JP4489700B2 - 新規な相関及び数学モデルを用いた充填層系における空隙寸法の予測 - Google Patents

新規な相関及び数学モデルを用いた充填層系における空隙寸法の予測 Download PDF

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Description

この発明は、新規な相関及び数学モデルを用いた充填層系における空隙寸法の予測に関する。空隙寸法及びヒステリシスを記述するための空隙相関について、1次元数学モデルの解析解に基づく単純化された式が開発されてきた。提案された相関及び数学モデルは、溶鉱炉、溶銑炉、Corex(還元精錬)、触媒再生器等のあらゆる充填層系に適用可能な空隙寸法を予測する一般的な方法を提供し、さらに、粒子の摩擦特性が既知である場合に、他の研究者のデータをうまく表現することができる。開発された相関及びモデルは、上記した及び他の関連するプロセスを最適化するために直接使用することができる。
(充填層に関して:)
充填層において、種々の条件でその振舞を説明するため、粒子間及び壁-粒子の接触力が広く調べられてきた。F.J.ドイル3世,R.ジャクソン及びJ.C.ジネストラ、"ガスの交差流を有する環状移動層反応器におけるピン止め(pinning)現象"、Chem. Eng Sci, 41 (6) 1986 1485,について述べると、その中で彼らは、接触改質装置におけるピン止め効果を研究するため、交差流の移動層を理論的に研究した。彼らの解析は、気体抵抗、応力,及び重力を考慮した力平衡の方法に基づいている。彼らが表現した単純化モデルの問題は、(i)それが移動層内で応力の径方向の変化を任意に仮定していることにある。このため、彼らの数値は、限られた実験値より2倍大きい。(ii)彼らは、移動層反応器の壁の剪断応力が下方に働くと仮定している。(iii)解析は、移動層内で固体流が終わるまでの空隙の成長に限定されている。
V.B.アプテ,T.F.ウォール及びJ.Sトルーラブ:AIChEJ, 1990, vol. 36 (3), pp. 461-468, について述べると、その中で彼らは、2次元の充填層の底からの上昇ガス風によって形成される空隙の上方の応力分布を解析した。彼らは、羽口軸に一致する流線に沿う、圧力、層重量、及び摩擦力の間の1次元の要素力平衡を記載した。彼らのモデルの欠点は、(i)彼らが摩擦応力が常に上向きに働くと仮定したことである。(ii)彼らはヒステリシスの結果を示すことができなかった。(iii)彼らは、ガスの速度低下によるいかなる促進効果をも無視し、さらに(iv)空隙寸法を予測できなかった。主に彼らの研究は、速度増加における充填層の応力分布に専念したものであった。
J.F.マクドナルド,J.ブリッジウォーター、 Chem. Eng. Sci. , 1997, vol.52 (5), pp. 677-691, について述べると、その中で彼らは、固体の固定及び移動層における空隙形成の現象を研究し、次元解析を用いてその振舞いを統一した。彼らの相関の問題点は、彼らが交差流の摩擦力の重要性を認識していたにも関わらず、それを彼らの次元解析に含めることができなかったことである。
((製鉄、鉛、Corex(還元精錬)等)溶鉱炉に関して:)
溶鉱炉において、羽口と呼ばれるパイプを通ってガスがコークスの充填層に横方向に高速で導入される。このことは、羽口の前方にレースウェイ(管路:raceway)と呼ばれる空隙を形成する。プロセスに熱を供給するため、コークスはこの領域で燃焼される。そのため、コークス粒子はこの領域で消費され、レースウェイの頂上からの新しいコークス粒子によって補給される。そして、全体の装入原料は下方に降下する。レースウェイの大きさ及び形状は、炉の空気力学に影響し、そのため全面的な熱及び物質移動に影響する。このため、レースウェイは理論的及び実験的に広く研究されてきた。溶鉱炉の場合、表1に記載されたレースウェイの大きさを予測するため、多くの著者がレースウェイ相関を表現してきた。これらの相関のほとんどは、コールド(cold)モデル研究に基づいており、それらのいくつかはホット(hot)モデル及び工場データ研究に基づいている。
J.D.リスナー、G.S.グプタ、V.R.ルドルフ、及びE.T.ホワイト、CHEMECA'91 Conf., 1991ニューキャスル, オーストラリア, vol. 1,476、並びに、S.サーカー、G.S.グプタ、J.D.リスナー、V.ルドルフ、E.T.ホワイト及びS.K.コードハリー、Metall Trans., 2003,34B (2), 183-191について述べると、その中で、これらの相関のいずれも工業的条件でレースウェイの大きさを合理的に予測することができず、さらにそれらは互いに異なっている。全ての実験的な相関はフルード数の種々の形態に基づいているのが観察される。レースウェイの大きさは、層の高さ、モデルの幅及び羽口開口のような他の幾つかのパラメータと共に、この数によって慣習的に相関付けられている。
J.F.エリオット、R.A.バカナン、及びJ.B.ワグスタッフ: Trans. AIME, 1952, vol. 194, pp; 709-717. J.テーラー, G. ロニーand R. ヘイ: JISI, 1957, vol. 187, p330; J.B.ワグスタッフ及びW.H.ホルナン: Trans. AIME, March 1957, pp. 370-376. M.ハタノ、B.ヒラオカ、M.フクダ及びT.マスイケ: Int. ISIJ, 1977, 17, pp. 102-109; M.ナカムラ、T.スギヤマ、T.ウノ、Y.ハラ及びS.コンドウ:鉄と鋼, 1977, vol 63, pp. 28, について述べると、その中で、これらの相関(表1を参照)は、系統的な研究、つまり次元解析を適用して関連する群を見出す研究に基づいて発展したものでないことがわかる。
一方、P.J.フリント及びJ.M.バージェス: Metall : Trans., 1992, vol. 23B, pp. 267-283 並びにJ. スツェケリー及びJ. J. ポベロモ: Metall. Trans. , 1975, vol. 6B, pp. 119-130.により、実際の理論式を論理的に単純化することによって、理論的な相関が得られている。
これらの相関はより系統的である。さらに、2次元及び3次元モデルのためのすべての経験的相関は、速度が増加する場合に得られている。
ここで、ガス速度の増加又は減少のいずれで測定されたかによって、同じガス速度で2つのレースウェイ寸法が得られることに言及する必要がある。この現象は、レースウェイヒステリシス(履歴)と呼ばれる。J.D.リスナーら1991及びS.サーカーら2003に対する言及がされ、その中で、履歴現象が詳細に記述され、速度減少の相関が溶鉱炉により相応することが報告されている。
速度増加及び減少の場合にレースウェイ寸法がおよそ4倍変化するため、レースウェイ寸法は溶鉱炉内の熱、質量、及び運動量の移動の予測に相当な影響を与え得る。この際、本研究で開発された相関/数学モデルの背景がこの現象に基づいているため、レースウェイ履歴について言及されるべきである。S.サーカーら2003. について述べると、その中で、彼らはレースウェイ履歴現象について詳細に説明し、さらにレースウェイ履歴が彼らの実験結果に基づく以下の式によって表現され得ると提案している。
圧力−層質量±摩擦力(応力)=0 (1)
