JP4507712B2 - 有機性廃液の嫌気性消化処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機性廃液を嫌気性消化する装置に係り、特に、有機性廃液の消化効率を高めて汚泥を大幅に減量化するための有機性廃液の嫌気性消化処理装置に関する。
有機性汚泥、し尿、食品工場廃水等のスラリー状の高濃度有機性汚泥を嫌気性微生物の存在下に消化処理して減量化する方法は、古くから行われている。しかし、従来の嫌気性消化処理法は、10日間以上という長時間の滞留時間を必要とするにもかかわらず、その消化率(有機成分の除去率)は35〜50%に留まり、汚泥の減量率が低いという問題点がある。
こうした問題点を解消するために、特開平9−206785号公報には、有機性廃液を嫌気性消化槽において嫌気性消化処理した後、消化汚泥を固液分離して分離液を処理水として放流し、分離汚泥(濃縮汚泥)を嫌気性消化槽に返送し、また、消化汚泥の一部をオゾン処理することにより改質して嫌気性消化槽に返送する有機性廃液の嫌気性消化方法が記載されている。この方法では、消化汚泥を固液分離して分離汚泥を嫌気性消化槽1に返送することにより嫌気性微生物の滞留時間を確保すると共に、消化汚泥の他の一部をオゾン処理して易生物分解性に改質した後嫌気性消化槽に返送することにより、嫌気性微生物の基質として再び分解させて、消化率(汚泥の減量率)を高めることができる。
この方法では、嫌気性微生物の滞留時間を長く維持しながらオゾン処理により改質する消化汚泥(嫌気性微生物を含む消化汚泥)の量を多くするために、嫌気性消化槽内の汚泥濃度を、従来の一過式の嫌気性消化法での1〜2%に対して4〜8%にまで高めて運転する必要がある。
ところで、この方法において、消化汚泥の固液分離には、通常、遠心濃縮機が用いられるが、消化汚泥の遠心濃縮を効率的に行うためには、消化汚泥の濃縮倍率を高く、例えば2倍以上として運転することが好ましい。即ち、濃縮倍率が低いと、ある量の分離液を得るのに必要な遠心濃縮機の処理量が著しく増加するため、より大型の濃縮機が必要となったり、濃縮機の運転時間を長くする必要があったり、凝集剤がより多く必要になったりする。また、濃縮機による濃縮を所望の濃縮倍率に調整するには、高度の運転技術を要し、また条件変動があると安定して所望の濃度に濃縮することができないという課題もあり、この点からも、濃縮機による濃縮は、濃縮機の性能に見合った高濃度倍率で行うことが好ましい。一方で、消化汚泥は比較的濃縮され易いため、濃縮によりTS濃度10%以上の高濃度汚泥を得ることができる。
ところが、濃縮倍率を高くして濃縮汚泥の濃度を高めると、汚泥の粘性は汚泥濃度に対して指数関数的に増加するため、濃縮汚泥の粘性が著しく増加してしまう。その結果、濃縮汚泥を嫌気性消化槽に返送することが困難になったり、濃縮汚泥移送のためのポンプとして動力(吐出圧)の大きいものが必要となったり、返送した濃縮汚泥を嫌気性消化槽内で十分に分散させることができなくなり、消化処理の効率が低下したりする課題があった。
特に、消化汚泥の可溶化処理を併用する方法では、前述の如く、嫌気性消化槽内の汚泥濃度を4〜8%と通常の嫌気性消化法の場合よりも高めて運転する必要があり、このように、嫌気性消化槽内の汚泥濃度を4〜8%にまで高めた場合、濃縮倍率を例えば2倍以上に高くすると、濃縮汚泥の濃度は8〜16%以上と非常に高いものとなる結果、濃縮汚泥の粘性は著しく高いものとなり、濃縮汚泥の嫌気性消化槽への返送、返送された濃縮汚泥の嫌気性消化槽内での分散はより一層困難となる。
また、嫌気性消化槽の消化汚泥中には硫化物や二価の鉄、マンガンなど還元性の無機物が含まれているため、消化汚泥をオゾン処理により改質する際、難分解性の有機成分の改質に用いられるべきオゾンが、これらの還元性無機物の酸化に消費されてしまうという課題もあった。
更に、消化汚泥中の有機成分は、改質及び消化の循環処理により分解、減量されるのに対し、汚泥中の無機成分は減量されないため、嫌気性消化槽内に蓄積し、汚泥濃度を上昇させるという課題もあった。汚泥濃度が上昇すると汚泥の粘性が高まり、嫌気性消化槽の攪拌、消化汚泥の改質、固液分離などに支障が生じる。そのため、嫌気性消化槽内の汚泥濃度を一定範囲に維持するように、嫌気性消化槽内の汚泥を引き抜いて汚泥を排出するが、その際、分解されない無機成分だけでなく、本来分解されうる有機成分まで系外に排出することになり、このことが、消化率(汚泥の減量率)のより一層の向上を阻む原因となっている。
