JP4506574B2 - し尿廃水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、浄化槽対応型のし尿処理装置に関するものであり、特に、脱水処理すべき余剰汚泥量を顕著に低減することが可能なし尿廃水処理装置に関する。
従来、し尿処理施設は、高濃度のし尿汚濁物を高レベルで処理することを目的としていたが、近年、家庭トイレの水洗化が急速に進み、その結果、汲み取りし尿の量が減少してきている。代わりに、農業集落廃水処理施設を代表とする合併浄化槽汚泥の量が急増しており、これに伴って、し尿処理施設には、し尿とともに浄化槽汚泥をあわせて処理することのできる浄化槽汚泥対応型の施設が求められている。このような社会的要請を受けて、数多くの浄化槽対応型し尿処理施設が提案されている。
しかしながら、このようなし尿処理施設からは、大量の余剰汚泥が発生するため、この汚泥の処理処分が現在最大の問題となっている。これらの余剰汚泥は、脱水助剤を添加した後脱水機で脱水され、その後、埋め立てあるいは焼却により処分されているのが現状である。
しかしながら、脱水汚泥を埋め立て処分する場合には、処分地の減少により処理費の高騰が問題となってくる。また、近年環境汚染を防止する観点から、し尿処理場からの汚泥を焼却処分することを禁止する指導もなされている。このため、汚泥処分の問題はさらに深刻の度合いを増している。
このような状況の中、例えば特許文献1では、従来のし尿処理施設にある硝化脱窒処理過程の前段に、生し尿と浄化槽汚泥の混合液を酸化処理する前反応手段を設け、汚泥を安定化させ、固液分離性を向上させることにより余剰汚泥の発生量を減少させることを狙いとしたシステムの提案がなされている。
しかしながら、このシステムでは、
1)前反応槽内の微生物量の制御が適切にできず、処理が不安定になることがある。
2)余剰汚泥発生量の削減効果は不十分である。
という問題があった。
特開平11−33591号公報
本発明は、前反応手段での処理が安定で、かつ余剰汚泥の削減効果に優れるし尿廃水処理装置を提供することを目的とする。
本発明のし尿廃水処理装置は、少なくとも生し尿と浄化槽汚泥とを含むし尿廃水に凝集剤を添加して酸化処理する前反応手段と、前記前反応手段で処理されたし尿廃水を上澄み液と汚泥とに固液分離する第一の固液分離手段と、前記第一の固液分離手段で分離された汚泥を脱水する脱水手段と、前記第一の固液分離手段で分離された上澄み液を硝化脱窒処理する反応手段と、前記反応手段から導入される懸濁液を汚泥と処理液とに固液分離する第二の固液分離手段と、前記反応手段で発生した汚泥を前記前反応手段または前記前反応手段の前工程に返送する第一の返送手段と、前記脱水手段の上流から前記第一の固液分離手段で分離された汚泥の少なくとも一部を前記前反応手段または前記前反応手段の前工程に返送する第二の返送手段とを具備し、前記第二の返送手段には、前記第一の固液分離手段で分離された汚泥の少なくとも一部を可溶化する汚泥可溶化処理手段が備えられていることを特徴とする。
本発明によれば、前反応手段での処理が安定で、かつ余剰汚泥の削減効果に優れるし尿廃水処理装置を提供することができる。
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るし尿廃水処理装置を説明するためのブロック図である。
このし尿廃水処理装置は、生し尿と浄化槽汚泥の両方を受け入れることができるものであり、第一の前処理手段1と、第二の前処理手段2と、前反応手段を備える前反応槽3と、第一の固液分離手段5と、硝化脱窒処理する反応手段を備える生物反応槽6と、第二の固液分離手段7と、活性炭処理手段8と、脱水手段を備える脱水機9と、汚泥可溶化処理手段を備える汚泥可溶化装置とを具備している。
