JP4496645B2 - 印刷制御方法及びそれを用いた印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の印刷ヘッドが印刷行方向に配列されているラインプリンタにおいて、電源電圧の変動に伴なう印刷品質の低下を防止するための印刷制御装置及び印刷制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドットプリンタでは、文字、記号、絵等は細かいドットの連続集合体(ドットパターン)として印刷される。実際の印刷は、例えばドットラインプリンタでは、1行を構成する各文字のドットパターンを1行分まとめて、複数のドットが印刷用紙の幅方向に並んだ複数段の行(1段のドットの行をドット行又はドットラインと呼ぶ)から構成されるドットパターンに展開しておき、ドットラインの全幅(範囲)に亘り配列された印刷ヘッドにより、展開されたドットパターンをドットライン毎に上から順に印刷して、1行の文字等の印刷を完了する。具体的には、印刷用紙を移送しながら、行方向に整列した複数の印刷ヘッドをドットパターンに対応してドットライン毎に駆動することにより印刷を実行する。まず第1行目のドットラインが印刷され、印刷用紙が所定量移動したときに次のドットラインが印刷されるという動作を、ドットパターンの最下段のドットラインまで順次繰り返すことにより1行の文字列又は記号列の印刷が完了する。
【0003】
図8は上述のようなドットラインプリンタによる印刷を説明するための図である。印刷ヘッド部60には、用紙幅方向に複数の印刷ヘッド(図示せず)が並列して配設されており、印刷用紙の幅方向の全ドットが印刷できるように構成されている。印刷用紙70は、図示しない用紙搬送機構により矢印「X」方向に移送される。印刷は、図8に2行の文字列「ABCDE・・・・・・・OPQ」の印刷例で示すように、印刷用紙を矢印「X」方向に移送しながら、印刷しようとするデータのドットパターン(1ドットライン)に対応する印刷ヘッド部60の各印刷ヘッドを駆動することにより、実行される。
【0004】
印刷ヘッドとしては、一般的に、サーマルプリントヘッド、インクジェットヘッドを含むインク吐出型プリントヘッド、又はインパクトプリントヘッド等が使用されている。サーマルプリントヘッドでは、発熱体に電流を流して熱エネルギーにより感熱紙または熱転写リボンのインクを溶融することにより印刷を行う。インク吐出型プリントヘッドでは、圧電素子による変移、又は発熱による空気の瞬間的な膨張等によりインク滴を印刷用紙に吐出して印刷を行う。
【0005】
ラインプリンタによる印刷においては、ドットラインの全印刷ヘッドを同時に駆動すると、印字用紙幅方向のドットラインを1直線上に整列して印刷でき、かつ印刷のための制御が簡素化でき、印刷速度を上げることができるというメリットがある。
【0006】
しかし、1ドットラインを同時に印刷する方式では、同時に多くの印刷ヘッドを駆動する場合に大きなヘッド駆動電流が必要となる場合がある。例えば、印字用紙幅全体に亘る直線の印刷の場合には、全印刷ヘッドが同時に駆動される。また、反転文字の印刷の場合には、通常の印刷では空白部分にドットが印刷され、文字を構成する部分が空白となるので、通常の文字に比べて1ドットライン当たりの印刷ドット密度が極端に高くなる。そのため、数百個の印刷ヘッドが同時に駆動されて、1ドットラインの同時印刷のために大電流が流れることがある。また、ラインプリンタの印刷においては、印刷ヘッドの駆動だけでなく、印刷用紙も同時に移送しているので、用紙移送のための駆動電流も必要になる。したがって、プリンタの電源は、これらに対応可能な最大電流を供給する能力を備えていることが望ましい。
【0007】
もし、プリンタの電源能力を超える電流の供給が要求される状態が続くと、電源は十分な電流を供給することができず電圧が低下する。電源電圧が低下すると、印刷ヘッドの駆動電流も低下する。直線又は罫線の印刷の場合には、通常1ドットラインの印刷だけであるから電源電圧への影響は少ないが、反転文字等の場合には高密度のドットラインの印刷が連続するので、電源能力を超える電流の連続供給による電圧低下が問題となる。
【0008】
このように印刷ヘッドに印加される電圧が低下して印刷ヘッド駆動電流が減少すると、サーマルプリントヘッドでは発熱量が減少して印刷が薄くなり、インク吐出型プリントヘッドではインク滴を正確に噴出することができない等の印刷品質を劣化を生ずるおそれがある。
【0009】
従って、適正な印刷品質を確保するためにも、ラインプリンタの電源は、上述のような稼働条件にも対応できる十分な出力能力を有することが望ましい。しかし、実際のプリンタの稼働においては、全印刷ヘッドが同時に駆動されるようなことはあまり多く発生しない。すなわち、直線、罫線又は反転文字の印刷等の場合に上述のような問題となる高密度の印刷が行われるが、直線及び罫線の印刷では1ドットラインの印刷であるので電源への影響は少なく、反転文字のような特殊印刷はあまり頻繁には行われない。にもかかわらず、このような事態に対応可能な高い出力能力を有する電源を使用することは、プリンタのコストパフォーマンス上は、必ずしも好ましいとは言えない。
【0010】
そこで、通常印刷時に必要な程度の出力能力の電源を使用しつつ、過酷な稼働条件(反転文字印刷等)においても適正な印刷品質を保持できるような印刷方法として、1ドットラインの印刷を2回に分けて印刷する方式が採用されている。これは、1ドットライン上の印刷ヘッドの駆動タイミングを複数回に分けて印刷する印刷方式(本明細書ではこのように1ドットラインの印刷を分割して印刷する方式を分割印刷制御方式と称する)であり、この方式によると、同時に駆動する印刷ヘッドの数が半分以下になるので、必要とされる最大ヘッド駆動電流も半分以下に抑制することができる。そのため、プリンタの電源の出力能力を小さくすることが可能となる(このように、ヘッド駆動電流に応じて分割印刷を行うよう制御することを「電流制御」と呼ぶことがある)。
【0011】
一方、たとえ印刷タイミングを2分割して同時に必要とされる印刷ヘッド駆動電流を抑制したとしても、印刷用紙の搬送状況、外部から供給される電圧の変動の影響、及び電源の故障等により、電源電圧の低下は起こり得る。電源電圧が低下すると、前述のように、印刷が薄くなる等の印刷品質が劣化を招来するおそれがあるため、電流制御とは別に電圧低下に対処する制御は必要となる。そこで、電圧が低下したときには印刷を強制的に一時停止させ、電圧が回復したら印刷を再開するように制御するラインプリンタもある(このような制御を「電圧制御」と呼ぶ)。
【0012】
通常、分割印刷制御方式のプリンタでは、同時に駆動される印刷ヘッドの数等から、分割条件に合致するかどうかを判断して、所定の分割印刷条件に合致する場合には、分割印刷を実行する。初期設定モードから分割印刷を実行するような構成とすることもできるが、電源投入直後は、非分割印刷とするのが一般的である。すなわち、初期状態では、1ドットライン分の印刷パターンデータを1ドットライン同時に印刷し、分割印刷条件を満たすときには印刷タイミングをずらすことにより、分割印刷を実行する。例えば、1ドットライン分の複数の印刷ヘッドを2回に分けて駆動して、2分割印刷を実行する。
【0013】
一方、印刷品質確保等の観点から電源電圧も監視されており、電圧が低下すると、印刷用紙の搬送の停止し印字ヘッドの駆動を停止する。電圧が所定のレベルに回復すると印刷を再開する。印刷の再開は、初期設定モードで実行される。すなわち、初期設定モードが非分割印刷であるときには、印刷停止直前の印刷が分割印刷モードであったとしても、印刷再開時には非分割印刷が実行される。このように再開時に初期設定モードで印刷をするのは、電源電圧が正常に回復していることが印刷再開の条件であり、この場合には非分割印刷を行っても、電流減少による印刷品質の劣化は発生しないと考えに基づくものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、電圧制御による印刷停止後に印刷が再開される場合には既に電源電圧は回復しているため、印刷を再開する時には分割印刷をしなくても、ヘッド駆動電流の低下に起因する印刷品質への影響は少ないと考えられる。しかし、従来技術のように印刷再開後は常に非分割印刷を行うとすると、分割印刷の途中に電圧低下による印刷停止が発生した場合には、印刷停止前後の印刷の状態が分割印刷から非分割印刷に変わるためにその境目に行方向の空隙ができ、全体として印刷斑が発生してしまう。
【0015】
図9を用いて説明する。図9(a)は、2分割印刷中に電圧低下による印刷停止状態が発生し、その後印刷再開した場合の印刷状態をイメージ的に示した平面図であり、図9(b)は、印刷斑の原因となる行方向の空隙をわかり易く示すために、図9(a)の破線で囲った部分Pを拡大した図である。
【0016】
図9からわかるように、2分割印刷では、1行のドットラインの印刷をヘッド駆動のタイミングをずらして2回に分けて行うため、先に印刷した部分(以下「前部分」という)71と後に印刷した部分(以下「後部分」と称す)72の境目に縦方向のずれ(分割境目の縦ずれ)が生じてしまう。2分割印刷状態が連続していれば、分割境目の全体が連続して縦ずれしているので、2分割印刷に伴なうこの縦ずれはあまり目立たない。しかし、2分割印刷から非分割印刷に切り替わる境目では、分割印刷において先に印刷した部分と非分割印刷部分との間に行方向の空隙76ができて、これが印刷全体から見た場合に印刷斑となってあらわれる。
【0017】
図9(b)は、2分割印刷の最中に電圧低下が発生したため印刷が一時停止され、その後印刷を再開した場合の印刷例を拡大して示している。停止直前の2分割印刷においては、1ドットラインが前部分印刷73と、後部分印刷74に分けて印刷されている。その後に電圧低下による印刷停止が発生し、電圧が回復するとそれ以後は、非分割印刷により1ドットラインの非分割印刷部分75全体が同時に印刷される。図9からわかるように、この場合には、2分割印刷の前部分印刷73と非分割印刷部分75との間に空隙76ができ、これにより、文字の途中に印刷斑ができる。電源電圧の低下が頻繁に起こって印刷停止が繰り返されると、分割印刷制御と1ドットライン印刷制御方式の切り換えが頻繁に発生する。このような印刷制御方式の切り換えが頻繁に起こると、空隙76による印刷斑が頻発し印刷品質が著しく低下することになる。
【0018】
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、分割印刷中に電圧制御等のような何らかの原因に基づく印刷停止があり、その原因回復後に引き続きその印刷を続行する場合に、印刷品質を劣化させることのない分割印刷制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上述の課題を達成するために、印刷停止時の印刷モード等の印刷条件等の記憶を印刷再開時点まで維持しておき、印刷の再開時に当該記憶維持している印刷条件を読み出して、印刷停止時と同一の印刷条件で印刷を再開するように構成した。
【0020】