この式の物理的説明は、レースウェイが広がると、レースウェイ近傍及びその上の粒子が上方に押されることである。そのため、摩擦応力は粒子のこの動きと反対の傾向にあり、そのため下方に働いて完全に激しくなる。送風速度を最大値から低下させ始めると、レースウェイ上の粒子が落下し始める。そのため、この動きに対抗して摩擦力が働き、上方に向かって徐々に大きさが増大し始める。上方に働く摩擦応力がひとたび完全に激しくなると、送風速度のさらなる低下がレースウェイ侵入を減少させる。式(1)の摩擦力項のプラス記号は(速度減少のため)上方に働く空隙壁摩擦を表し、マイナス記号は(速度増加のため)下方に働く空隙壁摩擦を表す。圧力は常に上方に働き、層質量は常に下方に働く。
(本発明の目的)
本発明の主な目的は、上記に詳述した問題を防止する新規な相関及び/又は数学モデルを用いた充填層における空隙寸法の予測方法及びシステムを提供することにある。
(発明の記述)
従って、本発明は新規な相関及び/又は数学モデルを用いた充填層における空隙寸法の予測方法及びシステムを提供し、それは、(先行技術で議論した)力平衡アプローチに基づく1次元数学モデルの開発を含むのと同様に、層の高さ、羽口開口、空隙率、種々の材料の摩擦及び物理的性質、気体流速並びにモデルの幅のような変数を持つ2次元コールドモデル実験についてのπ−定理に基づく2つの相関の開発を含み、2つの相関はそれぞれガス速度の増大及び減少に対するものであり、さらに本発明は、空隙ヒステリシスを記述して充填層内の空隙/レースウェイの大きさ及び最小噴出速度/不安定度を予測するため、かつその後に空隙寸法について相関及びモデルの結果を実験及び刊行された/工場データと比較するため、開発された式を圧力、摩擦力及び層高さについて解析的に解くことを含む。
本発明の一実施形態において、摩擦力の方向を明確にすると共に、充填層のヒステリシスを記述するため、その論理的説明を与える。
本発明の他の実施形態において、速度減少のデータが溶鉱炉の操作に相応することを明らかにする。
さらに本発明の別の実施形態において、質量モデルによって、それを超えると不安定になる充填層内の最大操業ガス速度を与える。
(発明の詳細の説明:)
従って、本発明は、相関又は数学モデルを用いた溶鉱炉の充填層系におけるコンピュータに基づく空隙寸法の決定方法を提供し、前記方法は:
(a)前記充填層系の材料特性に関するデータを取得し;
(b)それぞれ:
である応力/摩擦力を含む数学モデルを用いてガス速度の増加及び減少に対して空隙半径を計算し;又はそれぞれ:
である相関に基づく数学式を用いてガス速度の増加及び減少に対して空隙半径を計算し、及び
(c)ステップ(b)で得られた前記空隙半径を用いて前記空隙寸法を計算するステップを有する。
本発明の一実施形態において、前記充填層の材料特性に関するデータは、層の高さ、羽口開口、空隙率、壁粒子の摩擦係数、粒子間摩擦係数、ガス速度、モデル幅及び粒子形状因子を含む充填層の材料特性に関連する。
本発明の他の実施形態において、前記充填層の材料特性に関するデータは、既に得られた実験データ又はオンラインデータを含む。
本発明のさらに他の実施形態において、式28及び29の摩擦力(Fwd)は:
によって与えられる。
本発明の別の実施形態において、式33によって与えられる速度増加相関を用いて前記空隙半径を決定するため、重要な無次元数を得るためのπ−定理の使用が開発され、
ここで、記号は、溶鉱炉半径W、有効層高さH、送風速度V、羽口開口D、空隙率ε、ガス粘度μ、粒子の大きさd、形状因子φ、ガスの密度ρ、固体の密度ρ、壁摩擦係数μ、重力加速度gであり、粒子の有効直径はdeff=dφで与えられ、層の有効密度はρeff=ερ+(1−ε)ρで与えられ、壁粒子摩擦係数はμ=tanφで与えられ、ここでφは壁と粒子の間の摩擦角であり、Dは空隙直径であり、すべての単位はSIである。
本発明のさらに別の実施形態において、式36によって与えられる速度減少相関を用いて前記空隙半径を決定するため、重要な無次元数を得るためのπ−定理の使用が開発され、
ここで、記号は、溶鉱炉半径W、有効層高さH、送風速度Vb、羽口開口Dt、空隙率ε、ガス粘度μg、粒子の大きさdp、形状因子φs、ガスの密度ρg、固体の密度ρs、壁摩擦係数μw、重力加速度gであり、粒子の有効直径はdeff=dpφsで与えられ、層の有効密度はρeff=ερg+(1−ε)ρsで与えられ、壁粒子摩擦係数はμw=tanφwで与えられ、ここでφwは壁と粒子の間の摩擦角であり、Drは空隙直径であり、すべての単位はSIである。
本発明の他の1つの実施形態において前記充填層系は、溶鉱炉、溶銑炉、還元精錬、触媒再生器のいずれか一つを含む。


あらゆるガス−固体プロセスにおいて、その性能を決定する均一なガス及び固体分布を得ることが重要である。充填、噴流、及び流動層は、これらの範疇に該当すると共に工業的に広く使用されている。これら全ての層の共通点は、これらがヒステリシス(履歴)を示すことである。図1は、空隙直径とガス速度の間の空隙ヒステリシス図であり、ヒステリシス(履歴)の存在を明らかに示す。この図から、ガス速度の増加とともに空隙の大きさが増加することが明らかである。ガス速度が最大値(A)から減少した時、空隙寸法は最初は殆ど変化しない。しかし、臨界速度に達すると(B)、空隙寸法は速度の減少とともに減少するが、速度増加時の同一速度におけるものより常に大きい。これが空隙ヒステリシス現象である。充填層に見られる空隙ヒステリシスは、流動層に見られるヒステリシスと同様である。
ここで、空隙寸法を予測し、充填層におけるヒステリシスのメカニズムを記述するため、我々は式(1)に基づく1次元理論モデルを提示する。又、我々は、π−定理を用いた新規な空隙/レースウェイ寸法の相関を提示する。式(1)の種々の項は、以下の数式で表現される。
(モデルの定式化)
図2に示すような高さH及び幅Wの2次元固体充填層を考える。ガスはスロット式ノズルの開口Dを通して所定の送風速度vで横方向に吹き込まれ、その前方に半径R相当の空隙を形成する。ρ及びμはそれぞれガスの密度及び粘度である。dは粒子直径であり、εは層の空隙率である。D.アカマツ、M.ハタノ及びM.タケウチ、鉄と鋼58(1972)20,は空隙内の圧力を測定し、圧力分布が比較的均一であることを見出した。そのため、ガス速度が同心円に沿って変化しつつガスが空隙の中心から放射状に周囲の充填層に流入すると仮定するのは妥当である。他の幾つかの実験的及び理論的研究 (スツェケリー及びポベロモ (1975), フリント及びバージェス(1992), V. B. アプテ, T. F. ウォール及びJ. S.トルーラブ, 2次元充填層の高速噴流によって形成された空隙中のガス流, Chem Eng Res Des 66 (1988) 357, 並びに, M.ハタノ, K. クリタ及びT.タナカ, Ironmaking Proc. Iron Steel Soc 42 (1983) 577)によれば、空隙内に等圧条件が仮定されている。上方に移動するガスの速度は、r方向(空隙の中心からの距離)と共に変化するが、角度方向に変化しない。
ガスによって加えられる圧力:空隙中心からおよそr=r0の距離より後の出口層速度で、ガス速度がほぼ一定になることが報告されている(フリント及びバージェス, 1992及アプテら., 1990)。この距離での対応する速度はv=vHである(図2を参照)。ノズル及び空隙の中心からの距離r0におけるガスの質量流量が等しいとすると、
ρvbDT=ρ(2πr0−DT)vH 又は、vH=vbDT/(2πr0−DT) (2)
が得られる。又、ノズル及び層表面における送風の質量流量が等しいとすると、
ρvbDT=ρWvH 又は、vH=vbDT/W (3)
が得られる。
(2)、(3)から、
r0=(W+DT)/2π (4)
が得られる。
空隙中心からr0の距離より後ろでガス速度は一定になる。この観察は、フリント及びバージェス, 1992によってコンピュータ的に確かめられた。アプテら., 1990の実験データの解析は、式(3)及び(4)の正当性を証明する。
v(r)を空隙中心からrの距離におけるガス速度とする。ノズル開口及び空隙の中心からの距離rにおける質量流量が等しいとすると、
