JP4493527B2 - 光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高密度大容量光記録に好適な光学素子に係り、特に、基板上に設けた微細な構造物により光の反射光または透過光の特性を制御することが可能な光学素子に関する。
基板上に金属構造物を設けることにより光学特性を制御するものとして、以下のような文献がある。
(a)WO03/05492 A2, “OPTICAL DEVICE”, The University of Southampton(非特許文献1)
上記非特許文献1に開示されたものは、光学素子に関する発明である。図17は、上記非特許文献1の第一実施例の光学素子の平面図である。
同図に示すように、この光学素子100では、シリコンウエファ基板101上に、一例として非常に平滑な金薄膜102により形成されている。
金薄膜102は、固定化された形状にパターニングされている。その形は左手系の卍型をしている。この卍型のパターンは700nmから4μmの大きさであり、規則的に正方格子状に配列されている。
この光学素子に光が照射されると、卍型の金属膜パターンアレイにより反射光や透過光の偏光面が回転する。この回転角は卍形状に依存する。
図18は、非特許文献1の第三実施例の光学素子を示す図である。これは、完全な平坦ではない多層構造の光学要素200の例である。ここでは、201と202の二つの層を持つ。さらに、図19に示すように、圧電体層203が二つの層201と202の間にある。
この層201と202により、二層のキラル(カイラルとも言う、日本語では不斉)形状の光学的要素200を構成する。圧電体層203に電圧信号を印加して、その膜厚を変化させることにより、この光学要素200の特性を変化させることができる。
図20は、前述の光学要素200を基板上に多数並べた光学素子300を示す図である。これはシリコン基板204上に光学要素200を複数並べたもので、光学要素200における層201と202は金でできている。
この光学素子300は、先に述べたように二層の金属キラル層201と202の間に圧電体層203があるので、光学素子300の特性を電気−光学的に制御することができる。
b)“Optical Manifestations of Planar Chirality”, A. Papakostas, et al, PHYSICAL REVIEW, 14 MARCH 2003(非特許文献2)
非特許文献2に開示されたものは非特許文献1に開示されたものとほぼ同じであるが、圧電体による動的な特性制御に関して記述はない。
c)“Optical activity in subwavelength-period arrays of chiral metallic particles”, APPLIED PHYSICS LETTERS 14 JULY 2003(非特許文献3)
非特許文献3に記載されたものも非特許文献1とほぼ同じであるが、圧電体による動的な特性制御に関して記述はない。
d)“Extraordinary polarization sensitivity of nanoparticle arrays to structural asymmetry”, Brian K. Canfield, et al, IWG6 Proceedings of CLE/IQEC 2004(非特許文献4)
図21は、非特許文献4に開示された光学素子の平面図である。
同図に示すように、100nm四方のL字型の金薄膜パターンが格子状にアレイ化されて形成されている。非特許文献1と同様に、本光学素子への入射光に対して透過光の偏光面が回転するものである。しかし、非特許文献4にも、動的な特性制御に関して記述はない。
e)“Effects of polarization and grating period on second-harmonic generation from arrays of anisotropic gold nanoparticles”, Sami Kujala, et al, IFE1 Proceedings of CLE/IQEC 2004(非特許文献5)
非特許文献5に開示されたものは、構造は非特許文献4と同じである。ここでは透過光に入射光の2次高調波が含まれる、つまりSHG(Second Harmonic Generation;第2高調波発生素子)のような波長変換素子になっている。なお、非特許文献5にも、動的な特性制御に関して記述はない。
f)特開2004−289101号公報(特許文献1)
