JP4503483B2 - 被溶接材とそれを用いた溶接構造物及び高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

被溶接材とそれを用いた溶接構造物及び高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼 Download PDF

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Description

本発明は、原子力発電プラントの炉内構造物及び高温水経路の配管等の厳しい腐食環境にさらされ耐応力腐食割れ性を有する被溶接材とそれを用いた溶接構造物及び原子力発電プラントと耐応力腐食割れ性の高い高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼に関する。
沸騰水型軽水炉の炉内構造物や再循環冷却水配管には、近年SUS316L鋼といった炭素含有量の低い、耐応力腐食割れ性の高いステンレス鋼(低炭素ステンレス鋼)が用いられている。
しかしながら、これらの炉内構造物や再循環冷却水配管、特に機械加工を施された表面が残留した部位においては、原子炉水に接する表面に引張残留応力が存在する場所では、原子炉水の酸化性環境の作用による運転中の耐応力腐食割れ性をより高める必要がある。このような引張残留応力は、製造過程、特に溶接施工時に、溶接金属部の凝固収縮により溶接部周辺に発生するほか、機械加工によって施工表面に発生することもある。
応力腐食割れは、材料・応力・環境(水質)のすべての要因が重なった条件で発生するとされており、それぞれの要因を緩和する対策が検討されてきた。応力対策としては、溶接や加工によって発生した引張応力の緩和もしくは圧縮応力化を指向して熱処理や表面処理が提案され、一部実施されている。また、環境対策としては、純水中の不純物低減、導電率や溶存酸素量の厳格な管理のほか、腐食電位の引き下げを指向して水素や貴金属注入が提案され、一部実施されている。
従来から、高温水中での応力腐食割れ抑制のため、その素過程の一つである粒界腐食を抑制する方法が検討されてきた。例えば、CrやMoといった耐食性に有効な元素の含有量を最適化したり、C添加を低減してCr炭化物の粒界析出によるCr欠乏領域の生成を防止したり、または耐粒界腐食性に有害な元素であるP及びSの含有量を低減する手法があり、これらの知見の多くは既に実施されている。
近年では、例えば、特許文献1に記載されているように、低炭素ステンレス鋼の粒界腐食の要因としてラーベス相及びχ相の粒界析出を特定し、これらの析出を抑制する化学成分が提案されている。
又、鋼中の材料組織に着目して、耐応力腐食割れ性を向上させる手法が提案されている。結晶粒径に着目し、粗粒化もしくは細粒化を指向したものがある。例えば、特許文献2、特許文献3では細粒化によって、特許文献4では表面の粗粒化によって応力腐食割れやその素過程の一つである粒界腐食を抑制できることが示されている。
更に、鋼中の粒界構造に着目して、耐食性に有効な構造を有する粒界の比率を増やすことにより、応力腐食割れの素過程の一つである粒界腐食の抑制を指向したものがある。例えば、特許文献5、特許文献6では、オーステナイト系ステンレス鋼を対象に耐食性に有効な低エネルギー粒界(双晶粒界などの特殊粒界)の比率を増やすことにより耐粒界腐食性が向上することが示されている。
特開平6−122946号公報 特開平8−246106号公報 特開平8−337853号公報 特開2005−23343号公報 特開2004−339576 特開2005−15896公報
特許文献1の材料組織を制御した材料は、素材製造プロセスにおいて複雑かつ高度な制御が必要であるため製造可能な寸法が小さくなり、製造コストが高くなる場合が多いほか、プラントの製造工程を考慮すると成形加工や溶接により当初の制御組織が維持されない可能性が危惧され、プラントへの適用のための解決すべき課題も多い。逆に言えば、従来の素材製造プロセスを大きく変更せず製造でき、プラントの製造工程を経た後もその特性が維持できる材料が、プラントに早く適用されやすい。
近年顕在化しつつある低炭素ステンレス鋼の応力腐食割れは、製造時の機械加工との関わりが指摘されている。強加工を受けた最表面では貫粒型の応力腐食割れが懸念されることから、少なくとも応力腐食割れの発生段階では粒界腐食にのみ着目した材料は従来材と差異がないと考えられる。
最近は、応力腐食割れの要因として製造時の機械加工を考慮し、製造時にグラインダ研削などで生じた表面加工層を研磨によって除去、更に上述の応力緩和もしくは応力圧縮化対策、水質改善対策を併せて実施することにより、応力腐食割れに対する総合的なリスク低減を図っている。
