JP4506020B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路を備えた電力変換装置であって、主として太陽電池のように出力変動の大きい直流電源を用いて商用電源と系統連系が可能な交流電圧を生成する電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、商用電源と小規模の発電設備で発電した交流電圧とを系統連系させることが可能になっている。小規模の発電設備としては、一般住宅の屋根などに取り付けることが可能な太陽電池により直流電力を生成し、この直流電力をインバータ回路を含む電力変換装置により交流電圧に変換して商用電源と系統連系させる構成が普及し始めている。
【0003】
この種の電力変換装置の一例を図7に示す。図示する電力変換装置2は、太陽電池1により生成された直流電圧を生成するDC−DC変換回路5と、DC−DC変換回路5の出力電圧を商用電源の周波数に等しい周波数の交流電圧に変換するインバータ回路6と、インバータ回路6から出力される矩形波の交流電圧から基本波成分である正弦波成分を抽出するフィルタ回路7とを備える。DC−DC変換回路5およびインバータ回路6はそれぞれスイッチング素子Q1〜Q5を備え、スイッチング素子Q1〜Q5のオン・オフはマイコンを主構成とする制御回路8が制御している。フィルタ回路7から出力される正弦波状の交流電圧は解列開閉器(リレー)10を介して商用電源ACに接続(系統連系)される。つまり、電力変換装置2は解列開閉器10を通して交流電圧を出力し、出力した交流電圧を商用電源ACと系統連系して負荷4に供給する。
【0004】
上述のように電力変換装置2の出力を商用電源ACと系統連系させるには、電力変換装置2の出力の品質を商用電源ACの品質に影響を与えないように管理する必要がある。とくに、電力変換装置2の出力の周波数および波形の対称性(つまり、直流成分の有無)の管理は必須である。そこで、フィルタ回路7と解列開閉器10との間に電流検出用の抵抗Rdを挿入し、制御回路8において抵抗Rdの両端電圧を監視することによって電力変換装置2の出力の品質を管理しており、制御回路8において電力変換装置2の出力が商用電源ACの品質に影響を与えないようにDC−DC変換回路5およびインバータ回路6をフィードバック制御している。ここに、抵抗Rdの出力電圧は絶縁アンプ11を介して交流成分を除去するローパスフィルタ12に通され直流成分が抽出される。
【0005】
各部の構成についてさらに具体的に説明する。DC−DC変換回路5の電源である太陽電池1の出力電圧はこの種の用途では日射量に応じて一般に0〜300Vの範囲で変化する。一方、商用電源ACと系統連系させるには商用電源のピーク電圧に相当する電圧が必要であって図示例では約280Vになる。そこで、太陽電池1の出力電圧が150V以上であるときに商用電源ACと系統連系させるように設計しておき、太陽電池1の出力電圧に応じてDC−DC変換回路5のスイッチング素子Q1を制御して、商用電源ACのピーク電圧程度の電圧が得られるように昇圧するのである。DC−DC変換回路5は、太陽電池1の両端間に接続される、リアクトルL1とスイッチング素子Q1との直列回路を備え、さらにダイオードD1と平滑用のコンデンサC1との直列回路がスイッチング素子Q1に並列接続された構成を有する。この構成のDC−DC変換回路5は、昇圧チョッパ回路として知られており、スイッチング素子Q1のオン・オフが制御回路8により高周波で制御される。DC−DC変換回路5の出力電圧は制御回路8において監視され、出力電圧が一定電圧(商用電源ACのピーク電圧)に保たれるようにスイッチング素子Q1のオンデューティが制御回路8により制御される。
【0006】
一方、インバータ回路6は、スイッチング素子Q2〜Q5を2個ずつ直列接続した各アームを並列接続したブリッジ回路を備える、いわゆるフルブリッジ型のインバータ回路であって、インバータ回路6の出力は各アームを構成するスイッチング素子Q2,Q4、Q3,Q5の接続点から取り出される。また、インバータ回路6を構成するスイッチング素子Q2〜Q5は、各アームを構成するスイッチング素子Q2,Q4、Q3,Q5が交互にオン・オフを繰り返し、かつスイッチング素子Q2,Q5が同時にオンになり、スイッチング素子Q3,Q4が同時にオンになるように制御される。具体的には図9(a)に示すように、制御回路8において基準信号としての三角波Vsを発生させ、正弦波状に変化する指令値Veと三角波Vsとを比較することにより、図9(b)(c)のように時間とともにパルス幅の変化するパルス列SQ2〜SQ5を生成し、このパルス列SQ2〜SQ5によりスイッチング素子Q2〜Q5のオン・オフを制御する。