JP4499979B2

JP4499979B2 - Composition for controlling pathogen infection

Info

Publication number: JP4499979B2
Application number: JP2002145675A
Authority: JP
Inventors: 和琴武川; 辰彦菅
Original assignee: Combi Corp
Current assignee: Combi Corp
Priority date: 2001-05-21
Filing date: 2002-05-21
Publication date: 2010-07-14
Anticipated expiration: 2022-05-21
Also published as: JP2003040785A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、β−グルカンを含有する素材と乳酸産生菌の加熱処理菌体とを有効成分として含有する病原菌感染抑制用組成物及びそれを含有する飲食品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
担子菌類ハラタケ科のキノコであるアガリクス・ブラゼイ・ムリル（Agaricus blazei Murill、日本名「カワリハラタケ」）は、ガン、アレルギー、糖尿、高血圧等の予防・改善効果を有することが知られており、例えば、抗腫瘍活性成分として、その子実体から酸性多糖体（特開昭６４−６７１９４号公報）、中性多糖体（特開昭６４−６７１９５号公報）及び蛋白多糖体（特開平２−７８６３０号公報）が、菌糸体から蛋白多糖体（特開昭６１−４７５１８号公報）が、更に菌糸体の培養濾液から蛋白多糖体（特開昭６１−４７５１９号公報）がそれぞれ分画されている。
【０００３】
アガリクス・ブラゼイ・ムリルは、健康食品素材として広く利用されており、例えば、特開２００１−１０３９２７号公報には、アガリクス茸を加圧下、水性溶媒を用いて抽出し、該抽出物を５０％エタノールで分別して得られるアガリクス茸エキスを配合した食用組成物が開示されている。
【０００４】
特開２００１−１７１３０号公報には、アガリクス茸煎じ液に酢と蜂蜜を混合したことを特徴とするアガリクス含有健康飲料食品が開示されている。
【０００５】
特開平１１−３２７２３号公報には、アガリクスブラゼイの菌糸体、子実体及びその混合物、又はこれらの培養残液をヘミセルラーゼが主体の酵素剤で分解処理し、そのときに得られるβ−グルカン類が多量に含まれる生理活性物質を主材とする健康食品が開示されている。
【０００６】
また、乳酸菌やビフィズス菌等の乳酸産生菌も従来から健康食品として広く摂取されており、腸内フローラのバランスを改善し、腸内腐敗産物の低減、糞便性状の改善効果のほか、免疫賦活効果を有することが知られている。例えば、特開２００１−４８７９６号公報には、Enterococcus faecalis AD101菌株の死菌体を主成分とする免疫調整剤が開示されている。
【０００７】
特開平１０−２９９４６号公報には、乳酸菌又はその処理物を有効成分とする、薬剤によって低下した液性免疫機能を回復する作用を有する液性免疫回復剤が開示されている。
【０００８】
特開平６−８０５７５号公報には、乳酸菌菌体及び／又は菌体含有物を有効成分として含有することを特徴とする経口免疫賦活剤が開示されている。
【０００９】
特開平５−２５２９００号公報には、乳酸菌菌体の細胞質画分及び／又は細胞質画分含有物を含有することを特徴とする免疫賦活組成物が開示されている。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、アガリクス・ブラゼイ・ムリルや乳酸菌等は、健康食品として広く利用されているものの、それぞれを単独で摂取した場合の生理効果は充分満足できるものではなかった。
【００１１】
したがって、本発明の目的は、経口摂取することにより、優れた病原菌等の感染抑制効果を示す病原菌感染抑制用組成物及びそれを含有する飲食品を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、β−グルカンを含有する素材と乳酸産生菌の加熱処理菌体とを併用することにより、それらを単独で用いた場合に比べて非常に強く病原菌等の感染を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【００１３】
すなわち、本発明の病原菌感染抑制用組成物は、アガリクス・ブラゼイ・ムリル（Agaricus blazei Murill）から調製されたβ−グルカンを含有する素材と、エンテロコッカス・フェカリス（Enterococcus faecalis）の加熱処理菌体とを有効成分として含有することを特徴とする。
【００１４】
本発明の病原菌感染抑制用組成物は、経口摂取することにより、β−グルカンによる免疫賦活活性効果と乳酸産生菌の加熱処理菌体による免疫賦活活性との相乗効果により、病原菌等の感染を強く抑制することができる。
【００１５】
本発明の病原菌感染抑制用組成物は、前記β−グルカンを含有する素材を０．５〜９９．５質量％、前記エンテロコッカス・フェカリス（Enterococcus faecalis）の加熱処理菌体を９９．５〜０．５質量％含有することが好ましい。この態様によれば、より効果的に病原菌等の感染を抑制できる病原菌感染抑制用組成物を提供できる。
【００２０】
本発明の病原菌感染抑制用組成物は、飲食品の成分とされていてもよい。これによれば、該飲食品を摂取することにより、安全かつ効果的に病原菌等の感染を抑制することができる。
【００２１】
飲食品の成分としては、前記病原菌感染抑制用組成物を１食分当たり０．０１〜１０ｇ含有することが好ましい。この態様によれば、１食分の飲食品で充分な量の病原菌感染抑制用組成物を摂取することができる。
【００２２】
本発明の病原菌感染抑制用組成物による感染抑制効果の作用機序は、現在のところ明らかではないが、β−グルカンと乳酸菌の加熱処理菌体とを併用して摂取することにより、マクロファージ、ＮＫ細胞及びＴ細胞を中心とした細胞性免疫機構が活性化され、病原菌等の排除が効率よく行なわれるためであると考えられる。
【００２３】
【発明の実施の形態】
本発明において、β−グルカンとは、グルコースから構成される多糖類のうち、グルコースがβ型の構造で結合したものをいい、具体的にはβ−１，４グルカン（セルロース）、β−１，３グルカン、β−１，６グルカン等が挙げられる。
【００２４】
例えば、担子菌の子実体、担子菌の菌糸体、酵母、細菌、藻類、地衣類等の細胞壁等にはβ−グルカンが多く含まれている。
