JP4498964B2 - タービン動翼及びこれを用いたタービン設備 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスタービンや蒸気タービン等に使用するタービン動翼及びこれを用いたタービン設備に関する。
ガスタービンや蒸気タービンに用いられるタービン動翼においては、信頼性の高い翼を提供するために、隣接翼同士を連結する方策がある。その隣接翼同士を連結する方策として、翼プロフィル部の先端に翼回転方向に延びる連結カバー(インテグラルカバー)の対向部を、タービン回転軸方向に対して傾斜させ、この傾斜した対向部を有する翼を、回転方向(周方向)に押し付けて組み立てることで隣接翼のインテグラルカバーを強く連結したものがある。また、翼のタービン回転軸への組付け時に生じる翼回りの回転変位を排除するために、雄ダフテール(翼根部)の下端に回転防止キーを設けているものがある。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−257385号公報。
上述した隣接翼同士を連結する方策は、組立て時、挿入されたタービン動翼をタービン軸方向側からタービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバー同士が接触し拘束されるように構成するもので、例えば、プリツイスト連結構造と称しているが、この種の隣接翼同士を連結する方策では、翼の組み立て後に、すべてのタービン動翼は、相隣接するインテグラルカバー同士が接触し拘束され、翼はねじり変形すると同時に、翼付け根部および翼根部には、前記のねじり変形に伴って半径方向外周側から見てその径方向軸線回りの回転力を受ける。この回転力の発生により、互いに係合している翼根部とディスク溝にも作用するが、この翼根部とディスク溝との係合部は、タービン回転軸方向からみて、ディスク溝の径方向内向きに広がっている面と接触し、翼根部とディスク溝との係合部には、内側斜め方向の力が作用する。
一方、翼根部とディスク溝との係合部には、通常組付け時を考慮して間隙が設けられていることと、前述した先細りのディスク溝の形状とに起因して、翼根部は、ディスク溝の一方側に、内側斜め方向に向かって押し付けられる。
その結果、翼根部とディスク溝との係合部に、片当たりが生じる。これにより、係合部に高い応力が生じてしまい、タービンを高速回転させるため強度上の問題が発生する危険性がある。また、相隣接するインテグラルカバー同士の接触力が低下し、プリツイスト連結構造の本来的な機能が損なわれる可能性もある。
本発明の目的は、上述の事柄に基づいてなされたもので、短翼であっても、翼根部の回転を防止することで、隣接するインテグラルカバーを確実に連結することができ、なおかつ翼根部に作用する応力を軽減することができる信頼性の高いタービン動翼及びこれを用いたタービン設備を提供することにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、タービンディスクの外周部に翼回転方向に複数設けられたディスク溝に対しそれぞれタービン軸方向側から挿入され係合する翼根部と、翼プロフィル部の先端に一体に形成されたインテグラルカバーとを有し、タービン回転軸方向側から前記タービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする前記翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバーを接触し拘束するように構成したタービン動翼であって、タービンディスク軸方向入口側および出口側の端面に、ディスク溝下部を通り翼回転方向に沿って設けた溝と、前記ディスク溝に押し込まれる翼根部の先端側端面に、前記溝の半径方向外周面とほぼ一致するように設けた半径方向内周面と、前記翼根部の半径方向内周面に半径方向外周面が当接するように前記溝内に組み込まれる押圧部材と、前記タービンディスクの端面に設けられ、前記押圧部材をタービン回転軸方向側から前記溝に挿入可能な切り欠き部とを備え、前記溝及びこの溝に組み込まれる前記押圧部材は、半径方向外周側端面および内周側端面を有する断面形状を備え、前記押圧部材は、半径方向高さが周方向への挿入方向に漸する半径方向外周面および内周面を備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、タービンディスクの外周部に翼回転方向に複数設けられたディスク溝に対しそれぞれタービン軸方向側から挿入され係合する翼根部と、翼プロフィル部の先端に一体に形成されたインテグラルカバーとを有し、タービン回転軸方向側から前記タービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする前記翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバーを接触し拘束するように構成したタービン動翼であって、タービンディスク軸方向入口側および出口側の端面に、ディスク溝下部を通り翼回転方向に沿って設けた溝と、前記ディスク溝に押し込まれる翼根部の先端側端面に、前記溝の半径方向外周面とほぼ一致するように設けた半径方向内周面と、前記翼根部の半径方向内周面に半径方向外周面が当接するように前記溝内に組み込まれる押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記溝への組み込み後に、タービン軸方向外周側からの荷重付加により塑性変形され、前記翼根部を半径方向外方に押し上げて、翼根部の回転を防止したことを特徴とする。
更に、第3の発明は、タービンディスクの外周部に翼回転方向に複数設けられたディスク溝に対しそれぞれタービン軸方向側から挿入され係合する翼根部と、翼プロフィル部の先端に一体に形成されたインテグラルカバーとを有し、タービン回転軸方向側から前記タービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする前記翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバーを接触し拘束するように構成したタービン動翼であって、タービンディスク軸方向側端面に、翼回転方向に半径方向外周側端面及び内周側端面を有する断面形状を備えた溝が設けられ、この溝に半径方向高さが周方向への挿入方向に漸する半径方向外周面及び内周面を備えた押圧部材を組み込み、この押圧部材の溝への組み込みにより前記翼根部を半径方向外方に押し上げて、翼根部の回転を防止したことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3のいずれかに記載のタービン動翼を備えたタービン設備にある。
本発明タービン動翼によれば、タービン動翼の翼根部とディスク溝を形成するタービンディスクとの間に、翼根部とディスク溝との係合部生じる内側斜め方向の押し付け力に対向して、翼根部を外方に押し戻す部材を設けたので、翼根部とディスク溝との係合部での片当たりが防止され、翼根部とディスク溝の係合部に高い応力が作用しない信頼性が高いタービン動翼を提供できる。
また、本発明のタービン設備によれば、タービン動翼の信頼性向上に伴い、設備の長期運転が可能になり、作業効率が向上する。
以下、図面を用いて本発明のタービン動翼の実施の形態を説明する。
図1及び図2は本発明のタービン動翼の第1の実施の形態を示すもので、図1は本発明のタービン動翼の第1の実施の形態が構成する環状翼列の一部をタービン回転軸方向から見た側面図、図2は図1に示すII−II矢視から見た本発明のタービン動翼の第1の実施の形態の断面図である。
図1、図2において、タービン動翼1は、翼プロフィル部2と、この翼プロフィル部2の翼付け根部3と、この翼付け根部3に設けた翼根部4と、タービンディスク5と、このタービンディスク5の外周部に翼回転方向に複数設けられ、タービン回転軸方向側から翼根部4が挿入され係合するディスク溝6と、翼プロフィル部2の先端に一体に形成されたインテグラルカバー7とを有している。
前述した翼根部4とディスク溝6とは、それぞれ内側に向かうにしたがって先細りの形状であり、また、翼根部4とディスク溝6との係合部は、その係合面にそれぞれタービン回転軸方向で、その径方向に並設した複数の係合用の突起を備えている。
タービン動翼1は、順次タービン軸方向側からタービンディスク5に設けられたディスク溝6に組み付けられ、タービンディスク5に対し翼回転方向に複数取り付けられて環状翼列を構成する。
このタービンディスク5の軸方向側端面におけるディスク溝6の内方部(下部)には、タービン回転軸の軸心と同心的で、タービン回転軸の軸線方向に向かう溝8がそれぞれ形成されている。この溝8は、図2に示すように、ディスク溝6の半径方向最内周面より半径方向外周側に位置する半径方向外周側の周面81と、ディスク溝6の半径方向最内周面より半径方向内周側に位置する半径方向内周側の周面82とを備えている。前述した半径方向外周側の周面81は、ディスク溝6により、部分的に断続している。
