JP4510769B2 - Ti又はTi合金の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、TiCl4を含む金属塩化物をCaにより還元処理して金属Ti又はTi合金を製造するTi又はTi合金の製造方法、及びそれに用いる製造装置に関する。
金属Tiの工業的な製法としては、TiCl4をMgにより還元するクロール法が一般的である。このクロール法では、還元工程−真空分離工程を経て金属Tiが製造される。還元工程では、反応容器内で上方から供給される液体状のTiCl4が溶融Mgにより還元され、粒子状の金属Tiが生成し、逐次下方へ沈降してスポンジ状の金属Tiが得られる。真空分離工程では、反応容器内のスポンジ状金属Tiから未反応のMg及び副生物であるMgCl2が除去される。
クロール法による金属Tiの製造では、高純度の製品を製造することが可能である。しかし、バッチ式であるために製造コストが嵩み、製品価格が非常に高くなる。製造コストが嵩む原因の一つは、TiCl4の供給速度を上げることが困難なことである。
その理由としては幾つか考えられるが、一つは、TiCl4の供給速度を大きくしすぎると、沈降せず液面に残っているMgCl2に上方からTiCl4が供給されるようになるため、供給したTiCl4が未反応のTiCl4ガスや還元が不十分なTiCl3ガスなどとして反応容器外へ排出され、TiCl4の利用効率が低下することである。
また、クロール法では、反応容器内の溶融Mg液の液面近傍だけで反応が行われるため、発熱エリアが狭い。そのため、高速でTiCl4を供給すると冷却が間に合わなくなることも、TiCl4の供給速度が制限される大きな理由である。
更に、溶融Mgの濡れ性(粘着性)のため、生成したTi粉が凝集した状態で沈降し、沈降中にも高温の溶融液が有している熱により焼結して粒成長し、反応容器外へ回収することが困難である。このため、金属Tiの製造を連続的に行うことができず、生産性が阻害される。
クロール法以外のTi製造方法に関しては、特許文献1に、TiCl4の還元剤としてMg以外に例えばCaの使用が可能なことが記載されている。そして、Caによる還元反応を用いたTiの製造方法としては、特許文献2に、反応容器内にCaCl2の溶融塩を保持し、その溶融塩中に上方から金属Ca粉末を供給して、溶融塩中にCaを溶け込ませると共に、下方からTiCl4ガスを供給して、CaCl2の溶融塩中で溶解CaとTiCl4を反応させる方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載された方法は、還元剤として使用する金属Caの粉末が極めて高価で、これを購入して使用すると、製造コストはクロール法よりも高価となるので、工業的なTi製造法としては成立し得ない。加えて、反応性が強いCaは取り扱いが非常に難しく、このことも、Ca還元によるTi製造方法の工業化を阻害する大きな要因になっている。
更に別のTi製造方法としては、特許文献3に、TiCl4を経由せず、TiO2をCaにより直接還元するオルソンの方法が記載されている。この方法は、酸化物直接還元法の一種である。しかし、この方法では高価な高純度のTiO2を使用しなければならない。
一方、本発明者らは、Ca還元によるTi製造方法を工業的に確立するためには、TiCl4のCaによる還元が不可欠であり、還元反応で消費される溶融塩中のCaを経済的に補充する必要があると考え、溶融CaCl2の電気分解により生成するCaを利用すると共に、このCaを循環使用する方法、即ち「OYIK法(オーイック法)」を提案した(特許文献4、特許文献5参照)。特許文献4では、電気分解によりCaが生成、補充され、Caリッチとなった溶融CaCl2を反応容器に導入し、Ca還元によるTi粒の生成に使用する方法が記載され、特許文献5では、更に、陰極として合金電極(例えば、Mg−Ca合金電極)を用いることにより、電解に伴うバックリアクションを効果的に抑制する方法が示されている。
米国特許第2205854号明細書 米国特許第4820339号明細書 米国特許第2845386号明細書 特開2005−133195号公報 特開2005−133196号公報
前述のとおり、クロール法以外のTi製造方法について、従来多くの研究開発が行われてきた。特に本発明者らが提案した前記OYIK法では、TiCl4の還元反応に伴い溶融塩中のCaが消費されるが、その溶融塩を電気分解すれば溶融塩中にCaが生成し、こうして得られたCaを還元反応に再使用すれば、外部からのCa補充が不要になり、しかも、Caを単独で取り出す必要がないので、経済性が向上する。
そこで、本発明者らは、基本的な構成はこのOYIK法に立脚し、更に、工業的規模で、効率よく、安定した操業を行い得る金属Ti又はTi合金の製造プロセスの開発を企図して、製造工程全般に亘り検討を加えた。
本発明の目的は、溶融CaCl2の電気分解により生成するCaによってTiCl4、その他の金属塩化物を還元するCa還元による金属Ti又はTi合金の製造において、TiCl4、その他の金属塩化物の還元反応、更には溶融塩の電気分解によるCaの生成を効率よく行わせ、且つ工業的規模で、安定した操業が可能なTi又はTi合金の製造方法、及びそれに用いられる製造装置を提供することにある。
上記の課題として挙げたTiCl4、その他の金属塩化物の還元反応、及び溶融塩の電気分解によるCaの生成を効率よく行わせ、且つ、操業の安定化を図るためには、TiCl4を還元する反応容器内に投入するCaCl2含有溶融塩中のCaの高濃度化と、濃度の変動抑制、並びに反応容器外へ抜き出され、電解槽へ導入される溶融塩中のCaの除去(回収)が重要である。また、工業的規模でのTiの製造を可能とするためには、反応容器へのCaの供給速度の増大(換言すれば、電解工程における大量のCaCl2含有溶融塩の連続処理)が必要である。
反応容器に投入する溶融塩のCa濃度が低すぎる場合は、未反応のTiCl4ガスが槽外へ排出される。更に、TiCl3、TiCl2等の低級塩化チタンのガスが生成して溶融塩に溶け込み、電解槽内で電気分解により生成するCaとの反応によりTiが生成し、陰極表面に析出して操業に支障を来すおそれがある。また、TiのC汚染の原因となるTiCの発生なども危惧される。
一方、溶融塩のCa濃度が高すぎる場合は、反応容器から抜き出される溶融塩中に多量のCaが含まれ、分離工程でCaが蒸発し、損失となる。
また、分離工程でTiが分離された後の溶融塩を電解槽へ戻したときに、溶融塩中のCaと電気分解により生成した塩素が反応する、いわゆるバックリアクションが起こり、電流効率が低下するが、溶融塩中のCa濃度が高いとバックリアクションによる電流効率の低下も大きい。更に、バックリアクションに伴う反応熱により電解槽内の溶融塩(浴塩)の温度の均一性が乱され、浴塩の温度制御に支障を来すおそれもある。