【００２５】
上記担子菌としては、例えば、アガリクス・ブラゼイ・ムリル（Agaricus blazei Murill）、メシマコブ、マイタケ、エノキタケ、ハナビラタケ、シイタケ、霊芝、ヤマブシタケ、アワビタケ、オオヒラタケ、カワラタケ、白樺タケ、白キクラゲ、梅寄生茸、タモギタケ、マツタケ、シメジ、エリンギ、ナメコタケ、フクロタケ、マンネンタケ等が好ましく挙げられる。本発明においては、中でもアガリクス・ブラゼイ・ムリルが用いられる。これらの担子菌は、従来より食品として摂取されているものであり、容易に入手でき、安全性も非常に高い。
【００２６】
β−グルカンを調製する方法は、特に制限はなく、熱水抽出、アルコール等の有機溶媒抽出、酵素分解等の公知の方法で行なうことができる。例えば、生あるいは乾燥したアガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体やアガリクス・ブラゼイ・ムリルの種菌を炭素源及び窒素源を含む培地で培養して得られる菌糸体培養物を、水、アルコール等の溶媒で抽出することにより調製することができる。具体的には、例えば、乾燥したアガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体の質量の約２０倍量の水を加え、１２０℃で３０分間抽出し、得られた抽出液を適宜濃縮、乾燥することにより得ることができる。
【００２７】
なお、上記のようにして得られる抽出物は、通常、β−グルカンを１〜５０質量％含んでおり、そのまま用いてもよく、必要に応じて更に精製してから用いてもよい。また、市販のものを用いることもできる。
【００２８】
また、本発明において乳酸産生菌の加熱処理菌体とは、乳酸菌、ビフィズス菌等の乳酸産生菌を加熱処理して得られる死菌体であり、例えば、以下のようにして得ることができる。
【００２９】
乳酸産生菌を、ロゴサ培地にて３０〜４５℃、１２〜７２時間培養した後、遠心分離等の適当な手段で菌体を回収する。回収した菌体を、水洗、濃縮し、この濃縮菌体懸濁液を８０〜１１５℃、３０分〜３秒間加熱処理した後、噴霧乾燥、凍結乾燥等の適当な手段により乾燥して得ることができる。
【００３０】
上記乳酸菌としては、例えば、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus herveticus、Streptococcus thermophilus等が挙げられる。また、上記ビフィズス菌としては、例えば、Bifidobacterium Longum、Bifidobacterium breve等が挙げられる。本発明においては、中でもより強い免疫賦活活性を有するエンテロコッカス・フェカリスEnterococcus faecalis（例えばATCC 19433、ATCC 14508、ATCC 23655等）が用いられる。Enterococcus faecalisの加熱処理菌体は、例えば「ＥＦパワー」、「ＥＦ−２００１」（いずれも商品名、コンビ株式会社製）、「ＦＫ−２３」（商品名、ニチニチ製薬製）等として市販されており、これらを用いてもよい。
【００３２】
本発明の病原菌感染抑制用組成物は、アガリクス・ブラゼイ・ムリル（Agaricus blazei Murill）から調製されたβ−グルカンを含有する素材を０．５〜９９．５質量％（β−グルカン換算で０．５〜５０質量％）、エンテロコッカス・フェカリス（Enterococcus faecalis）の加熱処理菌体を９９．５〜０．５質量％含むことが好ましく、β−グルカンを含有する素材を１０〜９０質量％（β−グルカン換算で５〜５０質量％）、乳酸産生菌の加熱処理菌体を９０〜１０質量％含むことがより好ましい。各有効成分が上記範囲外であると相乗的な感染抑制効果が得られないため好ましくない。
【００３３】
本発明の病原菌感染抑制用組成物は、上記の基本的成分の他に、賦形剤、甘味料、酸味料、ビタミン類、ミネラル類等を含むことができる。また、その形態は特に制限はなく、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、液体等、その使用目的に合わせて適宜選択できる。
【００３４】
本発明の病原菌感染抑制用組成物の有効摂取量は、成人１日当たり０．０１〜１０ｇが好ましく、０．０５〜２ｇがより好ましい。
【００３５】
本発明の病原菌感染抑制用組成物は様々な飲食品、例えば、飲料、ゼリー、キャンディー、ガム、レトルト食品、インスタント食品等に添加することができる。上記病原菌感染抑制用組成物の添加量は、１食分当たり０．０１〜１０ｇが好ましく、０．０５〜２ｇがより好ましい。病原菌感染抑制用組成物の添加量が０．０１ｇ未満であると摂取しても充分な感染抑制効果が得られず、１０ｇ超であるとコスト的に高くなりすぎるため好ましくない。
【００３６】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の例においては、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体の抽出物として商品名「仙生露」（協和エンジニアリング社製）、乳酸球菌（Enterococcus faecalis）の加熱処理菌体として商品名「ＥＦ−２００１」（コンビ株式会社製）を用いた。
【００３７】
試験例（乳酸球菌の加熱処理菌体の急性経口毒性試験）
OECD Guidelines for the Chemicals 401(1981)に準拠し、マウスを用いた急性経口毒性試験を行った。
【００３８】
具体的には、乳酸球菌の加熱処理菌体を精製水に懸濁して、試験液（２５０ｍｇ／ｍＬ）を調製した。
【００３９】
４週齢のＩＣＲ系マウス（雌雄各２０匹ずつ、日本エスエルシー株式会社より購入）を約１週間の予備飼育を行なった後、試験群（雌雄各１０匹ずつ）とコントロール群（雌雄各１０匹ずつ）に分け、試験群には、上記試験液を乳酸球菌の加熱処理菌体換算で５，０００ｍｇ／ｋｇ体重となるように胃ゾンデを用いて強制単回経口投与した。また、コントロール群には精製水（雄：０．７ｍＬ、雌：０．６ｍＬ）を同様にして投与し、室温２３±２℃、照明時間１２時間／日に設定した飼育室で飼育した。なお、試験期間中、水と飼料（商品名「マウス、ラット用固形飼料；ラボＭＲストック」、日本農産工業株式会社製）は自由に摂取させた。
【００４０】
投与後、１日１回の観察（観察期間１４日間）を行なったが、いずれの群においても死亡例は見られなかった。そして、観察期間終了時に全てのマウスを剖検したところ、主要臓器に異常は見られなかった。また、投与後７、１４日に体重を測定し、ｔ−検定により有意水準５％で群間の比較を行なった。その結果を表１に示す。
【００４１】
【表１】

