JP4496838B2 - 分光装置及び全反射ラマン分光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、分光装置及び全反射ラマン分光装置に関し、詳しくは異なる開口数の光学素子を用いた分光装置及び全反射ラマン分光装置に関する。
最初に光学素子のNA(開口数)及びF値を定義する。集光デバイスを、対物レンズ、凸レンズ、凹面鏡などビームの大きさを変化させる光学素子と定義し、光導波デバイスを光を別の場所へ伝播させる光学素子と定義する。集光デバイスである対物レンズ、凸レンズと、光導波デバイスを光が通過し光の進行方向が変化する様子を、図1に模式的に示した。各光学素子通過後の光の進行方向を、図1に示した角度pで定める。図1と逆方向に光が進行する場合は、角度pは光学素子の受光許容最大角となる。この角度pは、光軸方向と光の進行方向がなす角度であり、光学素子の入射端面又は出射端面への入射角又は出射角に相当する。ここで、対物レンズ、光導波デバイスのNA(開口数)をNA=sin(p)、凸レンズのF値をF=f/D (f:焦点距離、D:直径)と定義する。NA とF値の間にはF=1/2tan(p)=(1-(NA)2)1/2/2(NA)の関係があり、特に角度pが十分に小さいときF=1/2(NA)となる。
対物レンズ通過後の光が急角度で絞られ、角度pが大きな値をとると、NAも大きな値をとる。光導波デバイスのコア内を通過してきた光が急角度で拡大し、角度pが大きな値をとると、NAも大きな値をとる。従って高NAの対物レンズ、高NAの光導波デバイスには、光が急角度で出射あるいは入射する。凸レンズ通過後の光が急角度で絞られ、角度pが大きな値をとるとき、焦点距離fは小さな値となる必要がありF値は小さくなる。従ってF値の小さな凸レンズには、光が急角度で出射あるいは入射する。
対物レンズ、光導波デバイス、凸レンズなどの光学素子は、通常、できるだけ光量を損失しないよう接続される。このためには、非特許文献1の記載によれば、レンズw、光ファイバーx、レンズyを接続し、この順で光が進行するとき、NAw<NAx<NAyとする必要がある。従って、光導波デバイスxで入射端の開口数NAxinと出射端の開口数NAxoutが異なるときは、NAw<NAxin かつNAxout<NAyとする必要がある。
またフィルム表面の分子構造を評価する方法として、非特許文献2記載のように、光ファイバーと対物レンズを用いた全反射ラマン分光装置が提案されている。なお非特許文献2には、光ファイバーと対物レンズの種類は記載されていない。
栖原敏明著,光波工学,コロナ社,1998, p.128. 前川めぐみ,吉川正信,片桐元,石田英之,清水良祐,BUNSEKI KAGAKU,40,T203 (1991).
非特許文献2記載の全反射ラマン分光装置において、非特許文献1の記載に従って光ファイバーと対物レンズを選択すると、後述のようにビーム直径の狭小化が困難となり、低いS/N比の全反射ラマンスペクトルしか取得できない、という問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ビーム直径の狭小化と高いS/N比のスペクトルの取得が可能な分光装置及び全反射ラマン分光装置を提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明に係る分光装置は、出射端のNA(開口数)がNAxoutである光導波デバイスxと、前記光導波デバイスの出射端から出射された光を集光する、NA(開口数)がNAyである集光デバイスyとを持ち、NAxout>NAyであることを特徴とする。
また、本発明に係る分光装置は、光を集光する、NA(開口数)がNAwである集光デバイスwと、前記集光デバイスwで集光された光が入射端から入射される、入射端のNA(開口数)がNAxinであり、出射端のNA(開口数)がNAxoutである光導波デバイスxと、前記光導波デバイスの出射端から出射された光を集光する、NA(開口数)がNAyである集光デバイスyとを持ち、NAw>NAxin 及び NAxout>NAy
であることを特徴とする。
本発明に係る全反射ラマン分光装置は、光を集光する、NA(開口数)がNAwである対物レンズwと、前記対物レンズwで集光された光が入射端から入射される、入射端のNA(開口数)がNAxin、出射端のNA(開口数)がNAxoutである光ファイバーxと、前記光ファイバーの出射端から出射された光を集光する、NA(開口数)がNAyである対物レンズyとを持ち、NAw>NAxin 及び NAxout>NAyであることを特徴とする。
前記全反射ラマン分光装置は、励起光が可視光(波長400 nm 〜 680 nm)であることが好ましい。
さらに、本発明に係る分光装置は、光を集光する、NA(開口数)がNAwである集光デバイスwと、前記集光デバイスwで集光された光が入射端から入射される、入射端のNA(開口数)がNAxinであり、出射端のNA(開口数)がNAxoutである光導波デバイスxと、前記光導波デバイスの出射端から出射された光を集光する、NA(開口数)がNAyである集光デバイスyとを持ち、NAw<NAxin、 NAxout>NAy 及び NAw=NAyであることを特徴とする。