そこで、本発明者らは、反応容器に投入する溶融塩のCa濃度の変動を抑制し、且つ高濃度に維持すると共に、電解槽へ送られる溶融塩中のCaを速やかに回収してCaを除去し、バックリアクションを抑制するために種々検討を重ねた。
その結果、電解槽へ送られる溶融塩を、Caを含む溶融合金(溶融Mg−Ca合金)に接触させつつ、溶融合金側の電極棒が−極、溶融塩側の電極棒が+極となるように電圧を印加し、しかもその印加電圧をCaCl2の分解電圧未満とすることにより、溶融塩中に溶解しているCaを溶融合金に速やかに吸収させ、回収できることを見出した。これによって、電解槽へ送られる溶融塩中のCa濃度を低下させ、溶融塩の電気分解時におけるバックリアクションを抑制し、Caの生成を効率よく行わせることができる。
また、前記の極性を逆にして、溶融合金側の電極棒が+極、溶融塩側の電極棒が−極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加するとCaが溶融合金側から溶融塩側へ移行するので、溶融合金を共通の構成要素として一体とし、溶融塩をこの溶融合金に接触させつつ、一方の溶融塩側の電極棒が+極となり、他方の溶融塩側の電極棒が−極となるように電圧(CaCl2の分解電圧未満の電圧)を印加したところ、前記一方の溶融塩中に溶解しているCaの溶融合金による吸収と、溶融合金側から他方の溶融塩側へのCaの移行を同時に行えることが判明した。即ち、一方の溶融塩に溶解しているCaの除去と、他方の溶融塩に溶解しているCaの高濃度化を所定の電圧を印加することにより同時に且つ迅速に進行させることができる。
一方、反応容器に投入する溶融塩のCa濃度の変動を抑制し、高濃度に維持するためには、電解槽と反応容器の間にCa供給源を備える調整槽を設置し、電気分解によりCaを生成させてCa濃度を高めた溶融塩を調整槽に導入してCa濃度を一定とした後、還元に用いるのが効果的であることを知見した。これにより溶融塩のCa濃度を常に一定の高濃度に維持し、還元反応を効率よく進行させることができる。また、溶融塩に電圧を印加してCaを吸収させ、Ca濃度が高められた溶融合金を調整槽のCa供給源として使用できることも判明した。
更に、本発明者らは、主電解槽の電解槽容器の形状、電極形状、電解条件、極間距離等について詳細な検討を行った結果、溶融塩を陰極表面近傍で一方向に流しつつ電気分解して電解槽の出側でCa濃度が高まった溶融塩を回収することにより、バックリアクションを抑制して高電流効率を維持すると共に、Caが濃化した溶融塩のみを効果的に取り出すことができ、しかも、大量のCaCl2含有溶融塩の連続処理が可能で、反応容器へのCaの供給速度を増大させ得ることを知見した。
本発明はこれらの知見に基づいてなされたもので、その要旨は、下記(1)又は(2)のTi又はTi合金の製造方法、及び(3)又は(4)の製造装置にある。
(1)CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4を含む金属塩化物を反応させて前記溶融塩中にTi粒又はTi合金粒を生成させる還元工程と、前記反応容器内又は反応容器外で前記Ti粒又はTi合金粒を溶融塩から分離する分離工程と、前記反応容器外へ抜き出された溶融塩を電気分解してCaを生成させることにより、溶融塩のCa濃度を高める電解工程と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し工程と、前記分離工程で分離され前記電解工程へ送られる溶融塩を、CaとMgを含む溶融合金に接触させつつ、溶融合金側の電極棒が−極、溶融塩側の電極棒が+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することにより溶融塩中に溶解しているCaを溶融合金に吸収させ、Ca濃度が低下した溶融塩を電解工程へ送るCa回収工程を含むTi又はTi合金の製造方法。
(2)CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4を含む金属塩化物を反応させて前記溶融塩中にTi粒又はTi合金粒を生成させる還元工程と、前記反応容器内又は反応容器外で前記Ti粒又はTi合金粒を溶融塩から分離する分離工程と、前記反応容器外へ抜き出された溶融塩を電気分解してCaを生成させることにより、溶融塩のCa濃度を高める電解工程と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し工程と、前記分離工程で分離され前記電解工程へ送られる溶融塩を保持するCa除去領域内の溶融塩側の電極板が、この領域と隔てられ、前記還元工程へ送られる溶融塩を保持するCa濃縮領域内の溶融塩側の電極板に対して+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することにより、Caの濃度が低下したCa除去領域内の溶融塩を電解工程へ送り、Caが高濃度化されたCa濃縮領域内の溶融塩を還元工程へ送るCa除去濃縮工程を含むTi又はTi合金の製造方法。
ここで、「CaCl2を含む溶融塩」とは、溶融CaCl2のみ、又は、溶融CaCl2に、融点の低下、粘性等の調整のためにCaF2等を加えた溶融塩である。以下、単に「溶融塩」、「溶融CaCl2」ともいう。
「TiCl4を含む金属塩化物」とは、TiCl4のみ、又は、TiCl4と、V、Al、Cr等、Tiに合金成分として加えようとする他の金属の塩化物との混合物をいう。他の金属塩化物もTiCl4の還元と同時にCaにより還元されるので、TiCl4を含む金属塩化物を原料として使用することにより、Ti合金の製造ができる。
なお、電圧を印加するための電極を、前記のように「−極」、「+極」としたのは、浴塩(ここでは、溶融塩)の電気分解を前提として用いられる「陽極(アノード)」、「陰極(カソード)」との混同を避けるためである。
この(1)又は(2)のTi又はTi合金の製造方法において、印加する電圧が3.2V未満であれば(これらの実施の態様を、それぞれ「実施形態1a」、「実施形態1b」という)、印加する電圧を具体的な数値で管理して、CaCl2を分解させることなくCaCl2中に溶解したCaを溶融合金に速やかに吸収させることができる。
