JP4512674B2 - 冬期において緑葉を保つコウシュンシバ及びそれから作出されたスズメガヤ亜科植物 - Google Patents

冬期において緑葉を保つコウシュンシバ及びそれから作出されたスズメガヤ亜科植物 Download PDF

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Description

産業上の利用分野
本発明は、従来の交配、細胞融合、遺伝子導入等に依らず、単一のコウシュンシバ(学名:Zoysia matrella:一般名:コウライシバ)系統(親株)に、遺伝的変異を加えることにより、新たに作出された、従来のコウシュンシバの特徴を維持しつつ全く新しい形質を加えた新規なコウシュンシバ品種に属する植物に関する。即ち冬期、従来のコウシュンシバが緑色を失う期間においても同条件下で緑色を保つ新規なコウシュンシバに関する。また本発明は、冬期に緑色を保つと共に、通常の栽培条件においてアントシアニンを実質的に生じないコウシュンシバ、ほふく茎密度が高いコウシュンシバ、高温、低日照下でもほふく茎を伸長させるコウシュンシバ、矮性であるコウシュンシバ、並びに本発明のコウシュンシバが有する新たに発明された、従来のコウシュンシバ系統にない遺伝形質を利用して開発されたスズメガヤ亜科植物に関する。
発明の背景
本発明でいうコウシュンシバとは、栄養生長によるほふく性を有するZoysia matrellaであって、葉幅が1.0〜3.5mmで、Zoysia japonicaZoysia tenuifoliaCynodon dactylon等の他種との人工的交配による種間雑種系統を含まない(福岡壽夫著、浅野義人、青木孝一編「芝草と品種」ソフトサイエンス社 平成10年6月15日発行、第122〜123頁参照)。
コウシュンシバ(学名:Zoysia matrella、一般名:コウライシバ)は、美観、土壌被覆力、管理の容易さ、擦り切れ耐性、水ストレス耐性、生長力、ほふく性など多くの特徴を有し、広範な用途で、グラウンドカバーとして多用されている。
しかしながら、コウシュンシバは冬期の葉枯れ、強い頂芽優先生長、アントシアニンによる美観の阻害、日照不足時や山間・木陰での生長の鈍化などいわゆる耐陰性が弱く、また強い生長性に基づく夏期刈り込み頻度の増大等の欠点を有しており、この為市場ニーズを満足できないばかりか、用途上の限定もある。
即ち、美観を重視する用途、たとえば、スポーツターフ、公園・工場緑地・施設外構などの広場、屋上断熱緑化、庭園などにおいては、冬期の葉枯れは著しくコウシュンシバの価値を損ね、「一年中緑のコウシュンシバ」は多くの用途で永く夢とされ、極めて強い市場ニーズが存在している。
コウシュンシバやバーミューダグラス(Cynodon dactylon)の冬期の葉枯れをカバーするために、多くのスポーツターフ等ではオーバーシード法(冬期の緑葉を保つため、初秋にコウライ芝地やバーミューダグラス芝地の上に寒地型芝である洋芝を重ね播きし、春に洋芝を枯死せしめてコウシュンシバやバーミューダグラスを再萌芽させる方法)、枯れ葉着色法(コウシュンシバの枯れ葉を緑色の顔・染料で着色する方法)が実施されているほどである。しかし、これらの方法は、毎年の経費投資を要し、著しいコスト高を招き、ゴルフ場等スポーツターフでは適用されることもあるが、その他の多くの分野では、実際的には実施困難であり、又オーバーシード法ではコウシュンシバそのものが年々弱ってしまうという欠点がある。
また、省エネルギー、炭酸ガスの固定などに有効とされている屋上断熱緑化の分野でも、コウシュンシバの冬期の葉枯れは致命的な欠点とされている。
さらに、コウシュンシバやバーミューダグラスの冬期の葉枯れは、踏圧等による、いわゆる擦り切れによる裸地化を起こしやすく、また、従来のコウシュンシバでは冬雑草及び春季萌芽雑草が発生しやすく、これらによる芝地荒廃も進みやすく、欠点の一つとされている。
また上記のようなオーバーシード法や枯れ葉着色法のような物理的方法のほかに、スズメガヤ亜科芝の冬期の葉枯れ期間の短縮は次のようにして行われてきた。
(イ)鉄剤の散布:鉄の吸収により葉緑素の合成が促進され植物体の緑度が増加する。
(ロ)窒素肥料の散布:この方法は初冬の緑色維持には有効であるが、逆に春の萌芽を遅延させることになり、冬期の葉枯れ期間はさほど短縮できず、好ましい方法ではない。
(ハ)5−アミノレブリン酸(ALA)の散布:葉緑素を増加させる効果が報告されている(「5−アミノレブリン酸の微生物生産と芝草への応用」堀田康司、田中徹、渡辺圭太郎、竹内安智、近内誠登「芝草研究」大会誌 第27号 1998年第138〜139頁)。
(ニ)育種学的方法:Zoysia matrellaZoysia japonica等を交配するなどして冬期の葉枯れの問題の解決が試みられている。更に世界各地の系統収集・選抜により、冬期の葉枯れの少ない系統を選抜するなど、遺伝的形質のより好ましい品種系統を得ようとの試みも為されている。(例えば福岡壽夫著、浅野義人、青木孝一編「芝草と品種」第3章3−2、第126〜130頁ソフトサイエンス社)。しかしながら前者Zoysia matrellaと他の種との交配の場合、コウシュンシバの特徴を保持しにくく、得られた品種はZoysia matrellaに比して、例えば葉幅が広く、美観上劣り、冬期の葉枯れも十分には解決されていない。一方後者の系統収集による方法においても、未だ冬期に十分な緑色を保つコウシュンシバは見出されていない。
発明の開示
本発明は旬平均気温6℃、その旬の最低気温−1℃以下で、最低気温−15℃以上において、緑葉を保ち、通年にわたってアントシアニンを実質的に含有しないことを特徴とするコウシュンシバに関する。
更に、本発明は土表面に密着して障害物のない生長条件で、伸びているほふく茎の主枝先端の未成熟な節間を除いた節間長が、在来鳥取コウライ(鳥取県芝生産組合:日本国鳥取県東伯郡東伯町大字徳万558−1の生産販売するコウシュンシバの代表的系統)を1.0としたとき、0.9〜0.6であることを特徴とする前記のコウシュンシバに関する。
更に、本発明は、土表面に密着して障害物のない生長条件で、伸びているほふく茎において、本発明品の少なくとも主枝先端より20節以上に相当する主枝長を基準として主枝から生じる側枝合計長を測定し、主枝長と側枝合計長の比が、在来鳥取コウライ芝に比し1.2倍以上であることを特徴とする前記それぞれのコウシュンシバに関する。
また、本発明は、28±3℃、旬間積算日照時間50時間以下においても、ほふく茎を伸長することを特徴とする前記それぞれのコウジュンシバに関する。
