auを用いることができ、また、n側電極413としてはAuGe/Auを用いることができる。
【0047】
このような構成をとることで、凸形状の制御が容易で簡単な方法で作製できるマイクロレンズと面発光レーザの光出射面とが一体化した面発光レーザ装置を実現できる。
【0048】
本実施例では、面発光型素子として面発光レーザを用いたが、面発光型LEDを用いた場合でも、ほぼ同様な工程でマイクロレンズと一体化した面発光型LEDを作製することができる。
【0049】
また、本実施例では、第2の実施例で示した非酸化領域のみで構成したマイクロレンズを用いたが、これに限ったものではなく、第1及び第3の実施例で説明したマイクロレンズによって構成してもよい。さらに、面発光レーザ装置として、GaAs基板上にAlGaAs系半導体を用いた構成を示したが、それに限ったものではなく、例えば、InP基板上に、InGaAsP系材料を用いた構成としてもよい。この場合は、マイクロレンズ形成層として、AlInAs層(Al濃度が変化している)を用いることで、例えば、1.3μmや1.55μmといった波長帯の面発光レーザと共に用いることができる。
【0050】
(第5の実施例)
図8に、第2の実施例の方法で作製したマイクロレンズを2次元的に並べたマイクロレンズアレイを示す。結晶基板500上に、第2の実施例で説明したマイクロレンズ501を2次元的に配列させて作製することにより、一度に大量のマイクロレンズを作製することができる。作製は、レンズアレイの配列に合わせてフォトレジスト205(図1参照)を形成して第2の実施例で説明した工程を実施すればよい。また、第1及び第3の実施例で説明したマイクロレンズを1次元あるいは2次元的に配列させて、それらを一度に大量に作製することも可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、光軸方向に適当な濃度分布でAlを含んだ柱状の半導体材料の側壁面からの酸化という簡単な方法だけで、所望の立体形状をしたマイクロレンズなどのレンズ及びそれと一体化した面発光型素子等の面型光素子を大量に提供することができる。また、マイクロレンズと面型発光素子等を同時に作製できるため、マイクロレンズと面型発光素子等との光軸調整を必要としなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のマイクロレンズの製造工程の一部を示す断面図である。
【図2】(a)は第1の実施例のマイクロレンズの製造工程の最終部を示す断面図、(b)はマイクロレンズ形成層であるAlxGa1-xAs層のAl組成分布を示すグラフ図である。
【図3】本発明の第2の実施例のマイクロレンズの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例のマイクロレンズの断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例の製造工程の中間部を示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例の製造工程の最終部を示す断面図である。
【図8】本発明の第5の実施例のレンズアレイの斜視図である。
【図9】特開2000-76682号公報に記載されているマイクロレンズと一体化した面発光レーザの断面図である。
【図10】特開平11-233888号公報に記載された方法で製造された面発光レーザ装置の断面図である。
【符号の説明】
11, 100:面発光レーザ装置
12,109:基板
13,104:下部DBR層
14,107:カソード電極
15:中間層
16,103:上部DBR層
17:レンズ部
18,106:アノード電極
101:柱状部
102:コンタクト層
105:量子井戸活性層
108:絶縁層
201,400:結晶基板
202,405:Alを含む半導体層(マイクロレンズ形成層、マイクロレンズ)
203,406:マイクロレンズ形成層保護層
204,407:酸化防止膜
205,408:フォトレジスト
206,409:酸化領域
401:n側DBR層
402:共振器層
403:p側DBR層
404:コンタクト層
410:非酸化領域(マイクロレンズ)
411:ポリイミド
412:p側電極
413:n側電極
500:結晶基板
501:マイクロレンズ

Claims (18)

  1. 少なくともAlを含む半導体材料からなるレンズであって、基板に平行な面内では均一な組成であり該基板に垂直な方向にはAl濃度が変化した柱状の半導体領域が該基板上に形成され、該柱状の半導体領域の一部が該柱状の側壁面から酸化されてなる酸化領域が該半導体領域に形成され、酸化されていない半導体領域の形状が立体形状で残って成ることを特徴とするレンズ。
  2. 少なくともAlを含む半導体材料からなるレンズであって、レンズ光軸に垂直な面内では均一な組成であり該レンズ光軸の方向にはAl濃度が変化した柱状の半導体領域を有し、該柱状の半導体領域の一部が該柱状の側壁面から酸化されてなる酸化領域が該半導体領域に形成され、酸化されていない半導体領域の形状が立体形状で残って成ることを特徴とするレンズ。
  3. 少なくともAlを含む半導体材料からなるレンズであって、基板に平行な面内では均一な組成であり該基板に垂直な方向にはAl濃度が変化した半導体領域が該基板上に立体形状に形成されて成ることを特徴とするレンズ。
  4. 少なくともAlを含む半導体材料からなるレンズであって、レンズ光軸に垂直な面内では均一な組成であり該レンズ光軸の方向にはAl濃度が変化した半導体領域が立体形状に形成されて成ることを特徴とするレンズ。
  5. 前記半導体領域が全て酸化されている請求項3または4に記載のレンズ。
  6. 前記Al濃度が連続的に変化している請求項1乃至5の何れかに記載のレンズ。
  7. 前記Al濃度が連続的に増加し、前記酸化されていない半導体領域或いは前記酸化されている半導体領域の形状が凸形状になっている請求項1乃至6の何れかに記載のレンズ。
  8. 前記半導体材料の組成が、AlxGa1-xAs 、AlxIn1-xAs、AlxGa1-xP、AlxIn1-xP、(AlxGa1-x)yIn1-yP、及び(AlxGa1-x)yIn1-yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)の少なくとも1種類から構成されている請求項1乃至7の何れかに記載のレンズ。
  9. 前記酸化領域の主な組成がAlOzである請求項5乃至8の何れかに記載のレンズ。
  10. マイクロレンズである請求項1乃至9の何れかに記載のレンズ。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載のレンズを半導体基板上に1次元あるいは2次元的に並べたことを特徴とするレンズアレイ。
  12. 請求項10に記載のマイクロレンズと光出入射面側で一体化した面型受・発光素子。
  13. 前記マイクロレンズが素子の電極用のコンタクト層上に形成されている請求項12記載の面型受・発光素子。
  14. 前記面型受・発光素子が1次元あるいは2次元的に配列された請求項12または13に記載の面型受・発光素子。
  15. 面発光型LEDあるいは面発光型レーザである請求項12、13または14に記載の面型受・発光素子。
  16. 少なくともAlを含む半導体材料を用いたレンズの製造方法において、基板に垂直な方向に、該基板に平行な面内では均一な組成であり該基板に垂直な方向にはAl濃度を変化させて半導体を形成し、該半導体から柱状の半導体領域を形成し、該柱状の半導体領域の一部を該柱状の側壁面から酸化して酸化領域を該半導体領域に形成することで該半導体領域中に酸化されていない半導体領域を立体形状で形成することを特徴とするレンズの製造方法。
  17. 前記半導体材料の組成を、AlxGa1-xAs 、AlxIn1-xAs、AlxGa1-xP、AlxIn1-xP、(AlxGa1-x)yIn1-yP、及び(AlxGa1-x)yIn1-yAs(0≦x≦1、0≦y≦1)の少なくとも1種類から構成する請求項16記載のレンズの製造方法。
  18. マイクロレンズを製造する請求項16または17に記載のレンズの製造方法。
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