また、本発明に係る全反射ラマン分光装置は、光を集光する、NA(開口数)がNAwである対物レンズwと、前記対物レンズwで集光された光が入射端から入射される、入射端のNA(開口数)がNAxin、出射端のNA(開口数)がNAxoutである光ファイバーxと、前記光ファイバーの出射端から出射された光を集光する、NA(開口数)がNAyである対物レンズyとを持ち、NAw<NAxin、 NAxout>NAy 及び NAw=NAyであることを特徴とする。
前記全反射ラマン分光装置は、励起光が可視光(波長400 nm 〜 680 nm)であることが好ましい。
前記全反射ラマン分光装置は、励起光が近赤外光(波長700 nm 〜 850 nm)であることが好ましい。
さらにまた、本発明に係る全反射ラマン分光装置は、光源と、前記光源から出射された光を導く導光手段xと、前記導光手段xから出射された光を全反射面上の試料にしみ出し光として照射する全反射プリズムと、前記全反射プリズムにおいて前記試料に照射された光の散乱光について、ラマン散乱成分を分光する分光手段と、を有する全反射ラマン分光装置において、前記光源から出射された光を集光して前記導光手段xの入射端に入射させるレンズwと、前記導光手段xの出射端から出射された光を集光して前記全反射プリズムに向けるレンズyとを有し、前記レンズwの開口数NAw、前記レンズyの開口数NAy、前記導光手段xの入射端の開口数NAxin及び出射端の開口数NAxoutの間に、“NAw>NAxin 及び NAxout>NAy”、又は、“NAw<NAxin、 NAxout>NAy 及び NAw=NAy”なる関係があることを特徴とする。
前記全反射ラマン分光装置において、前記導光手段xは、光ファイバーであることが好ましい。
前記全反射ラマン分光装置は、前記光源から出射された励起光が可視光(波長400 nm 〜 680 nm)であることが好ましい。
前記全反射ラマン分光装置は、前記光源から出射された励起光が近赤外光(波長700 nm 〜 850 nm)であることが好ましい。
本発明の全反射ラマン分光装置を使用すれば、励起光のビーム直径を狭小化し、高いS/N比でスペクトルを取得することが可能となる。
また本発明の全反射ラマン分光装置における全反射光学系は、全反射蛍光分光装置(特開平4-337447)及び非線形ラマン分光装置(特開平10-115573)などで対物レンズ及び光ファイバーを用いた場合にも利用すれば、ビーム直径の狭小化により微弱なシグナルの発生効率を高めることが可能となる。
以下本発明の実施形態を、図面を参照して詳述する。図2に、本実施形態の全反射ラマン分光装置における全反射光学系を模式的に示した。図2の全反射光学系において、基本骨格は(株)堀場製作所が設計・製造し、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの種類は以下のように本実施形態が提供するものである。
この全反射ラマン分光装置は、励起光となる所定波長の光を出射するレーザーの如き光源(図示なし)と、光ファイバーxの入射端に対向して設けられ、光源から出射された光を光ファイバーxの入射端に集光して入射させる開口数NAwの対物レンズwと、入射端から入射された光を軸方向に導き、出射端から出射させる屈曲自在の光ファイバーx(入射側開口数NAxin、出射側開口数NAxout)と、この光ファイバーxの出射端に対向して設けられ、光ファイバーxの出射端から出射された光を集光する開口数NAyの対物レンズyと、を有している。
また、この全反射ラマン分光装置は、全反射面上の試料に励起光をしみ出し光(エヴァネッセント光)として照射する半球状の全反射プリズムと、前記全反射面上の試料に励起光が収束するように前記対物レンズyから出射された光を集光する絞り用レンズと、前記励起光が照射された試料による散乱光からラマン散乱成分を分光して観測する分光装置(図示なし)とを有している。
この全反射ラマン分光装置において、光源から出射された光は、コリメータレンズ(図示なし)によって略平行光となされた後、対物レンズwによって光ファイバーxの入射端に入射される。光ファイバーxに入射された光は、この光ファイバーxの軸に沿って進み、その出射端から出射され、対物レンズyによって略平行光となされる。対物レンズyから出射された光は、絞り用レンズによって、全反射プリズムの全反射面上の試料に収束するように集光される。
ここで、図中の位置(a)及び位置(b)に示すように、対物レンズy及び絞り用レンズは、全反射プリズムの全反射面に対する励起光入射角qを所定範囲内で任意に選択することができる。
具体的には、図2において、対物レンズwから全反射プリズムに至る全反射光学系において、光ファイバーxは長さ60 cmで両末端にFCコネクターが付属され、絞り用レンズはF値4、プリズムは無蛍光性サファイア製で直径20 mmの半球型である。 (1)レーザーから励起光が発振し、(2) 励起光が図2の全反射光学系に入射し、(3) サンプルから発生した全反射ラマン散乱光が分光器を経て検出器に到達して、全反射ラマンスペクトルが測定される。