【００４２】
表１から、雌雄ともに各群間で体重増加に差は見られなかった。以上の結果から、乳酸球菌の加熱処理菌体のマウスにおける単回経口投与によるＬＤ₅₀値は５，０００ｍｇ／ｋｇ体重以上であると考えられた。
【００４３】
実施例１
７週齢のBALB/cマウス（雌）４０匹（日本クレア（株）より購入）を４群（各群１０匹）に分け、試験群にはアガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキス（乾燥子実体として０．３ｍｇ／匹）と乳酸球菌の加熱処理菌体（１０μｇ／匹）との混合物、比較群１には乳酸球菌加熱処理菌体（２０μｇ／匹）、比較群２にはアガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキス（乾燥子実体として０．６ｍｇ／匹）、コントロール群にはＰＢＳ（０．２ｍＬ／匹）をそれぞれ胃ゾンデで１週間毎日１回強制経口投与した。
【００４４】
その後、リステリア菌（Listeria monocytogenes）を２×１０⁵ＣＦＵ／匹となるようにマウスの腹腔内に注射し、その後の各群のマウスの生存率を観察した。なお、試験期間中、水及び飼料（商品名「粉末飼料ＣＥ−２」、日本クレア製）は自由摂取とした。
【００４５】
その結果を図１に示す。図１から、試験群、比較群１、２はコントロール群に比べて非常に高い生存率を示すことが分かる。特に、試験群のマウスは１匹も死亡しておらず、リステリア菌の感染・増殖を抑制していることが分かる。
【００４６】
実施例２
実施例１と同様にして、試験開始１週間前から毎日１回、各群のマウスに試験サンプルを強制経口投与した後、リステリア菌を感染させた。その後、マウスの脾臓を採取し、脾臓に感染したリステリア菌数の変化を測定した。具体的には、感染後、１、３、５、７日目に脾臓を採取し、この脾臓をすりつぶしてＰＢＳ中に懸濁し、この懸濁液を段階希釈して「リステリア増菌培地」（商品名、MERCK社製）に移して培養（２５℃、４８時間）し、出現したコロニーの数を測定した。その結果を図２に示す。
【００４７】
図２から、感染後３日目以降ではコントロール群ではリステリア菌数が増えているのに対して、試験群、比較群１、２では減少していることが分かる。特に、試験群ではその減少の割合が大きいことが分かる。
【００４８】
これらの結果から、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキスと乳酸球菌の加熱処理菌体とを併用して経口摂取することにより、それぞれを単独で摂取した場合に比べてより優れた感染抑制効果を示すことが分かる。
【００４９】
実施例３
アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキスと乳酸球菌の加熱処理菌体とを併用して経口摂取することによる感染抑制効果の作用機序について、以下の方法により調べた。
【００５０】
（１）CD3陽性αβ型Ｔ細胞の表面抗原解析
検疫・検収の終了後、１週間予備飼育を行ったBALB/cマウス（雌、７週齢、日本チャールズリバー（株）より購入）を２群（１群３匹）に分け、試験群にはアガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキス（乾燥子実体として０．２ｍｇ／匹）と乳酸球菌の加熱処理菌体（２０μｇ／匹）との混合物（０．２ｍＬ／匹）、コントロール群にはＰＢＳ（０．２ｍＬ／匹）を、それぞれ胃ゾンデで１日１回１週間連続経口投与した後、リステリア菌（Listeria monocytogenes）を１．４×１０⁴ＣＦＵ／匹となるようにマウスの尾静脈内に注射した。なお、飼育期間中、水及び飼料（商品名「粉末飼料ＣＥ−２」、日本クレア製）は自由摂取とした。
【００５１】
リステリア菌接種後５日目に各群のマウスを屠殺して腸管膜リンパ節を採取した。この腸管膜リンパ節をすりガラスで挟んで、１０％ＦＢＳ含有ＲＰＭＩ−１６４０培養液（商品名、Invitrogen製）に懸濁させて洗浄し、ステンレスメッシュにて余分な組織片を除去して試験群及びコントロール群の腸管膜リンパ節細胞（以下、ＭＬＮという）をそれぞれ調製した。
【００５２】
各ＭＬＮを、１０％ＦＢＳ含有ＲＰＭＩ−１６４０培養液中に５×１０⁵個／ｍＬとなるように懸濁して、６穴プレート（Corning Costar Co. 製）に１ウエル当たり１ｍＬずつまいた。そして、Stimulatorとして、１ウエル当たりに、マイトマイシンＣ（協和醗酵工業製）処理した、未処理BALB/cマウス由来の脾細胞（５×１０⁵個）及びリステリア菌加熱死菌体（１．０×１０⁶ＣＦＵ）を加えて混合し、３７℃、５％ＣＯ₂存在下で４８時間培養した。なお、上記未処理マウスとは、被験物質の投与及び菌接種を行なっていないマウスを意味する。
【００５３】
そして、各ＭＬＮを下記の３種類の標識抗体（抗体は全てBecton Dickinson PharMingen社より購入）を用いて染色し、細胞表面抗原の解析を行なった。
【００５４】
▲１▼Cy-chrome(Cy)標識抗CD3εmAb/FITC標識抗TCRαβmAb/PE標識抗CD4mAb/biotin標識抗CD8mAb
▲２▼Cy標識抗CD3εmAb/FITC標識抗TCRαβmAb/PE標識抗CD69mAb/biotin標識抗CD8mAb
▲３▼Cy標識抗CD3εmAb/FITC標識抗TCRαβmAb/PE標識抗CD122mAb/biotin標識抗CD8mAb
すなわち、１．０×１０⁵個に調製したＭＬＮ浮遊液に、上記▲１▼に示す標識抗体を５μＬ添加し、４℃で４５分間インキュベートした。その後、５％ＦＢＳ含有Hank's緩衝液で２回洗浄し、SA-RED613（商品名、Invitrogen社製）を５μＬ添加し、４℃で４５分間インキュベートして、５％ＦＢＳ含有Hank's緩衝液で３回洗浄した。そして、フローサイトメータ（型式「Epics XL」、Beckman Coulter Inc.製）によりＭＬＮの表面抗原を解析し、CD4⁺CD8^-細胞に対するCD4^-CD8⁺細胞の割合を求め、CD8陽性率を比較した。その結果を表２に示す。
【００５５】
【表２】