ρ(2πr−DT)v(r)=ρvb DT 又は、vH=vbDT /(2πr−DT) (5)
となる。
上記式に基づき、モデル化された速度プロファイルは、
v(r)=vbDT /(2πr−DT) ,r<r0
=vH ,r≧r0 (6)
で記述される。
そのため、上方に移動するガスの速度は、空隙中心からrの距離(半径領域)に至るまでは距離と逆に変化し、これを超えると一定になる(直交(cartesian)領域)。
流動層の流体抵抗に対し、多くの研究者はリチャードソンーザキ(Zaki)相関を広く用いてきた。同様に充填層において、ガスによって固体に加えられる単位体積当りの力は、有名なエルガン(Ergun)の式から得られ、
ここで、
であり、φsは粒子の形状因子である。実際には、半径領域のガス速度は高い。この高速では、慣性項に比べて粘性項は無視でき、すなわち、αv(r)≪βv2(r)である。そのため、ガスによって固体に加えられる力は
で与えられる。
同様に、直交領域でガスによって固体に加えられる力は
となる。
さらに、(W+DT)/π=(2r0)は最大円の直径であり、各種の速度領域において、図4に示すように、それを通ってガスが放射状に流出して直交領域に入る。zは、羽口レベルからの充填層の可変高さである。式(9)を積分すると、
F2=(α+βvH)vH[(W+DT)/π][H-(W+DT)/2π]=(α+βvH)vH(2r0)(H-r0) (10)
が得られる。それゆえ、空隙より上方の固体に対して(速度増加又は減少における)ガスによって加えられる合計の力は
Fpr-f=F1+F2
によって与えられる。
(直交領域(速度減少)における摩擦力の決定):
速度減少において、粒子−壁摩擦力は前記したように上向きに働き、z軸が羽口レベル又は空隙の中心から上向き方向に沿う図3に他の力と共に示される。上向きに働く法線応力(σ)が層表面からのあらゆる距離zで一定であると仮定する。dzは成分平衡となる薄層の厚みである。σ+dσが距離z+dzで下向きに働く拘束応力であり、τwが粒子−壁摩擦応力であるとする。Mは単位体積当りの層質量である。
成分に働く力を等しいとすることにより:
+dσ)×W×1+M×W×dz×1=σ×W×1+2τw×dz×1+dP×W×1 (11)
が得られる。
右辺の第2項の係数2は、壁の両側に働くτwに起因するものである。dPはガスによって成分に加えられる単位面積当りの力であり、=(-∂p/∂z)dzである。
以下のジャンセン法(H. A. ジャンセン, Versuche uber getreidedruck in solozellen. Ver. Deutsch. Ing. Zeit. 39 (1895) 1045)において、鉛直応力(σ)と水平応力(σx)とは主応力であると仮定する。そのため、粒子−壁摩擦応力は、τw=μwのように記述される。ここで、K=((1-sinφ)/(1+sinφ))は横方向圧力係数Kであり、φは内部摩擦角である。μwは、層壁と粒子の間の摩擦係数である。τwの値を式(11)に代入し、幾つかの単純化を行うことにより、
を得る。
Z=H,σ=0という境界条件を用いると、式(12)の解は
となる。ここで、C=2μw K/Wは層支持因子である。式(13)の右辺の第1項は有効層質量であり、第2項は上向きのガス圧力抵抗を表す。層の均一ガス流、すなわち一定の-∂p/∂z(=αvH +βvH 2)において、(式(3)からvH の値を置換した後の)式(13)は
に変形される。
ガス流が存在しない状況では、すなわち固定層では、式(14)は
に変形される。
これは古典的ジャンセン式であり、あらゆる水平断面で一定のσを仮定する。(H-z)→∞となる深い層では、上記式はσ=M/Cとなる。
CはW, μw及びKの関数であり、そのため粒子−壁の摩擦支持(frictional support)の尺度である。Cが大きいことは、粒子−壁の摩擦支持が大きく、そのため有効層質量が小さいことを意味する。Cは又、モデルの幅に反比例する。モデルの幅が広くなるにつれて、Cの値は小さくなる。式(15)から、limC→0σ=M(H-z)になると、C=0で層質量は静水頭に相当するものとして伝達されることを意味する。
直交系でこの領域に働く粒子−壁摩擦力を決定することは重要である。速度一定の領域において、距離2r0にわたる領域に上向きに働く粒子−壁摩擦力Fwd2は、粒子−壁摩擦応力τwに面積を乗じ、それをz= r0からz=Hまで積分することによって得られる。
(半径領域における摩擦力):
直交領域と同様、半径領域の成分平衡が図4に示される。半径方向に沿うすべての力を分解し、円形成分の表面部分の力を釣り合わせると、
が得られ、ここで、drは成分が平衡する円形部分の厚み、σrは半径rにおける半径応力であり、σr+dσrは半径r+drにおける拘束応力である。τwは、上向きに働く粒子壁摩擦応力である。nは空隙面積全体に対する空隙の表面部分の寄与因子であり、hは鉛直力を半径方向に分解することによって生じる因子であり、そのため
である。
σr及びσθが主応力であると仮定すると、τwwσθwr (19)となる。
τwとdPの値を式(17)に代入して積分すると、
が得られる。
速度が極めて高い空隙領域に近づくと、上記式の第2項が極めて高くなって応力が低下する。積分定数Aは、半径及び直交領域の界面における境界条件、つまりr= r0rzを用いて計算することができる。そして、式(20)は、
にように記述される。
上記式において、層質量(M)を含む項が追加されると有効層質量を与え、送風速度(vb) を含む項が追加されると上向きの有効ガス圧力抵抗を与える。以下のように、鉛直方向に分解されたτwに面積を乗じ、それをr=Rからr= r0まで積分することによって壁摩擦力が得られる。
ここで、p=hは、半径方向の力を鉛直上向き方向に分解することによって得られる因子である。積分により、式(22)は
のように記述される。
(速度増加時の成分の力平衡):
s. ラジニーシ, M. E. (Int.)学位論文, インド科学協会,バンガロール,9月.2000 及びCSIR報告No. 22 (285)/99/EMR-IIに報告されているように、速度減少に対して行われたのと同様な方法でそれを行うことができる。
((速度減少についての)空隙表面の力平衡)
式(8)から、鉛直上向き方向において(それを分解した後)、速度変化領域でガスによって空隙表面に加えられる圧力は
によって与えられる。
そのため、鉛直上向き方向に、ガスによって固体に加えられる力の全体は
である。
同様に、鉛直上向き方向に働く粒子−壁摩擦力の合計は
Fwd=Fwtd1+Fwd2 (26)
であり、Fwtd1及びFwd2はそれぞれ式(23)及び(16)によって与えられる。
層質量が空隙の天井部分(roof)に静水圧的に伝達されると仮定する。簡単のため、空隙形成への横からの層質量の寄与は無視されると仮定する。そのため、空隙の天井部分の表面における層質量は
=層質量/面積×空隙頂上(top)部分の面積=M(H-R)×n(2πR)×1 (27)
である。
ここで、"n"は空隙面積への空隙頂上部分の寄与の因子である。
すべての力(式25、26及び27)を式(1)に代入し、さらに単純化を行うことにより、前記式を空隙半径Rで記述することができる。
式(28)をRで解くと、速度減少の場合の空隙半径及び空隙直径Dr=2Rが与えられる。
同様に、速度増加の場合に空隙への力の釣り合いを行うと、上記で説明したのと同様にして空隙半径を得ることができる。
(レースウェイ/空隙寸法の相関):
(速度増加の場合(バッキンガムπ定理の使用))