上記(1)において、可視光(波長532 nm)励起ではダイオード励起可視レーザー(Spectra Physics Millenia)を光源に用い、近赤外光(波長 752 nm)励起では、
ダイオード励起可視レーザー(Spectra Physics Millenia)でポンプしたチタン:サファイアレーザー(Spectra Physics Model 3900S)を光源に用いた。
上記(2)において、本実施形態に該当する対物レンズw、光ファイバーx、 対物レンズyを使用すれば、対物レンズwで絞られた励起光は光ファイバーxに入射し、光ファイバーxから拡大しながら出射して対物レンズyで平行光となり、絞り用レンズによりプリズム底面上で狭小化される。
既述のとおり、図2の全反射光学系では、対物レンズy及び絞り用レンズが一体となって回転し、図2中の位置(a)及び位置(b)に示したように励起光の入射角qを変化させることができる。位置(b)での入射角qが臨界値以上であれば、プリズム底面に到達した励起光はサンプル側に屈折することなく、全てが図2中の(c)の方向に反射する。このような全反射により、プリズム底面からサンプル表面深さ100 nm程度までしみ出す光が発生し、その結果サンプル表面深さ100 nm程度のみが励起され、この部分のみから全反射ラマン散乱光が発生することになる。
上記(3)では、 発生した全反射ラマン散乱光がカメラレンズ(F値1)で集光されて平行光となり、レイリー光カットフィルターを通過して集光レンズ(F値7.5)でシングルポリクロメータ(Jobin Yvon Ramanor T-64000、 F値7.5) のスリット
上に集光された後、回折格子(刻線数 600 grooves/mm)で分光されて電荷結合素子検出器(Princeton Instruments、 LN/CCD-1024EHRB) に到達する。
なお、上記のレイリー光カットフィルターとして、可視光(532 nm)励起では Kaiser Holographic Notch Filter HNPF-532-1.5を、近赤外光(752 nm)励起ではKaiser Holographic Notch Filter HNPF-752-1.5 を、それぞれ使用することが好ましい。また上記のスリット幅は分解能 10 cm-1に相当する幅とし、可視光(532 nm)励起では120 μm、近赤外光(752 nm)励起では240 μmとすることが好ましい。
図2の全反射光学系で本実施形態を実施するにあたり、全反射条件の成立を確認するため、プリズム上にポリスチレン(以下、PSと略す) (Aldrich 18,242-7, Mw= 2.8×105)、ポリビニルメチルエーテル(以下、PVMEと略す) (TCI P0384, 30% in water) を順に製膜し、図2記載のサンプルをPS/PVME積層膜とした。
詳細には、(1)PSスペクトロゾールトルエン溶液(3 wt%) 0.3 mLをプリズム底面上にスピンコート(3000 rpm/30 s)し、(2) 室温で1時間真空乾燥し、(3) PS層の上にPVME蒸留水溶液(10 wt%) 0.8 mLをキャストし、(4) 室温で24時間真空乾燥した。上記PS膜の膜厚は 130 nm ((株)東レリサーチセンターにてオプティプローブ法により測定)、上記PVME膜の膜厚は 250μm (PVMEの重量とキャスト面積から概算)である。
後述するように、図2の全反射光学系で可視光(波長532 nm)を励起光として対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの種類を変化させ、本実施形態に該当する場合と本実施形態に該当しない場合で、ビーム直径及び全反射ラマンスペクトルを比較した。このとき、プリズム底面でのビーム直径が最小となる位置に図2記載の絞り用レンズを固定したが、絞り用レンズの位置は、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの種類によらず全て同一であった。
上記のビーム直径の比較では、前記カメラレンズ(F値1)の後方にカメラを設置して、プリズム底面でのビーム画像を撮影した。撮影では画像の明るさがビームの同定に適正となるよう、励起光出力及びプリズム斜め前方に設置したライトの輝度を調整した。
上記の全反射ラマンスペクトルの比較にあたり、測定したラマンスペクトルに混入した宇宙線スパイクノイズを除去し、検出器感度を補正して最終的な実験結果とした。
図2の全反射光学系で近赤外光(波長752 nm)を励起光として本実施形態を実施するにあたり、IRコンバータ A-3R/T(フォトテクニカ(株))の利用、ビーム画像を表示するテレビの色調の調整により、光軸調整及びビーム直径の確認を行い、全反射ラマンスペクトルを測定した。これは、近赤外光(波長752 nm)が目視困難であることに加え、近赤外光励起におけるラマン強度が可視光励起時の20%に低下(日本化学会編,第4版実験化学講座6 分光I, 丸善, 1991, p.429 記載の振動数4乗則を用い、励起波長750 nmと励起波長500 nmでの相対強度を算出)し、可視光励起の場合よりも精密なアラインメントが必要となるためである。近赤外光(波長752 nm)を励起光として本実施形態を実施するには、後述する近赤外光対応の対物レンズのほか、可視光励起の場合とは異なった上記のような操作手順が要求される。