【００５６】
表２から、試験群のCD8陽性率はコントロール群に比べて約２倍高く、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキスと乳酸球菌の加熱処理菌体とを摂取することにより、CD8陽性率が高くなることが分かる。
【００５７】
また、CD8陽性Ｔ細胞の活性化の有無をCD69（初期活性マーカー）及びCD122（ＩＬ−２受容体β鎖）を指標に検討した。すなわち、上記▲２▼、▲３▼に示す標識抗体を用いて、上記と同様の方法で細胞の表面抗原を解析した。その結果を表３に示す。
【００５８】
【表３】

【００５９】
表３から、試験群のCD69及びCD122陽性率はコントロール群に比べて高く、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体抽出エキスと乳酸球菌の加熱処理菌体とを摂取することにより、CD8陽性Ｔ細胞の活性化が促進されることが示唆された。
【００６０】
（２）サイトカイン産生量
上記と同様にして、コントロール群及び試験群のＭＬＮを調製し、Stimulatorを加えて３７℃、５％ＣＯ₂存在下で４８時間培養した。
【００６１】
培養終了後、培養上清を回収して、培養上清中のサイトカイン量（ＩＬ−２、ＩＬ−１０、ＩＬ−１２、ＩＦＮ−γ）をＥＬＩＳＡ法で測定した。なお、ＩＬ−２、ＩＬ−１２、ＩＦＮ−γの測定はEndogen Inc.より購入した測定キットを用い、ＩＬ−１０の測定はAN'ALYZA TECHNE Co.より購入した測定キットを用いた。その結果を図３に示す。
【００６２】
図３から、試験群はT helper 1（Th-1）型サイトカインであるＩＦＮ−γ及びＩＬ−１２の産生量が非常に高く、T helper 2（Th-2）型サイトカインであるＩＬ−１０の産生量は非常に低いことが分かる。
【００６３】
また、サイトカイン特異的ｍＲＮＡの発現量をＲＴ−ＰＣＲ法により調べたところ、試験群においてTh-1型サイトカインであるＩＬ−１２、ＩＦＮ−γ及びＴＮＦ−αのｍＲＮＡの発現量が増強されていることが分かった。一方、Th-2型サイトカインであるＩＬ−１０のｍＲＮＡの発現量に差異は認められなかった。
【００６４】
一般的に、リステリア菌等の細胞内寄生細菌に感染した生体内ではマクロファージやＮＫ細胞が活性化され、それぞれＩＬ−１２及びＩＦＮ−γを産生することが知られている。これらのサイトカインはさらに細菌抗原特異的CD8陽性Ｔ細胞を活性化し、その結果として細胞障害活性（ＣＴＬ）を有するCD8陽性Ｔ細胞による菌排除が行なわれる。また、Ｔ細胞によって産生されるＴＮＦ−αは、好中球やマクロファージ等の食細胞を感染局所に集合させる作用を有する。
【００６５】
すなわち、上記の各結果から、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの子実体エキスと乳酸球菌とを併用して投与することにより、マクロファージやＮＫ細胞の活性化がより促進されてＩＬ−１２及びＩＦＮ−γ等の産生量が増大した結果、リステリア菌特異的CD8陽性細胞の活性化も促進され、コントロール群よりも菌排除が早まったものと考えられる。
【００６６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、β−グルカンを含有する素材と、乳酸産生菌の加熱処理菌体とを有効成分として含有させることにより、優れた感染抑制効果を有する組成物を提供できる。また、本発明の病原菌感染抑制用組成物を飲食品に添加することにより、病原菌等の感染を予防する飲食品を提供できる。
【００６７】
本発明の病原菌感染抑制用組成物の有効成分は食品由来であるので安全性が高く、この病原菌感染抑制用組成物を摂取することにより、細胞性免疫を中心とした生体防御機構の活性化が促進され、病原菌等の感染予防効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図１】リステリア菌感染後のマウスの生存率を示す図表である。
【図２】リステリア菌感染後のマウスの脾臓中におけるリステリア菌数の測定結果を示す図表である。
【図３】腸管膜リンパ節細胞（ＭＬＮ）培養液上清中のサイトカイン量（ＩＬ−２、ＩＬ−１０、ＩＬ−１２、ＩＦＮ−γ）をＥＬＩＳＡ法で測定した結果を示す図表である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a composition for suppressing infection with pathogenic bacteria , which contains, as active ingredients, a material containing β-glucan and heat-treated cells of lactic acid-producing bacteria, and a food and drink containing the same.
[0002]
[Prior art]
Agaricus blazei Murill (Japanese name “Kawariharatake”), a mushroom of the basidiomycete agaricaceae family, is known to have preventive / improving effects on cancer, allergies, diabetes, hypertension, etc. As an antitumor active ingredient, an acidic polysaccharide (Japanese Patent Laid-Open No. 64-67194), a neutral polysaccharide (Japanese Patent Laid-Open No. 64-67195) and a protein polysaccharide (Japanese Patent Laid-Open No. 2-78630) are derived from the fruit body. However, a protein polysaccharide (Japanese Patent Laid-Open No. 61-47518) is fractionated from the mycelium, and a protein polysaccharide (Japanese Patent Laid-Open No. 61-47519) is further fractionated from the culture filtrate of the mycelium.
[0003]
Agaricus brazei murrill is widely used as a health food material. For example, JP-A-2001-103927 discloses that Agaricus koji is extracted with an aqueous solvent under pressure, and the extract is 50% ethanol. The edible composition which mix | blended the agaricus koji extract obtained by fractionating by is disclosed.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-17130 discloses an agaricus-containing health drink food characterized in that vinegar and honey are mixed in an agaricus decoction.
[0005]
In JP-A-11-32723, the mycelium of Agaricus blazei, the fruiting body and a mixture thereof, or the culture residual solution thereof is decomposed with an enzyme agent mainly composed of hemicellulase, and β-glucans obtained at that time A health food mainly containing a physiologically active substance containing a large amount of is disclosed.
[0006]
Lactic acid-producing bacteria such as lactic acid bacteria and bifidobacteria have also been widely ingested as health foods, improving the balance of intestinal flora, reducing intestinal spoilage products, improving fecal properties, and improving immune stimulation. It is known to have For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-48796 discloses an immunomodulator mainly composed of dead cells of Enterococcus faecalis AD101 strain.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-29946 discloses a humoral immunity recovery agent having an action of recovering humoral immunity function reduced by a drug, comprising lactic acid bacteria or a processed product thereof as an active ingredient.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-80575 discloses an oral immunostimulant characterized by containing lactic acid bacteria and / or bacteria-containing substances as active ingredients.
[0009]
JP-A-5-252900 discloses an immunostimulatory composition containing a cytoplasmic fraction and / or a cytoplasmic fraction-containing material of lactic acid bacteria.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, Agaricus, Blazei, Muryl, lactic acid bacteria, and the like are widely used as health foods, but the physiological effects when each of them is taken alone are not fully satisfactory.
