JP4499863B2 - マルチ形空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数台の室外機および複数台の室内機を備えたマルチ形空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機における圧縮機は、ケース内に潤滑用の油を充填している。この潤滑油は、圧縮機が冷媒を吸い込んで吐出するのに伴い、一部が冷媒と共に冷凍サイクル中に流出するため、圧縮機において潤滑油不足を生じることがある。潤滑油が不足すると、ケース内の摺動部が油切れの状態となり、圧縮機の寿命に悪影響を与えてしまう。
【0003】
そこで、圧縮機から冷媒と共に吐出される潤滑油を圧縮機のケース内に戻す手段として、油分離器(オイルセパレータ)が知られている。例えば特開平4-184048号公報に示されるものでは、圧縮機の冷媒吐出側配管に油分離器を設け、冷媒と一緒に吐出される潤滑油を油分離器で捕捉し、圧縮機が潤滑油不足となった場合に油分離器に溜まった潤滑油を圧縮機の冷媒吸込側配管に戻す構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の油分離器の例では、油分離器に溜まった潤滑油が圧縮機に一旦戻された後、次に油分離器に所定量(圧縮機の油面保持に必要な油戻し量)の潤滑油が溜まるまでに長い時間がかかり、このため圧縮機での潤滑油不足を迅速に解消することができず、結局は圧縮機の寿命に悪影響を与えてしまう。
圧縮機の油面保持に必要な十分な油戻し量を確保するために油分離器の容量が大きくなってしまい、装置全体の大形化を招くという問題もある。
【0005】
この発明は上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、複数台の圧縮機における油不足を相互補完的にしかも迅速に解消することができ、これにより各圧縮機の寿命向上および信頼性向上が格段に図れるとともに、油分離器の容量の縮小化が図れて装置全体の小形化に寄与し得るマルチ形空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のマルチ形空気調和機は、各圧縮機のケース内の油量を定期的に検出し、油量不足が検出された圧縮機を有する室外機を暖房モードに設定して残りを冷房モードに設定し、かつ暖房モードの室外機を運転して冷房モードの室外機を停止する。これにより、暖房モードの室外機の圧縮機から吐出される冷媒が、ガス側配管を通して且つ加圧用として冷房モードの室外機における圧縮機のケースに導かれる。そして、この加圧作用により、冷房モードの室外機における圧縮機のケースから油が流出し、それが油移動管、油回収管、および油バランス管を通って暖房モードの室外機の圧縮機に取り込まれる。
【0008】
請求項2に係る発明のマルチ形空気調和機は、請求項1に係る発明の制御手段について限定している。制御手段は、タイマの計時に基づいて定期的に均油を実行させる手段を有し、この均油タイミングごとに前記室外機の1台を順に暖房モードに指定する。
【0009】
請求項3に係る発明のマルチ形空気調和機は、請求項1および請求項2のいずれかに係る発明の制御手段について限定している。制御手段は、各室外機が暖房モードの場合に、定期的または必要に応じて冷房モードに切換えて除霜運転を実行させる手段と、この除霜タイミングごとに1台の室外機を順に除霜モードの切換えを遅延させる手段を有し、除霜モードの切換を遅延する室外機を継続して運転し、除霜モードに切換えられた室外機の運転を停止させる。
【0010】
請求項4に係る発明のマルチ形空気調和機は、請求項1、請求項2、および請求項3のいずれかに係る発明の各油移動管について次のように限定している。各油移動管は、各ケースの適正油面位置に接続されている。
【0011】
請求項5に係る発明のマルチ形空気調和機は、請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4のいずれかに係る発明において、さらに、各油移動管と各油回収管との接続間にそれぞれ設けられた保油タンク、を備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】
[1]以下、本発明のマルチ形空気調和機の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1において、1はセンタ室外機で、低圧型の圧縮機10を備えている。圧縮機10は、密閉形のケース10cを有する。このケース10cに、可変速度モータM0および定速度モータM1が収容されるとともに、摺動部の潤滑用として油(以下、潤滑油と称す)が充填されている。
【0013】
