JP4495419B2 - 燃焼装置および熱電発電装置 - Google Patents

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本発明は、燃料用流路を通過する燃料を燃焼させるための触媒が燃料用流路内に設けられた燃焼器を備えた燃焼装置および熱電発電装置に関するものである。
近年、触媒燃焼熱を発生する燃焼器を、例えば、水蒸気と燃料ガスを改質触媒で改質して水素を主成分とするガスを製造する改質器や、熱電材料に温度差を与えたときに生じる熱起電力を利用して熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電発電装置の構成要素として用いることが提案されている。なお、熱電発電装置は、非常用電源、携帯用電源、僻地用電源、廃熱回収装置などの分野で注目されており、燃焼熱、触媒燃焼熱、排気熱などを利用した熱源を備えたものが知られているが、触媒燃焼熱を利用した熱源を備えた熱電発電装置は、燃料の流量調整によって容易に熱源の発熱温度を調節できるという特長や、燃料の流路を面状として燃焼熱を発電部へ効率的に熱入力できるという特長などを有している。
従来、触媒燃焼熱を発生する熱源を備えた熱電発電装置としては、図18に示すように、熱伝導性材料からなる筒状体52および筒状体52内に形成される燃焼室に配設され燃料を燃焼させるための触媒を保持した触媒保持筒53を有する燃焼器2’と、対となる異種導電形の2つの半導体エレメント13a,13b間を金属膜13cで繋いだ複数の熱電素子13が金属材料からなる導電パターン14’を介して直列接続され燃焼器2’を熱源として発電する2つの発電ユニット1’,1’と、各発電ユニット1’,1’それぞれの低温側の熱交換基板である熱伝導性基板12’,12’に固着されそれぞれ多数のフィン56が突設された2つの放熱板55,55とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、各発電ユニット1’,1’は、高温側の熱交換基板である熱伝導性基板11’,11’が燃焼器2’の筒状体52に固着されている。
また、図18に示した構成よりも熱電変換効率を改善できる熱電発電装置として、図19に示すように、燃料を燃焼させるための触媒層63を有する燃焼器2”において発電ユニット1’の高温側の熱伝導性基板11’が固着される熱伝導性材料からなる端板61の形状を工夫することで触媒層63の表面積を増大させた構成のものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、図19に示す構成の熱電発電装置は、端板61の断面形状を櫛形状とすることにより、発電ユニット1’の高温側の熱伝導性基板11’との対向面とは反対側の面において触媒層63が被着される部位の表面積を増大させている。なお、端板61は、機械加工性の良好なアルミニウムダイキャストなどで形成されている。
また、図19に示した構成の熱電発電装置は、燃料タンク71に充填された燃料ガスを噴射するノズル72と、ノズル72から噴射された燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ空気との混合ガスを燃焼器2”内に送り込むディフューザ(スロート部)73とを備えており、燃焼器2”内に送り込まれた混合ガスが燃焼することになる。ここに、図19に示した構成の熱電発電装置では、ノズル72とディフューザ73とで、燃料と空気とを混合して燃焼器2”へ供給する混合ユニットを構成し、燃焼器2”と混合ユニットとで燃焼装置を構成している。
特開平4−85973号公報(第3頁、第1図) 特開平9−329058号公報(第3頁、図1)
ところで、図19に示した従来例における燃焼装置や熱電発電装置では、装置全体の小型化を図るにつれてノズル72とディフューザ73とのアライメントが難しくなり、ノズル72とディフューザ73とのアライメント精度によって装置全体の小型化が制限されてしまうという不具合があった。また、従来の機械加工をベースとして形成される燃焼器2’,2”の構成では、更なる小型化の要求に適応できないという不具合もあった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来に比べて小型化が可能な燃焼装置および熱電発電装置を提供することにある。
請求項1の発明は、燃料用流路が厚み方向に重ねて固着される少なくとも一方は半導体により形成される一対の基板間に形成され且つ燃料用流路を通過する燃料を燃焼させるための触媒が燃料用流路内に設けられた燃焼器と、厚み方向に重ねて固着される少なくとも一方は半導体により形成される一対の基板の間で燃料と空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合ユニットとを備え、燃焼器と混合ユニットとで少なくとも1枚の基板が共用されてなり、混合ユニットは、外部から供給される燃料を噴出するノズル部と、燃料用流路に連通しノズル部から噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合部とを有し、ノズル部と混合部とが同一基板に形成されてなることを特徴とする。
請求項2の発明は、厚み方向に積層される少なくとも1枚は半導体により形成される複数枚の基板からなる器体に燃料用流路が形成され且つ燃料用流路を通過する燃料を燃焼させるための触媒が燃料用流路内に設けられた燃焼器と、厚み方向に積層される少なくとも1枚は半導体により形成される複数枚の基板からなる器体内で燃料と空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合ユニットとを備え、燃焼器と混合ユニットとで少なくとも1枚の基板が共用されてなり、混合ユニットは、外部から供給される燃料を噴出するノズル部と、燃料用流路に連通しノズル部から噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合部とを有し、ノズル部と混合部とが同一基板に形成されてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明において、厚み方向に重なる3枚の基板により前記燃焼器と前記混合ユニットとが形成されるとともに、前記厚み方向の真中の基板が前記燃焼器と前記混合ユニットとで共用され、前記厚み方向における一方の基板と真中の基板との間に前記燃料用流路が形成され、前記厚み方向における他方の基板と真中の基板との間に前記ノズル部および前記混合部が形成されてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記燃焼器と前記混合ユニットとが2枚の基板間に形成され、前記燃焼器と前記混合ユニットとで前記2枚の基板が共用されてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項ないし請求項の発明において、前記混合ユニットは、前記ノズル部へ前記燃料を導入する燃料導入孔と、前記混合部と外部とを連通させる空気導入孔が設けられてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項ないし請求項の発明において、前記ノズル部は、先端部が先端に近づくにつれて流路の断面積を徐々に大きくした形状に形成されてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項ないし請求項の発明において、前記ノズル部へ供給する燃料を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の燃焼装置と、対となる異種導電形の2つの半導体エレメント間を金属膜を介して繋いだ熱電素子を有し燃焼装置における燃焼器で発生した熱が金属膜に伝達されることで発電する発電ユニットとを備えることを特徴とする。
請求項1の発明では、燃焼器が少なくとも一方は半導体により形成される一対の基板を厚み方向に重ねて固着することにより形成されているので、従来のような機械加工を利用して燃焼器を形成したものに比べて厚み方向における厚さ寸法を小さくすることが可能となり、しかも、燃料と空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合ユニットが少なくとも一方は半導体により形成される一対の基板を厚み方向に重ねて固着することにより形成され、且つ、燃焼器と混合ユニットとで少なくとも1枚の基板が共用されているので、基板を厚み方向に積層することで燃焼器と混合ユニットとを位置合わせすることができ、従来のように燃焼器とはそれぞれ別部材であるノズルとディフューザとをアライメントして混合ユニットを構成する場合に比べて、燃焼器の小型化を図りながらも燃焼器と混合ユニットとを容易に位置合わせすることが可能であり、燃焼装置全体の小型化を図ることができるという効果がある。また、請求項1の発明では、ノズル部と混合部とが同一基板に形成されているので、ノズル部と混合部との位置合わせを不要とすることが可能となり、製造が容易になるという効果がある。
請求項2の発明では、燃焼器が少なくとも1枚は半導体により形成される複数枚の基板を厚み方向に積層することにより形成されているので、従来のような機械加工を利用して燃焼器を形成したものに比べて厚み方向における厚さ寸法を小さくすることが可能となり、しかも、燃料と空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合ユニットが少なくとも1枚は半導体により形成される複数枚の基板を厚み方向に積層することにより形成され、且つ、燃焼器と混合ユニットとで少なくとも1枚の基板が共用されているので、基板を厚み方向に積層することで燃焼器と混合ユニットとを位置合わせすることができ、従来のように燃焼器とはそれぞれ別部材であるノズルとディフューザとをアライメントして混合ユニットを構成する場合に比べて、燃焼器および混合ユニットの小型化を図りながらも燃焼器と混合ユニットとを容易に位置合わせすることが可能であり、燃焼装置全体の小型化を図ることができるという効果がある。また、請求項2の発明では、ノズル部と混合部とが同一基板に形成されているので、ノズル部と混合部との位置合わせを不要とすることが可能となり、製造が容易になるという効果がある。
請求項の発明では、従来に比べて熱電発電装置全体の小型化を図ることができる。
(実施形態1)
以下、本実施形態の熱電発電装置について図1〜図10を参照しながら説明する。
本実施形態の熱電発電装置は、燃料用流路2aを通過する燃料を燃焼させるための触媒(例えば、白金など)が燃料用流路2a内に設けられた燃焼器2と、燃焼器2を熱源として発電する熱電モジュールからなる発電ユニット1と、燃料と空気とを混合して燃料用流路2aへ供給する混合ユニット3とを備えている。ここに、混合ユニット3は、例えば、外部から供給される炭化水素(例えば、メタン、ブタンなど)や水素などの燃料と空気とを混合した混合ガスを燃料用流路2aへ供給する。なお、本実施形態では、燃焼器2と混合ユニット3とで燃焼装置を構成している。
発電ユニット1は、平板状のシリコン基板からなる第1の熱伝導性基板11と、第1の熱伝導性基板11に対向配置される平板状のシリコン基板若しくは窒化アルミニウム基板からなる第2の熱伝導性基板12と、両熱伝導性基板11,12間に配設された複数個(本実施形態では、32個)の熱電素子13とを備えている。ここに、各熱伝導性基板11,12の外形は矩形状に形成されている。また、発電ユニット1は、第1の熱伝導性基板11が高温側の熱交換基板を構成し、第2の熱伝導性基板12が低温側の熱交換基板を構成しており、第2の熱伝導性基板12における第1の熱伝導性基板11との対向面とは反対側の面には多数の放熱フィン15が固着されている。なお、本実施形態では、第1の熱伝導性基板11と第2の熱伝導性基板12とで燃焼器2の器体を形成する一対の基板を構成している。
各熱電素子13は、対となる異種導電形の2つの半導体エレメント13a,13bが第1の熱伝導性基板11における第2の熱伝導性基板12との対向面側にパターン形成された金属材料からなる金属膜13c(図4参照)を介して繋がれている。ここに、第1の熱伝導性基板11における第2の熱伝導性基板12との対向面にはシリコン酸化膜若しくはシリコン窒化膜からなる第1の絶縁膜16(図5参照)が形成されており、金属膜13cは、第1の絶縁膜16に積層されたTi膜と当該Ti膜に積層されたPt膜と当該Pt膜に積層されたCu膜とで構成されている。なお、第1の絶縁膜16は例えばCVD法により10μm程度の厚さに形成され、各金属膜13cに関して、Ti膜およびPt膜は例えばスパッタ法によりそれぞれ0.05μm、0.1μm程度の厚さに形成され、Cu膜は例えばめっき法により10μm程度の厚さに形成されている。