生し尿が導入される第一の前処理手段1と浄化槽汚泥が導入される第二の前処理手段2とは、それぞれ前反応槽3に連通している。この前反応槽3には、凝集剤を前反応槽3内に添加するための添加手段4が設けられている。前反応槽3は、第一の固液分離手段5に連通しており、この第一の固液分離手段5は、生物反応槽6に連通している。また、この固液分離手段5は、脱水ラインL100を介して脱水機9に連通していると共に、脱水ラインL100から分岐した汚泥返送ライン(第二の返送手段)L200を介して前反応槽3にも連通している。汚泥可溶化装置は、この汚泥返送ラインL200に設けられている。
脱水機9は、生物反応槽6に連通している。生物反応槽6と前反応槽3とは、汚泥返送ライン(第一の返送手段)L300を介して連通している。また、生物反応槽6は、第二の固液分離手段7に連通しており、生物反応槽6と固液分離手段7との間には別途、汚泥返送ラインL400が設けられている。第二の固液分離手段7は、活性炭処理手段8に連通しており、活性炭処理手段8には、活性炭処理手段8を透過した処理水を排出するための処理水排出手段(図示しない)が設けられている。
第一の前処理手段1は、生し尿を導入して來雑物を除去するものであり、第二の前処理手段2は、浄化槽汚泥を導入して來雑物を除去するものである。図1では、これらの前処理手段1,2を別個に設けた例を示したが、前処理手段1,2を組み合わせて単一の手段とすることもできる。
前反応槽3では、前処理手段1,2でそれぞれ処理された生し尿と浄化槽汚泥とを含むし尿廃水を、後段の生物反応槽6での生物反応(硝化脱窒処理)に先がけて酸化処理する。具体的には、し尿廃水中に含まれる有機物を酸化分解して液粘性を低下させることによって固液分離性を向上させ、高分子有機物を酸化分解することによって悪臭の発生を抑制し、また、汚泥性状を安定化させること等を行う。本発明においては、この前反応槽3において、後に詳述する汚泥可溶化装置から導入される可溶化汚泥を酸化処理し、分解することも目的としている。
前反応槽3で用いられる凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、塩化第2鉄、ポリ鉄等の無機系凝集剤や高分子凝集剤を挙げることができる。
このとき、図1に示すように凝集剤は、添加手段4から前反応槽3に直接添加することができる。しかしながら、凝集剤の添加方法はこれに限定されるものではなく、し尿廃水処理装置には、凝集剤を添加するための凝集槽を別途設けることができる。この例を図2,3に示す。
図2に示すし尿廃水処理装置は、前反応槽3の後段に凝集槽13が具備されているものであり、この凝集槽13には凝集剤の添加手段4が備えられている。前処理手段1,2からのし尿廃水は、前反応槽3に一旦貯留された後、凝集槽13に導入され、ここで添加手段4から凝集剤が添加される。
図3に示すし尿廃水処理装置は、前反応槽3の前段に凝集槽13が具備されているものであり、この凝集槽13には凝集剤の添加手段4が備えられている。前処理手段1,2からのし尿廃水は、先ずこの凝集槽13に導入され、ここで添加手段4から凝集剤が添加された後、前反応槽3に導入される。図2,3に示すように別途凝集槽を設ける場合、凝集効果の更なる向上を狙って、複数段の凝集槽とこれに対応する添加手段を設け、各工程で異なる凝集剤を順次添加する方法を採ることもできる。
第一の固液分離手段5では、前反応槽3で酸化処理されたし尿廃水を上澄み液と汚泥とに固液分離する。第一の固液分離手段5における分離法は、例えば、通常の重力沈降式とすることができる。分離が不十分な場合、あるいは、後段にある汚泥可溶化装置の高効率化のためにさらに高濃度な汚泥を得る必要がある場合には、しかるべき固液分離手段を用いればよい。