15は冷房モードの冷媒流と暖房モードの冷媒流とを切り換えるための切換弁たとえば四方弁である。この四方弁15がオフ(図示の状態)のとき、冷房モードの冷媒流が設定される。すなわち、圧縮機10から吐出される冷媒(ガス)が、2つの冷媒吐出側配管11、逆止弁12、高圧側配管13、油分離器14、および四方弁15を介して室外熱交換器16に流れる。室外熱交換器16に流入した冷媒は、室外空気に熱を放出して液化する。室外熱交換器16を経た冷媒(液冷媒)は、膨張弁17、受液器18、パックドバルブ19、液側配管20、および各流量調整弁21を介して各室内機3に流れる。各室内機3に流入した冷媒は、それぞれ室内空気から熱を奪って気化する。これにより、被空調室内が冷房される。各室内機3を経た冷媒(ガス)は、ガス側配管22、パックドバルブ23、上記四方弁15、液分離器24、および冷媒吸込側配管25を介して圧縮機10に吸い込まれる。
【0014】
四方弁15がオンされると、暖房モードの冷媒流が設定される。すなわち、圧縮機10から吐出される冷媒(ガス)が、各冷媒吐出側配管11、逆止弁12、高圧側配管13、油分離器14、四方弁15、パックドバルブ23、およびガス側配管22を介して各室内機3に流れる。各室内機3に流入した冷媒は、それぞれ室内空気に熱を放出して液化する。これにより、被空調室内が暖房される。各室内機3を経た冷媒(液冷媒)は、各流量調整弁21、液側配管20、パックドバルブ19、受液器18、および膨張弁17を介して室外熱交換器16に流れる。室外熱交換器16に流入した冷媒は、室外空気から熱を汲み上げて気化する。室外熱交換器16を経た冷媒(ガス)は、四方弁15、液分離器24、および冷媒吸込側配管25を介して圧縮機10に吸い込まれる。
【0015】
油分離器14と四方弁15との間の高圧側配管に、高圧冷媒の圧力Pdを検知する圧力センサ(高圧センサ)26が取り付けられている。室外熱交換器16に温度センサ(熱交換器温度センサ)27が取り付けられている。室外熱交換器16の近傍に室外ファン28が設けられている。四方弁15と液分離器24との間の低圧側配管に、低圧冷媒の温度を検知する温度センサ29が取り付けられている。冷媒吸込側配管25に、低圧冷媒の圧力Psを検知する圧力センサ(低圧センサ)30が取り付けられている。
【0016】
油分離器14に溜まった潤滑油は、キャピラリチューブ31を介して冷媒吸込側配管25に流れる。油分離器14と四方弁15との間の高圧側配管から、四方弁15と液分離器24との間の低圧側配管にかけて、開閉弁32を介したレリースバイパスが接続されている。膨張弁17と受液器18との間の液側配管から、四方弁15と液分離器24との間の低圧側配管にかけて、流量調整弁33を介したクーリングバイパスが接続されている。
【0017】
一方、センタ室外機1と並んで複数台のターミナル室外機2が設置されている。各室外機2は、低圧型の圧縮機10を備えている。圧縮機10は、密閉形のケース10cを有する。このケース10cに、2台の定速度モータM1,M2が収容されるとともに、潤滑油が充填されている。
【0018】
各室外機2は、定速度モータM1,M2を有する点、各冷媒吐出側配管11にそれぞれ逆止弁12が設けられている点、各冷媒吐出側配管11から冷媒吸込側配管25にかけて開閉弁34,35を介したガスバランスバイパスがそれぞれ接続されている点を除いて、センタ室外機1と同じ構成である。これら室外機2が、液側配管20およびガス側配管22を介してセンタ室外機1にそれぞれ並列に接続されている。
【0019】
こうして、各室外機1,2および各室内機3において複数のヒートポンプ式冷凍サイクルが構成され、その各ヒートポンプ式冷凍サイクルの液側配管20およびガス側配管22が共通化されている。
【0020】
さらに、室外機1および各室外機2にそれぞれパックドバルブ51が設けられ、その各パックドバルブ51の相互間に油バランス管50が接続されている。
【0021】
このような配管構成のマルチ形空気調和機において、室外機1および各室外機2にそれぞれ油量検出装置が設けられている。油量検出装置は、圧縮機10のケース10c内の潤滑油量を検出する。この油量検出装置の具体的な構成を図2に示している。
【0022】
ケース10c内に潤滑油OILが溜まっている。このケース10cに、油移動管41および圧力バランス管43を介して保油タンク40が連通されている。油移動管41はケース10cの適正油面位置に接続され、圧力バランス管43は適正油面位置より上方の部位に接続されている。
ケース10c内の圧力(高圧)と保油タンク40内の圧力とが圧力バランス管43を通じて同じになるので、ケース10c内の潤滑油OILの余剰分が油移動管41を通して保油タンク40に迅速かつスムーズに移動する。また、ケース10cの適正油面位置に油移動管41が接続されているので、ケース10c内の油面が適正油面以下になった場合は、ケース10cから保油タンク40への潤滑油OILの余計な移動が未然に防止される。