これら(1)又は(2)のTi又はTi合金の製造方法(それぞれ実施形態1a、1bを含む)において、電解工程でCa濃度を高めた溶融塩を、Ca供給源を有する調整槽に導入して溶融塩をCa供給源に接触させることにより溶融塩のCa濃度を一定とした後、還元工程へ送ることとすれば(これらを、それぞれ「実施形態2a」、「実施形態2b」という)、反応容器内へ導入する溶融塩のCa濃度を常に一定の高濃度に維持して還元反応を効率よく進行させることができるので、望ましい。
前記の実施形態2aの製造方法において、前記のCa回収工程でCaを吸収してCa濃度が高められた前記溶融合金を、前記調整槽のCa供給源又はその一部として用いることとすれば(これを、「実施形態3」という)、バックリアクションを抑制するために除去したCaを有効に利用することができ、望ましい。
(3)CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を保持し、前記溶融塩中に供給されるTiCl4を含む金属塩化物を前記Caと反応させてTi粒又はTi合金粒を生成させるための反応容器と、前記溶融塩中に生成されたTi粒又はTi合金粒を溶融塩から分離するための分離手段と、前記Ti粒又はTi合金粒が分離された後の溶融塩を保持し、陽極と陰極を備え、該溶融塩中で電気分解を行って陰極側にCaを生成させるための電解槽と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し手段と、前記分離手段で分離され前記電解槽へ送られる溶融塩を、CaとMgを含む溶融合金に接触させつつ、溶融合金側の電極棒が−極、溶融塩側の電極棒が+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加して溶融塩中に溶解しているCaを溶融合金に吸収させ、Ca濃度が低下した溶融塩を電解槽へ送るCa回収手段とを有するTi又はTi合金の製造装置。
(4)CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を保持し、前記溶融塩中に供給されるTiCl4を含む金属塩化物を前記Caと反応させてTi粒又はTi合金粒を生成させるための反応容器と、前記溶融塩中に生成されたTi粒又はTi合金粒を溶融塩から分離するための分離手段と、前記Ti粒又はTi合金粒が分離された後の溶融塩を保持し、陽極と陰極を備え、該溶融塩中で電気分解を行って陰極側にCaを生成させるための電解槽と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し手段と、前記分離工程で分離され前記電解工程へ送られる溶融塩を保持するCa除去領域と、この領域と隔てられ、前記還元工程へ送られる溶融塩を保持するCa濃縮領域を有し、Ca濃縮領域内の溶融塩側の電極板に対してCa除去領域内の溶融塩側の電極板が+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することによりCaの濃度が低下したCa除去領域内の溶融塩を電解工程へ送り、Caが高濃度化されたCa濃縮領域内の溶融塩を還元工程へ送るCa除去濃縮装置を有するTi又はTi合金の製造装置。
これら(3)又は(4)のTi又はTi合金の製造装置が、更に、Ca供給源を備え、前記電解槽内の溶融塩を導入してCa供給源と接触させることにより当該溶融塩のCa濃度を一定とした後、その溶融塩を前記反応容器へ投入するための調整槽を有するものであれば(これらを、それぞれ「実施形態4a」、「実施形態4b」という)、前記実施形態2a、実施形態2bの製造方法の実施に好適に使用できる。
また、前記の実施形態4aの製造装置において、前記調整槽のCa供給源又はその一部として、前記Ca回収手段でCa濃度が高められた溶融合金が用いられるものであれば(これを、「実施形態5」という)、前記実施形態3の製造方法の実施に好適である。
本発明のTi又はTi合金の製造方法によれば、溶融塩中に溶解しているCaを速やかに除去(回収)し、溶融塩の電気分解時におけるバックリアクションを抑制してCa生成の高効率化を図ることができる。更に、Caを除去(回収)すると同時に、還元工程へ送る溶融塩のCa濃度を高め、Ca生成の高効率化に加え、TiCl4の還元反応の効率化に寄与することができる。
また、Ca供給源を備える調整槽を用いて反応容器に投入する溶融塩のCa濃度の変動を抑制し、且つ高濃度に維持して、TiCl4の還元反応を効率よく行わせることができ、更に、電解工程において大量のCaCl2含有溶融塩を連続処理して、反応容器へのCaの供給速度を増大させることが可能である。
従って、本発明のTi又はTi合金の製造方法によれば、工業的規模で、効率の良い、安定した操業が可能になる。また、この方法は、本発明の製造装置により容易に且つ好適に実施することができる。
最初に、前記(1)に記載のTi又はTi合金の製造方法、及び(3)に記載の製造装置について、図面を参照して具体的に説明する。なお、説明では、原料としてTiCl4のみを用いた場合について述べる。
図1は、前記(1)に記載のTi又はTi合金の製造方法を実施する際に用いられる装置の概略構成例を示す図である。
図1に示すように、この装置は、CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を保持し、前記溶融塩中に供給されるTiCl4を前記Caと反応させてTi粒を生成させるための反応容器1と、前記溶融塩中に生成されたTi粒を溶融塩から分離するための分離手段2と、前記Ti粒が分離された後の溶融塩を電気分解して陰極側にCaを生成させるための電解槽3と、電気分解により生成されたCaを前記反応容器1内へ導入する戻し手段4と、前記分離手段で分離され前記電解槽へ送られる溶融塩中に溶解しているCaを除去するためのCa回収手段5とを有している。
図1に例示したCa回収手段5はその要部を示したもので、Ca回収槽6に前記分離手段2で分離された溶融塩7が導入され、その上にCaとMgを含む溶融合金(「溶融Mg−Ca合金」、又は単に「溶融合金」ともいう)8が保持されている。溶融塩7に挿入された電極棒9は+極を、溶融Mg−Ca合金8に挿入された電極棒10は−極を構成している。
電解槽3は、CaCl2を含有する溶融塩を保持する一方向に長い配管(円筒)形状の電解槽容器3aと、前記電解槽容器3aの長手方向に沿って当該容器3a内に配置された同じく円筒形状の陽極11、及び円柱状の陰極12を有し、前記電解槽容器3aの長手方向の一方の端部(底盤13)に溶融塩供給口14が設けられ、他方の端部(上蓋15)には溶融塩抜き出し口16が設けられている。陽極11表面と陰極12表面が対向して略垂直方向に配置され、更に、陽極11と陰極12の間に、溶融塩の電解で生成したCaの通過を抑制するための隔膜17が設けられている。また、陽極11の外面には冷却器18が取り付けられている。