上記のようにして測定したラマンスペクトルに対し、可視光(波長532 nm)励起のときと同様に、宇宙線スパイクノイズの除去及び検出器感度の補正を行って最終的な実験結果とした。
以下で詳述する実施例及び比較例では、図2の全反射光学系で使用した全ての光ファイバーxの開口数がNAxin=NAxoutを満たすものとする。しかし本発明は、NAxin=NAxout の場合に限定されるものではなく、NAxinとNAxoutが異なる場合にも同様に実施することができる。
実施例1として、図2の全反射光学系において、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの開口数NAw/NAx/NAy を0.46/0.20/0.15 (NAxin=NAxout=NAx、 NAx=0.20であり、NAw>NAxin及びNAxout>NAyを満たす)とした結果を示す。このとき励起光は可視光(波長532 nm)である。上記の対物レンズは詳細には、オリンパスMSPlan20(無限遠補正、倍率20倍、開口数0.46)、オリンパスUMPLFL5×(無限遠補正、倍率5倍、開口数0.15)であり、上記の光ファイバーは詳細には、三菱電線工業(株) ST200D(ステップインデックス型マルチモード光ファイバー、コア径200μm、開口数0.20)または三菱電線工業(株) ST100C(ステップインデックス型マルチモード光ファイバー、コア径100μm、開口数0.20)である。
図2記載の全反射光学系において開口数を上記の組み合わせとし、 PS/PVME積層膜でコートされたプリズム底面でのビーム画像を図3に示した。ここで励起光入射角はq=70°、励起光強度は(40±5)mWである。
後述のとおり、入射角q=70°のとき励起光はプリズム底面(プリズム/PS界面)で全反射する。
図3の画像で、ビームは左右に歪み楕円に近い形状となっている。これは励起光の斜め方向からの入射が原因であり、励起光入射角が大きくなると、楕円の短軸の長さはほぼ一定であるが、楕円の長軸の長さは大きくなる。本明細書では、楕円の短軸の長さを実質的なビーム直径とみなすことにする。
ビームの短軸の長さ及び長軸の長さは、 220μm及び580μmである。ビーム中心付近の輝度が高い。
上記のように、ビーム直径が小さく、ビーム中心付近の輝度が高くなる理由は以下のように説明できる。
開口数の組み合わせは0.46/0.20/0.15であり、光ファイバーxから励起光が広がり角23°(=2×sin-10.20)で出射し、広がり角が17°(=2×sin-10.15)以下の光のみが対物レンズyに入射する。
また、光ファイバーx内を伝播する励起光には、(1)低次モード光(図1光導波デバイスで角度pが小さな光)、(2)高次モード光(図1光導波デバイスで角度pが大きな光)、(3)クラッドモード光(図1光導波デバイスで本来の光路ではないクラッドを伝播する光)がある。
従って、低次モード光は広がり角23°の光束の中心付近に位置し対物レンズyに入射できるが、高次モード光及びクラッドモード光は上記光束の端に位置し対物レンズyに入射できない。空間的強度分布がガウス型関数で近似できる低次モード光のみが対物レンズyに入射することで、図3のように、直径が小さく中心付近の輝度が高いビームを形成できる。
一般にラマン分光測定におけるシグナルは微弱であり、単位面積あたりの励起光強度を上昇させることが必要とされる。全反射ラマン分光測定はサンプル表面深さ100 nm付近を対象とするため、シグナル光が一般のラマン分光測定の場合よりも更に微弱であり、単位面積あたりの励起光強度を上昇させることが重要となる。図3の状態は、単位面積あたりの励起光強度が大きく、以下に述べるように高いS/N比の全反射ラマンスペクトルを取得するのに有効である。
図3の画像に対応するPS/PVME積層膜の全反射ラマンスペクトルを、図4に示した。図4において測定時間は20 s、励起光強度は(135±5) mWである。
別途測定したPSバルク及びプリズムのラマンスペクトルと比較した結果、図4で観測されたのは、*(プリズムのラマンバンド)を除いて全てPSのラマンバンドであることがわかった。これは、励起光(入射角q=70°)がプリズム底面(プリズム/PS界面)で全反射し、PS膜(表層130 nm)のみが選択的に励起されたためである。
図4では1603 cm-1のバンド(PSのバンド)が*のバンド(プリズムのバンド)とほぼ同じ強度で明瞭に観測される。また、図4における1002 cm-1のバンド(PSのバンド)のピーク強度は0.061である。
上記の図3、図4に関する説明のとおり、本実施形態が提供する全反射ラマン分光装置における全反射光学系により、励起光を可視光(波長 532 nm)としてビーム直径を狭小化し、S/N比に優れた全反射ラマンスペクトルを取得することが可能となった。
