JP4502439B2 - 発泡性樹脂の圧縮充填方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ハイインパクトポリスチレン発泡性樹脂を用いた低密度の発泡成形体を得るための発泡成形方法における圧縮充填方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここで、本発明の背景となる発泡成形方法の概要を説明すると、この発泡成形に用いられる金型装置の配置は、図2の断面略図に示すように、凸型13と凹型12が対向配置され、その各インサイド12a、13aは発泡成形体が充填成形されるキャビティ11を形成している。そして、このインサイド12a、13aには、後記の加熱用スチームなどの用役が通過できるよう多数のベントホール(図示せず)が透設されている。また、凸型13と凹型12とは、図示の状態から凸型13を横方向に移動させて、充填成形された発泡成形体を取り出せるよう型開きすることができる。
【0003】
また、これら凹、凸型12、13の内部には、スチーム、空気、あるいは冷却水などの用役が供給される凹側チャンバ12bと凸側チャンバ13bが形成され、インサイド12aのほぼ中央には原料ビーズをキャビテイ11内に充填するための充填器3が凹側チャンバ12bを貫通して配置されている。
なお、これら凹、凸型12、13の上部には、スチーム、加圧空気などを供給するための用役口14、15が設けられ、下部には用役口16、17が設けられ、排気、吸気あるいはドレンに供されている。
【0004】
このような発泡成形用金型装置を用いて、発泡成形体を製造するには、先ず、原料タンク(図示せず)から所定の発泡性樹脂を予備発泡させた原料ビーズを充填器3を通じてキャビティ11内に送入し充填した後、型内に供給する加熱用スチームによって加熱し、溶融発泡させ、冷却固化させて、発泡成形体として取り出すという順に行われる。
【0005】
この発泡性樹脂の原料ビーズの充填方法として、従来から、1)原料タンクおよびキャビテイ内を大気圧に連通し開放した状態で、充填器3に供給される充填エアにより原料ビーズを機械的にキャビティ11中に搬送して充填するクラッキング法がある。この場合、キャビテイ内を大気圧に連通するために、凸型13を僅かに移動させ、凸型13と凹型12との合わせ目を開いた状態、いわゆるクラッキングを設けて充填操作を行う。
【0006】
また、次に、2)原料タンクの容器内を、発泡性ポリスチレン樹脂の場合を例にすると、0.2〜1.5kg/cm2 程度に加圧し、チャンバを通じて大気圧に開放した状態のキャビテイ11内に、その差圧を利用して発泡性樹脂の原料ビーズを搬送して充填する加圧充填法がある。この場合には、前記のクラッキングを設けることはない。
【0007】
さらに、3)原料タンクの圧力pを、発泡ポリポロピレン樹脂の場合を例にすると、前記加圧充填法より高めの1.0〜5.0kg/cm2 程度に加圧し、一方のチャンバ内をそれより若干マイナスに調整して、その差圧により原料ビーズを圧縮状態のまま搬送して充填する圧縮充填法などが知られている。
【0008】
これらの充填方法は、要するに原料タンクとキャビテイ11の間に適度な差圧を設けて、この差圧に基づいて原料ビーズを送入するものであるが、クラッキング法では、原料ビーズを充填した後に、凸型13と凹型12とを閉じて、クラッキング幅だけ充填された原料ビーズを圧縮することになる。従って、図2において、充填成形体のうち圧縮度合いの大きな底面部に相当する平面部Aと圧縮度合いの少ない壁体部に相当する立上がり部Bとでは、平面部Aが高密度に、立上がり部Bがそれに較べて低密度に充填されることになり、完成した発泡成形体として、部分的な品質むらの原因となっていた。
【0009】
また、圧縮充填法の場合には、加圧された状態の原料ビーズがキャビテイ11内に搬送され、充填操作後に加圧状態が解消されると体積膨張を起こし、原料ビーズ相互間の空気などが排除され充填効果が助長されるので、充填むらが軽減されるという利点が得られる。
