JP4508941B2 - アンテナ装置、及びその誘電体部材 - Google Patents

アンテナ装置、及びその誘電体部材 Download PDF

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Description

本発明は、主としてレーダアンテナとして用いられるアンテナ装置に関する。
レーダ用のアンテナ装置としては、金属製ホーンの基部にスロット導波管を設けたスロットアレイ型のホーンアンテナが、一般的に用いられる。
この一般的なホーンアンテナは、ホーンの開口面寸法を大きくすることによって、垂直指向性を鋭くすることができる。しかし、ホーン開口を所定角度に保持して開口面寸法を大きくすると、必然的にホーンの前方への突出寸法が大きくなるので、アンテナ全体が大きくなりレーダアンテナとして使用する場合にその旋回駆動用に強力なモータが必要となり、不経済である。
ホーンアンテナの開口面積を小さくするために、従来は、ホーンの基部にスロット導波管を設けるとともに、ホーンの内面部に前方へ互いに平行に突出する一対の板状の誘電体を取り付けることが提案されている(特許文献1参照)。
また、基部にスロット導波管が設けられたホーンの開口端に誘電体を遮蔽状に取り付け、この誘電体には上下幅中央位置で前方に突出する突出部を形成し、さらにその誘電体を内外二重構造とすることが提案されている(特許文献2参照)。
特開昭56−031205号公報 特開昭62−171301号公報
従来の特許文献1,2に示されたアンテナ装置では、ホーンの開口面寸法は小さく抑えて指向性を向上することはできるが、ホーン前方に配置する誘電体の突出寸法がかなり大きくなってしまう。この誘電体の突出寸法が大きくなることにより、アンテナ装置としての全体の占有スペースが大きくなるばかりでなく、重量が増加する。また、突出寸法が大きいと正面方向からの風切りは良くても、上下方向からの、特に下方向からの吹き上げる風に弱くなる。従って、このアンテナ装置をレーダ用に用いる場合には、その旋回駆動用に大型且つ強力なモータを必要とすることになる。
本発明は、金属製ホーンの基部にスロット導波管を設けたスロットアレイ型のホーンアンテナ装置であって、誘電体を用いながらその誘電体の開口面からの前方への突出寸法を著しく短縮し且つ指向性を先鋭にするとともに、小型化、軽量化を図ったアンテナ装置、及びそのための誘電体部材を提供することを目的とする。
請求項1のアンテナ装置は、ホーンの基部にスロット導波管が設けられ、上下中央位置で電磁波放射方向に所定長の金属板を設けたホーンアンテナと、
該ホーンアンテナの前方中心位置に断面四辺形状で中空であり、上下方向の寸法が放射される電磁波の1波長に相当し且つ前後方向の寸法が放射される電磁波の半波長に相当する寸法である、主誘電体部材と、
前記主誘電体部材を前記ホーンの上端部に支持する上側支持誘電体部材と、前記主誘電体部材を前記ホーンの下端部に支持する下側支持誘電体部材と、を備えることを特徴とする。
請求項のアンテナ装置は、ホーンの基部にスロット導波管が設けられるとともに、前記ホーンの開口面での電磁波の位相面が、上下中央位置及び上端部並びに下端部位置で遅れ、且つ前記上下中央位置と上記上端部位置間及び前記上下中央位置と上記下端部位置間で進んでいるように滑らかに変化するホーンアンテナと、
該ホーンアンテナの前方中心位置に断面四辺形状で中空であり、上下方向の寸法が前記開口面での電磁波の位相面が前記上下中央位置と上記上端部位置間で最も進んでいる第1 位置及び前記上下中央位置と上記下端部位置間で最も進んでいる第2位置との間隔に相当し且つ前後方向の寸法が放射される電磁波の半波長に相当する寸法である、主誘電体部材と、
前記主誘電体部材を前記ホーンの上端部に支持する上側支持誘電体部材と、前記主誘電体部材を前記ホーンの下端部に支持する下側支持誘電体部材と、を備えることを特徴とする。
請求項のアンテナ装置は、請求項1または2に記載のアンテナ装置において、前記上側支持誘電体部材との間或いは前記上側支持誘電体部材及び前記主誘電体部材の上辺との間で断面菱形形状を形成する上側副誘電体部材と、前記下側支持誘電体部材との間或いは前記下側支持誘電体部材及び前記主誘電体部材の下辺との間で断面菱形形状を形成する下側副誘電体部材とを備えることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置によれば、ホーンアンテナの前方に配置される各誘電体部材が誘電体遅波回路として機能するから、利得向上やビームパターンの先鋭化が図られるし、ホーンアンテナ前方への突出寸法が従来のものに比して一段と短くすることができる。