特許文献1には、高速のスイッチングを可能とする面型光スイッチが開示されている。
図22は、特許文献1に開示されている面型光スイッチであり、半導体基板上にIII-V族混晶半導体からなる活性層と該活性層の上部および下部に設けられた半導体多層膜反射鏡とを有する面発光半導体レーザと、該面発光半導体レーザから出射される光を変調するための電圧を印加する変調電極と該変調電極によって形成された電界によって屈折率変化が生じる電気光学効果をもつ媒体と電気光学効果をもつ媒体の屈折率変化を光強度に変換するための偏光板とを有する面型光変調器とからなる面型光スイッチにおいて、電気光学効果をもつ媒体として有機結晶(DAST)を用いている。
特開2004−289101号公報 WO03/05492 A2, "OPTICAL DEVICE", The University of Southampton "A.Papakostas,et al,Optical Manifestations of Planar Chirality", PHYSICAL REVIEW, 14 MARCH 2003 "Optical activity in subwavelength-period arrays of chiral metallic particles", APPLIED PHYSICS LETTERS 14 JULY 2003 Brian K.Canfield, et al,"Extraordinary polarization sensitivity of nanoparticle arrays to structural asymmetry",IWG6 Proceedings of CLE/IQEC 2004 Sami Kujala,et al,"Effects of polarization and grating period on second-harmonic generation from arrays of anisotropic gold nanoparticles", IFE1 Proceedings of CLE/IQEC 2004
上述したように、非特許文献1では圧電体層を用いている。圧電体層を作製する方法としては、PZT粉末などにバインダを添加したものを成型し、焼成する方法がある。
しかし、焼成は1200℃程度の温度をかける必要があるので、これを、シリコン基板を用いたプロセスに導入することはできない。なぜなら、この温度ではシリコン基板は溶融するし、シリコン基板上の金属配線は数百℃で溶融してしまうからである。
これとは別に、スパッタなどで、シリコン基板上に圧電体薄膜を成膜する方法がある。この方法は高温の焼成は必要ないが、成膜後に100〜200℃程度の温度下で圧電体に電圧を印加する、いわゆるポーリングという工程を行わなければいけない。しかし、ウエファ上に複数のデバイスが形成された状態で、これを行うには電極の取り出しなど面倒な工程が必要である。以上のように、圧電体を用いたデバイスの作製は複雑なプロセスが必要となる。
また、光学素子の特性を主に支配しているのは、基板表面に平行な方向に関する形状である。すなわち、平面図で示される形状であるので、光学素子の特性を電気信号などで高い効率で制御するためには、平面形状を変化させる必要がある。
しかし、上述した非特許文献1,3に開示されたものでは、二つの金パターン(層)の間に圧電体があるので、これらの間の距離を膜厚方向にしか変化させることができない。つまり、膜表面方向の形状を変化させることができないので特性を大きく変化させることはできない。
非特許文献4,5に開示されたものでは、外部からの信号により、金属パターンを移動させないので、光学素子の特性を変化させることはできない。
非特許文献1〜5の光学素子の機能・特性は、入力光に対して、出力光の偏光や波長を変化させるところにある。この光学素子の特性は基板上に作製する金属層のパターンにより制御しうる。
金属層のパターンは、これを作製する工程であるフォトリソ・エッチングの際に用いるマスクパターンにより決定される。マスクパターンはCADなどによりほぼ自由に設計・作製できる。
すなわち、非特許文献1〜5の光学素子は、従来の光学結晶を用いた光学素子に比べて、その機能・特性を制御することに大きな自由度を持つこととなる。しかし、非特許文献2〜5に関しては、光学素子特性の動的制御に関して記述がない。この場合の大きな欠点は、従来の電気光学結晶のように準静的或いは動的に特性を変化させることができない点にある。
また、特許文献1では、光のスイッチングをするために、電気光学効果を持つ結晶を用いている。この結晶は4-N,N-dimethylamino-4’-N-methyl-stilbazolium tosylate(DAST)と呼ばれる有機結晶である。一般に電気光学結晶の特性を制御することは、結晶そのものの構造を制御しなければならないので、自在に行うことは非常に難しい。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で光の反射光または透過光の特性を準静的或いは動的に制御することが可能な光学素子を提供することを目的としている。以下、請求項毎の目的を述べる。
a)請求項1,2,3記載の発明の目的
請求項1,2,3記載の発明の目的は、光学特性を電気信号などで準静的或いは動的に制御可能な光学素子をポーリングなどの複雑な工程を経ずに作製可能とすることを目的とする。また、光学素子特性の制御の自由度が高く、かつ準静的或いは動的に特性を変化させることができる具体的な光学素子を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような構成を採用した。以下、請求項毎の構成を記す。
a)請求項1,2,3記載の発明は、使用する光の波長よりも小さな寸法の構造物を基板上に複数形成し、前記光を前記構造物に照射するとともに、前記構造物の形状を前記基板と平行な方向に変形させることにより前記光の前記構造物からの反射光または透過光の特性を制御することを特徴とする光学素子において、前記構造物の形状の変形は、前記構造物に電圧を印加して生じる静電引力により行われるものであり、
さらに請求項1記載の発明は、前記構造物の形状は十字型で、かつ、該十字型の中心寄りの部分を固定部分としていることを特徴とし、請求項記載の発明は、前記構造物の形状は卍型または逆卍型で、かつ、該卍型または逆卍型の中心寄りの部分を固定部分としていること特徴とし、請求項記載の発明は、前記構造物の形状はL字型またはV字型またはU字型で、かつ、これらの変曲点寄りの部分を固定部分としていることを特徴としている。
本発明によれば、簡単な構造で光の反射光または透過光の特性を準静的或いは動的に制御することが可能な光学素子を実現できる。以下、請求項毎の効果を述べる。
請求項1,2,3記載の発明の効果
請求項1,2,3の光学素子においては、使用する光の波長よりも小さな寸法の構造物を基板上に複数形成し、前記光を前記構造物に照射するとともに、前記構造物の形状を前記基板と平行な方向に変形させることにより前記光の前記構造物からの反射光または透過光の特性を制御することを特徴とする光学素子において、前記構造物に電圧を印加して生じる静電引力により、前記構造物の変形を生じさせることを特徴とする光学素子であるので、光学特性を電気信号などで準静的或いは動的に制御可能な光学素子をポーリングなどの複雑な工程を経ずに作製可能とすることができる。特に、請求項1の光学素子においては、前記構造物の形状が十字型で、かつ、十字の中心寄りの部分を固定部分としており、請求項の光学素子においては、前記構造物の形状が卍型で、かつ、卍の中心寄りの部分を固定部分としており、また、請求項の光学素子においては、前記構造物の形状がL字型、或いは、V字型、或いは、U字型で、かつ、これらの変曲点寄りの部分を固定部分としているので、それぞれ具体的な光学素子を提供することができる。
<第1の実施例>
図1は、本発明の第1の実施例を説明するための図である。ここでは、一例としてn型シリコン基板10にボロンなどの不純物を高濃度に拡散し、拡散部分を低抵抗化してp型の配線領域11を形成する。
シリコン基板10の前記配線領域11以外の表面に第一の金属層12を設ける。これは図1(a)に示すように、非特許文献1における光学要素200の層202に相当する。シリコン基板10の表面および第一金属層12の上に層間絶縁膜13が形成されている。
第二金属層14と配線領域11とはコンタクトホールを介して両者を電気的に接続する。第二金属層14とシリコン基板10の表面の間には隙間を設ける。ここではシリコン基板10の表面の一部に層間絶縁膜13を残す構造にしているが、コンタクトホール以外の全面に層間絶縁膜13を残してもよい。
この構成において、配線領域11と接続してある取り出し電極(図示せず)とシリコン基板10の間に電圧を印加する。極性は常に両者が同電位か、配線領域11が負になるようにする。これにより配線領域11はシリコン基板10に対して常に逆バイアスになるので、両者間が絶縁され、第一金属層12と第二金属層14の間に電圧が印加される。