[0011]
Therefore, the objective of this invention is providing the composition for pathogen infection suppression which shows the infection suppression effect of excellent pathogenic bacteria etc. by ingestion orally, and the food-drinks containing it.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research to achieve the above object, the present inventors have used a combination of a material containing β-glucan and a heat-treated microbial cell of lactic acid producing bacteria, compared to the case where they are used alone. The present inventors have found that the infection of pathogenic bacteria and the like can be very strongly suppressed, and the present invention has been completed.
[0013]
That is, the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention comprises a material containing β-glucan prepared from Agaricus blazei Murill and a heat-treated cell of Enterococcus faecalis. It is contained as an active ingredient.
[0014]
The composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention, when orally ingested, strongly infects pathogenic bacteria and the like due to the synergistic effect of the immunostimulatory activity effect of β-glucan and the immunostimulatory activity of heat-treated lactic acid-producing bacteria. Can be suppressed.
[0015]
The composition for suppressing infection with a pathogenic bacterium according to the present invention includes 0.5 to 99.5% by mass of the material containing the β-glucan, and 99.5 to 0.005 of the heat-treated microbial cells of Enterococcus faecalis. It is preferable to contain 5 mass%. According to this aspect, it is possible to provide a composition for suppressing infection with pathogenic bacteria that can more effectively suppress infection with pathogenic bacteria .
[0020]
The composition for inhibiting infection with pathogenic bacteria according to the present invention may be a component of a food or drink. According to this, by ingesting the food / beverage product, infection of pathogenic bacteria and the like can be suppressed safely and effectively.
[0021]
As a component of the food or drink, it is preferable to contain 0.01 to 10 g of the above-mentioned composition for suppressing pathogen infection per serving. According to this aspect, a sufficient amount of the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria can be ingested with a single food or drink.
[0022]
Although the mechanism of action of the infection-suppressing effect of the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention is not clear at present, macrophages and NK can be obtained by ingesting β-glucan and heat-treated bacterial cells of lactic acid bacteria in combination. This is probably because the cellular immune mechanism centering on cells and T cells is activated, and pathogens and the like are efficiently eliminated.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, β-glucan refers to a polysaccharide composed of glucose in which glucose is bound in a β-type structure, specifically β-1,4 glucan (cellulose), β-1 , 3 glucan, β-1, 6 glucan and the like.
[0024]
For example, fruiting bodies of basidiomycete mycelia of basidiomycetes, yeast, bacteria, algae, the cell wall such as lichen contains many β- glucan.
[0025]
As the basidiomycete, if example embodiment, Agaricus blazei Murill (Agaricus blazei Murill), Phellinus linteus, maitake, Flammulina, Sparassis crispa, shiitake, reishi, Hericium erinaceus, Awabitake, Oohiratake, Coriolus versicolor, birch bamboo, white fungus, plum parasitic mushroom, Pleurotus cornucopiae, matsutake, shimeji, eryngii, Namekotake, straw mushroom, Ganoderma lucidum etc. Ru are preferred. In the present invention, among others, Agaricus blazei muryl is used . These basidiomycetes have been conventionally ingested as food, are readily available, and are very safe.
[0026]
The method for preparing β -glucan is not particularly limited, and can be performed by a known method such as hot water extraction, extraction of an organic solvent such as alcohol, and enzymatic decomposition. For example, a mycelium culture obtained by cultivating a seed body of raw or dried Agaricus blazei murrill or an inoculum of Agaricus blazei murrill in a medium containing a carbon source and a nitrogen source, with a solvent such as water or alcohol. It can be prepared by extraction. Specifically, for example, by adding water about 20 times the mass of the dried fruit body of Agaricus blazei, murrill, extracting at 120 ° C. for 30 minutes, and concentrating and drying the resulting extract appropriately Obtainable.
[0027]
Incidentally, extract effluent that is obtained as described above is usually, beta-glucan contains 1 to 50% by mass may be used as it is, or may be used after further purification if necessary. In addition, it is also possible to use a city sales.
[0028]
Further, in the present invention, the heat-treated bacterial body of lactic acid-producing bacteria is a dead cell body obtained by heat-treating lactic acid-producing bacteria such as lactic acid bacteria and bifidobacteria, and can be obtained, for example, as follows.