レースウェイは、ガスによって加えられる圧力、層質量、及び力平衡式(1)によって記述される摩擦力の間の平衡によって形成される。ガスによって加えられる圧力は慣性及び粘性力を含む。ガスによって加えられる慣性力は、送風速度(vb,m/s)、ガスの密度(ρg,kg/m3)及び羽口開口(DT,m)によって決まる。ガスによって加えられる粘性力は、ガスの粘度(μ,Pa.s)及び粒子直径(dp,m)によって決まる。充填によって加えられる層質量は、固体の密度(ρs,kg/m3)、重力加速度(g,m/sec2)、層の高さ(H,m)及び層の空隙率によって決まる。摩擦力(又は応力)は、内部及び壁の摩擦角によって決まり、このことは、壁−粒子摩擦係数μw、及び粒子間摩擦係数νを導入する要因となる。レースウェイの侵入に影響を与えるよう、実験中に変化させるために最後に層の幅Wが取得される。
Dr=f(ρeffg,vb,g,deff,μ,DT,H,W,μW,ν) (30)
言い換えれば、充填層のレースウェイ直径(Dr,m)は、充填に用いられる材料特性、羽口から吹き込まれるガスの特性、幾何学的因子、及び摩擦因子等の関数である。
粒子の有効直径はdeff=dpshで与えられ、ここでdp=粒子直径、sh=粒子の形状因子である。層の有効密度はρeff=ερg+(1-ε)ρsで与えられる。壁-粒子摩擦係数はμW,=tanφWで与えられ、粒子間摩擦係数はν=tanφで与えられる。ここで、φ及びφWはそれぞれ、粒子間の内部摩擦角及び壁粒子間の摩擦角である。
変数の総数が12であり、それに関して変数を表現できる独立変数の数が3であるため、バッキンガムπ−定理によって得られる無時限項の数は9である。π−定理を用いると、レースウェイ直径に対する相関は:
のように得られる。
他の幾つかの項が既にこれらの量を表現しているため、dp及びDTを含む項は省略されている。同様に、2Dコールドモデルでは壁粒子摩擦が粒子間摩擦より支配的であるため、νは無視されている。さらに、φの値はガス流速(R.ジャクソン及びM.R.ジャッド,粉末流動性に対する通気効果の更なる検討, Trans IchemE, 59 (1981) 119)と共に変化し、それを単一の値で指定するのを難しくさせている。
右辺の第1の無次元項は、圧力低下に関する。第2項は重力に対する慣性力の比を与えるフルード数である。これは、ガス/固体/液体系を記述するのに用いられる。以前の多くの著者は、レースウェイの大きさをこの数と相関付けてきた。第3項は有名なレイノルズ数である。式(30)の左辺の項はレースウェイ侵入因子として知られている。
速度増加の場合に得られる実験値から、無次元項の値が見積もられる。定数a,b,c,d,e,f及びkを決定するため、結果のデータが回帰分析に供せられる。得られた定数の値は、a=0. 79, b=0.81, c=0.0035, d=0. 88, e=0.89, f=-0. 24 及びk=243. 5である。これらの値から、レイノルズ数は重要度が最も低いことが明らかである。他の全ての因子は重要である。そのため、レイノルズ数の項を無視した後、回帰分析を再度行うことにより、係数としてa=0. 79, b=0.81, d=0.85, e=0.88, f=-0. 23 及び k=247を得る。レイノルズ数を無視した後で、係数の値に大きな変化がないことが観測され得る。レースウェイの実験が行われる間、慣性条件が優勢であるためにレイノルズ数の効果は無視できる。係数a,b,d及びeの値が極めて類似しているため、それらを1つの無次元項に集めることができ、相関の単純化した形態は:
のように記述される。
回帰分析を再度行うことにより、係数の値としてa=0. 80, b=-0.25 及び k=164が得られる。相関のR2値は0.96と求められた。そのため、速度増加に対する相関の最終形態は:
である。
(速度減少の場合):
既に述べたレースウェイ直径に対する相関は:
によって与えられる。
定数a, b, c, d, e, f, 及び kを決定するため、ガス速度減少の場合に得られた実験データについて回帰分析が行われた。得られた定数は:a=0. 60, b=0.62, c=-0.024, d=0. 51, e=-0. 095, f=-0. 235 及び k=3.3612である。相関のR2値は0.96と求められた。
前述のように、その係数cが極めて小さいため、レイノルズ数を無視することができる。他の係数a,b,及びdの値が極めて類似しているため、それらの無次元項を1つの項に集めることができる。このようにして、相関の単純化した形態は:
のように記述される。
ここで、k,a,b,及びcは回帰分析によって再度決定される必要がある。上記式を用いて回帰分析を行うことにより、速度減少に対する相関の以下の最終形態が得られる。
相関のR2値は0.96と求められた。
式(32)及び(35)は、それぞれ速度増加及び減少における好ましいレースウェイ寸法の相関である。層高さ及び羽口開口は、速度減少よりむしろ増加において重要な役割を果たすことは興味深い。これらの相関から得られる結果は実験及び工場データと比較される。
ガス速度減少の間にされるレースウェイの測定が溶鉱炉の操業に相応することが文献に報告されてきた。しかしながら、ガス速度の減少及び増加のいずれに対しても、体系的研究に基づいて開発されたレースウェイ相関は得られておらず、さらに材料の摩擦特性に留意した相関も得られていない。そのため、体系的な実験研究がレースウェイヒステリシスについて行われた。実験データに基づき、次元解析を用いることで、それぞれガス速度の増加及び減少についての2つのレースウェイ相関が開発された。
又、最近の研究において、圧力及び層質量項と共に、応力の効果が数学的に検討されている。これらの3つの力は数式で記述され、力平衡の方法を用い、1次元の場合に解析的に解かれている。
力平衡の方法に基づき、それぞれの場合、即ち速度の増加及び減少について空隙寸法を予測するための一般式が得られている。これらの相関の結果及びモデルは、幾つかの実験データと共に、コールド及びホットモデルの文献から得られたデータ、並びに工場データと比較されている。(相関及びモデルを用いた)予測と実験値との間に優れた一致が見出された。提案された理論はあらゆる充填層系に適用可能である。速度の増加及び減少の場合で摩擦力の符号の反転を考慮することにより、充填層のヒステリシスの機構を合理的に記述できることが示される。
(実験計画):
実験手続きを記載する前に、様々な研究者によって使用された2次元装置(G. S. S. R. K.サストリー, G. S. グプタ及び A. K.ラヒリ, Ironmkg & Steelmkg, 30 (1) (2003) 61)の2つのタイプを区別する必要がある。
これらは、擬似的2次元モデル及び2次元モデルに分類される。2次元モデルにおいて、矩形溝形状の羽口は、モデルの全厚みを横切って導入される。このことは、全幅にわたって送風速度を一定にすることを確実にし、噴流は第3次元に広がらない。このようにして、現象は厳格に2次元に制限される。擬似的2次元モデルでは、モデルの縦中央断面に置かれた羽口(普通は円形)を通って空気の噴流が導入され、効果が視認できる側壁から現象が観察される。羽口前方の噴流はあらゆる方向に広がることができるが、羽口軸と垂直な方向への噴流の広がりに起因した効果は無視できると仮定する。フリント及びバージェス (1992),リスナーら. (1991) サーカー(1993), 及び G. S. S. R. K. Sサストリー, G. S. グプタ及び A. K.ラヒリ, Int. ISIJ, 43 (2) (2003) 153によるものを除き、レースウェイの多数の研究は擬似的2次元モデルについて行われてきた。2次元モデルのみがより良い精度を与えるため、今回の研究では2次元モデルのみが用いられた。