本発明にかかる印刷制御方法の第1の実施態様は、印刷用紙の移送方向と直行するドット行方向に配列された複数の印刷ヘッドを有するラインプリンタにおいて、(a) 印刷データを構成するドットパターンのドット行の印刷ドット数を算出する工程と、(b) 算出した印刷ドット数を所定の基準値と比較し、比較結果に応じて、1ドット行を同時に印刷する非分割印刷モード又は1ドット行を複数に分割して印刷する分割印刷モードのいずれかの印刷モードを設定する工程と、(c) 印刷モードの設定に基づき分割印刷を行う場合、1ドット行を分割して各分割単位毎に印刷タイミングをずらして印刷する工程と、(d) 印刷中に所定の原因が発生したときに、印刷を一時停止する工程と、(e) 所定の復帰条件を満たしたときに、印刷停止時の印刷モードと同じ印刷モードで印刷を再開する工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
本実施態様による印刷制御方法によれば、例えば、1行の文字列を構成する複数のドット行を分割印刷しているときに電源電圧の低下等による印刷の一時停止が発生したとしても、電源電圧が回復したときの印刷の再開時の印刷においては、分割印刷による印刷が行われる。従って、印刷停止の前後において印刷モードの変更はなく、全体として良好な印刷を得ることができる。このように印刷再開時に印刷停止時と同じ形式で印刷を再開する方法としては、印刷時に印刷モード等を記憶している場合には、その記憶を印刷停止後も引き続き維持しておく方法、又は、印刷時に印刷モード等を記憶していない場合には、印刷停止時に印刷モード等を記憶して印刷再開まで記憶維持するように構成する等の方法が可能である。
【0022】
また、上述の印刷制御方法において、印刷モードを設定する工程(b) が、所定の基準値を複数有しており、算出した印刷ドット数と各所定の基準値との比較結果に応じて複数の分割印刷モード又は非分割印刷モードのいずれか1つを設定するようにすることもできる。このような、複数の分割印刷モードを有する場合には、本発明は特に有用である。すなわち、複数の分割印刷モードが可能であると、各印刷停止時にそれぞれ異なる分割印刷モードで印刷されている可能性があるので、従来技術のように非分割印刷モードで印刷を再開すると、2分割印刷モードの場合よりさらに複雑な印刷斑が発生する可能性が高いからである。
【0023】
さらに、上述の印刷制御方法において、印刷ドット数を算出する工程(a) は、各ドット行毎の印刷ドット数を算出し、印刷モードを設定する工程(b) は、所定の印刷ドット数を超えるドット行が所定行数以上連続するか否かの判定結果により印刷モードを設定することも可能である。これにより、より正確なドット行単位の印刷ドット数の確認が可能となる。
【0024】
また、ドット行の印刷ドットパターンにより分割印刷モードとするか否かを判断する場合だけでなく、ヘッド駆動電流を基準に分割印刷モードの切換を判断する印刷制御方法をとる場合にも、本発明の適用は可能である。
【0025】
本発明の他の実施態様は、印刷用紙の幅方向に配列された複数の印刷ヘッドと、印刷ヘッドにより印刷する印刷データのドットパターンデータを記憶する印刷バッファとを有し、ドットパターンデータをドット行単位で印刷するラインプリンタの印刷制御装置であって、同時に駆動される前記複数の印刷ヘッドの総駆動電流値と所定の値とを比較し、当該比較結果に応じて非分割印刷モード、又は1ドット行を分割して印刷する分割印刷モードによる印刷かを設定する分割印刷制御手段と、記分割印刷制御手段により設定された印刷モードに対応する所定のタイミングで、印刷データの印刷ドットパターンに応じて選択された複数の前記印刷ヘッドを駆動するヘッド駆動制御手段と、印刷ヘッドを駆動するためのヘッド駆動電圧が第1の基準電圧以下となったときに印刷動作を一時停止させ、ヘッド駆動電圧が第2の基準電圧以上に回復したときに印刷動作を再開させるようにヘッド駆動手段を制御する電圧確認制御手段とを備え、分割印刷制御手段は、電圧確認制御手段の制御により印刷動作を停止した後に印刷を再開するときには、当該印刷動作の停止時と同じ印刷モードで印刷を再開するよう印刷モードの設定を維持することを特徴とするラインプリンタの印刷制御装置である。
【0026】
さらに本発明の他の実施態様は、印刷用紙の幅方向に配列された複数の印刷ヘッドと、印刷ヘッドで印刷する印刷データを記憶する印刷バッファと、各部に電力を供給する電源と、同時に駆動される複数の印刷ヘッドの総駆動電流値と所定の値とを比較し、当該比較結果に応じて非分割印刷モード、又は1ドット行を分割して印刷する分割印刷モードによる印刷かを確定する分割印刷制御手段と、分割印刷制御手段により確定された印刷モードに従って、印刷データの印刷ドットパターンに応じて選択された複数の前記印刷ヘッドを、所定のタイミングで駆動するヘッド駆動制御手段と、印刷ヘッドを駆動するためのヘッド駆動電圧が第1の基準電圧以下となったときに印刷動作を一時停止させ、前記ヘッド駆動電圧が第2の基準電圧以上に回復したときに印刷動作を再開させるように前記ヘッド駆動手段を制御する電圧確認制御手段とを備え、分割印刷制御手段が、電圧確認制御手段の制御により印刷動作を停止しその後に印刷を再開するときには、印刷動作の停止時と同じ印刷モードで印刷を行うよう印刷モードの設定を維持することを特徴とするラインプリンタである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、それらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0028】
(印刷装置の制御部の基本構成)
図1は、販売時点管理端末装置(POS端末装置)または、パーソナルコンピュータ(PC)等に接続され、これらの制御に基づき所定の印刷を行うラインプリンタ2の基本構造を説明するブロック図である。尚、本明細書では、このようなプリンタが接続されるPOS端末装置の主制御装置又はPCのようにプリンタを制御する装置をホスト装置と呼ぶ。