第一の固液分離手段5に続く生物反応槽6は、主として硝化脱窒処理槽によって構成されており、固液分離手段5で分離された上澄み液を硝化脱窒処理するものである。この硝化脱窒処理槽の構成は、特には限定されない。この生物反応槽6の処理液は、懸濁液として第二の固液分離手段7に導入される。生物反応槽6には、ここで発生した汚泥を前反応槽3に返送するための返送ラインL300が設けられている。返送手段についてはこれに限定されるものではなく、前反応槽3の前工程、例えば、第二の前処理手段2、あるいは、前処理手段2と前反応槽3とを連通させるラインなどに汚泥を返送させるように返送ラインを設けてもよい。
第二の固液分離手段7は、生物反応槽6で処理された上澄み液(懸濁液)を汚泥と処理液とに固液分離する。第二の固液分離手段7における分離法としては、例えば、重力沈降式や膜分離などを用いることができ、処理液に必要とされる性状に応じて適宜選択すればよい。図1に示すように、固液分離手段7には、分離された汚泥を生物反応槽6に返送するための返送ラインL400が設けられている。しかし、返送手段はこれに限られるものではなく、固液分離手段7には、ここで固液分離された汚泥を前反応槽3やその前工程に返送する返送手段を設置することもできる。また、固液分離された汚泥を後述する汚泥可溶化装置または脱水機9に送給するための送給手段を固液分離手段7に設けてもよい。さらに、固液分離手段7に別途脱水機を設け、ここで分離された汚泥を脱水し脱水汚泥として排出させることもできる。
第二の固液分離手段7で分離された処理液は、さらに必要により高度処理され、処理水として排出される。図1においては、高度処理手段の一例として活性炭処理手段8を示したが、この方法に限定されるものではない。
第一の固液分離手段5で分離された汚泥は、固液分離手段5に設けられた脱水ラインL100を介して脱水機9に導入される。この脱水ラインL100には、汚泥返送ラインL200がバイパスされており、脱水ラインL100を通る汚泥の一部がこの汚泥返送ラインL200を介して汚泥可溶化装置に導入される。脱水機9で脱水処理された汚泥は、脱水汚泥として排出される。脱水処理に際しては汚泥に脱水助剤を添加することができる。脱水により汚泥から排出された水分は、生物反応槽6に導入され、第一の固液分離手段5からの上澄み液と共に、硝化脱窒処理およびこの後処理に供される。
次に、汚泥可溶化装置について説明する。
この汚泥可溶化装置は、アルカリ処理手段を備えるアルカリ処理槽10と、生物学的可溶化手段を備える生物学的可溶化槽12とを具備する。
アルカリ処理槽10には、脱水ラインL100からバイパスされた汚泥が導入される。アルカリ処理槽10には、この汚泥にアルカリ剤を添加するためのアルカリ剤添加手段11が設けられている。
アルカリ処理槽10においては、汚泥にアルカリ剤を微量添加して、所定時間滞留させることにより、汚泥にアルカリ処理を施す。この処理によって、汚泥を構成する種々の微生物の細胞構成成分などを生物学的分解を受け易い形(以下、アルカリ可溶化成分と称する)に改質させることができる。
アルカリ処理のためのアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルカリ剤の添加量は、汚泥の種類、濃度、導入量および状態等に応じて適宜決定することができる。本発明においては、アルカリ処理後の汚泥は後段で生物学的に可溶化されるので、アルカリ処理のみにより汚泥を可溶化する場合と比較して、アルカリ剤を少量に抑えることが可能となる。
アルカリ処理は、加熱しつつ行ってもよいが、常温にて処理することがより好ましい。本発明においては、後段の生物学的可溶化手段を併用するため、アルカリ処理を常温で行っても十分な効果を得ることができ、これによって加熱コストを抑制することが可能となる。アルカリ処理槽10は、完全混合式あるいは押し出し流れ式とすることができる。特に、押し出し流れ式とした場合には、アルカリ剤の低減によるさらなる低コスト化、滞留時間の短縮によるタンクの小型化など、より効率的な処理が期待できるため、好ましい。