その主誘電体部材は、断面四辺形の中空のものであれば良く、箱体や筒体として構成できる。また、断面四辺形としては、長方形状、台形状、或いは、それらの一辺が曲線状とされたものなどとして、電磁波の放射特性や、回転に伴う空気抵抗等を考慮して決定できる。
また、支持誘電部材によって主誘電部材を支持するとともに、さらに電磁波の放射特性を向上することができる。また、上側、下側支持誘電体部材と、主誘電体部材と、上側、下側副誘電体部材とによって、断面菱形形状の誘電体板による支持誘電体スペースを形成するから、電磁波の放射特性をさらに向上し、且つ、回転に伴う空気抵抗等をより低減することができる。さらに、誘電体遅波回路自体でアンテナレドームが構成されるから、アンテナ装置を極めて安価に得ることができる。
また、本発明により、小型で高利得なアンテナ装置が実現できるから、特にSバンド程度の比較的大きなアンテナ装置、例えば船舶用レーダ等の環境暴露状態で回転を妨げる抵抗となるアンテナ受風面積を低減でき、且つ高利得化によるレーダ探知性能を上げることができるという相乗効果を期待できる。
図1は、本発明に係るアンテナ装置の第1実施例の構成を示す図であり、その断面形状を示している。本発明のアンテナ装置は、ホーンアンテナ10と、そのホーンアンテナからの電磁波放射方向である前方の中心位置に設けられた誘電体から構成された誘電体遅波回路20Aとを備えている。この図1では、ホーンアンテナ10と誘電体遅波回路20Aとが紙面方向に延長されている。
ホーンアンテナ10は、金属製のホーン11と、このホーン11の基部に設けられた波源としてのスロット導波管12を有している。このスロット導波管12の一面に設けられたスロット13から電磁波が放出される。このホーン11とスロット導波管12は、従来のレーダアンテナにおけるものと同様のものでよい。
本発明では、スロット導波管からの電磁波送出方向の中心軸M上に所定長さの金属板15が設けられている。この金属板15の厚さは、薄ければ薄いほど良いが、工作精度、変形防止、位置の固定が可能な範囲の厚さに設定される。また、金属板15の長さ及び位置は、ホーン11の開口面での所望される位相面特性に応じて適宜決定される。その1例として、ホーンの前後中央付近に設置し、放射電磁波の半波長に相当する長さ或いはそれ以下で1/4波長に相当する以上の長さとすることがよい。
誘電体遅波回路20Aは、ホーンアンテナ10の前方中心位置に断面四辺形状(この例では、長方形状)で中空の主誘電体部材21Aを備えている。この主誘電体部材21Aは、上下方向の寸法L1が放射される電磁波(例、3050MHz;本明細書では以下同じ)の1波長に相当する寸法であり、且つ前後方向の寸法が放射される電磁波の半波長に相当する寸法に設定されることがよい。誘電体遅波回路20Aに用いる誘電体の比誘電率は例えば2.8であり、材料としては、エンジニアリングプラスチックやFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等でよい。この誘電体遅波回路20Aは、その断面が四辺形状であれば良く、例えば箱体や筒体として形成することができる。
ホーンアンテナ10の開口面での電磁波の位相面が、その開口面での上下中央位置及び上端部並びに下端部位置で遅れ、且つ上記上下中央位置と上記上端部位置間及び上記上下中央位置と上記下端部位置間で進んでいるように滑らかに変化する。電磁波の位相面が開口面において最も進んでいる位置は、中心位置から上下のそれぞれ半波長に相当する位置であることが良い。
主誘電体部材21Aは、上下方向の寸法L1が位相面が開口面において最も進んでいる位置に対応することとなる。即ち、上下方向の寸法L1は、開口面での電磁波の位相面が上下中央位置とホーン11の上端部位置間及び上下中央位置と下端部位置間で最も進んでいる位置に相当する寸法である。また、主誘電体部材21Aの前後方向の寸法L2は、インピーダンスマッチングを取るために、放射される電磁波の半波長に相当する寸法であることが望ましい。