特開平9−206785号公報
本発明は、前記従来の課題を解決して、消化汚泥の可溶化及び可溶化汚泥の返送と、消化汚泥の濃縮及び濃縮汚泥の返送とを行って嫌気性消化処理するに当たり、消化汚泥の濃縮倍率を高くして効率的な濃縮を行いつつ、濃縮汚泥の返送を円滑に行うと共に、返送した濃縮汚泥を嫌気性消化槽内で十分に分散させて効率的な消化を行うことにより、汚泥の減量率を高くする有機性廃液の嫌気性消化処理装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、消化汚泥の可溶化手段としてのオゾン処理におけるオゾン利用率を高め、効率的な汚泥の改質を行うことができる有機性廃液の嫌気性消化処理装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、系内の無機成分の蓄積を防止して消化効率を高め、汚泥の減量率をより一層高めると共に、脱水性に優れた引抜汚泥を排出し、その処理効率、取り扱い性を高めることができる有機性廃液の嫌気性消化処理装置を提供することを目的とする。
請求項1の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、有機性廃液を嫌気性消化する嫌気性消化槽と、該嫌気性消化槽から抜き出した消化汚泥を可溶化する可溶化手段と、該可溶化手段からの可溶化汚泥を前記嫌気性消化槽に返送する返送手段と、該嫌気性消化槽から排出される消化汚泥を濃縮する固液分離手段(以下「濃縮機」と称す場合がある。)と、該固液分離手段からの濃縮汚泥を前記嫌気性消化槽へ返送する移送ポンプを有する配管と、該移送ポンプ又は該移送ポンプのサクション側において、濃縮汚泥に液体を添加する液供給手段とを有することを特徴とする。
なお、本発明において、「汚泥の可溶化」とは、微生物によって資化されにくい汚泥中の物質や汚泥細胞を変性・破壊して、微生物によって資化されやすい形態にすることを指す。
請求項2の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、請求項1において、該濃縮汚泥に添加される液体が、前記可溶化汚泥であることを特徴とする。
請求項3の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、請求項1又は2において、前記可溶化手段が酸化処理手段であることを特徴とする。
請求項4の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、請求項3において、前記酸化処理手段の前段に、前記嫌気性消化槽から抜き出した消化汚泥を曝気する曝気手段を有することを特徴とする。
請求項5の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、請求項3又は4において、前記酸化処理手段がオゾン処理手段であることを特徴とする。
請求項6の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記嫌気性消化槽から排出される消化汚泥を、凝集剤を添加することなく濃縮する遠心濃縮手段と、該遠心濃縮手段の濃縮汚泥の少なくとも一部を系外に排出する汚泥排出手段とを有することを特徴とする。
本発明の有機性廃液の嫌気性消化処理装置によれば、消化汚泥の可溶化及び可溶化汚泥の返送と、消化汚泥の濃縮及び濃縮汚泥の返送とを行って嫌気性消化処理するに当たり、粘性の著しく高い濃縮汚泥を可溶化汚泥等で濃度調整した後、嫌気性消化槽に返送することによって、効率的な濃縮を行いつつ濃縮汚泥を効率的に返送し、かつ、嫌気性消化槽内で十分に分散させて効率的な消化を行い、汚泥を高度に減量することができる。
即ち、本発明では、消化汚泥を濃縮し、濃縮汚泥を嫌気性消化槽に返送することにより、HRT(水理学的滞留時間)はそのままで、嫌気性消化槽のSRT(固形物滞留時間)を長く確保して高い消化効率及び減量率を得ることができる。また、消化汚泥を可溶化して易生物分解性とし、可溶化汚泥を嫌気性消化槽に返送することにより、汚泥の減量率をより一層高めることができる。