[0029]
Lactic acid-producing bacteria are cultured in Rogosa medium at 30 to 45 ° C. for 12 to 72 hours, and then the cells are collected by appropriate means such as centrifugation. The collected bacterial cells are washed and concentrated, and the concentrated bacterial cell suspension is heated at 80 to 115 ° C. for 30 minutes to 3 seconds and then dried by an appropriate means such as spray drying or freeze drying. Can do.
[0030]
Examples of the lactic acid bacteria include Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus casei, Lactobacillus lactis, Lactobacillus herveticus, Streptococcus thermophilus, and the like. Examples of the bifidobacteria include Bifidobacterium Longum and Bifidobacterium breve. In the present invention, as needed use Enterococcus having stronger immunostimulatory activity faecalis Enterococcus faecalis (e.g. ATCC 19433, ATCC 14508, ATCC 23655, etc.) among others. The heat-treated cells of Enterococcus faecalis are commercially available, for example, as “EF Power”, “EF-2001” (both trade names, manufactured by Combi Co., Ltd.), “FK-23” (trade names, manufactured by Nitinichi Pharmaceutical), and the like. These may be used.
[0032]
The composition for suppressing infection with a pathogenic bacterium according to the present invention comprises 0.5 to 99.5% by mass of a material containing β-glucan prepared from Agaricus blazei Murill (0.00 g in terms of β-glucan). 5 to 50% by mass), preferably 99.5 to 0.5% by mass of heat-treated cells of Enterococcus faecalis, and 10 to 90% by mass of a material containing β-glucan (β- More preferably, it contains 5 to 50% by mass in terms of glucan) and 90 to 10% by mass of the heat-treated cells of lactic acid-producing bacteria. When each active ingredient is outside the above range, a synergistic infection suppressing effect cannot be obtained, which is not preferable.
[0033]
The composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention can contain excipients, sweeteners, acidulants, vitamins, minerals and the like in addition to the above basic components. The form thereof is not particularly limited, and can be appropriately selected according to the purpose of use, such as powder, granule, tablet, capsule, liquid and the like.
[0034]
The effective intake of the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention is preferably 0.01 to 10 g, more preferably 0.05 to 2 g per day for an adult.
[0035]
The composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention can be added to various foods and drinks, for example, beverages, jellies, candies, gums, retort foods, and instant foods. The addition amount of the pathogen infection inhibiting composition is preferably 1 serving per 0.01 to 10 g, 0.05 to 2 g and more preferably. If the added amount of the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria is less than 0.01 g, a sufficient infection suppressing effect cannot be obtained even if it is ingested, and if it exceeds 10 g, the cost becomes too high, which is not preferable.
[0036]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples. In addition, in the following examples, the product name “EF” is used as an extract of the fruiting body of Agaricus blazei / murrill, and the product name “EF” is produced by heat treatment of the lactic acid cocci (Enterococcus faecalis). -2001 "(manufactured by Combi Corporation) was used.
[0037]
Test example (Acute oral toxicity test of heat-treated lactic acid cocci)
In accordance with OECD Guidelines for the Chemicals 401 (1981), an acute oral toxicity test was conducted using mice.
[0038]
Specifically, the heat-treated cells of lactic acid cocci were suspended in purified water to prepare a test solution (250 mg / mL).
[0039]
4-week-old ICR mice (20 males and 20 males, purchased from Japan SLC Co., Ltd.) were kept for about 1 week, then tested (10 males and 10 males) and control group (10 males and 10 females each). The test solution was forcibly orally administered once to the test group using a stomach tube so that the test solution was 5,000 mg / kg body weight in terms of heat-treated lactic acid cocci. In addition, purified water (male: 0.7 mL, female: 0.6 mL) was administered to the control group in the same manner, and reared in a breeding room set at room temperature 23 ± 2 ° C. and illumination time 12 hours / day. During the test period, water and feed (trade name “mouse, rat solid feed; laboratory MR stock”, manufactured by Nippon Agricultural Industry Co., Ltd.) were freely ingested.
[0040]
After administration, observation was performed once a day (observation period of 14 days), but no death was observed in any group. When all mice were necropsied at the end of the observation period, no abnormality was found in the main organs. Moreover, the body weight was measured on the 7th and 14th days after the administration, and comparison between groups was performed at a significance level of 5% by t-test. The results are shown in Table 1.
[0041]
[Table 1]

