JP4506023B2 - 放熱装置および放熱装置を有する電子機器 - Google Patents

放熱装置および放熱装置を有する電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱装置および放熱装置を用いた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器は、内部に収納する回路基板や電子部品等を保護するために筐体を有している。この種の筐体は、通常熱可塑性樹脂の射出成形により製造されており、その筐体の外面は意匠的に処理が施され、内部には回路基板等が配置されている。
ところで最近の電子機器は、軽量化、小型化および高密度化等が進んでおり、電子機器の筐体は軽量化および薄型化が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような射出成形による金属と合成樹脂の積層により作られた筐体は、製造工程数が多く大幅なコストアップとなってしまう。
また、筐体内にはCPU(中央処理装置)などの動作時に発熱する発熱素子が収容されている。このような発熱素子の熱を筐体の外部に効率よく放出することは、この種の小型の電子機器において回路動作を正確に行うためには重要である。
仮にこのような発熱素子の熱をヒートパイプを介して外部に放出する場合には、筐体と、発熱素子およびヒートパイプは別々の部品であるために、組み立てが面倒であり、電子機器の小型化や薄型化が困難である。しかも発熱素子とヒートパイプなどを熱的につなぐ接続部品が必要であり、発熱素子の放熱効果を低下させる原因となり、コストアップの要因となっている。
そこで本発明は上記課題を解消し、筐体の内部に配置されている発熱素子の熱を効率よく外部に放熱できることは勿論のこと、組み立て性を向上し小型化と薄型化を図れる放熱装置および放熱装置を有する電子機器を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係る放熱装置は、少なくとも一枚の金属板により成形された上部筺体部分と該上部筺体部分に嵌め合わされ少なくとも一枚の金属板により成形された下部筺体部分とを有する筺体の該上部筺体部分の内面に、グラファイトとアモルファスカーボンとからなり、該筺体内に設けられた発熱素子の熱を該筺体の外部に放熱する複合炭素材料が固定され、上記複合炭素材料の一の部分は、上記上部筺体部分と上記下部筺体部分とが嵌め合わされたときに、上記発熱素子に対して、シリコンゴム又はシリコングリスからなる熱伝達素子を介して圧着され、上記複合炭素材料の上記一の部分とは異なる他の部分は、上記筺体の外部側に突出した露出部分を有し、該露出部分が、上記上部筺体部分に形成された放熱用穴に挿通されて上記筺体の外部に露出され、上記複合炭素材料は、上記発熱素子から発生した熱を、上記一の部分から上記他の部分に導き、上記他の部分の露出部分から上記筺体の外部に放熱する。これにより、本発明によれば、複合炭素材料を用いて筺体内の熱を筺体を通じて外部に放熱でき、放熱装置自体は非常に小さいので、電子機器の筺体の小型化および薄型化を図ることができる。
【0005】
また、本発明によれば、複合炭素材料は、筺体内の発熱素子の熱を熱伝達素子を介して受け取り、その熱を外部に放熱することができる。
【0007】
更に、本発明によれば、複合炭素材料の一部分が筺体の穴を通じて筺体の外部に露出しているので、複合炭素材料による筺体内の熱の放出をさらに効率よく行うことができる。
【0008】
更にまた、本発明によれば、複合炭素材料の一部分が凹凸部を有しているので、外部に露出している部分の放熱用の表面積を増やすことができる。
【0009】
また、本発明に係る電子機器は、少なくとも一枚の金属板により成形された上部筺体部分と、該上部筺体部分に嵌め合わされ少なくとも一枚の金属板により成形された下部筺体部分とを有する筺体と、上記上部筺体部分の内面に固定され、グラファイトとアモルファスカーボンとからなり、上記筺体内に設けられた発熱素子の熱を該筺体の外部に放熱する複合炭素材料とを備え、上記複合炭素材料の一の部分は、上記上部筺体部分と上記下部筺体部分とが嵌め合わされたときに、上記発熱素子に対して、シリコンゴム又はシリコングリスからなる熱伝達素子を介して圧着され、上記複合炭素材料の上記一の部分とは異なる他の部分は、上記筺体の外部側に突出した露出部分を有し、該露出部分が、上記上部筺体部分に形成された放熱用穴に挿通されて上記筺体の外部に露出され、上記複合炭素材料は、上記発熱素子から発生した熱を、上記一の部分から上記他の部分に導き、上記他の部分の露出部分から上記筺体の外部に放熱する。これにより、本発明によれば、複合炭素材料を用いて筺体内の熱を筺体を通じて外部に放熱でき、放熱装置自体は非常に小さいので、電子機器の筺体の小型化および薄型化を図ることができる。