レースウェイ寸法は、材料の物理及び摩擦特性、並びに実験設定のための幾何学的因子の関数であるものとされる。そのため、ガス速度の増加及び減少の両方において、これらの因子の関数としてレースウェイ寸法を得るために多くの実験が行われた。表2は、実験中に用いられた実験変数と共に、種々の変数(幾何学的)の範囲を示す。壁効果を避けるため、実験中に用いられた全ての粒子は、粒子直径に対する装置厚み(開口)の比が常に12倍以上となっている。全ての実験は、膨張を防ぐために鉄の棒を用いて強化された2次元コールドモデルで実行された。PVC溝の羽口が使用された。装置の概略図が図5に示される。
層は好ましい材料により、羽口レベルより上の好ましい層高さになるまで充填された。
レースウェイを形成するため、室温の空気が送風ガスとして用いられた。羽口への空気の流速は、レースウェイが丁度形成され始める時点まで次第に増加され、その後ただちに止められた。この手続きは、層が満たされたときに羽口に入った羽口のビーズ(bead)を除去するために必要であった。それから、空気の流速は、0から層の流動限界に至るまで段階的に徐々に増加された。個々の段階で、レースウェイ寸法が平衡に達するまで2分間放置された後、定規を用いてレースウェイ境界を透明な方眼紙上に透写することにより、レースウェイ侵入(ガスの導入方向の大きさ)及び高さが直接測定された。実験における最大ガス流速に達すると、流速は同じ段階を経て減少させられた。レースウェイ侵入及び高さは同一の方法で測定された。各実験は少なくとも3回繰り返された。しかしながら、平均値が報告された。
実験に用いられる材料の種々の物理的特性が表3に記載される。
レースウェイ寸法を得るため、装置の大きさ、層高さ、羽口開口、ガス流速及び材料特性を変えることによって数110の実験が行われた。
(科学的な説明):
以下に、実験装置番号1及びポリエチレンビーズ(表2、3参照)を考慮した、開発された数学モデルに基づく計算結果が提示された。壁及び粒子間の摩擦角が剪断装置を用いて測定され、それぞれ15.6及び38となった。しかし、空気中での粒子間摩擦角を知るため、ジャクソン及びジャッド(1981)によって提案された式が用いられ、平均ガス速度40m/sで内部摩擦角の値として28を与えた。羽口レベルより上の充填層の高さ(H)は1mである。モデルの全幅(W)及び厚みはそれぞれ1m及び0.1mである。r0 [=(W+DT)/2π]の値は0.16mである。そのため、系は0.16mから1m(層表面の最上部)の間で直交(cartesian)である。実験的に測定されるnの値は0.8であった。ヒステリシス現象が正確に理解されるよう、実験、装置データを理論/相関と比較する前に、充填層の応力及び圧力の挙動を示すことは価値がある。
式(14)及び(21)はそれぞれ直交及び半径領域における応力分布を記述する。図6は、空隙領域上の充填層内における応力分布を距離の関数として示す。40m/sにおける速度の減少及び増加の両方に対し、層の頂上から空隙の天井部分までの応力がプロットされた。いずれの場合も、速度一定の領域では(すなわち、z = 0.0m から z = 0.84m)、速度減少により法線応力は増加する。これを超え、すなわち半径領域では、応力は増加し続ける。半径応力の増加は、空隙の天井部分から数センチメートル離れたところでそれが最大値に達するまで続く。この最大値に達した後、空隙の天井部分に近づくにつれて応力は急速に減少し始める。式(20)を詳しく調べることにより、圧力勾配項が半径領域における応力のこの挙動の原因であると推定することができる。このことは、増加及び減少の場合について、圧力勾配が層表面からの距離に対してプロットされた図7から同様に理解することができる。
エルガン式(7)によって与えられる圧力勾配は直交領域では一定であるが、半径領域では空隙中心からの距離の関数であり、空隙の天井部分に近づくと漸近的に増大する。図7から、(空隙の天井部分に近い)圧力勾配の値は、速度一定の領域における圧力勾配の値より2桁大きいことが明らかである。
空隙の近くの極めて高い圧力勾配は、空隙の天井部分近くでの半径応力の減少の原因である。法線応力は、速度増加において速度減少より常に大きく、これは前者の場合7の方が常に圧力低下が大きいからである。このことは、速度増加において空隙寸法がより小さいことの理由の1つである。
提案された理論を検証するため、実験及び刊行されたデータが理論的予測と比較され、その結果が以下に提示される。
測定された(刊行されたもの、アプテら(1990))静水圧と、本理論との比較が図8に示される。激しい圧力変動のため測定誤差が最大30%となるレースウェイの天井部分の近くを除き、測定されたものと理論的データとは良く一致している。又、測定用探針(probe)の位置のわずかな違いが極めて異なる結果をもたらす。上記した因子に加え、文書に報告された実測静水圧の値に矛盾がある。例えば、文書の表ではレースウェイの大きさが0.041mであるのに、図は0.035mを示す。同様に、報告された層高さは0.5mであるのに対し、図は0.55mを示す。しかし、比較のため、我々は文書に記述された表から操業データを取得した。アプテら(1990)の刊行された圧力勾配の値(圧力測定曲線から導出した)は又、ここに公表されていない本理論とよく一致する。
式(28)から、他の因子が既知の場合に空隙半径Rを解くことができるのが明らかである。速度増加における空隙寸法の予測が図9に与えられる。この図からわかるように、速度が増加し始める時、臨界速度に達するまでは空隙は形成されない。ガスによって加えられる圧力が摩擦力及び層高さを乗越えることができないため、当初は空隙が形成されない。
その後、速度(又は圧力)がこれらの力を乗越えるのに充分高くなると、空隙が形成し始める。この時点を越えて速度が増加すると、空隙寸法は増加し続ける。換言すれば、層が静止した(ガス流れが無い)状態では、(層の充填物間の粒子の下向きの動きのため)摩擦が上向きに働いている。ガスが導入されるとすぐに、ガスによって加えられる力に摩擦が抵抗しようとする。速度増加とともに圧力が増加し続けると、摩擦力が逆向きに働き始め、空隙の形成が起きると充分に高まる。図9は又、空隙寸法の実験値(サーカーら、2003)と理論値との比較を示す。実験誤差の範囲内で極めて良い一致が存在する。
図10は、理論及び実験的な空隙ヒステリシスを比較する。理論的予測における空隙寸法が一定の領域が以下の議論に基づいてプロットされる。
理論的に、特定のガス速度において(図6参照)、法線応力(そして摩擦力)は速度増加の場合の方が速度減少の場合より大きいことが見出された。速度増加の場合において、最大ガス速度での摩擦力が知られており(速度減少(26)におけるのとほぼ同様の式から)、さらに最大空隙寸法が知られている。速度減少における摩擦力が速度増加の場合の最大ガス速度に対応する摩擦力と同等又はそれより低い値になるまで、速度減少の場合の最大空隙侵入はそれぞれのガス速度で一定であると見られる。換言すれば、速度減少の場合の摩擦力は、速度増加の場合の最大ガス速度に対応する摩擦力とほぼ同等になった時に充分に高まると推測される。そのため、速度増加の場合の最大送風速度で得られる値より低い値が得られるまで、速度減少の場合の空隙寸法は一定に保たれる。上記した議論に基づき、図9に示されるように、送風速度に対して空隙侵入があまり変化しない領域の結果を示すことができる。ガス速度の減少において2つの値の間に妥当な一致が見られる。値のわずかな不一致は2つの理由に帰することができる。
第1に、空隙の測定の実験中、その大きさは±2個の粒子の直径だけ変化する。図9、10から見られるように、理論値と実験値との差は2個の粒子の直径より大きくない。第2に、内部及び壁の摩擦角は、テルツアーギ, K., ペック, R. B. 及びメスリ, G. 1996 技術的手法における土質力学 第3版 ジョンウィリー、ニューヨーク, 並びにジャクソン及びジャッド(1981)によって報告された、間隙水圧の変化と共に変化する。あらゆるガス速度において、これらの角度の一定の値が本研究において考慮されている。いずれにせよ、力平衡における摩擦力を用いることにより、速度増加及び減少の場合の空隙侵入をかなり正確に予測可能であると結論付けることができる。