図示するようにパルス列SQ2,SQ5とパルス列SQ3,SQ4とはオン・オフが互いに逆になる。つまり、インバータ回路6のスイッチング素子Q2〜Q5のPWM制御によってパルス幅が正弦波状に変調された出力が得られる。このようにして得られたインバータ回路6の出力をフィルタ回路7に通せば、基本波成分が抽出されて正弦波状の電圧波形が得られる。フィルタ回路7はインバータ回路6の各出力端にそれぞれ一端を接続した2個のリアクトルL2,L3と、両リアクトルL2,L3の他端間に接続されたコンデンサC2とにより構成される。
【0007】
ところで、抵抗Rdは上述のようにインバータ回路6の出力電流を監視するために設けられる。抵抗Rdの両端電圧は絶縁アンプ11を介してローパスフィルタ12に入力され、ローパスフィルタ12では交流成分が除去される。つまり、ローパスフィルタ12の出力はインバータ回路6の出力のうちの直流成分になる。ローパスフィルタ12の出力は制御回路8に入力され、制御回路8ではローパスフィルタ12からの出力に応じて(つまり、インバータ回路6の出力の直流成分の多寡に応じて)、スイッチング素子Q2〜Q5のオン・オフを制御する信号を調整し、インバータ回路6の出力における直流成分を軽減するように出力を調整したりインバータ回路6の出力を停止したりする。この構成を採用すれば、インバータ回路6の出力の直流成分をアナログ量として検出可能であるから、インバータ回路6を精度よく制御できると考えられる。
【0008】
また、インバータ回路6の出力における直流成分を検出する技術としては、図7に示すように絶縁アンプ11とローパスフィルタ12とを組み合わせた構成のほかに、図8のように、抵抗Rdの両端電圧をローパスフィルタ12に入力して交流成分を除去した後に、比較部13においてあらかじめ規定されている閾値との比較することによって直流成分の有無を2値化し、その後にフォトカプラ14を介して制御回路8に2値情報を入力する構成も知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した構成では、インバータ回路6の出力側は制御回路8の電源電圧よりも大幅に高い電圧であり、インバータ回路6の出力電流に含まれる直流成分を検出するために抵抗Rdを用いているから、インバータ回路6の出力側に設けた抵抗Rdとインバータ回路6を制御している制御回路8との間を絶縁する構成が必要になる。そこで、上述した構成では絶縁アンプ11あるいはフォトカプラ14を設けることによって、インバータ回路6の出力と制御回路8との絶縁を行っている。
【0010】
図7に示す構成ではインバータ回路6の出力の直流成分をアナログ量として制御回路8に入力することができるから、インバータ回路6の出力において直流成分が増加しないように精度よくフィードバック制御することが可能であるが、比較的高価な絶縁アンプ11が必要になり、しかも絶縁アンプ11は一般に応答が遅いという問題を有している。
【0011】
これに対して図8に示す構成では、フォトカプラ14を用いて絶縁するから低価格であり応答性にも優れているが、制御回路8に2値情報しか与えておらず、しかも直流成分が閾値以下か閾値を越えるかの判断しか行っていないから、直流成分の多寡に応じてインバータ回路6を適正に制御することによって直流成分の増加を抑制するというような精度のよい制御ができないという問題がある。フォトカプラ14を用いてアナログ量を伝達することは可能ではあるが、ばらつきが大きくフォトカプラ14の入出力の関係を調節するための調整手段が別途に必要になるから、図7に示す構成において絶縁アンプ11に代えてフォトカプラ14を用いることは適切ではない。
【0012】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、インバータ回路の出力の直流成分を検出してインバータ回路をフィードバック制御するために、インバータ回路の出力と制御回路との間を絶縁するにあたって比較的安価であるフォトカプラを用いる構成を採用しながらも、直流成分の多寡を検出可能としてインバータ回路の出力の直流成分を低減させるように精度のよいフィードバック制御を可能とした電力変換装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、2個のスイッチング素子の直列回路を少なくとも1組備えスイッチング素子の直列回路に直流電圧が印加されるとともに交流電圧を出力するインバータ回路と、各スイッチング素子のオン期間を制御することによりインバータ回路から出力される交流電圧の正極性の期間と負極性の期間の電力を制御する制御回路と、インバータ回路の出力電流を流す経路に挿入された電流検出用の抵抗と、前記抵抗の両端電圧として検出したインバータ回路の出力電流のゼロクロス点ごとに信号値が反転する2値信号を出力するゼロクロス検出回路と、ゼロクロス検出回路と制御回路との間に介在してインバータ回路の出力側と制御回路とを絶縁するフォトカプラと、抵抗とは別にインバータ回路の出力電流を検出する変流器とを備え、制御回路では、ゼロクロス検出回路の2つの信号値の時間差から得られる直流成分の割合に、変流器により検出した出力電流を乗じることによってインバータ回路の出力における直流成分の絶対値に相当する値を求め、当該値をゼロにするようにインバータ回路のスイッチング素子のオン期間をフィードバック制御するものである。この構成によれば、出力電流の極性を2値化した2値信号における2つの信号値の時間差として求めるから、インバータ回路の出力側と制御回路との間の絶縁をフォトカプラで行うことができ、小型かつ安価に提供することが可能である。しかも、インバータ回路から出力される交流電流の1周期程度の時間で直流成分を検出するから、比較的よい応答性が得られる。
【0014】
さらに、変流器により検出したインバータ回路の出力電流の値と、インバータ回路の出力電流における直流成分を反映する時間差とを用いてインバータ回路の出力電流における直流成分の絶対値に相当する値を求めるから、インバータ回路の出力制御をより正確に行うことができ、結果的にフィードバック制御における応答性の向上につながる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電流計測手段により検出した前記インバータ回路の出力電流および前記制御回路で求めた前記時間差と、インバータ回路のスイッチング素子のオン期間とを対応付けたデータテーブルを前記制御回路に設けたものである。この構成によれば、データテーブルを用いてスイッチング素子のオン期間を決定するから、出力電流と時間差とからオン期間を求める演算を行う場合に比較すればプログラムによる処理が不要になる分だけ応答性が向上することになる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インバータ回路から出力される交流の周波数よりも十分に低いカットオフ周波数に設定されかつ交流成分に対する直流成分の比率を前記抵抗の両端電圧における比率よりも大きくするローパスフィルタを、前記抵抗と前記ゼロクロス検出回路との間に挿入したものである。この構成によれば、インバータ回路の出力電流の低周波成分が抽出されることによって波高値に対する直流成分の割合が大きくなるから、2値信号の時間差が強調されることになり、結果的に直流成分の検出精度が高くなってフィードバック制御の精度がより向上することになる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ローパスフィルタが2次型ローパスフィルタであることを特徴とする。この構成によれば、比較的定数の小さい電子部品を持ちながらもカットオフ周波数の低いローパスフィルタを構成することが可能であり、汎用の安価な電子部品を用いることが可能であるとともに、ローパスフィルタを多段にすることなく比較的小型の回路で直流成分の抽出が可能になる。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記抵抗の両端電圧として検出される前記インバータ回路の出力電流の直流成分が規定の閾値を超えるとインバータ回路からの出力停止を前記制御回路に指示する異常判定部が付設されているものである。この構成によれば、フィードバック制御の応答が間に合わないような急激な変化が生じたときにはインバータ回路の出力を停止させることができ、より安全に使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
基本構成
本例において説明する電力変換装置2は、図1に示すように、基本的な構成は図7に示した従来構成と同様である。したがって、以下では主として図7に示した従来構成との相違点を説明することとし、図7に示した従来構成と同様の機能を備える構成については同符号を付して説明を省略する。
【0020】