【0023】
油移動管41には、保油タンク40からケース10cへの油の逆流を阻止する逆止弁42が設けられている。圧力バランス管43には、保油タンク40からケース10cへの冷媒の流入を阻止する逆止弁44が設けられている。
【0024】
保油タンク40の油流出口に油回収管45の一端が接続され、その油回収管45の他端が吸込側配管25に接続されている。この油回収管45に、開閉弁Va、ケース10cから保油タンク40への冷媒の流入を阻止する逆止弁46、およびキャピラリチューブ47が順次に設けられている。なお、キャピラリチューブ47に対し、開閉弁Vbおよび開閉弁逆止弁48がそれぞれ並列に接続されている。
【0025】
油回収管45における逆止弁46とキャピラリチューブ47との間に、上記パックドバルブ51を介して上記圧力バランス管50が接続されている。
【0026】
高圧側配管13と保油タンク40の冷媒流入口との間に加圧管52が接続されている。加圧管52は、圧縮機10から吐出される冷媒の一部を保油タンク40から潤滑油OILを流出させるための加圧用として保油タンク40に導くためのものである。この加圧管52に、開閉弁Vcが設けられている。
【0027】
保油タンク40の油流出口(油回収管45の一端部)に戻し管53の一端が連通され、その戻し管53の他端が上記圧力バランス管43の一部を介してケース10cに連通されている。戻し管53は、保油タンク40から流出する潤滑油OILをケース10cに戻すためのものである。この戻し管53に減圧器たとえばキャピラリチューブ54が設けられている。
【0028】
加圧管52の中途部(開閉弁Vcの下流側)から戻し管53の中途部(キャピラリチューブ54の下流側)にかけてバイパス管55が接続され、そのバイパス管55に減圧器たとえばキャピラリチューブ56が設けられている。加圧管52から保油タンク40への冷媒の流れ込み量が減少しても、加圧管52内の冷媒はバイパス管55を経由して常に流れる。このバイパス管55に温度センサ(第1温度検知手段)61が取り付けられている。温度センサ61は、加圧用の冷媒(ガス)の温度TK1を検知する。
【0029】
戻し管53の一端部に温度センサ(第2温度検知手段)62が取り付けられている。温度センサ62は、保油タンク40から流出する潤滑油OILの温度TK2を検知する。油移動管41に温度センサ63が取り付けられている。温度センサ63は、ケース10cから保油タンク40へ移動する潤滑油OILの温度TK3を検知する。
なお、油量検出装置の配管構成の具体例を図2と同一部分に同一符号を付して図3に示している。
【0030】
また、この油量検出装置を含むマルチ形空気調和機全体の制御回路を図4に示している。
図4において、70はセンタ室外機1に搭載された室外制御部、80は各ターミナル室外機2に搭載された室外制御部、90は各室内機3に搭載された室内制御部である。これら室外制御部70,80および室内制御部90がデータ伝送用のバスライン66を介して相互接続されている。
【0031】
室外制御部70は、各室内制御部90からの指令に応じて当該センタ室外機1および各ターミナル室外機80を統括的に制御するもので、CPU71、制御プログラム及びデータを記憶するメモリ72、時間カウント用のタイマ73などを備える。
とくに、CPU71は、油量検出に関する主要な機能として、圧縮機10の運転中に油回収管45の開閉弁Vaを閉じた状態で、加圧管52の開閉弁Vcを定期的に開放し、その開放中の温度センサ61の検知温度TK1と温度センサ62の検知温度TK2との対比により保油タンク40内の潤滑油OILの有無を検知し、その検知結果に基づいてケース10cの潤滑油OILの量が適正か否かを検出する検出手段を備える。具体的には、温度センサ61の検知温度TK1と温度センサ62の検知温度TK2との差の時間的変化に基づいて保油タンク40内の潤滑油OILの実質的な量を液冷媒の混入にかかわらず検知し、その検知結果に基づいてケース10c内の潤滑油OILの量が適正か否かを検出する。要するに、検知温度TK1の立ち上がりから検知温度TK2の立ち上がりまでの時間tnを検出し、その検出時間tnと設定値tnsとの比較により保油タンク40内の潤滑油OILの実質的な量を液冷媒の混入にかかわらず検知し、その検知結果に基づいてケース10c内の潤滑油OILの量が適正か否かを検出するようにしている。
【0032】
保油タンク40内に潤滑油OILが有れば、図5に示すように、検知温度TK1,TK2の両者に温度差が生じる。この温度差がなくなるまでの時間は、保油タンク40内の油量に比例する。この特性を利用して保油タンク40内に潤滑油OILが有ること、あるいは実質的な潤滑油OILの量を液冷媒の混入にかかわらずに検知して、ケース10c内に適正油面以上の潤滑油OILが有ると判断する。
【0033】
