JP4498704B2 - 穴加工工具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばエンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブ穴の開口部など、ワークに形成された加工穴の開口部を所定の形状に加工するための穴加工工具に関する。
この種の穴加工工具は、軸線回りに回転される工具本体の先端面に穿設された取付孔に、長尺の略円柱状をなすリーマ(穴加工工具)が上記軸線と同軸に装着され、かつ、工具本体の先端部外周に、上記軸線に対して傾斜する切刃が設けられたものである(例えば、特許文献1参照)。
そして、工具本体が、その軸線回りに回転されつつ軸線方向の先端側へ向かって送られると、上記工具本体の取付孔に装着されたリーマが、例えばエンジンのシリンダーヘッドにおけるバルブ穴(ワークに形成された加工穴)を所定の内径に仕上げるとともに、上記工具本体の先端部外周に設けられた切刃が、このバルブ穴の開口部(ワークに形成された加工穴の開口部)にバルブヘッドが当接するバルブシート面を形成するようになっている。
また、このような穴加工工具においては、加工時に上記切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力により、工具本体が切刃とは反対側に振られてビビリ振動が発生し、加工精度の低下を招いてしまうという問題がある。
そのため、工具本体の先端部外周に、切刃によって加工された加工面に摺接可能なガイド面を有するパットを、上記切刃に対して上記軸線を挟んで略反対側に位置するように設けることにより、このガイドパットで工具本体を案内しながら加工することが行われている。
ところで、図5及び図7に示すように、バルブ穴100の開口部に形成されるバルブシート面101は、バルブ穴100の穴奥側(図5及び図7における左側)から開口側(図5及び図7における右側)へ向かうにしたがいテーパ角θ1,θ2,θ3が順次増大していく第一〜第三テーパ面110,120,130からなる多段テーパ状とされていることが多い(なお、バルブシート面101を構成する第一〜第三テーパ面110,120,130のうち、最も穴奥側に位置する第一テーパ面110のテーパ角θ1は60゜、この第一テーパ面110に連なる第二テーパ面120のテーパ角θ2は90゜、この第二テーパ面120に連なるとともに最も開口側に位置する第三テーパ面130のテーパ角θ3は120゜に設定される(θ1<θ2<θ3))。
このように、バルブシート面101が多段テーパ状をなしている場合、図6及び図8に示すように、工具本体1の先端部外周には、第一テーパ面110を形成するための第一切刃2(工具本体1の軸線Oに対する傾斜角がθ1/2に設定される)と、第二テーパ面120を形成するための第二切刃3(工具本体1の軸線Oに対する傾斜角がθ2/2に設定される)と、第三テーパ面130を形成するための第三切刃4(工具本体1の軸線Oに対する傾斜角がθ3/2に設定される)とが、工具本体1の周方向で略等間隔に設けられるとともに、これら第一〜第三切刃2,3,4のそれぞれに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置するように第一〜第三パット5,6,7が設けられる。
特開2002−59313号公報
しかしながら、第一〜第三切刃2,3,4及び第一〜第三パット5,6,7が工具本体1の先端部外周に設けられた従来の穴加工工具は、その第一〜第三切刃2,3,4及び第一〜第三パット5,6,7の配置について何ら考慮されてはおらず、これに起因して工具本体1に生じるビビリ振動を確実に抑制することができないものであった。
例えば、バルブシート面101が図5に示すような多段テーパ状をなして、第一切刃2の第一テーパ面110に対する接触長さが第二切刃3の第二テーパ面120に対する接触長さよりも大きくなっており、第一〜第三切刃2,3,4のうちの第一切刃2に対して作用する背分力が最も大きくなる場合を考える。つまり、作用する背分力が、第一切刃2、第二切刃3、第三切刃4の順に小さくなっていく場合を考える。
そして、このバルブシート面101を加工するための穴加工工具の工具本体1に設けられた第一〜第三切刃2,3,4が、図6に示すように、最も大きな背分力が作用する第一切刃2を基準として、その工具回転方向T後方側に、第二切刃3、第三切刃4が順次配置されているとする。
この場合、図6(a)に示すように、第一切刃2に作用する背分力F1と第二切刃3に作用する背分力F2との合力FS(第一〜第三切刃2,3,4のそれぞれに作用する三つの背分力のうちの大きな二つの背分力の合力)が、第三切刃4側に向けて作用し、この合力FSを第三切刃4の工具回転方向T前方側及び後方側に隣接する第一パット5及び第二パット6で受ける。
