JP4503760B2 - 二重管路端の閉塞蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は二重管路端の閉塞蓋に関し、パイプインパイプ方式における既設管路と新設管路との間隙に充填材を注入固化する場合にその間隙両端の閉塞に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
老朽の既設管路を更生する場合、マンホ−ル内で新管を受口・挿口方式により接続し、一接続ごとにほぼ管材長さだけ新管を既設管路内に挿入することによって既設管路内に新設管路を付設するパイプインパイプ工法を施用することがある。
【0003】
このパイプインパイプ工法では、既設管路と新設管路との間の間隙の両端を閉塞し、その間隙にモルタルミルク等の充填材を注入・固化しており、従来、その閉塞には、煉瓦の積み上げにより隔壁を構築する煉瓦方式、エアバックを装着し空気の圧入によるエアバックの膨張で封止するエアバック方式等が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既設管路の口径が大きく(例えば、1200mmφ)、新設管路と既設管路との間隙もかなり大きいために(例えば、100mm)、閉塞スペ−スが広く、煉瓦方式では、使用する煉瓦個数が多くなり、施工に時間がかかり、また、既設管路内が水浸状態の場合が多くモルタルシ−ルも容易ではないので、作業性に問題がある。
【0005】
また、エアバック方式でも、設管路内が水浸状態の場合は、確実な封止が難しく、また、エアバックを装着したままにしておくときは、充填作業後、エアバック内にモルタル等を注入する必要があり、他方、エアバックを取り外す場合でも、取り外したあとの空隙をモルタル等で充填する必要がある。従って、エアバック方式でも、作業性やシ−ル性に問題がある。
【0006】
本発明の目的は、パイプインパイプ施工において、簡単な作業で管路端を閉塞できる蓋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る二重管路端の閉塞蓋は、既設管路内に挿入付設された新設管路と既設管路との間の間隙に充填材を注入するために、その間隙の両端に取り付けられる部材であり、新設管路の管路口にパッキングを介して水密に差し込み接合される継手部とマンホ−ル内面に当接固定されるプレ−ト部とを備え、既設管路と新設管路との間に充填材を注入するための注入管及び/又は空気抜き管とがプレ−ト部に取り付けられていることを特徴とする構成であり、継手部は相手の新設管路端が挿口か受口かにより、受口型か挿口型とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1の(イ)は本発明に係る閉塞蓋を使用状態により示す正面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。図1において、Aは本発明に係る閉塞蓋の一例を示し、マンホ−ル内面21に当接固定されるプレ−ト部11とパイプインパイプの新設管路23の管路端にパッキング13を介して水密に差し込み接合される継手部12とを備えている。20は四角孔のマンホ−ル、22は下水用既設管路、23は既設管路22内に挿入布設された下水用新設管路であり、この新設管路Eの管路口に閉塞蓋Aの継手部12がパッキング13を介して差し込み接合され、閉塞蓋Aのプレ−ト部11がマンホ−ル内面21に当接されてアンカ−ボルト24,…で固定されている。プレ−ト部11とマンホ−ル内面21との間に、シ−ト状パッキング等のシ−ル材を介在させることもできる。
【0009】
上記マンホ−ル20の底面には、通常、図2に示すようにインバ−ト201(導水溝)が設けられているが、図1の例では、マンホ−ル底面を切削してインバ−トを除去し、既設管路底面よりもΔhだけ低い平坦面としてある。
上記インバ−トを残す場合は、プレ−ト部の下半部をインバ−トに適合させるために、その下半部を図3に示すように、既設管内郭に沿って切断することができる。
上記マンホ−ルの内郭が円形の場合もあり、この場合は、図4に示すように閉塞蓋のプレ−ト部11がその円形内面に適合した曲面板とされる。
【0010】
図1において、14はプレ−ト部12に貫設された充填材注入管、15は空気抜き管であり、既設管路22と新設管路23との間隙に注入管14より充填材が注入され、この注入による充填の進行に伴い上記間隙内の空気が空気抜き管15から逃がされていく。
【0011】
上記の閉塞蓋Aは、図5に示すように、新管内径と同一内径のFRP製継手部本体120に受口用カラ−121の端部を嵌着し、このカラ−端にFRP製プレ−ト部本体110を嵌着し、プレ−ト部本体110及び継手部本体120を内外側から繊維強化樹脂層122(例えば、エポキシ樹脂含浸マット)で包囲し、更に注入管14及びエア抜き管15を貫設することにより製作できる。
【0012】
上記パイプインパイプの新管には、繊維強化樹脂製の内管と外管との間に樹脂モルタルを充填し、一端に受口を設け、他端を挿口とした複合FRP管を使用でき、管寸法は、例えば内径1200mmφの既設管路に対して内径1000mmφされ、その施工は次ぎのようにして行うことができる。
【0013】
