JP4496681B2 - 車載内燃機関の始動制御装置及び始動制御方法 - Google Patents

車載内燃機関の始動制御装置及び始動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載内燃機関の始動制御装置及び始動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車載内燃機関においては、車両停止時に内燃機関を自動停止することにより燃費を改善するエコノミーランニングシステム(以下、「エコランシステム」と称する)が行われている。このエコランシステムは、燃費の改善などのために、自動車が交差点等で走行停止した時に内燃機関を自動停止するとともに、発進操作時にスタータを回転させて内燃機関を自動始動して車両を発進可能とさせる自動停止始動システムである。このような内燃機関の自動停止始動制御装置として特開平11−257122号公報に開示されたものがある。この内燃機関の自動停止始動制御装置では、内燃機関の自動停止後に、変速機のシフトポジションが走行ポジションに切り替えられ、かつ車両の制動解除が行われると、クランキングを行って内燃機関を始動するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記内燃機関の自動停止始動制御装置では、自動始動条件の成立に伴う内燃機関の始動時において、変速機のシフトポジションが走行ポジションに切り替えられた直後にアクセルペダルが早期に踏み込まれることが予想される。この場合、内燃機関が完爆する以前であっても、車両がクランキング時のモータトルクによって前進又は後進することが予想され、ドライバにとっては完爆後の内燃機関の出力によって車両が移動しているのかどうかを認識しにくくなる可能性があった。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関のクランキング時においてモータトルクによる車両の移動をなくし、内燃機関の完爆後における機関出力によって車両が移動していることを認識することができる車載内燃機関の始動制御装置及び始動制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、所定の自動始動条件の成立に基づいて内燃機関を起動するクランキング手段と、前記クランキング手段によるクランキング中に車両発進可能状態に移行したことを検出した場合には前記クランキング手段によるクランキングを抑制するクランキング抑制手段とを備えた車載内燃機関の始動制御装置において、障害物の有無を検出する検出手段を備え、前記クランキング抑制手段は、クランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったこと及び制動の解除が行われたことに基づいて前記車両発進可能状態に移行したことを検出するものであり、車両進行方向に障害物が有る旨を検出し、かつ前記車両発進可能状態に移行したことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を大きくする一方、車両進行方向に障害物が有る旨を検出し、かつ前記車両発進可能状態に移行していないことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を小さくすることを特徴とする。
【0006】
従って、請求項1に記載の発明によれば、クランキング中に車両発進可能状態に移行した場合に、クランキングが抑制されるため、クランキングのみによる車両の発進が抑制される。従って、内燃機関の完爆後における機関出力によって車両が移動していることを認識することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、所定の自動始動条件の成立に基づいて内燃機関を起動するクランキング手段と、前記クランキング手段によるクランキング中に車両発進可能状態に移行したことを検出した場合には前記クランキング手段によるクランキングを抑制するクランキング抑制手段とを備えた車載内燃機関の始動制御装置において、障害物の有無を検出する検出手段を備え、前記クランキング抑制手段は、クランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったこと及び加速指示要求があったことに基づいて前記車両発進可能状態に移行したことを検出するものであり、車両進行方向に障害物が有る旨を検出し、かつ前記車両発進可能状態に移行したことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を大きくする一方、車両進行方向に障害物が有る旨を検出し、かつ前記車両発進可能状態に移行していないことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を小さくすることを特徴とする。
【0008】
従って、請求項2に記載の発明によれば、クランキング中に車両発進可能状態に移行した場合に、クランキングが抑制されるため、クランキングのみによる車両の発進が抑制される。従って、内燃機関の完爆後における機関出力によって車両が移動していることを認識することができる。
また、請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、車両進行方向に障害物があり、かつ車両発進可能状態に移行している場合には、クランキング抑制制御の程度を強くし、確実に車両発進を抑制することができるので実用的である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1及び2のいずれかに記載の車載内燃機関の始動制御装置において、前記クランキング手段は、ドライバの操作に基づいて直接的にクランキングを行う第1クランキング手段と、車両の各パーツの状態を検出することにより間接的にクランキングを行う第2クランキング手段と、を備え、前記クランキング抑制手段は、前記第2クランキング手段による前記内燃機関のクランキング時には、前記車両発進可能状態への移行が検出された場合にクランキング抑制制御を行うことを特徴とする。
【0010】
ドライバの直接の始動操作によらずに内燃機関の起動を行う場合には、直接の操作がないため、ドライバは発進に一層意識を集中することが予想される。ところが、請求項3に記載の発明によれば、第2クランキング手段による前記内燃機関のクランキング時には、車両発進可能状態への移行が検出された場合にはクランキング抑制が確実になされるため、クランキングのみによる車両の発進が抑制される。