ここで、第一切刃2に対して作用する切削抵抗のうちの主分力X(背分力と同様に、作用する主分力についても、第一切刃2、第二切刃3、第三切刃4の順に小さくなっていく)は、第一切刃2の工具回転方向T後方側に向けて作用し、この主分力Xを第一切刃2の工具回転方向T後方側に隣接する第三パット7で受ける。
そのため、第一切刃2と第二切刃3とに作用する大きな背分力F1,F2の合力FSの向きと、第一切刃2に対して作用する大きな主分力Xの向きとがほぼ反対方向となり、どうしても不安定な切削となって、工具本体1にビビリ振動を生じさせてしまう。
また、例えば、バルブシート面101が図7に示すような多段テーパ状をなして、第二切刃3の第二テーパ面120に対する接触長さが第一切刃2の第一テーパ面110に対する接触長さよりも大きくなっており、第一〜第三切刃2,3,4のうちの第二切刃3に対して作用する背分力が最も大きくなる場合を考える。つまり、作用する背分力が、第二切刃3、第一切刃2、第三切刃4の順に小さくなっていく場合を考える。
そして、このバルブシート面101を加工するための穴加工工具の工具本体1に設けられた第一〜第三切刃2,3,4が、図8に示すように、最も大きな背分力が作用する第二切刃3を基準として、その工具回転方向T後方側に、第一切刃2、第三切刃4が順次配置されているとする。
この場合、図8(a)に示すように、第二切刃3に作用する背分力F2と第一切刃2に作用する背分力F1との合力FS(第一〜第三切刃2,3,4のそれぞれに作用する三つの背分力のうちの大きな二つの背分力の合力)が、第三切刃4側に向けて作用し、この合力FSを第三切刃4の工具回転方向T前方側及び後方側に隣接する第二パット6及び第一パット5で受ける。
ここで、第二切刃3に対して作用する切削抵抗のうちの主分力X(背分力と同様に、作用する主分力についても、第二切刃3、第一切刃2、第三切刃4の順に小さくなっていく)は、第二切刃3の工具回転方向T後方側に向けて作用し、この主分力Xを第二切刃3の工具回転方向T後方側に隣接する第三パット7で受ける。
そのため、第二切刃3と第一切刃2とに作用する大きな背分力F1,F2の合力FSの向きと、第二切刃3に対して作用する大きな主分力Xの向きとがほぼ反対方向となり、上記の場合と同様に、どうしても不安定な切削となって、工具本体1にビビリ振動を生じさせてしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、工具本体に生じるビビリ振動を確実に抑制することができる穴加工工具を提供することを目的とする。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下のような構成を採用した。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ワークに形成された加工穴の開口部を、この加工穴の穴奥側から開口側へ向かうにしたがいテーパ角が順次増大していく第一〜第三テーパ面からなる多段テーパ状に加工するための穴加工工具であって、軸線回りに回転される工具本体の外周に、前記第一テーパ面を形成する第一切刃と前記第二テーパ面を形成する第二切刃と前記第三テーパ面を形成する第三切刃とが前記工具本体の周方向で略等間隔に設けられるとともに、これら第一〜第三切刃のそれぞれに対して前記軸線を挟んで略反対側に位置するように第一〜第三パットが設けられており、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力は、第一切刃、第二切刃、第三切刃の順に小さくなっていくとともに、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの主分力も、第一切刃、第二切刃、第三切刃の順に小さくなっていて、前記第一切刃の前記第一テーパ面に対する接触長さが前記第二切刃の前記第二テーパ面に対する接触長さよりも大きくされており、前記第一切刃を基準として、その工具回転方向後方側に、前記第三切刃、前記第二切刃が順次配置されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、ワークに形成された加工穴の開口部を、この加工穴の穴奥側から開口側へ向かうにしたがいテーパ角が順次増大していく第一〜第三テーパ面からなる多段テーパ状に加工するための穴加工工具であって、軸線回りに回転される工具本体の外周に、前記第一テーパ面を形成する第一切刃と前記第二テーパ面を形成する第二切刃と前記第三テーパ面を形成する第三切刃とが前記工具本体の周方向で略等間隔に設けられるとともに、これら第一〜第三切刃のそれぞれに対して前記軸線を挟んで略反対側に位置するように第一〜第三パットが設けられており、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力は、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていくとともに、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの主分力も、