図11は、理論的ヒステリシス曲線と共に、摩擦力を考慮せずに空隙直径に対してガス速度をプロットしたものを示す。ガスの運動量と層質量項に基づく力平衡の手法が正しい結果を与えないことが明らかである。
確かに摩擦力は充填層の振舞いを記述するために重要な役割を果たす。さらに、両方の場合、すなわちガス速度の増加及び減少においてそれらが1組のデータしか与えないため、これらの2つの力はヒステリシス現象を説明できない。
(議論、新規性及び進歩性:)
この研究を通して2つの重要な観察結果が得られた。第1に、図11に示すように、ヒステリシス現象を記述するすべての力平衡において、摩擦力は重要な役割を果たす。これらの摩擦力を考慮した後にのみ、充填層、流動層又は噴流層の振舞いを正確に記述することができる。チノンタイズ, S. C. 及びジャクソン, R. 1993 安定流動の間のガス流動層の力学J. Fluid Mech. 255, 237-274,は壁−粒子摩擦力を無視していた。
彼らはそのことの重要性を理解していたが、結果を説明するためにそれを考慮に入れることができなかった。実際、ここに提示した理論から、壁−粒子の角度が小さくなるにつれて層のヒステリシスが低下する(そして、空隙寸法が増加する)ことが見出されており、これはサーカーら(2003)によって報告された実験と定性的に一致する。事実、摩擦が完全に取り除かれた場合、我々はヒステリシスが全く存在しないと主張するであろう。明らかに、摩擦はヒステリシスに顕著な効果をもたらし、無視できないものである。第2に、先行技術の項で初期に説明したように、文献では応力の方向の扱いに幅広いタイプの違いがある。ここに提示した理論とサーカーら(2003)によって行われた実験とにより、固体の上向き又は下向きの動きによって摩擦力の方向が変化することを我々は明確に示した。この理論から、送風速度が増加している間、摩擦力が下向きに働くことが明らかである。しかし、アプテら(1990)はそれを上向きで考慮している。ドイル3世ら(1986)の場合、固体の下向きの動きがあるため、剪断応力が上向きに働く。彼らはそれを下向きに考慮している。圧力は常に上向きに働き、層質量は常に下向きに働く。実際、チョン, Y. C. , テオ, C. S. &レオン, L. S. 1985 流体力学辞典.シェレミシノフ, N. P. (Ed) 4,1127-1144, は流動層におけるヒステリシスの説明において、そのことについても言及した。チノンタイズ及びジャクソン (1993)は、空隙率に関連付けた圧縮及び引張り応力の複雑な仮定を導入することにより、流動及びバブリング型(regime)のヒステリシスの説明を試みた。充填層の空隙率に顕著な変化がないため、上記した考えは適用できない。
静止/移動層のガス速度が増加及び減少する場合の空隙寸法を予測するため、2つの新しい相関が開発された。これらの相関は系統的な実験研究に基づいて開発され、粒子状物質の摩擦特性に留意して次元解析が適用された。先行技術の項で議論したように、系統的な方法でこの相関を以前に研究し、開発した者はいなかった。同様に、我々によって提案された力平衡の方法に基づく1次元の解析的数学モデルが新たな理論として開発され、さらに先行技術の項で議論された。この場合も、このようなモデルを開発した研究者はいなかった。又、ここで開発したものを除き、充填/噴流/流動層のヒステリシス現象を記述できる数学モデルは得られていない。相関と数学モデルの双方は著しい工業的応用の可能性を有し、それらの幾つかは以下の実施例の項で議論された。
<実施例1−5:>
空隙寸法を予測するため多くの相関が提案されてきたが、それらは互いに一致しないことを最初に議論した。今、他の研究者の実験データを表現できるか否かを確かめるため、提案された相関及び数学モデルを確認する。
図12は、相関、及び2次元コールドモデルについての刊行された実験値(フリント及びバージェス(1992))を用いて得られたレースウェイ直径の比較を示す。レースウェイ直径の実験値は、直径3mmのポリスチレンビーズ、羽口からの層高さ800mm、羽口開口5mmについて得られた。壁と粒子間の角度は18にとられた(F. ボルン, B. E. (学位)論文, クイーンズランド大学, オーストラリア, 1991)。他の値はフリント及びバージェス(1992)に与えられている。レースウェイ侵入及びレースウェイ高さのデータが得られる限り、値をプロットする際に平均レースウェイ直径が用いられた。平均レースウェイ直径の実験値と相関を用いて得られた値との間には、流動限界に近くこれらの値について良い一致が期待できない最大送風速度を除き、2個の粒子直径に相当する最大誤差内で良い一致が見られた。多くの研究者によって報告されたレースウェイ侵入又は平均レースウェイ直径とほとんど変わらないレースウェイ直径を相関が与えることは言及されるべきである。同じ図において、数学モデルによる予測が同様にプロットされ、実験結果と理論の結果の間に優れた一致が見られる。
相関データと共に、直径0.725mmのガラスビーズ、羽口からの層高さ800mm、羽口開口5mmについて刊行された他の実験結果(フリント及びバージェス(1992))が図13に与えられる。結果は、ガス速度の増加状態における2Dコールドモデルについてのものである。刊行された値からレースウェイの平均直径が計算され、この図にプロットされた。
壁−粒子角は12.4にとられた。平均レースウェイ直径の実験値と、相関を用いて得られたものとは良く一致した。
ボルン(1991)は装置番号1を用いた2D実験でポリスチレンビーズを用いた(表2参照)。速度増加におけるボルン(1991)実験データと、モデルの予測との比較が図14に示される。これらのデータは相関を開発するために用いられたため、相関結果は比較していない。2つの間に良い一致が見られる。
G. S. S. R. K.サストリー, M. Sc. (Engg) 学位論文, インド科学協会,バンガロール,9月. 2000は、2D装置番号4(表2参照)を用い、速度増加実験において粒子材料として石英を用いた。これらの材料の特性は他の因子と共に表3に与えられる。図15に比較が示される。これらのデータは相関を開発するために用いられたため、相関結果はこの図に示されていない。この場合も2つの間に良い一致が見られる。
上記図10において、実験データが数学モデルと比較された。
ガス速度の減少における実験の及び予測された(相関式(35)を用いた)レースウェイ寸法の比較が図16に示される。プロットは、直径2.1mmのプラスチックビーズについてされる。羽口からの層高さ600mm、羽口開口5.5mmであった。装置番号3(表2参照)が実験中に用いられた。それらの間に良い一致が見られる。
今回の相関を開発するためにプラスチックビーズのデータが用いられなかったことは言及されるべきである。送風速度に対しレースウェイ侵入が直線状に減少することが相関からよく予測される。同様に、同図に示すように、ガス速度の増加において2つの値の間に良い一致が見られる。速度の増加についての数学モデルの結果が同じ図16に示される。良い一致が明らかである。
<実施例6−8:>
ガス速度の増加よりもガス速度の減少において得られるレースウェイ寸法の方が、溶鉱炉を操業するのに相応することが先行技術の項で議論された。これは、燃焼中に大量のコークスがレースウェイ近傍で消費されて鉱石を還元するからである。コークスはレースウェイの頂上から補充される。又、このようなコークスの降下のため、鉄とスラグが間欠的に底から叩かれる。又、減少するガス速度条件が溶鉱炉の場合と同様に移動層の場合に適用できることが見出されてきた(マクドナルド及びブリッジウォーター、1993)。移動層への水平注入が移動層への垂直注入と同様な効果をもたらすことが観察された。そのため、ガスを水平又は垂直に注入するかに関係なく、減少相関の結果が移動層に適用可能である。これまでレースウェイ侵入について与えられた以前のすべての相関は、主に速度増加についてのものである。それらの溶鉱炉への適用には疑問がある。今、2つの点を検証する:
1.ガス速度の減少と増加のいずれが溶鉱炉に相応するのか、
2.コールドモデルの結果に基づく開発された相関が工業的溶鉱炉を表現できるか。
図17は、速度増加と減少の両方の場合に、相関を用いて得られた侵入因子の関数としてレースウェイ因子の値をプロットしたものを、溶鉱炉データ(ハタノら、1977)と共に示す。比較のため、数学モデルから得られたデータも同図に含められている。この図において、相関及びモデルから得られたデータは、羽口直径6mm、層高さ1m、相当直径4.1mmのポリエチレンビーズの装置1を用いた場合のコールドモデル実験データに基づいたものである。侵入因子の関数としてプロットした時、速度減少の場合に得られたレースウェイ因子の値と溶鉱炉データとの間には良い一致がある。それは、速度減少の場合に得られたレースウェイ寸法の方が工業的溶鉱炉により相応しており、さらにここで開発された相関/数学モデルがレースウェイ寸法を合理的に予測するという上記した点を確認するものである。
図17において、多くのデータを得られないため、実際の溶鉱炉データを用いてガス速度に対するレースウェイ寸法を比較することは難しい。実際、工業的溶鉱炉について刊行された研究のほとんどにおいて、多くのデータが欠けている。しかし、我々はこれらの文書からほとんどのデータを引き出した。個々の図の議論で説明される幾つかの値は、適切な方法で推定されている。
約半世紀前に、ワグスタッフら.(1957)は工業的溶鉱炉のデータを報告した。その当時、溶鉱炉の技術はそれほど進んでいなかった。我々は、装入原料の高さ、コークス寸法、固体の見掛け密度及び炉の直径(相関のWとして)を除き、レースウェイ寸法を予測するために相関及びモデルに必要とされるほとんどのデータを推論することができた。少数の教科書(日本鉄鋼協会、高炉現象及びモデリング、Elsevier Applied Sci. , ロンドン, (1987) 及びA. K.ビスワス:高炉製鉄の原理, SBA publications, カルカッタ; 1984)を検討した後、コークス寸法は40mmと仮定され、コークスの見掛け密度は900 kg/m3と仮定された。
これらの値は他の文書(適用可能な場合)においても一定に保たれた。特に1950代の古い炉において、炉の直径は7mと仮定された。全ての著者について、サストリーら(2003)によって提案された式を用い、装入原料の高さが有効装入原料高さとして計算された。
彼らは、2D装置の底における応力に基づき、さらに2次元の場合に修正されたジャンセン式を用い、装入原料が一定高さになった後で装置底部の圧力がほぼ一定になることを示した。彼らの式を用い、装入原料高さを15mと仮定すると、装入原料高さが5mになった後で底部圧力が一定になることが見出された。そのため、この高さ(5m)がすべての工業的溶鉱炉について有効装入原料高さとして取られた。装入原料高さが20mに取られた場合、有効層高さの変化がほとんどなくなることも見出された。
図18は、操業データ(ワグスタッフら.(1957))及び相関のレースウェイ寸法のガス速度に対する比較を示す。相関データは速度減少についてプロットされた。同様に、モデルから得られた減少時のデータが同図にプロットされた。エラーバー(error bar)が操業データについて示される。それらの間に良い一致が見られるのは好ましいことである。我々の相関及び数学モデルは2次元モデルに基づいているため、羽口直径の範囲は相当する2D羽口の範囲に変換され、その後に羽口開口DTが計算された。炉の羽口直径が溝状羽口に対する装置の厚みとして取られた。
図19は相関と日本の高炉(T. ニシ, H.ハラグチ, Y.ミウラ, S.サクライ, K. オノ及びH.カノシマ, ISIJ, 1982, vol. 22, pp. 287-296)との間の別の比較を示す。前記したようにコークスの見掛け密度が900 kg/m3に採られたことを除き、この文書では全てのデータが利用できた。この場合も2つの間に良い一致が存在する。2つの値の差は、大部分は±2個から4個の粒子直径の範囲内である。比較のため、同図に速度増加のデータがプロットされている。速度減少のデータが溶鉱炉に相応すると共に減少コールドモデル相関によってよく表現されることが明らかである。
相関と操業時の溶鉱炉データ(J. J. ポベロモ, W. D. ノースタイン及び J. スツェケリー: Ironmaking Proc. , 1975, vol. 34, pp. 383-401)との別の比較が図20に示される。この図の場合も、コークス寸法とその見掛け密度がそれぞれ40mmと900 kg/m3に取られたことを除き、ほとんど全てのデータが与えられた。この場合も2つの間に良い一致が存在する。図は又、操業データのエラーバーを示す。
(実施例9:)
ここで開発されたモデルは、ガス抵抗及び粒子質量を含む力平衡における応力(粒子間及び壁と粒子間)を含む充填層、流動層、及び噴流層のヒステリシスの複雑な現象を記述する基本的枠組みを提供する。この点で、式(21)の性質についていくつかの解説をすることが重要である。応力は式(21)を用いて評価できる。この式から、σrが層の圧力降下に強く依存することがわかる。流動層の状況では層質量は圧力降下に等しく、そのためσrは0となりうる。圧力降下が層質量より大きい場合、σrは負となりうる。しかし、充填層では、粒子が互いに接触しかつ容器壁に接触しているため、層が流動状態にならない限りσrは負又は0にならない。アプテら(1990)が空隙の天井部分ではσrが負の値になると仮定したように、このことは重要な結論である。チノンタイズ及びジャクソン(1993)は又、σrが負の値になることはありえないとした。実験的なヒステリシスを説明する点で、明らかにアプテらの仮定は正しくない。粒子状物質及びガスの全ての特性が既知である条件で、式(21)を用いて層が不安定/流動化する速度を見出すことができる。図6から、特定のガス速度で、空隙の天井部分にある半径応力の最大値が存在することが明らかである。この応力の最大値はガス速度の増加とともに減少する。このことは、層の不安定/流動化を起こさせるには、ガス速度を増加させてこの最大応力を乗越える必要があることを示す。そのため、特定のガス速度で、系がこの応力の最大値を乗越えて不安定/流動化することが可能である。実際、我々の実験中に速度が142±5m/sに近づくと層が不安定になることがわかった。式(21)を用いて不安定層となる速度が140m/sであることが見出されたが、これは良い一致である。
(結論:)
コールドモデル条件下で、それぞれ速度の増加及び減少について2つのレースウェイ寸法の相関が開発された。又、これらの相関に材料の摩擦特性が含まれた。刊行されたコールド及びホットモデル、操業及び実験データのような他のデータから得られたレースウェイ寸法と、前記相関から得られたレースウェイ寸法とは極めてよく一致した。操業時の溶鉱炉では減少条件が優勢であり、そのため、レースウェイ寸法を予測するため減少相関を用いることができる。コールドモデルのレースウェイヒステリシスを予測するため、両方の相関が使用できる。空隙寸法を予測する際に摩擦力(及び摩擦特性)が顕著な影響を有することがわかった。実際、摩擦力を含めることは、空隙寸法を予測するための力平衡の方法に普遍的形式を与える。このことは、刊行されたデータ、実験及び操業データと、理論的データとを比較することにより明らかである。我々の実験だけでなく種々の条件下の他の研究者の実験と、理論との間に優れた一致が見られた。数学モデルの支援により、それを超えると層及び操業が不安定になる、あらゆる充填層の最大操業速度を見出すことができる。