そして、発電ユニット1は、上述の複数個の熱電素子13が第2の熱伝導性基板12における第1の熱伝導性基板11との対向面にパターン形成された金属材料からなる多数の導電パターン14(図2および図3参照)により直列接続されており、燃焼器2で発生した熱が金属膜13cに伝達されることにより発電するようになっている。ここに、第2の熱伝導性基板12における第1の熱伝導性基板11との対向面には第2の絶縁膜(図示せず)が形成されており、各導電パターン14は、第2の絶縁膜に積層されたTi膜と当該Ti膜に積層されたPt膜と当該Pt膜に積層されたCu膜とで構成されている。なお、第2の絶縁膜は例えばCVD法により10μm程度の厚さに形成され、各導電パターン14に関して、Ti膜およびPt膜は例えばスパッタ法によりそれぞれ0.05μm、0.1μm程度の厚さに形成され、Cu膜は例えばめっき法により10μm程度の厚さに形成されている。
また、各半導体エレメント13a,13bは角柱状に形成されている。各半導体エレメント13a,13bは長手方向の一端面にニッケルからなる第1の下地めっき層を介して半田からなる第1の表面めっき層が形成されており、300℃程度に加熱することで金属膜13cと接合されている。同様に、各半導体エレメント13a,13bは長手方向の他端面にニッケルからなる第2の下地めっき層を介して半田からなる第2の表面めっき層が形成されており、300℃程度に加熱することで導電パターン14と接合されている。
ここにおいて、導電形がp形の半導体エレメント(以下、p形半導体エレメントと称す)13aは、BiTe系のp形熱電半導体材料(例えば、Bi2Te3−Sb2Te3など)により形成され、導電形がn形の半導体エレメント(以下、n形半導体エレメントと称す)13bは、BiTe系のn形熱電半導体材料(例えば、Bi2Te3−Sb2Se3など)により形成されている。また、発電ユニット1は、第1の熱伝導性基板11の厚み方向に直交する面内において、互いに直交する方向それぞれにp形半導体エレメント13aとn半導体エレメント13bとが交互に並んでいる。なお、各半導体エレメント13a,13bは、長手方向に直交する断面が正方形状であって、当該断面における各辺の長さが0.65mm、長手方向の寸法が2mmに設定されているが、これら各寸法は特に限定するものではない。また、各半導体エレメント13a,13bは、それぞれp形熱電半導体材料、n形熱電半導体材料からなり各半導体エレメント13a,13bよりも十分に大きなブロックを形成した後に、ダイシングすることによって形成されている。
ところで、発電ユニット1は、第2の熱伝導性基板12における第1の熱伝導性基板11との対向面の2つの隅部にパターン形成された金属材料からなる一対の出力用電極18a,18b(図3参照)を介して外部へ出力を取り出せるようになっている。すなわち、発電ユニット1は、上述の複数個の熱電素子13の直列回路の一端となるp形半導体エレメント13aが一方の出力用電極18aに接続され、上記直列回路の他端となるn形半導体エレメント13bが他方の出力用電極18bに接続されており、出力用電極18a,18b間に接続する外部回路には複数個の熱電素子13の直列回路の両端電圧が印加されることになるのである。なお、各出力用電極18a,18bは、構成材料として導電パターン14と同じ金属材料を採用しており、導電パターン14と同時に形成されている。
また、燃焼器2は、上述の平板状のシリコン基板からなる第1の熱伝導性基板11と、第1の熱伝導性基板11における第2の熱伝導性基板12との対向面とは反対側の面に重ねて固着された平板状のガラス基板からなる熱絶縁性基板21とで平板形の器体を構成し、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面には、燃料用流路2aを形成するための断面V字状の溝からなる凹部5(図1および図3参照)が形成されており、熱絶縁性基板21と第1の熱伝導性基板11とを厚み方向に重ねて固着する(積層する)ことによって、燃料用流路2aが形成されている。また、燃焼器2は、凹部5の内面にチタンベースのゾル状の白金触媒を担持してある。ここに、燃焼器2は、第1の熱伝導性基板11の厚み方向に直交する面内における凹部5の平面形状がつづら折れ状に形成されており、第1の熱伝導性基板11の厚み方向(つまり、燃焼器2の厚み方向)に直交する面内における燃料用流路2aの平面形状もつづら折れ状となる。なお、熱絶縁性基板21の外形は各熱伝導性基板11,12と外形寸法が同じ矩形状に形成されている。
ここにおいて、本実施形態では、第1の熱伝導性基板11としてシリコン基板を採用しているので、シリコンなどの半導体の微細加工に用いられるリソグラフィ技術やエッチング技術などを利用したマイクロマシンニング技術によって開口幅が微細な凹部5を形成することができる。なお、上述のような断面V字状の溝からなる凹部5を形成するには、第1の熱伝導性基板11であるシリコン基板として例えば主表面が(100)面のシリコン基板を採用し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)などのアルカリ系溶液を用いた異方性のウェットエッチングなどを行えばよい。
また、燃焼器2は、第1の熱伝導性基板11としてシリコン基板を用い、熱絶縁性基板21としてガラス基板を用いているので、凹部5を形成した第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向が一致するように重ね合わせて陽極接合により固着することができ、両基板11,12を接着剤により固着する場合に比べて、強固で気密性の良い接合を実現できる。また、熱絶縁性基板21としてパイレックス(登録商標)のような耐熱性を有し且つシリコンと熱膨張係数が略等しいガラス基板を用いていることにより、熱絶縁性基板21と第1の熱伝導性基板11との熱膨張係数差を小さくすることができ、熱絶縁性基板21および第1の熱伝導性基板11の反りを抑制することができる(つまり、平板形の燃焼器2の反りを抑制することができる)。