【0011】
請求項4に記載の発明のように、前記第2クランキング手段を、車両停止時に前記内燃機関を停止させ、前記自動始動条件の成立に基づいて前記内燃機関の起動を開始するエコラン制御手段とすることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車載内燃機関の始動制御装置において、前記第2クランキング手段は、車載補機の駆動要求又はバッテリの充電要求に基づいて前記内燃機関を起動する手段及び車両発進の準備が必要な場合に前記内燃機関を起動する手段を備え、少なくとも車両発進の準備が必要な場合のクランキング制御中に、前記車両発進可能状態に移行したと判定された場合にクランキングを抑制することを特徴とする。
【0013】
従って、請求項5に記載の発明によれば、車両の発進に関わらない内燃機関の起動ができる場合には、そのような内燃機関の起動はドライバの発進意識に連動しないため、クランキング抑制は好ましくなく、実用的である。
【0017】
求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の車載内燃機関の始動制御装置において、前記クランキング手段は、前記内燃機関の完爆判定がなされるまで、又は前記クランキング抑制手段によるクランキング抑制制御が開始されるまでは、開始したクランキング動作を継続することを特徴とする。
【0018】
従って、請求項に記載の発明によれば、内燃機関の完爆後はクランキングを中止して通常の発進を可能にすることで、車両が内燃機関の出力にて駆動されていることを認識することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、上述した発明が適用された内燃機関及びその制御装置のシステム構成図である。ここでは内燃機関としては6気筒のガソリン式エンジン(以下、「エンジン」と称す)2が用いられている。このエンジン2は車両走行駆動用として車両に搭載されている。
【0029】
エンジン2が発生する回転トルクは、エンジン2のクランクシャフト2aからトルクコンバータ4及びオートマチックトランスミッション(以下、「A/T」と称す)6を介して、出力軸6b側に出力され、最終的に車輪に伝達される。
【0030】
更に、エンジン2が発生する回転トルクは、クランクシャフト2aに接続されている電磁クラッチ10及びプーリ12を介して、ベルト14に伝達される。そして、このベルト14により伝達された回転トルクにより、別のプーリ16,18,20が回転される。電磁クラッチ10は、必要に応じてプーリ12とクランクシャフト2aとの間で動力の伝達・非伝達を切り替え可能とするものである。
【0031】
上記プーリ16,18,20の内、プーリ16に伝達された回転トルクによりパワーステアリングポンプ22が駆動して、パワーステアリング用の油圧を発生させる。またプーリ18に伝達された回転トルクによりエアコン用のコンプレッサ24を駆動する。
【0032】
またプーリ20に伝達された回転トルクによりモータジェネレータ(以下、「M/G」と称す)26が駆動されてM/G26は発電機として機能する。M/G26はインバータ28に電気的に接続されている。このインバータ28は電子制御装置(以下、「ECU」と称す)46から入力する発電指令に基づいてM/G26から電力源であるバッテリ30への電気エネルギーの充電を行わせる。また、エンジン2の停止状態の場合等において、M/G26はインバータ28からの制御信号に基づいてモータとして機能する。この際、インバータ28はECU46から入力する電流指令に基づいてバッテリ30からM/G26への電気エネルギーの供給を調整してM/G26の回転速度を可変とする機能を果たす。
【0033】
A/T6には、エンジン2の動力により駆動されるオイルポンプが内蔵されて、油圧制御部6aに対して作動油を供給している。この作動油は油圧制御部6a内のコントロールバルブにより、A/T6内部のクラッチ及びブレーキに供給される。このことにより、A/T6内部のクラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの作動状態を調整している。なお、A/T6の出力軸6bの回転速度NAOは出力軸回転数センサ32により検出され、A/T6の入力軸の回転速度であるタービン回転速度NCOは、タービン回転数センサ34により検出されている。また、A/T6の油圧制御部6aに対しては、電動オイルポンプ36からも作動油が供給可能とされている。このため、エンジン2が自動停止している状態においても、電動オイルポンプ36が駆動されることによりA/T6内のクラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチを必要な状態に維持することが可能となっている。
【0034】
エンジン2への吸気経路2bには吸入空気量を調整するスロットルバルブ2cが設けられている。このスロットルバルブ2cは、スロットルバルブモータ2dにより開度調整がなされる。開度調整は、例えば、アクセルペダル39の踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ39aの検出値に、スロットル開度センサ40により検出されるスロットルバルブ2cの開度(スロットル開度TA)が対応するようになされる。更に、アクセルペダル39には、アクセルペダル39を踏み込んでいない状態をアイドル信号IDLとして出力するアイドルスイッチ39bも設けられている。
【0035】
吸気経路2bにおいてスロットルバルブ2cよりも下流側にはサージタンク2eが設けられている。このサージタンク2e内の負圧はチェック弁41aを介してブレーキブースタ41に供給されている。ブレーキブースタ41はブレーキペダル42の踏み込み力を増加させるものであり、ダイヤフラム41bにより区画されて形成された2つの圧力室41c,41dを有している。この内、第1圧力室41cにはブレーキブースタ圧力センサ41eが設けられ、第1圧力室41c内のブレーキブースタ圧力を検出してブレーキブースタ圧力に対応する信号を出力する。またブレーキペダル42にはブレーキスイッチ42aが設けられてブレーキペダル42の踏み込み状態BSWを表す信号を出力する。すなわちブレーキスイッチ42aは、ブレーキペダル42が踏み込まれていない場合にはオフ(OFF)信号を、ブレーキペダル42が踏み込まれている場合にはオン(ON)信号を出力する。