【0029】
ラインプリンタは、ROM5及びRAM6等のメモリーに記憶された制御用プログラムに基づきCPU3が制御する。ホスト装置50から送信されたコマンドまたはデータは、通信インターフェース(通信I/F)4により受信されてCPU3の制御の下で、RAM6に記憶される。送信されたコマンドは、各種制御プログラム(図示せず)の制御により解析され、所定の処理が実行される。データの印刷、印字用紙の搬送等は、入出力インターフェース(入出力I/F)8を介して、制御データ及び印刷データ等が各種制御回路9、10(ゲートアレイ)等に送信されることにより実行される。印刷データは印刷機構11に送信されて、印刷制御回路9及びタイミングクロック(図示せず)の制御により、印刷される。搬送制御データは、搬送制御回路10に送信されて、用紙搬送機構12の動作を制御する。電源13は、印刷機構11、用紙搬送機構12及びその他の各部に電気エネルギーを供給する。電源13の電圧は、低電圧検出回路14により監視される。また、プリンタには、用紙の残量検出、用紙位置の検出、用紙ジャムの検出、インク残量の検出等を含む各種センサ16が設けられている。低電圧検出回路14及び各種センサ16の出力は、アナログ/デジタル変換器(A/D変換器)15によりデジタル信号に変換されて、入出力I/F8又は割込ポート(図示せず)を介してCPU3に伝達される。制御プログラムはこれらの出力信号の状態に応じて各種処理を実行する。尚、CPU3と通信I/F4、ROM5、RAM6、入出力I/F8間のデータの送受信はバス7を介して行われる。
【0030】
図2は、図1のCPU3、ROM5、RAM6、これらメモリに記憶されている制御プログラム(図示せず)及びゲートアレイ9,10により実行される機能をブロック構成として表した図1のプリンタ2の機能ブロック図である。図2では、本発明の説明に必要な機能のみを説明するための図であり、詳細は省略している。
【0031】
通信インターフェース4は、ホスト装置50から受信したコマンド等の制御データを主制御部22に送信するとともに、印刷データをドットパターンに展開して印刷バッファ21に記憶する。印刷バッファ21に記憶された印刷データは印刷制御部23に出力され、印刷制御部23の制御のもとで印刷機構11により印刷される。印刷の際には、主制御部22からの制御信号が搬送制御部24に送信され、搬送制御部24の制御により用紙搬送機構12が駆動されて印刷用紙が搬送される。電源13、低電圧検出回路14、各種センサ16、A/D変換器15の動作については、既に図1において説明した。
【0032】
(印刷の基本動作)
次に、印刷処理に関する各種の動作を説明する。以下に説明する各種処理動作の制御は、図1で説明したように、ROM5及びRAM6等に記載された制御プログラム及び制御データ等を用いて、CPU3及び所定のゲートアレイ9,10等により実行される。
【0033】
まず、図2及び図3を用いて印刷動作の全体的な動作について説明する。図3は、印刷動作の全体的な制御手順の1実施例を示すフローチャートである。印刷が起動されると、まず主制御部22(図2)から紙送りが起動され、搬送制御部24の制御の下で用紙搬送機構により印刷用紙の搬送を開始する(S101)。次に、印刷ヘッドに流す電流値を計算する等のために温度/電圧等の所定のデータを読み取る(S102)。適正な印刷品質を確保するため、読み取ったデータと紙送り速度/希望する印刷濃度等から印刷ヘッドに通電する時間を計算する(S103)。通電時間は、例えばサーマルプリントヘッドの場合には、当該印刷ヘッドの履歴(直前若しくは最近駆動されたかどうか、どのような色を印刷したかどうか等)及び、印刷する色等に応じて決定される。直前に印刷されているかどうか及び印刷された色によって駆動前の印刷ヘッドの温度が異なり、これから印刷しようとする色によって、発色に必要な印刷ヘッドの温度が異なるからである。通電時間の計算は本発明と直接の関係を有しないので、詳細な説明は省略する。通電時間の計算が終了すると、印刷するドットパターンデータをプリントバッファから印刷ヘッド部へ転送し、通電時間をセットして通電トリガをオンにする(S104)。通電トリガがオンになると、通電時間の計算により設定された時間だけ印刷ヘッドが駆動されて印刷が実行される。印刷中に電源電圧の低下、カバーオープン等の緊急停止事由が発生すると緊急停止する(S105;Yes)。緊急停止後は、緊急停止事由がなくなった時点で印刷が再開される(S101)。緊急停止事由がない場合には(S105;No)、印刷ヘッド駆動電流値のチェックを行い(S106)、1行の文字列又は記号列の印刷が終了しているかどうかを確認する(S107)。電流値チェックにより分割印刷するかどうかを判断するが、これにについては後述する。1行の文字列等の印刷が終了していない場合には(S107;No)、引き続き後続するドットラインの印刷を継続する(S102〜S107)。1行の文字列等の印刷が終了している場合には(S107;Yes)、引き続き印刷する文字列があるかどうかを確認し、次行がある場合には(S108;Yes)、印刷を継続する(S102〜S108)。次行がない場合には(S108;No)、印刷を終了する。
【0034】
(緊急停止制御)
プリンタは印刷の際中であっても、一定の事態が発生すると印刷を停止する。印刷を停止するときには、紙送り(用紙移送)を停止(スローダウン)するとともに印刷ヘッドの駆動を停止する。このような緊急停止を行うのは、カバーオープン、印字用紙又はインクが無くなったとき、前述したような電源電圧が低下した場合等である。