この室外制御部70に、インバータ74、開閉接点75、開閉弁Va,Vb,Vc、温度センサ61,62,63が接続されている。インバータ74は、商用交流電源65の電圧を直流電圧に変換し、その直流電圧をスイッチングにより室外制御部70からの指令に応じた所定周波数およびレベルの交流電圧に変換し、出力する。この出力が可変速度モータMoに駆動電力として供給される。インバータ74の出力周波数が変化するのに伴い、可変速度モータMoの回転数が変化する。開閉接点75は、商用交流電源65と定速度モータM1との間の通電路に挿接されている。この開閉接点75がオンされると定速度モータM1が一定回の転数で動作し、開閉接点75がオフされると定速度モータM1の動作が停止する。すなわち、可変速度モータMoの回転数変化、および定速度モータM1の運転オン・オフにより、センタ室外機1における圧縮機10の容量が変化する。
【0034】
各室外制御部80は、センタ室外機1からの指令に応じて当該ターミナル室外機2を制御するもので、CPU81、制御プログラム及びデータを記憶するメモリ82などを備える。
とくに、CPU81は、油量検出に関する主要な機能として、温度センサ61の検知温度TK1と温度センサ62の検知温度TK2との対比により保油タンク40内の潤滑油OILの有無を検知し、その検知結果に基づいてケース10c内の潤滑油量を検出する検出手段を備える。具体的には、加圧管52の開閉弁Vcを定期的に開放し、その開放中の温度センサ61の検知温度TK1と温度センサ62の検知温度TK2との差の時間的変化に基づいてケース10c内の潤滑油OILの実質的な量を液冷媒の混入にかかわらず検知し、その検知結果に基づいてケース10c内の潤滑油量が適正か否かを検出する。要するに、検知温度TK1の立ち上がりから検知温度TK2の立ち上がりまでの時間tnを検出し、その検出時間tnと設定値tnsとの比較により実質的な量を液冷媒の混入にかかわらず検知し、その検知結果に基づいてケース10c内の潤滑油OILの量が適正か否かを検出するようにしている。
【0035】
この室外制御部80に、開閉接点84,85、開閉弁Va,Vb,Vc、温度センサ61,62,63が接続されている。開閉接点84は、商用交流電源65と定速度モータM1との間の通電路に挿接されている。この開閉接点84がオンされると定速度モータM1が一定の回転数で動作し、開閉接点84がオフされると定速度モータM1の動作が停止する。開閉接点85は、商用交流電源65と定速度モータM2との間の通電路に挿接されている。この開閉接点85がオンされると定速度モータM2が一定の回転数で動作し、開閉接点85がオフされると定速度モータM2の動作が停止する。すなわち、定速度モータM1,M2の運転オン・オフにより、ターミナル室外機2における圧縮機10の容量が変化する。
【0036】
各室内制御部90は、当該室内機3を制御するもので、CPU91、制御プログラム及びデータを記憶するメモリ92などを有する。この室内制御部90に、被空調室内の温度Taを検知する室内温度センサ93、上記流量調整弁21、および受光部94が接続されている。受光部94は、リモートコントロール式の操作器(以下、リモコンと略称する)95から発せられる運転条件設定用の赤外線光を受け、その受光データを室内制御部90に入力する。リモコン95は、運転のオン・オフ、運転モード(冷房・除湿・暖房・送風等)および室内温度設定値Tsなどの各種運転条件を設定するための赤外線光を使用者の操作に応じて発する。
【0037】
以下、マルチ形空気調和機の全体的な動作について図6を参照しながら説明する。
各室内機3は、リモコン95で設定される室内温度設定値Tsと室内温度センサ93で検知される室内温度Taとの差を要求能力(空調負荷とも称す)として求め、その要求能力に応じて流量調整弁21の開度を制御するとともに、要求能力および運転モードをセンタ室外機1に知らせる。
【0038】
センタ室外機1は、各室内機3から知らされる運転モードに応じて当該センタ室外機1および各ターミナル室外機2におけるそれぞれ四方弁15を制御するとともに、各室内機3から知らされる要求能力の総和を求め、その総和に応じて当該センタ室外機1および各ターミナル室外機2の運転容量(各圧縮機10の容量)の総和を制御する。すなわち、センタ室外機1の圧縮機10における可変速度モータMoの回転数制御が基礎として実行され、その上で、各圧縮機10における定速度モータM1,M2の運転オン・オフ(運転台数)が制御される。たとえば、要求能力の総和が増えると、室外機1,2の運転容量(各圧縮機10の容量)の総和が増大される。要求能力の総和が減ると、室外機1,2の運転容量(各圧縮機10の容量)の総和が減少される。
【0039】