【0036】
ブレーキブースタ41の第1圧力室41cへは、チェック弁41aを介してサージタンク2eから吸気負圧が供給されている。このチェック弁41aは第1圧力室41cからサージタンク2eへの空気の流れを許し、逆の流れは禁止するものである。
【0037】
上記ブレーキブースタ41は次のように機能する。すなわちブレーキペダル42が踏み込まれていないときには、ブレーキブースタ41内に設けられた負圧制御バルブ41fは第1圧力室41c内の負圧を第2圧力室41dへ導入している。このため第1圧力室41cと第2圧力室41dとは同じ負圧状態となるので、スプリング41gによりダイヤフラム41bはブレーキペダル42側に押し戻されている。このためダイヤフラム41bと連動するプッシュロッド41hはマスタシリンダ41i内のピストン(図示略)を押すことはない。
【0038】
一方、ブレーキペダル42が踏み込まれると、ブレーキペダル42に設けられた入力側ロッド42bに連動して負圧制御バルブ41fが第1圧力室41cと第2圧力室41dとの間を遮断するとともに、大気を第2圧力室41dに導入する。このことにより吸気負圧状態の第1圧力室41cと大気圧となった第2圧力室41dとの間に圧力差が生じる。このためブレーキペダル42に対する踏み込み力が倍増されてダイヤフラム41bはスプリング41gの付勢力に抗してプッシュロッド41hをマスタシリンダ41i側に押し込む。このことにより、マスタシリンダ41i内のピストンが押されて制動が行われる。
【0039】
そして、ブレーキペダル42が踏み戻されると、ブレーキペダル42に設けられた入力側ロッド42bに連動して負圧制御バルブ41fが第2圧力室41dと外気側との連通を遮断し、第1圧力室41cと第2圧力室41dとの間を連通状態にする。このことにより第2圧力室41d内に第1圧力室41cから吸気負圧を導入する。このため第1圧力室41cと第2圧力室41dとは同圧となる。したがってダイヤフラム41bはスプリング41gの付勢力によりブレーキペダル42側に移動して、元の非制動状態に戻る。
【0040】
ECU46は上述した出力軸回転数センサ32、タービン回転数センサ34、アクセル開度センサ39a、アイドルスイッチ39b、スロットル開度センサ40、A/T6のシフト位置SHFTを検出するシフト位置センサ等の検出値を入力する。また、ECU46は、エンジン回転速度NEを検出するエンジン回転数センサ43、ブレーキペダル42の踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ42a、運転者がエコランシステムの実行を有効化するためのエコランスイッチ等の検出値を入力する。エコランシステムとは、交差点等での車両停車状態において、燃料供給を停止してエンジン2を停止させることにより燃料消費を低減し、排気ガスの排出量を低減する運転制御システムである。
【0041】
また、ECU46は、エアコンの作動を有効化するためのエアコンスイッチ、ブレーキブースタ圧力センサ41e、エンジン冷却水温THWを検出する水温センサ、バッテリ電圧あるいはその他のセンサ類の検出値を入力する。さらに、ECU46は、車両前方の障害物を検出する障害物検出センサ、車両の傾斜状態を検出する傾斜角センサ等の検出値を入力する。なお、障害物検出センサとしては、レーザクルーズ用前方車両検知センサ、フロント画像モニタ、超音波センサ、コーナセンサ等を使用することができる。
【0042】
ECU46は、マイクロコンピュータを中心として構成されており、内部のROMに書き込まれているプログラムに応じて必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて、スロットルバルブ2cの開度を調整するスロットルバルブモータ2d、油圧制御部6a、電磁クラッチ10、インバータ28、電動オイルポンプ36、スタータ48、エンジン2の吸気ポート又は燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁50あるいはイグナイタ、その他のアクチュエータ類を駆動し、エンジン2やA/T6を好適に制御している。なお、スタータ48はバッテリ30の電気エネルギーにより駆動し、エンジン2の始動時のクランキングを行う。
【0043】
ECU46は通常のエンジン始動時において、イグニション(IG)キーの操作に基づいてスタート信号STAが入力されると、スタータ48を駆動してエンジン2のクランキングを行う。
【0044】
また、ECU46は運転者によってエコランスイッチがオン操作された場合に、車両が所定の運転状態になると、エンジン2の自動停止処理及び自動始動処理を実行する。
【0045】
エンジン2の自動停止処理に際して、ECU46は車両の運転状態、例えば、水温センサにて検出されるエンジン冷却水温THW、アイドルスイッチにて検出されるアクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ30の電圧、ブレーキスイッチから検出されるブレーキペダルの踏み込み有無、及び出力軸回転数センサの検出値から換算して得られる車速SPD、ブレーキブースタ負圧、A/T6のシフトポジション等に基づいて自動停止条件が成立したか否かを判定する。例えば、
(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値THWmaxよりも低く、かつ水温下限値THWminより高い)、
(2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アイドルスイッチ・オン)、
(3)バッテリ30の充電量(SOC)がある程度以上である状態(バッテリ電圧が基準電圧以上)、
(4)ブレーキペダルが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ・オン)、
(5)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)、
(6)ブレーキブースタ41の負圧がある程度以上である状態(ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストすることができる状態)、及び(7)A/T6のシフト信号SHFTが非走行ポジションであるP(パーキング)ポジション又はN(ニュートラル)ポジションに切り替えられているとの条件(1)〜(7)がすべて満足された場合に自動停止条件が成立したと判定する。
【0046】