なお、本実施形態では、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面に凹部5を形成してあるが、熱絶縁性基板21における第1の熱伝導性基板11との対向面に凹部5を形成するようにしてもよく、本実施形態のように熱絶縁性基板21としてガラス基板を採用している場合にはサンドブラスト法によって凹部5を形成することができる。
ところで、燃焼器2は、第1の熱伝導性基板11の凹部5の延長方向における途中に他の部位に比べて開口幅が大きく且つ深さ寸法が大きな深溝部5aを形成することによって、上記第1の絶縁膜16の一部からなるダイアフラム部17が形成されており、ダイアフラム部17における第2の熱伝導性基板12との対向面に短冊状にパターニングされた金属薄膜(本実施形態では、Ti薄膜)からなるマイクロヒータ8(図4および図5参照)が配設されている。ここに、マイクロヒータ8は、図4に示すように長手方向の両端部がそれぞれ金属配線9a,9bを介して入力用電極19a,19bに接続されている。なお、本実施形態におけるマイクロヒータ8は、長さ寸法を90μm、幅寸法を10μm、厚さ寸法を50nmにそれぞれ設定してあり、金属膜13cの一部を構成するTi膜と同時に成膜してあるが、これらの各寸法は一例であって特に限定するものではない。また、各金属配線9a,9bおよび各入力用電極19a,19bは、構成材料として金属膜13cと同じ金属材料を採用しており、金属膜13cと同時に形成されている。
また、燃焼器2は、熱絶縁性基板21において燃料用流路2aの両端近傍に、燃料用流路2aと連通する貫通孔21a,21bが厚み方向に貫設されている。両貫通孔21a,21bについては後述する。
上述の混合ユニット3は、燃焼器2の器体の一部を構成する熱絶縁性基板21と平板状のシリコン基板からなる基板31とを厚み方向に重ねて固着する(積層する)ことにより形成されている。すなわち、本実施形態では、熱絶縁性基板21と基板31とで混合ユニット3の器体を形成する一対の基板を構成しており、熱絶縁性基板21が燃焼器2と混合ユニット3とで共用されている。
ここに、混合ユニット3は、熱絶縁性基板21としてガラス基板を用い、基板31としてシリコン基板を用いているので、熱絶縁性基板21と基板31とを厚み方向が一致するように重ね合わせて陽極接合により固着することができ、両基板21,31を接着剤により固着する場合に比べて、強固で気密性の良い接合を実現できる。また、熱絶縁性基板21としてパイレックス(登録商標)のような耐熱性を有し且つシリコンと熱膨張係数が略等しいガラス基板を用いていることにより、熱絶縁性基板21と基板31との熱膨張係数差を小さくすることができ、熱絶縁性基板21および基板31の反りを抑制することができる(つまり、平板形の混合ユニット3の反りを抑制することができる)。
混合ユニット3は、外部の燃料タンク(図示せず)などから供給される燃料を噴出するノズル部3aと、燃料用流路2aに連通しノズル部3aから噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ空気とを混合して燃料用流路2aへ供給する混合部3bとを有している。ここにおいて、混合ユニット3の基板31は、熱絶縁性基板21の貫通孔21bと重なる部位に排気孔31bが貫設され、熱絶縁性基板21との対向面において貫通孔21aと重なる部位に当該貫通孔21aと連通する凹所34(図4および図6参照)が形成されている。また、基板31は、熱絶縁性基板21との対向面において凹所34と排気孔31bとの間の部位に凹所33が形成されており、凹所34と凹所33との間に両凹所34,33を連通させる凹部35が形成されている。さらに、基板31は、凹所33に対応する部位において排気孔31bと凹所34とを結ぶ直線上で排気孔31bに近い側に空気導入孔31cが貫設されており、凹所33に対応する部位において上記直線上で凹所34に近い側に燃料導入孔31a(図1および図8参照)が貫設されている。また、基板31は、凹所33の内底面から熱絶縁性基板21に向かって突出し燃料導入孔31aを全周に亘って囲む壁部32aが連続一体に形成されており、壁部32aにおける凹所34側で凹所33の内底面から熱絶縁性基板21に向かって突出する噴射部形成突起部32bが壁部32aと連続一体に形成されている。ここに、壁部32aおよび噴射部形成突起部32bの各先端面は基板31における凹所33の周辺部分と同一平面上に揃えてあり、基板31と熱絶縁性基板21とを接合した状態では壁部32aおよび噴射部形成突起部32bの各先端面が熱絶縁性基板21と固着されている。また、噴射部形成突起部32bの先端面にはノズル部3aにおける噴射孔を形成するための溝32c(図6ないし図8参照)が上記直線に沿って形成されており、基板31と熱絶縁性基板21とを接合した状態でノズル部3aの噴射孔が形成されるようになっている。なお、溝32cは長手方向に直交する幅寸法が20μmに設定され、深さ寸法が40μmに設定されているが、これらの各寸法は一例であって特に限定するものではない。
以上の説明から分かるように、本実施形態では、基板31にノズル部3aおよび混合部3bそれぞれを形成するための加工が施されている。ここに、基板31の加工にあたっては、図9(a)に示すようにシリコン基板からなる基板31の両面にシリコン酸化膜37a,37bを形成し、その後、各凹所33,34、壁部32a、噴射部形成突起部32bを形成するためにリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して基板31の一面側(図9(a)における上面側)のシリコン酸化膜37aをパターニングしてから、シリコン酸化膜37aをマスクとして、例えば反応性イオンエッチング装置や誘導結合型プラズマエッチング装置などの深堀加工が可能なエッチング装置を利用して基板31を掘り込むことにより、図9(b)に示す構造を得る。次に、溝32cを形成するためにリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して、基板31における溝32cの形成予定領域が露出するようにシリコン酸化膜37aを再度パターニングしてから、シリコン酸化膜37aをマスクとして、例えば反応性イオンエッチング装置や誘導結合型プラズマエッチング装置などの深堀加工が可能なエッチング装置を利用して基板31を掘り込んで溝32cを形成することによって、図9(c)に示す構造を得る。その後、燃料導入孔31aと空気導入孔31cとを形成するためにリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して、基板31における燃料導入孔31aおよび空気導入孔31cそれぞれに対応した部位が露出するように基板31の他面側(図9(c)における下面側)のシリコン酸化膜37bをパターニングしてから、例えば反応性イオンエッチング装置や誘導結合型プラズマエッチング装置などの深堀加工が可能なエッチング装置を利用して基板31を上記他面側から掘り込んで燃料導入孔31aおよび空気導入孔31cを形成することによって、図9(d)に示す構造を得る。