ところが、原料タンクの圧力pを、前記のように1.0〜5.0kg/cm2 程度に加圧するこの圧縮充填法では、発泡ポリポロピレン樹脂やポリスチレン樹脂の場合に適合しやすいものであるが、比較的柔軟で外圧により膨張収縮し易いハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリエチレン・ポリスチレン共重合樹脂、またはポリエチレン樹脂を用いる場合には、充填時の加圧による圧縮度合いが大きく、そのまま加熱融着して発泡成形体となるので、得られる成形体の密度が大きくなり過ぎるという問題があった。
【0010】
このようなことから、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリエチレン・ポリスチレン共重合樹脂、またはポリエチレン樹脂のような柔軟な樹脂の充填には、この圧縮充填法は利用されず、止むを得ず従来のクラッキング充填法に依存せざるを得ない状況であった。そのため、複雑な形状の成形体を得るには前述のように密度むらを避けることが困難であったし、また発泡成形後の養生時間が24時間程度必要であることから、生産性を向上させることも困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、具体的は特にポリエチレン系発泡性樹脂の原料ビーズを対象にした圧縮充填法であって、得られる発泡成形体の各部位の密度むらを、クラッキング法の1/2以下に改善して品質を向上し、併せて養生時間を1/2〜1/4に削減でき、生産性を向上できる発泡性樹脂の圧縮充填方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、ポリスチレン発泡樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリエチレン・ポリスチレン共重合樹脂、またはポリエチレン樹脂のいずれかの発泡性樹脂からなる原料ビーズを原料タンクから充填器を通じて発泡成形用金型装置のキャビティに加圧状態で充填操作を行い、ついでブローバック操作を行う圧縮充填方法において、原料タンクの制御圧力値を0.03〜0.6kg/cm2 、キャビティの制御圧力値を原料タンクの制御圧力値マイナス0.01〜0.3kg/cm2であって、かつ大気圧を下回らないよう設定して前記充填操作を行い、平均密度が0.01〜0.022g/cm 3 の発泡成形体を得るようにしたことを特徴とする発泡性樹脂の圧縮充填方法により解決することができる。
【0013】
また、本件発明は、前記充填操作を行うに際して、前記発泡成形用金型装置のキャビティに送入される全空気量以上のCV値を有する充填排気弁を用いて調圧しながら排気する形態の発泡性樹脂の圧縮充填方法として、好ましく具体化することができる。
【0014】
このようにして、本発明の発泡性樹脂の圧縮充填方法によれば、原料ビーズが大気圧との差の少ない加圧条件で金型装置のキャビティ内に充填されるので、得られる成形体の密度が大きくなるのを抑制でき、例えばハイインパクトポリスチレン系発泡性樹脂の場合には0.01〜0.022g/cm3 の範囲内の発泡成形体を得ることができ、かつこの場合、成形体各部位の密度むらを従来の1/2以下に均質化できるようになった。そしてこの均質化の結果成形後の養生時の変形が少なくなったので、養生時間を大幅に短縮できるようにもなった。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の発泡性樹脂の圧縮充填方法に係る実施形態について図1を参照して説明する。
先ず、本発明は、発泡性樹脂からなる原料ビーズを原料タンクから充填器を通じて発泡成形用金型装置のキャビティに加圧状態で充填操作を行うに当たって、原料ビーズの送入側、排出側の圧力条件を所定の状態に制御するところに特徴があるが、その前提となる発泡成形装置の原料タンク、充填器、金型装置、排気装置などとそれらの配管系統の基本的配置と動作は先に説明したものに準じている。
【0016】