一方、運転者が交差点等にて自動車を停止させたことにより、自動停止条件が成立した場合には、ECU46はエンジン停止処理を実行する。例えば、燃料噴射弁50からの燃料噴射が停止され、更に点火プラグによるエンジン2の燃焼室内の混合気への点火制御も停止される。このことにより燃料噴射と点火とが停止して、直ちにエンジン2の運転は停止する。
【0047】
エンジン2の自動始動処理に際して、ECU46は車両の運転状態、ここでは、例えば、エンジン冷却水温THW、アクセル開度ACCP、バッテリ30の電圧、ブレーキスイッチの状態、車速SPD、ブレーキブースタ負圧、A/T6のシフトポジション、傾斜角センサの検出値に基づく坂道判定結果等に基づいて自動始動条件が成立したか否かを判定する。例えば、自動停止処理によるエンジン停止状態にあるとの条件下で、
(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値THWmaxよりも低く、かつ水温下限値THWminより高い)、
(2)バッテリ30の充電量(SOC)がある程度以上である状態(バッテリ電圧が基準電圧以上)、
(3)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)、
(4)ブレーキブースタ41の負圧がある程度以上である状態(ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストすることができる状態)、(5)車両の停止している走行路が坂道であること、
及び(6)A/T6のシフト信号SHFTが非走行ポジションであるP(パーキング)ポジション又はN(ニュートラル)ポジションに切り替えられているとの条件(1)〜(6)の内の1つでも満足されなかった場合に自動始動条件が成立したと判定する。上述した自動始動条件の(1)〜(6)は、これに限る必要はなく、条件(1)〜(6)以外の条件を設定しても良く。また条件(1)〜(6)の内のいくつかに絞っても良い。
【0048】
上記の自動始動条件において、A/T6のシフト信号SHFTが非走行ポジションであるPポジション又はNポジションから走行ポジションであるR(リバース)ポジション又はD(ドライブ)ポジションに切り替えられると、これはドライバの走行の意志を示すものであるため、M/G26によりクランキングを行ってエンジン2を起動させるようにしている。
【0049】
また、上記の自動始動条件において、バッテリ30の充電量(SOC)がある程度未満になると、M/G26や他の電気負荷に対して電源を供給することができなくなる。そのため、車両の走行とは無関係であるが、エンジン2の回転トルクによりM/G26を駆動して発電させ、バッテリ30を充電するようにしている。また、ブレーキブースタ41の負圧がある程度未満になると、ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストすることができなくなる。この場合にも車両の走行とは無関係であるが、エンジン2を回転させることにより吸気負圧を発生させ、この吸気負圧をブレーキブースタ41に供給するようにしている。従って、これらの条件は、さほど緊急性を要さないエンジン2の自動始動条件である。
【0050】
また、上記の自動始動条件において、車両が動き始めて車速SPDが0km/hでなくなると、ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストする必要がある。この場合の自動始動も車両の走行とは無関係であるが、エンジン2を回転させることにより吸気負圧を発生させ、この吸気負圧をブレーキブースタ41に供給することによりブレーキブースタ41の負圧を確保するようにしている。さらに、上記の自動始動条件において、車両の停止している走行路が坂道であると判定され、かつブレーキブースタ41の負圧がある程度未満であると判定されると、ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストすることができなくなって車両が動き始める可能性がある。この場合にも車両の走行とは無関係であるが、エンジン2を回転させることにより吸気負圧を発生させ、この吸気負圧をブレーキブースタ41に供給するようにしている。従って、これらの条件は、緊急性を要するエンジン2の自動始動条件である。
【0051】
自動停止処理によるエンジン停止状態において上記条件(1)〜(6)の一つでも満足されなくなった場合にはECU46はエンジン2の自動始動処理を行う。この自動始動処理において、ECU46は電磁クラッチ10を接続するとともに、インバータ28に電流司令を出力してM/G26を駆動することによりエンジン2のクランクシャフト2aを強制的に回転させてクランキングを行う。エンジン回転速度が所定回転速度に達すると、ECU46は、始動時の燃料噴射処理と点火時期制御処理とを実行して、エンジン2を自動始動する。そして、エンジン2の始動が完了すれば、ECU46は通常の燃料噴射量制御処理、点火時期制御処理、その他のエンジン運転に必要な処理を開始する。
【0052】
また、ECU46は上記のような自動始動処理のうちさほど緊急性を要さないエンジン2の自動始動及び上記したIGキーの操作に基づくエンジン2のクランキング中において、少なくとも車両が発進可能な状態に移行したときにはクランキングを抑制するようにしている。エンジン2の始動のためのクランキング時において、車両発進可能状態に移行すると、エンジン2が完爆する以前であっても、車両がクランキング時のスタータ48のトルク又はM/G26のモータトルクによって前進又は後進することが予想され、ドライバにとっては完爆後のエンジン2の出力によって車両が移動しているのかどうかを認識しにくくなるためである。本実施形態において、ECU46はA/T6のシフトポジションが走行ポジションに切り替えられてクランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったこと及びブレーキペダル42の踏込操作による制動の解除が行われたことに基づいて車両発進可能状態に移行したことを検出する。また、ECU46はA/T6のシフトポジションが走行ポジションに切り替えられてクランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったこと及びアクセルペダル39の踏込による加速指示要求がなされたことに基づいて車両発進可能状態に移行したことを検出する。
【0053】