また、基板31における熱絶縁性基板21との対向面と反対側の面には、ガラス基板からなる基板41が陽極接合により固着されている。ここにおいて、基板41は、厚み方向において燃料導入孔31aと重なる部位に円形状の燃料孔41aが貫通され、厚み方向において空気導入孔31cと重なる部位に円形状の空気孔41cが貫設され、厚み方向において排気孔31bと重なる部位に円形状の貫通孔41bが貫設されている。さらに、基板41における基板31との対向面と反対側の面には、燃料孔41aと連通する円筒状の燃料導入管6が基板41の厚み方向に軸方向が一致する形で配設されるとともに、貫通孔41bと連通する円筒状の排気管7が基板41の厚み方向に軸方向が一致する形で配設されている。なお、燃料導入管6はガラス製であって、軸方向の一端部が低融点ガラスを用いて基板41における燃料孔41aの周部に固着されている。同様に、排気管7もガラス製であって、軸方向の一端部が低融点ガラスを用いて基板41における貫通孔41bの周部に固着されている。
したがって、本実施形態の熱電発電装置では、図示しない燃料タンクから燃料導入管6へ供給される燃料が、燃料導入管6−燃料孔41a−燃料導入孔31aの流路を通ってノズル部3aの上記噴射孔から噴射される。そして、ノズル部3aから噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ凹所33内の空気との混合ガスが凹部35−凹所34−貫通孔21a−燃料用流路2aの流路で燃料用流路2aへ供給され、混合ガスの燃焼により生じた排ガス(二酸化炭素)が燃料用流路2a−貫通孔21b−排気孔31b−貫通孔41b−排気管7の流路を通過して排出される。
一方、本実施形態の熱電発電装置では、燃料用流路2aに燃料と空気との混合ガスが供給されると、混合ガスが燃焼し、この燃焼により生じた熱が第1の熱伝導性基板11を拡散して第1の熱伝導性基板11に形成されている金属膜13cに伝達されるので、発電ユニット1が発電することになる。
しかして、本実施形態の熱電発電装置では、燃焼器2が発電ユニット1の第1の熱伝導性基板11に重ねて固着された平板状の熱絶縁性基板21を有し、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面に凹部5を設けることにより燃料用流路2aが形成されているので、凹部5を形成した熱絶縁性基板21と第1の熱伝導性基板11とを固着することにより平板形の燃焼器2を形成することができ、従来のような機械加工を利用して燃焼器2’,2”を形成したものに比べて第1の熱伝導性基板11の厚み方向における燃焼器2の厚さ寸法を小さくすることが可能となり、熱電発電装置全体の小型化を図ることができる。また、燃焼器2では、第1の熱伝導性基板11に固着する熱絶縁性基板21が熱絶縁材料により形成されているので、上記混合ガスの燃焼により発生した熱は主に第1の熱伝導性基板11へ伝達されることになり、上記混合ガスの燃焼により発生した熱が発電ユニット1における金属膜13cへ効率良く伝達される。
また、本実施形態の熱電発電装置では、第1の熱伝導性基板11の厚み方向に直交する面内における燃料用流路2aの平面形状がつづら折れ状であって、上記面内で引き回されいるので、第1の熱伝導性基板11の小型化を図りながらも燃料用流路2aの流路長を長くすることができるから、燃焼器2での燃焼効率を高めることができる(燃料用流路2aに供給された燃料の未燃焼分を少なくすることができる)。
しかも、本実施形態の燃焼装置および熱電発電装置では、燃料と空気とを混合して燃料用流路2aへ供給する混合ユニット3が熱絶縁性基板21と基板31とを厚み方向に積層することにより形成され、且つ、燃焼器2と混合ユニット3とで1枚の基板31が共用されているので、第1の熱伝導性基板11,熱絶縁性基板21,基板31を厚み方向に積層することで燃焼器2と混合ユニット3とを位置合わせすることができ、図19に示した従来例のように燃焼器2”とはそれぞれ別部材であるノズル72とディフューザ73とをアライメントして組み合わせることで混合ユニットを構成する場合に比べて、燃焼器2の小型化を図りながらも燃焼器2と混合ユニット3とを容易に位置合わせすることが可能であり、燃焼装置全体および熱電発電装置全体それぞれの小型化を図ることができる。また、ノズル部3aと混合部3bとが同一基板21,31に形成されているので、ノズル部3aと混合部3bとの位置合わせを不要とすることが可能となり、製造が容易になる。
また、本実施形態では、燃焼器2に上述のマイクロヒータ8が設けられているので、入力用電極19a,19b間に通電してマイクロヒータ8を発熱させることにより、ブタンなどの室温で自然発火しないガスを燃料として採用することが可能となる。
(実施形態2)
以下、本実施形態の熱電発電装置について図11および図12を参照しながら説明する。
本実施形態の熱電発電装置は、実施形態1にて説明した第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とで燃焼器2に加えて混合ユニット3を形成している点などが実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態における第1の熱伝導性基板11には、燃料用流路2aを形成するための凹部5が熱絶縁性基板21との対向面に形成されており、凹部5の内底面から複数の突起部5bが連続一体に突出している。ここに、各突起部5bの先端面は、第1の熱伝導性基板11における凹部5の周辺部位と同一平面上に揃えてある。