更に、本発明は、交配、変異、細胞融合または遺伝子導入により上記いずれかのコウシュンシバを親株として作出される、上記いずれかに記載の特徴を継承するスズメガヤ亜科植物にも関する。
本発明の新規なコウシュンシバは、親株(在来鳥取コウライ)やノシバ(Zoysia japonica)等に比して、著しく側枝伸長性が高く、このため、ほふく茎密度が高まり、重層網目状マットが早期に形成されやすく、実用上のメリットが著しく増大する。
前記重層網目状マットの形成は、
▲1▼コウシュンシバは実用上種子繁殖が難しい(栄養繁殖)ため、生産圃場において、毎年上層を1〜2cmはぎ取って収穫し、マットの残った部分から再増殖して翌年再び収穫できる方法をとっており、生産性の向上に関係する、
▲2▼擦り切れにくい、
▲3▼上層部が削り取られても(例えば、ゴルフ場デボット)再生が早い、
▲4▼スポーツターフにおいては、緩衝性が高まる、
▲5▼耐乾燥性向上(保水力、吸水力、貯蔵水分)、
▲6▼法面、河川敷等に必須の被覆力が大幅に向上し、従って、表土層の保護に寄与、
▲7▼緻密で美しい芝面が得られる、
▲8▼緻密なターフの形成により雑草を抑制できる、
などのメリットを有するものである。
また従来のコウシュンシバは茎部においては、年間を通じ、アントシアニンを生成、発色し、日平均気温が概ね10℃以下では、わずかに残った生葉においてもアントシアニンが生成、発色し、赤紫色、濃緑紫色ないし黒紫色を呈し、美しい緑の景観を著しく損なうものであった。しかしながら本発明はコウシュンシバで初めて、アントシアニンを実質的に含まない品種であり、以上の課題を解決している。
ゴルフ場のフェアウエーなど高品質の芝面を確保するためには、高温生長期には、週2−3回程度の刈り込みを必要とし、刈り込み回数を少なくするために生長抑制剤をわざわざ散布するところもあるほどである。この場合管理コストの著しい上昇をも招いている。本発明のコウシュンシバはこれらについても改善が見られるものである。
さらに従来のコウシュンシバは山間、樹林陰、構造物などによって直達日射時間が短縮されるような状況においては、生長に十分な温度であっても、ほふく茎の伸長が抑制され、芝面が荒れるという問題があった。
本発明のコウシュンシバは高温、低日照時においても著しい改善が見られ、実施例3の「冬期温室におけるTK−XG1の生長」で顕著に示されるように、日照時間が短くても、生長に必要な温度条件が確保されれば、ほふく茎の伸長は顕著に見られ、従来のコウシュンシバの問題を解決することができた。
本発明は、冬期に緑葉を保つと共に、アントシアニンを通年にわたり実質的に含有しない新規なコウシュンシバ、矮性であるコウシュンシバ、ほふく茎密度が高いコウシュンシバ、高温、低日照下でもほふく茎を伸長させるコウシュンシバ及び本発明により新たに開発されたコウシュンシバを用い、その遺伝形質を導入したスズメガヤ亜科植物を提供することを目的とする。
本発明において「冬期」とは、本発明の出発材料である在来のコウシュンシバが、一般実用的な露地栽培利用条件において、緑葉を減じて被覆域総体として褐変ないし枯草色化して見える低温期間を指し、例えば海水化学工業株式会社の研究圃場においては、1月上旬には在来鳥取コウライは葉枯れを生じ被覆域全体として枯草色化した。
実験を行った1999年1月上旬の旬平均気温は6.6℃、最低気温−0.8℃であった。同研究圃場における1998年12月中旬〜1999年3月上旬の気象状況を表1に示す。
Figure 0004512674
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年により気温の変動パターンが異なることを考慮すると、旬平均気温が6℃前後、旬最低気温が−1℃以下となる条件を冬期と規定した。また、圃場実験では、下限温度の評価ができなかったため、実施例3、図12で示す如くハードニング試験を実施し、下限温度は−15℃であることがわかった。
また、「緑葉を保つ」とは、在来のコウシュンシバのごとく、冬期において褐色ないし枯草色化したり、わずかに残る生葉においても赤紫色、濃紫緑色ないし黒紫色化したりすることなく、緑色ないし黄緑色を保ち、これを被覆域総体として見ても明瞭に、緑地と認めうる状況を保つことを意味する。
本発明において「通年にわたり」とは、在来のコウシュンシバが、茎、葉及び穂で季節に応じてそれぞれにアントシアニンを含有・発色し、赤紫色、濃緑紫色ないし黒紫色となる時期及び地方においても、本発明の品種は、年間を通じ、茎、葉及び穂が緑色ないし黄緑色を維持することを意味し、「実質的に含有しない」とは、地上部において目視によって赤紫色、濃緑紫色ないし黒紫色の発色が認められないのみならず、後述の実施例に示すように、在来のコウシュンシバがアントシアニンを含有発色する季節及び各部位での分析の結果によっても皆無(検出できない)ないし痕跡程度にしか、アントシアニンが含有されていないことを意味する。
本発明において「主枝先端の未成熟な節間」とは、茎頂を含む主枝先端部において節間が生長途上にある部分をいう。
本発明において「親株」とは交配、変異、細胞融合または遺伝子導入の際に、出発材料として用いる株を意味する。
実施例5に示すように、本発明のコウシュンシバTK−XG1は、高温、低日照下においても、ほふく茎生長が続く。これは、例えば気温28±3℃、旬間積算日照時間50時間以下においても、ほふく茎を伸展することを意味する。一般に、コウシュンシバにおいては、気節、天候及び障害物等により日照時間が短くなるとほふく茎の生長が抑制または停止し、このため芝面の荒廃、退化が生じる。或いは、直達日射が障害物によって遮られ、生長には十分な温度があるにも関わらず、ほふく茎が十分には伸長しないため、年々、芝面が退化し、消失していく。本発明品によればこれらの問題を改善することができる。
前述のように芝植物において、冬期の緑色度を高める目的で、耕種的方法が行われ、休眠期間の短縮を目的に交配が試みられてきた。しかしながらこれらの方法によって得られた結果は市場のニーズを満足させるものとはなっていない。
従来のコウシュンシバは、栽培地域や品種系統によってその程度はまちまちであるが、いずれにせよ冬期の葉枯れを起こして褐変し、わずかに生きている部分も葉緑素が減少し、かつアントシアニンを大量に蓄積するので黒紫色になってしまう。よって冬期の緑度を向上させるためには、生葉の増加や、葉緑素の分解を抑制し、かつアントシアニンの生成を抑制することが必要であると同時に、霜により生葉が凍結しやすかったり、著しいクロロシス(クロロフィルの分解)を起こしたりしないことが必要で、また、低温での生長停滞期において耐擦り切れ性が高いことが望ましいが、従来の手法によって得られたコウシュンシバでは本発明が目的とする特性はまだ得られていない。本発明では従来のコウシュンシバに冬期に緑葉を保つような遺伝的変異を加え、更にアントシアニン蓄積をしないようにするような遺伝的変異を加えた他、請求項2ないし4に示す親株にない全く新しい遺伝形質を発現する遺伝的変異を持つ系統を作出することに成功した。