室外機1,2が暖房モードの場合、蒸発器として機能する各室外熱交換器16の表面に徐々に霜が付着し、そのままでは各室外熱交換器16の熱交換量が減少して暖房効率が低下してしまう。このような不具合を防ぐため、各室外熱交換器16に対する除霜運転いわゆる逆サイクル除霜が、定期的に、あるいは熱交換器温度の検知に基づく必要時に、実行される。
【0040】
すなわち、除霜運転では、各ヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒流が四方弁15により逆方向に切り換えられ、この除霜モード(冷房モードの冷媒流)の形成により、各圧縮機10から吐出される高温のガス冷媒が各四方弁15を介して各室外熱交換器16に直接的に供給される。各室外熱交換器16の表面に付着した霜は、高温冷媒の熱を受けて解ける。
【0041】
次に、各室外機1,2の動作について図7のフローチャートを参照しながら説明する。
圧縮機1のケース10c内の油面が移動管41の接続位置より高ければ、その接続位置より高い分の潤滑油OILが移動管41を通って保油タンク40に移動する。
【0042】
各室外機1,2のいずれかの運転が停止すると(ステップ101のYES)、その停止室外機において、レリースバイパスの開閉弁32が開放される(ステップ102)。そして、開閉弁Vc,Vaが開放され(ステップ103)、開閉弁Vbが閉成される(ステップ104)。
【0043】
開閉弁32が開放すると、レリースバイパスを通して、高圧側配管と低圧側配管との圧力バランスが進行する。この圧力バランスが完了するまでの間、高圧側圧力が開閉弁Vcを通して保油タンク40に加わり、保油タンク40内の潤滑油OILが油回収管45に流出する。流出した潤滑油OILは開閉弁Vaを通り、油バランス管50に流れる。
【0044】
油バランス管50には、運転中の室外機における圧縮機10の吸い込み圧力が冷媒吸込側配管25および油回収管45を通して加わっている。よって、油バランス管50に流れた潤滑油OILは、運転中の室外機における油回収管45に流入し、キャピラリチューブ47および冷媒吸込側配管25を通って圧縮機10に吸い込まれる。
センタ室外機1が運転中、各ターミナル室外機2のいずれかが運転停止、残りのターミナル室外機2が運転中の場合に、停止したターミナル室外機2から運転中のセンタ室外機1およびターミナル室外機2に潤滑油OILが流れる様子を図1に矢印で示している。図1の例では、右側から2台目および3台目のターミナル室外機2が運転停止、他の室外機1,2が運転中である。
こうして、停止室外機に存する潤滑油OILの余剰分が運転室外機に流れるよう、各加圧管52および各油回収管45の導通が制御されることにより、運転室外機における潤滑油不足が防止される。
【0045】
一方、各室外機1,2における圧縮機10の油量が各油量検出装置によって次のように検出されている。
定期的な油量検出タイミングにおいて、油回収管45の開閉弁Vaが閉成された状態で加圧管52の開閉弁Vcが開放される。この開閉弁Vcの開放により、圧縮機10から吐出される冷媒の一部が保油タンク40に注入される。保油タンク40内に潤滑油OILが溜まっていれば、その潤滑油OILが冷媒の注入に基づく加圧作用を受けて保油タンク40の油流出口から流出する。保油タンク40内に潤滑油OILが溜まっていなければ、注入された冷媒がそのまま保油タンク40の油流出口から流出する。流出する潤滑油OIL(または冷媒)は、油回収管45、戻し管53、および油バランス管43を通ってケース10cに流れる。
【0046】
このとき、保油タンク40に注入される冷媒(ガス)の温度TK1が温度センサ61で検知され、保油タンク40から流出する流体(潤滑油OILまたは冷媒)の温度TK2が温度センサ62で検知される。
【0047】
保油タンク40に潤滑油OILが溜まっていた場合には、図5に示したように、先ずは検知温度TK1が立ち上がり上昇し、その検知温度TK1が安定するころ、今度は検知温度TK2が立ち上がり上昇し、やがて検知温度TK2も安定する。つまり、検知温度TK1と検知温度TK2との差は、一旦は増大方向に変化し、やがて徐々に減少していく形となる。検知温度TK1が立ち上がってから検知温度TK2が立ち上がるまでの時間は、保油タンク40内の潤滑油OILに液冷媒が混じっているかどうかにかかわらず、保油タンク40内の潤滑油OILの実質的な量に対応する。
【0048】
10秒間の検知温度TK1の変化量ΔTK1が逐次に求められ、同じく10秒間の検知温度TK2の変化量ΔTK2が逐次に求められる。そして、求められた変化量ΔTK1が所定値β(例えば3℃)以上になったか否かが判定される。この判定は、検知温度TK1の立ち上がりを検出するためのものである。また、検知温度TK1が検出開始時の初期値TK1(0)より所定値α(例えば10℃)以上高くなったか否か(別の言い方をすれば、検知温度TK1の初期値TK1(0)からの変化量が所定値α以上になったか否か)が判定される。この判定も、検知温度TK1の立ち上がりを検出するためのものである。