このような消化汚泥の可溶化を行う嫌気性消化槽内の汚泥濃度は高く設定される。従って、この比較的高濃度の消化汚泥を濃縮して得られる濃縮汚泥は、ペースト状ないし粘性の非常に高い液状であり、ポンプで移送するにはポンプ吐出圧が極めて大きくなり、実現困難である。しかも、このような高粘性の濃縮汚泥は嫌気性消化槽内で分散し難く、このことが消化効率の低下につながる。一方で、前述の如く、ポンプでの移送可能な程度に適度に濃縮を行うことは困難であり、また、濃縮機の効率も悪くなる。
本発明では、ポンプによる移送性を考慮することなく消化汚泥を濃縮し、得られた高粘性の濃縮汚泥に液体を混合することによりポンプ移送が容易な濃度に希釈して濃度調整する。
本発明において、この濃縮汚泥の濃度調整位置が移送ポンプ又は移送ポンプのサクション側であることは極めて重要であり、このように移送ポンプ又は移送ポンプのサクション側で所定の濃度に濃度調整することにより、この移送ポンプにより容易に移送することが可能となる。
これに対して、例えば、濃縮汚泥を嫌気性消化槽の入口側で原汚泥と混合して希釈しようとしても、原汚泥の導入側まで濃縮汚泥を移送することが困難であるため、移送性の改善を図ることはできない。
本発明では、濃縮汚泥を移送ポンプ又は移送ポンプのサクション側でポンプ移送に適当な濃度に濃度調整して効率的に嫌気性消化槽に返送すると共に、嫌気性消化槽においてこの返送汚泥を均一に分散させて効率的な嫌気性消化処理を行うことができる。
なお、嫌気性消化処理の対象となる有機性廃液の窒素分が多い場合には、嫌気性消化処理の過程で液側に移行するアンモニアによって嫌気性消化反応が阻害され、処理効率が低下することがあるため、有機性廃液を予め希釈するなどして嫌気性消化槽の有機物負荷を下げる必要があるが、本発明のように、消化汚泥を濃縮してアンモニアを含む分離液を系外に引き抜き、濃縮汚泥をアンモニアの少ない他の廃液で希釈して嫌気性消化槽に返送することによって、有機物負荷を下げることなく、嫌気性消化処理を行うことができる。
請求項2の有機性廃液の嫌気性消化処理装置によれば、濃縮汚泥の濃度調整のための希釈用液体として、可溶化汚泥を用いることにより、より一層効率的な処理を行える。即ち、可溶化処理により汚泥の粘性が低下するため、可溶化汚泥は、濃縮汚泥の希釈に有効である。この場合には、希釈用液体自体も処理対象であるので、消化効率が向上する。これに対して、例えば、希釈用液体として水を加えた場合には、消化効率を高めるべく再度濃縮が必要になるが、可溶化汚泥を使用すれば濃縮の必要もなくなる。しかも、可溶化汚泥と濃縮汚泥とは前もって混合された後嫌気性消化槽に返送されることにより、可溶化汚泥と濃縮汚泥とがより均一に混合、分散され消化が促進される。
請求項3の有機性廃液の嫌気性消化処理装置によれば、酸化処理により、消化汚泥を効率的に可溶化することができる。
請求項4の有機性廃液の嫌気性消化処理装置によれば、酸化処理手段に導入する消化汚泥を予め曝気手段で曝気することにより、消化汚泥中に含まれる還元性無機物を酸化し、例えば、後段の酸化処理手段としてのオゾン処理手段において、オゾンがこの還元性無機物の酸化に消費されることを防止し、オゾンの利用率を高め、可溶化処理効率を高めることができる。
請求項5の有機性廃液の嫌気性消化処理装置によれば、可溶化手段としてオゾン処理手段を採用することにより、次のような効果が奏される。即ち、オゾン処理後の可溶化汚泥は粘度が小さいため、流動性を確保しつつ、均一な状態で嫌気性消化槽に返送することができる。そして、均一状態で嫌気性消化槽に返送するので、嫌気性消化槽での消化効率が上がる。また、可溶化のために、過マンガン酸カリウムなどの薬剤を添加する場合には系内に二酸化マンガン等が残留し、また、薬注設備が必要となるが、オゾンは、消費された後は酸素となるため系内に残らず、薬注設備も不要である。
請求項6の有機性廃液の嫌気性消化処理装置によれば、消化汚泥に凝集剤を添加することなく遠心濃縮して得られた濃縮汚泥を系外に排出することにより、有機成分に比べて比重の大きい無機成分を優先的に系外へ排出することができ、系内の無機成分の蓄積を防止して消化効率を高めることができる。また、無機成分を多く含む汚泥は脱水性に優れることから、含水率の低い脱水ケーキを得ることができ、その容量の低減で運搬、処分等の取り扱い性が良好となる。
以下に図面を参照して本発明の有機性廃液の嫌気性消化処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1,2は本発明の有機性廃液の嫌気性消化処理装置の実施の形態を示す系統図である。図1,2において、同一機能を奏する部材には、同一符号を付してある。