本例では、インバータ回路6の出力電流を検出する抵抗Rdの両端電圧をゼロクロス検出回路15に入力し、ゼロクロス検出回路15では入力電圧の極性に対応する2値信号を出力する。たとえば、入力電圧が正極性のときにHレベル、負極性のときにLレベルになるような2値信号を出力する。したがって、ゼロクロス検出回路15は基準電圧を0Vとするコンパレータにより容易に実現することができる。ゼロクロス検出回路15の出力はフォトカプラ16で絶縁した後に制御回路8に入力される。
【0021】
本例の制御回路8ではゼロクロス検出回路15から出力された2値信号について、Hレベルの期間とLレベルの期間との時間差を求め、時間差が大きいほど直流成分が大きいと判断するのである。つまり、インバータ回路6の出力電流が正弦波であれば、ゼロクロス点の出現する時間間隔は一定である(正極性と負極性とが50%ずつになる)から、上述のようにして得られたゼロクロス検出回路15の出力においてHレベルの期間とLレベルの期間とは等しくなる。これに対して、上述のように入力電圧が正極性のときにゼロクロス検出回路15がHレベルを出力するとすれば、正極性の直流成分が含まれるときにはHレベルの期間がLレベルの期間よりも長くなり、逆に負極性の直流成分が含まれるときにはLレベルの期間がHレベルの期間よりも長くなる。したがって、直流成分の多寡だけではなく直流成分の極性も検出可能となる。なお、ゼロクロス検出回路15において入力電圧の直流成分が正極性のときに出力をHレベルとするかLレベルとするかは適宜に設定される。
【0022】
いずれにしても、制御回路8ではゼロクロス検出回路15から出力されるHレベルの期間とLレベルの期間との時間差が減少するようにインバータ回路6のスイッチング素子Q2〜Q5のオン・オフを制御するパルス幅を調節する(たとえば、正極性の直流成分が含まれるときには、正極性の出力を発生する期間に制御されるスイッチング素子Q2〜Q5のオン期間を短くし、逆に負極性の出力を発生する期間に制御されるスイッチング素子Q2〜Q5のオン期間を長くする)。なお、ゼロクロス検出回路15で検出されるHレベルの期間とLレベルの期間との時間差と、インバータ回路6のスイッチング素子Q2〜Q5のオン・オフの期間を調節する割合とは制御回路8に内蔵したデータテーブルによって関連付けるのが望ましい。
【0023】
本例の構成では制御回路8の動作が図7に示した従来構成とは若干異なるが、制御回路8はマイコンにより構成されているから、本例の動作を実現するには制御回路8のプログラムを従来構成とは若干変更すればよい。他の構成および動作は図7に示した従来構成と同様である。
【0024】
第1の実施の形態)
本実施形態は、図2に示すように、図1に示した基本構成に電流計測手段としての変流器CTを付加し、変流器CTにより検出されるインバータ回路6の出力電流をゼロクロス検出回路15で得られた2値信号とともに制御回路8に与えるものである。つまり、ゼロクロス検出回路15で得られた2値信号におけるHレベルの期間とLレベルの期間との時間差は、インバータ回路6の出力の直流成分の目安ではあるが、インバータ回路6の出力電流の大きさを反映していない。そこで、本実施形態では変流器CTによりインバータ回路6の出力電流の実効値を検出し、時間差から得られる直流成分の割合に変流器CTで求めた出力電流を乗じることによって直流成分の絶対値に相当する値を求めている。インバータ回路6の出力電流の検出に抵抗Rdとは別に変流器CTを設けているのは、抵抗Rdは温度変化による誤差が少ないから直流成分の微小な変化を検出するのに適しており、一方、変流器CTはインバータ回路6の出力電流のように広範囲に亘って変化する電流を検出するのに適しているからである。ここに、ゼロクロス検出回路15で求めたHレベルの期間とLレベルの期間との時間差と変流器CTにより検出したインバータ回路6の出力電流とからスイッチング素子Q2〜Q5を制御するパルス幅を求める演算は、制御回路8に内蔵したデータテーブルに照合する形の演算とすれば高速な処理が可能である。
【0025】
なお、本実施形態においてインバータ回路6の出力電流の実効値を求めているが、波高値などを用いることも可能である。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0026】
第2の実施の形態)
本実施形態は、図3に示すように、図2に示した第1の実施の形態と類似した構成を有するが、電流検出用の抵抗Rdの両端電圧をカットオフ周波数が3Hzであるローパスフィルタ17に通した後に、ゼロクロス点でパルスを発生するように構成したゼロクロス検出回路15に入力している。つまり、第1の実施の形態ではインバータ回路6の出力電流におけるゼロクロス点の時間間隔を用いるから、図4(a)に示す時間T1,T2の時間差(T1−T2)を求めていることになる。これに対して、本実施形態では、ローパスフィルタ17を通した後の電流からゼロクロス点を抽出するから、ローパスフィルタ17を通して交流成分が低減されることによって直流成分の割合を多くした状態でゼロクロス点を抽出することになり、図4(b)に示す時間T1′,T2′のように時間差(T1′−T2′)がより強調されることになって直流成分を高い分解能で検出することが可能になる。