【0035】
本発明では、何らかの原因により印刷を一時停止し、印刷停止原因が解除されたときに印刷を再開する場合に生じる印刷の品質低下を問題としているが、本実施例では、典型的な例として、電圧降下による緊急停止の場合を用いて説明する。電圧降下の場合には、紙送り速度を減速しつつ用紙の搬送速度に同期して印刷を行いながら最終的に印刷動作を停止する。このように印刷を行いながら印刷動作を停止させるのは、電圧制御による一時停止は、電圧が回復した場合には継続して印刷続行することを前提としているからである。すなわち、印刷を再開したときに、印字停止部分から印字再開部分に印字用紙の制動距離分の隙間ができることを防止するためである。
【0036】
図4を用いて電圧制御について説明する。図4は、プリンタ2の電圧制御の処理手順の1実施例を示すフローチャートである。まず、低電圧検出回路14(図2)により、電源電圧のチェックが行われる(S201)。電源電圧が第1の基準電圧以上であれば(S202;No)、電源電圧は正常でありそのまま通常処理が実行される。電源電圧が第1の基準電圧以下であれば(S202;Yes)、主制御部22(図2)から搬送制御部24(図2)に用紙の搬送の停止を起動する信号が出力され、これに基づき搬送制御部24は、用紙搬送機構(図2)による印刷用紙の搬送を減速し停止させるよう制御する(S203)。同時に印刷用紙の搬送に同期しながらドットラインの印刷を行うように印刷タイミングを制御する(S204)。
【0037】
印刷用紙の搬送が終わるまで同様の動作を繰り返し(S205;No)、印刷用紙が停止すると((S205;Yes)、印刷停止時の印刷モードを維持しつつ(S206)電源電圧が第2の基準電圧以上に回復するのを待つ(S207)。電源電圧が第2の基準電圧以上に回復すると(S207;Yes)、印刷を再開するために用紙の搬送を開始する(図1のS101)。尚、ここでは印刷再開の条件として電源電圧が第2の基準電圧以上に回復したこととしたが(S207)、印刷の停止条件と同じ第1の基準電圧を基準にして印刷を再開するようにしてもよい。図4では、印刷モード維持(S206)として説明したが、これは積極的に維持する動作を行うことを必須とすることを意味するものではなく、消極的に直前の印刷モードをリセットしないことをも含む。
【0038】
(電流制御)
電流制御は、電源の能力以上の電流を継続して流さないようにするため、印刷ヘッドの駆動電流を所定値以下に抑制するための制御である。
【0039】
ラインドットプリンタでは、印刷用紙を移送しながら印刷するものであるので、横方向(印刷用紙の移送方向と直交する方向:行方向と称する)のドットの印刷は、行単位(1ドットライン)で同時に行うのが望ましい。しかし、行方向の印刷ドット数が所定の数を超えると、印刷ドットに対応する印刷ヘッドを全て同時に駆動するために同時に多くのヘッド駆動電流を供給する必要がある。このような状態が連続すると、要求される電流が電源の能力を超えることになり、電源の電圧降下を生じ、ヘッド駆動電流が低下して印字が薄くなる等の印字品質の劣化を招来することになる。そのため、電源の能力を超える印刷が要求されていると判断した場合には、1ドットラインの印刷を2分割以上にわけて印刷する。2分割印刷モードは1つのドットラインを、2つに分割した上で印刷タイミングをずらして印刷するものである。このような分割印刷では、できるだけ1ドットラインの印刷を1直線上に整列させるように印刷する必要がある。そこで、印刷タイミングのずれによる印刷ラインのずれを少なくするため、印刷用紙の搬送速度を落としてから2分割印刷を実行する。
【0040】
図5を用いて電流制御(分割印刷モードの切り替え)の処理手順を説明する。図5は電流制御の処理手順の1実施例を示すフローチャートである。電流制御においては、まずラインドットの印刷ドット密度の計算を行う(S301)。印刷ドット密度の計算については後述する。印刷密度の計算が終わると現在分割印刷モード中かどうかを確認し(S302)、分割印刷モード中でなければ(S302;No)、印刷ドット密度が第1の基準値以上かどうかを確認する(S303)。印刷ドット密度が第1の基準値以上の場合には(S303;Yes)、印刷ヘッドの駆動数が多すぎて消費電流が電源能力を超えると判断し、印刷モードが非分割印刷モードから分割印刷モードに切り換えられる(S304)。印刷ドット密度が第1の基準値以下の場合には(S303;No)、そのまま印刷が続行される。
【0041】
現在分割印刷モード中であれば(S302;Yes)、印刷密度が第2の基準値以下かどうかが確認される(S305)。印刷密度が第2の基準値以下であれば(S305;Yes)、1ドットラインの印刷のために駆動される印刷ヘッド数が所定数以下であり、その消費電力が電源能力以内であると判断されて非分割印刷モードへの切り換えが行われる(S306)。印刷密度が第2の基準値以上の場合には、分割印刷モードが維持される(S305;No)。第2の基準値は第1の基準値と同じ値であってもよい。
【0042】
図5では、1つの分割モードへの切り換えのみしか示していないが、印刷密度を複数の基準値と比較することにより、複数の分割モードへ選択的に切り換えるように構成することも可能である。
【0043】
図6を用いて、印刷制御部23における分割印刷の制御についてさらに詳細に説明する。図6は本発明の1実施例にかかる印刷制御部23の機能ブロック図である。印刷バッファ21に展開されたドットパターンデータが1ドットラインづつ印刷制御部23に送信される。送信された1ドットラインのドットパターンデータは、印刷ヘッド駆動制御手段30に入力されて印刷機構11により印刷されると同時に、分割モード判定手段31にも入力される。
