JP4497342B2 - 床下型暖房装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放熱器を床下に設置して、床上室と床下を暖房するようにした床下型暖房装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
寒冷地の暖房手段として、放熱器を床下に設置して、放熱器で発生する暖気を循環させて床上室と床下を暖房するようにしたものがあり、この暖房手段の温度制御は、人が居住する床上室に設けた室温センサの信号により、放熱器の放熱量を制御して行なっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
人の体感温度は、居住空間の室温センサで検出された室温のみならず、居住空間の窓から入る日射や壁又は床からの放射温度によっても異なる。本発明は、これらの放射温度を考慮にいれて、快適な体感温度が得られるように温度制御する装置を得ることを課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題の解決手段の一つは、請求項１に記載したとおり、床上室と床下を仕切る床に暖気出口と戻り口を設け、床下に床下放熱器を設置し、暖気を床下から暖気出口、床上室、戻り口を経て循環させ、室温センサからの室温信号で放熱量を制御する制御器を備えた床下暖房装置において、床下には屋外から前記床下放熱器へ温水を供給するための管が設けられており、前記床下暖房装置は床面の放射温度を検出する放射温度センサの放射温度信号を、室温信号に加味して管を循環する温水量の制御をすることを特徴とする。
【０００５】
また他の解決手段は、請求項２に記載したとおり、請求項１記載の床下型暖房装置において、前記床面の放射温度を検出する放射温度センサの放射温度信号と、窓又は壁面の放射温度を検出する放射温度センサの放射温度信号とを、室温信号に加味して管を循環する温水量の制御をすることを特徴とする。
【０００６】
これらの手段によれば、室温と放射温度によって床下放熱器を制御するので、床上室は、快適な体感温度に制御される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の態様を説明する。図１において、１は建物、２は床、３は居住する床上室、４は床下、５は窓である。床２には暖気出口６と戻り口７があり、暖気出口６を臨む床下４に床下放熱器８が設置されている。床下放熱器８には、屋外に設置されたボイラ９ａからパイプ９によって温水が循環され、床下放熱器８で発生した暖気は、暖めることによる密度差又は図外の送風機により床下４から暖気出口６、床上室３、戻り口７を経て循環する。温水循環量は、熱動弁１０によって調節される。
【０００８】
床上室３には、室温センサ１１ａ付きの温度制御器１１が設置され、天井１２に放射温度センサ１３が取り付けられている。放射温度センサ１３は、設定角度θ（例えば６５°）範囲内に放射される赤外線の熱エネルギを受け、その熱エネルギを熱起電力に変換して平均温度を計測信号として出力するするものであり、窓５を通る日射しの温度を計測することができる。温度制御器１１は、室温センサ１１ａの室温信号と放射温度センサ１３の放射温度信号で制御量を決め、熱動弁１０によって温水量を制御する。
【０００９】
図２は、温度制御器１１での制御方法を示すフローチャートで、ｓはステップを示す。ｓ１でスタート後、ｓ２で放射温度の５分間平均値を求め、ｓ３で室温の５分間平均値を求め、ｓ４で放射温度の５分間平均値と設定値を比較する。
【００１０】
ここで、放射温度の設定値とは、室温設定値−６℃の数値である。ただし、基板のディップスイッチにより、温度の差を前記の−６℃の他に−２，−４，−８℃のように変更することができる。
【００１１】
次にｓ５で室温の５分間平均値と設定値を比較し、ｓ６で放射温度が設定値より低いと判断され、ｓ７で室温が設定値＋２℃以下と判断されれば熱動弁は開いて床下放熱器８は放熱を始め、設定値＋２℃より高いと判断されれば熱動弁は閉じて床下放熱器８の放熱が低下する。またｓ６で放射温度が設定値より低くなければ、ｓ９で室温が設定値−２℃以上であるか否かを判断し、以上であれば熱動弁を閉じるが、否であればｓ８で熱動弁を開く。
【００１２】
図３に示す実施の形態においては、放射温度センサ１３は、天井１２に設置され、床面の放射温度を検出し、その信号を室温信号に加味して温度制御器１１で制御する。図４は温度制御器１１での制御作用の１例を示し、ｓ１でスタート後ｓ２で放射温度の５分間平均値を求め、ｓ３で室温の５分間平均値を求め、ｓ４で放射温度と室温の差を求める。この温度差は、通常２℃程度であるが、これと異なる場合は、表Ｔに基づいてｓ５で室温設定値をシフトする。表Ｔにおいて、例えば、温度差が−１℃以下のときは＋２℃シフトし、温度差が２℃のときはシフトせず、温度差が４℃以上のときは−２℃シフトする。そしてｓ６で現在室温が室温設定値より低い場合はｓ７で熱動弁を開き、ｓ６で現在室温が室温設定値より低くない場合はｓ８で熱動弁を閉じる。
【００１３】
以上のように、室温を窓、壁、床面等の放射温度を加味して制御するので、室温を人の体感温度に合わせることができる。
【００１４】
なお、前記の各形態では、温水量の制御を熱動弁１０で行なっているが、温水循環用ポンプのオン・オフによって行なうこともできる。
【００１５】
【発明の効果】
本発明は、室温を窓、壁、床面等の放射温度を加味して制御するので、室温を人の体感温度に合わせることができ、暖め過ぎや寒さを感じさせないように制御することができるので、快適且つ省エネルギの床下型暖房装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態の１例を示す配置図
【図２】 温度制御方法の１例を示すフロー図
【図３】 本発明の実施の形態の他例を示す配置図
【図４】 温度制御方法の他例を示すフロー図
【符号の説明】
１ 建物 ２ 床
３ 床上室 ４ 床下
５ 窓 ６ 暖気出口
７ 戻り口 ８ 床下放熱器
１０ 熱動弁 １１ 温度制御器
１１ａ 室温センサ １２ 天井
１３ 放射温度センサ

Claims (2)

1. 床上室と床下を仕切る床に暖気出口と戻り口を設け、床下に床下放熱器を設置し、暖気を床下から暖気出口、床上室、戻り口を経て循環させ、室温センサからの室温信号で放熱量を制御する制御器を備えた床下暖房装置において、床下には屋外から前記床下放熱器へ温水を供給するための管が設けられており、前記床下暖房装置は床面の放射温度を検出する放射温度センサの放射温度信号を、室温信号に加味して管を循環する温水量の制御をすることを特徴とする床下型暖房装置。
2. 前記床面の放射温度を検出する放射温度センサの放射温度信号と、窓又は壁面の放射温度を検出する放射温度センサの放射温度信号とを、室温信号に加味して管を循環する温水量の制御をすることを特徴とする請求項１記載の床下型暖房装置。

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