このアルカリ処理槽10は、生物学的可溶化槽12に連通しており、この生物学的可溶化槽12では、アルカリ処理後の汚泥が、常温・常圧の下、嫌気、無酸素あるいは微好気条件下で、汚泥可溶化菌の作用によりさらに可溶化される。なお、アルカリ処理後の汚泥は、好気条件に曝されると、アルカリ可溶化成分の再汚泥化が生ずる恐れがある。これを避けるために、アルカリ処理後の汚泥は、空気に触れることなく直ちに生物学的可溶化槽12へ導入することが望ましい。
生物学的可溶化槽12内での汚泥の可溶化に関与する微生物(汚泥可溶化菌)としては、常温・常圧の下、嫌気、無酸素あるいは微好気条件下で、汚泥の主要構成成分であるタンパク質および炭水化物を分解するプロテアーゼやアミラーゼなどを分泌し、なおかつ汚泥成分を栄養源とすることのできる微生物が好適であるが、特に限定されるものではない。
この汚泥可溶化装置において、脱水ラインL100からバイパスされた汚泥は、汚泥返送ラインL200を介してアルカリ処理槽10に導入され、アルカリ処理が施された後、引き続き生物学的可溶化槽12に導入され、可溶化処理が施される。可溶化処理された汚泥(可溶化汚泥)は、汚泥返送ラインL200を介して前反応槽3に返送され、再度、酸化処理工程およびその後工程に供される。図3に示したように、前反応槽3の前段に凝集槽13を設けた場合には、可溶化汚泥は凝集槽13に返送してもよいし、前反応槽3に返送してもよい。これは、汚泥の性状や可溶化汚泥の処理状態により適宜決定することができる。
図1では、汚泥(可溶化汚泥)を前反応槽3に返送するための汚泥返送ラインL200に汚泥可溶化装置を設けた例を示したが、これに限定されるものではなく、汚泥を前反応槽3の前工程に返送するための汚泥返送ラインを設け、これに汚泥可溶化装置を設けることもできる。
なお、図1では、汚泥返送ラインL200が脱水ラインL100からバイパスされている例を示したが、返送手段はこれに限られるものではなく、脱水ラインL100を介さずに、汚泥を固液分離手段5から直接アルカリ処理槽10に導入させるように汚泥返送ラインを設けることも可能である。
上述したようにアルカリ処理手段と汚泥可溶化処理手段を併用することにより、生物学的可溶化槽12における可溶化速度を飛躍的に向上させることができる。これは、予めアルカリ剤での前処理により、汚泥中菌体の破壊および細胞内液の溶出が生じた状態の汚泥を生物学的可溶化槽2に導入することができるためである。これによって、汚泥の可溶化槽12内での滞留時間を短縮することができ、生物学的可溶化槽12のタンク容積の小型化を達成することもできる。
生物学的可溶化槽12内での汚泥の可溶化は、嫌気、無酸素あるいは微好気下で行われるため曝気を必要としない。従って、この生物学的可溶化槽12には曝気のための特別な付加施設は不要であるが、反応性を高めるために簡単な撹拌機を設置してもよい。撹拌機を設置した場合においても、そのコストは曝気コストと比較すれば、遥かに低く抑えられる。さらに、本発明においては、常温でも十分な効果が得られるために加温も必要とせず、加熱コストも抑制することができる。このため、非常にシンプルで低ランニングコストなプロセスで余剰汚泥を低減することができるのである。
ところで、アルカリ処理槽10から生物学的可溶化槽12へ流入するアルカリ性の処理液は、可溶化槽12内で嫌気、無酸素あるいは微好気下で処理を行うことによって、ある程度まで中和される。そのため、本発明においては、処理液を中和するための酸は非常に少量に抑えられるか、場合によっては必要なくなるため、中和のための薬剤コストを低減できるか、あるいは不要とすることができる。