【0044】
分割モード判定手段31は最近印刷されたドットの密度を算出し、算出したドットの密度から分割の是非を判定する。分割モード判定手段31の機能については、後程さらに詳細に説明する。分割モード判定手段31による分割印刷の判定結果は、判定信号として、分割制御手段32に入力される。分割制御手段32は分割モード切換手段33、分割モード設定手段34及び復帰判定手段35とを含んでいる。
【0045】
分割モード切換手段33は、分割モード判定手段31から送信された判定信号に応じて、分割モード設定手段34の分割印刷モードを設定を切り替えるモード切換信号を出力する。分割モード設定手段34は、分割モード切換手段33からの切換信号に応じて、分割印刷モード信号を印刷ヘッド駆動制御手段30に出力する。印刷ヘッド駆動制御手段30は、分割モード設定手段34からの分割モード信号で指定された分割印刷又は非分割印刷の実行するよう印刷機構11の印刷動作を制御する。
【0046】
分割モード設定手段34は、復帰判定手段35からの入力により、初期設定モードに復帰する。復帰判定手段35は、電源投入時リセット信号またはスリープモード信号のいずれかが入力されたときに復帰信号を出力し、分割モード設定手段34を初期設定する。すなわち、電源投入時又はスリープモードに入るとき以外の条件では分割印刷モードは初期設定されず、印刷が緊急停止されるときであっても設定されている分割印刷モードが維持される。したがって、従来技術のように、分割印刷モード中に電源電圧が低下して印刷を一時停止しても、印刷再開は引き続き同じ分割印刷モードで印刷が実行される。これにより、印刷停止時と印刷再開時の印刷斑の発生を防止することができる。
【0047】
尚、スリープモードとは、プリンタの動作が一定期間以上継続して停止している場合に、消費電力を節約する観点から必要最低限の電力だけを供給し、主要電力の供給を停止している状態をいう。このようなスリープモード状態に入るのは、印刷動作等が全て終了しているときであるので、分割印刷モードを初期設定して、次回の印刷からは非分割印刷モードにより印刷を開始しても、印刷斑は発生しない。
【0048】
低電圧検出回路14(図2)により、電源電圧の低下が検出されると、A/D変換器15を介して主制御部22に送信される。主制御部22は、電圧低下信号を受信すると、印刷停止信号37を印刷ヘッド駆動制御手段30及び搬送制御部24(図6には示さず)に送信する。印刷停止信号37を受信すると、搬送制御部24は印刷用紙の搬送を停止し、印刷ヘッド駆動制御手段30は印刷を停止する。実際には、印刷用紙の搬送を瞬間的に停止することはできないので、印刷用紙の搬送速度を減速させながら、印刷用紙の搬送速度に同期させてドットラインの印刷を行い、印刷用紙が停止した時点で印刷を完全に停止する。この場合の印刷のタイミング及び通電時間は、印刷用紙の搬送速度によって変化する。印刷のタイミングは、主制御部22から送信されるタイミング制御信号38によりタイミング制御手段36により制御される。
【0049】
次に、図7を用いて分割モードの判定について説明する。図7は、本発明の1実施例にかかる分割モード判定手段31の機能ブロック図を示す。印刷バッファ21から送信される1ドットラインの印刷データは、印刷のために印刷ヘッド駆動制御手段30に送信される一方、印刷ドットカウンタ42に送信される。印刷ドットカウンタ42は印刷バッファ21から送信されてきた1ドットラインの印刷ドット数をカウントするカウンタである。総カウンタ43は最新の10ドットライン中の印刷ドットの総数をカウントするカウンタである。
【0050】
印刷バッファ21から送信された1ドットラインのパターンデータが分割モード判定手段31においてでどのように処理されるかを順を追って説明する。印刷バッファ21から送信されたデータは、まず印刷ドットカウンタ42において印刷ドット数がカウントされる。印刷ドットカウンタ42でカウントした1ドットラインのカウント値は、加算手段39により、総カウンタ43のカウント値と加算されて、その加算結果が総カウンタ43に累積記憶される。今、電源を投入して印刷を開始したばかりであるとすると、この時点では総カウンタ43には何も記憶されていないので、総カウンタ43には最初の1ドットラインの印刷ドット数のみが記憶される。次に、総カウンタ43に記憶された総カウンタ値は、履歴バッファ41からの最も古いドットラインのカウント値が差し引かれる。本実施例では、履歴バッファ41は10ドットライン分のカウント値を記憶できるバッファであるものとする。このような履歴バッファ41はRAM6(図1)内に設けることができる。総カウンタ値から最も古いドットラインのカウント値を差し引くのは、総カウンタ43に最新の10ドットラインの印刷ドットの総カウント値を記憶しておくためである。印刷ドットカウンタ42のカウント値を履歴バッファ41の最新記憶部に記憶し、残りのカウント値を1つづつシフトして、一番古いカウント値を履歴バッファ41から追い出す。したがって、履歴バッファ41はファーストイン・ファーストアウト(FIFO)形式で構成するとよい。これにより、最新の1ドットラインカウントと最も古い1ドットラインカウントとが入れ替わり、最新の10ドットラインの印刷ドットカウントが1ドットライン毎に履歴バッファに記憶されていることになる。この様にして、総カウンタ43の値を常に最新の10ドットラインの印刷ドットの総カウンタの値に維持する。
【0051】