また、分離手段2として、図1に示した装置では、デカンター型遠心沈降機(高温デカンター)19及び分離槽20が用いられている。
図1に示した装置を使用して前記(1)に記載のTi又はTi合金の製造方法を実施するには、先ず、電解槽3から戻し手段4を介して供給される溶融塩を、反応容器1内に保持し、その溶融塩中のCaに、TiCl4供給口21から供給したTiCl4を反応させ、前記溶融塩中にTi粒を生成させる。即ち、「還元工程」である。
この還元工程では、溶融塩は反応容器1内に静止した状態で保持されるのではなく、反応容器1の上方から下方へ徐々に流下しつつ保持され、その間に、原料であるTiCl4が溶融塩中のCaにより還元されてTi粒が生成する。なお、原料としてTiCl4を含む金属塩化物(例えば、V、Al、Cr等の塩化物)を用いた場合は、前述したように、それらの金属塩化物もCaにより還元されるので、TiCl4に予め所定量の金属塩化物を加えておくことによりTi合金粒を生成させ、最終的にTi合金を製造することができる。
前記還元工程で生成したTi粒は、「分離工程」で溶融塩から分離される。
Ti粒の溶融塩からの分離は、適切な反応容器を用いることによって反応容器内でも行うことができるが、その場合はバッチ方式となる。従って、生産性を高めるためには、例えば、前記図1に示した型式の反応容器を用いてCaが溶解した溶融塩を連続的に供給し、生成するTi粒を反応容器外へ抜き取って容器外で溶融塩からの分離を行うのがよい。
分離工程では、図1に示した装置による場合、最初、高温デカンター19でTi粒を溶融塩から分離回収し、次いで分離槽20でTi粒に付着している溶融塩を除去する。
デカンター型遠心沈降機は回転円筒を高速回転させることにより懸濁物質を遠心沈降させるタイプの遠心分離機で、高速処理が可能で、かつ高い脱水性能を有している。高温処理が可能なタイプのものも開発されており、この分離工程で高温デカンター19として適用することが可能である。
高温デカンター19から抜き出されたTi粒は、分離槽20でプラズマトーチ22から照射されるプラズマにより加熱溶融され、鋳型23に流し込まれ、Tiインゴット24となる。
一方、Ti粒から分離された溶融塩(これを、「付着溶融塩」という)には、Tiの微粒子が混入している恐れがある。そのため、この付着溶融塩を電解工程へ戻すと問題が生じる可能性があるので、図1に示すように、反応容器1内へ戻すのが望ましい。加えて、付着溶融塩にはCaがある程度残存しているため、Caの有効活用の面からも反応容器1内へ戻すことが合理的である。
前記高温デカンター19で分離されたCa濃度の低下した溶融塩は、「Ca回収工程」へ送られる。即ち、前記溶融塩をCa回収槽6に導入し、溶融Mg−Ca合金8に接触させつつ、溶融合金側の電極棒が−極、溶融塩側の電極棒が+極となるように電圧を印加する。このときの印加電圧は、CaCl2の分解電圧未満とする。これによって、CaCl2を分解させずに、CaCl2に溶解しているCaを速やかに溶融合金に吸収させ、Ca濃度が低下した溶融塩を迅速に電解工程へ送ることが可能となる。溶融塩中のCa濃度が低下しているので、バックリアクションは抑制される。
前記の電圧を印加するための電極としては、−極は鉄等の金属、+極は黒鉛電極等の不溶性電極を用いるのがよい。
図2は、本発明者らの実験による検討結果で、前記の溶融合金及び溶融塩の間に印加する電圧と両極間に流れる電流との関係を模式的に示す図である。(a)はCaCl2にCaが含まれていない場合(Ca添加前)、(b)は含まれている場合(Ca添加後)である。
図示するように、Caが含まれていない場合は、印加電圧を上げていっても電流は流れない(図2(a)参照)。しかし、Caを添加すると、僅かの電圧を加えただけで微小の電流が流れ始め、印加電圧がCaCl2の分解電圧Vb(3.2V)の近傍に達するまでほぼ一定の電流(これを、「限界電流」という)が流れる。更に電圧を上げていくと、CaCl2が電気分解されるため電流値は急激に増大する(図2(b))。
前記の限界電流は、Caが溶融塩側(+極側)から溶融合金側(−極側)へ移行する(つまり、CaCl2に溶解しているCaが溶融合金により吸収される)ことによるもので、その大きさはCaCl2に溶解しているCaの濃度に依存し、Ca濃度が低下するほど限界電流は小さくなる。
本発明者らの検討結果によると、限界電流密度が0.14A/cm2のとき、Ca濃度は0.01質量%程度であった。
前述のように、限界電流は溶融塩のCa濃度が低下するほど小さくなるので、Ca濃度を迅速に低下させ、Caの除去(回収)効率を高めためには、Ca回収槽を大型化して溶融塩7と溶融Mg−Ca合金8の接触面積を大きくすることが望ましい。
前記の実施形態1aの製造方法は、前記(1)に記載の本発明のTi又はTi合金の製造方法において、『印加する電圧を3.2V未満(つまり、CaCl2の分解電圧よりも低い電圧)』としてCaを除去する方法である。印加電圧を具体的な数値で管理し、CaCl2を分解させることなく、溶融塩側の電極棒と溶融合金側の電極棒の間に電位差を与えてCaを溶融合金へ速やかに吸収させることができる。印加電圧は僅かであってもCaの除去効果があるので、その下限は限定しない。しかし、効果的にCaを除去するためには、印加電圧を0.01V以上とすることが望ましい。
Ca回収工程でCa濃度が低下した溶融塩は「電解工程」へ送られ、電気分解されてCaが生成され、溶融塩のCa濃度が高められる。
即ち、図1に示すように、先ず、溶融塩を電解槽3の陰極12と隔膜17の間に投入し、保持する。電解槽3は一方向に長い形状(図示した例では、垂直方向に細長い配管(円筒)形状)を有しているので、溶融塩を電解槽3の一端から陽極11と陰極12の間に連続的または断続的に供給することにより、陰極12表面近傍の溶融塩に一方向の流速を与え、溶融塩を陰極12表面近傍で一方向に流すことが可能となる。溶融塩の供給は、通常は連続的に行うが、後工程等との関係で、断続的に、つまり溶融塩の供給を一次停止したり、再度続けたりしてもよい。
続いて、溶融塩を電気分解する。溶融塩を陰極12表面近傍で一方向に流しつつ電気分解して陰極表面でCaを生成させるのであるが、電解槽3は一方向に長い形状を有しており、更に、図1に示した例では、電解電圧を低く抑えるために陽極11と陰極12間の距離を比較的狭くしているので、Ca濃度が低い溶融塩供給口14付近の溶融塩と電解によりCa濃度が高まった溶融塩抜き出し口16付近の溶融塩との混合を防止して、Caが濃化した溶融塩のみを効果的に抜き出すことができる。