発泡性樹脂からなる原料ビーズを収容する原料タンク2には、圧縮空気CAがタンク加圧弁21によって、0.03〜0.6kg/cm2 の低圧に制御されて供給される。この場合、この圧力が原料タンクの制御圧力値(以下、制御圧力値Ptという)であって、原料タンク2内の圧力に関する制御情報は鎖線で示す制御ライン21aによって伝達され、タンク加圧弁21が自動的に操作されるものとされている。
なお、この原料タンク2には、原料タンク2内の圧力を検出する制御ライン22aによって、例えばタンク加圧弁21の制御圧力値Ptプラス0.05kg/cm2 以内の制御圧力値が設定されている。この場合、タンク加圧弁21の有効内径を50Aとしたときには、50%以上大きな、例えば80Aの有効内径を持つタンク排気弁22とするのが好ましい。
【0017】
この原料タンク2には、2本の供給パイプ25が2本の充填器にそれぞれ接続するものとして設けられている。この図においては、金型装置内に2個のキャビティ11を配した例を示しているが、キャビティ11に1個の充填器3が配され、充填器1個に専用の原料ビーズの供給パイプ25が1本配置されるので、原料タンク2には、配置される充填器の個数に対応した供給パイプが提供可能とされている。
そして、この供給パイプ25のそれぞれには、混合エアとして、圧縮空気CAを混合エア弁23によって、前記タンク加圧弁21の制御圧力値Ptプラス0.05kg/cm2 以上の制御圧力値(以下、制御圧力値Pbという)に制御して導入され、供給パイプ25内の原料ビーズに対する空気比率を多くすることで、その流れを円滑にする役目を負っている。この場合、制御圧力情報は中間のヘッダー24から制御ライン23aによって伝えられる。
【0018】
そして、このこの供給パイプ25を経て充填器3に至った原料ビーズは、さらに減圧状態のキャビティ11内に流入して充填されるのであるが、この充填器3のノズル先端に供給される充填エアによって、キャビティ11の隅々にまで充填されるよう補助されている。この充填エアは、圧縮空気IAが充填エア弁31によって0.03〜5kg/cm2 程度の制御圧力値(以下、制御圧力値Piという)に制御され、ヘッダー32を経て、各充填器3に供給されるものである。 なお、制御圧力情報は、ヘッダー32から制御ライン31aを通じて伝えられる。また、この充填エアは、原料ビーズの充填の補助とブローバック時の逆流エアを発生に必要な空気量があればよいので、充填操作中にキャビティに送入される充填エア量としては、各充填器3において、絞られた口径から供給される。
【0019】
本発明において、このようにしてキャビティ11中に充填される原料ビーズの充填挙動は、キャビティの圧力を所定値にいかに安定して制御するかに大きく係わっており、特にこのキャビティの制御圧力値(以下、制御圧力値Pcという)を原料タンクの制御圧力値Ptマイナス0.01〜0.3kg/cm2 の範囲内に設定して前記充填操作を行う点を最も特徴とするものである。
この場合、制御圧力値Pcは、大気圧を下回らないよう設定することが充填むらを抑制するために好ましい。
なお、この圧力制御に当たって、制御圧力は充填排気弁41、42の直前の配管から検出した圧力情報が制御ライン41a、42aを通じて充填排気弁41、42に与えられているが、これら配管は後記のような十分に低い空気抵抗の容量を持つことが特に好ましい。
【0020】
さらに、本件発明において、特に好ましい実施形態としては、前記充填操作を行うに際して、前記発泡成形用金型装置のキャビティ11に送入される全空気量以上のCV値を有する充填排気弁(図では、充填排気弁41、42が相当する)を用いて調圧しながら排気する点が指摘できる。本発明では、このように充填排気弁の容量を設定することにより、排気系統の排気抵抗を顕著に軽減できるので圧力制御時の圧力変化の検出や制御操作のレスポンスを迅速に行うことができるようになった。その結果、圧力制御の精度が向上し、上記本発明の特徴的な低圧領域での圧力設定がより容易となったのである。
【0021】
なお、このCV値とは、弁の実質的な流通能力を表すものとして、一定の差圧条件下で清水を流したときの流量を測定して、その弁の流量係数としてとして定義される空気通路の有効断面積を表す尺度である。例えば、CV値200の弁とは、具体的には、差圧が1(単位 lb f/ in2) 条件で体積流が200(単位 US gal/min )の水を流すことができる形状、構造の弁を意味する。
【0022】
図において、キャビティ11に流入する空気は、主としてタンク加圧弁21と混合エア弁23から供給されるが、タンク加圧弁21の有効内径50A、制御圧力値Pt=0.4kg/cm2 、混合エア弁23の有効内径50A、制御圧力値Pb=2.5kg/cm2 とした場合の全空気量は19.8Nm3 /分であって、所要CV値は93.2cvであった。この図の場合、前記充填排気弁41、42は、1個が有効内径80A、制御圧力値Pc=0.1kg/cm2 に設定しているので、この場合、充填排気弁のCV値は、200cv(2個分)であって、前記全空気量は19.8Nm3 /分を上回るよう設定されている。なお、各配管経路では、制御弁に対して、前後の管路そのものは十分な口径を備えていることを前提としている。
【0023】
次に、ハイインパクトポリスチレン発泡性樹脂を原料ビーズとして、図1に例示したシステムを使用し、その各制御圧力値Pt、Pb、Pi、Pcなどを変化させ、以後通常に発泡成形操作を行い有底箱状の発泡成形体を製作した。この試験体の密度平均X、密度偏差%、A−B部間の密度差%などの性状を表1に示す。
ここで、密度平均は試験体各部分の密度の平均値であり、密度偏差は、試験体各部分の密度のバラツキの最大値(Rmax)を平均値Xに対する百分率で示す。これは、原料ビーズがキャビティの隅々にまで均質に行き渡ったかどうかをみる尺度であるが、クラッキング充填法の場合にはより大きな値となって表れる。また、A−B部間の密度差%は、底面の平面部Aと壁面の立ち上がり部Bとの密度差を平均値Xに対する百分率で示す。この値は、圧縮充填法の場合には、充填器からキャビティ内の遠方の部分までいかに均質に充填できるかを示す尺度となる。
【0024】
この表1の結果によれば、本発明の諸条件により、試験体1〜4が示すように、密度平均が0.01〜0.022g/cm3 の範囲内のポリエチレン系発泡成形体を得るのであるが、その密度偏差は7.9%以下であって、かつA−B部間の密度差%は6.6%以下であるように、各部位の密度が一定の値に揃った、従来では到底達成できなかった均質なハイインパクトポリスチレン発泡成形体を製作することができた。
【0025】
比較例a1〜a4に見られるように、圧縮充填方法であっても、制御圧力値Ptは、高圧側に外れる場合は、密度平均が異常に上昇して発泡性樹脂成形体の特長である軽量性が阻害される。また、密度の均質性も阻害される傾向が見受けられた。また、制御圧力値Ptが、低圧側に外れた場合には、実質的に原料タンクを大気圧以上に設定できないので、キャビティ間で差圧を設けられず、充填操作が実行不能となるか、あるいは、制御圧力値Pcを大気圧以下に設定すれば、密度むらが異常に大きくなり、許容される密度品質の成形体は到底得られない。
【0026】
また、キャビティの制御圧力値Pcが、本発明の範囲より大きな値に外れたり、大気圧より小さく設定する場合には、先に同じく密度むらが異常に大きくなりという欠点が表れた。
【0027】
次に、比較例b1〜b3に、クラッキング法による充填のケースを示すが、密度の平均値は、そこそこのものであるが、クラッキング法の前記した欠点であるところの、A−B部間の密度差%が大きくなるという好ましくない密度むらが顕著となる。
【0028】
このように、本発明によれば、好ましい0.01〜0.022g/cm3 の範囲内の密度平均を有し、その密度偏差は7.9%以下で、かつA−B部間の密度差%は少なく改善されて密度むらが従来のクラッキング法の約1/10に低減されるという均質なポリエチレン系発泡成形体を製作することができるのである。そしてこの均質化の結果、成形後の養生時の変形が少なくなるという好ましい現象を招くことになり、その結果、従来の養生時間、約24時間を1/2〜1/4に相当する6〜12時間に大幅に短縮できて成形サイクルの短縮に大きな成果が得られるようになった。
【0029】
【表1】