総カウンタ43に記憶されている総カウンタ値は、比較器44により第1の基準値と比較される。第1の基準値は電源の出力能力と1ドットラインの印刷ドット密度等により予め確定される。例えば、300ドット×10ドットラインに相当するドット印刷密度3000を第1の基準値とすると、総カウンタ値が3000になったときに、第1の比較器44から分割信号が出力される。第1の比較器44からの分割信号を受信した分割モード切換手段33は、分割モード設定手段34の設定が非分割モードであれば、設定を分割モードに切り替える。
【0052】
一方、分割設定時とは逆に、分割印刷の設定がなされた後に1ドットラインの印刷ドット数が所定数を超えない状態が連続した場合には、1ドットラインの印刷ドットに対応する印刷ヘッドを同時駆動しても電源能力を超えることはないため、同時印刷することが可能である。そのため、1ドットラインの印刷ドット数が所定数を超えない状態が所定の数の行だけ継続した場合には、非分割印字に戻すように構成するのが好ましい。この場合も分割の場合と同様に、印刷ドット数の数により、分割数を減少させるような処理形態とすることも可能である。
【0053】
また、分割印刷へ変更する場合と、非分割印刷等へ戻す場合の印刷ドット数及び連続する印刷行数は同じであっても異なっていてもよい。但し、あまり頻繁に分割印刷モードが切り替わると印刷の境目に印刷斑ができるので、分割印刷モード及び非分割モード間の頻繁な切換が行われないように設定することが望ましい。その観点からは、分割印刷モードから非分割印刷モードへの復帰条件は、非分割印刷から分割印刷への移行条件より厳しくすることが好ましい。
【0054】
このような観点から図7においては、印刷ドットカウンタ42のカウンタ値(1ドットラインの印刷ドットカウンタ値)は第2の比較器46において第2の基準値と比較している。例えば1ドットライン当たりの印刷ドット数が300ドット以下であることを条件とする場合には、第2の基準値が300と設定される。第2の比較器46による比較結果が第2の基準値以下である場合には、復帰カウンタ47のカウンタ値から1減算する。第2の基準値以上である場合には、初期化する。復帰カウンタ47には、第2の基準値未満のドットラインがどの位連続したら分割モードを非分割モードに復帰するかに応じて、予め所定の数値を設定しておく。例えば、第2の基準値未満のドットラインが80ドットライン連続した場合に分割モードを非分割モードに復帰させるとすると、復帰カウンタ47の初期値を80にセットする。復帰カウンタ47の値は第3の比較器48により比較されて、復帰カウンタ47が“0”になったかどうかが確認される。第3の比較器48により、復帰カウンタ47が“0”になったことが確認されると、分割モード切換手段33に復帰信号を出力する。今、分割印刷モード中であるとすると、分割モード設定手段34の設定を分割印刷モードから非分割モードに変更する。
【0055】
以上の説明からわかるように、この実施例では、1ドットラインあたりの印刷ドット数が300ドットを超える状態が10ドットライン継続するとき又は総カウンタ値が3000を超えたときに2分割モードに切り替える。また、分割印刷モードのときには、1ドットラインの印刷ドットが300ドット未満の印刷が80ドットライン連続した場合に限り非分割モードに復帰し、その途中で1度でも300ドットを超えるドットラインがあると、分割印刷モードを維持する構成となっている。しかし、当業者に明らかなとおり、1ドットライン当たりの印刷ドット数(印刷密度)及び、そのような印刷密度がどの位連続した場合に分割モードに切換、又は非分割モードに復帰するかは、電源の能力等を勘案して自由に設定することが出来る事項である。すなわち、分割印刷するかどうかは、基本的には、同時に駆動される印刷ヘッドが所定数を超える状態が所定時間または所定量以上連続したかどうかにより判定する。具体的には、印刷密度が所定値を超えたかどうか又は所定の印刷密度を超えたドットラインが所定の数だけ連続したかどうか等に基づいて判定する。分割印刷制御は、2分割印刷に限定することなく、印刷密度と電源の出力能力を勘案して、3分割、4分割又は5分割等にすることができる。この場合に、印刷密度に応じて分割の種類を自動的に選択するように構成することも可能である。
【0056】
また、図7の実施例では、第1の基準値以上のドットラインが連続して発生しなくても、10ドットライン当たりの総カウンタ値が3000を超えた場合には、分割印刷モードに切り替えるような構成としたが、復帰処理の場合と同様の構成を採用することにより、1ドットライン当たりの印刷ドット数が第1の基準値を超える状態が連続して継続した場合に限り、分割印刷モードに変更するように構成することも可能である。さらに、分割印刷モードを複数段階に分けて、印刷密度に応じて、分割印刷モードを選択的に設定するように構成することも可能である。
【0057】
また、本明細書の実施例では、電圧制御に基づく印刷停止と印刷再開時における印刷斑のみを説明したが、電圧制御に限定することなく、分割印刷中の印刷の一時停止と印刷再開の処理の場合には、同様に適用可能である。
【0058】
(分割印刷モードの解除と電圧制御の関係)