なお、図1に例示した電解槽では、CaCl2を電解槽3の下方から槽3内に供給し、上方から抜き出す方式を採っているが、逆に、電解槽3の上方から供給し、下方から抜き出す方式を採用することも可能である。
この方法で用いる電解槽では、陽極表面及び陰極表面が対向して略垂直方向に配置されており、一方、陰極表面近傍の溶融塩には一方向の流速が与えられているので、その溶融塩の流れ方向は縦方向であり、陽極側で発生する塩素ガスは容易に浮上するので回収しやすい。
この電解槽を用いて溶融塩の電気分解を実施するに際しては、大量の溶融塩を連続して処理するので、電解槽では抜熱を効果的に行うことが望ましい。具体的には、例えば、陰極の中心部に冷却器を設置して、反応熱を陰極内部から抜熱することが望ましい。冷却器としては、例えばチューブ状の熱交換器が好適である。
陽極側にも冷却器(熱交換器)を設置すると抜熱効率は更に高くなる。前記図1に示した電解槽において、陽極11を取り巻くように設置した冷却器18はこの例である。
電解工程で電気分解により生成されたCaは、単独又は溶融塩と共に「戻し工程」を経て前記反応容器内へ導入される。
図1に示した装置を用いる場合は、電解槽でCa濃度が高められた溶融塩が得られるので、Caは溶融塩と共に戻し工程を経て反応容器内へ導入される。
しかし、溶融塩を電気分解して生成させるCaをそのまま、つまり、Ca単独で(但し、Caに極僅かの溶融塩が混在した状態を含む)回収することができる構成を備えた電解槽を用いれば、前記(1)のTi又はTi合金の製造方法において、電気分解により生成されたCaを溶融塩に溶解させて反応容器内へ導入する実施形態を採ることが可能である。即ち、戻し工程で、Caの移送媒体として溶融塩を利用せずに、生成させたCaをそのまま反応容器の近傍まで移送し、そこで別に準備した溶融塩に溶解させ、反応容器内へ導入する方式で、移送に要するコストの低減が期待できる。
更に、生成させたCaをそのまま反応容器内に投入してTiCl4と反応させることが可能な反応容器を使用すれば、Caを単独で反応容器内へ導入する実施形態を採用することも可能である。
図3は、前記(1)に記載のTi又はTi合金の製造方法における実施形態2a又は実施形態3の方法を実施する際に用いられる装置の概略構成例を示す図である。
この装置は、前記図1に示した装置において、更に、電解槽3内の溶融塩を導入してCa供給源と接触させることにより該溶融塩のCa濃度を一定とした後、その溶融塩を前記反応容器1へ投入するための調整槽25が設けられている装置である。
実施形態2aの製造方法は、前述した(1)に記載の本発明のTi又はTi合金の製造方法(実施形態1aを含む)において、『電解工程でCa濃度を高めた溶融塩を、Ca供給源を有する調整槽に導入して溶融塩をCa供給源に接触させることにより溶融塩のCa濃度を一定とした後、還元工程へ送る』方法である。
前記図3に示した装置を使用すれば、電解槽3から抜き出されたCaが濃化した溶融塩を調整槽25に導入してCa供給源26と接触させることにより該溶融塩27のCa濃度を一定とした後、反応容器1内へ投入することができる。即ち、戻し工程に調整槽25での処理を組み込んだ方法である。
電解工程でCaが濃化された溶融塩のCa濃度は、電解槽3での電解条件の若干の変動に伴い変動する。そのため、電解槽3で電解処理を施した溶融塩を直接反応容器1に投入すると、Ca濃度が必ずしも常時一定には維持されないので、前述したように、低級塩化チタンの生成、バックリアクションによる電流効率の低下などが生じることがあり、また、TiCl4の還元反応の効率を低下させ、安定した操業ができにくくなる場合がある。
そこで、前記電解工程で電解槽3を用いてCa濃度を高めた溶融塩を、Ca供給源26を有する調整槽25に導入して該Ca供給源26に接触させることにより前記溶融塩のCa濃度を一定とした後、還元工程でTiCl4の還元に用いるのである。
なお、分離槽20でTi粒から分離された付着溶融塩は、流量が電解槽3から調整槽25を経て反応容器1へ導入される溶融塩の流量と比較して極僅かであるため、前述したように、直接反応容器1内へ戻してもよい。しかし、図3に示すように、一旦調整槽25に導入してCa濃度を一定にした後に反応容器1へ導入するのが望ましい。
Ca供給源26としては、溶融金属Caや、溶融Mg−Ca合金のようなCaを比較的高い含有率で含む溶融合金を使用することができる。
即ち、前記のCa濃度が高められ、調整槽25に導入された溶融塩27の上に溶融金属Ca又は溶融Mg−Ca合金等を浮遊させ、これらCa供給源26と溶融塩27とを接触させておく。これにより、溶融塩27のCa濃度がその飽和溶解度未満であれば、Ca供給源26からCaが溶融塩27へ供給されて、Ca濃度を飽和溶解度近傍の濃度に維持することができる。また、溶融塩27のCa濃度がその飽和溶解度であって、析出した金属Caも混在している場合は、調整槽25内で比重差により金属Caが浮上分離し、Ca濃度を飽和溶解度近傍の濃度に保つことができる。更に、調整槽25から抜き出す際の溶融塩27の温度を一定に制御すれば、Ca濃度をその温度における飽和溶解度近傍の一定濃度に制御することが可能となる。
従って、電解槽3でCaが濃化した溶融塩のCa濃度が飽和溶解度であるか、それ未満であるかを問わず、調整槽25を設置してそれに電解槽3から抜き出された溶融塩を導入することにより、Ca濃度をその飽和溶解度近傍の一定濃度とした溶融塩を反応容器1に投入し、TiCl4の還元反応を効率よく行わせ、安定した操業をすることができる。
但し、電解槽3でCa濃度が飽和溶解度を超えるまで電解すると、電解槽3の内部で金属Caが析出し、電解槽の閉塞などのトラブルの原因となるおそれがある。従って、電解槽3でCa濃度を高める際には、飽和溶解度を超えず、その直前までCa濃度を高めるように制御しつつ電解し、Caが高濃度ではあるが飽和溶解度未満の溶融塩を調整槽25に導入してCa供給源26に接触させ、Ca濃度を飽和溶解度近傍の一定濃度とするような操業を行うことが望ましい。
前記の実施形態3の製造方法は、前記実施形態2aの方法で使用する調整槽のCa供給源を規定する方法で、『Ca回収工程でCaを吸収してCa濃度が高められた溶融合金を、調整槽のCa供給源又はその一部として用いる』方法である。
即ち、前記図3に示すように、Ca回収工程(Ca回収手段5)でCaを吸収してCa濃度が高められた溶融合金8を、調整槽25へ移送し、Ca供給源26として用いる。前記Ca供給源26の全部をCa回収工程から移送した溶融合金としてもよいし、量的に少ない場合は、Ca供給源26の一部に用いてもよい。いずれにしても、高温デカンター19で分離され、電解工程へ送られる溶融塩から、バックリアクションを抑制するために除去したCaを有効に利用することができる。