本発明のコウシュンシバは以上のように明確な変異を母材に加えたものであり、細胞変異、紫外線照射、X線照射等の変異方法の組合せ及び、苗条原基様体の形成及び利用、変異処理細胞の選抜方法を含む一連の独自技術体系は目的に応じて方向性をもった変異株を作出しようとするプロセスであって、葉幅か細く、霜による凍結葉枯れがない等のコウシュンシバの特徴を残しつつ、▲1▼コウシュンシバとして低温常緑性、▲2▼実質的にアントシアニンを含有しない、▲3▼節間長が短いこと、▲4▼側枝生長性が高いこと、▲5▼高温、低日照下でほふく茎生長が続くこと、という全く新しい遺伝形質を創出したものであり、自然交雑、人工交配、細胞融合、遺伝子導入、野生系統の選抜等の従来の手法に依らずに作出されたものである。また、これらの遺伝形質は固定されており、他の品種系統から移転・導入した遺伝形質ではなく全く新しいコウシュンシバの遺伝形質である。従って本発明品種を用いて再度変異を加えたり、他の遺伝子を導入したり、或いは交配等の従来の各種手法によりこの品種を用いてこの品種の持つ新しい遺伝形質を導入した、本発明の特徴を有するスズメガヤ亜科植物は、この発明の範囲に含まれるものである。
発明の詳細な説明
上記のように従来の技術、即ち従来のコウシュンシバ品種・系統の有する各種の課題を解決するために本発明においては従来のコウシュンシバに意図的に変異を加え、固定された新しい遺伝形質を有せしめることに成功した。その作出方法等について以下に述べる。
作出方法
コウシュンシバの完熟種子の胚組織、未熟種子の胚組織、頂芽の生長点、腋芽の生長点、茎頂組織のいずれかをアルコールや塩素系の殺菌剤により殺菌した後に、細胞組織を採取し、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸やインドール酢酸などの植物生長調節物質を添加したムラシゲ・スクーグ培地などに植床し、無菌状態で暗条件もしくは明条件により、前記培地を静置あるいは振動を与えて培養することで苗条原基様体を得(特開平6−106427号公報参照)、この苗条原基様体に、紫外線、軟X線、ガンマ線などの高エネルギー線を照射または突然変異物質による浸漬処理により、遺伝子の変異を誘発させ、さらに、これを前記ムラシゲ・スクーグ培地などに植床して培養を継続し、次にこれを低温感受性の差により選抜し、さらに植物生長調節物質を含まないムラシゲ・スクーグ培地などに植床すると、植物体に再生し苗へと育てることができる。この苗を育成する。馴化は極めてスムーズに進行する。
前記苗条原基様体は、表層構造を有したドームを形成し、表層構造を形成しないカルスとは異なるものである。また、この苗条原基様体は、苗条原基様体を得た条件で培養を続けることによって集塊を形成し、更に、これを植物生長調節物質を含まない前記固体培地に植床して培養を続けることにより、植物体へと再生できるものである。
また、突然変異誘発物質による浸漬処理とは、液体培地や緩衝液等に突然変異誘発物質を添加溶解して、前記苗条原基様体を浸漬させて突然変異を誘発するものである。その変異を誘発する突然変異誘発物質には、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン、エチルメタンサルホネート(EMS)、エチレンイミン(EI)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、N−ニトロソ−N’−メチル−ウレア(MNH)、ジエチル硫酸、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシプロピオニックアルデヒド、8−アザグアニン、5−ブロモウラシル、アクリジンオレンジ、ICR−10、アクリフラビン等が用いられる。
実施例1
苗条原基様体の作成
コウシュンシバの代表系統である、前記鳥取県芝生産組合が生産販売する、在来鳥取コウライの茎頂組織が含まれるほふく茎の頂芽を採取し、70%(V/V)のエタノール水溶液で手早くすすぎ、続いて1%(V/V)次亜塩素酸ソーダ水溶液中で15分間ゆっくり振盪しつつ殺菌し、滅菌水で充分水洗した後、無菌室で無菌操作により、この茎頂組織を無菌状態の容器中の固体培地に植え付けた。その固体培地としては、ムラシゲ・スクーグ培地1000mlに蔗糖30gと寒天7gとを加えた基本培地に、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸を2mg添加し、pHを5.8に調整したものを用いた。続いて25℃、暗条件下で培養した。培養開始後、約2週間で誘導体としての苗条原基様体を含むカルス塊を得た。苗条原基様体部分を切り出し、同様の方法で継代培養し、純粋な苗条原基様体の集塊を得た。
照射による変異処理
直径90mmのプラスチックシャーレに、蔗糖3%、寒天0.8%の植物生長調節物質を含まないムラシゲ・スクーグ培地20mlを用いて平板を作った。直径2−3mmの前記苗条原基様細胞集塊を平板当たり約200個置床し、石英円盤にて蓋をしてテープで封をした。これらの操作は、無菌室での無菌操作により行った。X線照射装置としてはオーミック株式会社製照射用軟X線発生装置Model OM−100Rを用いた。紫外線源としては、波長254nm、紫外線強度1780μw/cmのアトー株式会社製HP−30Cを用いた。X線照射強度は60KVp、4mA,被照射体までの距離500mm、Alフィルター0.5mmを使用し、25時間の照射を行った。装置の一部を改良し、X線照射箱内に紫外線源を設置し、被照射体より45cmの距離から、同時に紫外線の照射を行った。一度に6枚の平板を照射処理し、これを1995年10月2日から10月20日にかけて、10回繰り返した。
苗 化
照射処理の終了した平板は28℃の暗条件下に2日間静置した。続いて、低温培養による選抜を行った。苗条原基様体を、内径80mm高さ120mmのガラスビン内に作った蔗糖3%、寒天0.8%の植物生長調節物質を含まないムラシゲ・スクーグ平板上に移し、明期10,000ルクス15℃16時間、暗期10℃8時間の周期で3ヶ月間培養した。
以上の低温培養によって緑化した苗条原基様体とアントシアニンを蓄積した赤紫色の苗条原基様体が得られた。緑化した苗条原基様体を選別し、内径80mm,高さ120mmの広口ビン内に作った同じ組成の寒天培地上に移し、28℃、4,500〜5,000ルクスで培養することにより、苗条を生じさせ発根させて苗に育てた。