特許文献2〜6の提案においても、このリスク低減に寄与できる対策を提案し、総合的に応力腐食割れを抑制することが望まれている。
本発明の目的は、軽水炉において高温高圧水に接する構造材料として、表面への機械加工を受けても応力腐食割れに及ぼす影響を小さくでき、耐応力腐食割れ性に優れた被溶接材とそれを用いた溶接構造物及び原子力発電プラントと耐応力腐食割れ性の高い高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材並びに高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼を提供することにある。
本発明は、質量で、C0.001〜0.020%、Si0.1〜1.0%、Mn0.2〜2.0%、Cr16〜20%、Ni9〜15%、Mo3%以下、N0.001〜0.12%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記Crと(式1)によって求められるMd30とが(式2)を満たし、結晶粒度番号が4.0〜7.0であることを特徴とする被溶接材にある。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29Ni−18.5Mo−1.42(ν−8.0) ……(式1)
Cr+0.022Md30≧14.5 ……(式2)
(式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
Md30は、単位として(℃)で表され、オーステナイト安定化指数として称されるものである。その値がマイナス側に大きい数値ほどオーステナイト安定性が高いものであり、本発明においては、Cr量との関係によって設定されるものである。
前記不可避不純物が、Cu0.05%以下、Nb0.05%以下、P0.035%以下及びS0.015%以下であり、前記Md30が(式3)によって求められることを特徴とする。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)−18.5Mo−68Nb−1.42(ν−8.0) ……(式3)
(式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
前記Moが0.001〜0.2質量%、又は、0.25〜2.5質量%であること、更に、質量で、Zr0.2〜1.14%及びHf0.2〜2.24%の1種以上を含有することが好ましい。
本発明は、引張応力−伸び曲線において伸び40%での応力が510MPa以下であること、又表面に冷間塑性加工層を有し、該冷間塑性加工層の厚さが1〜500μmであることが好ましい。より10〜200μmが好ましい。
本発明は、被溶接材が肉盛溶接部によって接続される溶接構造物において、前記被溶接材が前述に記載の被溶接材よりなることを特徴とする溶接構造物にある。
前記肉盛溶接部表面及び被溶接材表面の溶接熱影響部に冷間塑性加工層が形成されていること、又、前記肉盛溶接部表面及び被溶接材表面の溶接熱影響部にグラインダ研削又はフラッパホイール研削が施され、前述の厚さの冷間塑性加工層を有することが好ましい。
本発明は、炉内構造物及び再循環冷却水配管の少なくとも一方が前述に記載の溶接構造物よりなることを特徴とする原子力発電プラントにある。
本発明は、質量で、C0.001〜0.020%、Si0.1〜1.0%、Mn0.2〜2.0%、Cr16〜20%、Ni9〜15%、Mo3%以下、N0.001〜0.12%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記Crと前述の(式1)によって求められるMd30とが前述の(式2)を満たし、表面に冷間塑性加工層を有することを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材にあり、前記不可避不純物が、Cu0.05%以下、Nb0.05%以下、P0.035%以下及びS0.015%以下であり、前記Mdが前述の(式3)によって求められることを特徴とする。
本発明は、質量で、C0.001〜0.020%、Si0.1〜1.0%、Mn0.2〜2.0%、Cr16〜20%、Ni9〜15%、Mo3%以下、N0.001〜0.12%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記Crと前述の(式1)によって求められるMd30とが前述の(式2)を満たし、結晶粒度番号が4.0〜6.0であることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼にあり、前記不可避不純物が、前述と同様であり、前記Md30が前述の(式3)によって求められることを特徴とする。Mo量、Zr量及びHf量は前述と同様である。