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていて、前記第二切刃の前記第二テーパ面に対する接触長さが前記第一切刃の前記第一テーパ面に対する接触長さよりも大きくされており、前記第二切刃を基準として、その工具回転方向後方側に、前記第三切刃、前記第一切刃が順次配置されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力は、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていくとともに、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの主分力も、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていて、第一切刃の第一テーパ面に対する接触長さが第二切刃の第二テーパ面に対する接触長さよりも大きくされており、第一切刃を基準として、その工具回転方向後方側に、第三切刃、第二切刃が順次配置されるようにしたことから、まず、第一切刃に作用する背分力と第二切刃に作用する背分力との合力(第一〜第三切刃のそれぞれに作用する三つの背分力のうちの大きな二つの背分力の合力)を、これら第一切刃及び第二切刃のそれぞれに対して軸線を挟んで略反対側に位置する第一パット及び第二パットで受ける。
そして、第一切刃に対して作用する切削抵抗のうちの主分力(第一〜第三切刃のそれぞれに作用する三つの主分力のうちの最も大きな主分力)を、この第一切刃の工具回転方向後方側に隣接する第二パット(第二切刃に対して軸線を挟んで略反対側に位置する第二パット)で受ける。
そのため、第一切刃と第二切刃とに作用する大きな背分力の合力の向きと、第一切刃に対して作用する大きな主分力の向きとがほぼ同一方向となり、上記の第一パット及び第二パットを加工面に対して確実に摺接させ、ひいては、工具本体に生じるビビリ振動を確実に抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力は、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていくとともに、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの主分力も、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていて、第二切刃の第一テーパ面に対する接触長さが第一切刃の第一テーパ面に対する接触長さよりも大きくされており、第二切刃を基準として、その工具回転方向後方側に、第三切刃、第一切刃が順次配置されるようにしたことから、まず、第二切刃に作用する背分力と第一切刃に作用する背分力との合力(第一〜第三切刃のそれぞれに作用する三つの背分力のうちの大きな二つの背分力の合力)を、これら第二切刃及び第一切刃のそれぞれに対して軸線を挟んで略反対側に位置する第二パット及び第一パットで受ける。
そして、第二切刃に対して作用する切削抵抗のうちの主分力(第一〜第三切刃のそれぞれに作用する三つの主分力のうちの最も大きな主分力)を、この第二切刃の工具回転方向後方側に隣接する第一パット(第一切刃に対して軸線を挟んで略反対側に位置する第一パット)で受ける。
そのため、第二切刃と第一切刃とに作用する大きな背分力の合力の向きと、第二切刃に対して作用する大きな主分力の向きとがほぼ同一方向となり、上記の第二パット及び第一パットを加工面に対して確実に摺接させ、ひいては、工具本体に生じるビビリ振動を確実に抑制することができる。
まず、本発明の第一実施形態を添付した図1〜図3を参照しながら説明する。
本発明の第一実施形態による穴加工工具は、上述した図5に示したような形状のバルブシート面101を形成するために用いられるものであり、その工具本体10は、図1に示すように、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略多段円柱状をなしている。
工具本体10の先端に位置する先端面11には、軸線O方向の後端側へ向かって延びる軸線Oを中心とした取付孔12が穿設されており、この取付孔12には、図示は省略するが、長尺の略円柱状をなす穴加工工具としてのリーマが軸線Oと同軸に装着されている。
また、工具本体10の先端部外周には、第一チップ21と第二チップ22と第三チップ23とが工具本体10の周方向で略等間隔に配置されるように取り付けられており、これにともない、第一チップ21に形成された略直線状の第一切刃21Aと第二チップ22に形成された略直線状の第二切刃22Aと第三チップ23に形成された略直線状の第三切刃23Aとが工具本体10の周方向で略等間隔に配置されるように設けられていることになる。