一方、熱絶縁性基板21は、第1の熱伝導性基板11との対向面に、第1の熱伝導性基板11の凹部5とともに燃料用流路2aを形成するための凹部4が形成されており、凹部4の内底面から第1の熱伝導性基板11側の各突起部5bと先端面同士を突き合わせた形で接合される複数の突起部4bが連続一体に突出している。ここに、各突起部4bの先端面は、熱絶縁性基板21における凹部4の周辺部位と同一平面上に揃えてある。したがって、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に重ねて固着する(つまり、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを積層する)ことにより、燃料用流路2aを有する燃焼器2が形成されている。なお、燃料用流路2a内には、実施形態1と同様に燃料を燃焼させるための触媒が設けられている。また、本実施形態においても、実施形態1と同様に燃焼器2と混合ユニット3とで燃焼装置を構成している。
また、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面には、凹所133(図12参照)が形成されるとともに、凹所133と凹部5とを連通させる直線状の凹部135が形成されている。ここに。第1の熱伝導性基板11は、凹所133に対応する部位に燃料導入孔31a(図11参照)が貫設されており、凹所133の内底面から実施形態1と同様の壁部32aおよび噴射部形成突起部32bが突設されており、噴射部形成突起部32bの先端面に溝32cが形成されている。したがって、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に重ねて固着することによって、燃料を噴出するノズル部3aが形成される。また、熱絶縁性基板21は、凹部135に重なる部位に直線状の凹部145が形成されており、さらに、第1の熱伝導性基板11の凹所133に連通する空気導入孔31cが貫設されている。したがって、本実施形態では、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に重ねて固着する(積層する)ことによってノズル部3aの他に、燃料と空気とを混合して燃料用流路2aへ供給する混合部3bも形成される。要するに、本実施形態では、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に重ねて固着することによって、混合ユニット3および燃焼器2が形成されることになる。
また、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面と反対側の面には、燃料導入孔31aの周部に燃料導入管6が固着されている。また、本実施形態では、第1の熱伝導性基板11に形成する凹部5において凹部135とは反対側が開放されるとともに、熱絶縁性基板21に形成する凹部4において凹部145とは反対側が開放されており、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に重ねて固着することにより、燃焼器2の一端面(図11における右端面)に排気孔31bが形成されることになる。
したがって、本実施形態の熱電発電装置では、図示しない燃料タンクから燃料導入管6へ供給される燃料が、燃料導入孔31aを通りノズル部3aの噴射孔から噴射される。そして、ノズル部3aから噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ凹所133内の空気との混合ガスが燃料用流路2aへ供給され、混合ガスの燃焼により生じた排ガス(二酸化炭素)が排気孔31bから排出される。
しかして、本実施形態の熱電発電装置では、燃焼器2が発電ユニット1の第1の熱伝導性基板11に重ねて固着された平板状の熱絶縁性基板21を有し、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面に凹部5を設けるとともに熱絶縁性基板21における第1の熱伝導性基板11との対向面に凹部4を設けることにより燃料用流路2aが形成されているので、熱絶縁性基板21と第1の熱伝導性基板11とを固着することにより平板形の燃焼器2を形成することができ、従来のような機械加工を利用して燃焼器2’,2”を形成したものに比べて第1の熱伝導性基板11の厚み方向における燃焼器2の厚さ寸法を小さくすることが可能となり、熱電発電装置全体の小型化を図ることができる。また、燃焼器2では、第1の熱伝導性基板11に固着する熱絶縁性基板21が熱絶縁材料により形成されているので、上記混合ガスの燃焼により発生した熱が主に第1の熱伝導性基板11へ伝達されることになり、上記混合ガスの燃焼により発生した熱が発電ユニット1における金属膜へ効率良く伝達される。
しかも、本実施形態の燃焼装置および熱電発電装置では、燃料と空気とを混合して燃料用流路2aへ供給する混合ユニット3も第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に積層することにより形成されており、燃焼器2と混合ユニット3とで第1の熱伝導性基板11および熱絶縁性基板21が共用されている(つまり、2枚の基板11,21が共用されている)ので、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に積層することで燃焼器2と混合ユニット3とを位置合わせすることができ、図19に示した従来例のように燃焼器2”とは別部材であるノズル72とディフューザ73とをアライメントして組み合わせることで混合ユニットを構成する場合に比べて、燃焼器2の小型化を図りながらも燃焼器2と混合ユニット3とを容易に位置合わせすることが可能であり、燃焼装置全体および熱電発電装置全体それぞれの小型化を図ることができる。また、ノズル部3aおよび混合部3bが同一基板11,21に形成されているので、ノズル部3aと混合部3bとの位置合わせを不要とすることが可能となり、製造が容易になる。
また、上述のように燃焼器2と混合ユニット3とで2枚の基板11,21が共用されているので、実施形態1に比べて基板11の厚み方向における装置全体の薄型化を図ることができ、その上、燃料用流路2aと混合部3bとの間の流路の流路抵抗を低くすることが可能となる。