これにより、両者の間に静電引力が生じ、第二金属層14がシリコン基板10に近づく。電圧をなくせば元に戻って、両者は離れる。印加する電圧の繰り返し周波数を高くすると、シリコン基板10に近づく変形が周期的に起きるが、可動部の質量があるために、シリコン基板10と反対の方向にも変形するようになる。
特に、印加する電圧の繰り返し周波数を第二金属層14の可動部(片持ち梁になっている)の機械的共振周波数と等しくすると、これが共振するので、低い印加電圧でも、上記振動状態を発生させることができる。
以上のように、圧電体がなくても第一金属層12と第二金属層14の間の距離を変化させられる。なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板10上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
図2は、本実施例の光学素子の作製プロセスを説明するための図である。以下、図2の手順に沿って説明する。
(1)n型のシリコン基板10を、酸素中に1000℃程度で1時間程度おくことで、表面上に酸化シリコン膜(熱酸化膜)が形成される。配線領域11となるところの酸化シリコン膜をフォトリソ・エッチングで除去し、拡散窓を形成する。
この拡散窓を通して、イオン注入や固相拡散などで、ボロンなどの不純物を拡散し、p型にする。第一金属層12となる金属膜をスパッタや蒸着で成膜して、さらにフォトリソ・エッチングによりパターニングする。その上にスパッタやCVD法により層間絶縁膜13を積層し、配線領域11と第二金属層14の間の接続を取るために、フォトリソ・エッチングによりコンタクトホールを開ける。
(2)フォトレジストやポリイミドなどの有機膜16を積層し、前記コンタクトホールの上と第二金属層14の固定部分(アンカー)上の有機膜16をフォトリソグラフィーやこれに続くエッチングと併せて除去する。
(3)第二金属層14をデポジションし、パターニングする。
(4)酸素プラズマなどにより有機膜16のみを除去する。これにより、第二金属層14とシリコン基板10との間に隙間ができ、第二金属層14が動くことができるようになる。
以上のような方法により、光学特性を電気信号などで準静的或いは動的に制御可能な光学素子をポーリングなどの複雑な工程を経ずに作製することが可能となる。また、圧電体がなくても上記のような制御が可能である。
なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板10上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
<第2の実施例>
図3は、本発明の第2の実施例を説明するための図である。ここでは一例としてn型シリコン基板10にボロンなどの不純物を高濃度に拡散し、拡散部分を低抵抗化してp型の配線領域11を形成する。
シリコン基板10上には酸化シリコン膜などの絶縁膜17を形成し、十字型の構造物の根元部分のみの絶縁膜をフォトリソ・エッチングにより除去する。
この穴は配線領域11およびシリコン基板10への電気的接続を取るコンタクトホールとなる。これは十字の概ね中心位置に設け、中心部分だけを機械的に固定する機能(アンカー)も兼ねる。アンカー以外の部分は、シリコン基板10表面との間に隙間を設けてある。
ここでは、シリコン基板10表面の全面に絶縁膜17を残しているが、コンタクトホール周辺にのみ一部、絶縁膜を残す構造にしてもよい。配線領域11と接続してある取り出し電極(図示せず)とシリコン基板10の間に電圧を印加する。極性は常に両者が同電位か、配線領域11が負になるようにする。
これにより、配線領域11はシリコン基板10に対して常に逆バイアスになるので、両者間が絶縁され、隣接する十字型構造体間に電圧が印加される。これにより両者の間に静電引力が生じ、図4(a)のように、十字の腕の部分が互いに引き寄せられて、変形する。電圧をなくせば元に戻り、普通の十字型に戻る。
印加する電圧の繰り返し周波数を高くすると、腕部分の変形が周期的に起きるが、腕部分の質量があるために、図4(b)に示すように、図4(a)とは反対の方向まで曲がるようになる。
特に、印加する電圧の繰り返し周波数を十字構造物の腕の部分(片持ち梁になっている)の機械的共振周波数と等しくすると、これが共振するので、低い印加電圧でも、上記振動状態を発生させることができる。
以上のように、十字構造をシリコン基板10の平行の方向に、前記電圧により自在に制御して、変形させることができる。