ここで、図2において第一〜第三切刃21A,22A,23Aの軸線O回りの回転軌跡を図示しているように、第一切刃21Aは、図5に示したバルブシート面101の第一テーパ面110を形成し、第二切刃22Aは、図5に示したバルブシート面101の第二テーパ面120を形成し、第三切刃23Aは、図5に示したバルブシート面101の第三テーパ面130を形成するように配置されている。
そのため、第一切刃21A(第一切刃21Aの軸線O回りの回転軌跡)には第一テーパ面110に対応する傾斜角(軸線Oに対してθ1/2の傾斜角)が、第二切刃22A(第二切刃22Aの軸線O回りの回転軌跡)には第二テーパ面120に対応する傾斜角(軸線Oに対してθ2/2の傾斜角)が、第三切刃23A(第三切刃23Aの軸線O回りの回転軌跡)には第三テーパ面130に対応する傾斜角(軸線Oに対してθ3/2の傾斜角)が与えられ、かつ、これら第一切刃21Aと第二切刃22Aと第三切刃23Aとが軸線O回りの回転軌跡を互いにオーバーラップさせている。
このとき、形成すべきバルブシート面101が図5に示すような多段テーパ状をなしていて、第一切刃21Aの第一テーパ面110に対する接触長さが、第二切刃22Aの第二テーパ面120に対する接触長さよりも大きくなっていることから、第一〜第三切刃21A,22A,23Aに作用する切削抵抗のうちの背分力は、第一切刃21A、第二切刃22A、第三切刃23Aの順に小さくなっていくとともに、第一〜第三切刃21A,22A,23Aに作用する切削抵抗のうちの主分力も、第一切刃21A、第二切刃22A、第三切刃23Aの順に小さくなっていく。
これに対応するようにして、工具本体10の周方向で略等間隔に配置された第一切刃21Aと第二切刃22Aと第三切刃23Aとは、最も大きな背分力及び主分力が作用する第一切刃21Aを基準として、この第一切刃21Aの工具回転方向T後方側に、第三切刃23A、第二切刃22Aが順次配置されている。
さらに、工具本体10の先端部外周には、第一切刃21Aに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置するように第一パット31が設けられ、第二切刃22Aに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置するように第二パット32が設けられ、第三切刃23Aに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置するように第三パット33が設けられている。
これら第一〜第三パット31,32,33のそれぞれは、切刃によって加工された加工面に摺接可能な第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aを有しており、それらの軸線O回りの回転軌跡は図3に示すようになっている。
図3に示すように、第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aのそれぞれの軸線O回りの回転軌跡は、その軸線Oに対する傾斜角が、基準とされる第一切刃21Aの軸線Oに対する傾斜角(θ1/2)と略同一に設定されるようになっており、これら第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aのすべてが、第一切刃21Aによって形成される第一テーパ面110に対して摺接可能とされている。
また、第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aのそれぞれの軸線O回りの回転軌跡は、第一テーパ面110を形成する第一切刃21Aよりも軸線O方向の後端側(図3における左側)へ向かってすべて同一の後退量Sだけ後退させられている。
この後退量Sは、基準とされる第一切刃21Aから、工具回転方向T後方側へ向かって第二パット32、第一パット31を越えて三つめに位置する第三パット33(第一切刃21Aの工具回転方向T前方側に隣接する第三パット33)の第三ガイド面33Aまでの領域についての軸線Oに対する中心角α〔゜〕(本第一実施形態では、α=300゜)と、工具本体10が一回転するごとにこの工具本体10が軸線O方向の先端側へ向かって送られるときの送り量fr〔mm/rev.〕とに基づいて決定されるものであり、具体的には、後退量Sが、(α/360゜)×fr〔mm/rev.〕に設定されている。
以上説明したような本第一実施形態では、第一切刃21Aの第一テーパ面110に対する接触長さが第二切刃22Aの第二テーパ面120に対する接触長さよりも大きい場合において、つまり、第一テーパ面110を形成するための第一切刃21Aに対して最も大きな背分力及び主分力が作用する場合において、第一切刃21Aを基準として、その工具回転方向T後方側に、第三切刃23A、第二切刃22Aが順次配置されるようにしている。