[0042]
From Table 1, there was no difference in weight gain between groups in both sexes. From the above results, it was considered that the LD ₅₀ value after single oral administration in mice of heat-treated cells of lactic acid cocci was 5,000 mg / kg body weight or more.
[0043]
Example 1
40 7-week-old BALB / c mice (female) (purchased from Nippon Claire Co., Ltd.) were divided into 4 groups (10 mice in each group). A mixture of 0.3 mg / animal) as a fruiting body and heat-treated bacterial cells of lactic acid cocci (10 μg / animal), Comparative group 1 is heat-treated lactic acid cocci (20 μg / animal), Comparative group 2 is Agaricus Blazei Muryl fruit body extract (0.6 mg / animal as dry fruit body) and PBS (0.2 mL / animal) were forcibly orally administered once a week with a gastric sonde for 1 week each.
[0044]
Thereafter, Listeria monocytogenes was injected into the abdominal cavity of the mouse so as to be 2 × 10 ⁵ CFU / animal, and then the survival rate of each group of mice was observed. During the test period, water and feed (trade name “Powdered Feed CE-2”, manufactured by CLEA Japan) were freely consumed.
[0045]
The result is shown in FIG. From FIG. 1, it can be seen that the test group,

comparative groups

1 and 2 show a very high survival rate compared to the control group. In particular, none of the mice in the test group died, indicating that infection and growth of Listeria monocytogenes were suppressed.
[0046]
Example 2
In the same manner as in Example 1, the test sample was forcibly orally administered to mice of each group once a day from one week before the start of the test, and then infected with Listeria monocytogenes. Thereafter, the spleen of the mouse was collected and the change in the number of Listeria monocytogenes infected with the spleen was measured. Specifically, on the first, third, fifth, and seventh days after infection, the spleen is collected, this spleen is ground and suspended in PBS, and this suspension is serially diluted to form a “Listeria enrichment medium” ( The product was transferred to a trade name (manufactured by MERCK) and cultured (25 ° C., 48 hours), and the number of colonies that appeared was measured. The result is shown in FIG.
[0047]
FIG. 2 shows that the number of Listeria monocytogenes increased in the control group after the third day after infection, whereas it decreased in the test group and

comparison groups

1 and 2. In particular, it can be seen that the rate of decrease is large in the test group.
[0048]
Based on these results, it is possible to obtain a more effective infection control effect by ingesting agaricus / brazei / murryl fruiting body extract and heat-treated bacterial cells of lactic acid bacteria in combination and taking them orally. It can be seen that
[0049]
Example 3
The action mechanism of the infection-suppressing effect of oral intake of Agaricus blazei / muril fruiting body extract and lactic acid cocci heat-treated cells was examined by the following method.
[0050]
(1) Two groups of BALB / c mice (female, 7 weeks old, purchased from Charles River Japan Co., Ltd.) that had been bred for 1 week after completion of quarantine and inspection of surface antigen analysis of CD3-positive αβ T cells Divided into (3 mice per group), the test group was a mixture of Agaricus blazei muryl fruiting body extract (0.2 mg / animal as dry fruiting body) and heat-treated lactic acid bacteria (20 μg / animal). (0.2 mL / animal) and PBS (0.2 mL / animal) for the control group were each orally administered once a day with a gastric sonde for 1 week, and then Listeria monocytogenes was 1.4 × 10 × 10. ⁴ CFU / animal were injected into the tail vein of mice. During the breeding period, water and feed (trade name “Powdered Feed CE-2”, manufactured by CLEA Japan) were freely consumed.
[0051]
On day 5 after inoculation with Listeria monocytogenes, mice in each group were sacrificed and mesenteric lymph nodes were collected. This mesenteric lymph node is sandwiched between frosted glass, suspended in a 10% FBS-containing RPMI-1640 culture solution (trade name, manufactured by Invitrogen), washed, and excess tissue pieces are removed with a stainless steel mesh. Control group mesenteric lymph node cells (hereinafter referred to as MLN) were prepared.
[0052]
Each MLN was suspended in RPMI-1640 medium containing 10% FBS so as to be 5 × 10 ⁵ cells / mL, and 1 mL per well was spread in a 6-well plate (Corning Costar Co.). As a stimulator, spleen cells (5 × 10 ⁵ ) derived from untreated BALB / c mice treated with mitomycin C (manufactured by Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.) per well and Listeria monocytogenes heat-killed cells (1.0 × 10 ⁶ CFU) was added and mixed, followed by incubation at 37 ° C. in the presence of 5% CO ₂ for 48 hours. The untreated mouse means a mouse that has not been administered a test substance or inoculated with bacteria.
[0053]
Each MLN was stained with the following three kinds of labeled antibodies (all antibodies were purchased from Becton Dickinson PharMingen) and analyzed for cell surface antigens.
[0054]
(1) Cy-chrome (Cy) -labeled anti-CD3εmAb / FITC-labeled anti-TCRαβmAb / PE-labeled anti-CD4 mAb / biotin-labeled anti-CD8 mAb
(2) Cy-labeled anti-CD3εmAb / FITC-labeled anti-TCRαβmAb / PE-labeled anti-CD69mAb / biotin-labeled anti-CD8mAb
(3) Cy-labeled anti-CD3εmAb / FITC-labeled anti-TCRαβmAb / PE-labeled anti-CD122 mAb / biotin-labeled anti-CD8 mAb
That is, 5 μL of the labeled antibody shown in (1) above was added to 1.0 × 10 ⁵ MLN suspensions and incubated at 4 ° C. for 45 minutes. Thereafter, the plate was washed twice with 5% FBS-containing Hank's buffer, 5 μL of SA-RED613 (trade name, manufactured by Invitrogen) was added, incubated at 4 ° C. for 45 minutes, and then with 5% FBS-containing Hank's buffer three times. Washed. Then, the surface antigen of MLN was analyzed by a flow cytometer (model “Epics XL”, manufactured by Beckman Coulter Inc.), the ratio of CD4 ⁻ CD8 ⁺ cells to CD4 ⁺ CD8 ⁻ cells was determined, and the CD8 positive rate was compared. The results are shown in Table 2.
[0055]
[Table 2]