なお、本実施形態では、凹所133に連通する空気導入孔31cを熱絶縁性基板21に貫設してあるが、空気導入孔31cは熱絶縁性基板21および第1の熱伝導性基板11を貫通するように形成してもよし、第1の熱伝導性基板11に貫設してもよい。
(実施形態3)
ところで、上記各実施形態の熱電発電装置においては、例えば燃料としてブタンを採用する場合、ブタンを完全燃焼させるためには混合部3bにブタンに対する空気の割合(流量比)が比較的大きな混合ガスを供給する必要があり(つまり、ノズル部3aから噴射される燃料の噴流による空気の巻き込み量を多くする必要があり)、ノズル部3aから噴射される燃料の流速をより速くすることが望まれるが、ノズル部3aが先端部における流路の断面積を一定とした先細ノズルとなっているので、ノズル部3aから噴射される燃料の流速が音速を超えることができなかった。
これに対して、本実施形態の熱電発電装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、実施形態1にて説明した混合ユニット3におけるノズル部3aを図13および図14に示すような形状に形成している点が相違する。なお、他の構成は実施形態1と同じなので図示および説明を省略する。
本実施形態におけるノズル部3aは、先端部が先端に近づくにつれて流路の断面積を徐々に大きくした形状に形成された所謂ラバルノズルとなっている。すなわち、本実施形態においても、噴射部形成突起部32bの先端面にはノズル部3aにおける噴射孔を形成するための溝32cが形成されており、基板31と熱絶縁性基板21とを接合した状態でノズル部3aの噴射孔が形成されるようになっているが、本実施形態における溝32cは、長手方向に直交する幅寸法がノズル3aの先端部に対応する部分では先端に近づくにつれて徐々に広くなっている。なお、本実施形態では、ノズル部3aの先端部の長さ寸法を12μmに設定してあり、当該先端部において溝32cの幅寸法を23μmから30μmへ徐々に広げてあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。
ここで、ノズル部3aに供給される1次流体(燃料)の流量をF1、空気孔31c(図1および図4参照)を通して混合部3b(図1参照)へ供給される2次流体(空気)の流量をF2、混合部3bから流出する混合流体の流量をF3、2次流体と1次流体との流量比をRとすれば、
R=F2/F1=(F3−F1)/F1
となるので、混合ユニット3に関して、ノズル部3aへ供給される1次流体の圧力(入力圧力)を種々変化させたときの1次流体の流量F1と混合流体の流量F3とを流量計にて測定することにより1次流体の入力圧力と流量比Rとの関係を調べた結果を図15に示す。なお、図15は横軸が入力圧力、縦軸が流量比であって、「イ」が本実施形態のようにラバルノズルからなるノズル部3aを採用した場合、「ロ」が実施形態1のように先細ノズルからなるノズル部3aを採用した場合の結果を示している。
図15から、ラバルノズルよりなるノズル部3aを採用することによって、先細ノズルよりなるノズル部3aを採用する場合に比べて、上述の流量比Rを大きくできる、つまり、空気の巻き込み量を多くすることができることが分かる。ここに、1次流体(つまり、燃料)としてブタンを採用する場合、ブタンの蒸気圧は235kPa程度なので、図15中の「イ」と「ロ」とを入力圧力が235kPaの点で比較すれば、ノズル部3aをラバルノズルとすることにより先細ノズルの場合の3倍を超える流量比を実現できることが分かる。
しかして、本実施形態の燃焼装置および熱電発電装置では、ノズル部3aをラバルノズルとして構成していることにより、ノズル部3aから噴射される燃料の流速を音速よりも速くすることができ(つまり、超音速流をつくることができ)、燃料の噴流による空気の巻き込み量を飛躍的に増加させることができる。
なお、本実施形態のノズル部3aの構造を実施形態2の熱電発電装置に適用してもよいことは勿論である。
(実施形態4)
ところで、上記各実施形態では、燃料の蒸気圧が周囲温度に依存するので、寒冷地などで使用した場合にノズル部3aにおいて十分な噴出圧力が得られず、燃料の噴流による空気の巻き込み量が不足してしまうことがある。
これに対して、本実施形態の熱電発電装置の基本構成は実施形態2と略同じであって、図16および図17に示すように、第1の熱伝導性基板11における熱絶縁性基板21との対向面に、燃料導入孔31cを形成するための凹所136が形成されるとともに、凹所136と噴射部形成突起部32bの先端面に形成された溝32cとを連通させる溝であって後述の燃料供給用流路を形成するための連通溝137が形成されている点などが相違し、第1の熱伝導性基板11と熱絶縁性基板21とを厚み方向に重ねて固着することにより、燃料導入孔31cが形成されるとともに、燃料導入孔31cとノズル部3aの噴射孔との間に燃料供給用流路が形成されることになる。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
上述の凹所137は第1の熱伝導性基板11の長手方向の一端部における幅方向の中央部に形成されており、上述の連通溝137は、凹所136から見て二手に分けて第1の熱伝導性基板11の短手方向に沿って延長してさらに第1の熱伝導基板11の長手方向に沿って長手方向の他端部まで延長した後で折り返して凹部5の周部に沿って溝32cまで延長することにより、限られた面内で燃料供給用流路の流路長を長くするとともに、燃料供給用流路を通過する燃料が燃焼器2で発生した熱により加熱されるようにしてある。なお、本実施形態では、燃料供給用流路と燃焼器2とで、ノズル部3aへ供給する燃料を加熱する加熱手段を構成している。
しかして、本実施形態の燃焼装置および熱電発電装置では、燃料導入孔31cから導入される燃料をノズル部3aへ到達するまで加熱することができ、ノズル部3aへ供給する燃料の圧力を高めることができてノズル部3aから噴射される燃料の流速を速くすることができるので、燃料の噴流による空気の巻き込み量をさらに増加させることができる。また、燃焼器2の燃料用流路2aに沿って燃料供給用流路を形成し、燃焼器2で発生した熱を利用して燃料供給用流路を通過する燃料を加熱しているので、燃料を加熱するための加熱手段を別途に設ける必要がなくて装置の大型化およびコストアップを防止することができ、しかも、装置全体としての総合効率を向上させることができる。