翼根部4の径方向内周側における入口側出口側端面には、翼1を挿入した時に、翼1を径方向外周側に押し上げた状態で、溝8を形成する半径方向外周側の周面81とほぼ合致する周面41を形成する切り欠き部42が設けられている。
溝8には、この溝8の断面形状にほぼ合致する断面形状の押圧部材9が周方向に沿って複数挿入される。この押圧部材9は、溝8に挿入された後、その脱落を防止するために、かしめ、又は溶接等の固定手段によって、タービンディスク5に固定される。
また、この押圧部材9は、その半径方向外周側の外周面91と、翼根部4に設けた切り欠き部42により形成された周面41との接触により、翼根部4を半径方向外周側に押圧して、翼1の回転を押える。これにより、翼根部4とディスク溝6との係合部に生起していた片当たりを防止する。更に、この押圧部材9は、翼1の組付け後におけるインテグラルカバー7の外周面の機械加工時の保持治具としての機能も有している。
次に、上述した本発明のタービン動翼の第1の実施の形態の動作を図1及び図2を用いて説明する。
タービン動翼1は、ディスク溝6に順番に植え込まれ、最後(M番目)のタービン翼1まで順次全周の翼本数M本植え込まれることにより組み立てられる。
まず、1番目のタービン動翼1をディスク溝6に所定の位置まで挿入する。次に、押圧部材9を挿入する。押圧部材9を溝8に挿入することで、タービン動翼1は、その半径方向外周側に押し上げられる。同様にして、2番目のタービン動翼をディスク溝6に所定の位置まで挿入し、押圧部材9を溝8に挿入する。これを最後(M番目)のタービン動翼まで繰り返し、全周の翼が植え込まれることにより組み立てられる。
上述のように、押圧部材9を溝8に挿入しない構成を採用した場合、インテグラルカバー7の翼回転方向ピッチは、幾何学的ピッチ(インテグラルカバー7の翼回転方向に向いた端面をタービン回転軸方向に対して傾斜させ、かつインテグラルカバー7の取り付け半径位置の円周方向長さを周方向の翼取り付け本数で割った翼1本分のピッチ)よりも大きく形成されているため、すべてのタービン動翼1は、相隣接するインテグラルカバー7同士が接触し拘束され、翼1はねじり変形すると同時に、翼付け根部3および翼根部4は、その軸線回りに回転しようとする。翼根部4とディスク溝6には、通常間隙が設けられているため、翼根部4は、ディスク溝6の係合部の形状により、ディスク溝6に対し、周方向に回転する。翼根部4が回転した状態でタービンが回転し遠心力が作用すると、翼根部4はディスク溝6の軸方向入口側端面および出口端面の一部により遠心力が支えられることになり、非常に高い応力が発生するおそれがあるが、これは、前述した押圧部材9を溝8に挿入することによって解決されている。
即ち、押圧部材9を溝8に挿入すると、押圧部材9の半径方向外周側の周面81は、翼根部4に設けた切り欠き部42により形成された周面41に接触して、翼根部4を、翼根部4とディスク溝6との係合部に生じる内側斜め方向の押し付け力に抗して半径方向外周側へ押し上げて、翼根部4の回転を防止する。その結果、翼根部4とディスク溝6との係合部の片当たりを防止し、この係合部の係合状態を適切に維持することができる。
また、押圧部材9は、翼1の組付け後におけるインテグラルカバー7の外周面の機械加工時の保持治具としての機能しており、通常、この種の保持治具は、前述したインテグラルカバー7の外周面の機械加工後は、抜き取られるものであるが、本発明においては、押圧部材9を抜き取る必要がないようにしているので、そのための抜き取り作業の段取りが不要になり、その組立作業時間が短縮するとともに、保持治具の保管管理も必要もない。
以上のように、本実施の形態によれば、タービン動翼1の翼根部4の回転を防止し、隣接するインテグラルカバー7同士を確実に連結することができ、遠心力により翼根部4に作用する応力を軽減することができ、高い信頼性を確保することができる。
図3及び図4は、本発明のタービン動翼の第2の実施の形態を示すもので、図3は本発明のタービン動翼の第2の実施の形態を構成するタービン動翼の一部を円周方向から見た断面図、図4は図3に示す本発明のタービン動翼の第2の実施の形態に用いた押圧部材の他の例を示す斜視図である。これらの図において、図1及び図2に示す部分と同様の部分には、図1及び図2の符号と同符号を付し説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態は、前述した本発明の第1の実施の形態と同様に、押圧部材9による翼根部4とディスク溝6との係合部の片当たりを防止するとともに、押圧部材9の溝8への固定作業を削減するようにしたもので、押圧部材9を、図4に示すように断面を逆L字状に形成したものである。