実施例2として、図2の全反射光学系において、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの開口数NAw/NAx/NAy を0.15/0.20/0.15 (NAxin=NAxout=NAx、 NAx=0.20であり、NAw<NAxin 、NAxout>NAy 及びNAw=NAyを満たす)とした結果を示す。このとき励起光は可視光(波長532 nm)である。上記の対物レンズは詳細には、オリンパスUMPLFL5×(無限遠補正、倍率5倍、開口数0.15)であり、上記の光ファイバーは詳細には実施例1に記載のとおりである。なお、前記実施例1と共通する部分については、説明を省略するものとする。
図2記載の全反射光学系において開口数を上記の組み合わせとし、 PS/PVME積層膜でコートされたプリズム底面でのビーム画像を図5に示した。ここで励起光入射角はq=70°、励起光強度は (30±5) mWである。
ビームの短軸の長さ及び長軸の長さは、230μm及び750μmである。ビーム中心付近の輝度が高い。
上記のように、図5においてビーム直径が小さく、ビーム中心付近の輝度が高くなる理由は前記実施例1と同様である。
図5の画像に対応するPS/PVME積層膜の全反射ラマンスペクトルを、図6に示した。図6において測定時間は20 s、励起光強度は(170±5) mWである。
別途測定したPSバルク及びプリズムのラマンスペクトルと比較した結果、図6で観測されたのは、*(プリズムのラマンバンド)を除いて全てPSのラマンバンドであることがわかった。これは、励起光(入射角q=70°)がプリズム底面(プリズム/PS界面)で全反射し、PS膜(表層130 nm)のみが選択的に励起されたためである。
図6では1603 cm-1のバンド(PSのバンド)が*のバンド(プリズムのバンド)とほぼ同じ強度で明瞭に観測される。また、図6における1002 cm-1のバンド(PSのバンド)のピーク強度は 0.059 である。
上記の図5、図6に関する説明のとおり、本実施形態が提供する全反射ラマン分光装置における全反射光学系により、励起光を可視光(波長 532 nm)としてビーム直径を狭小化し、S/N比に優れた全反射ラマンスペクトルを取得することが可能となった。
開口数を上記の組み合わせ(NAw/NAx/NAyは0.15/0.20/0.15)として、さらに図2記載の全反射光学系において、励起光入射角qを変化させてPS/PVME積層膜のラマンスペクトルを測定した。図7にその結果を示す。励起光強度は(200±5) mW 、測定時間はそれぞれ20 sである。図7におけるS、V、*はそれぞれPS、PVME、プリズムのラマンバンドを表し、V(1458)、 V(1110)、S(1000) はそれぞれPSの波数1458 cm-1のバンド、PVMEの波数1110 cm-1のバンド、PSの波数1000 cm-1のバンドを表す。
図7において、励起光入射角が小さなときは主にPVMEのラマンバンドが観測されるものの、励起光入射角が大きくなるとPSのラマンバンドのみが観測されるようになる(プリズムのラマンバンドは除外する)。この事実は、大きな励起光入射角のとき全反射によって表層のPS層(膜厚130 nm)のみが励起されていることを意味している。
上記の結果は、次のように説明できる。可視光に対する屈折率はサファイア 1.77、PS 1.59、PVME 1.46であるから、PS/PVME界面での臨界角は56°、プリズム/PS界面での臨界角は64°となる(Harrick.N.J., Internal Reflection Spectroscopy, John Wiley&Sons, 1967, p.15 (6)式を用いて算出)。従って、入射角57°未満では励起光がPS層及びPVME層を透過し、膜厚がPS層の1000倍であるPVME層のラマンバンドが主に観測される。入射角57°以上では励起光がPS/PVME界面で全反射しPVME層に侵入しないため、PS層のラマンバンドのみが観測される。入射角64°以上では、励起光がサファイア/PS界面で全反射し、それに伴って発生したしみ出し光が励起光となるため、PS層のラマンバンドのみが観測される。
図7におけるラマンバンドの強度と励起光入射角との関係を図8に示した。具体的にはV(1458)、 V(1110)、S(1000) の強度をI1458(V)、 I1110(V)、 I1000(S)とし、励起光入射角によるこれらの変化を示した。
図8において、I1458(V)、 I1110(V)は入射角56°(PS/PVME界面の臨界角)前後でそれぞれ1%以下、2%以下に減少するが、これは上記の説明のとおり励起光がPVME層に侵入しなくなるためである。
また全ての入射角でI1000(S)がI1458(V)、 I1110(V)よりもはるかに小さな値をとるのは、膜厚がPVME層よりも小さく、特に入射角64°以上で励起光がしみ出し光となるためである。I1000(S)が入射角64°以上で徐々に減少してゆくのは、入射角の増加に伴いしみ出し光のしみこみ深さが小さくなること(Harrick.N.J., Internal Reflection Spectroscopy, John Wiley&Sons, 1967, p.30 (22)式)に起因する。