先に述べたように、光学素子の特性を主に支配しているのは、シリコン基板10表面に平行な方向に関する形状、すなわち、平面図で示される形状である。
先に述べたように本請求項の発明では、この平面形状を電圧により制御して、変化させることが可能なため、従来技術よりも高い効率で光学素子の特性を変化・制御することができる。
また、圧電体がなくても以上のような制御が可能である。なお、シリコン基板0と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板10上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
図5は、本実施例の光学素子の作製プロセスを説明するための図である。以下、図5の手順に沿って説明する。
(1)n型のシリコン基板10を、酸素中、1000℃程度で1時間程度おくことで、表面上に酸化シリコン膜(熱酸化膜)が形成される。配線領域11となるところの酸化シリコン膜をフォトリソ・エッチングで除去し、拡散窓を形成する。
この拡散窓を通して、イオン注入や固相拡散などで、ボロンなどの不純物を拡散し、p型にする。一度酸化膜を弗酸などで除今日した後、再度シリコン基板10を酸化し、表面に酸化シリコン層を形成する。さらに、後に金属層と配線領域11およびシリコン基板10との接続点となるコンタクトホールをフォトリソ・エッチングで酸化シリコン膜に形成する。
(2)フォトレジストやポリイミドなどの有機膜16を積層し、前記コンタクトホールの上の有機膜16をフォトリソグラフィーやこれに続くエッチングと併せて除去する。ここは後に、十字構造体の固定部分(アンカー)となる。さらに、金属層18をデポジションする。
(3)金属層18をフォトリソ・エッチングにより十字型にパターニングする。十字型の中央が前記コンタクトホール上になるようにアライメントしてパターニングする。
(4)酸素プラズマなどにより有機膜16のみを除去する。これにより、金属層18でできた十字構造体の腕の部分とシリコン基板10との間に隙間ができる。
一方、中央部分は配線領域11およびシリコン基板10と電気的に接続されるとともに、機械的にも固定されて、アンカーとなる。つまり、十字の腕の部分だけが可動部となる。
以上のような方法により、光学特性を電気信号などで準静的或いは動的に制御可能で、構造体が基板表面に平行な方向に変形可能な光学素子を作製できる。また、圧電体がなくても以上のような制御が可能である。
なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板10上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
<第3の実施例>
図6は、本発明の第3の実施例を説明するための図である。
構成は図3とほぼ同じである。異なる点は光学要素の形状が十字ではなく、卍型になっている点である。図7は固定部分の実施例を示したものである。図7(a)は図3と同様に中心をアンカーかつ配線との接続点にしている場合の平面図である。図7(b)はアンカーを十字型にした場合である。この場合の断面図を図8に示す。
図8に示すように、アンカー以外の部分は、シリコン基板10の表面との間に隙間を設けてある。ここではシリコン基板10の表面の全面に絶縁膜を残しているが、コンタクトホール周辺にのみ一部だけ絶縁膜17を残す構造にしてもよい。
図3と同様に、配線領域11と接続してある取り出し電極(図示せず)とシリコン基板10の間に電圧を印加する。これにより、先に述べた理由により隣接する卍型構造体間に電圧が印加される。
これにより、両者の間に静電引力が生じ、図9(a)のように、卍の腕の部分が互いに引き寄せられて、変形する。電圧をなくせば元に戻り、普通の卍型に戻る。印加する電圧の繰り返し周波数を高くすると、腕部分の変形が周期的に起きるが、腕部分の質量があるために、図9(b)に示すように、図9(a)とは反対の方向まで曲がるようになる。
特に、印加する電圧の繰り返し周波数を卍の腕の部分(片持ち梁になっている)の機械的共振周波数と等しくすると、これが共振するので、低い印加電圧でも、上記振動状態を発生させることができる。
以上のように、卍構造を基板の平行の方向に、前記電圧により自在に制御して、変形させることができる。先に述べたように、光学素子の特性を主に支配しているのは、基板表面に平行な方向に関する形状、すなわち、平面図で示される形状であるので、従来技術よりも高い効率で光学素子の特性を変化・制御することができる。