なお、本実施形態におけるノズル部3aを実施形態3と同様にラバルノズルとしてよいことは勿論である。
ところで、上記各実施形態では、燃焼器2と混合ユニット3とからなる燃焼装置を発電ユニット1の熱源として用いているが、上記各実施形態における燃焼装置を、水蒸気と燃料ガスを改質触媒で改質して水素を主成分とするガスを製造する改質器の熱源として用いることにより、従来に比べて小型化の改質器を構成するようにしてもよい。一例として、一対の基板間に改質ガス用流路を形成して当該改質ガス用流路内に改質触媒を設けた改質ユニットと燃焼器2とを積層した構造として、燃焼器2の熱で改質触媒を反応に適した温度に加熱するとともに水を水蒸気に気化するようにしてもよい。
実施形態1を示す概略断面図である。 同上を示す概略斜視図である。 同上を示す概略分解斜視図である。 同上を示す概略分解斜視図である。 同上の要部拡大断面図である。 同上の要部拡大斜視図である。 同上におけるノズル部を示し、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の要部拡大図である。 同上の要部平面図である。 同上における混合ユニットの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の動作説明図である。 実施形態2を示す概略断面図である。 同上を示す概略分解斜視図である。 実施形態3におけるノズル部を示し、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の要部拡大図である。 同上の要部拡大斜視図である。 同上における混合ユニットの動作特性図である。 実施形態4を示す概略分解斜視図である。 同上を示す概略断面図である。 従来例を示す概略構成図である。 他の従来例を示し、(a)は概略横断面図、(b)は概略縦断面図である。
符号の説明
1 発電ユニット
2 燃焼器
2a 燃料用流路
3 混合ユニット
3a ノズル部
3b 混合部
6 燃料導入管
7 排気管
11 第1の熱伝導性基板
12 第2の熱伝導性基板
13 熱電素子
13a p形半導体エレメント
13b n形半導体エレメント
21 熱絶縁性基板
31 基板
31a 燃料導入孔
31b 排気孔
31c 空気導入孔
41 基板
41a 燃料孔
41b 貫通孔
41c 空気孔

Claims (8)

  1. 燃料用流路が厚み方向に重ねて固着される少なくとも一方は半導体により形成される一対の基板間に形成され且つ燃料用流路を通過する燃料を燃焼させるための触媒が燃料用流路内に設けられた燃焼器と、厚み方向に重ねて固着される少なくとも一方は半導体により形成される一対の基板の間で燃料と空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合ユニットとを備え、燃焼器と混合ユニットとで少なくとも1枚の基板が共用されてなり、混合ユニットは、外部から供給される燃料を噴出するノズル部と、燃料用流路に連通しノズル部から噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合部とを有し、ノズル部と混合部とが同一基板に形成されてなることを特徴とする燃焼装置。
  2. 厚み方向に積層される少なくとも1枚は半導体により形成される複数枚の基板からなる器体に燃料用流路が形成され且つ燃料用流路を通過する燃料を燃焼させるための触媒が燃料用流路内に設けられた燃焼器と、厚み方向に積層される少なくとも1枚は半導体により形成される複数枚の基板からなる器体内で燃料と空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合ユニットとを備え、燃焼器と混合ユニットとで少なくとも1枚の基板が共用されてなり、混合ユニットは、外部から供給される燃料を噴出するノズル部と、燃料用流路に連通しノズル部から噴出した燃料と当該燃料の噴流により巻き込んだ空気とを混合して燃料用流路へ供給する混合部とを有し、ノズル部と混合部とが同一基板に形成されてなることを特徴とする燃焼装置。
  3. 厚み方向に重なる3枚の基板により前記燃焼器と前記混合ユニットとが形成されるとともに、前記厚み方向の真中の基板が前記燃焼器と前記混合ユニットとで共用され、前記厚み方向における一方の基板と真中の基板との間に前記燃料用流路が形成され、前記厚み方向における他方の基板と真中の基板との間に前記ノズル部および前記混合部が形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃焼装置。
  4. 前記燃焼器と前記混合ユニットとが2枚の基板間に形成され、前記燃焼器と前記混合ユニットとで前記2枚の基板が共用されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃焼装置。
  5. 前記混合ユニットは、前記ノズル部へ前記燃料を導入する燃料導入孔と、前記混合部と外部とを連通させる空気導入孔が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃焼装置。
  6. 前記ノズル部は、先端部が先端に近づくにつれて流路の断面積を徐々に大きくした形状に形成されてなることを特徴とする請求項ないし請求項5のいずれかに記載の燃焼装置。
  7. 前記ノズル部へ供給する燃料を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項ないし請求項6のいずれかに記載の燃焼装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の燃焼装置と、対となる異種導電形の2つの半導体エレメント間を金属膜を介して繋いだ熱電素子を有し燃焼装置における燃焼器で発生した熱が金属膜に伝達されることで発電する発電ユニットとを備えることを特徴とする熱電発電装置。
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