図7及び図8に関する上記の説明のとおり、本実施例が提供する全反射ラマン分光装置における全反射光学系により、励起光を可視光(波長 532 nm)とし、励起光入射角を変化させて全反射ラマンスペクトルを測定して、膜厚130 nmのPS層からの微弱なラマン散乱光を検出することが可能となった。
実施例3として、図2の全反射光学系において、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの開口数NAw/NAx/NAy を0.10/0.20/0.10 (NAxin=NAxout=NAx、 NAx=0.20であり、NAw<NAxin、NAxout>NAy 及びNAw=NAyを満たす)とした結果を示す。このとき励起光は近赤外光(波長 752 nm)である。上記の対物レンズは詳細にはオリンパスLMPL5×IR(近赤外光用,倍率5倍、開口数0.10)であり、上記の光ファイバーは詳細には実施例1記載のとおりである。
図2記載の全反射光学系において開口数を上記の組み合わせとし、励起光入射角を変化させてPS/PVME積層膜のラマンスペクトルを測定した。図9にその結果を示す。励起光強度は(56±5) mW 、測定時間はそれぞれ180 sである。図9におけるS、V、*はそれぞれPS、PVME、プリズムのラマンバンドを表し、V(1458)、 V(1110)、S(1000) はそれぞれPSの波数1458 cm-1のバンド、PVMEの波数1110 cm-1のバンド、PSの波数1000 cm-1のバンドを表す。
図9において、励起光入射角が小さなときは主にPVMEのラマンバンドが観測されるものの、励起光入射角が大きくなるとPSのラマンバンドのみが観測されるようになる(プリズムのラマンバンドは除外する)。この事実は、大きな励起光入射角のとき全反射によって表層のPS層(膜厚130 nm)のみが励起されていることを意味している。
図9における上記の挙動は、図7とほぼ同様である。近赤外光(波長752 nm)に対する屈折率が可視光(532 nm)に対する屈折率とほぼ同じと仮定すれば、プリズム/PS界面での臨界角は64°であるから、図9における入射角65°及び70°のラマンスペクトルが全反射ラマンスペクトルとなる。
図9におけるラマンバンドの強度と励起光入射角との関係を図10に示した。具体的にはV(1458)、 V(1110)、S(1000) の強度をI1458(V)、 I1110(V)、 I1000(S)とし、これらの励起光入射角による変化を示した。
図10において、I1458(V)、 I1110(V)は入射角56°(PS/PVME界面の臨界角)前後でそれぞれ3%以下、1%以下に減少する。また、全ての入射角でI1000(S)がI1458(V)、 I1110(V)よりもはるかに小さな値をとる。図10における以上の挙動は、図8とほぼ同様である。
図9及び図10に関する上記の説明のとおり、本実施形態が提供する全反射ラマン分光装置における全反射光学系により、励起光を近赤外光(波長 752 nm)とし、励起光入射角を変化させて全反射ラマンスペクトルを測定して、膜厚130 nmのPS層からの微弱なラマン散乱光を検出することが可能となった。
[比較例1]
比較例1として、図2記載の全反射光学系において、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの開口数NAw/NAx/NAyを0.46/0.20/0.46 (NAxin=NAxout=NAx、 NAx=0.20であり、NAw>NAxin、NAxout<NAy 及びNAw=NAyを満たす)とした結果を示す。このとき励起光は可視光(波長532 nm)である。
図2記載の全反射光学系において開口数を上記の組み合わせとし、PS/PVME積層膜でコートされたプリズム底面でのビーム画像を図11に示した。ここで励起光入射角はq=70°、励起光強度は (50±5) mWとした。
ビームの短軸の長さ及び長軸の長さは、700μm及び1500μm以上である。図11ではビームの一部が画像からはみ出している。ビーム中心付近の輝度が高くなる傾向は見られない。
なお図11と同様のNAw/NAx/NAyの組み合わせ0.25/0.20/0.25、0.46/0.37/0.46、0.46/0.22/0.46 (NAxin=NAxout=NAxのもとNAw>NAxin、 NAxout<NAy 及びNAw=NAyを満たす)でビーム画像を撮影したが、結果は図11とほぼ同じであった。
ここで対物レンズは詳細には、オリンパスLMPLFL10×(無限遠補正、倍率10倍、開口数0.25)及び実施例1に記載の対物レンズである。また、光ファイバーは詳細にはNewport F-MBE (ステップインデックス型マルチモード光ファイバー、コア径1000μm、開口数0.37)、Fiberguide Industries SFS600/660N (マルチモード光ファイバー、コア径600μm、開口数0.22)、 Fiberguide Industries SFS800/880N (マルチモード光ファイバー、コア径800μm、開口数0.22) 及び実施例1に記載の光ファイバーである。
図11のビームのように、中心付近の輝度が高くならず、直径が大きいのは、低次モード光のほか高次モード光及びクラッドモード光が対物レンズyに入射し、高次モード光及びクラッドモード光の影響が大きかったためと予想される。