なお、これら実施形態2a及び実施形態3の製造方法においても、前述した電気分解により生成されたCaを溶融塩に溶解させて反応容器内へ導入する実施形態や、Caを単独で反応容器内へ導入する実施形態を採ることができる。
前記(3)に記載のTi又はTi合金の製造装置は、前述した(1)に記載のTi又はTi合金の製造方法を実施する際に用いられる装置で、その概略の構成は前記図1に示したとおりである。各部の作用も前述のとおりで、この装置を用いれば、前記(1)に記載のTi又はTi合金の製造方法(実施形態1aを含む)を好適に実施することができる。
前記の実施形態4a及び実施形態5の製造装置は、前記(3)に記載の製造装置の他の実施形態で、図3に示すように、戻し工程に調整槽を備えた装置である。この装置は、前述のとおり、実施形態2a、実施形態3に係るTi又はTi合金の製造方法の実施に好適である。
次に、前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法、及び(4)に記載の製造装置について説明する。なお、ここでも、原料としてTiCl4のみを用いた場合について述べる。
図4は、前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法を実施する際に用いられる装置の概略構成を示す図である。
この装置は、前記図1に示した装置において、Ca回収手段に替えてCa除去濃縮装置を設置し、それに伴い溶融塩の移送経路を変更した装置である。
即ち、図4に示すように、CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を保持し、前記溶融塩中に供給されるTiCl4を前記Caと反応させてTi粒を生成させるための反応容器1と、前記溶融塩中に生成されたTi粒を溶融塩から分離するための分離手段2と、前記Ti粒が分離された後の溶融塩を電気分解して陰極側にCaを生成させるための電解槽3と、電気分解により生成されたCaを前記反応容器1内へ導入する戻し手段4と、分離手段(高温デカンター)で分離され前記電解槽3へ送られる溶融塩中に溶解しているCaを除去すると同時に、分離手段(分離槽)で分離され前記反応容器1へ導入される溶融塩中に溶解しているCaを高濃度化するためのCa除去濃縮装置28とを有している。
前記のCa除去濃縮装置28はその要部を示したもので、Ca除去濃縮槽28aを有し、この槽28a内には、溶融CaCl2が隔壁31によりCa濃縮領域29とCa除去領域30に隔てられた状態で保持され、その上に、Ca濃縮領域29及びCa除去領域30に保持された溶融塩と接触した状態で溶融Mg−Ca合金32が保持されている。
更に、前記Ca除去領域30の底部には、CaCl2の分解電圧未満の電圧を印加するための電極板33がCa濃縮領域29内の溶融塩側の電極板34に対して+極となるように設けられている。なお、図示した例では、Ca濃縮領域29とCa除去領域30が隔壁31により隔てられているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、個々に取り外し可能な別々の槽により両領域を隔てることとしてもよい。
図4に示した装置を使用して前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法を実施するに際し、「還元工程」、「分離工程」、「電解工程」及び「戻し工程」における操作は、基本的には前記図1に示した装置を使用して前記(1)に記載の製造方法を実施する場合と同じである。原料としてTiCl4を含む金属塩化物を用いれば、最終的にはTi合金を製造することができることに関しても同様である。
前記図1に示した装置を使用する場合と異なるのは、分離工程でTi粒から分離された溶融塩の移送先と、そこでの処理である。即ち、前記高温デカンター19で分離されたCa濃度の低下した溶融塩は、図4に示すように、経路Laを経てCa除去濃縮装置28に設けられているCa除去濃縮槽28aのCa除去領域30へ送られ、一方、分離槽22でTi粒から分離された付着溶融塩は、経路Lbを経てCa除去濃縮槽28aのCa濃縮領域29へ送られる。
ここでは、前記Ca除去領域30内の溶融塩側に設けられた電極板33がCa濃縮領域29内の溶融塩側に設けられた電極板34に対して+極となるように、電極板33及び電極板34を介してCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加する。
この電圧の印加により、Ca除去領域30内の溶融塩との接触部近傍に存在する溶融Mg−Ca合金32はCa除去領域30内の溶融塩側(+極側)に対して相対的には−極として機能するので、溶解しているCaは、図4のCa除去濃縮槽28a内に矢印を付して示したように、溶融Mg−Ca合金32側へ移行し、吸収される。その結果、Ca除去領域30内の溶解Caが除去され、Mg−Ca合金32のCa濃度が高くなる。
一方、Ca濃縮領域29内の溶融塩との接触部近傍の溶融Mg−Ca合金32はCa濃縮領域29内の溶融塩側(−極側)に対して相対的には+極として機能する。従って、溶融Mg−Ca合金32のCaはCa濃縮領域29内の溶融塩側へ移行し、Ca濃縮領域29内のCa濃度が高くなる。
このように、Ca除去濃縮槽28a内の電極板33にCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することによって、Ca除去領域30内の溶解Caを除去すると同時に、Ca濃縮領域29内の溶解Caの濃度を高めることができる。しかも、図4に示した要部構成を有するCa除去濃縮装置28を用いれば、この同時処理を、形状、構成のいずれに関しても極めて簡素な装置を用いて容易に実施することができる。
前記印加する電圧をCaCl2の分解電圧未満とするのは、CaCl2の分解によるCaの生成を回避するためである。
前記の電圧を印加するための電極としては、前述したCa回収槽6(図1、図3)に取り付ける電極棒の場合と同様に、−極は鉄等の金属、+極は黒鉛電極等の不溶性電極を用いるのがよい。
Ca除去濃縮装置28では、このようにしてCaの除去と濃縮処理が行われ、Ca除去領域30内の溶融塩に溶解しているCaは除去され、Ca濃縮領域29内の溶融塩のCa濃度が上昇する。
なお、経路Laと経路Lbの間に設けられている経路Lcは、Ca除去領域30内の溶融塩とCa濃縮領域29内の溶融塩の量的バランスをとるための経路である。即ち、高温デカンター19で分離された溶融塩の量は分離槽22で分離された付着溶融塩の量に比べて圧倒的に多いので、経路Laと経路LbによるのみではCa除去領域30内の溶融塩量とCa濃縮領域29内の溶融塩量のバランスがとれず、Ca除去濃縮装置1でCaの除去及び濃縮処理を連続的に行うことができない。そのため、高温デカンター19で分離された溶融塩の一部を経路Lcを通してCa濃縮領域29へ送り、前記処理を連続的に行うのである。