【0027】
本実施形態において用いるローパスフィルタ17は、具体的には図5に示す構成を採用している。すなわち、オペアンプOPの非反転入力端に2個の抵抗R1,R2の直列回路の一端を接続し、さらに抵抗R1,R2の接続点とオペアンプOPの出力端との間にコンデンサC3を挿入し、オペアンプOPの反転入力端と出力端とを短絡し、さらにオペアンプOPの非反転入力端に一端を接地したコンデンサC4の他端を接続してある。抵抗R1,R2は抵抗値が等しく、コンデンサC3,C4は容量が等しく設定されている。コンデンサC3,C4には周波数特性および温度特性に優れたフィルムコンデンサを用いるのが望ましい。
【0028】
このような構成のローパスフィルタは2次型ローパスフィルタとして知られており、抵抗R1,R2、コンデンサC3,C4の積が大きいほどカットオフ周波数が小さくなるから、抵抗R1,R2およびコンデンサC3,C4に定数の比較的小さいものを用いながらもカットオフ周波数を低く設定することが可能である。つまり、コンデンサC3,C4として数μF程度までの容量のもの選択すれば、小型かつ安価である汎用の部品を用いることができ、ローパスフィルタ17のカットオフ周波数が3Hz程度になるように抵抗R1,C2の値を決定するのであれば、いずれの部品も汎用のものを用いることが可能になるとともに、少ない部品点数で構成することができる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0029】
第3の実施の形態)
本実施形態は、図6に示すように、第2の実施の形態に異常判定部18を付加したものである。異常判定部18は抵抗Rdの両端電圧からほぼ直流成分だけをローパスフィルタによって抽出して適宜に設定した閾値と比較し、直流成分が閾値を超えるときに異常信号を出力する。この異常判定部18は図示例ではローパスフィルタ17の後段に接続されており、ローパスフィルタ17から出力された低周波成分から直流成分を抽出することによって直流成分の抽出を容易にしてある。異常信号はフォトカプラ19を介して制御回路8に入力され、制御回路8では異常信号を受けると解列開閉器10を開放するとともにインバータ回路6の動作を停止させる。つまり、インバータ回路6のスイッチング素子Q2〜Q5の故障などによって直流成分が異常に大きくなったときには、ゼロクロス検出回路15を用いたフィードバック制御よりも迅速に応答して異常信号を発生し、インバータ回路6の動作を停止するとともに、商用電源AC側への直流成分の流出を防止するのである。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0030】
なお、本実施形態における異常判定部18に代えてゼロクロス検出回路15の出力を制御回路8に入力するとともに、ゼロクロス検出回路15の出力から求めた時間差が異常であるときにインバータ回路6を停止する構成としても同様の目的を達成することができる。また、時間差からスイッチング素子Q2〜Q5を制御するパルス幅を決める際にデータテーブルを用いる場合には、データテーブルの範囲から逸脱しているときに(入力側の値が存在しないときに)、異常が生じていると判断するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明の構成によれば、出力電流の極性を2値化した2値信号における2つの信号値の時間差として求めるから、インバータ回路の出力側と制御回路との間の絶縁をフォトカプラで行うことができ、小型かつ安価に提供することが可能である。しかも、インバータ回路から出力される交流電流の1周期程度の時間で直流成分を検出するから、比較的よい応答性が得られる。
【0032】
さらに、変流器により検出したインバータ回路の出力電流の値と、インバータ回路の出力電流における直流成分を反映する時間差とを用いてインバータ回路の出力電流における直流成分の絶対値に相当する値を求めるから、インバータ回路の出力制御をより正確に行うことができ、結果的にフィードバック制御における応答性の向上につながる。
【0033】