[図1の有機性廃液の嫌気性消化処理装置]
図1において、有機性汚泥(有機性廃液)は嫌気性消化槽1に導入され嫌気性消化処理される。この嫌気性消化槽1の消化汚泥の一部を引き抜き、濃縮機2で濃縮する。また、嫌気性消化槽1の他の一部を引き抜いて、可溶化手段としてのオゾン処理装置5で可溶化する。可溶化汚泥の少なくとも一部は混合槽3に送給し、残部は嫌気性消化槽1に返送する。濃縮機2で濃縮された濃縮汚泥は混合槽3に送給してオゾン処理装置5からの可溶化汚泥と混合して濃度調整し、ポンプ移送に好適な濃度に希釈した汚泥を移送ポンプ4により嫌気性消化槽1に返送する。
本発明において処理の対象となる有機性廃液は、嫌気性消化処理によって減量化される有機物を含有する廃液であり、固形物を含むスラリー状のものでも、固形物を含まない液状のものでも良い。また、難生物分解性の有機物、無機物、セルロース、紙、綿、ウール、布、し尿中の固形物などが含有されていても良い。このような有機性廃液としては下水、下水初沈汚泥、し尿、浄化槽汚泥、食品工場の排水や残渣、ビール廃酵母、その他の産業廃液、これらの廃液を処理した際に生じる余剰汚泥等の有機性汚泥が挙げられる。
嫌気性消化槽1では、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下に、このような有機性廃液をメタン発酵させて処理する。嫌気性微生物を含む汚泥は酸生成菌とメタン生成菌を含む。嫌気性消化工程において有機性物質は嫌気性微生物により液化→低分子化→有機酸生成→メタン生成のステップによりメタンガスに転換され、処理される。
嫌気性消化の条件としては、35℃付近に最適温度がある中温メタン生成菌、及び55℃付近に最適温度を有する高温メタン生成菌が増殖するいずれの温度条件も可能である。中温メタン生成菌は増殖が遅いためSRTを長くする、即ち、嫌気性消化槽を大きくする必要があるが、比較的低温での処理が可能なため加温及び保温のための設備を簡易にすることができる。これに対し、高温メタン生成菌の場合は加温及び保温の設備が必要になるが、増殖が速いためSRTが短くて良く、嫌気性消化槽を小さくすることができる。
中温メタン生成菌を主体とする場合は嫌気性消化槽での汚泥のSRTは10日以上、好ましくは15〜50日程度必要である。これに対して高温メタン生成菌を主体とする場合は前記範囲よりも短いSRT(2日以上)とすることも可能である。
有機物負荷は0.2〜3.0kg−TVS/m・日、好ましくは0.4〜0.8kg−TVS/m・日、嫌気性消化槽内のTS濃度は1〜10%、好ましくは3〜6%、温度は30〜38℃又は45〜60℃の条件で嫌気性消化処理を行うことができる。
消化汚泥を濃縮するための濃縮機2としては、消化汚泥を固液分離して濃縮することができるものであれば良く、特に制限はないが、遠心濃縮機、浮上濃縮機、スクリュープレス濃縮機、濾布型濃縮機などを用いることができる。また、沈殿槽、膜分離装置、濾過装置などの固液分離装置を用いることもできる。
この消化汚泥の濃縮に当っては、消化汚泥に凝集剤、好ましくは高分子凝集剤を添加して消化汚泥中のSS分を凝集させることにより、濃縮倍率を高め、清澄な分離液を得ることができる。凝集剤としては消化汚泥の濃縮、脱水に一般的に用いられる公知のものが適用できるが、添加量が少なくて済むことからカチオン系の高分子凝集剤が良い。高分子凝集剤は、水道水、工業用水、下水二次処理水等に好ましくは0.2〜0.4重量%程度の濃度に溶解して添加され、その添加率は消化汚泥のSS当たり0.05〜1.5重量%とすることが好ましい。消化汚泥に凝集剤を添加する場合、凝集剤は消化汚泥の移送ラインに注入しても良く、濃縮機に添加しても良く、また、別途凝集槽を設けて凝集処理しても良い。
濃縮機2における消化汚泥の濃縮の程度は、用いる濃縮機の性能にもよるが、通常TS(固形物)濃度3〜6%程度の消化汚泥を、8〜20%程度のペースト状ないし高粘性の液状に濃縮するのが好ましい。
濃縮機2からの濃縮汚泥は、必要に応じてその一部を引抜汚泥(余剰汚泥)として系外に排出し、脱水、焼却、埋め立て、コンポスト化等の処分を行っても良い。排出する引抜汚泥の粘性が高い場合には、希釈用液体で薄めて排出すると、排出ポンプの動力が少なくて済む。この希釈用液体としては処理水(濃縮機2の分離液)や他の有機性廃液の生物処理水等を用いることができる。
この汚泥の引き抜きは、嫌気性消化槽1の汚泥(TS)濃度を3〜10%に維持するように行うのが好ましい。