[0056]
From Table 2, the CD8 positive rate of the test group is about twice as high as that of the control group, and the CD8 positive rate can be increased by ingesting the fruiting body extract of Agaricus blazei and murrill and the heat-treated lactic acid bacteria. It turns out that it becomes high.
[0057]
In addition, the presence or absence of activation of CD8 positive T cells was examined using CD69 (early activity marker) and CD122 (IL-2 receptor β chain) as indicators. That is, cell surface antigens were analyzed in the same manner as described above using the labeled antibodies shown in (2) and (3) above. The results are shown in Table 3.
[0058]
[Table 3]

[0059]
From Table 3, the CD69 and CD122 positive rate of the test group is higher than that of the control group, and by ingesting the fruiting body extract of Agaricus blazei and Muryl and the heat-treated cells of lactobacilli, It was suggested that activation was promoted.
[0060]
(2) Amount of cytokine production MLN of the control group and the test group was prepared in the same manner as described above, and a stimulator was added, followed by culturing in the presence of 37 ° C. and 5% CO ₂ for 48 hours.
[0061]
After completion of the culture, the culture supernatant was collected, and the amount of cytokine (IL-2, IL-10, IL-12, IFN-γ) in the culture supernatant was measured by ELISA. IL-2, IL-12, and IFN-γ were measured using a measurement kit purchased from Endogen Inc., and IL-10 was measured using a measurement kit purchased from AN'ALYZA TECHNE Co. The result is shown in FIG.
[0062]
From FIG. 3, the test group produced very high amounts of IFN-γ and IL-12, which are T helper 1 (Th-1) type cytokines, and IL-10, which is a T helper 2 (Th-2) type cytokine. It can be seen that the production is very low.
[0063]
In addition, when the expression level of cytokine-specific mRNA was examined by RT-PCR, the expression levels of IL-12, IFN-γ and TNF-α mRNAs that are Th-1 type cytokines were enhanced in the test group. I understood that. On the other hand, no difference was found in the expression level of mRNA of IL-10 which is a Th-2 type cytokine.
[0064]
In general, it is known that macrophages and NK cells are activated in living organisms infected with intracellular parasitic bacteria such as Listeria monocytogenes and produce IL-12 and IFN-γ, respectively. These cytokines further activate bacterial antigen-specific CD8-positive T cells, resulting in bacterial elimination by CD8-positive T cells having cytotoxic activity (CTL). In addition, TNF-α produced by T cells has an action of gathering phagocytes such as neutrophils and macrophages locally in the infection.
[0065]
That is, from each of the above results, the administration of Agaricus blazei / muryl fruiting body extract and lactic acid cocci is used together to further promote the activation of macrophages and NK cells, and IL-12, IFN-γ, etc. As a result, the activation of the Listeria monocytogenes-specific CD8 positive cells was promoted, and the elimination of the bacteria was considered to be accelerated as compared with the control group.
[0066]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a composition having an excellent infection-suppressing effect is provided by containing a material containing β-glucan and a heat-treated microbial cell of lactic acid-producing bacteria as active ingredients. it can. Moreover, the food / beverage products which prevent infection with pathogenic bacteria etc. can be provided by adding the composition for pathogen infection suppression of this invention to food / beverage products.
[0067]
Since the active ingredient of the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria of the present invention is derived from food, it is highly safe. By ingesting the composition for suppressing infection with pathogenic bacteria , activation of a biological defense mechanism centering on cellular immunity can be achieved. Promoted and expected to prevent infection of pathogenic bacteria.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a chart showing the survival rate of mice after infection with Listeria monocytogenes.
FIG. 2 is a chart showing the results of measuring the number of Listeria monocytogenes in the spleen of mice after infection with Listeria monocytogenes.
FIG. 3 is a chart showing the results of measuring the amount of cytokine (IL-2, IL-10, IL-12, IFN-γ) in the culture supernatant of mesenteric lymph node cells (MLN) by ELISA.

Claims

アガリクス・ブラゼイ・ムリル（Agaricus blazei Murill）から調製されたβ−グルカンを含有する素材と、エンテロコッカス・フェカリス（Enterococcus faecalis）の加熱処理菌体とを有効成分として含有することを特徴とする病原菌感染抑制用組成物。 Pathogen infection control characterized by containing β-glucan-containing material prepared from Agaricus blazei Murill and heat-treated cells of Enterococcus faecalis as active ingredients use composition.

前記β−グルカンを含有する素材を０．５〜９９．５質量％、前記エンテロコッカス・フェカリス（Enterococcus faecalis）の加熱処理菌体を９９．５〜０．５質量％含有する、請求項１に記載の病原菌感染抑制用組成物。The raw material containing the β-glucan is contained in an amount of 0.5 to 99.5 mass%, and the enterococcus faecalis heat-treated cells are contained in an amount of 99.5 to 0.5 mass%. A composition for suppressing infection of pathogenic bacteria .