請求項2の発明の構成によれば、データテーブルを用いてスイッチング素子のオン期間を決定するから、出力電流と時間差とからオン期間を求める演算を行う場合に比較すればプログラムによる処理が不要になる分だけ応答性が向上することになる。
【0034】
請求項3の発明の構成によれば、インバータ回路の出力電流の低周波成分が抽出されることによって波高値に対する直流成分の割合が大きくなるから、2値信号の時間差が強調されることになり、結果的に直流成分の検出精度が高くなってフィードバック制御の精度がより向上することになる。
【0035】
請求項4の発明の構成によれば、比較的定数の小さい電子部品を持ちながらもカットオフ周波数の低いローパスフィルタを構成することが可能であり、汎用の安価な電子部品を用いることが可能であるとともに、ローパスフィルタを多段にすることなく比較的小型の回路で直流成分の抽出が可能になる。
【0036】
請求項5の発明の構成によれば、フィードバック制御の応答が間に合わないような急激な変化が生じたときにはインバータ回路の出力を停止させることができ、より安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基本構成を示す回路図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示す回路図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。
【図4】 同上の動作説明図である。
【図5】 同上に用いるローパスフィルタを示す回路図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。
【図7】 従来例を示す回路図である。
【図8】 他の従来例を示す回路図である。
【図9】 従来例を示す動作説明図である。
【符号の説明】
6 インバータ回路
8 制御回路
15 ゼロクロス検出回路
16 フォトカプラ
17 ローパスフィルタ
18 異常判定部
Q2〜Q5 スイッチング素子
Rd抵抗
CT 変流器

Claims (5)

  1. 2個のスイッチング素子の直列回路を少なくとも1組備えスイッチング素子の直列回路に直流電圧が印加されるとともに交流電圧を出力するインバータ回路と、各スイッチング素子のオン期間を制御することによりインバータ回路から出力される交流電圧の正極性の期間と負極性の期間の電力を制御する制御回路と、インバータ回路の出力電流を流す経路に挿入された電流検出用の抵抗と、前記抵抗の両端電圧として検出したインバータ回路の出力電流のゼロクロス点ごとに信号値が反転する2値信号を出力するゼロクロス検出回路と、ゼロクロス検出回路と制御回路との間に介在してインバータ回路の出力側と制御回路とを絶縁するフォトカプラと、抵抗とは別にインバータ回路の出力電流を検出する変流器とを備え、制御回路では、ゼロクロス検出回路の2つの信号値の時間差から得られる直流成分の割合に、変流器により検出した出力電流を乗じることによってインバータ回路の出力における直流成分の絶対値に相当する値を求め、当該値をゼロにするようにインバータ回路のスイッチング素子のオン期間をフィードバック制御することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記電流計測手段により検出した前記インバータ回路の出力電流および前記制御回路で求めた前記時間差と、インバータ回路のスイッチング素子のオン期間とを対応付けたデータテーブルを前記制御回路に設けたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記インバータ回路から出力される交流の周波数よりも十分に低いカットオフ周波数に設定されかつ交流成分に対する直流成分の比率を前記抵抗の両端電圧における比率よりも大きくするローパスフィルタを、前記抵抗と前記ゼロクロス検出回路との間に挿入したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電力変換装置
  4. 前記ローパスフィルタが2次型ローパスフィルタあることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記抵抗の両端電圧として検出される前記インバータ回路の出力電流の直流成分が規定の閾値を超えるとインバータ回路からの出力停止を前記制御回路に指示する異常判定部が付設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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