そのため、まず、第一切刃21Aに作用する背分力F1と第二切刃22Aに作用する背分力F2との合力FS(第一〜第三切刃21A,22A,23Aのそれぞれに作用する三つの背分力のうちの大きな二つの背分力の合力)が、第三切刃23Aに向けて作用し、この合力FSを、第三切刃23Aの工具回転方向T前方側及び後方側に隣接する第二パット32及び第一パット31(第二切刃22A及び第一切刃21Aのそれぞれに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置する第二パット32及び第一パット31)で受ける。
さらに、第一切刃21Aに対して作用する切削抵抗のうちの主分力X(第一〜第三切刃21A,22A,23Aのそれぞれに作用する三つの主分力のうちの最も大きな主分力)が、第一切刃21Aの工具回転方向T後方側へ向けて作用し、この主分力Xを、第一切刃21Aの工具回転方向T後方側に隣接する第二パット32(第二切刃22Aに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置する第二パット32)で受ける。
したがって、第一切刃21Aと第二切刃22Aとに作用する大きな背分力F1,F2の合力FSの向きと、第一切刃21Aに対して作用する大きな主分力Xの向きとをほぼ同一方向にすることができ、これにともない、第一パット31の第一ガイド面31A及び第二パット32の第二ガイド面32Aを第一テーパ面110に対して確実に摺接させて、工具本体10に生じるビビリ振動を確実に抑制することが可能となる。
次に、本発明の第二実施形態を添付した図4を参照しながら説明するが、上述した第一実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。
本発明の第二実施形態による穴加工工具は、上述した図7に示したような形状のバルブシート面101を形成するために用いられるものである。
この本第二実施形態においては、形成すべきバルブシート面101が図7に示すような多段テーパ状をなしていて、第二切刃22Aの第二テーパ面120に対する接触長さが、第一切刃21Aの第一テーパ面110に対する接触長さよりも大きくなっていることから、第一〜第三切刃21A,22A,23Aに作用する切削抵抗のうちの背分力は、第二切刃22A、第一切刃21A、第三切刃23Aの順に小さくなっていくとともに、第一〜第三切刃21A,22A,23Aに作用する切削抵抗のうちの主分力も、第二切刃22A、第一切刃21A、第三切刃23Aの順に小さくなっていく。
これに対応するようにして、工具本体10の周方向で略等間隔に配置された第一切刃21Aと第二切刃22Aと第三切刃23Aとは、最も大きな背分力及び主分力が作用する第二切刃22Aを基準として、この第二切刃22Aの工具回転方向T後方側に、第三切刃23A、第一切刃21Aが順次配置されている。
また、図示はしないが、本第二実施形態において、第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aのそれぞれの軸線O回りの回転軌跡は、その軸線Oに対する傾斜角が、基準とされる第二切刃22Aの軸線Oに対する傾斜角(θ2/2)と略同一に設定されるようになっており、これら第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aのすべてが、第二切刃22Aによって形成される第二テーパ面120に対して摺接可能とされている。
さらに、第一〜第三ガイド面31A,32A,33Aのそれぞれの軸線O回りの回転軌跡は、第二テーパ面120を形成する第二切刃22Aよりも軸線O方向の後端側へ向かってすべて同一の後退量Sだけ後退させられている。
この後退量Sは、基準とされる第二切刃22Aから、工具回転方向T後方側へ向かって第一パット31、第二パット32を越えて三つめに位置する第三パット33(第二切刃22Aの工具回転方向T前方側に隣接する第三パット33)の第三ガイド面33Aまでの領域についての軸線Oに対する中心角α〔゜〕(本第二実施形態では、α=300゜)と、工具本体10が一回転するごとにこの工具本体10が軸線O方向の先端側へ向かって送られるときの送り量fr〔mm/rev.〕とに基づいて決定されるものであり、具体的には、上記の第一実施形態と同様に、後退量Sが、(α/360゜)×fr〔mm/rev.〕に設定されている。
以上説明したような本第二実施形態では、第二切刃22Aの第二テーパ面120に対する接触長さが第一切刃21Aの第一テーパ面110に対する接触長さよりも大きい場合において、つまり、第二テーパ面120を形成するための第二切刃22Aに対して最も大きな背分力及び主分力が作用する場合において、第二切刃22Aを基準として、その工具回転方向T後方側に、第三切刃23A、第一切刃21Aが順次配置されるようにしている。
そのため、まず、第二切刃22Aに作用する背分力F2と第一切刃21Aに作用する背分力F1との合力FS(第一〜第三切刃21A,22A,23Aのそれぞれに作用する三つの背分力のうちの大きな二つの背分力の合力)が、第三切刃23Aに向けて作用し、この合力FSを、第三切刃23Aの工具回転方向T前方側及び後方側に隣接する第一パット31及び第二パット32(第一切刃21A及び第二切刃22Aのそれぞれに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置する第一パット31及び第二パット32)で受ける。