また、ホーンアンテナ10の開口面と主誘電体部材21Aとの間の距離L3は、電磁波の反射を抑制するために近づけ過ぎないことが良く、例えば、半波長程度、或いはそれより少し長い距離でマッチングの良い位置に調整することがよい。また、ホーンアンテナ10の開口面の寸法L4は、2波長程度或いはそれより少し短い寸法でよい。
主誘電体部材21Aの誘電体の厚みは、電磁波の遅波効果を得るためには、厚い方が良く、一方、厚みに応じて誘電体損失が大きくなる。従って、その誘電体の厚みは、1/20波長〜1/10波長で良く、好ましくは1/12波長〜1/16波長が良い。この実施例では、1/15波長の厚みとしている。
なお、主誘電体部材21Aとホーンアンテナ10との位置関係を固定する必要があるが、その1つの方法としては発泡スチロールを用いて固定することができる。発泡スチロールの比誘電率はほとんど空気と近いので、電磁波の放射特性に影響を与えることが少ない。
以上のように構成される本発明のアンテナ装置の作用について、図2を参照して説明する。図3は、対比に用いる円筒波の位相面を示している。
図2において、波源、即ちスロット導波管12のスロット13から放射された電磁波は、円筒波状に広がっていこうとする。図2では、金属板15が存在するために、放射方向軸Mの位相が遅れる。また、金属製ホーンの付近でも位相が遅れる。この結果、ホーン11の開口面での電磁波の等位相面は、図2のように、上下中央位置(放射方向軸M)及びホーン11の上下端部位置で遅れ(αで示している)、且つ上下中央位置と上下端部位置間で進んでいる(βで示している)ように滑らかに変化する。この点が本発明の第1の主要点である。このような等位相面を示す電磁波を、以下においては便宜上、単に準平面波と称する。その位相面の進んでいる、β−β間で示される寸法は、1波長の長さに相当していることがよい。
この金属板15が設けられたホーンアンテナ10の単独でのアンテナ特性は、利得10.92dBi、ビーム幅26.36度、サイドローブレベル−15.16dBである。このアンテナ特性は、図3に示されるように、金属板15が設けていない場合の電磁波は円筒波として放射されるものに比して、既にかなりの改善が図られている。
本発明ではさらに、ホーンアンテナ10の前方中心位置に断面四辺形状(この例では、長方形状)で中空の主誘電体部材21Aを備えている。この点が、本発明の第2の主要点である。
主誘電体部材21Aの上辺aと下辺bは、準平面波の電磁波の位相の進んでいるβ点の位相を遅らせるように作用する。β点の位相は、上辺aと下辺bを通過するに連れて位相が遅れる。その位相の遅れは、上辺aと下辺bへの電磁波の入射角と、上辺aと下辺bの厚みと長さとに拠る。一方、左側辺cと右側辺dへは、α点の電磁波がほぼ直角に入射するので、側辺c,dの厚みは薄いこともあり、ほとんど遅延作用を受けることはない。
また、側辺c,dには、ほぼ垂直に電磁波が入射し電磁波が誘電体に集中することにより利得を向上させるものであり、また、側辺c,dが1/2波長だけ離隔されていることにより、インピーダンスマッチングを取るようにしている。
この図1、図2によるアンテナ特性が図4に示されれている。この図4の特性図は、一般的に広く使用されて有効性が確認されているFDTD方法を使用した電磁界解析シミュレーションに拠るものである。
この図4の特性図を見ると、本発明のアンテナ装置では、利得11.94dBi、ビーム幅26.01度、サイドローブレベル−14.04dBである。このアンテナ特性は、ホーンアンテナ10単独での特性(利得10.92dBi、ビーム幅26.36度、サイドローブレベル−15.16dB)に比して、さらに改善がなされている。
このように、本発明のアンテナ装置によれば、ホーンアンテナ10のホーン11の基部にスロット導波管12が設けられ、そして、ホーン11の上下中央位置で電磁波放射方向に所定長の金属板15を設ける、或いは、ホーン11の開口面での電磁波の位相面が上下中央位置及び上端部並びに下端部位置で遅れ、且つ上下中央位置と上端部位置間及び上下中央位置と下端部位置間で進んでいるように滑らかに変化させる。そして、そのホーンアンテナ10の前方中心位置に断面四辺形状で中空の主誘電体部材21Aを備える。