本発明は、原子炉構造物の材料として用いられるオーステナイト系ステンレス鋼の特性及び化学成分を規定することによって、プラント製造時の表面加工痕が残留した場合であっても応力腐食割れを抑制し、原子炉構造物の健全性を維持するものである。
現行のプラント製造プロセスでは製造時の機械加工は避けられない。この際生じる加工表面が応力腐食割れの要因として考えられており、研磨による表面加工層除去、熱処理やピーニングによる応力緩和もしくは応力圧縮化対策、水質改善対策を併せて実施することにより、応力腐食割れに対する総合的なリスク低減を図っている。
本発明は、材料そのものの応力腐食割れ発生感受性を低下させることにより、一層のリスク低減を図るものである。
応力腐食割れに及ぼす表面への機械加工の影響として、引張残留応力の生成、加工組織形成に伴う硬度上昇ならびに局部腐食経路の生成が挙げられる。硬度の上昇は、加工層の脆化と対応し、一旦き裂が発生した際にき裂に進展を助長する。また、表面への機械加工は、表面に対して局所的に高いひずみ速度で大きな変形を強いるため、巨大すべり変形による変形帯や、変形双晶もしくはマルテンサイト変態によるせん断変形帯からなる加工組織を生成する。その局所的な変形帯は、結晶性が乱れているため腐食現象の優先サイトとなり、局所腐食の発生起点及び経路となる。これらの要因に加えて、引張残留応力が働くことにより、応力腐食割れが発生するものと考えている。
本発明では、材料そのものの応力腐食割れ発生感受性を低下させることにより表面への機械加工を受けても、応力腐食割れに及ぼすその影響を小さくできる材料を提供する。グラインダ施工といった表面への機械加工は大きな変形を擁すため、発生する引張残留応力は応力腐食割れを発生させるのに十分大きく、ステンレス鋼の化学成分を変化させても引張残留応力を応力腐食割れが発生しないレベルまで低下させることはできない。しかしながら、化学成分によって応力腐食割れ挙動に差異があることを見出した。
この差異の要因の一つは不動態皮膜の生成能力に関係するCr濃度である。粒界や変形帯が局部的な腐食サイトとなるとしても、Cr濃度が高ければCrを主成分とする堅固な不動態皮膜が生成し、一旦皮膜が破れることがあっても迅速に皮膜が再生するため、高温高圧水の環境下で局部腐食を抑制することができる。
もう一つの要因は、加工誘起マルテンサイト変態能である。マルテンサイトとは、体心立方格子構造をもつα´マルテンサイト及び六方最密格子構造をもつεマルテンサイトである。上述のとおり、機械加工を受けた表面は、高速かつ大きな変形を受けるため、変形帯を多数有した加工組織となる。貫粒型の応力腐食割れは、この変形帯の界面を経路としているのが観察されている。変形帯が腐食の優先サイトになるのは、その界面の結晶性が乱れてエネルギーが高くなっているからである。また、機械加工を受けた表面にある粒界の中には、周囲の結晶粒との結晶方位の違いから、変形の集中するものもある。このような粒界では、粒界を介して隣り合う結晶粒の端面の結晶性が乱れて、未加工時と比べてエネルギーが高くなっており、腐食の優先サイトとなる。
加工誘起マルテンサイト変態能が高ければ、原子レベルで母相の面心立方格子構造ではなく体心立方格子構造や六方最密格子構造をとっても安定であるから、結晶性の乱れに対してエネルギーの上昇は小さく、結晶性の乱れた部位が腐食の優先サイトになるポテンシャルが低下する。また、変形帯の界面や変形の集中した粒界では、局所的に大きなひずみが内在し、大きな内部応力をもつため、腐食や割れ発生のポテンシャルが高い。マルテンサイト変態は体積変化を伴うため、マルテンサイト相の生成によりひずみを減少させ、内部応力を緩和することができるため、腐食や割れ発生のポテンシャルを低下させる。
変形量が大きい場合、εマルテンサイトよりもα´マルテンサイトのほうが変態で生じる量が大きいため、化学成分によって加工誘起マルテンサイト変態能を制御する対象として、α´マルテンサイトを選定した。α´マルテンサイト変態能には、種々の表記方法があるが、真ひずみ0.3を負荷したとき50%のマルテンサイト変態がおこる温度M 30(℃)を指標に用いることにした。M 30(℃)は、(式1)及び(式3)に示すとおり、化学成分と結晶粒度番号で決定される。M 30(℃)が高いほど、α´マルテンサイト変態能は高い。そして、質量%で示されるCr濃度及びM 30(℃)について(式2)で示される関係が満たされるとき、高温高圧水中で優れた耐応力腐食割れ性を示す。