照射処理した12,800個の苗条原基様細胞集塊のうち緑化したものが6,017個であり、これから約300株の植物体が1996年3月末までに再生した。
目的とする個体の選抜
以上の操作で得られた苗は、培土組成が真砂土:バーミキュライト:ピートモス(ラメックス社製)2:1:1を含む3号鉢に植え付け、屋外で生長させた。この用土は肥料を含んでいないが、追肥として、100g当たり窒素5g・リン酸10g・カリ5gを含む液肥(家庭園芸専用肥料:ハイポネックス5−10−10 (株)ハイポネックス ジャパン社)を1000倍に希釈して、鉢当たり50mlを1週間ごとに与えた。また、100g当たり窒素6g・リン酸38g・カリ6g・マグネシウム18gを含むく溶性緩効性肥料(グリーンマップII、M:日本合同肥料株式会社製)を1996年9月12日に鉢当たり1gを与えた。灌水は定着までの6ヶ月間、雨天を除き毎日行った。馴化は特別の処置無しに非常に順調に進んだ。除草剤、殺菌剤、殺虫剤の散布は行わなかった。露地栽培は日本国山口県防府市大字浜方535番地の海水化学工業株式会社研究用圃場内で行い、冬期の緑葉維持性、生育性、春期の緑化の早晩を調査した。
茎の色の調査は1996年5月16日、8月10日、12月2日に目視によって赤紫色色素形成の有無を観察することによって行った。5月16日にはまだほふく茎は形成されておらず直立茎の色を記録した。その後の2回の調査ではほふく茎の色を記録した。
Figure 0004512674
第1回の調査で直立茎の色が緑色であるものが6株あったが、これ以後の調査では1株だけが直立茎・ほふく茎ともに赤紫色色素を生じなかった。
冬期の葉の緑色の程度を1996年12月2日から目視で観察し、5段階の基準で評価した。
Figure 0004512674
葉全体が緑色であるもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
葉身全体が緑色で、赤紫色、黄色化していない生葉と、
葉身全体が緑色を失い、枯葉となったものが混じっている・・・・・4
葉先の1−2mmが赤紫色化、黄色化したものが混じっている・・・3
葉身の基部だけに緑色が残っているもの・・・・・・・・・・・・・2
株全体に緑色が認められないもの・・・・・・・・・・・・・・・・1
以上の屋外における冬期の選抜で2月14日においても茎葉に赤紫色色素を生じず、緑葉の程度が段階4である株を、この時点での系統番号42−289とした。
形質の評価
このようにして得られた42−289株は系統名をTK−XG1と変更して、1996年10月22日に3基のプランターに移し、温室内で育成し、翌1997年6月30日まで増殖及び観察を行った。1997年9月からは、対照7品種と共に圃場に移植し、それぞれ一辺2.0mの区画の密植区1ヶ所と個体植区2ヶ所での特性評価を行った。圃場の土壌成分は真砂土と砂を7:3の比で混合したものに、硬質発泡珪藻土焼成粒(イソライト:イソライト工業株式会社製)100kg/m、く溶性緩効性肥料1.5kg/m、特殊発酵肥料(マザーソイル:湖東工業株式会社製)10kg/mを混合した。密植区には1苗が5節よりなるほふく茎を15cm間隔で81本植え付けた。個体植区には1苗が5節より成るほふく茎を中央に1本ずつ植えた。施肥量は窒素・リン酸・カリがそれぞれ年間20g/mになるように、2月から11月までの10ヶ月間に毎月一回均等に散布した。
密植区において、1999年2月までに調査した形質を表4に示す。低温期の緑葉維持に関しては、TK−XG1が1996年5月から1999年11月迄の期間中、緑葉を維持したのに対して、在来鳥取コウライは11月中旬よりアントシアニンの発色による紅葉化が見られ、12月下旬には殆どの葉が枯死し、わずかに残った生葉も、濃緑紫色ないし、黒紫色となり、外見上の緑色を失った。また比較に用いたメイヤー、エメラルド、在来ノシバ(Zoysia japonica)のいずれも12月中旬よりアントシアニンによる紫色を発色し、12月末にはほとんどの葉が枯死状態となった。この発明の当初目標の一つであるアントシアニンを生じないという特徴は目視による観察で明らかであり、又以下に述べるように分析によっても証明されている。又その他の特徴についても安定した形質であることを確認した。
Figure 0004512674
Figure 0004512674
在来鳥取コウライが赤紫色の穂を有するのに比し、TK−XG1は赤紫色を含まない黄緑色の穂を形成する。
調査期間中の海水化学工業の研究圃場の気温を表5に示す。
Figure 0004512674
アントシアニンについて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による確認
在来鳥取コウライとTK−XG1の葉身とほふく茎を別々に採取し、ほふく茎はさらに節の部分を切り落とし節間だけとし、アントシアニン分析用の試料として用いた。精秤の後海砂を加えて磨砕し、抽出溶媒として0.1%塩酸メタノール30mlを加えて一昼夜放置した。抽出液をNo.2濾紙で濾過し、更に抽出溶媒を加えて50mlとした。HPLC(High Performance Liquid Chromatography:高速液体クロマトグラフィー)による測定の場合は、メンブレンフィルター(0.45μm)により濾過したものを用いた。溶出溶媒として、4%燐酸水溶液(A液)とアセトニトリル(B液)を用いた。カラム平衡化はA液90%、B液10%で行い、10μlのサンプルを加えると同時に、B液の割合を直線的に増加させ、40分後にA液70%B液30%となるようにした。送液量は1ml/分、カラム温度40℃、カラムはNAKARAI、COSMOSil、ODS−C18を用いた。検出は530nmの吸光度を測定することで行った。
色素骨格の分子種を調べる目的で、抽出液に塩酸を加えて酸性とし、100℃で60分加熱し、加水分解により糖鎖を取り除き、HPLCによる分析を行った。溶出溶媒はA液83%B液17%の一定濃度とした。
1997年11月10日に在来鳥取コウライのほふく茎の抽出物をHPLCで分析したところ16.930分と20.750分に主要な2つのピークがあった(図1−971110)。
アントシアニン分子のアグリコンを同定するためにサンプルを加水分解して、HPLC分析を行うと、6.950分の位置に一本の主ピークが現れ、13.217分に小さなピークが出た(図2)。
標準物質の保持時間から、主ピークはシアニジン、小さなピークはペオニジンと考えられ、図1−971110の主要な2つのピークはどちらもシアニジンを骨格としそれぞれ異なった糖鎖を持つアントシアニンであることが分かった。