引抜汚泥は嫌気性消化槽1から直接排出してもよい。
また、濃縮機2の濃縮分離液は処理水としてそのまま下水道等へ放流することができるが、好気性生物処理、その他の後処理を行った後放流しても良い。
また、この濃縮分離液にはアンモニア、リンなどが高濃度に含まれるため、その移送配管中にリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶などが析出し、配管を閉塞させることがある。この場合には、濃縮分離液に水道水、工業用水、下水二次処理水などを導入することによってそれらの濃度を下げ、析出を防ぐことができる。
オゾン処理装置5では、嫌気性消化槽1からの消化汚泥をオゾンと接触させることにより可溶化する。このオゾン処理装置5におけるオゾンとの接触方法としては、オゾン処理槽に消化汚泥を導入してオゾンを吹き込む方法、機械攪拌による方法、充填層を利用する方法などが採用できる。オゾンとしてはオゾン化酸素、オゾン化空気などのオゾン含有ガスの他、オゾン含有水などが使用でき、オゾンの使用量は通常オゾン処理される消化汚泥のVSSあたり0.01〜0.08g−O/g−VSS、好ましくは0.02〜0.05g−O/g−VSSである。
このようなオゾン処理を行うことにより、消化汚泥中の菌体は死滅し、その他の有機物と共に易生物分解性に改質される。また、その際、汚泥の粘性が著しく低下する。オゾン処理装置5で可溶化された可溶化汚泥は一部又は全部が混合槽3に送給され、残部(可溶化汚泥の一部を混合槽3に送給する場合)は嫌気性消化槽1に返送される。
混合槽3では、濃縮機2からの濃縮汚泥にオゾン処理装置5からの可溶化汚泥を添加して濃度調整する。この濃縮汚泥の濃度調整に用いる希釈用液体としては、可溶化汚泥の他、消化汚泥、原汚泥の有機性汚泥(有機性廃液)、処理水(濃縮機2の分離液)、工業用水、上水、下水二次処理水、その他、他系統の廃液や生物処理水等を用いることもできるが、好ましくは可溶化汚泥を用いる。濃縮汚泥のTS濃度は通常8〜20%であり著しく高粘性であるが、可溶化汚泥のTS濃度は通常3〜6%である上に、可溶化処理により更に粘性が低下しているため、このような可溶化汚泥により、濃度汚泥を効率的に希釈することができる。
濃縮汚泥の濃度調整には、必ずしも混合槽を設ける必要はなく、濃縮汚泥の移送配管において、移送ポンプのサクション側或いは移送ポンプに希釈用液体を注入するのみでも良い。しかし、濃縮汚泥の粘性が高い場合には、図1に示す如く、混合槽3を設け、機械的に混合することが好ましい。この混合手段としては、撹拌機、ガスの吹き込み、スタティックミキサー等を用いることができる。
濃縮汚泥の濃度調整のための混合槽3の滞留時間は1分〜6時間程度で良いため、混合槽3の容積は小さくて足りる。また、濃縮汚泥を直接嫌気性消化槽に投入して消化汚泥や原汚泥と混合する場合に比べ、この混合槽3における混合のために必要な動力は著しく小さくて済む。
濃縮汚泥の濃度調整の程度は、例えば一段のモノポンプで円滑に移送が行える程度で良く、一般的には移送ポンプ4の吐出圧が0.4MPa以下となるように、TS濃度で6〜12%、例えば8%程度に濃縮することが好ましい。
図1の装置では、濃縮機2で濃縮された濃縮汚泥が混合槽3に投下され、この濃縮汚泥が可溶化汚泥によって濃度調整される。このようにして濃度調整された汚泥は移送ポンプ4により効率的に嫌気性消化槽1に返送することができ、また、嫌気性消化槽1内で容易に分散することにより、効率的に嫌気性消化処理される。
濃度調整後の汚泥の移送のための移送ポンプ4としては特に制限はないが、モノポンプ、ホースポンプ等を用いることができる。
本発明では、このように嫌気性消化槽1内の消化汚泥の一部を引き抜いて濃縮機2で濃縮し、濃縮汚泥を濃度調整して嫌気性消化槽1に返送することにより、HRTを変えることなくSRTを長くすることができ、これにより汚泥減量率を低減することができる。
濃縮のための嫌気性消化槽1からの消化汚泥の引き抜き量は特に制限はないが、嫌気性消化槽1内の保有汚泥の1/30〜1/10程度を引き抜いて、濃縮、濃度調整した後循環させることにより、SRTを、このような汚泥循環を行わない場合の少なくとも3倍程度以上に延長することができ、難生物分解性の有機性廃液であっても、汚泥の減量化を促進させることができる。