【0049】
両判定のいずれか一方が肯定の場合(検知温度TK1の立ち上がり検出タイミング)、タイムカウントtnが開始されるとともに、上記求められた変化量ΔTK2が所定値ΔT以上になったか否かが判定される。この判定は、検知温度TK2の立ち上がりを検出するためのものである。
【0050】
タイムカウントtnが設定値tsに達すると、そのときの検知温度TK1がTK1maxとして記憶される。これ以降、検知温度TK2の初期値TK2(0)からの変化量[=TK2−TK2(0)]が検知温度TK1の初期値TK1(0)と上記TK1maxとの差[=TK1−TK1(0)]以上となったか否かが判定される。この判定も、検知温度TK2の立ち上がりを検出するためのものである。
検知温度TK2の立ち上がりを検出するための両判定のいずれか一方が肯定の場合(検知温度TK2の立ち上がり検出タイミング)、タイムカウントtnが終了される。これまでのタイムカウントtnは、すなわち、検知温度TK1が立ち上がってから検知温度TK2が立ち上がるまでの時間であり、保油タンク40内の実質的な潤滑油OILの量に比例する。
【0051】
このタイムカウントtnと設定値tnsとが比較される。タイムカウントtnが設定値tns以上であれば、ケース10c内の潤滑油OILの量が適正であると判定される。タイムカウントtnが設定値tns未満であれば、ケース10c内の潤滑油OILの量が不足であると判定される。
【0052】
各圧縮機1,2のいずれかで潤滑油不足が検出されると(ステップ105のYES)、その潤滑油不足を生じた室外機において、暖房モード(四方弁15オン)が設定され、その暖房モードでの運転が継続される(ステップ106)。さらに、圧力センサ26で検知される高圧冷媒の圧力Pdが設定値(低圧仕様であるケース10cの許容設計圧力値)以上とならないよう、圧縮機10の容量が制御される(ステップ107)。そして、開閉弁Vbが開放され(ステップ108)、開閉弁Vc,Vaが閉成される(ステップ109)。
【0053】
潤滑油不足の発生は、センタ室外機1に知らされるとともに、センタ室外機1から他のターミナル室外機2に知らされる。
他の室外機での潤滑油不足が知らされた室外機では(ステップ110のYES)、冷房モード(四方弁15オフ)が設定され、かつ運転が停止される(ステップ111)。そして、開閉弁Vaが開放され(ステップ112)、開閉弁Vc,Vbが閉成される(ステップ113)。
【0054】
たとえば、図8において、右端のターミナル室外機2で潤滑油不足が生じると、その右端の室外機2において暖房モードが設定され、圧縮機10の吐出冷媒(高圧冷媒)が破線矢印で示すように四方弁15を介してガス側配管22に流れる。
ガス側配管22に流れた高圧冷媒は、冷房モードが設定されている室外機1,2に流入し、それぞれ四方弁15を介して各圧縮機10のケース10cに導かれる。こうして、各ケース10c内が加圧されることにより、各ケース10c内の潤滑油OILの余剰分が保油タンク40に移動する。保油タンク40に移動した潤滑油OILは、開閉弁Vaが開放していることにより、その開閉弁Vaおよび油回収管45を通って油バランス管50に流れる。
【0055】
油バランス管50には、暖房モードの室外機2における圧縮機10の吸い込み圧力が冷媒吸込側配管25および油回収管45を通して加わっている。よって、油バランス管50に流れた潤滑油OILは、暖房モードの室外機2における油回収管45に流入し、開閉弁Vbおよび冷媒吸込側配管25を通って圧縮機10に吸い込まれる。
【0056】
このように、潤滑油不足が検出された室外機の圧縮機10に、他の室外機から潤滑油OILの余剰分を供給することにより、潤滑油不足が迅速に解消される。
【0057】
また、室外制御部70のタイマ73の計時に基づく定期的な均油タイミングにおいて(ステップ114のYES)、各室外機1,2の相互間で油量が適正でバランス状態が継続する場合、次の制御が実行される。
暖房モードが指定された室外機において(ステップ115のYES)、暖房モード(四方弁15オン)が設定され、その暖房モードでの運転が継続される(ステップ116)。さらに、圧力センサ26で検知される高圧冷媒の圧力Pdが設定値(低圧仕様であるケース10cの許容設計圧力値)以上とならないよう、圧縮機10の容量が制御される(ステップ117)。そして、開閉弁Vbが開放され(ステップ118)、開閉弁Vc,Vaが閉成される(ステップ119)。
【0058】
暖房モードの指定は、センタ室外機1が管理しており、そのセンタ室外機1および各ターミナル室外機2の少なくとも1つに、均油タイミングごとに順に実施される。
【0059】
暖房モードが指定されていない室外機では(ステップ115のNO)、冷房モード(四方弁15オフ)が設定され、かつ運転が停止される(ステップ120)。そして、開閉弁Vaが開放され(ステップ121)、開閉弁Vc,Vbが閉成される(ステップ122)。