次に、ECU46にて実行されるエンジン2の自動停止処理、自動始動を含む始動処理について説明する。なお、エンジン2の自動停止処理及び自動始動処理は運転者がエコランスイッチをオンした場合に実行開始されるものである。
【0054】
図2に自動停止処理のフローチャートを示す。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本自動停止処理が開始されると、まずステップ110において自動停止実行を判定するための運転状態が読み込まれる。例えば、水温センサから検出されるエンジン冷却水温THW、アイドルスイッチ39bから検出されるアクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ30の電圧、ブレーキスイッチ42aから検出されるブレーキペダル42の踏み込み有無、及び出力軸回転数センサ32の検出値から換算して得られる車速SPD、ブレーキブースタ負圧、A/T6のシフトポジション等を、ECU46内部のRAMの作業領域に読み込む。
【0055】
次に、ステップ120でこれらの運転状態から自動停止条件が成立したか否かが判定される。例えば、(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値THWmaxよりも低く、かつ水温下限値THWminより高い)、(2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アイドルスイッチ・オン)、(3)バッテリ30の充電量(SOC)がある程度以上である状態(バッテリ電圧が基準電圧以上)、(4)ブレーキペダルが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ・オン)、(5)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)、(6)ブレーキブースタ41の負圧がある程度以上である状態(ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストすることができる状態)、及び(7)A/T6のシフト信号SHFTが非走行ポジションであるP(パーキング)ポジション又はN(ニュートラル)ポジションに切り替えられているとの条件(1)〜(7)がすべて満足された場合に自動停止条件が成立したと判定する。
【0056】
上記条件(1)〜(7)の一つでも満足されていない場合には自動停止条件は不成立として(ステップ120で「NO」)、一旦本処理を終了する。
一方、運転者が交差点等にて車両を停止させたことにより、自動停止条件が成立した場合には(ステップ120で「YES」)、ステップ130にてエンジン停止処理が実行される。すなわち、燃料噴射弁50からの燃料噴射が停止される。このことによりエンジン燃焼室内での燃焼が停止して、エンジン2の運転は停止する。こうして、一旦本処理を終了する。このようにして、自動停止処理を実行することができる。
【0057】
図3に自動始動を含む始動処理のフローチャートを示す。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本始動処理が開始されると、まずステップ210において自動始動実行を判定するための運転状態が読み込まれる。ここでは、例えば、エンジン冷却水温THW、アイドルスイッチ39bの状態、バッテリ30の電圧、ブレーキスイッチ42aの状態、車速SPD、ブレーキブースタ負圧、A/T6のシフトポジション、傾斜角センサの検出値に基づく坂道判定結果等をRAMの作業領域に読み込む。
【0058】
次に、ステップ220でこれらの運転状態から自動始動条件が成立したか否かが判定される。例えば、自動停止処理によるエンジン停止状態にあるとの条件下に、(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値THWmaxよりも低く、かつ水温下限値THWminより高い)、(2)バッテリ30の充電量(SOC)がある程度以上である状態(バッテリ電圧が基準電圧以上)、(3)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)、(4)ブレーキブースタ41の負圧がある程度以上である状態(ブレーキブースタ41によってブレーキペダル42の踏力をアシストすることができる状態)、(5)車両の停止している走行路が坂道であること、及び(6)A/T6のシフト信号SHFTが非走行ポジションであるP(パーキング)ポジション又はN(ニュートラル)ポジションに切り替えられているとの条件(1)〜(6)の内の1つでも満足されなかった場合に自動始動条件が成立したと判定する。
【0059】
自動停止処理によるエンジン停止状態ではない場合、あるいは自動停止処理によるエンジン停止状態であっても上記条件(1)〜(6)のすべてが満足されている場合には自動始動条件は不成立として(ステップ220で「NO」)、一旦本処理を終了する。
【0060】
自動停止処理によるエンジン停止状態において上記条件(1)〜(6)の一つでも満足されなくなった場合には自動始動条件は成立したとして(ステップ220で「YES」)、ステップ230にてエンジン始動処理が開始設定され、一旦、本処理を終了する。
【0061】
このステップ230によるエンジン始動処理の開始設定により、ECU46においては、まず、電磁クラッチ10が接続されるとともにM/G26が駆動されてエンジン2のクランクシャフト2aが回転されるとともに、始動時の燃料噴射処理と点火時期制御処理とが実行されて、エンジン2が自動始動される。そして始動が完了すれば、通常の燃料噴射量制御処理、点火時期制御処理、その他のエンジン運転に必要な処理が開始される。
【0062】
次に、ステップ230によるエンジン始動処理の詳細を図4のフローチャートに示す。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本始動処理が開始されると、まずステップ232において始動実行を判定するための運転状態が読み込まれる。ここでは、例えば、エコラン制御モードECMOD、ブレーキ信号STP(ブレーキスイッチ42aの状態)、アイドル信号IDL(アイドルスイッチ39bの状態)、IGキーの操作に基づくスタート信号STA、シフト信号SHFT(A/T6のシフトポジションの状態)、及び自動始動モード等を入力する。エコラン制御モードECMODには、モード0,1,2,3,4がある。モード0はIGキーがオンの状態であり、モード1はエンジン2が回転中の状態である。モード2はエンジン2の停止要求中であり、モード3はエンジン2の停止中であり、モード4は自動始動中の状態である。