1997年11月から1998年2月まで、防府市大字浜方535番地の圃場に植え付けられている在来鳥取コウライを毎月サンプリングして分析を行った(図1)。
その結果先に述べたように11月のサンプルでは16.930分と20.750分にピークがみられるが、この16.930分のピークは次第に減少し、12月末には小さなピークになる。代わりに1月末の測定では28.052分が主ピークの一つとなり、この状態は2月末にも維持されている。11月の20.750分のもう一つの主ピークは、高さは別として測定期間を通じて維持されている。在来鳥取コウライのほふく茎は一年を通じて赤色をしているが、その分子組成は一定ではなく季節の移り変わりとともに変化していることがわかった。
在来鳥取コウライの葉は夏期は緑色をしており、11月末の分析でもほとんどアントシアニンを検出しない(図3)。しかしながら紅葉した葉においては、2月のほふく茎で見られる20.795分と28.027分のアントシアニンを主成分とする、ほふく茎のアントシアニン組成と良く似た組成を示すようになる。
在来鳥取コウライ(Zoysia matrella)のほふく茎に生じるアントシアニン組成は気温又は日照の変化にともなって変化し、初冬に最も強く色素を蓄積するが、やがて寒期に葉とほふく茎に生じるアントシアニン組成へと変化する。この冬期のアントシアニン組成は、暖かくなるに従って葉のアントシアニンが消滅し、ほふく茎では暖かい時期のアントシアニン組成へと変わる。在来鳥取コウライのアントシアニン組成は、この様な一年を通じたサイクルを持っている。
本発明に関わるTK−XG1の葉は1997年11月から1998年2月までの測定ではいかなるアントシアニンも生じない(図4)。ほふく茎においては11月25日に16.908と20.792の2つのピークが痕跡程度に検出され、1月22日に17.225、20.725、28.075、2月26日には20.725、27.840が痕跡程度に検出されたにすぎなかった(図5)。
以上から在来鳥取コウライは冬期には葉に赤色の色素であるアントシアニンを蓄積するが、新品種TK−XG1は冬期においても葉にアントシアニンを蓄積することはない。また、ほふく茎に生じるアントシアニンは痕跡程度であり、実質的にアントシアニンを含まないとみなせる。外観的にもTK−XG1はいずれの部位、時期にもアントシアニンによる発色を認められなかった。
アントシアニン分子構造の決定
以上のようにTK−XG1にはコウシュンシバに特徴的に現れるアントシアニン分子のうち17分と20分の分子を痕跡程度にもつのみで、相対的に実質的にアントシアニンを含有しない系となっていることが大きな特徴である。これらアントシアニンの分子構造を明確にする目的で、在来鳥取コウライを用いて、コウシュンシバのアントシアニンの構造の決定をおこなった。
分子構造の決定はコクロマトグラフィー(Co−chromatography)の方法で行い、その結果、コウシュンシバの主要なアントシアニンは10分:Cyanidin3−glucoside(Cy3G),17分:Cyanidin3−malonylglucoside(Cy3MG),20分:Cyanidin3−dimalonylglucoside(Cy3DMG),28分:Cyanidin3−polymalonylglucoside(Cy3PMG)であることが分かった。
冬期の葉緑素濃度
TK−XG1と母材とした在来鳥取コウライの葉緑素濃度の1997年9月〜1998年3月までの変化を測定した(表6参照)。
Figure 0004512674
葉緑素は、葉身から80%アセトンにより抽出し、645nmと663nmの吸光度を測定し、アーノンの式を用いて算出した(Arnon,1949,Plant Physiology,24,1−15)。在来鳥取コウライは冬期には冬枯れしていて、生きている葉は1%以下であった。試料として、枯死した葉を除いて生葉だけを選別して用いたので、在来鳥取コウライに関しては目視による、全面に冬枯れした状態としか見えない感覚的な値よりも高い値が出ているが、それでもTK−XG1よりも冬期の葉緑素量は有意に少ない。
RAPD法によるTK−XG1のDNA解析
TK−XG1の品種間差を明確にする目的で、RAPD(Randam Amplified Polymorphic DNA)法による解析を行った(図6−10参照)。TK−XG1及び、対照として用いた、在来鳥取コウライ、ウインターフィールド(日本登録品種、Zoysia matrella)、ウインターカーペット(日本登録品種、Zoysia matrella)、ビクトール(プレシャスグリーンともいう。米国植物特許、Zoysia japonica)、みやこ(日本登録品種、Zoysia japonica×Zoysia matrellaまたはZoysia japonica)、メイヤー(米国品種登録品種、Zoysia japonica)、エメラルド(米国品種登録品種、Zoysia japonica×Zoysia tenuifolia)、及びエルトロ(米国植物特許、Zoysia japonica)の9品種は海水化学工業株式会社研究用圃場で同じ条件で栽培されているもので、同じ日に同量の葉を採取し、CTAB(Cetyltrime thyl ammonium bromide)法によってDNAを抽出した。これを鋳型とし、下に配列を示すプライマーを用いてPCR(Polymerase Chain Reaction)反応を行った。反応条件は増幅前の熱変性94℃2分、増幅サイクルの熱変性94度30秒、アニーリング34℃30秒、伸長68℃2分。以上を1サイクルとして、45サイクルの反応を行わせ、最終伸長68℃5分とした。電気泳動には2%のアガロースゲルを用いた。データとして示した各写真のプライマーは次に塩基配列を示す4種類である。
プライマーA: TTCCGTAATCAC・・・・・・・(図6)
プライマーB: AGAGGTGTAAAT・・・・・・・(図7)
プライマーC: TTGCATAATCGT・・・・・・・(図8)
プライマーD: CCTTGGAACTCG・・・・・・・(図9)
TK−XG1及び在来鳥取コウライとその他の対照品種は、例えば、A、B、Cのプライマーを用いたPCR増幅産物の電気泳動像を比較することによって区別することが可能である(図6、7、8を参照)。また在来鳥取コウライはDプライマーによる増幅で1,330bpのバンドを生じるが、TK−XG1にはこれがないことから、この両品種を区別することが可能である(図9を参照)。
図6〜9のPCR増幅に用いたプライマーの塩基配列は本文に示した。図6、7、8の各レーンはレーン1)及び11)は250bp間隔の分子量マーカーで、図中矢印のバンドが1000bpである。以下、レーン2)TK−XG1、3)在来鳥取コウライ、4)ウィンターカーペット、5)ウィンターフィールド、6)ビクトール、7)みやこ、8)マイヤー、9)エメラルド、10)エルトロである。図9のレーン1)及び4)は分子量マーカー、レーン2)がTK−XG1、レーン3)が在来鳥取コウライである。