Ca除去濃縮装置1でCaが除去された溶融塩は「電解工程」へ送られるが、Caが除去されているので、溶融塩中のCaと電気分解により生成した塩素が反応するいわゆるバックリアクションが抑制され、電気分解によるCaの生成を効率よく行わせることができる。
また、Ca濃縮領域29内の溶融塩は還元工程へ戻されるが、付着溶融塩に残存しているCaは高濃度化され、Ca濃度が高められているので、TiCl4の還元反応の効率アップに有効である。
電解工程で電気分解により生成されたCaは、単独又は溶融塩と共に「戻し工程」を経て前記反応容器内へ導入される。
前記の実施形態1bの製造方法は、前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法において、Ca除去濃縮装置1で、『印加する電圧を3.2V未満(つまり、CaCl2の分解電圧よりも低い電圧)』としてCa除去領域30内の溶解Caを除去すると同時に、Ca濃縮領域29内の溶解Caの濃度を高める方法である。実施形態1aの製造方法の場合と同様に、印加電圧の下限は限定しない。しかし、効果的にCaを除去するためには、印加電圧を0.01V以上とすることが望ましい。
図5は、前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法における実施形態2bの方法を実施する際に用いられる装置の概略構成例を示す図である。
この装置は、前記図4に示した装置において、更に、電解槽3内の溶融塩を導入してCa供給源と接触させることにより該溶融塩のCa濃度を一定とした後、その溶融塩を前記反応容器1へ投入するための調整槽25が設けられている装置である。
実施形態2bの製造方法は、前述した(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法(実施形態1bを含む)において、『電解工程でCa濃度を高めた溶融塩を、Ca供給源を有する調整槽に導入して溶融塩をCa供給源に接触させることにより溶融塩のCa濃度を一定とした後、還元工程へ送る』方法である。
この実施形態2bの製造方法は、実施形態2aの製造方法について図3を参照して説明したように、図5に示した装置を使用することによって容易に実施することができる。
なお、前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法(実施形態1bを含む)及び実施形態2bの製造方法においても、前述した(1)に記載の製造方法の場合と同様に、電気分解により生成されたCaを溶融塩に溶解させて反応容器内へ導入する実施形態や、Caを単独で反応容器内へ導入する実施形態を採ることができる。
前記(4)に記載のTi又はTi合金の製造装置は、前述した(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法を実施する際に用いられる装置で、その概略の構成、各部の作用は前記図4に示したとおりである。この装置を用いれば、前記(2)に記載のTi又はTi合金の製造方法(実施形態1bを含む)を好適に実施することができる。
前記の実施形態4bの製造装置は、(4)に記載の製造装置の他の実施形態で、図5に示すように、戻し工程に調整槽を備えた装置である。この装置は、前述のとおり、実施形態2bに係るTi又はTi合金の製造方法の実施に好適である。
以上説明したTi又はTi合金の製造方法(実施形態1a、1b、2a、2b及び3を含む)を実施するに際し、塩化工程を付加し、生成されるTiCl4を原料として反応容器内でのTiの生成反応に使用する実施形態を採ることができる。
即ち、前述した電解工程では、溶融塩の電気分解に伴って陽極側に塩素(Cl2)が副生するが、このCl2は酸化チタン(TiO2)と反応してTiCl4を生成するので、前記(1)又は(2)のTi又はTi合金の製造方法において、溶融塩の電気分解に伴って陽極側に生成するCl2をチタン鉱石に反応させてTiCl4を生成させ、蒸留精製後、このTiCl4を原料として使用する。Ti合金を製造する場合には、前記塩化工程で、TiO2と、Tiに合金成分として加えようとする金属の酸化物との混合物に前記陽極側に生成するCl2を反応させてTiCl4を含む金属塩化物を生成させ、これを原料として用いればよい。
このような実施形態を採用すれば、溶融塩の電気分解に伴って副生するCl2を有効に利用し、製造プロセスにおいて、Cl2の循環使用が可能である。
本発明のTi又はTi合金の製造方法によれば、電解槽へ送られる溶融塩中に溶解しているCaを速やかに除去(回収)し、溶融塩の電気分解時におけるCa生成の高効率化を図ることができる。また、Caを除去(回収)すると同時に反応容器へ送られる溶融塩のCa濃度を高め、前記Ca生成の高効率化に加え、TiCl4の還元反応の効率化に寄与することができ、調整槽を用いれば、反応容器に投入する溶融塩のCa濃度の変動を抑制し、高濃度に維持することができる。更に、電解工程において大量のCaCl2含有溶融塩を連続処理して、反応容器へのCaの供給速度を増大させることができ、これにより、溶融塩の電気分解時におけるCa生成、TiCl4の還元を効率よく行わせ、工業的規模での安定した操業が可能となる。
従って、本発明のTi又はTi合金の製造方法、及びこの方法を容易に且つ好適に実施することができる本発明の製造装置は、Ca還元によるTi又はTi合金の製造に有効に利用することができる。
本発明のTi又はTi合金の製造装置の概略構成例を示す図である。 本発明で使用するCa回収槽の溶融合金及び溶融塩の間に印加する電圧とそのとき両極間に流れる電流との関係を模式的に示す図である。 本発明のTi又はTi合金の製造装置の他の概略構成例を示す図である。 本発明のTi又はTi合金の製造装置の更に他の概略構成例を示す図である。 本発明のTi又はTi合金の製造装置の更に他の概略構成例を示す図である。
符号の説明
1:反応容器
2:分離手段
3:電解槽
3a:電解槽容器
4:戻し手段
5:Ca回収手段
6:Ca回収槽
7:溶融塩
8:CaとMgを含む溶融合金(溶融Mg−Ca合金)
9、10:電極棒
11:陽極
12:陰極
13:底盤
14:溶融塩供給口
15:上蓋
16:溶融塩抜き出し口
17:隔膜
18:冷却器
19:デカンター型遠心沈降機(高温デカンター)
20:分離槽
21:TiCl4供給口
22:プラズマトーチ