【0060】
たとえば、図8において、右端のターミナル室外機2が暖房指定された場合、その右端の室外機2において暖房モードが設定され、圧縮機10の吐出冷媒(高圧冷媒)が破線矢印で示すように四方弁15を介してガス側配管22に流れる。
ガス側配管22に流れた高圧冷媒は、冷房モードが設定されている室外機1,2に流入し、それぞれ四方弁15を介して各圧縮機10のケース10cに導かれる。こうして、各ケース10c内が加圧されることにより、各ケース10c内の潤滑油OILの余剰分が保油タンク40に移動する。保油タンク40に移動した潤滑油OILは、開閉弁Vaが開放していることにより、その開閉弁Vaおよび油回収管45を通って油バランス管50に流れる。
【0061】
油バランス管50には、暖房モードの室外機2における圧縮機10の吸い込み圧力が冷媒吸込側配管25および油回収管45を通して加わっている。よって、油バランス管50に流れた潤滑油OILは、暖房モードの室外機2における油回収管45に流入し、開閉弁Vbおよび冷媒吸込側配管25を通って圧縮機10に吸い込まれる。
【0062】
このように、各室外機1,2のいずれかを定期的に指定し、その指定した室外機の圧縮機10に、他の室外機から潤滑油OILの余剰分を供給することにより、運転の進行に伴い発生する潤滑油戻りの偏りを補正することができる。
【0063】
上記ステップ101,105,110,114の判定が共に否定(NO)のとき、通常運転が実行されるとともに(ステップ123)、潤滑油が適正か不足かを検出するための油量検出が定期的に実行される(ステップ124)。
【0064】
以上、各圧縮機10での潤滑油不足を相互補完的にしかも迅速に解消することができて、圧縮機10の寿命向上および信頼性向上に大きく寄与することができる。
潤滑油OILの余剰分を油分離器14とは別の保油タンク40に常に蓄えておく形となるので、油分離器14の容量の縮小化が図れ、ひいては冷凍装置全体の小形化に寄与することができる。
【0065】
[2]第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態のステップ114〜122の処理に代えて、図9のフローチャートにおいて二点鎖線で囲んで示すように、ステップ201〜208の処理が採用される。
【0066】
すなわち、各圧縮機1,2が暖房モードで運転している場合の定期的な除霜タイミングで(ステップ201のYES)、センタ室外機1から遅延指令を受けている室外機において(ステップ202のYES)、暖房モード(四方弁15オン)での運転が継続されるとともに(ステップ203)、開閉弁Vbが開放される(ステップ204)。開閉弁Vc,Vaは閉成されている(ステップ205)。
遅延指令は、センタ室外機1が管理しており、そのセンタ室外機1および各ターミナル室外機2の少なくとも1つに、除霜タイミングごとに順に送られる。
【0067】
遅延指令を受けていない室外機では(ステップ202のNO)、冷房モード(四方弁15オフ)つまり除霜モードで運転停止が実行される(ステップ206)。そして、開閉弁Vaが開放され(ステップ207)、開閉弁Vc,Vbが閉成される(ステップ208)。
【0068】
たとえば、図8において、右端のターミナル室外機2が遅延指令を受けた場合、その右端の室外機2において暖房モードの運転が継続され、圧縮機10の吐出冷媒(高圧冷媒)が破線矢印で示すように四方弁15を介してガス側配管22に流れる。
ガス側配管22に流れた高圧冷媒は、除霜モードで運転停止している室外機1,2に流入し、それぞれ四方弁15を介して各圧縮機10のケース10cに導かれる。こうして、各ケース10c内が加圧されることにより、各ケース10c内の潤滑油OILの余剰分が保油タンク40に移動する。保油タンク40に移動した潤滑油OILは、開閉弁Vaが開放していることにより、その開閉弁Vaおよび油回収管45を通って油バランス管50に流れる。
【0069】
油バランス管50には、暖房モードの室外機2における圧縮機10の吸い込み圧力が冷媒吸込側配管25および油回収管45を通して加わっている。よって、油バランス管50に流れた潤滑油OILは、暖房モードの室外機2における油回収管45に流入し、開閉弁Vbおよび冷媒吸込側配管25を通って圧縮機10に吸い込まれる。
【0070】
遅延指令は、一定時間後に解除される。これにより、暖房モードの運転を継続していた室外機が除霜モードに切り換わり、全ての室外機1,2が除霜運転に入る。
【0071】
このように、除霜運転の開始時、各室外機1,2の少なくとも1つで冷媒流の切換を遅延することにより、その遅延対象の室外機の圧縮機10に、他の室外機から潤滑油OILの余剰分を供給することができる。これにより、運転の進行に伴い発生する潤滑油戻りの偏りを補正することができる。
