JP4484580B2 - 表面改質処理方法 - Google Patents

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本発明は、洗剤粒子と表面改質用の微粉末(表面改質用粉末)とを用いる洗剤粒子の表面改質処理方法に関する。また、本発明は、洗剤粒子群の製造方法及び洗剤組成物の製造方法にも関する。
洗剤は、長期の保存において洗剤粒子同士が結合し、固化状態になるケーキングを起こす。このようなケーキング現象は、洗剤粒子が保存中に水分や炭酸ガス等の成分を吸収することが主たる要因となっている。例えば、水分の吸収により水が洗剤粒子表面の成分を一部溶解させ、洗剤粒子表面に粘着性を有する部位を形成しケーキングを生じさせる。一方、炭酸ガスの吸収は、洗剤中のアルカリ成分である炭酸ナトリウム及び洗剤中の水分と反応し、粒子表面に炭酸水素ナトリウムやセスキ炭酸ナトリウムの針状結晶を毬栗状に生成させる。この針状結晶は隣り合う毬栗状の洗剤粒子表面の針状結晶と絡みあいケーキングを生じさせる。ケーキングは外観を著しく損ねるばかりでなく正確な計量ができない等、使い勝手を著しく損ねることになる。
ところで、衣料用粉末洗剤は進物や景品として流通することが多く、その結果、家庭内に滞留する量が少なからず存在する。また、衣料用洗剤はマーケットにおいて定期的な安売りが行われていることから、ある程度まとめ買いをすることが常態化している。特に近年は梱(通常8〜9個入り)単位での販売をされることもあり、1回の購入量も増加しているものと思われる。しかしながら、洗剤の標準使用量については大きな変化が起こっておらず、平均的な家庭の年間洗剤使用量は、ほぼ一定で推移している。以上の社会的環境から、家庭内での洗剤の滞留期間が延びている可能性が高いという結論に達する。
一方、一般的に洗剤の容器は紙を製罐した物が多い。耐吸湿性やガスバリア性を高める為に、容器を構成する板紙を樹脂フィルム含有の多層構造にするなどの工夫をしているが、長期にわたる保管においては、十分なものとは言えない。更に、世界的な環境意識の高まりから容器の紙化は更に加速していくものと考えられる。
このような背景から、耐ケーキング性に優れた衣料用粉末洗剤に対する要望が高まっている。
かかる問題を解決するものとして、特許文献1では、粒状洗剤組成物と液状バインダー物質を混合した後にゼオライトXで被覆することにより自由流動性を得る技術が開示されているが、バインダー量が少ないと搬送時の応力により被覆粉体であるゼオライトXが剥離し、十分な効果が得られず、バインダー量が多いと溶解性の低下をまねく。
その他、非特許文献1には、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミノ珪酸塩等の水不溶性無機粉体で被覆する技術が記載されているが、運搬工程や製造工程の搬送時に洗剤粒子が受ける応力により被覆粉体が剥離するなどして、実使用時に十分な効果が得られないことが予想される。
特許第2965905号公報 特許庁公報 周知慣用技術集(衣料用粉末洗剤)
前記のように、表面改質用粉末やその他被覆剤によって、洗剤粒子表面の被覆性を高めることが耐ケーキング性の向上に効果的であることは明らかである。しかしながら、従来の技術は、バインダー成分そのものによる洗剤粒子表面のコーティングや、バインダー成分の粘着性を利用して表面改質用粉末を付着させようというものであり、いずれも少なからず溶解性の劣化を伴うものであった。従って、本発明の目的は、バインダー成分に頼らず、表面改質用粉末の洗剤粒子表面への付着性を向上させる表面改質処理方法を提供すること、該処理方法にて表面の被覆性が高まり、高溶解性でありながら耐ケーキング性に優れた洗剤粒子群の製造方法並びに前記処理方法を用いて得られる洗剤粒子群を用いる洗剤組成物の製造方法を提供することである。
かかる問題を解決する為に、本発明者らは鋭意検討した結果、洗剤粒子及び表面改質用粉末の帯電量に着目し、それぞれを所望の量に調整することにより、表面改質用粉末の洗剤粒子への付着性が向上し、その結果、溶解性が低下するなどの不都合を生じることなく耐ケーキング性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 洗剤粒子表面を表面改質用粉末にてコーティングする工程で、表面改質用粉末及び/又は洗剤粒子の帯電量の絶対値を50V以下にすることを特徴とする洗剤粒子の表面改質処理方法、
〔2〕 前記〔1〕記載の処理方法を用いる洗剤粒子群の製造方法、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の処理方法を用いて得られる洗剤粒子群を用いる洗剤組成物の製造方法
に関する。
本発明の表面改質処理方法を用いることにより、実質的にバインダー成分の添加を行わずとも表面改質用の微粉末の表面被覆率が向上し、耐ケーキング性が良好な洗剤粒子群を製造することが可能になるという効果が奏される。