また、可溶化のために嫌気性消化槽1から引き抜く消化汚泥量は、可溶化による減量効果を十分確保するために、消化汚泥中に含まれる有機固形物(VSS)の量として、嫌気性消化槽1に導入される有機固形物(VSS)量の1/3〜5倍、好ましくは1/2〜2倍に相当する量とするのが好ましい。また、一日当たりに可溶化処理する消化汚泥量は嫌気性消化槽1の全保有有機固形物(VSS)量の1/10以下、好ましくは1/100〜1/15、より好ましくは1/50〜1/30に相当する量とするのが好ましい。一日当たりの可溶化処理量をこのような量にすることにより、嫌気性消化処理に必要な微生物量を嫌気性消化槽1で保持することができ、嫌気性消化処理の効率を高く保つことができる。
なお、図1では、可溶化手段としてオゾン処理装置を用いているが、本発明において、可溶化処理は、何らオゾン処理装置に限定されず、汚泥細胞を変性、破壊して微生物によって資化されやすい形態に可溶化することができるものであれば良く、通常汚泥の可溶化方法として知られている任意の方法を採用することができ、オゾン処理の他、例えば過酸化水素等の酸化力の強い酸化剤や、酸、アルカリなどによる化学的処理、超音波処理、ミルによる磨砕のような物理的処理、熱的処理等の各種の方法を単独で或いは2種以上を組み合わせて採用することができる。
また、可溶化処理は、嫌気性消化槽から引き抜いた消化汚泥に対して行う他、この消化汚泥を濃縮して得られた濃縮汚泥の一部又は全部に対して行っても良い。
なお、濃縮機や混合槽は、大気と遮断した状態で運転するのが好ましく、例えば、濃縮機を密閉状態にして濃縮することにより、汚泥と酸素との接触を制限すると、嫌気性菌を生かしたまま嫌気性消化槽に返送でき、嫌気性消化槽の生菌数保持、増加が容易となり、消化効率を向上させることができる。
また、嫌気性消化槽で発生する消化ガス(メタンガス)を有効利用して、消化槽の加温や、可溶化手段や濃縮機等に必要な動力の一部又は全部を賄うことも好ましい。
[図2の有機性廃液の嫌気性消化処理装置]
図2の有機性廃液の嫌気性消化処理装置は、混合槽3を省略し、オゾン処理装置5からの可溶化汚泥を移送ポンプ4のサクション側に注入して濃縮機2からの濃縮汚泥と混合するようにした点、オゾン処理装置5の前段に前曝気槽6を設け、消化汚泥を予め前曝気槽6で曝気処理した後オゾン処理するようにした点、嫌気性消化槽1の消化汚泥を引き抜き遠心濃縮機7で濃縮し、濃縮汚泥を引抜汚泥として系外へ排出し、分離液を移送ポンプ4のサクション側に注入するようにした点、が図1の有機性廃液の嫌気性消化処理装置と異なり、その他は同様の構成とされている。
前曝気槽6の処理条件としては、特に制限はないが、消化汚泥中の還元性無機物の空気酸化を効率良く行わせる観点から、曝気空気を0.2〜1.0m/m・minの条件で吹き込み、滞留時間5分〜8時間程度で曝気処理することが好ましい。このような前曝気槽6をオゾン処理装置5の前段に設けることにより、消化汚泥中の還元性無機物を予め酸化処理し、オゾン処理装置5でのオゾン処理による汚泥の可溶化効率を高めることができる。
なお、この前曝気槽6の曝気空気として、オゾン処理装置5からの排オゾンガスを用いると、排ガスを有効利用して消化汚泥中の還元性無機物の酸化をより一層効率的に行うことができる。特に、オゾンとしてオゾン化酸素を用いた場合には、排ガスの酸素濃度が高いため、効果的である。
このような前曝気槽6を設けることにより、オゾン処理装置5におけるオゾン使用量を低減することができ、例えば、オゾン処理装置5に導入される消化汚泥に対して0.01〜0.04kg−O/kg−VSSとして、汚泥を効率的に可溶化処理することが可能となる。
遠心濃縮機7へは、嫌気性消化槽1内の汚泥濃度を前述の好適範囲に維持するための必要量の消化汚泥が、凝集剤が添加されることなく導入され、遠心濃縮される。この凝集剤無添加の消化汚泥を遠心濃縮することにより、消化汚泥中の無機成分が優先的に濃縮される。この濃縮汚泥を系外へ引き抜くことにより、無機成分を優先的に系外へ排出し、系内の無機成分の蓄積を防止して消化効率を高めることができる。
この引抜汚泥は、脱水、焼却、埋め立て、コンポスト化等で処分される。なお、この引抜汚泥は無機成分含有量が多く、脱水性に優れ、含水率の低い脱水ケーキとなるため、取り扱いに有利である。
図2の有機性廃液の嫌気性消化処理装置において、その他の処理条件や、代替し得る手段等は、図1の有機性廃液の嫌気性消化処理装置について前述した説明と同様である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