【0010】
また、本発明によれば、複合炭素材料は、筺体内の発熱素子の熱を熱伝達素子を介して受け取り、その熱を外部に放熱することができる。
【0012】
更に、本発明によれば、複合炭素材料の一部分が筺体の穴を通じて筺体の外部に露出しているので、複合炭素材料による筺体内の熱の放出をさらに効率よく行うことができる。
【0013】
更にまた、本発明によれば、複合炭素材料の一部分が凹凸部を有しているので、外部に露出している部分の放熱用の表面積を増やすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0015】
図1は、本発明の放熱装置を有する電子機器の一例を示している。
電子機器10は、たとえば小型の情報再生装置であり、電子機器10は筐体12を有している。この筐体12は、上部筐体部分(第1筐体部分に相当する)14と、下部筐体部分(第2筐体部分に相当する)16を有している。
上部筐体部分14はキャビネット上部とも呼んでおり、下部筐体部分16はキャビネット下部とも呼んでいる。
図1の電子機器10の例では、上部筐体部分14側には情報を入力するための装置である入力装置18が設けられている。また上部筐体部分14と下部筐体部分16の間には、インターフェース部分20と別の出力部分22が設けられている。
【0016】
入力装置18は穴40に位置されていて、電子機器10の中に内蔵されている各種要素に対して外部から使用者が必要な情報を入力できる部分であり、一例として複数のキートップ24が等間隔をおいて直列に配列されている。
インターフェース部分20は、上部筐体部分14と下部筐体部分16の端面26側に配置されており、電子機器10の中から必要な情報を外部に出力できる部分である。出力部分22は、端面28側に設けられており、インターフェース部分20は、電子機器10の中に内蔵されている要素と、コンピュータのような他の機器とのインターフェースを図ることができる部分である。
【0017】
図1の上部筐体部分14は少くとも一枚の金属板により作られているが、好ましくは複数枚の金属板を積層し、たとえば2枚の金属板を積層することにより形成されており、下部筐体部分16は1枚もしくは複数枚の金属板、たとえば1枚の金属板により形成されている。
上部筐体部分14がたとえば2枚の金属板により形成されている場合には、少なくとも一枚以上の金属板がアルミニウムまたはマグネシウムのダイカストまたはプレス材を用いている。同様にして下部筐体部分16は、たとえば2枚の金属板を積層したもので、各金属板はアルミニウムまたはマグネシウムのダイカストまたはプレス材料である。
【0018】
図2は、図1の電子機器10を使用者Hが携帯している状態の一例を示している。
電子機器10は、たとえば音楽情報等の情報を再生して、たとえば図2に示すイヤーホン600を用いて使用者Hが音楽情報を楽しむための小型の機器である。
この電子機器10は、図1と図2に示すように、首に掛ける部分500を有している。この首に掛ける部分500は、たとえばロープ状のものである。首に掛ける部分500の下部560は、電子機器10の上側部10Uに固定されている。電子機器10を首に掛ける部分500を用いて使用者Hが首に掛けている場合には、電子機器10の上側部10Uが上側に位置し、下側部10Lが下に位置する。
【0019】
図3と図4に示すように、上部筐体部分14は、ほぼ長方形状に成形された部材であり、上部筐体部分14はほぼ全域に亘って、外側部30と内側部34を積層することにより構成されている。これらの外側部30と内側部34は、図3に示すようにたとえば接着層36により貼り付けて一体化されている。
外側部30と内側部34は、各々放熱性および加工性の優れた金属板、たとえばアルミニウム板を用いて成形されている。しかし外側部30と内側部34は、アルミニウム板に限らず、マグネシウム合金、SUS(ステンレス鋼)、銅系材料、鉄系材料を採用することもできる。
【0020】
接着層36としては、外側部30と内側部34を確実に接着するために、たとえば酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル、ポリビニルアルコール系、アクリルエマルジョン系、ゴム系等の溶剤揮散タイプ、フェノール、ウレタン、レゾルシノール、エポキシ、アクリル、ポリエステル、シアノアクリレート、この他の混合系等の化学反応タイプ、エチレン−酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイソブチレン等の熱溶融タイプの中から、特性にあったものを採用することができる。