又、(式2)で示される範囲内の化学成分では、変形時に加工誘起変態によってα´マルテンサイト相が生じる。上述のとおり、マルテンサイトの生成によって、変形集中部のエネルギー低下や内部応力緩和によって応力腐食割れの腐食や割れ発生のポテンシャルを低下させる。しかし、その生成量や材料組織内での分布によっては、材料の硬化を招き、応力腐食割れ発生のポテンシャルを上げることもある。その指標として、引張応力−伸び曲線での伸び40%での応力値を採用し、510MPa以下であれば、応力腐食割れ発生のポテンシャルは低い。この観点での応力腐食割れ発生のポテンシャル低減にはMo量の低減が有効であり、Moを質量で0.1%以下とすることで達成される。
Cは、材料強度を確保する上で必要な元素であり、0.001%以上でその効果が得られる。0.020%を超えるとCr炭化物の粒界析出による粒界鋭敏化が顕著となり、耐粒界腐食性が損なわれる。C含有量は、0.001〜0.020%とすべきである。好ましくは0.001〜0.016%である。
Siは、素材製造工程で脱酸材として必要な元素であり、0.1%以上で脱酸の効果を得られる。1.0%を超えると靭性が低下する。Si含有量は、0.1〜1.0%とすべきである。好ましくは、0.2〜0.6%である。
Mnは、素材製造工程で脱酸に有効な元素であり、0.2%以上で脱酸の効果を得られる。2.0%を超えると耐食性が低下する。Mn含有量は、0.2〜2.0%とすべきである。好ましくは、0.5〜1.0%である。
Pは、鋼中の不純物元素であり、粒界の耐食性を低下させ、溶接時の高温割れの原因となるので、極力含有量を低減するのが望ましい。しかし、含有量を低減するには素材製造が困難となるため、現行の通常プロセス水準である0.035%以下が好ましい。
Sは、鋼中の不純物元素であり、粒界の耐食性を低下させ、溶接時の高温割れの原因となるので、含有量を低減するのが望ましく、含有量の上限は0.015%が好ましい。
Crは、耐食性を向上するのに必要な元素であり、16%以上で効果が得られる。20%を超えると、熱間加工性を低下させ、製造が困難となる。Cr含有量は、16〜20%とすべきである。好ましくは17〜19%である。
Niは、耐食性の向上及びオーステナイト相の形成に有効な元素であり、8%以上でこれらの効果が得られる。15%を超えるとオーステナイト相の安定度が増しマルテンサイト変態が起こりにくくなるほか、経済性を損ねる。Ni含有量は、8〜15%とすべきである。好ましくは10〜13.5%である。
Moは、照射環境下で照射誘起偏析を抑制し、耐食性を向上させる作用を有するが、含有しなくてもよい。3.0%を超えると、金属間化合物が粒界析出し、耐粒界腐食性が低下する。Mo含有量は、3%以下が好ましい。特に、0.001〜0.2質量%、又は、0.25〜2.5質量%がより好ましい。
Nは、材料強度を確保する上で必要な元素であり、0.001%以上でその効果が得られる。0.12%を超えると靭性が低下する。N含有量は、0.001〜0.12%とすべきである。好ましくは、0.001〜0.035%である。
Zr及びHfは、照射環境下で照射誘起偏析を抑制し、耐食性を向上させる作用を有する。Zr及びHfを含有させることによる耐食性の向上が要求される場合には、これらの元素の1種以上をそれぞれ0.2%以上含有させることによりその効果が得られる。Zr1.14%及びHf2.24%を超えて含有させてもその効果は飽和する。Zrは0.2%〜1.14%、Hfは0.2〜2.24%が好ましい。
上記の条件を満たすオーステナイト系ステンレス鋼は、表面への機械加工を受けた場合の材料そのものの応力腐食割れ発生に対するポテンシャルを低減できる。更に、研磨による表面加工層除去、熱処理やピーニングによる応力緩和もしくは応力圧縮化対策、水質改善対策といった諸対策と併せて実施することにより、応力腐食割れに対する総合的なリスク低減を図り、原子炉構造物の健全性を維持できる。
本発明によれば、軽水炉において高温高圧水に接する構造材料として、表面への機械加工を受けても応力腐食割れに及ぼす影響が小さくでき、耐応力腐食割れ性に優れた被溶接材とそれを用いた溶接構造物及び原子力発電プラントと耐応力腐食割れ性の高い高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材並びに高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼を提供することができる。