即ち、押圧部材9は、その一方側の端面の内周部を切り欠いてその半径方向外周側の周面91と半径方向内周側の周面92との間に、前記周面91との径方向寸法h2よりも小さい寸法h1に設定したもう一つの内周面93を設けて構成されている。この構成により、周面93から半径方向内側に突出している部分が、溝8との係合により抜け止め機能を発揮する。
タービンディスク5側には、図3に示すように押圧部材9が嵌め込まれるように、同様な断面形状の溝8が形成されている。また、押圧部材9をタービン回転軸方向からは嵌め込み可能とするために、タービンディスク5の周方向の一部には、溝8に接続し、押圧部材9の径寸法h2に対応する径方向寸法を有する切り欠き部10が形成されている。
次に、上述した本発明のタービン動翼の第2の実施の形態の動作を図3及び図4を用いて説明する。
タービン動翼1は、ディスク溝6に順番に植え込まれ、最後(M番目)のタービン動翼まで順次全周の翼本数M本植え込まれることにより組み立てられる。
まず、1番目のタービン動翼をディスク溝6に所定の位置まで挿入する。次に、押圧部材9を、溝8の一箇所に設けた切り欠き部10から、押圧部材9を溝8内に挿入し、押圧部材9を1番目のタービン動翼の翼根部4下まで円周方向に移動する。押圧部材9を挿入することで、タービン動翼1は、径方向外周側に押し上げられる。同様にして、2番目のタービン動翼をディスク溝6に所定の位置まで挿入し、上述と同様に押圧部材9を溝8に挿入する。
これを最後(M番目)のタービン動翼まで繰り返し、全周の翼が植え込まれることにより組み立てられる。このとき、切り欠き部10には、最終の押圧部材9が位置するが、この押圧部材9は、前述した第1の実施の形態と同様にその脱落を防止するために、かしめ又は溶接等の固定手段によってタービンディスク5に固定される。
この実施の形態によれば、タービン動翼1の翼根部4の回転を防止し、隣接するインテグラルカバー7同士を確実に連結することができ、遠心力により翼根部4に作用する応力を軽減することができ、高い信頼性を確保することができる。
また、押圧部材9は、翼1の組付け後におけるインテグラルカバー7の外周面の機械加工時の保持治具として機能するとともに、タービンディスク5に組み付け使用されるので、その抜き取り作業の段取りが不要になり、その組立作業時間が短縮するとともに、保持治具の保管管理も必要もない。
更に、押圧部材9は、溝8に確実に係合するので、この溝8からの脱落を防止することができる。
図5及び図6は、本発明のタービン動翼の第3の実施の形態を示すもので、図5は本発明のタービン動翼の第3の実施の形態のタービン軸方向側から見た側面図、図6は図5に示す本発明のタービン動翼の第3の実施の形態に用いた押圧部材の更に他の例を示す斜視図である。これらの図において、図1乃至図4に示す部分と同様の部分には、図1乃至図4の符号と同符号を付し説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態は、前述した本発明の第1の実施の形態と同様に、押圧部材9による半径方向外周側への押し上げ量を変えることのより、翼根部4とディスク溝6との係合部の片当たりを防止するとともに、押圧部材9の溝8への固定作業を削減するようにしたもので、押圧部材9における半径方向外周側の周面91および内周側の周面92,93が、図6に示すようにその半径方向高さがその移動方向、即ち、周方向に向かって低くなる(h5<h6、h5'<h6')ように形成したものである。
この実施の形態によれば、押圧部材9は、これと翼根部4の相対位置を設定調整することにより、翼根部4に対する半径方向外周側への押し上げ量を変えることができ、押し上げ量が不足する場合には、押圧部材9の半径方向高さが高くなる位置まで、押圧部材9を溝8内で周方向に移動することで、翼根部4に対する押し上げ効果を増すことができ、また、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
なお、押圧部材9の溝8への挿入、固定は、前述した実施の形態と同様である。