外側部30はアウター部材とも呼んでおり、外部の体裁面を形成して、外観的に意匠的に見ばえを良くするための部分である。内側部34はインナー部とも呼んでおり、主に内蔵する電気的な構成要素を保護する部分である。
【0021】
図1と図3に示すように、上部筐体部分14には長円状の穴40が形成されている。この穴40は、図1の入力装置18を形成するための穴であり、その穴40の中には、直列にキートップ24が等間隔をおいて配列されている。
このような5つのキートップを1つまたは複数個選択して触れることにより、任意の動作設定を行うことができる。たとえばそのような動作の例としては、電子機器10の中の回路部分の電源オンや電源オフあるいは音量の増大や音量の縮小、あるいは音楽情報であれば音楽情報の曲目の選択等である。
【0022】
図4に示すように、上部筐体部分14の側面14A,14Bには突起42が複数個形成されている。この突起42の形状は、図3に示すように、断面で見てほぼ半円形状の突起である。この突起42は、外側部30を成形すると同時に作られており、この突起42は内側部34の穴44に入り込んで位置している。
【0023】
図1に示す下部筐体部分16は、ほぼ長方体形状に形成されており、図1の上部筐体部分14と重ね合わせることにより、図1に示す筐体12を構成している。下部筐体部分16の大部分は、一枚の金属板で作られているが、これに限らず二枚以上の金属板を積層して作ることもできる。
【0024】
図3、図4(B)〜図4(C)および図5に示すように、一例として上部筐体部分14の内面側には、放熱装置100が設けられている。この放熱装置100の複合炭素材料100は、たとえば図3に示すように一部分101と他の部分103および中間部分104を有している。複合炭素材料100は、図4(B)および図5に示すように、外側部30の内面30Fに対してたとえば図5に示す接着層36により固定されている。
図5のようにこの複合炭素材料100の一部分101は、発熱素子112に対して熱伝達素子114を介して圧着されている。この発熱素子112は、たとえばCPU(中央処理装置)やドライバー素子等であり、回路基板52に搭載されている。
この複合炭素材料100と熱伝達素子114は、放熱装置400を構成している。発熱素子112が発熱する熱は、熱伝達素子114を介して複合炭素材料100に伝わる。この熱伝達素子114は、たとえばシリコンゴム、窒化ホウ素入りシリコンゴム、アルミナ入りシリコンゴム、酸化マグネシウム入りシリコンゴムあるいはシリコングリス等であり、弾力性を有している。
【0025】
図6は、図4(B)のC−Cにおける断面構造例を示している。
図6では、複合炭素材料100が接着層36により外側部30の内面30Fに固定されている。しかもこの複合炭素材料100は、たとえば2つの複合炭素材料押え用の爪150により機械的に補助的に固定されている。この2つの爪150は、内側部34から突出するようにしてほぼL字型に形成された爪である。2つの爪150,150は、図4(B)と図3に示している。
【0026】
このように複合炭素材料100が接着層36により接着されかつ複数の爪150により機械的に固定されていることから、次のようなメリットがある。複合炭素材料100の接着層36が、仮に何らかの外部からの熱や衝撃により外側部30の内面30Fから剥がれたとしても、2つの爪150がこの複合炭素材料100を機械的に必ず外側部30の内側30F側に押し付けているので、複合炭素材料100が外側部30の内側30Fから外れるようなことがない。このため、複合炭素材料100の外れることによる熱伝達の不良を防ぐことができる。
【0027】
図6と図7に示すように、複合炭素材料100の付近であって、外側部30には穴170が1つまたは複数個形成されている。この穴170は、たとえば丸穴であり、図4(C)にも示しており、複合炭素材料100に伝わってきた発熱素子112の熱を、外側部30の外部に、すなわち筐体の外部に放出するための穴である。
このために、複合炭素材料100の他の部分103の露出部分410が穴170に入っている。このようにすることで、複合炭素材料100の露出部分410に伝わってきた熱は、穴170を介して筐体の外部の空気側へ効率よく放出することができる。