すなわち、図6の(イ)において、まずマンホ−ル20a内に新管を吊り下し得るように、既設マンホ−ルの上端部を削って開口スペ−スを拡大し、更に、マンホ−ルの上端開口部に、吊り下し機31を設置し、新管をマンホ−ル内に一本づつ下していき、マンホ−ル底部まで下した最初の新管231を既設管路22の管路口からジャッキ等を用いて内部に挿入し、次ぎに吊り下した新管232を上記新管231と同一軸線上に位置させ、該新管232を上記新管231に向けジャッキ等を用いて押し込むことにより、これらの新管を受口・挿口方式により接続する。その後は、接続された複数本の新管からなる新管接続群を次ぎの新管で上記と同様にして既設管路内に押し込み、以後同様な作業を行うことにより、図6の(ロ)に示すように、新管接続群の先端管231を到達側マンホ−ル20bの管路口に到達させる。
通常、新管は挿口側を先端にして押し込まれ、また最後の新管には、長さを調整した切断管材が使用されるので、新設管路の両端は挿口タイプとなる。
上記のようにして、既設管路内に新設管路を挿入布設したのちは、各マンホ−ル内において、図1に示したように閉塞蓋を取付け、各閉塞蓋の注入管に充填材注入機のホ−スを連結し、既設管路と新設管路との間の間隙に充填材を注入していく。
【0014】
この注入材には、モルタル・セメントミルク系の懸濁液の外、水ガラス系の半懸濁液、ウレタン系等の高分子溶液の使用も可能であり、注入後、硬化して、新設管路に対する実質上の地盤強化、止水性の向上が図られる。
【0015】
上記の施工において、到達側マンホ−ル20bの内面に予め閉塞蓋のプレ−ト部を当接固定しておき、新管接続群の先端新管をこの閉塞蓋の受口にパッキングを介して差し込み接続し、新設管路の挿入布設の終了後に、出発側マンホ−ル20aでの閉塞蓋の取付けを行うこともできる。
【0016】
上記出発側マンホ−ル20a内の新設管路の管路口が図6の(ハ)に示すように受口となることもあり、また、図6の(ニ)に示すように、両マンホ−ル20a,20bの新設管路の管路口を受口とすることも可能であり、かかる場合を勘案して、閉塞蓋の継手部を挿口型にすることもできる。
【0017】
図7は、閉塞蓋の継手部を挿口型にした実施例を示し、内外径を新管の内外径に等しくしたFRP製の挿口管本体120’の一端にFRP製プレ−ト部本体110を嵌着し、プレ−ト部本体110から継手部本体120’にかけ内外側を繊維強化樹脂層122(例えば、エポキシ樹脂含浸マット)で包囲し、更に注入管14及びエア抜き管15を貫設してある。
【0018】
なお、傾斜管路の場合、低所側マンホ−ルの管路口から充填材を注入し、低所側マンホ−ルの管路口から空気を逃がすことができ、この場合は、プレ−ト部に注入用または空気抜き用の一本の管を貫設しておくこともできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、パイプインパイプ方式における既設管路と新設管路との間の間隙に硬化性の液状充填材を注入する場合にその両端を閉塞するために使用される部材であり、マンホ−ル内面に当接固定されるプレ−ト部と新設管路端にパッキングを介して水密に差し込み接続される継手部とを備えており、継手部を新設管路端に差し込み接合し、プレ−ト部をマンホ−ル内面に当接固定するだけで、既設管路と新設管路との間の間隙の端を閉塞でき、閉塞を簡単な作業で行うことができる。
また、充填材が固化するまでの間の充填材圧力をプレ−ト部で支持でき、継手部と新設管路端とのパッキング接続とプレ−ト部とマンホ−ル内面との密接により優れた液密性を保証できるから、充填材が多量注入される長尺のパイプインパイプ管路でも、充填材の漏れなく、充填材の注入・充填作業を円滑・迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は本発明に係る閉塞蓋の使用状態を示す正面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
【図2】図1におけるマンホ−ルを説明するために使用した図面である。
【図3】本発明に係る閉塞蓋の上記とは別の使用状態を示すための図面である。
【図4】本発明に係る閉塞蓋の別実施例を示す図面である。
【図5】本発明に係る閉塞蓋の上記とは別の実施例を示す図面である。
【図6】本発明に係る閉塞蓋が使用されるパイプインパイプ管路の布設状態を示す図面である。
【図7】本発明に係る閉塞蓋の上記とは別の実施例の要部を示す図面である。
【符号の説明】
A 閉塞蓋
11 プレ−ト部
12 継手部
13 パッキング
14 注入管
15 空気抜き管
20 マンホ−ル
22 既設管路
23 新設管路
Claims (3)
- 既設管路内に挿入付設された新設管路と既設管路との間の間隙に充填材を注入するために、その間隙の両端に取り付けられる部材であり、新設管路の管路口にパッキングを介して水密に差し込み接合される継手部とマンホ−ル内面に当接固定されるプレ−ト部とを備え、既設管路と新設管路との間に充填材を注入するための注入管及び/又は空気抜き管がプレ−ト部に取り付けられていることを特徴とする二重管路端の閉塞蓋。
- 請求項1に記載の二重管路端の閉塞蓋において、継手部が受口型である二重管路端の閉塞蓋。
- 請求項1に記載の二重管路端の閉塞蓋において、継手部が挿口型である二重管路端の閉塞蓋。
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