図7は本発明のタービン動翼の第4の実施の形態を示すもので、本発明のタービン動翼の第4の実施の形態の縦断面図である。この図において先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
この実施の形態は、押圧部材9の断面形状を、その内周側面がタービンディスク5におけるタービン軸方向側端面よりタービンディスク5内部に向かってその半径方向高さが徐々に高くなる(h3<h4)となるように形成するとともに、溝8の断面形状も同様に形成したものである。この実施の形態においても、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
図8及び図9は、本発明のタービン動翼の第5の実施の形態を示すもので、図9は本発明のタービン動翼の第5の実施の形態が構成する環状翼列の一部をタービン回転軸方向から見た側面図、図9は図8に示す本発明のタービン動翼の第5の実施の形態に用いた押圧部材の更に他の例を示す斜視図である。これらの図において、図1乃至図4に示す部分と同様の部分には、図1乃至図4の符号と同符号を付し説明を省略する。
この実施の形態は、押圧部材9とこの押圧部材9が嵌まり込む溝8の断面形状を、横T字状に形成したものである。即ち、押圧部材9の一方側側面に突出部94を設け、この突出部94の半径方向外周面95を、翼根部4に形成した周面41に当接させて、翼根部4を半径方向外方に押し上げるように構成したものである。
また、この実施の形態において、押圧部材9の半径方向外周面91または突出部94の半径方向外周面95を、円周方向に向かう傾斜面に形成して、翼根部4の半径方向外方押上げ力を調整することも可能である。
この実施の形態によれば、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。また、押圧部材9はその上下の2箇所により、軸方向抜け止めされるので、その脱落による故障発生を最小減にすることができ、信頼性も向上する。
図10は本発明のタービン動翼の第6の実施の形態を示すもので、この図10において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
この実施の形態は、押圧部材9を溝8に組付けた後に、溝8と押圧部材9とに間隙が生じ、翼根部4の半径方向内周側への移動を拘束することが不十分である場合に、有効に機能する方策を提供するものである。即ち、押圧部材9に対して、タービン軸方向側よりロールアップ、つまり、押圧部材9におけるタービンディスク5の軸方向側端面に、タービン軸方向側より大きな荷重Fを加えて、押圧部材9をタービン軸方向および半径方向外周側に塑性変形させることにより、翼根部4の押し上げ効果を増し、翼根部4の回転を防止するものである。
この実施の形態においても、前述した実施の形態と同様な効果を得ることができる。
なお、この実施の形態は、前述した各実施の形態に適用することができる。
図11は、本発明のタービン動翼の各実施の形態を適用したタービン設備を一部断面にて示す正面図である。このタービン設備には、 図11に示すように、以上説明した本発明のタービン動翼の各実施の形態を環状に形成した動翼翼列110が、例えばケーシング111等の静止体の内壁に静翼を環状に固定して形成した静翼翼列112間にタービン軸方向に交互に配設される。一般に、軸方向に隣接する静翼翼列112と動翼翼列110を1つの段落とし、こうした段落が複数段設けられる。
本発明のタービン動翼の各実施の形態を適用したタービン設備によれば、タービン動翼の信頼性向上に伴い、設備の長期運転が可能になり、作業効率が向上する。
なお、図11には本発明のタービン動翼の適用対象として蒸気タービンを図示したが、勿論ガスタービンにも適用可能である。また、高圧段であっても、中圧段であっても、低圧段であっても本発明は適用可能であるが、特に翼長の短い高中圧段に適用すると効果的である。
本発明のタービン動翼の第1の実施の形態を構成する環状翼列の一部をタービン回転軸方向から見た正面図である。 図1に示すII−II矢視から本発明のタービン動翼の第1の実施の形態の断面図である。 本発明のタービン動翼の第2の実施の形態を構成するタービン動翼の一部を円周方向から見た側面図である。 図3に示す本発明のタービン動翼の第2の実施の形態に用いた押圧部材の他の例を示す斜視図である。 本発明のタービン動翼の第3の実施の形態のタービン軸方向側から見た側面図である。 図5に示す本発明のタービン動翼の第3の実施の形態に用いた押圧部材の更に他の例を示す斜視図である。 本発明のタービン動翼の第4の実施の形態の縦断面図である。 本発明のタービン動翼の第5の実施の形態を構成する環状翼列の一部をタービン回転軸方向から見た側面図である。 図8に示す本発明のタービン動翼の第5の実施の形態に用いた押圧部材の他の例を示す斜視図である。 本発明のタービン動翼の第6の実施の形態の縦断面図である。 本発明のタービン動翼の各実施の形態を適用したタービン設備を一部断面にて示す側面図である。