本発明の主な利点は:
1.ヒステリシス現象を正確に説明でき、充填/流動/噴流層系の摩擦力の重要性を示す。
2.熱、質量及び運動量移動に関してそれらの性能が顕著に向上するよう、これらの系の空隙寸法を予測することができる。
3.空隙寸法を予測するため、数学モデルに加え、それぞれ速度の増加及び減少において2つの単純で実用的な相関を与える。
4.ガス速度低下時の空隙寸法が操業時の溶鉱炉に相応することを示す。
5.数学モデルは又、それを超えると層が不安定になる、あらゆる充填層の最大操業ガス速度を与える。
6.モデルと相関の両方が広範囲の条件下(実施例1−9参照)で試験され、それらは極めてよい結果を与えた。そのため、それらは産業で直接使用できる。
7.これまで、他のモデル及び相関で上記特徴を有するものはない。
充填層の実験的な空隙ヒステリシスを示す図。 モデルに用いられた充填層の必須領域を示す図。 直交領域において成分に働く力を示す図。 半径領域において成分に働く力を示す図。 実験装置の概略図。 速度=40m/sにおける法線応力のヒステリシス曲線を示す図。 層表面からの距離に対する圧力勾配の変化を示す図。 静水圧の実験データとの比較を示す図。 速度増加において理論的及び実験的な空隙寸法の比較を示す図。 理論的及び実験的な空隙ヒステリシスの比較を示す図。 摩擦力を考慮した場合と考慮しない場合の理論的な空隙寸法の比較を示す図。 3mmポリスチレンによるフリント及びバージェス(1992)の刊行されたデータとの相関レースウェイの比較を示す図。 0.725mm微小ガラス球によるフリント及びバージェス(1992)の刊行されたデータとの相関レースウェイの比較を示す図。 空隙寸法の実験値(ボルン、1991)とモデルの予測値との比較を示す図。 空隙寸法の実験値(サストリー、2000)と理論値との比較を示す図。 速度の増加及び減少における実験と相関との間のレースウェイ寸法の比較を示す図。 速度の増加及び減少の状態における溶鉱炉(ハタノら、1997)と実験データとの比較を示す図。 刊行された溶鉱炉(ワグスタッフ、1957)データと相関レースウェイ寸法の比較を示す図。 ニシら., 1982の刊行された溶鉱炉データと相関レースウェイ寸法の比較を示す図。 ポベロモら., 1975の刊行された溶鉱炉データと相関レースウェイ寸法の比較を示す図。 数学モデルに基づくガス速度の減少について、製鉄及び鉛溶鉱炉、Corex(還元精錬)、溶銑炉のような充填層における空隙/レースウェイの大きさを決定するためのフローチャートを示す図。 減少相関に基づくガス速度の減少について、製鉄及び鉛溶鉱炉、Corex(還元精錬)、溶銑炉のような充填層における空隙/レースウェイの大きさを決定するためのフローチャートを示す図。 数学モデルに基づき、噴流が形成される噴流層における最大速度/空隙の大きさ/又は充填層の不安定性の条件を決定するためのフローチャートを示す図。 製鉄及び鉛溶鉱炉、Corex(還元精錬)、溶銑炉のような充填層における空隙/レースウェイ寸法を決定するためのフローチャートを示す図。

Claims (7)

  1. 相関又は数学モデルを用いた溶鉱炉の充填層系におけるコンピュータに基づく空隙寸法の決定方法であって、前記方法は:
    (a)前記充填層系の材料特性に関するデータを取得し;
    (b)それぞれ:
    である応力/摩擦力を含む数学モデルを用いてガス速度の増加及びガス速度の減少に対して空隙半径をコンピュータで計算し;又はそれぞれ:
    である相関に基づく数学式を用いてガス速度の増加及びガス速度の減少に対して空隙半径を計算し、及び
    (c)ステップ(b)で得られた前記空隙半径を用いて前記空隙寸法を計算するステップを有し、
    ここで、記号は、溶鉱炉半径W、送風速度Vb、羽口開口Dt、空隙率ε、ガス粘度μg、粒子の大きさdp、形状因子φs、ガスの密度ρg、固体の密度ρs、有効層高さH、壁摩擦係数μw、重力加速度gであり、粒子の有効直径はdeff=dpφsで与えられ、層の有効密度はρeff=ερg+(1−ε)ρsで与えられ、壁粒子摩擦係数はμw=tanφwで与えられ、ここでφwは壁と粒子の間の摩擦角であり、Drは空隙直径であり、Rは空隙半径でM=(1−ε)(ρs−ρg)gであり、
    は定数であり、VH=Vbt/W及びr0=(W+Dt)/2πであり、p及びhは
    によって与えられ、nは空隙の全面積に対する空隙の天井部分の寄与因子であり、C=2μwK/W,K=((1−sinφ)/(1+sinφ))は横方向圧力係数であり;φは内部摩擦角であり、すべての単位はSIである、方法。
  2. 前記充填層の材料特性に関するデータは、層の高さ、羽口開口、空隙率、壁粒子の摩擦係数、粒子間摩擦係数、ガス速度、モデル幅及び粒子形状因子を含む充填層の材料特性に関連する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記充填層の材料特性に関連するデータは、既に得られた実験データ又はオンラインデータを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 式28及び29の前記摩擦力(Fwd)は:
    によって与えられ、
    ここで、記号は、溶鉱炉半径W、送風速度Vb、羽口開口Dt、空隙率ε、ガス粘度μg、粒子の大きさdp、形状因子φs、ガスの密度ρg、固体の密度ρs、有効層高さH、壁摩擦係数μw、重力加速度gであり、壁粒子摩擦係数はμw=tanφwで与えられ、ここでφwは壁と粒子の間の摩擦角であり、Drは空隙直径であり、Rは空隙半径でM=(1−ε)(ρs−ρg)gであり、
    は定数であり、VH=Vbt/W及びr0=(W+Dt)/2πであり、p及びhは
    によって与えられ、nは上方に面した空隙の割合であり、C=2μwK/W,K=((1−sinφ)/(1+sinφ))は横方向圧力係数であり;φは内部摩擦角であり、すべての単位はSIである、請求項1に記載の方法。
  5. 式33によって与えられる速度増加相関を用いて前記空隙半径を決定するため、重要な無次元数を得るためのπ−定理の使用が開発され、
    ここで、記号は、溶鉱炉半径W、有効層高さH、送風速度Vb、羽口開口Dt、空隙率ε、粒子の大きさdp、形状因子φs、ガスの密度ρg、固体の密度ρs、壁摩擦係数μw、重力加速度gであり、粒子の有効直径はdeff=dpφsで与えられ、層の有効密度はρeff=ερg+(1−ε)ρsで与えられ、壁粒子摩擦係数はμw=tanφwで与えられ、ここでφwは壁と粒子の間の摩擦角であり、Drは空隙直径であり、すべての単位はSIである、請求項1に記載の方法。
  6. 式36によって与えられる速度減少相関を用いて前記空隙半径を決定するため、重要な無次元数を得るためのπ−定理の使用が開発され、
    ここで、記号は、溶鉱炉半径W、有効層高さH、送風速度Vb、羽口開口Dt、空隙率ε、粒子の大きさdp、形状因子φs、ガスの密度ρg、固体の密度ρs、壁摩擦係数μw、重力加速度gであり、粒子の有効直径はdeff=dpφsで与えられ、層の有効密度はρeff=ερg+(1−ε)ρsで与えられ、壁粒子摩擦係数はμw=tanφwで与えられ、ここでφwは壁と粒子の間の摩擦角であり、Drは空隙直径であり、すべての単位はSIである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記充填層系は、溶鉱炉、溶銑炉、還元精錬、触媒再生器のいずれか一つを含む、請求項1に記載の方法。
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