AFLP法によるTK−XG1のDNA解析
TK−XG1の品種間差を明確にする目的で、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)法による解析を行った。海水化学工業株式会社研究用圃場で栽培されているTK−XG1の葉を採取し、CTAB(Cetyltrimethylammonium bromide)法によりDNAを抽出した。このDNAを2種類の制限酵素Eco RI(6塩基を認識する酵素)とMse I(4塩基を認識する酵素)で切断した後、2本鎖アダプターをDNA断片の両端に結合させ、はじめにPreselective PCR(Polymerase Chain Reaction:Preselective Amplification)を行い、プレセレクティブプライマーを用いて制限酵素サイトの下流にさらに1塩基を付け、制限酵素断片の中で合致する塩基を持つ塩基だけを選択的に増幅させた。反応条件は増幅前の熱変性72℃2分を1サイクル、増幅サイクルの熱変性94℃20秒、アニーリング56℃30秒、伸長72℃2分を20サイクル行った。PCR反応産物の確認のための電気泳動には1.2%のアガロースゲルを用いた。次に蛍光色素標識されたセレクティブプライマーを用いてSecond PCR(Selective Amplification)反応を行った。反応条件は表7に示したSecond PCR反応産物とloading dye及びROX500Size Standardを混合し、泳動用サンプルとした。DNAシークエンサー(ABI PRISM377 DNA Sequencer)を用い、6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分画した後(図10)、解析ソフトウェア(ABI PRISM Gene Scan Analysis)を用い、検出されたシグナルをエレクトロフェログラム上で解析した(図11a〜図11i)。なお、実験は3反復行った。
Figure 0004512674
多芽体による大量培養による固定性の確認
TK−XG1の生長点をNAA0.02mg/lとBA0.2mg/lを含むムラシゲ・スクーグ培地で培養すると多芽体が得られる(特開平7−313008)。多芽体は芽の集合体であるが、この1体の多芽体を同じ条件で大型の容器で培養すると、2ヶ月間で約100体の多芽体に増殖する。この多芽体を発根させて苗化することにより、約1万本の苗を得ることができる。これを圃場に移して、生育させた結果、TK−XG1の形質に変化を生じたものは出現しなかった。つまり1頂芽を1万個体に増殖させても形質は安定しており、また1997年9月以来の圃場増殖においても形質は安定しており、少なくとも、栄養繁殖を行う限り、以上に述べる有用な形質は保存される。
以上のように、本発明者は「冬期において緑葉を保つコウシュン芝」の作出を計画し、それを実現する方法として、カルス生成を通じ再生可能で分化段階の高い苗条原基様体培養細胞を作出し、それに例えば紫外線、軟X線を照射することで必要な変異を導入し、かつ、特殊な細胞選抜法を考案して緑化細胞を選抜するという方法を採用し実行した結果、当初目的とした芝の新品種を得た。
実施例2
中国地区寒冷地におけるTK−XG1の緑葉維持観察
1998年11月下旬〜1999年3月上旬迄の期間中、広島県立大学試験圃場(日本国広島県庄原市七塚原562番地)においてTK−XG1及び在来鳥取コウライの評価試験を実施した。この期間中、TK−XG1は明瞭に緑色を保持したが、在来鳥取コウライは12月中旬には、紅葉及び葉枯れを生じ、緑色を保持できなかった(表8)。
Figure 0004512674
全体的に緑の生葉・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
緑色が低下し、葉の一部分が葉枯れ状態となっている・・4
部分的に紅葉化ないし赤紫色・・・・・・・・・・・・・3
全体的に紅葉化ないし赤紫色・・・・・・・・・・・・・2
枯葉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
この期間における同試験圃場の気象状況を表9に示す。
Figure 0004512674
Figure 0004512674
Figure 0004512674
Figure 0004512674
実施例3
ハードニング試験
人工気象器(日本医化器械製作所製 LH−200RDZ)内において、4±2℃、光量50,000ルクス、ワグネルポットに定着させたTK−XG1及び在来鳥取コウライを1ヶ月間育成した後、フリーザー(SANYO製 MDF−293AT)内で低温耐性試験を行った。生葉約50mgを採取し、重量を測定し、アルミ箔で包み、−15℃、−10℃に設定したフリーザーにそれぞれ0、1.5、3、6、9時間冷凍させた後、取り出し蒸留水20mlに浸漬し冷蔵庫(5℃)に24時間放置し、導電率計(YOKOGAWA製 Model SC82パーソナルSCメーター)を用いて、電気伝導度(EC:Electric Conductivity)を測定し、低温処理開始前の在来鳥取コウライ、TK−XG1それぞれのECを1.0として、それぞれの経時変化率を見ることにより凍結による細胞の破壊程度を評価した。−10℃低温処理時にはTK−XG1と在来鳥取コウライは共に、細胞の破壊はほとんど起こらないが、−15℃低温処理時にはどちらも細胞破壊によるECの上昇が観測された(図12)。しかし、在来鳥取コウライに比べ、TK−XG1は低温処理時間3時間までのECの傾きが緩やかで、凍結による細胞破壊が起こりにくいことが示唆された。
実施例4
TK−XG1の生長試験
真砂土と砂を7:3の比で混合したものに、硬質発泡珪藻土焼成粒100kg/m、く溶性緩効性肥料1.5kg/m、特殊発酵肥料10kg/mの混合物からなる土壌(山口県防府市大字浜方535番地 海水化学工業株式会社内 研究圃場)を用い、一辺2.0mの区画中央に、5節を含むほふく茎を1997年9月17〜18日に植えこみ、毎月1回の頻度で、窒素:リン酸:カリウム=10:10:10質量%の化成肥料(スターマイン:日東エフシー株式会社製)12.5g/mを与え、生育せしめた。1998年10月19日時点での全体写真を図13a(TK−XG1)、図13b(在来鳥取コウライ)に示す。その代表的な部分の拡大写真を図14a(TK−XG1)、図15b(在来鳥取コウライ)に示し、これらからほふく茎の伸展状況を線図にしたものを図15a(TK−XG1)、図15b(在来鳥取コウライ)に示す。同様にして生育せしめた8種類の代表的なほふく茎先端43.0の比較写真の一例を図16に示す。