汚泥可溶化装置において処理された可溶化汚泥は、前反応槽3で再度酸化処理されるため、可溶化汚泥中の有機物を酸化的に完全分解して除去することができ、この結果、排出される汚泥の量を顕著に減少させることができる。また、汚泥可溶化装置において処理された汚泥(特に、十分に可溶化されずに返送される汚泥も含む)は、前反応槽3で増殖した微生物群を多量に含むものである。従って、この微生物群を前反応槽3に返送することにより、し尿廃水の量や状態により前反応槽3中の微生物量が変動するのを抑制し、微生物を適切な量に制御することができるため、結果として安定した酸化処理を実現することができる。
上述したように、本発明においては、汚泥可溶化処理手段に導入する汚泥の量(汚泥可溶化処理量)を変化させることによって、余剰汚泥の削減量を制御することができると共に、前反応手段における微生物量を制御して酸化反応を安定化することができる。また、前反応槽中の微生物量の制御と、汚泥可溶化処理量の制御とを独立して行うこともできる。この例を図4に示す。
図4のし尿廃水処理装置は、脱水ラインL100から汚泥をバイパスさせて前反応槽3に導入させる汚泥返送ラインL200と、この汚泥返送ラインL200から分岐させる形で汚泥を汚泥可溶化装置に導入させる分岐ラインL201とを具備する。脱水ラインL100からバイパスされた汚泥は、汚泥返送ラインL200を介して前反応槽3に導入され、これにより前反応槽3中の微生物量を安定化することができる。一方、汚泥返送ラインL200を通る汚泥の一部は、分岐ラインL201を介して汚泥可溶化装置に導入され、生物学的な可溶化処理が施された後、汚泥返送ラインL200を介して前反応槽3に返送される。汚泥の返送量や可溶化処理量は、例えばバルブやポンプなどで制御することができる。このように、図4に示すし尿廃水処理装置によれば、前反応槽中の微生物量と汚泥可溶化処理量とを独立して制御することができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示す装置と同様の構成を有するし尿廃水処理装置を使用してし尿廃水の処理実験を行った。この装置において前処理された浄化槽汚泥と生し尿とからなるし尿廃水に対して、生物反応槽から返送された返送汚泥を混合して前反応槽に導入した。このときの生し尿、浄化槽汚泥および返送汚泥の混合比は、体積比で、生し尿:浄化槽汚泥:返送汚泥=3:6:1とした。前反応槽における混合液の性状は、以下の通りであった。
pH :7.6
BOD:4790mg/L
COD:3740mg/L
SS :6580mg/L
T−N:1350mg/L
T−P: 180mg/L
ここで、BODは生物化学的酸素要求量を示し、CODは化学的酸素要求量を示し、SSは浮遊物質量を示し、T−Nは全窒素を示し、T−Pは全リンを示す。
前反応槽に添加する凝集剤には、無機系の凝集剤として鉄系凝集剤を用い、その添加量は混合液に対して0.1vol%とした。前反応槽での滞留時間は、2日間とした。
また、汚泥可溶化装置を構成するアルカリ処理槽と生物学的可溶化槽は密閉構造とし、曝気せずに機械撹拌だけを行うものにした。アルカリ剤としては、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム;NaOH)を用いた。汚泥可溶化処理条件を表1に示す。なお、表1中、アルカリ剤添加量は、混合液中に含まれる乾燥汚泥1kg当りの添加量を示している。
Figure 0004506574
(比較例)
また、汚泥返送ラインと汚泥可溶化装置が設置されていないことを除いて実施例と同様の構成を有するし尿廃水処理装置を用いたこと以外には、実施例1と同様にしてし尿廃水の処理実験を行った。
実施例と比較例で得られたイニシャルコストおよびランニングコストの結果を表2に示す。また、実施例と比較例において、脱水処理して処分する必要があった余剰汚泥の発生量の結果を表2に併記する。なお、表2中の数値は、比較例で得られた結果を1として、実施例と比較例の結果を相対的に示したものである。