【0063】
次にステップ234でシフト信号SHFTが非走行ポジションから走行ポジションに変更されたかどうかに基づいてクランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったかどうかが判定される。このシフトポジションの変更判定として例えば非走行ポジションであるPポジションからRポジションに変更されたか、又は非走行ポジションであるNポジションからDポジションあるいはRポジションに変更されたかどうかが判定される。シフト信号SHFTが非走行ポジションから走行ポジションに変更されたと判定すると(ステップ234で「YES」)、処理はステップ236に進む。シフト信号SHFTが変更されておらず非走行ポジションのままであると判定されると(ステップ234で「NO」)、処理はステップ242に進む。
【0064】
ステップ236ではエコラン制御モードECMODがエンジン始動中であるかどうかが判定される。エンジン始動中であると判定されると(ステップ236で「YES」)、処理はステップ238に進み、エンジン始動中でないと判定されると(ステップ236で「NO」)、処理はステップ242に移行する。
【0065】
ステップ238ではブレーキ信号STPがOFF又はアイドル信号IDLがOFFであるかどうかが判定される。ブレーキ信号STPがOFFであることはブレーキペダル42による制動が解除されたことを示し、アイドル信号IDLがOFFであることはアクセルペダル39による加速指示要求がなされたことを示す。このステップ238にて肯定判定されると車両発進可能状態に移行したことを検出することができ、ドライバによる車両発進の意志があることを検出することができる。このステップ238にて肯定判定されるとステップ240に進み、否定判定されると前記ステップ232に戻る。
【0066】
ステップ240ではエコラン制御モードECMODをエンジン始動中からアイドルストップ中に切り替えてM/G26によるクランキングを停止し、エンジン2の始動を停止する。
【0067】
また、ステップ234又はステップ236に続くステップ242ではドライバによるIGキーの操作に基づくエンジン始動中かどうかが判定される。IGキーの操作によるエンジン始動中であると判定されると前記ステップ238に進み、IGキーの操作によるエンジン始動中でないと判定されるとステップ244に進む。
【0068】
ステップ244では平坦路でのブレーキブースタ41の負圧低下に基づく自動始動中かどうか、又はバッテリ電圧低下による自動始動中かどうかが判定される。すなわち、自動始動が緊急性を要さないものであるかどうかが判定される。このステップ244で肯定判定されると前記ステップ238に進み、否定判定されるとステップ246に進む。
【0069】
ステップ246では車速信号入力に基づく自動始動中かどうか、又は坂道判定とブレーキブースタ負圧低下とに基づく自動始動中かどうかが判定される。すなわち、自動始動が緊急性を要するものであるかどうかが判定される。このステップ246で否定判定されると前記ステップ232にもどり、肯定判定されるとステップ250に進む。
【0070】
ステップ250ではM/G26によるエンジン2のクランキングが継続され、エンジン2が確実に始動される。
図5は図4のエンジン始動処理におけるクランキング抑制制御をエンジン始動条件に基づいて図式化したものである。
【0071】
この図5から分かるように、始動処理Aは、シフト信号SHFT、スタート信号STA、ブレーキブースタ負圧低下及びバッテリ電圧低下のいずれか1つによるエンジン2の始動であり、ブレーキ信号STPがONでありかつアイドル信号IDLがONである。そのため、M/G26又はスタータ48は通常駆動されてクランキング停止は行われず、エンジン2は確実に始動される。
【0072】
また、始動処理Bは、シフト信号SHFT、スタート信号STA、ブレーキブースタ負圧低下及びバッテリ電圧低下のいずれか1つによるエンジン2の始動であり、ブレーキ信号STPがONであるがアイドル信号IDLがOFFである。そのため、M/G26又はスタータ48は駆動停止されてクランキング停止が行われ、エンジン2は始動されない。始動処理Cは、シフト信号SHFT、スタート信号STA、ブレーキブースタ負圧低下及びバッテリ電圧低下のいずれか1つによるエンジン2の始動であり、アイドル信号IDLがONであるがブレーキ信号STPがOFFである。そのため、M/G26又はスタータ48は駆動停止されてクランキング停止が行われ、エンジン2は始動されない。
【0073】
さらに、始動処理Dは、車両の移動に基づく車速入力信号の入力によるエンジン2の始動であるため、M/G26は通常駆動されてクランキング停止は行われず、エンジン2は確実に始動される。また、始動処理Eは、坂道判定とブレーキブースタ負圧低下とに基づくエンジン2の始動であるため、M/G26は通常駆動されてクランキング停止は行われず、エンジン2は確実に始動される。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
・ 本実施形態では、ECU46はエンジン2のクランキング中において車両発進可能状態に移行した場合に、クランキングを停止するようにしているので、クランキングのみによる車両の発進を抑制することができる。従って、エンジン2の完爆後における機関出力によって車両が移動しているかどうかを確実に認識することができる。また、車両発進可能状態への移行は、クランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったことと、ブレーキペダル42による制動の解除が行われたこと又はアクセルペダル39による加速指示要求がなされたことに基づいて検出することができる。
【0075】
・ 本実施形態では、ECU46はエンジン2の自動停止状態において、車両の各パーツの状態に基づいてM/G26を駆動してエンジン2の自動始動を行うが、車両発進可能状態への移行が検出された場合にはクランキングを停止するため、クランキングのみによる車両の発進を確実に抑制することができる。
【0076】
・ 本実施形態では、ECU46はエンジン2の始動処理においてエンジン2の完爆判定がなされるまで、又はクランキング停止が開始されるまでは、開始したクランキング動作を継続する。そのため、エンジン2の完爆後はクランキングを中止して通常の発進を可能にすることができ、車両がエンジン2の出力にて駆動されていることを認識することができる。