符号の説明
1 タービン動翼
2 翼プロフィル部
3 翼付け根部
4 翼根部
5 タービンディスク
6 ディスク溝
7 インテグラルカバー
8 溝
9 押圧部材
41 周面
42 切り欠き部

Claims (4)

  1. タービンディスクの外周部に翼回転方向に複数設けられたディスク溝に対しそれぞれタービン軸方向側から挿入され係合する翼根部と、翼プロフィル部の先端に一体に形成されたインテグラルカバーとを有し、タービン回転軸方向側から前記タービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする前記翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバーを接触し拘束するように構成したタービン動翼であって、タービンディスク軸方向入口側および出口側の端面に、ディスク溝下部を通り翼回転方向に沿って設けた溝と、前記ディスク溝に押し込まれる翼根部の先端側端面に、前記溝の半径方向外周面とほぼ一致するように設けた半径方向内周面と、前記翼根部の半径方向内周面に半径方向外周面が当接するように前記溝内に組み込まれる押圧部材と、前記タービンディスクの端面に設けられ、前記押圧部材をタービン回転軸方向側から前記溝に挿入可能な切り欠き部とを備え、前記溝及びこの溝に組み込まれる前記押圧部材は、半径方向外周側端面および内周側端面を有する断面形状を備え、前記押圧部材は、半径方向高さが周方向への挿入方向に漸する半径方向外周面および内周面を備えたことを特徴とするタービン動翼。
  2. タービンディスクの外周部に翼回転方向に複数設けられたディスク溝に対しそれぞれタービン軸方向側から挿入され係合する翼根部と、翼プロフィル部の先端に一体に形成されたインテグラルカバーとを有し、タービン回転軸方向側から前記タービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする前記翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバーを接触し拘束するように構成したタービン動翼であって、タービンディスク軸方向入口側および出口側の端面に、ディスク溝下部を通り翼回転方向に沿って設けた溝と、前記ディスク溝に押し込まれる翼根部の先端側端面に、前記溝の半径方向外周面とほぼ一致するように設けた半径方向内周面と、前記翼根部の半径方向内周面に半径方向外周面が当接するように前記溝内に組み込まれる押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記溝への組み込み後に、タービン軸方向外周側からの荷重付加により塑性変形され、前記翼根部を半径方向外方に押し上げて、翼根部の回転を防止したことを特徴とするタービン動翼。
  3. タービンディスクの外周部に翼回転方向に複数設けられたディスク溝に対しそれぞれタービン軸方向側から挿入され係合する翼根部と、翼プロフィル部の先端に一体に形成されたインテグラルカバーとを有し、タービン回転軸方向側から前記タービンディスクに押し込むことでねじり変形しようとする前記翼プロフィル部の弾性復元力によって相隣接するインテグラルカバーを接触し拘束するように構成したタービン動翼であって、タービンディスク軸方向側端面に、翼回転方向に半径方向外周側端面及び内周側端面を有する断面形状を備えた溝が設けられ、この溝に半径方向高さが周方向への挿入方向に漸する半径方向外周面及び内周面を備えた押圧部材を組み込み、この押圧部材の溝への組み込みにより前記翼根部を半径方向外方に押し上げて、翼根部の回転を防止したことを特徴とするタービン動翼。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタービン動翼を備えた
    ことを特徴とするタービン設備。
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