Figure 0004506574
表2に示されるように、本発明のし尿廃水処理装置によれば、イニシャルコストを有意に増加させることなく、脱水処理して処分すべき余剰汚泥の発生量を比較例に比べて大幅に削減できた。この結果、余剰汚泥処分費を大幅に削減できたことにより、比較例装置に比べて低ランニングコストでの運転が可能となった。
次に、実施例および比較例の装置において、第一の固液分離手段で分離された上澄み液について分析を行った。分析結果を表3に示す。
Figure 0004506574
表3に示すように、可溶化処理装置からの可溶化汚泥を前反応槽に返送しても、その処理液(上澄み液)の性状には重大な悪化は見られず、前反応槽での処理が安定して行われていることを確認できた。また、第一の固液分離手段の後段にある生物反応槽での硝化脱窒工程の不安定化、第一及び第二の固液分離手段での固液分離性の悪化なども検出されなかった。
以上詳述したように、本発明によれば、前反応槽を有するし尿処理場において、前反応槽の反応を安定化させ、なおかつ余剰汚泥の発生量を顕著に削減することができる。これは、し尿処理場の維持管理に関して極めて有効であり、その工業的価値は大きい。
本発明の一実施形態に係るし尿廃水処理装置を説明するためのブロック図。 凝集槽を具備するし尿廃水処理装置の一例を説明するためのブロック図。 凝集槽を具備するし尿廃水処理装置の他の例を説明するためのブロック図。 汚泥返送ラインの分岐ラインに汚泥可溶化装置が設けられているし尿廃水処理装置を説明するためのブロック図。
符号の説明
1…第一の前処理手段、2…第二の前処理手段、3…前反応槽、4…添加手段、5…第一の固液分離手段、6…生物反応槽、7…第二の固液分離手段、8…活性炭処理手段、9…脱水機、10…アルカリ処理槽、11…アルカリ剤添加手段、12…生物学的可溶化槽、13…凝集槽、L100…脱水ライン、L200,L300,L400…汚泥返送ライン、L201…分岐ライン。

Claims (3)

  1. 少なくとも生し尿と浄化槽汚泥とを含むし尿廃水に凝集剤を添加して酸化処理する前反応手段と、
    前記前反応手段で処理されたし尿廃水を上澄み液と汚泥とに固液分離する第一の固液分離手段と、
    前記第一の固液分離手段で分離された汚泥を脱水する脱水手段と、
    前記第一の固液分離手段で分離された上澄み液を硝化脱窒処理する反応手段と、
    前記反応手段から導入される懸濁液を汚泥と処理液とに固液分離する第二の固液分離手段と、
    前記反応手段で発生した汚泥を前記前反応手段または前記前反応手段の前工程に返送する第一の返送手段と、
    前記脱水手段の上流から前記第一の固液分離手段で分離された汚泥の少なくとも一部を前記前反応手段または前記前反応手段の前工程に返送する第二の返送手段とを具備し、
    前記第二の返送手段には、前記第一の固液分離手段で分離された汚泥の少なくとも一部を可溶化する汚泥可溶化処理手段が備えられていることを特徴とするし尿廃水処理装置。
  2. 前記汚泥可溶化処理手段には、前記第一の固液分離手段で分離された汚泥にアルカリ剤を添加してアルカリ処理するアルカリ処理手段と、前記アルカリ処理手段で処理された汚泥を、嫌気、無酸素または微好気条件下で生物学的に可溶化分解する生物学的可溶化手段とが備えられていることを特徴とする請求項1に記載のし尿廃水処理装置。
  3. 前記凝集剤をし尿廃水に添加するための添加手段が、前記前反応手段の前段または後段に備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載のし尿廃水処理装置。
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