【0077】
(第2実施形態)
本実施の形態は、図4に示したエンジン始動処理の代わりに、図6に示すエンジン始動処理が実行される点が異なる。他の構成は特に説明しない限り前記第1実施形態の構成と同じである。
【0078】
また、ECU46は障害物検出センサによる車両進行方向の障害物の有無に基づいて、エンジン始動処理におけるクランキングの抑制制御の程度を変更するようになっている。
【0079】
本実施形態のエンジン始動処理の詳細を図6のフローチャートに示す。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本始動処理が開始されると、まずステップ260において始動実行を判定するための運転状態が読み込まれる。ここでは、例えば、図2のステップ232で入力したと同様のエコラン制御モードECMOD、ブレーキ信号STP、アイドル信号IDL、スタート信号STA、シフト信号SHFT及び自動始動モード等を入力するとともに、障害物検出センサによる障害物判定信号を入力する。
【0080】
次にステップ262でエコラン制御モードECMODがエンジン始動中であるか、又はIGキーの操作に基づくエンジン始動中かどうかが判定される。肯定判定されると処理はステップ264に進み、否定判定されると前記ステップ260に戻る。
【0081】
ステップ264では障害物判定信号に基づいて車両前方に障害物があるかどうかが判定される。このように車両前方の障害物の有無を判定するのは、例えば車両が交差点等で停止してエンジン2が自動停止された場合、車両前方の障害物の有無によってエンジン2のクランキング抑制制御の程度を変更することによりエンジン2が始動されるまでの時間を変更するためである。車両前方に障害物があると判定されるとステップ266に進み、障害物なしと判定されるとステップ272に進む。
【0082】
ステップ266ではブレーキ信号STPがOFF又はアイドル信号IDLがOFFであるかどうかが判定される。ブレーキ信号STPがOFFであることはブレーキペダル42による制動が解除されたことを示し、アイドル信号IDLがOFFであることはアクセルペダル39による加速指示要求がなされたことを示す。このステップ266にて肯定判定されると車両発進可能状態に移行したことを検出することができ、ドライバによる車両発進の意志があることを検出することができる。このステップ266にて肯定判定されるとステップ268に進み、否定判定されるとステップ270に進む。
【0083】
ステップ268ではエンジン始動を許可しM/G26を駆動してエンジン2のクランキングを行うが、M/G26又はスタータ48の駆動力を通常の駆動力に対して大きく低減させる。これによりエンジン2が始動されるまでの時間が通常の長くなる。
【0084】
ステップ270ではエンジン始動を許可しM/G26を駆動してエンジン2のクランキングを行うが、M/G26又はスタータ48の駆動力を通常の駆動力に対して小程度に低減させる。これによりエンジン2が始動されるまでの時間はステップ268の処理を行う場合のそれよりも短くなる。
【0085】
前記ステップ264に続くステップ272では、ブレーキ信号STPがOFF又はアイドル信号IDLがOFFであるかどうかが判定される。このステップ272にて肯定判定されるとステップ274に進み、否定判定されるとステップ276に進む。
【0086】
ステップ274ではエンジン始動を許可しM/G26を駆動してエンジン2のクランキングを行うが、M/G26又はスタータ48の駆動力を通常の駆動力に対して中程度に低減させる。これによりエンジン2が始動されるまでの時間はステップ268の処理を行う場合のそれよりも短くなるが、ステップ270の処理を行う場合のそれよりは長くなる。
【0087】
ステップ276ではエンジン始動を継続しM/G26を通常駆動してエンジン2のクランキングを行う。これによりエンジン2は通常の時間にて始動される。エンジン2が始動されるまでの時間はステップ270の処理を行う場合のそれよりも短くなるのは当然のことである。
【0088】
図7は図6のエンジン始動処理におけるクランキング抑制制御をエンジン始動条件に基づいて図式化したものである。
この図7から分かるように、始動処理Fは、障害物判定結果がなしであり、ブレーキ信号STPがONでありかつアイドル信号IDLがONである。そのため、M/G26又はスタータ48は通常の駆動力により駆動されてエンジン2のクランキングが行われてエンジン2は確実に始動される。
【0089】
また、始動処理Gは、障害物判定結果がなしであり、ブレーキ信号STPがONであるがアイドル信号IDLがOFFである。そのため、M/G26又はスタータ48の駆動力は通常の駆動力に対して中程度に低減される。始動処理Hは、障害物判定結果がなしであり、アイドル信号IDLがONであるがブレーキ信号STPがOFFである。そのため、M/G26又はスタータ48の駆動力は通常の駆動力に対して中程度に低減される。
【0090】
始動処理Iは、障害物判定結果があり、ブレーキ信号STPがONでありかつアイドル信号IDLがONである。そのため、M/G26又はスタータ48の駆動力は通常の駆動力に対して小程度に低減される。
【0091】
さらに、始動処理Jは、障害物判定結果があり、ブレーキ信号STPがONであるがアイドル信号IDLがOFFである。そのため、M/G26又はスタータ48の駆動力は通常の駆動力に対して大きく低減される。また、始動処理Kは、障害物判定結果があり、アイドル信号IDLがONであるがブレーキ信号STPがOFFである。そのため、M/G26又はスタータ48の駆動力は通常の駆動力に対して大きく低減される。
【0092】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
・ 本実施形態では、ECU46はエンジン2の始動時において車両進行方向に障害物がある場合には、M/G26又はスタータ48の駆動力の低減レベルの程度を大きくするようにしているので、クランキングのみによる車両発進を抑制することができ、実用的である。
【0093】
・ しかも、ECU46はエンジン2のクランキング中において車両発進可能状態に移行した場合に、M/G26又はスタータ48の駆動力の低減レベルの程度を大きくするようにしているので、クランキングのみによる車両発進を確実に抑制することができ、実用的である。
【0094】