図6と図7に示すように露出部分410は、放熱用の表面積を増やすためにたとえば凹凸形状部414を有している。これにより、凹凸形状部414を有する露出部分410は、平坦状の露出部分に比べて放熱効率を向上できる。
【0028】
次に、上述した電子機器の組立例について説明する。
図1に示す上部筐体部分14と下部筐体部分16をそれぞれ用意する。この上部筐体部分14の内側には、図4(B)、(C)に示すようにあらかじめ複合炭素材料100が固定されている。複合炭素材料100は、図5と図6に示すように、接着層36を用いて接着により固定されているとともに、複合炭素材料100はたとえば2つの爪150により機械的に確実に保持されている。これらの爪150は板バネ状で片持ち型の爪である。
【0029】
次に、上部筐体部分14と下部筐体部分16を嵌め合わせることで、図5に示すように複合炭素材料100の一部分101は、自動的に熱伝達素子114に圧着される。この熱伝達素子114は、あらかじめ発熱素子112の上面に貼り付けられている。
このように、上部筐体部分14と下部筐体部分16を嵌め合わせて筐体12を形成する場合には、複合炭素材料100の一部分101は、発熱素子112に対して熱伝達素子114を介して確実に熱的に接続することができる。
【0030】
電子機器10を使用中に、何らかの原因で図5と図6に示す接着層36から複合炭素材料100が剥がれたとしても、複合炭素材料100は、爪150により機械的に保持されているので、複合炭素材料100が外側部30からはずれてしまうことは全くない。
図5に示す発熱素子115が駆動時に発生する熱は、熱伝達素子114を介して複合炭素材料100の一部分101から複合炭素材料100の中間部分104を経て他の部分103に伝わる。この伝わった熱は、筐体を通じて外部の空気に伝達される。図6に示すように他の部分103の露出部分414に伝わってきた熱は、外側部30の穴170を通じて、外部に直接効率よく放出することができる。
【0031】
図8は、グラファイトとアモルファスカーボンとからなる複合炭素材料の特徴を示している。複合炭素材料は、PFC(Plastic Formed Carbon)と呼ばれており、図8(A)に示すように複合炭素材料100は他の材料、たとえば鉄鋼やガラス状炭素あるいはアルミニウム合金や一般の炭素材、プラスチック、木材、ガラス等に比べて、強度(強さ)と弾性率(剛直性)に優れている。複合炭素繊維は、金属やセラミックスに比べると、図8(B)に示すように電気伝導度、熱伝導度、耐熱性、耐薬品性および潤滑性に優れている。
【0032】
図9は、本発明に用いられているグラファイトとアモルファスカーボンとからなる複合炭素材料と、他の材料との特性の比較例を示している。
図9では、図9(A)のたとえば三菱鉛筆株式会社製の品種名S−12の特性と、それ以外の比較例である(B)、(C)、(D)の特性の比較を示している。
図9(A)の本発明に用いられているグラファイトとアモルファスカーボンとからなる複合炭素材料の特性として、嵩密度、固有抵抗、曲げ強さ、曲げ弾性、熱膨張係数、熱伝導率、ショアー硬度および気体透過性、加工性を示している。この複合炭素材料は、特に熱伝導率に優れ、加工性が良好であり熱膨張係数が比較的小さいことが特徴的である。
【0033】
図10は、グラファイトとアモルファスカーボンとからなる複合炭素材料の製造方法の例を示している。
図10のステップST1では、第1段階を示しており、製品形状に応じて射出成形や真空成形等の成形手段を用いて複合炭素材料の成形体を作成する。
ステップST2は第2段階を示しており、焼成時の変形を防止する目的で、成形体に焼成前の処理を施す。
ステップST3は第3段階を示しており、非酸化性雰囲気中で1000℃以上に保持し、必要に応じて2000℃以上まで焼成してカーボン化して、図3と図4に示すような複合炭素材料100を得る。
このように得られた複合炭素材料100は、基本的には寸法精度はたとえば±0.2mm程度であり、熱伝導率はたとえば100〜150W/m・k程度のものが得られる。
【0034】
このように複合炭素材料は単純なシート状のものではなく必要に応じて三次元的な形状を作ることができるので、断面積が大きくなり熱放熱性が高まり形状もある程度自由に設定することができる。
このようにして、グラファイトを高度に配向させたグラファイトとアモルファスカーボンを複合化した材料として複合炭素材料を得ることができる。
上述したように複合炭素材料100は比較的任意な形状に設計することができるので、図6と図7に示すような露出部分410を設けるのが容易であり、このためこの露出部分410を用いて筐体の外部に対して直接放熱することができるとともに、放熱用の表面積を大きくすることができる。