ホーンアンテナ10の前方に配置される各誘電体部材が誘電体遅波回路20Aとして機能して、特有の位相面が形成された電磁波を選択的に遅延させるから、利得向上やビームパターンの先鋭化が図られるし、ホーンアンテナ前方への突出寸法が従来のものに比して一段と短くすることができる。
図5は、本発明に係るアンテナ装置の第2実施例の構成を示す図である。図5では、誘電体遅波回路20Bは、主誘電体部材21Bが台形状の断面形状とされており、また、台形の上辺dが曲線状に形成されている。その他の構成は図1におけるものと同様であり、寸法も台形及び曲線辺を有する以外は同様である。
この図5のアンテナ装置では、利得11.85dBi、ビーム幅26.05度、サイドローブレベル−13.82dBである。このアンテナ特性は、ホーンアンテナ10単独での特性に比して、サイドローブレベルの特性は若干低下しているが、利得及びビーム幅の特性は改善がなされている。この図5では、主誘電体部材21Bが、寸法が小さくされていることに加えて、台形状の断面形状とされており、また、台形の右側辺dが曲線状に形成されていることにより、回転に伴う空気抵抗が低減される。
図6は、本発明に係るアンテナ装置の第3実施例の構成を示す図である。この図6では、主誘電体部材21Cとホーンアンテナ10との位置関係を固定する手段として、誘電体遅波回路20Cに上側支持誘電体部材22と下側支持誘電体部材23を用いている。
この上側支持誘電体部材22は、主誘電体部材21Cをホーン11の上端部に固定し、下側支持誘電体部材23は、主誘電体部材21Cをホーン11の下端部に固定して、主誘電体部材21Cをホーンアンテナ10に支持する。
この上側、下側支持誘電体部材22、23は、電磁波放射方向Mから所定の角度γを持つように設けられる。この角度γは、上側、下側支持誘電体部材22、23でそれぞれ反射される電磁波成分(図6に、矢印付破線で示している)が中央位置で合成され互いに相殺されるように作用する角度に設定されることが望ましく、具体的には約45度程度が良い。なお、ホーン11の開口面寸法L4やホーンアンテナ10の開口面と主誘電体部材21Aとの間の距離L3などの関係によっては、電磁波放射方向から45度の傾きを直接的に延ばしていくと、主誘電体部材21Cの上下方向の寸法L1を横切ってしまう場合がある。この場合は、主誘電体部材21Cの上下方向の寸法L1を横切る手前で、図6に示されるように、電磁波放射方向Mに向きを変えて主誘電体部材21Cと結合する。
この図6のアンテナ装置では、上側、下側支持誘電体部材22,23の遅波効果や反射波の相殺効果も得られて、利得12.06dBi、ビーム幅25.79度、サイドローブレベル−15.30dBである。このアンテナ特性は、図1のアンテナ装置の特性に比しても、利得、ビーム幅、サイドローブの各特性が改善されている。
このように、主誘電体部材がある場合と比してアンテナの放射特性が向上するとともに、主誘電体部材を支える構造、即ち誘電体遅波回路20C自体が、支え付きアンテナレドームをも構成する。
図7は、本発明に係るアンテナ装置の第4実施例の構成を示す図である。この図7では、誘電体遅波回路20Dは、上側支持誘電体部材22との間或いは上側支持誘電体部材22及び主誘電体部材21Dの上辺aとの間で断面菱形形状を形成する上側副誘電体部材24と、下側支持誘電体部材23との間或いは下側支持誘電体部材23及び主誘電体部材21Dの下辺bとの間で断面菱形形状を形成する下側副誘電体部材25とを備えている。
上側副誘電体部材24は、電磁波放射軸Mとほぼ平行な部分と、上側支持誘電体部材22とほぼ平行な部分とを有している。したがって、上側支持誘電体部材22とほぼ平行な部分は、電磁波放射方向Mに対して角度γ(=約45度)で設けられており、上側支持誘電体部材22との間隔は、ほぼ半波長λ/2に設定されている。また、同様に、下側副誘電体部材25は、電磁波放射軸Mとほぼ平行な部分と、下側支持誘電体部材23とほぼ平行な部分とを有している。したがって、下側支持誘電体部材23とほぼ平行な部分は、電磁波放射方向Mに対して角度γ(=約45度)で設けられており、下側支持誘電体部材23との間隔は、ほぼ半波長λ/2に設定されている。
この上側、下側支持誘電体部材22,23と、主誘電体部材21Dと、上側、下側副誘電体部材24,25とによって、誘電体板による断面菱形形状の2つの支持誘電体スペース26,27が形成される。