なお、実施形態は上記に限らず、次のように変更してもよい。
・ 上記第1実施形態において、A/T6のシフトポジションが非走行ポジションである場合に、ステップ244にてブレーキブースタ負圧低下又はバッテリ電圧低下に基づくエンジン2の自動始動と判定された場合にはエンジン始動を継続するようにしてもよい。すなわち、車両の発進に関わらないエンジン2の起動ができる場合には、クランキング抑制は好ましくなく、実用的である。
【0095】
・ 上記第1実施形態において、ステップ244におけるバッテリ電圧低下に基づくエンジン2の自動始動中かどうかの判定をなくしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の内燃機関及びその制御装置のシステム構成図。
【図2】第1実施形態のECUが実行する自動停止処理を示すフローチャート。
【図3】同じくECUが実行する始動処理を示すフローチャート。
【図4】同じくECUが実行するエンジン始動処理のフローチャート。
【図5】同じくエンジン始動処理におけるクランキング抑制制御をエンジン始動条件に基づいて示す説明図。
【図6】第2実施形態のECUが実行する自動始動を含む始動処理を示すフローチャート。
【図7】同じくエンジン始動処理におけるクランキング抑制制御をエンジン始動条件に基づいて示す説明図。
【符号の説明】
2…エンジン、2a…クランクシャフト、2b…吸気経路、2c…スロットルバルブ、2d…スロットルバルブモータ、2e…サージタンク、4…トルクコンバータ、6…A/T、6a…油圧制御部、6b…出力軸、10…電磁クラッチ、12…プーリ、14…ベルト、16,18,20…プーリ、22…パワーステアリングポンプ、24…エアコン用のコンプレッサ、26…M/G、28…インバータ、30…バッテリ、32…出力軸回転数センサ、34…タービン回転数センサ、36…電動オイルポンプ、39…アクセルペダル、39a…アクセル開度センサ、39b…アイドルスイッチ、40…スロットル開度センサ、41…ブレーキブースタ、41e…ブレーキブースタ圧力センサ、42…ブレーキペダル、42a…ブレーキスイッチ、43…エンジン回転数センサ、46…ECU、48…スタータ、50…燃料噴射弁。

Claims (6)

  1. 所定の自動始動条件の成立に基づいて内燃機関を起動するクランキング手段と、
    前記クランキング手段によるクランキング中に車両発進可能状態に移行したことを検出した場合には前記クランキング手段によるクランキングを抑制するクランキング抑制手段と
    を備えた車載内燃機関の始動制御装置において、
    障害物の有無を検出する検出手段を備え、
    前記クランキング抑制手段は、
    クランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったこと及び制動の解除が行われたことに基づいて前記車両発進可能状態に移行したことを検出するものであり、
    車両進行方向に障害物が有る旨が検出され、かつ前記車両発進可能状態に移行したことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を大きくする一方、車両進行方向に障害物が有る旨が検出され、かつ前記車両発進可能状態に移行していないことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を小さくする
    ことを特徴とする車載内燃機関の始動制御装置。
  2. 所定の自動始動条件の成立に基づいて内燃機関を起動するクランキング手段と、
    前記クランキング手段によるクランキング中に車両発進可能状態に移行したことを検出した場合には前記クランキング手段によるクランキングを抑制するクランキング抑制手段と
    を備えた車載内燃機関の始動制御装置において、
    障害物の有無を検出する検出手段を備え、
    前記クランキング抑制手段は、
    クランキング動力を車輪に伝達し得る状態になったこと及び加速指示要求があったことに基づいて前記車両発進可能状態に移行したことを検出するものであり、
    車両進行方向に障害物が有る旨が検出され、かつ前記車両発進可能状態に移行したことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を大きくする一方、車両進行方向に障害物が有る旨が検出され、かつ前記車両発進可能状態に移行していないことを検出した場合、クランキングの抑制制御の程度を小さくする
    ことを特徴とする車載内燃機関の始動制御装置。
  3. 請求項1及び2のいずれかに記載の車載内燃機関の始動制御装置において、
    前記クランキング手段は、ドライバの操作に基づいて直接的にクランキングを行う第1クランキング手段と、車両の各パーツの状態を検出することにより間接的にクランキングを行う第2クランキング手段と、を備え
    前記クランキング抑制手段は、前記第2クランキング手段による前記内燃機関のクランキング時には、前記車両発進可能状態への移行が検出された場合にクランキング抑制制御を行う
    ことを特徴とする車載内燃機関の始動制御装置。
  4. 請求項3に記載の車載内燃機関の始動制御装置において、
    前記第2クランキング手段は、車両停止時に前記内燃機関を停止させ、前記自動始動条件の成立に基づいて前記内燃機関の起動を開始するエコラン制御手段である
    ことを特徴とする車載内燃機関の始動制御装置。
  5. 請求項4に記載の車載内燃機関の始動制御装置において、
    前記第2クランキング手段は、車載補機の駆動要求又はバッテリの充電要求に基づいて前記内燃機関を起動する手段及び車両発進の準備が必要な場合に前記内燃機関を起動する手段を備え、少なくとも車両発進の準備が必要な場合のクランキング制御中に、前記車両発進可能状態に移行したと判定された場合にクランキングを抑制する
    ことを特徴とする車載内燃機関の始動制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の車載内燃機関の始動制御装置において、
    前記クランキング手段は、前記内燃機関の完爆判定がなされるまで、又は前記クランキング抑制手段によるクランキング抑制制御が開始されるまでは、開始したクランキング動作を継続する
    ことを特徴とする車載内燃機関の始動制御装置。
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