さらに、第二切刃22Aに対して作用する切削抵抗のうちの主分力X(第一〜第三切刃21A,22A,23Aのそれぞれに作用する三つの主分力のうちの最も大きな主分力)が、第二切刃22Aの工具回転方向T後方側へ向けて作用し、この主分力Xを、第二切刃22Aの工具回転方向T後方側に隣接する第一パット31(第一切刃21Aに対して軸線Oを挟んで略反対側に位置する第一パット32)で受ける。
したがって、第二切刃22Aと第一切刃21Aとに作用する大きな背分力F2,F1の合力FSの向きと、第二切刃22Aに対して作用する大きな主分力Xの向きとをほぼ同一方向にすることができ、これにともない、第二パット32の第二ガイド面32A及び第一パット31の第一ガイド面31Aを第二テーパ面120に対して確実に摺接させて、工具本体10に生じるビビリ振動を確実に抑制することができる。
本発明の第一実施形態による穴加工工具の工具本体をその軸線方向の先端側から見たときの(a)概略図、(b)詳細図である。 加工穴の開口部と切刃との位置関係を示す説明図である。 加工穴の開口部と切刃及びパットとの位置関係を示す説明図である。 本発明の第二実施形態による穴加工工具の工具本体のその軸線方向の先端側から見たときの(a)概略図、(b)詳細図である。 バルブ穴の開口部に形成されるバルブシート面を示す断面図である。 従来の穴加工工具の工具本体をその軸線方向の先端側から見たときの(a)概略図、(b)詳細図である。 バルブ穴の開口部に形成されるバルブシート面を示す断面図である。 従来の穴加工工具の工具本体をその軸線方向の先端側から見たときの(a)概略図、(b)詳細図である。
符号の説明
10 工具本体
21 第一チップ
21A 第一切刃
22 第二チップ
22A 第二切刃
23 第三チップ
23A 第三切刃
31 第一パット
31A 第一ガイド面
32 第二パット
32A 第二ガイド面
33 第三パット
33A 第三ガイド面
100 バルブ穴
101 バルブシート面
110 第一テーパ面
120 第二テーパ面
130 第三テーパ面
O 軸線
T 回転方向

Claims (2)

  1. ワークに形成された加工穴の開口部を、この加工穴の穴奥側から開口側へ向かうにしたがいテーパ角が順次増大していく第一〜第三テーパ面からなる多段テーパ状に加工するための穴加工工具であって、
    軸線回りに回転される工具本体の外周に、前記第一テーパ面を形成する第一切刃と前記第二テーパ面を形成する第二切刃と前記第三テーパ面を形成する第三切刃とが前記工具本体の周方向で略等間隔に設けられるとともに、これら第一〜第三切刃のそれぞれに対して前記軸線を挟んで略反対側に位置するように第一〜第三パットが設けられており、
    前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力は、第一切刃、第二切刃、第三切刃の順に小さくなっていくとともに、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの主分力も、第一切刃、第二切刃、第三切刃の順に小さくなっていて、前記第一切刃の前記第一テーパ面に対する接触長さが前記第二切刃の前記第二テーパ面に対する接触長さよりも大きくされており、
    前記第一切刃を基準として、その工具回転方向後方側に、前記第三切刃、前記第二切刃が順次配置されていることを特徴とする穴加工工具。
  2. ワークに形成された加工穴の開口部を、この加工穴の穴奥側から開口側へ向かうにしたがいテーパ角が順次増大していく第一〜第三テーパ面からなる多段テーパ状に加工するための穴加工工具であって、
    軸線回りに回転される工具本体の外周に、前記第一テーパ面を形成する第一切刃と前記第二テーパ面を形成する第二切刃と前記第三テーパ面を形成する第三切刃とが前記工具本体の周方向で略等間隔に設けられるとともに、これら第一〜第三切刃のそれぞれに対して前記軸線を挟んで略反対側に位置するように第一〜第三パットが設けられており、
    前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの背分力は、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていくとともに、前記第一〜第三切刃に作用する切削抵抗のうちの主分力も、第二切刃、第一切刃、第三切刃の順に小さくなっていて、前記第二切刃の前記第二テーパ面に対する接触長さが前記第一切刃の前記第一テーパ面に対する接触長さよりも大きくされており、
    前記第二切刃を基準として、その工具回転方向後方側に、前記第三切刃、前記第一切刃が順次配置されていることを特徴とする穴加工工具。
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