【0035】
図11は、本発明の別の実施の形態を示している。
図11の実施の形態は、図5の実施の形態に似ているが、異なるのは複合炭素材料100の一部分101の厚みWが、図5の一部分101の厚みW1に比べて大きく設定されていることである。これにより一部分101の放熱用の断面積あるいは容量が増加することから、さらに放熱効率を高めることができる。この厚みWを大きくした一部分101は、熱伝達素子114を介して発熱素子112に対して圧着して取り付けられている。
【0036】
図12の実施の形態は、複合炭素材料100の一部分101を示す平面図であり、この一部分101の長さL1とL2は、図11の実施の形態に比べて大きく設定している。これによって一部分101の大きさは熱伝達素子114に比べて大きく設定されており、これによって放熱面積を大きくして放熱効率を高める。
【0037】
図13は、図6の穴170の形状例を示している。この穴170はたとえば長方形状の穴であり、この穴170には露出部分440が露出している。図13のE−Eにおける断面構造例が、図14、図15および図16にそれぞれ示されている。
図14の例では、露出部分440が三角形状もしくは鋸歯形状になっており凹凸形状である。
図15の例では、露出部分440の凹凸形状は、R状もしくは波形形状になっている。
図16の例では、露出部分440の凹凸形状は角状もしくは矩形波状になっている。
図14〜図16のような形状を採用することにより、露出部分の露出させる表面積を平坦面に比べて大きくすることができるので、筐体内の熱を複合炭素材料の露出部分440を用いて外部に直接放出する放熱効率を高めることができる。
【0038】
本発明の実施の形態では、上述したように上部筐体部分と下部筐体部分が複合炭素材料100を内蔵するようにして保持している。上部筐体部分は、少なくとも一枚以上の金属板により作られており、下部筐体部分も一枚以上の金属板で作られている。上部筐体部分の二枚以上の金属板は、接着、カシメ、溶接、機械的な嵌め合わせ等の1つまたはそれ以上の接合形式を併用して接合することができる。同様にして下部筐体部分の二枚以上の金属板も、接着、カシメ、溶接、機械的な嵌め合わせ等の1つ以上の接合方式を用いることにより接合されている。
【0039】
発熱素子と複合炭素材料は熱伝達素子を介して、上部筐体部分と下部筐体部分の嵌め合わせ時に圧着される構造となっている。複合炭素材料は、上部筐体部分の内側にあらかじめ接着および爪により機械的に固定されている。このことから、上部筐体部分と下部筐体部分を単に嵌め合わせるだけで、上部筐体部分側の複合炭素材料は発熱素子に対して熱伝達素子を介して圧着することができ、複合炭素材料による熱伝導を確実に行うことができ、組立性が向上する。
このようにして、複合炭素材料は上部筐体部分の内側にあらかじめ固定されており、上部筐体部分と下部筐体部分からなる筐体は、薄型化および小型化を図れる。しかも上部筐体部分と下部筐体部分を嵌め合わせて筐体を形成する時に、複合炭素材料は自動的に発熱素子に対して熱伝達素子を介して圧着されるので、筐体の組立性が向上し、発熱素子の発生する熱は複合炭素材料に対して効率よくかつ確実に伝達できる。
本発明の電子機器は比較的簡易な構造を採用することができるので、コストダウンを図ることができるとともに、高信頼性を得ることができる。
尚、熱伝達素子を介在する理由としては、発熱素子と複合炭素材料の密着性を上げて熱伝達効率を高めるためである。
【0040】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態では放熱装置が装着される電子機器として、携帯型のパーソナルコンピュータの例を示しているが、これに限らず携帯型の情報端末や、ゲーム機器、電話、ビデオカメラ等を含むものである。
また発熱する発熱素子としては、CPU(中央処理装置)に限らず、パワートランジスタやモータのドライバーIC等にも適用できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、筐体の内部に配置されている発熱素子の熱を効率よく外部に放熱できることは勿論のこと、組み立て性を向上し小型化と薄型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放熱装置を有する電子機器の一例を示す斜視図。
【図2】図1の電子機器の使用例を示す図。
【図3】図1の電子機器およびその中に配置されている複合炭素材料と発熱素子および熱伝達素子を示す平面図。