下水の初沈汚泥と余剰汚泥を35℃の下、一過式で嫌気性消化した。嫌気性消化槽の容積は1,100m、TVS負荷は0.65kg/m・日、HRTは45日(1日当たりの投入汚泥量は24.4m)。投入汚泥濃度(TS濃度。以下同様)3.5%(TVS/TS比83%)に対し、消化汚泥濃度は1.6%(TVS/TS比73%)であり、消化率(TVSの減量率)は60%であった。この嫌気性消化槽による嫌気性消化処理に当たり、嫌気性消化槽内汚泥を固液分離して濃縮汚泥を返送することによって汚泥滞留時間を増加させると共に、槽内汚泥を可溶化処理して返送することにより、減量率を高めることを試み、固液分離手段として遠心濃縮機を用いた。また、可溶化手段としてオゾン処理装置を用いた。
槽内汚泥を1.0m/hrでオゾン処理装置に送り、オゾン使用量0.03kg−O/kg−VSSとなるようにオゾンと反応させた。また、投入汚泥量の15%に相当する3.7mの槽内汚泥を引き抜き、残り85%に相当する分を、槽内汚泥を遠心濃縮した際の分離液として系外に排出した。遠心濃縮は、槽内汚泥を2.0m/hrで遠心濃縮機に供給して、遠心強度2,100G、差速15min−1のもと、0.2重量%に溶解したカチオン系高分子凝集剤をSS当たり0.6重量%添加しながら行った。このとき、濃縮汚泥濃度は12%、SS回収率は95%以上であった。遠心濃縮機から濃縮汚泥受槽(混合槽)に排出された濃縮汚泥をモノポンプで嫌気性消化槽に返送しようとしたところ、モノポンプの圧力が0.8MPaに達し、ポンプがトリップしてしまい、汚泥を返送することができなかった。
そこで、以下の実施例及び比較例の処理を行った。
実施例1
濃縮汚泥を混合槽に投入すると共に、この混合槽にオゾン処理により可溶化した汚泥の一部を導入して、攪拌機で緩やかに攪拌しながら混合したところ、混合槽内の汚泥濃度は3.6%となり、モノポンプの圧力は0.12MPaにまで低下したため、速やかに嫌気性消化槽に返送することができた。
このような運転を1年間継続したときの嫌気性消化槽内の汚泥濃度、及び固形分の収支及び消化ガスの発生量から求めた消化率の推移を図3に示す。図3に示されるように、運転開始5ヶ月め以降、槽内のTVS濃度は2.3%前後で推移するようになり、80%以上の消化率が継続して得られた。槽内汚泥濃度が4.6%まで増加したのに応じてオゾン処理汚泥と混合後の濃縮汚泥濃度は7.2%にまで増加したが、モノポンプの圧力は0.3MPa以下で、無理なく返送することができた。
比較例1
モノポンプで圧送できる程度に圧力を下げるため、遠心濃縮の条件を変更した。遠心強度を1,000Gまで下げ、凝集剤添加率を0.2重量%まで下げたところ、濃縮汚泥濃度は7%程度となり、モノポンプの圧力は0.3MPaまで低下し、嫌気性消化槽に返送することができるようになった。しかし、このときのSS回収率は70%であり、分離液側に汚泥が流出した。
このような運転を1年間継続したときの嫌気性消化槽内汚泥濃度、及び消化率の推移を図4に示す。図4に示されるように、SS回収率が低かったため、運転を継続しても槽内汚泥濃度を高めることができず、消化率を70%以上に高めることはできなかった。
実施例2
嫌気性消化槽からの消化汚泥を4.0m/hrで遠心濃縮し、下水二次処理水を1.0m/hrで混合槽に導入し、攪拌機で緩やかに攪拌して混合したこと以外は実施例1と同様に処理を行ったところ、濃縮汚泥返送用のモノポンプの圧力は0.2MPaにまで低下し、嫌気性消化槽に速やかに返送することができた。
このような運転を継続したときの嫌気性消化槽内汚泥濃度、及び消化率の推移を図5に示す。図5に示されるように、運転開始5ヶ月後に槽内TS濃度が3.7%を超えるようになると、遠心濃縮機の固形物負荷量が高くなりすぎて運転することができなくなった。そこで、槽内汚泥の引き抜き量を投入汚泥量の25%に相当する6m/日に増加させたところ、槽内TS濃度は3.7%前後で推移し、運転を継続することができ、消化率は78%まで向上した。
以下に、オゾン処理による可溶化効果と、凝集剤無添加での遠心濃縮による無機成分の優先的排出効果を示す実験例を挙げる。
実験例1
消化汚泥をオゾン反応率0.03kg−O/kg−VSSでオゾン処理したときの、オゾン処理前後の汚泥の性状を調べ、結果を表1に示した。
Figure 0004507712