図11の画像に対応するPS/PVME積層膜の全反射ラマンスペクトルを、図12に示した。図12において測定時間は20 s、励起光強度は(160±5) mWである。
別途測定したPSバルク及びプリズムのラマンスペクトルと比較した結果、図12で観測されたのは、*(プリズムのラマンバンド)を除いて全てPSのラマンバンドであることがわかった。図12における1002 cm-1のバンド(PSのバンド)のピーク強度は0.020である。
[比較例2]
比較例2として、図2記載の全反射光学系において、対物レンズw、光ファイバーx、対物レンズyの開口数NAw/NAx/NAyを0.15/0.20/0.46 (NAxin=NAxout=NAx、 NAx=0.20であり、NAw<NAxin 及びNAxout<NAyを満たす)とした結果を示す。これは従来の技術による組み合わせに該当する。このとき励起光は可視光(波長532 nm)である。
図2記載の全反射光学系において開口数を上記の組み合わせとし、PS/PVME積層膜でコートされたプリズム底面でのビーム画像を図13に示した。ここで励起光入射角はq=70°、励起光強度は (60±5) mWとした。
ビームの短軸の長さ及び長軸の長さは、 3000μm以上及び 3000μm 以上である。ビームの一部が画像からはみ出している。ビーム中心付近の輝度が高くなる傾向は見られない。
ここで対物レンズ及び光ファイバーは、実施例1に記載したとおりである。
図13において、中心付近の輝度が高くならず直径が大きいのは、図11と同様であり、その原因も図11の説明で記載したとおりである。
図13の画像に対応するPS/PVME積層膜の全反射ラマンスペクトルを、図14に示した。図14において測定時間は20 s、励起光強度は(160±5) mWである。
別途測定したPSバルク及びプリズムのラマンスペクトルと比較した結果、図14で観測されたのは、*(プリズムのラマンバンド)を除いて全てPSのラマンバンドであることがわかった。図12における1002 cm-1のバンド(PSのバンド)のピーク強度は0.019である。
ここで、実施例1の図4、実施例2の図6、比較例1の図12、比較例2の図14の各スペクトルを比較すると、図4及び図6のS/N比が図12及び図14よりも高いことがわかる。具体的には、図4及び図6では1603 cm-1のバンド(PSのバンド)がバンド(プリズムのバンド)とほぼ同じ強度で明瞭に観測されるのに対し、図12及び図14では1603 cm-1のバンド(PSのバンド)の強度は微弱であり、*のバンド(プリズムのバンド)よりもはるかに小さい。図4、6、12、14における1002 cm-1のバンド(PSのバンド)の強度比が0.061 : 0.059 : 0.020 : 0.019 であるから、S/N比の相対値は (61)1/2:(59)1/2:(20)1/2:(19)1/2=1.8 : 1.8 : 1.0 : 1.0と見積もられる。このように本発明の実施例が、従来の技術に相当する例を含む比較例に対して優位であることが示された。
以上、本実施の形態が提供する全反射ラマン分光装置における全反射光学系の実施例及び比較例を説明してきたが、前記実施例を次のように拡張することが可能である。
可視励起光の波長は532 nm のほか400 nm 〜 680 nmに変更して、全反射ラマンスペクトルを測定することができる。これには本発明の実施形態において、アルゴンイオンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、レーザーダイオードなどを光源に用いればよい。
近赤外励起光の波長は752 nm のほか700 nm 〜 850 nmに変更して、全反射ラマンスペクトルを測定することができる。チタン:サファイアレーザーの発振する近赤外光は、700 nm 〜850 nm の範囲で波長可変であるため、本発明の実施形態においてこの機能を活用すればよい。
対物レンズ及び光ファイバーの開口数は、本実施例に示したもの以外であっても、“NAw>NAxin 及び NAxout>NAy” 又は“NAw<NAxin、 NAxout>NAy 及び NAw=NAy”を満たしていれば、全反射ラマンスペクトルを測定することができる。
本発明の本質は、NAxout>NAyの成立にある。つまりビーム直径を狭小化するには、光ファイバーxから出射する光のうち低次モード光のみが対物レンズyに入射すればよい。従ってより一般的には、対物レンズ及び光ファイバーの開口数がNAxout>NAyを満たしていれば、全反射ラマンスペクトルの測定が可能となる。
本実施例に示した対物レンズ及び光ファイバーを全反射蛍光分光装置(特開平4-337447)や非線形ラマン分光装置(特開平10-115573)で使用し、開口数が“NAw>NAxin 及び NAxout>NAy” 又は“NAw<NAxin、 NAxout>NAy 及び NAw=NAy”を満たしていれば、ビーム直径の狭小化により微弱なシグナルの発生効率を高めることができる。