芝草は節間長やほふく茎の生長の仕方は生長条件に左右される。例えば、地表面から遊離して伸びるほふく茎では節間長は短くなりがちで、また、側枝の生長も抑制される場合が多い。更に、ほふく茎が重なり合ったり何らかの物理的障害物があったりすると生長が抑制される。また、日照が遮られた陰では徒長することが多い。このため、正確な比較を行うためには、土表面に密着して、障害物のない生長条件で同一条件下で伸びているほふく茎を採取し、比較する必要がある。ほふく茎の先端部は茎頂部を含むTK−XG1 20節(43.0cm)と同じ長さのほふく茎を採取した。図16をもとに実測した節間距離及びほふく茎の伸長状況を表10及び表11に示す。本実施例の場合、図16に示す如く、未成熟で、伸長を続けている節間は10cm程度の範囲であり、この範囲を除き、測定した。
TK−XG1は親株(変異操作の出発材料)である在来鳥取コウライに比し、全体的な伸展性はほぼ同じであったが(図13a、13b参照)、節間距離が短く、側枝生長性が明瞭に大きいため、被覆部(密生状態になっている部分)の面積が顕著に大きかった(図14−a、−bないし図15a、15b参照)。節間距離が短く、側枝生長が大きいことは、被覆速度を速め、緻密な被覆面を形成すると共に、TK−XG1の強いほふく性(土地に密着して伸長する性質)の故にほふく茎の地下での重なりが増し、土壌面の保護力が増すと共に、スパイク傷などの芝層表面の損傷に対しても回復が早く、また弾力性に富む優れたターフ層を形成することができ、実用的にも、在来コウシュンシバ(Zoysia matrella)及び他のスズメガヤ亜科の芝に比して非常に高い価値を提供することができる。
なお、データ処理に当たっては、異常値を排除するため各々の品種の節間長の実測値の最大値と最小値各1を除いた残りの数値を用いた。植物は、環境条件、土壌形態及び施肥方法に対する品種間の感受性が異なることを考慮すると、TK−XG1の在来鳥取コウライ及びメイヤーに対する節間長の比は、これらを1.0にしたとき、0.9〜0.6の範囲にあり、有意に矮性であった。在来鳥取コウライ及び、メイヤーはスズメガヤ亜科の芝の代表的品種であるとともに、本実施例で節間計測値データ数が多く、データ処理上より正確な基準となることから両品種を比較対象とした。因みに、スズメガヤ亜科の芝は生育条件により節間の生長が異なることがあるため、比較評価にあたっては本実施例に準拠して行うことが望ましいが、少なくとも土表面に密着して障害物なしに伸びる条件下でほふく茎を比較する必要がある。また、茎頂部の損傷なく生長を続けているほふく茎を選ぶ必要がある。また、主枝先端近くの節間は主枝の生長・伸展に伴い、次第に長くなり、成熟にしたがって節間の伸長を止める。従って、先端近くの未成熟な先端を除いて比較する必要がある。本実施例の場合、図16に示す如く未成熟で、伸長を続けている節間は10cm程度であり、この部分を除いて節間長を計測した。主枝先端近くまで側枝が追随して密生域ができる方が実用上望ましい。なお、表4に示すように、親株である在来鳥取コウライに比し、葉幅も狭く、葉長もわずかに短くなっている。
また、主枝長と側枝合計長の比は、在来鳥取コウライに比し、1.2〜1.4倍、メイヤーに対し1.4〜1.8倍の範囲にあった。
Figure 0004512674
Figure 0004512674
実施例5
冬期温室におけるTK−XG1の生長
1997年10月30日に在来鳥取コウライとTK−XG1のほふく茎を5節ずつに切り、1本ずつを、それぞれ10個の3号鉢に植えた。土壌は実施例1と同様にし、く溶性緩効性肥料を1鉢あたり1g与えた。翌10月31日から山口県農業試験場(日本国山口県山口市大内御堀1419)内ガラス温室に移し、28±3℃(最低気温25℃、温風噴き出し口温度31℃)で生育させた。翌1998年1月22日に観察した。この時点において、在来鳥取コウライからはほふく茎の伸長は実質的に見られなかったが、TK−XG1の全ての鉢からは複数の旺盛なほふく茎の伸長が見られた(図17及び表13参照)。しかしながら、在来鳥取コウライの10鉢の内1鉢から1cm未満の新たなほふく茎の伸長が1本のみ見られたことから、このわずかなほふく茎の伸長は本期間中の最長日照時間帯に起こっており、このため本期間中の旬間積算日照時間の内、最大の旬間を除外し、なおかつ有効数字1桁に切り下げて、旬間積算日照時間以下を50時間以下とした。
Figure 0004512674
Figure 0004512674
ほふく茎の長さ1cm以上のものについて計測した。
ND:1cm以上のほふく茎は存在しなかった。
実施例6
TK−XG1の発明形質を継承した交配品種の作出
本発明のTK−XG1の新形質が、スズメガヤ亜科植物で交配によって継承・移転されうろことを確認するため、みやこ(ジャパン・ターフ株式会社、ノシバ系品種)との交配を行い、派生品種の作出を試みた。
その結果、少なくともTK−XG1との交配対象としたみやこが、同一条件において、ほふく茎にアントシアニンによる濃い赤紫色を示したのに対し、TK−XG1の特異形質の一つであるアントシアニンを実質的に蓄積しない黄緑色のほふく茎を有する新たな品種が作出された。以下に作出の過程と作出された新たな人工交配品種の特性の一部を示す。
みやこを母、TK−XG1を父として交配を行った。交配方法については、「植物生産農学実験マニュアル」(日向康吉、羽柴輝良編、ソフトサイエンス社1995年発行、第263〜268頁)に準拠した。
交配後は温室内で生育・完熟させ、40日後に種子を採取した。採取した種子の発芽率を向上させる目的で3ヵ月間室内にて保存した後、アルコール選抜法を用いて稔実種子と不稔種子を選抜した。選抜された沈下種子98粒を用い、発芽率を高めるために0.5%NaOH処理を施した(平吉功、松村正幸、岩田悦行著「有用野草の播種増殖」岐阜大学農学部研究報告 第28号 1969年発行、第239〜251頁参照)。
0.5%NaOH処理後の98粒の種子を吸水したろ紙を敷いたシャーレ上にてし、人工気象器で35℃、8.500ルクスの条件の下、発芽実験を開始した。
98粒中で発芽した種子は23粒であり、発芽後5日目の発芽苗をオートクレーブ滅菌したイネ用培土(宇部興産製 くみあい宇部培土特2号、1kg当たり、窒素、リン酸各0.2g、カリ0.33g含有)の入ったプラスチックポットに移植した。