また、圧電体がなくても以上のような制御が可能である。なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板10上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
本実施例の光学素子は、図5に示す作製プロセスにより、作製可能である。
また、卍型の形状としては、図16のように、直角以外の角度で曲がったものでもよい。作製方法、動作などは、すでに記述した実施例と同じなので省略する。
以上のような方法により、光学特性を電気信号などで準静的或いは動的に制御可能で、構造体が基板表面に平行な方向に変形可能な光学素子を作製できる。また、圧電体がなくても以上のような制御が可能である。
なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
<第4の実施例>
図10は、本発明の第4の実施例を説明するための図である。構成は図3とほぼ同じである。異なる点は光学要素の形状が十字ではなく、L型になっている点である。また、固定電極183がL字の間にある。図11は、固定部分の実施例を示したものである。この場合の断面図を図12に示す。
これらの図に基づいて本実施例を説明する。L字型の構造物については、アンカー以外の部分は、シリコン基板10の表面との間に隙間を設けてある。ここでは、シリコン基板10の表面の全面に絶縁膜17を残しているが、コンタクトホール周辺にのみ一部、絶縁膜を残す構造にしてもよい。また、固定電極182は絶縁膜17に設けてあるコンタクトホールを介してシリコン基板10に電気的接続され、かつ、シリコン基板10に固定されている。
図3と同様に、配線領域11と接続してある取り出し電極(図示せず)とシリコン基板10の間に電圧を印加する。これにより、先に述べた理由により固定電極182とL字構造物181の可動部分1811である腕の部分との間に電圧が印加される。
これにより両者の間に静電引力が生じ、図13(a)のように、L字構造物の腕の部分が互いに引き寄せられて、変形する。電圧をなくせば元に戻り、普通のL字型に戻る。印加する電圧の繰り返し周波数を高くすると、腕部分の変形が周期的に起きるが、腕部分の質量があるために、図13(b)に示すように、図13(a)とは反対の方向まで曲がるようになる。
特に、印加する電圧の繰り返し周波数をL字型構造物の腕の部分(片持ち梁になっている)の機械的共振周波数と等しくすると、これが共振するので、低い印加電圧でも、上記振動状態を発生させることができる。
印加する電圧の繰り返し周波数をL字構造物181の腕の部分(片持ち梁になっている)の機械的共振周波数と等しくすると、L字構造物181の腕(可動部分1811)は共振するので、図13(b)に示すように、図13(a)とは反対の方向まで曲がるようになる。また、印加する電圧を低くすることもできる。
以上のように、卍構造をシリコン基板10の平行の方向に、前記電圧により自在に制御して、変形させることができる。
先に述べたように、光学素子の特性を主に支配しているのは、シリコン基板10の表面に平行な方向に関する形状、すなわち、平面図で示される形状であるので、従来技術よりも高い効率で光学素子の特性を変化・制御することができる。
また、圧電体がなくても以上のような制御が可能である。なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
本実施例の光学素子は、図5に示す作製プロセスにより、作製可能である。
以上のような方法により、光学特性を電気信号などで準静的或いは動的に制御可能で、構造体が基板の表面に平行な方向に変形可能な光学素子を作製できる。また、圧電体がなくても以上のような制御が可能である。
なお、シリコン基板10と配線領域11の導電型を逆にしてもよく、この場合は配線領域11側に正の電圧を印加する。このような構造の光学要素をシリコン基板10上に多数並べることにより本発明の光学素子が形成される。
また、別の実施例を、図14に示す。ここでは構造体の平面的な形がV字型になっている。しかし、他の構成に関しては第1の実施例と同じであるので、その詳しい構造・動作に関しては省略する。
また、さらに別の実施例を図15に示す。ここでは構造体の平面的な形がU字型になっている。しかし、これに関しても、他の構成に関しては第1の実施例と同じであるので、その詳しい構造・動作に関しては省略する。
なお、静電引力だけでなく、構造体を圧電体や磁性体、バイモルフ構造にしても光学素子の特性を純正的および動的に制御することができる。
また、上記実施例では基板としてシリコン基板を用いた例を挙げたが、基板としては石英基板やガラス基板でもよい。