このように本発明の全反射ラマン分光装置における全反射光学系は、全反射ラマン分光装置のほか、対物レンズ及び光ファイバーにより、光学系の省スペース化や光の入射角制御を可能とした分光装置にも適用が可能である。このとき、対物レンズ及び光ファイバーの代わりに、レンズなどの集光デバイス及び光を伝播する機能を持つ光導波デバイスを使用してよい。
本発明の全反射ラマン分光装置における全反射光学系は、集光デバイスw及び光導波デバイスx及び集光デバイスyという3個の光学素子の存在を前提としているが、両端面を加工してレンズ機能を持たせた光導波デバイスのような単一の光学素子にも、本発明の概念を適用することが可能である。
なお、NAw<NAxoutかつNAxin>NAyかつNAw≠NAy、特にNAxout=NAxinのときはNAw<NAxかつNAx>NAyかつNAw≠NAyとすることによっても、前述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
空気中に置かれた光学素子内を、光が通過してゆく様子を表す模式図である。 本発明の実施に用いた全反射ラマン分光装置における、全反射光学系の模式図である。 実施例1のプリズム底面におけるビーム画像を示した図である。 実施例1において、可視光入射角70°のときのポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマンスペクトルを示した図である。 実施例2のプリズム底面におけるビーム画像を示した図である。 実施例2において、可視光入射角70°のときのポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマンスペクトルを示した図である。 実施例2において、ポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマンスペクトルを、可視光各入射角に対して示した図である。 実施例2において、ポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマン強度を、可視光各入射角に対して示した図である。 実施例3において、ポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマンスペクトルを、近赤外光各入射角に対して示した図である。 実施例3において、ポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマン強度を、近赤外光各入射角に対して示した図である。 比較例1のプリズム底面におけるビーム画像を示した図である。 比較例1において、可視光入射角70°のときのポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマンスペクトルを示した図である。 比較例2のプリズム底面におけるビーム画像を示した図である。 比較例2において、可視光入射角70°のときのポリスチレン/ポリビニルメチルエーテル積層膜のラマンスペクトルを示した図である。

Claims (6)

  1. 全反射プリズムの全反射面上に配置した試料のラマン散乱成分を分光する全反射ラマン散乱分光装置であって、
    対物レンズ(w)と、
    前記対物レンズ(w)から出射された光が入射される光ファイバー(x)と、
    前記光ファイバー(x)の出射された光を集光する対物レンズ(y)と、
    前記対物レンズ(y)から出射された光を集光する絞りレンズと、
    前記絞りレンズから出射された光を全反射する、全反射面上に試料が配置される全反射プリズムと、
    前記全反射プリズムから出射された光を分光する分光手段と、
    を有し、
    前記絞り用レンズは、入射光が、前記全反射プリズムの全反射面上の試料に中心付近の輝度が高いビームによる励起光として収束するように、前記対物レンズ(y)から出射された光を集光し、前記全反射プリズムは、前記全反射面上の試料に励起光をしみ出し光(エヴァネッセント光)として照射し、前記分光手段は、前記励起光が照射された試料による散乱光からラマン散乱成分を分光して観測し、
    対物レンズ(w)のNA(開口数)をNAw、光ファイバー(x)の入射端のNAをNAxin、出射端のNAをNAxout、対物レンズ(y)のNAをNAyとして、
    NAw>NAxin 及び NAxout>NAy
    であることを特徴とする全反射ラマン分光光学系。
  2. 請求項1記載の全反射分ラマン光光学系を有する励起光が可視光(波長400 nm 〜 680 nm)であることを特徴とする分光装置。
  3. 請求項1記載の全反射ラマン分光光学系を有する励起光が近赤外光(波長700 nm 〜 850 nm)であることを特徴とする分光装置。
  4. 請求項1に記載の全反射ラマン分光光学系又は請求項2若しくは3に記載の分光装置を有する全反射ラマン分光装置。
  5. 請求項1に記載の全反射ラマン分光光学系又は請求項2若しくは3に記載の分光装置を有する全反射蛍光分光装置。
  6. 請求項1に記載の全反射ラマン分光光学系又は請求項2若しくは3に記載の分光装置を有する非線形分光装置。
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