この主誘電体部材21Dと断面菱形形状の支持誘電体スペース26,27には、ともに準平面波の電磁波が入射されることが前提であるが、支持誘電体スペース26,27にはやや円筒波に近い部分の電磁波面が入射される。したがって、支持誘電体スペース26,27の寸法、具体的には、上側、下側副誘電体部材24,25の設置位置や大きさは、所望のアンテナ特性が得られるように調整される。
この図7のアンテナ装置では、主誘電体部材21Dと断面菱形形状の支持誘電体スペース26,27の遅波効果などにより、図8の特性図に示すように、利得12.37dBi、ビーム幅25.06度、サイドローブレベル−16.97dBであり、図6の支持誘電体部材22,23がついたものに比しても、利得、ビーム幅、サイドローブの各特性がさらに改善がされている。
これにより、上側、下側支持誘電体部材22,23と、主誘電体部材21Dと、上側、下側副誘電体部材24,25とによって、断面菱形形状の誘電体板による支持誘電体スペース26、27を形成するから、電磁波の放射特性をさらに向上し、且つ、回転に伴う空気抵抗等をより低減することができる。
また、小型で高利得なアンテナ装置が実現できるから、特にSバンド程度の比較的大きなアンテナ装置、例えば船舶用レーダ等の環境暴露状態で回転を妨げる抵抗となるアンテナ受風面積を低減でき、且つ高利得化によるレーダ探知性能を上げることができるという相乗効果を得ることができる。
また、図7の誘電体遅波回路20Dの支持誘電体スペース26、27内に、図示のようにリブ28、29をそれぞれ設けている。
この誘電体遅波回路20D、即ち支持誘電体スペース26、27付のアンテナレドームを安価に制作するために、誘電体であるエンジニアリングプラスチックなどのレドーム材料で押し出し成形によって制作する場合がある。一般に、押し出し成形は、その初期投資として押し出し型費用が高額であるものの、大量に押し出し製品を制作する場合には結果的に単価が安くなるメリットがある。
しかし、押し出し製法には、押し出し成形条件、例えば温度、湿度、押し出し圧、押し出し温度、冷却温度などがあり、それらのコントロールが難しいので製造会社のノウハウとなっている。この条件の中でも、押し出し圧のコントロールは押し出し成型品の形状と密接な関係があり、押し出し圧の変更には高額な押し出し型を変更しなければならない場合もある。
この自体を避けるために、本来希望した成型品にはない、押し出し圧の調整を目的としたリブを付加することがある。このリブは、押し出し成形の製造会社によって決められるため、ユーザーがその位置と大きさを指定できない場合が多い。図7に示した、支持誘電体スペース付レドームについては、厚さ1mmのリブが決められた一例である。
この厚さ1mmのリブを、図7のリブ28、29のように形成された場合を含め、支持誘電体スペース26、27内の各種のリブ位置に設けた場合のアンテナ特性を電磁界計算により計算したが、何れの位置にリブを設けた場合でもアンテナ特性はわずかな変化にとどまることが確認された。したがって、図7のリブ28,29の位置に限らず、支持誘電体スペース26、27の内部であれば押し出し成形の都合によって自由に決めることができる。
リブの用途は、例として押し出し成形を挙げたが、押し出し形成に限ることなく、剛性補強の目的などでリブを設けた場合にも同様にアンテナ特性の変化がわずかである。
図9は、本発明に係るアンテナ装置の第5実施例の構成を示す図であり、その断面形状を示している。図9のアンテナ装置は、ホーンアンテナ10Aと、そのホーンアンテナからの電磁波放射方向である前方の中心位置に設けられた誘電体から構成された誘電体遅波回路20Aとを備えている。この図9では、やはり、ホーンアンテナ10Aと誘電体遅波回路20Aとが紙面方向に延長されている。
誘電体遅波回路20Aは、基本的に図1のものと同じものでよい。また、誘電体遅波回路20Aは、また図5〜図7の実施例にて示したと同様の構造とすることができる。
ホーンアンテナ10Aは、金属製のホーン11Aと、このホーン11Aの基部に設けられた波源としてのスロット導波管12を有している。このスロット導波管12の一面に設けられたスロット13から電磁波が放出される。