Figure 0004502439
【0030】
なお、表1の試験は、充填排気弁のCV値を200に設定して行ったものであるが、このCV値が200を下回るような細い口径の場合には、充填圧力の制御精度が低下し、結果、均質な成形体を得るのが困難となった。この場合、密度平均値は目標値に近くなるものの、密度偏差が大きくなるため、この発泡成形方法が適用される対象製品の形状に大きな制約が生じるのに対して、本発明では適用の自由度が大きい利点が得られた。
【0031】
また、上記表1の試験は、発泡性樹脂がハイインパクトポリスチレン系の場合であるが、本発明は、ポリスチレン系発泡性樹脂についてもじゅうぶんに適用できるものである。この場合、ポリスチレン系はポリエチレン系のような柔軟性を持っていないので、充填時の圧力による圧縮、膨張に起因する密度むらの現象は顕著には表れないが、ポリスチレン系発泡性樹脂について本発明を適用する利点は、次の点にある。
【0032】
一般的な圧縮充填方法でも、充填器から離れるに従い充填度合いが変化し、例えば、表のA−B部間の密度差%を0にすることはできない。ところが、ポリスチレン系発泡性樹脂について本発明を適用した場合、このA−B部間の密度差%を最小にできることが見出された。この点は、厚みの比較的小さな複雑形状の発泡成形体の場合に顕著な利点となって具体化できる。すなわち、従来、この種の発泡成形方法では実施できなかったような、厚さが3mm程度の板状成形体で、複数の屈曲部分を有する形状であっても、原料ビ−ズを実用的に許容される密度むらの範囲内で、充填器から離れた先端部分にまで十分に充填することが可能となったのである。
【0033】
【発明の効果】
本発明の発泡性樹脂の圧縮充填方法は、以上に説明したように構成されているので、発泡成形体の各部位の密度むらを、クラッキング法の1/10以下に改善して品質を向上し、併せて養生時間を1/2〜1/4に削減して、生産性を向上できる。さらに、低密度で均質なハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリエチレン・ポリスチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂の発泡成形体を製造できる他、比較的薄肉で複雑な形状のポリスチレン系発泡樹脂の発泡成形体をも製造できるなどの優れた効果が得られる。よって本発明は従来の問題点を解消した発泡性樹脂の圧縮充填方法として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための、原料タンク、充填器、金型装置などの配管系統図。
【図2】発泡成形用金型装置の概要を示す要部断面図。
【符号の説明】
11 キャビティ、2 原料タンク、21 タンク加圧弁、21a 制御ライン、22 タンク排気弁、23 混合エア弁、25 供給パイプ、3 充填器、 31 充填エア弁、32 ヘッダー、42 充填排気弁。

Claims (2)

  1. ポリスチレン発泡樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリエチレン・ポリスチレン共重合樹脂、またはポリエチレン樹脂のいずれかの発泡性樹脂からなる原料ビーズを原料タンクから充填器を通じて発泡成形用金型装置のキャビティに加圧状態で充填操作を行い、ついでブローバック操作を行う圧縮充填方法において、原料タンクの制御圧力値を0.03〜0.6kg/cm2 、キャビティの制御圧力値を原料タンクの制御圧力値マイナス0.01〜0.3kg/cm2であって、かつ大気圧を下回らないよう設定して前記充填操作を行い、平均密度が0.01〜0.022g/cm 3 の発泡成形体を得るようにしたことを特徴とする発泡性樹脂の圧縮充填方法。
  2. 前記充填操作を行うに際して、前記発泡成形用金型装置のキャビティに送入される全空気量以上のCV値を有する充填排気弁を用いて調圧しながら排気する請求項1に記載の発泡性樹脂の圧縮充填方法。
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