表1は、本発明及び比較材に係る高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼の供試材の化学成分(質量%)、オーステナイト結晶粒度番号、(式3)で計算したMd30(℃)及び高圧高温水中で実施された応力腐食割れ発生試験結果を示すものである。各供試材は、真空溶解によって鋼塊を得た後、熱間鍛造によって塑性加工を行い、次いで、固溶化熱処理を行い、更に、溶接部を摸擬した620℃、24時間加熱による鋭敏化熱処理を実施した。更に、各供試材の表面を肉盛溶接後の余盛部をグラインダなどによる研削及び研磨加工を模擬して、約100μmの深さを有する一定ひずみを負荷した上で、288℃、8.3MPaの高圧高温水中に最大5000時間浸漬し、試験片表面での割れの有無により応力腐食割れ発生感受性を評価した。本発明に係る高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼は供試材番号1〜7、9、14、20及び21であり、比較材は供試材番号8、10〜13、15〜19及び22〜29である。
Figure 0004503483
図1は、各供試材での割れの有無を、Cr濃度とMd30との関係を示す線図である。Md30は化学成分と結晶粒度の影響が考慮された(式3)で算出したものである。応力腐食割れの発生は本来、確率論で評価する必要があり、応力腐食割れの発生という事象に対して、割れがあるという実験事実はこれを肯定するものであるが、割れがないという実験事実はこれを必ず否定するものではない。したがって、図1ではCr濃度が低いほど、またMd30が低いほど、応力腐食割れの発生が認められるといえる。更に、図1の式2で示される領域では、実験で応力腐食割れの発生が認められておらず、耐応力腐食割れ性に優れているといえる。
図1の白抜き印で示すように、(式2)のCr量と0.022Md30とが14.5以上を有する本発明に係る高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼は応力腐食割れの発生がないものである。比較鋼で示す番号12がC量が0.017%、15がMo量が2.7%とやや高めであること、番号25はCr量が16.4%及び番号27はCrが16.4%とやや低い含有量であり、又番号27はNi量が14.7%とやや高めであることから応力腐食割れの発生が無いものであるが、その発生のポテンシャルが高いものである。尚、Md30はCr量15%では22.7℃、Cr量20%では250℃である。
Cr濃度は、不動態皮膜の形成に関わり、材料の耐食性に大きく影響する。応力腐食割れの素過程である局部腐食に対しては、不動態皮膜の安定性ならびに皮膜破壊後の修復能力が関係する。これらはCr濃度が高いほど優れており、また粒界析出や粒界偏析に伴うCr欠乏層の形成に対してもバルクのCr濃度が高ければ皮膜が不安定となるCr濃度に対して大きなマージンをもつため、局部腐食に対してもCr濃度が高いほうが有効である。
Md30は加工誘起α´マルテンサイト変態能に関わり、低温から室温付近までの体心立法格子構造の安定性を示す指標であり、その値は加工組織の形成にあたり、加工誘起α´マルテンサイト変態能に大きく影響する。SUS304や304Lでは、加工誘起α´マルテンサイト変態能が高く、加工誘起α´マルテンサイト変態が変形の一部を担っており、変態誘起塑性によって大きな伸びが期待できる。一方、SUS316や316Lは加工誘起α´マルテンサイト変態能が小さく、室温での変形ではX線回折法によってα´マルテンサイト相が検出されることはほとんどない。しかし、微視的に観察した場合、変形の集中した部位にα´マルテンサイト相が存在し、加工誘起α´マルテンサイト変態が変形挙動ならびに加工組織形成に影響したことが示唆される。
図2は、供試材番号9の材料に対して前述した機械加工表面の断面を電子線後方散乱図形法で測定した材料組織のマッピング像である。供試材番号9の材料はSUS316L規格の化学成分を有し、一般には加工誘起α´マルテンサイト変態は起こりにくい材料である。Image Quality(IQ)値は、テクセムラボラトリーズ社製OIMシステムで定義された材料の結晶性に関連のある指標であり、結晶性の乱れた粒界、界面、ひずみの大きな領域ではIQ値は低く、IQ値マッピング像の中では暗く表示されている。
図2(a)では、最表面の加工ひずみが非常に大きいためIQ値は低く、材料組織の形態が判別できないほど暗く表示されている。最表面から深部にいくに従い表面加工の影響は小さくなり、加工組織の形態が明らかになっている。粒界の他に、粒内にも筋状のIQ値が低い領域が存在するのがわかる。又、図2(a)に示すように、黒い線で示される筋状に見える部分が冷間塑性加工層で、約100μmの厚さを有するものである。
図2(b)は、図2(a)の正方形で示した領域の拡大図である。図中の筋は同一結晶粒の中ではほぼ同じ方位を向いており、一部の結晶粒では2方位を向いた筋が共存しているものもある。結晶方位関係を確認したところ、これらの筋はオーステナイト母相と双晶関係にあり、変形双晶であることがわかった。