発芽した23粒の内で生育した18株を育苗ポットに移植した。培土の組成については、海砂:硬質発泡珪藻土焼成粒:ピートモス:木質堆肥(バーク)を6:2:1:1の割合で混合したものに、く溶性緩効性肥料濃度が1.5kg/mになるように混合した培土の入った育苗ポットに移し、水をかけて28℃±3℃の温室で育苗した。18苗を同一区画に置き、結実した125粒の種子を採取し、同様の方法で保存、選抜及び発芽させた結果、19本の苗が得られた。この内、ほふく茎に赤紫色が発色せず、アントシアニンを含まない株が1株得られた。1999年11月22日に得られた株の苗の葉幅、節間長、ほふく茎の太さを測定した。ほふく茎に赤紫色が発色しなかった株の数値について表14に示す。
なお、染色体基本数が一致する植物同士では遠縁交雑等を含めて交配種の作出が可能であることは知られているが(例えば、前掲「芝草と品種」第126〜130頁参照)、本実施例によって、TK−XG1の発明遺伝形質を継承した交配品種開発は可能であることが判明した。
Figure 0004512674
本発明の新品種の多様な形質がそれぞれ独立に出現したのか、あるいはある単独の遺伝子の変異がこのような多様な表現形を示すのかは明確ではないが、一般的には変異方法から推定すると本発明品種の有するコウシュンシバの全く新たな複数の形質は、複数ヶ所の変異による独立した形質と考える方が自然と考えられる。また、それぞれの新形質は親株に見られない形質で、そのいずれもが独立に新規性を有し、且つ実用上の有用性を有している。これらの各々の遺伝形質を交配等の品種作出法により利用することで新たな実用性のある派生品種を作出する事が出来、前述の5つの本発明品の遺伝形質を利用することができる。
栽培上の注意点等
本発明のTK−XG1は、生産圃場において、在来鳥取コウライと同様な手法で栽培することが出来る。この際、在来鳥取コウライより生長性が高いため、生育状況を観察しながら多目の施肥を行うことが望ましい。その他、多芽体による増殖も可能である。更に、実用に当たっては生産圃場同様、在来鳥取コウライと同様の方法で容易に栽培可能である。さらに本発明のTK−XG1の使用用途の要請に合ったそれぞれの特徴を強調することも肥培管理によって可能である。
本発明の1実施様体であるTK−XG1は海水化学工業株式会社の研究圃場(山口県防府市大字浜方535番地)に維持されており、日本国特許法施行規則第27条の3の規定に準じて、本発明品の確認のための試料の分譲を保証するものである。
【図面の簡単な説明】
図1は在来鳥取コウライのほふく茎におけるHPLCによるアントシアニンの変化を示し、上から順に1997年11月10日、1997年11月25日、1997年12月23日、1998年1月22日、1998年2月26日のものである。
図2は上図は在来鳥取コウライのアントシアニン加水分解物のHPLCによる分析であって、下図は標準物質を同じ条件で分析したものである。
図3は在来鳥取コウライの葉身におけるアントシアニン組成の変化を示し、上から順に1997年11月25日、1997年12月23日、1998年1月22日、1998年2月26日のものである。
図4はTK−XG1の葉身におけるアントシアニン組成の変化を示し、上から順に1997年11月25日、1997年12月23日、1998年1月22日、1998年2月26日のものである。
図5はTK−XG1の葉身におけるアントシアニン組成の変化を示し、上から順に1997年11月25日、1997年12月23日、1998年1月22日、1998年2月26日のものである。
図6はプライマーAを用いたRAPD法による品種の識別のためのゲル電気泳動像図である。
図7はプライマーBを用いたRAPD法による品種の識別のためのゲル電気泳動像図である。
図8はプライマーCを用いたRAPD法による品種の識別のためのゲル電気泳動像図である。
図9はプライマーDを用いたRAPD法による品種の識別のためのゲル電気泳動像図である。
図10は9組み合わせのプライマーを用いたAFLP法によるTK−XG1のゲル電気泳動像図である。
図11a〜図11iは9組み合わせのプライマーを用いたAFLP法によるTK−XG1のゲル電気泳動後、解析ソフトウェアを用いて検出されたシグナルを解析したエレクトロフェログラム図である。
図12はTK−XG1と在来鳥取コウライをそれぞれ0、1.5、3、6、9時間、−15℃で低温処理したときのECの折れ線グラフである。−15℃低温処理前の電気伝導度(EC)を1としたときの低温処理によるECの変化率(ECの増加は凍結による細胞破壊によりもたらされる)を表す。
図13はほふく茎5節を植え込んだ圃場の写真であって、図13aはTK−XG1のものであって、図13bは在来鳥取コウライのものである。
図14は図13の一部拡大写真であって、図14aは図13aの、そして、図14bは図13bの拡大写真である。
図15はほふく茎の伸展状況の線図であって、図15aは図14aから作成し、図15bは図14bから作成したものである。図中の斜線部は被覆が完了した密生域である。TK−XG1では側枝生長性が高いため、密生域を形成しつつ、ほふく茎の伸長が行われている。
図16は代表的な8系統のほふく茎先端43.0cmの比較線図である。
上から順に
A)TK−XG1
B)在来鳥取コウライ
C)ウィンターカーペット
D)ウィンターフィールド
E)ビクトール
F)みやこ
G)メイヤー
H)エメラルドのほふく茎先端を示す。
図17は冬期温室のおけるTK−XG1と在来鳥取コウライのほふく茎の伸長を示した写真である(表10参照)。在来鳥取コウライからはほふく茎の伸長は見られないが、TK−XG1の全ての鉢からは旺盛なほふく茎の伸長が見られる。

Claims (2)

  1. 以下の性質:
    a)旬平均気温6℃、その旬の最低気温−1℃以下で、最低気温−15℃以上において、緑葉を保ち、通年にわたってアントシアニンを実質的に含有せず;
    b)土表面に密着して障害物のない生長条件で、伸びているほふく茎の主枝先端の未成熟な節間を除いた節間長が、在来鳥取コウライを1.0としたとき、0.9〜0.6であり;
    c)土表面に密着して障害物のない生長条件で、伸びているほふく茎において、少なくとも主枝先端より20節以上に相当する主枝長を基準として主枝から生じる側枝合計長を測定し、主枝長と側枝合計長の比が、在来鳥取コウライに比し1.2倍以上であり;
    d)28±3℃、旬間積算日照時間50時間以下においても、ほふく茎を伸長する
    ことを特徴とするコウシュンシバ。
  2. 交配、変異、細胞融合または遺伝子導入により請求項に記載のコウシュンシバを親株として作出される、請求項に記載の特徴を継承するスズメガヤ亜科植物。
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