他の構成および作用・効果は第1の実施形態と同じである。
【0072】
[3]第3の実施形態について説明する。
図10に示すように、各圧縮機10のケース10c内の油量を検出する検出手段として、保油タンク40を構成要素とする油量検出装置に代わり、フロートスイッチ方式の油量検出器55が設けられている。これに伴い、ケース10cと油回収管45とが、保油タンク40を介さずに、油移動管41により直接的に接続されている。そして、油移動管41に開閉弁Vaが設けられている。
他の構成は第1および第2の実施形態と同じであり、第1および第2の実施形態と同様の作用・効果が得られる。
その他、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、複数台の圧縮機における油不足を相互補完的にしかも迅速に解消することができ、これにより各圧縮機の寿命向上および信頼性向上が格段に図れるとともに、油分離器の容量の縮小化が図れて装置全体の小形化に寄与し得るマルチ形空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1および第2の実施形態の全体的な構成を示す図。
【図2】第1および第2の実施形態における油量検出装置の構成を示す図。
【図3】各実施形態における油量検出装置の配管構成の具体例を示す図。
【図4】各実施形態の制御回路のブロック図。
【図5】各実施形態における検知温度TK1,TK2の変化の例を示す図。
【図6】各実施形態における各室内機の要求能力と各室外機の運転容量との関係を示す図。
【図7】第1の実施形態における各室外機の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】第1および第2の実施形態における潤滑油の流れの一例を示す図。
【図9】第2の実施形態における各室外機の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】第3の実施形態の全体的な構成および潤滑油の流れの一例を示す図。
【符号の説明】
1…センタ室外機
2…ターミナル室外機
3…室内機
10…圧縮機
10c…ケース
40…保油タンク
41…移動管
43…圧力バランス管
45…油回収管
50…油バランス管
52…加圧管
70,80…室外制御部
90…室内制御部
Claims (5)
- ケース内に潤滑用の油を充填してなる圧縮機、冷房モードの冷媒流と暖房モードの冷媒流とを切り換えるための切換弁、および室外熱交換器を有する複数台の室外機と、
室内熱交換器を有する複数台の室内機と、
前記各圧縮機、前記各切換弁、前記各室外熱交換器、および前記各室内熱交換器を配管接続して構成され、かつ各室外機と各室内機との間の液側配管およびガス側配管が共通化された複数のヒートポンプ式冷凍サイクルと、
前記各圧縮機のケースにそれぞれ接続された油移動管と、
この各油移動管から前記各圧縮機の冷媒吸込側配管にかけてそれぞれ接続された油回収管と、
この各油回収管の相互間に接続された油バランス管と、
前記各圧縮機のケース内の油量を定期的に検出し、油量不足が検出された圧縮機を有する室外機を暖房モードに設定して残りを冷房モードに設定し、かつ暖房モードの室外機を運転して冷房モードの室外機を停止する制御手段と、
前記各室外機の少なくとも1つを暖房モードに設定して残りを冷房モードに設定し、かつ暖房モードの室外機を運転して冷房モードの室外機を停止する制御手段と、
を具備したことを特徴とするマルチ形空気調和機。 - 前記制御手段は、タイマの計時に基づいて定期的に均油を実行させる手段を有し、この均油タイミングごとに前記室外機の1台を順に暖房モードに指定することを特徴とする請求項1に記載のマルチ形空気調和機。
- 前記制御手段は、各室外機が暖房モードの場合に、定期的または必要に応じて冷房モードに切換えて除霜運転を実行させる手段と、この除霜タイミングごとに1台の室外機を順に除霜モードの切換えを遅延させる手段を有し、除霜モードの切換を遅延する室外機を継続して運転し、除霜モードに切換えられた室外機の運転を停止させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチ形空気調和機。
- 前記各油移動管は、各ケースの適正油面位置に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマルチ形空気調和機。
- 前記各油移動管と前記各油回収管との接続間にそれぞれ設けられた保油タンク、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマルチ形空気調和機。
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