23:鋳型
24:Tiインゴット
25:調整槽
26:Ca供給源
27:溶融塩
28:Ca除去濃縮装置
28a:Ca除去濃縮槽
29:Ca濃縮領域
30:Ca除去領域
31:隔壁
32:溶融Mg−Ca合金
33、34:電極板

Claims (9)

  1. CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4を含む金属塩化物を反応させて前記溶融塩中にTi粒又はTi合金粒を生成させる還元工程と、前記反応容器内又は反応容器外で前記Ti粒又はTi合金粒を溶融塩から分離する分離工程と、前記反応容器外へ抜き出された溶融塩を電気分解してCaを生成させることにより、溶融塩のCa濃度を高める電解工程と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し工程と、前記分離工程で分離され前記電解工程へ送られる溶融塩を、CaとMgを含む溶融合金に接触させつつ、溶融合金側の電極棒が−極、溶融塩側の電極棒が+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することにより溶融塩中に溶解しているCaを溶融合金に吸収させ、Ca濃度が低下した溶融塩を電解工程へ送るCa回収工程を含むことを特徴とするTi又はTi合金の製造方法。
  2. CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応容器内に保持し、その溶融塩中のCaにTiCl4を含む金属塩化物を反応させて前記溶融塩中にTi粒又はTi合金粒を生成させる還元工程と、前記反応容器内又は反応容器外で前記Ti粒又はTi合金粒を溶融塩から分離する分離工程と、前記反応容器外へ抜き出された溶融塩を電気分解してCaを生成させることにより、溶融塩のCa濃度を高める電解工程と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し工程と、前記分離工程で分離され前記電解工程へ送られる溶融塩を保持するCa除去領域内の溶融塩側の電極板が、この領域と隔てられ、前記還元工程へ送られる溶融塩を保持するCa濃縮領域内の溶融塩側の電極板に対して+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することにより、Caの濃度が低下したCa除去領域内の溶融塩を電解工程へ送り、Caが高濃度化されたCa濃縮領域内の溶融塩を還元工程へ送るCa除去濃縮工程を含むことを特徴とするTi又はTi合金の製造方法。
  3. 印加する電圧が3.2V未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のTi又はTi合金の製造方法。
  4. 前記電解工程でCa濃度を高めた溶融塩を、Ca供給源を有する調整槽に導入して溶融塩をCa供給源に接触させることにより溶融塩のCa濃度を一定とした後、還元工程へ送ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のTi又はTi合金の製造方法。
  5. 前記Ca回収工程でCaを吸収してCa濃度が高められた前記溶融合金を、Ca供給源を備え、前記電解槽内の溶融塩を導入してCa供給源と接触させることにより該溶融塩のCa濃度を一定とした後、その溶融塩を前記反応容器へ投入するための調整槽のCa供給源又はその一部として用いることを特徴とする請求項1に記載のTi又はTi合金の製造方法。
  6. CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を保持し、前記溶融塩中に供給されるTiCl4を含む金属塩化物を前記Caと反応させてTi粒又はTi合金粒を生成させるための反応容器と、前記溶融塩中に生成されたTi粒又はTi合金粒を溶融塩から分離するための分離手段と、前記Ti粒又はTi合金粒が分離された後の溶融塩を保持し、陽極と陰極を備え、該溶融塩中で電気分解を行って陰極側にCaを生成させるための電解槽と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し手段と、前記分離手段で分離され前記電解槽へ送られる溶融塩を、CaとMgを含む溶融合金に接触させつつ、溶融合金側の電極棒が−極、溶融塩側の電極棒が+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加して溶融塩中に溶解しているCaを溶融合金に吸収させ、Ca濃度が低下した溶融塩を電解槽へ送るCa回収手段とを有することを特徴とするTi又はTi合金の製造装置。
  7. CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を保持し、前記溶融塩中に供給されるTiCl4を含む金属塩化物を前記Caと反応させてTi粒又はTi合金粒を生成させるための反応容器と、前記溶融塩中に生成されたTi粒又はTi合金粒を溶融塩から分離するための分離手段と、前記Ti粒又はTi合金粒が分離された後の溶融塩を保持し、陽極と陰極を備え、該溶融塩中で電気分解を行って陰極側にCaを生成させるための電解槽と、前記電気分解により生成されたCaを単独又は溶融塩と共に前記反応容器内へ導入する戻し手段と、前記分離工程で分離され前記電解工程へ送られる溶融塩を保持するCa除去領域と、この領域と隔てられ、前記還元工程へ送られる溶融塩を保持するCa濃縮領域を有し、Ca濃縮領域内の溶融塩側の電極板に対してCa除去領域内の溶融塩側の電極板が+極となるようにCaCl2の分解電圧未満の電圧を印加することによりCaの濃度が低下したCa除去領域内の溶融塩を電解工程へ送り、Caが高濃度化されたCa濃縮領域内の溶融塩を還元工程へ送るCa除去濃縮装置を有することを特徴とするTi又はTi合金の製造装置。
  8. 更に、Ca供給源を備え、前記電解槽内の溶融塩を導入してCa供給源と接触させることにより該溶融塩のCa濃度を一定とした後、その溶融塩を前記反応容器へ投入するための調整槽を有することを特徴とする請求項6又は7に記載のTi又はTi合金の製造装置。
  9. 更に、Ca供給源を備え、前記電解槽内の溶融塩を導入してCa供給源と接触させることにより該溶融塩のCa濃度を一定とした後、その溶融塩を前記反応容器へ投入するための調整槽を有し、前記調整槽のCa供給源又はその一部として、前記Ca回収手段でCa濃度が高められた前記溶融合金が用いられることを特徴とする請求項6に記載のTi又はTi合金の製造装置。
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