分割モード設定手段34(図7)に分割印刷モードが設定されている限り、分割印刷が持続される。分割印刷モードは、分割モード切換手段33からの非分割への切換信号または、復帰判定手段35からの復帰信号を受信したときに解除される。従って、一度設定された分割モードは、分割モード判定手段31により印刷密度が低下したとの判定がされるか、復帰判定手段35により復帰信号が出力されない限り、維持される。復帰判定手段35は、所定の条件を受信したときに限り分割モードを初期設定値に復帰させる。本発明では、従来技術と異なり、電圧低下に伴なう印刷停止の場合には、復帰手段12は、分割設定部を解除しない。本発明の実施例においては、復帰判定手段35は、スリープモード、電源のオン/オフ時のリセット信号の場合にのみ復帰信号を出力する。従って、電圧低下による印刷の一時停止後に印刷を再開する場合も、引き続き分割印刷が継続される。そのため従来技術のように印刷停止前後の印刷の行間には空隙はできず、電圧低下による印刷停止が頻繁に発生しても印刷斑は発生しない。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、分割印刷モード中の電圧低下により印刷を一時停止し、電圧回復後に印刷を再開する場合には引き続き印刷停止時と同じ分割モードで印刷を再開するようにしたことにより、分割印刷モードと非分割モードの境目に生じる印刷斑の発生を防止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラインプリンタ2の基本構造を説明するブロック図である。
【図2】CPU3、ROM5、RAM6、これらのメモリに記憶されている制御プログラム(図示せず)、及びゲートアレイ9,10により実行される各種の機能をブロック構成として表した図1のプリンタ2の機能ブロック図である。
【図3】ラインプリンタ2の印刷動作の制御手順の1実施例を示すフローチャートである。
【図4】プリンタ2の電圧制御の処理手順の1実施例を示すフローチャートである。
【図5】プリンタ2の電流制御の処理手順の1実施例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の1実施例にかかる印刷制御部23の機能ブロック図である。
【図7】本発明の1実施例にかかる分割モード判定手段31の機能ブロック図を示す。
【図8】ドットラインプリンタによる印刷を説明するための図である。
【図9】(a)は、2分割印刷中に電圧低下による印刷停止状態が発生し、その後印刷再開した場合の印刷状態をイメージ的に示した平面図であり、(b)は、印刷斑の原因となる行方向の空隙をわかり易く示すために、(a)の破線で囲った部分Pを拡大した図である。
【符号の説明】
2 ラインプリンタ
23 印刷制御部
32 分割制御手段
35 復帰判定手段
60 印刷ヘッド部
70 印刷用紙
71 先に印刷した部分(前部分)
72 後に印刷した部分(後部分)
73 前部分印刷
74 後部分印刷
75 非分割印刷部分
76 空隙

Claims (2)

  1. 印刷用紙の移送方向と直交するドット行方向に配列された複数の印刷ヘッドを有し、初期状態では1ドット行を同時に印刷する非分割印刷モードで印刷を行い、所定の条件下では1ドット行を複数に分割して印刷する分割印刷モードで印刷を行なうラインプリンタの印刷制御方法において、以下の工程を有することを特徴とする印刷制御方法。
    (a) 印刷データを構成するドットパターンの1ドット行の印刷ドット数または所定の複数ドット行の印刷ドットの総数を算出する工程と、
    (b) 前記算出した1ドット行の印刷ドット数が所定の数を超えるドット行が、第1の基準行数以上連続した場合、または前記所定の複数ドット行の印刷ドットの総数が、所定の基準値を超えた場合に、印刷モードを前記分割印刷モードに設定し、前記1ドット行の印刷ドット数が前記所定の数を超えないドット行が、前記第1の基準行数よりも大きな数の第2の基準行数以上連続した場合に、印刷モードを前記非分割印刷モードに設定する工程と、
    (c) 前記印刷モードの設定に基づき分割印刷を行う場合、1ドット行を分割して各分割単位毎に印刷タイミングをずらして印刷する工程と、
    (d) 前記分割印刷モードで印刷中に電源電圧が第1の基準電圧以下となったときに、前記印刷モードを初期化せずに印刷を一時停止する工程と、
    (e) 前記電源電圧が第2の基準電圧以上に復帰したときに、前記印刷停止時に初期化せずに維持した前記分割印刷モードで印刷を再開する工程。
  2. 印刷用紙の移送方向と直交するドット行方向に配列された複数の印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドにより印刷する印刷データのドットパターンデータを記憶する印刷バッファとを有し、前記ドットパターンデータを、初期状態では1ドット行を同時に印刷する非分割印刷モードで印刷を行い、所定の条件下では1ドット行を複数に分割して印刷する分割印刷モードで印刷するラインプリンタの印刷置であって、
    前記印刷データを構成するドットパターンの1ドット行の印刷ドット数または所定の複数ドット行の印刷ドットの総数を算出し、前記算出した1ドット行の印刷ドット数が所定の数を超えるドット行が、第1の基準行数以上連続した場合、または前記所定の複数ドット行の印刷ドットの総数が、所定の基準値を超えた場合に、印刷モードを前記分割印刷モードに設定し、前記1ドット行の印刷ドット数が前記所定の数を超えないドット行が、前記第1の基準行数よりも大きな数の第2の基準行数以上連続した場合に、印刷モードを前記非分割印刷モードに設定する分割印刷制御手段と、
    前記刷モードに対応する所定のタイミングで、前記印刷データの印刷ドットパターンに応じて選択された複数の前記印刷ヘッドを駆動するヘッド駆動制御手段と、
    前記分割印刷モードで印刷中に電源電圧が第1の基準電圧以下となったときに、前記印刷モードを初期化せずに印刷動作を一時停止させ、前記電源電圧が第2の基準電圧以上に復帰したときに、前記印刷停止時に初期化せずに維持した前記分割印刷モードで印刷動作を再開させるように前記ヘッド駆動手段を制御する電圧確認制御手段とを備え
    ことを特徴とするラインプリンタの印刷置。
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