表1より明らかなように、オゾン処理の前後で、TS、VS、全CODCr濃度は殆ど変らなかったが、SS、VSS濃度はオゾン処理前に比べ1割弱減少し、溶解性CODCr、全BOD濃度が増加した。この結果から、オゾン処理により、汚泥中のVSS成分の一部が可溶化して溶解性成分に転換され、生物分解されやすくなったことが分かる。
実験例2
消化汚泥(TS5%)に、高分子凝集剤として下水二次処理水に0.2重量%濃度に溶解したポリメタクリル酸エステル系ポリマーを、SS当たり0.5重量%添加してデカンタ型遠心濃縮機に4m/hrで供給し、遠心強度2100Gで遠心濃縮した場合、得られる濃縮汚泥と濃縮分離液の濃度(TS)及び量は表2に示す通りであった。
また、この消化汚泥を凝集剤無添加で同条件で遠心濃縮した場合、得られる濃縮汚泥と濃縮分離液の濃度(TS)及び量は表2に示す通りであった。
Figure 0004507712
次に、濃度の異なる数種類の消化汚泥について、凝集剤無添加で上記と同様にして遠心濃縮を行い、遠心濃縮機への供給汚泥のTVS/TS比と排出汚泥(濃縮汚泥と上澄汚泥(濃縮分離液))のTVS/TS比との関係を調べ、結果を図6に示した。
図6より明らかなように、濃縮汚泥のTVS/TS比は供給汚泥のTVS/TS比より0.02〜0.04低くなっているのに対し、上澄汚泥では0.03程度高くなっていた。この結果から、濃縮汚泥側に無機成分が優先的に濃縮されたことが分かる。
また、各々の濃縮汚泥及び供給汚泥をそれぞれベルトプレス脱水機で同条件(濾過速度、濾布圧、凝集剤添加率)の下、脱水したところ、得られた脱水ケーキの含水率はいずれも、濃縮汚泥の脱水ケーキの方が供給汚泥の脱水ケーキより5%程度低くなっており、同じ固形物量で比較した場合、濃縮汚泥の脱水ケーキでは、供給汚泥の脱水ケーキに比べて脱水ケーキ量は15〜20%減少した。この結果から、凝集剤無添加の遠心濃縮で得られた無機成分含有量の多い濃縮汚泥は脱水性に優れることが明らかである。
本発明の有機性廃液の嫌気性消化処理装置の実施の形態を示す系統図である。 本発明の有機性廃液の嫌気性消化処理装置の他の実施の形態を示す系統図である。 実施例1における嫌気性消化槽内の汚泥濃度及び消化率の経時変化を示すグラフである。 比較例1における嫌気性消化槽内の汚泥濃度及び消化率の経時変化を示すグラフである。 実施例2における嫌気性消化槽内の汚泥濃度及び消化率の経時変化を示すグラフである。 実験例2で求めた供給汚泥のTVS/TS比と排出汚泥(濃縮汚泥と上澄汚泥(濃縮分離液))のTVS/TS比との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 嫌気性消化槽
2 濃縮機
3 混合槽
4 移送ポンプ
5 オゾン処理装置
6 前曝気槽
7 遠心濃縮機

Claims (6)

  1. 有機性廃液を嫌気性消化する嫌気性消化槽と、
    該嫌気性消化槽から抜き出した消化汚泥を可溶化する可溶化手段と、
    該可溶化手段からの可溶化汚泥を前記嫌気性消化槽に返送する返送手段と、
    該嫌気性消化槽から排出される消化汚泥を濃縮する固液分離手段と、
    該固液分離手段からの濃縮汚泥を前記嫌気性消化槽へ返送する移送ポンプを有する配管と、
    該移送ポンプ又は該移送ポンプのサクション側において、濃縮汚泥に液体を添加する液供給手段と
    を有することを特徴とする有機性廃液の嫌気性消化処理装置。
  2. 請求項1において、該濃縮汚泥に添加される液体が、前記可溶化汚泥であることを特徴とする有機性廃液の嫌気性消化処理装置。
  3. 請求項1又は2において、前記可溶化手段が酸化処理手段であることを特徴とする有機性廃液の嫌気性消化処理装置。
  4. 請求項3において、前記酸化処理手段の前段に、前記嫌気性消化槽から抜き出した消化汚泥を曝気する曝気手段を有することを特徴とする有機性廃液の嫌気性消化処理装置。
  5. 請求項3又は4において、前記酸化処理手段がオゾン処理手段であることを特徴とする有機性廃液の嫌気性消化処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記嫌気性消化槽から排出される消化汚泥を、凝集剤を添加することなく濃縮する遠心濃縮手段と、該遠心濃縮手段の濃縮汚泥の少なくとも一部を系外に排出する汚泥排出手段とを有することを特徴とする有機性廃液の嫌気性消化処理装置。
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