図2(c)の相分布図では、変形双晶の他に、体心立方格子構造の領域があることが示されている。凝固時に生成し、熱処理後も残留しているδフェライト相は、図2(c)中に示されるように明らかに結晶粒として存在している。他方、図2(b)中で示されている変形双晶や粒界にも体心立方格子構造の領域が分布しており、これらは、オーステナイト母相もしくは双晶と Kurdjumv-sachs の結晶方位関係が存在しており、α´マルテンサイト相であることがわかった。このように変形が集中した領域では、α´マルテンサイト変態が生じており、変態に伴う体積変化により変形を緩和し、同変形量で変態が起こらない状態より変形部のエネルギーを下げることができる。また、変形の大きな部位や粒界といった結晶性が乱れた部位で、原子レベルで体心立方格子構造をとっても安定であり、変形に伴うエネルギー上昇は抑えられると考えられる。
材料を加工した場合に発生する応力について、引張強度の低い材料のほうが引張強度の高いよりも発生する応力が低くなるという考え方がある。しかし、応力腐食割れを考えた場合、加工した材料に対して考慮すべき応力は、上記の変形に必要な応力ではなく、残留応力である。
表2は、室温での引張強さ、288℃での0.2%耐力と前述のグラインダ施工した表面の残留応力測定結果を示すものである。本発明材は供試材番号2〜7及び比較材は供試材番号12、15、25、27〜29である。室温引張強さは、固溶化熱処理後鋭敏化熱処理を施した材料の値である。残留応力は、グラインダ施工による研削痕の長手方向に対して平行及び垂直方向の応力をX線法(並傾法)により測定した。室温引張強さと残留応力には全く相関がなく、引張強さから残留応力を予測することはできない。いずれの供試材も、研削痕の長手方向に対して平行な残留応力が0.2%耐力を超えており、従来の知見では応力腐食割れが起こりうる応力を有している。
Figure 0004503483
図1においてCr濃度及びMd30との関係によって規定した本発明の領域の中で、更に耐応力腐食割れ性に優れた材料の条件を検討した。グラインダ施工表面の応力腐食割れ発生感受性を、42%塩化マグネシウム沸騰溶液中で評価した。42%塩化マグネシウム溶液試験では、高圧高温水中の応力腐食割れを正確には再現できないものの、局所的な表面応力分布や腐食優先サイト分布に影響される応力腐食割れ発生初期の挙動を反映した結果が得られると期待される。
表3は、本発明材の室温引張試験結果、Mo濃度及び塩化マグネシウム沸騰溶液中での応力腐食割れ試験結果を示すものである。本発明材の供試材番号2〜7の塩化マグネシウム沸騰溶液中での応力腐食割れ試験では、グラインダ施工表面を有した試験片を特に応力を負荷することなく、塩化マグネシウム沸騰溶液中に20時間浸漬した。浸漬後断面を観察して、き裂深さ200μm以上のき裂について最大き裂深さ及び平均き裂深さを求めた。いずれの供試材にも、応力腐食割れが発生しているが、そのき裂深さは供試材によって異なる。
Figure 0004503483
局所的な表面応力分布や腐食優先サイト分布は変形組織に関連し、変形組織の形成挙動は変形挙動に反映される。一定ひずみの変形を加えるときに必要な応力は、変形組織の形成に影響を与える変形機構に関係するので、変形組織と関連すると考えられる。ここで、変形機構とは、転位によるすべり変形、変形双晶形成、加工誘起マルテンサイト変態、小角粒界導入につづく結晶粒回転(粒界すべり)などを指す。引張試験は、室温でひずみ速度を0.2%耐力まで0.3%/分、耐力後20%/分で実施した。伸び40%では、変形組織が十分に形成された状態での変形挙動を示していると考えられる。
図3は、塩化マグネシウム沸騰溶液中での応力腐食割れ試験結果におけるき裂深さと伸び40%での応力との関係を示す図である。図中、四角の白抜きが最大き裂深さ及び黒三角が平均き裂深さを表したものである。図に示すように、最大き裂深さ及び平均き裂深さ共に、伸び40%での応力が低下するに従い、き裂深さが小さくなっており、更にその応力が510MPa以下ではき裂深さが大きく減少しており、特に最大き裂深さは約6分の1以下に減少した。従って、伸び40%での応力値が510MPa以下になるような材料は、局所的な表面応力分布や腐食優先サイト分布の面で耐応力腐食割れ性が優れている。特に、最大き裂深さが510MPa以下でき裂深さが著しく大きく減少し、耐応力腐食割れ性が高められることが分かる。