この実施例では、スロット導波管からの電磁波送出方向の中心軸上Mに所定長さの第1金属板15−1が設けられているとともに、中心軸とホーン11Aの上端側との間に第2金属板15−2が電磁波送出方向に設けられ、また、中心軸とホーン11Aの下端側との間に第3金属板15−3が電磁波送出方向に設けられている。これらの金属板15−1〜15−3の厚さは、薄ければ薄いほど良いが、工作精度、変形防止、位置の固定が可能な範囲の厚さに設定される。また、金属板15−1〜15−3の長さ及び位置は、ホーン11Aの開口面での所望される位相面特性に応じて適宜決定される。
ホーンアンテナ10Aの開口面での電磁波の位相面が、金属板15−1〜15−3の存在する位置及び上端部並びに下端部位置で遅れ、且つそれらの各中間点において進んでいるように滑らかに変化する。図9のホーンアンテナ10Aの開口面での電磁波の位相面は、図1のホーンアンテナ10の開口面での電磁波の位相面に比して、より平面波に近いものとなる。この位相面が、誘電体遅波回路20A(即ち、主誘電体部材21A)によって調整されて、さらに平面波に近い位相面が得られる。
なお、誘電体遅波回路20Aを除去して、図1のホーンアンテナ10や図9のホーンアンテナ10Aのみを用いて、アンテナ装置としても良い。この場合でも、小型で且つアンテナ特性がある程度改善されたアンテナ装置として使用可能である。
本発明に係るアンテナ装置の第1実施例の構成を示す図 本発明のアンテナ装置の作用について説明する図 本発明の準平面波と対比するための、円筒波の位相面を示す図 図1によるアンテナ特性を示す図 本発明に係るアンテナ装置の第2実施例の構成を示す図 本発明に係るアンテナ装置の第3実施例の構成を示す図 本発明に係るアンテナ装置の第4実施例の構成を示す図 図7によるアンテナ特性を示す図 本発明に係るアンテナ装置の第5実施例の構成を示す図
符号の説明
10、10A ホーンアンテナ
11,11A ホーン
12 スロット導波管
13 スロット
15、15−1〜15−3 金属板
20A,20B,20C,20D 誘電体遅波回路
21A、21B、21C、21D 主誘電体部材
22,23 支持誘電体部材
24,25 副誘電体部材
26,27 支持誘電体スペース
28,29 リブ

Claims (3)

  1. ホーンの基部にスロット導波管が設けられ、上下中央位置で電磁波放射方向に所定長の金属板を設けたホーンアンテナと、
    該ホーンアンテナの前方中心位置に断面四辺形状で中空であり、上下方向の寸法が放射される電磁波の1波長に相当し且つ前後方向の寸法が放射される電磁波の半波長に相当する寸法である、主誘電体部材と、
    前記主誘電体部材を前記ホーンの上端部に支持する上側支持誘電体部材と、前記主誘電体部材を前記ホーンの下端部に支持する下側支持誘電体部材と、を備えることを特徴とする、アンテナ装置。
  2. ホーンの基部にスロット導波管が設けられるとともに、前記ホーンの開口面での電磁波の位相面が、上下中央位置及び上端部並びに下端部位置で遅れ、且つ前記上下中央位置と上記上端部位置間及び前記上下中央位置と上記下端部位置間で進んでいるように滑らかに変化するホーンアンテナと、
    該ホーンアンテナの前方中心位置に断面四辺形状で中空であり、上下方向の寸法が前記開口面での電磁波の位相面が前記上下中央位置と上記上端部位置間で最も進んでいる第1位置及び前記上下中央位置と上記下端部位置間で最も進んでいる第2位置との間隔に相当し且つ前後方向の寸法が放射される電磁波の半波長に相当する寸法である、主誘電体部材と、
    前記主誘電体部材を前記ホーンの上端部に支持する上側支持誘電体部材と、前記主誘電体部材を前記ホーンの下端部に支持する下側支持誘電体部材と、を備えることを特徴とする、アンテナ装置。
  3. 前記上側支持誘電体部材との間或いは前記上側支持誘電体部材及び前記主誘電体部材の上辺との間で断面菱形形状を形成する上側副誘電体部材と、前記下側支持誘電体部材との間或いは前記下側支持誘電体部材及び前記主誘電体部材の下辺との間で断面菱形形状を形成する下側副誘電体部材とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
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