また、配線もシリコン基板に不純物拡散したものを挙げたが、これに限られるものではなく、ITO(酸化インジウムスズ、Indium Tin Oxide)などの透明導電材料や、金属材料でもよい。
また、上記実施例において、構造物の形状として卍型の代わりに逆卍型を用いてもよいことはいうまでもない。
本発明の第1の実施例を説明するための図である。 本発明の光学素子の作製プロセスを説明するための図である。 本発明の第2の実施例を説明するための図である。 本発明の第2の実施例における十字の腕の部分(可動部分)の動作(形状の変形)を説明するための図である。 本発明の第2の実施例の光学素子の作製プロセスを説明するための図である。 本発明の第3の実施例を説明するための図である。 本発明の第3の実施例の構造物の固定部分を説明するための図である。 本発明の第3の実施例の構造物の固定部分の構造例を説明するための断面図である。 本発明の第3の実施例における卍型の腕の部分(可動部分)の動作(形状の変形)を説明するための図である。 本発明の第4の実施例を説明するための図である。 本発明の第4の実施例におけるL字型構造物の可動部分、固定部分、および固定電極を説明するための図である。 本発明の第4の実施例のL字型構造物の固定部分の構造例を説明するための断面図である。 本発明の第4の実施例におけるL型構造物の腕の部分(可動部分)の動作(形状の変形)を説明するための図である。 本発明の第4の実施例におけるV型構造物を説明するための図である。 本発明の第4の実施例におけるU型構造物を説明するための図である。 卍型構造物の変形例(腕の角度が直角でない卍型の例)を示す図である。 従来技術を説明するための図である(非特許文献1;その1)。 従来技術を説明するための図である(非特許文献1;その2)。 従来技術を説明するための図である(非特許文献1;その2)。 従来技術を説明するための図である(非特許文献1;その3)。 従来技術を説明するための図である(非特許文献4)。 従来技術を説明するための図である(特許文献1)。
符号の説明
10:シリコン基板
11:配線領域
12:第一金属層
13:層間絶縁膜
14:第二金属層
15:静電引力
16:有機物(フォトレジストなど)
17:絶縁膜
18:金属層
181:L字構造物(金属層)
1811:可動部分
1812:固定部分
182:固定電極
20,21:コンタクトホール
22:V字構造物(金属層)
23:U字構造物(金属層)
100:光学素子
101:シリコンウエファ基板
102:金薄膜
200:光学要素
201、202:金属キラル層(金)
203:圧電体層
300:光学素子

Claims (3)

  1. 使用する光の波長よりも小さな寸法の構造物を基板上に複数形成し、前記光を前記構造物に照射するとともに、前記構造物の形状を前記基板と平行な方向に変形させることにより前記光の前記構造物からの反射光または透過光の特性を制御することを特徴とする光学素子において、
    前記構造物の形状の変形は、前記構造物に電圧を印加して生じる静電引力により行われるものであって、
    前記構造物の形状は十字型で、かつ、該十字型の中心寄りの部分を固定部分としていることを特徴とする光学素子。
  2. 使用する光の波長よりも小さな寸法の構造物を基板上に複数形成し、前記光を前記構造物に照射するとともに、前記構造物の形状を前記基板と平行な方向に変形させることにより前記光の前記構造物からの反射光または透過光の特性を制御することを特徴とする光学素子において、
    前記構造物の形状の変形は、前記構造物に電圧を印加して生じる静電引力により行われるものであって、
    前記構造物の形状は卍型または逆卍型で、かつ、該卍型または逆卍型の中心寄りの部分を固定部分としていること特徴とする光学素子。
  3. 使用する光の波長よりも小さな寸法の構造物を基板上に複数形成し、前記光を前記構造物に照射するとともに、前記構造物の形状を前記基板と平行な方向に変形させることにより前記光の前記構造物からの反射光または透過光の特性を制御することを特徴とする光学素子において、
    前記構造物の形状の変形は、前記構造物に電圧を印加して生じる静電引力により行われるものであって、
    前記構造物の形状はL字型またはV字型またはU字型で、かつ、これらの変曲点寄りの部分を固定部分としていることを特徴とする光学素子。
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