図4は、塩化マグネシウム沸騰溶液中での応力腐食割れ試験結果における伸び40%での各応力でのき裂深さとMo濃度との関係を示す図である。図中、四角の白抜きが最大き裂深さ及び黒三角が平均き裂深さを表したものである。図に示すように、いずれの応力においても、供試材の化学成分に着目し整理すると、Mo濃度が伸び40%での応力値と相関があることがわかる。Mo濃度を質量%で0.2%以下、より0.1%以下とすることで、伸び40%での応力値を510MPa以下にでき、き裂深さを大きく減少させることができる。つまり、機械加工を施した表面を有するステンレス鋼の応力腐食割れ発生感受性を低下させるのに、Mo濃度を低減することが有効である。
以上の試験結果を踏まえて、被溶接材として表1に示す本発明材の高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼を用いて付合わせ肉盛溶接を行い、その溶接部の余盛部分とその溶接熱影響部をグラインダによる研削加工を行った溶接構造物について前述と同様に試験においても、同様の結果を有することは明らかである。尚、Mo無しの被溶接材の溶接材料にはその母材のNi量より1〜2%程度やや多いNi量を有し、他の成分が母材と同様のものが用いられ、Moを有する被溶接材の溶接材料にはその母材と同様の塑性を有するものが用いられる。
このような溶接構造物として、原子力発電プラントの炉内構造物及び再循環冷却水配管の少なくとも一方に適用できるものである。その具体例として、炉内構造物としてシュラウドの製造及び再循環冷却水配管として直径400〜700mmの大径配管の製造に適用できるものである。
以上、本実施例に示すように、軽水炉において高温高圧水に接する構造材料として、表面への機械加工を受けても応力腐食割れに及ぼす影響が小さくでき、耐応力腐食割れ性に優れた被溶接材とそれを用いた溶接構造物及び原子力発電プラントと耐応力腐食割れ性の高い高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材並びに高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼が得られるものである。
高圧高温水中での応力腐食割れ発生試験結果に及ぼす供試材のCr濃度とMd30との関係を示す線図である。 電子線後方散乱図形法にて測定した機械加工表面の断面マッピング像を示す図である。 塩化マグネシウム沸騰溶液中での応力腐食割れ試験結果におけるき裂深さと伸び40%での応力との関係を示す線図である。 塩化マグネシウム沸騰溶液中での応力腐食割れ試験結果におけるき裂深さとMo濃度との関係を示す線図である。

Claims (19)

  1. 質量で、C0.001〜0.020%、Si0.1〜1.0%、Mn0.2〜2.0%、Cr16〜20%、Ni9〜15%、Mo3%以下、N0.001〜0.12%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記Crと(式1)によって求められるMd30とが(式2)を満たし、結晶粒度番号が4.0〜7.0であることを特徴とする被溶接材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29
    Ni−18.5Mo−1.42(ν−8.0) ……(式1)
    Cr+0.022Md30≧14.5 ……(式2)
    (式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
  2. 請求項1において、前記不可避不純物が、Cu0.05%以下、Nb0.05%以下、P0.035%以下及びS0.015%以下であり、前記M 30が(式3)によって求められることを特徴とする被溶接材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29
    (Ni+Cu)−18.5Mo−68Nb−1.42(ν−8.0) ……(式3)
    (式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
  3. 請求項1又は2において、前記Moが0.001〜0.2質量%であることを特徴とする被溶接材。
  4. 請求項1又は2において、前記Moが0.25〜2.5質量%であることを特徴とする被溶接材。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、質量で、Zr0.2〜1.14%及びHf0.2〜2.24%の1種以上を含有することを特徴とする被溶接材。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、引張応力−伸び曲線において伸び40%での応力が510MPa以下であることを特徴とする被溶接材。