【図4】上部筐体部分の構造例を示しており、図4(A)と図4(C)は上部筐体部分の側面を示し、図4(B)は、図3のB−Bにおける断面を示す図である。
【図5】図3のA−Aにおける構造例を示す図。
【図6】図4(B)のC−Cにおける断面構造例を示す図。
【図7】図6のD−Dにおける断面構造例を示す図。
【図8】複合炭素材料の特性例を示す図。
【図9】複合炭素材料と比較例の特性を比較した表を示す図。
【図10】本発明に用いられている複合炭素材料の製造工程例を示す図。
【図11】本発明の放熱装置を有する電子機器の別の実施の形態を示す図。
【図12】放熱装置のさらに別の実施の形態を示す平面図。
【図13】筐体に設けられた穴および複合炭素材料の露出部分の形状例を示す正面図。
【図14】図13のE−Eにおける形状例を示す図。
【図15】図13のE−Eにおける別の形状例を示す図。
【図16】図13のE−Eにおけるさらに別の形状例を示す図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、10U・・・筐体の上側部、10L・・・筐体の下側部、12・・・筐体、14・・・上部筐体部分(第1筐体部分)、16・・・下部筐体部分(第2筐体部分)、36・・・接着層、100・・・複合炭素材料、101・・・複合炭素材料の一部分、103・・・複合炭素材料の他の部分、112・・・発熱素子、114・・・熱伝達素子、170・・・穴、400・・・放熱装置

Claims (6)

  1. 少なくとも一枚の金属板により成形された上部筺体部分と該上部筺体部分に嵌め合わされ少なくとも一枚の金属板により成形された下部筺体部分とを有する筺体の該上部筺体部分の内面に、グラファイトとアモルファスカーボンとからなり、該筺体内に設けられた発熱素子の熱を該筺体の外部に放熱する複合炭素材料が固定され、
    上記複合炭素材料の一の部分は、上記上部筺体部分と上記下部筺体部分とが嵌め合わされたときに、上記発熱素子に対して、シリコンゴム又はシリコングリスからなる熱伝達素子を介して圧着され、
    上記複合炭素材料の上記一の部分とは異なる他の部分は、上記筺体の外部側に突出した露出部分を有し、該露出部分が、上記上部筺体部分に形成された放熱用穴に挿通されて上記筺体の外部に露出され、
    上記複合炭素材料は、上記発熱素子から発生した熱を、上記一の部分から上記他の部分に導き、上記他の部分の露出部分から上記筺体の外部に放熱する放熱装置。
  2. 上記複合炭素材料は、接着層により、上記上部筺体部分の内面に接着されて固定されているとともに、該上部筺体部分の内面から内側に突出して略L字側に形成された爪により、該上部筺体部分の内面に対して押し付けられて保持されている請求項1記載の放熱装置。
  3. 上記露出部分は、凹凸部を有し、
    上記凹凸部は、凸部及び凹部が三角形状の鋸歯形状、凸部及び凹部が湾曲状の波形状又は凸部及び凹部が角状の矩形波形状に形成されている請求項1記載の放熱装置。
  4. 少なくとも一枚の金属板により成形された上部筺体部分と、該上部筺体部分に嵌め合わされ少なくとも一枚の金属板により成形された下部筺体部分とを有する筺体と、
    上記上部筺体部分の内面に固定され、グラファイトとアモルファスカーボンとからなり、上記筺体内に設けられた発熱素子の熱を該筺体の外部に放熱する複合炭素材料とを備え、
    上記複合炭素材料の一の部分は、上記上部筺体部分と上記下部筺体部分とが嵌め合わされたときに、上記発熱素子に対して、シリコンゴム又はシリコングリスからなる熱伝達素子を介して圧着され、
    上記複合炭素材料の上記一の部分とは異なる他の部分は、上記筺体の外部側に突出した露出部分を有し、該露出部分が、上記上部筺体部分に形成された放熱用穴に挿通されて上記筺体の外部に露出され、
    上記複合炭素材料は、上記発熱素子から発生した熱を、上記一の部分から上記他の部分に導き、上記他の部分の露出部分から上記筺体の外部に放熱する電子機器。
  5. 上記複合炭素材料は、接着層により、上記上部筺体部分の内面に接着されて固定されているとともに、該上部筺体部分の内面から内側に突出して略L字側に形成された爪により、該上部筺体部分の内面に対して押し付けられて保持されている請求項4記載の電子機器。
  6. 上記露出部分は、凹凸部を有し、
    上記凹凸部は、凸部及び凹部が三角形状の鋸歯形状、凸部及び凹部が湾曲状の波形状又は凸部及び凹部が角状の矩形波形状に形成されている請求項4記載の電子機器。
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