  7. 請求項1〜のいずれかにおいて、表面に冷間塑性加工層を有し、該冷間塑性加工層の厚さが1〜500μmであることを特徴とする被溶接材。
  8. 被溶接材が肉盛溶接部によって接続される溶接構造物において、前記被溶接材が請求項1〜のいずれかに記載の被溶接材よりなることを特徴とする溶接構造物。
  9. 請求項において、前記肉盛溶接部表面及び被溶接材表面の溶接熱影響部に冷間塑性加工層が形成されていることを特徴とする溶接構造物。
  10. 請求項又はにおいて、前記肉盛溶接部表面及び被溶接材表面の溶接熱影響部にグラインダ研削又はフラッパホイール研削が施されていることを特徴とする溶接構造物。
  11. 炉内構造物及び再循環冷却水配管の少なくとも一方が請求項〜1のいずれかに記載の溶接構造物よりなることを特徴とする原子力発電プラント。
  12. 質量で、C0.001〜0.020%、Si0.1〜1.0%、Mn0.2〜2.0%、Cr16〜20%、Ni9〜15%、Mo3%以下、N0.001〜0.12%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記Crと(式1)によって求められるMd30とが(式2)を満たし、結晶粒度番号が4.0〜7.0であり、表面に冷間塑性加工層を有することを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29
    Ni−18.5Mo−1.42(ν−8.0) ……(式1)
    Cr+0.022Md30≧14.5 ……(式2)
    (式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
  13. 請求項1において、前記不可避不純物が、Cu0.05%以下、Nb0.05%以下、P0.035%以下及びS0.015%以下であり、前記Md30が(式3)によって求められることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29
    (Ni+Cu)−18.5Mo−68Nb−1.42(ν−8.0) ……(式3)
    (式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
  14. 質量で、C0.001〜0.020%、Si0.1〜1.0%、Mn0.2〜2.0%、Cr16〜20%、Ni9〜15%、Mo3%以下、N0.001〜0.12%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、前記Crと(式1)によって求められるMd30とが(式2)を満たし、結晶粒度番号が4.0〜6.0であることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29
    Ni−18.5Mo−1.42(ν−8.0) ……(式1)
    Cr+0.022Md30≧14.5 ……(式2)
    (式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
  15. 請求項1において、前記不可避不純物が、Cu0.05%以下、Nb0.05%以下、P0.035%以下及びS0.015%以下であり、前記M 30が(式3)によって求められることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−13.7Cr−29
    (Ni+Cu)−18.5Mo−68Nb−1.42(ν−8.0) ……(式3)
    (式中、各元素は質量%であり、νは結晶粒度番号である)
  16. 請求項1又は1において、前記Moが0.001〜0.2質量%であることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼。
  17. 請求項1において、前記Moが0.25〜2.5質量%であることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼。
  18. 請求項1〜1のいずれかにおいて、質量で、Zr0.2〜1.14%及びHf0.2〜2.24%の1種以上を含有することを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼。
  19. 請求項1〜1のいずれかにおいて、引張応力−伸び曲線において伸び40%での応力が510MPa以下であることを特徴とする高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼。
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