1.洗剤粒子
本発明に用いられる洗剤粒子は、洗剤組成物に配合される粒子であれば、特に限定はないが、粉末洗剤組成物として使用する場合の外観上の観点から、平均粒径100〜900μmの洗剤粒子が好ましい。このような洗剤粒子は、多種多様な工程を経て製造することが可能である。例えば、スラリーを噴霧乾燥して洗剤粒子を得ても良いし、噴霧乾燥後に撹拌造粒及び/又は破砕造粒などを経て得られる洗剤粒子も好ましい。また、ドライ中和法や乾式造粒法で得られた洗剤粒子も好ましい。洗浄性能や溶解性の面から特に好ましい洗剤粒子として、特許第3123757号公報記載の洗剤粒子が例示される。
また、前記洗剤粒子以外に、洗剤組成物に含有されることにより、洗浄性能を向上させたり、新たな機能を付与したりする粒子、例えば漂白剤、漂白活性化剤、柔軟化剤、シリコーン粒子、香料粒子、酵素、粒状炭酸ナトリウムなどを含んでもよい。これらの粒子の平均粒径としては、100〜900μmが好ましい。
かかる洗剤粒子の平均粒径は、JIS Z 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出することによって求める。
2.表面改質用粉末
本発明において用いられる表面改質用粉末は、前記洗剤粒子を表面改質するために使用される微粉末である。該表面改質用粉末の一次粒子の平均粒径は、10μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。平均粒径がこの範囲において、洗剤粒子群の粒子表面での被覆率(表面被覆率)が向上し、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の観点から好適である。当該微粉末の平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)、またはSEMによるフェレー径の測定等で測定される。また、該微粉体が高いイオン交換能や高いアルカリ能を有していることが洗浄面から好ましい。
該表面改質用粉末としては、アルミノ珪酸塩がより好ましく、カルシウム捕捉能の観点から、結晶性アルミノ金属珪酸塩がより好ましい。アルミノ珪酸塩以外では、硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体のような微粉体も好ましい。また、一次粒子が0.1〜10μmの金属石鹸、粉末の界面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)や水溶性有機酸塩も同様に用いることができる。
表面改質用粉末の使用量としては、洗剤粒子100重量部に対して0.5〜40重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましく、2〜20重量部が更に好ましく、3〜15重量部が最も好ましい。当該表面改質用粉末の使用量はこの範囲において、流動性が向上し、消費者に良好な使用感を与える。
本発明における、表面改質用粉末の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による定方向接線径(フェレー径)の平均値とする。
3.帯電量
本発明は、表面改質用粉末及び/又は洗剤粒子の帯電量の絶対値を50V以下に調整することを特徴とする表面改質処理方法である。従って、表面改質用粉末及び洗剤粒子の帯電量の測定が極めて重要である。該表面改質用粉末(以下、単に粉末ともいう)及び洗剤粒子(以下、単に粒子ともいう)の誘電率、及び配管や混合装置に使用されている物質の誘電率などから、正負のどちらに帯電しているかというような定性的な判断は可能であるが、定量的に帯電量を予測するのは極めて困難である。また粉末及び/又は粒子の帯電量を実測するのも非常に困難である。理論的には、電荷はその付近に電場を作るので、静的な場合にはこの電場を線積分して、電位差( 電圧) を定義できる。電位差を測定する技術は、手軽かつ信用できる方法が開発されているので、荷電体の幾何学的な形状が分かれば、静電容量を計算する事が出来、静電容量と電位差から電荷量を測定出来る。しかしながら、粉末及び粒子が荷電体の場合、形状を特定するのが困難であるため、静電容量及び帯電量を測定するのは事実上不可能である。
従って、本発明において、帯電量は、粉末又は粒子から一定の距離をおいて測定した電位差で表す。具体的には、一定の距離で電位差を測定することで、粉末及び粒子1個1個の形状は無視し、粉末及び粒子全体が一つの粉体層を形成していると仮定し、その粉体層全体の電位差を測定することにより、帯電量を測定する代わりとする。本発明においては、粉末又は粒子から1センチメートル離して電位差を測定する。なお、本発明において帯電量の絶対値とは、前記の方法で測定した帯電量の符号に関係しない数値の大きさをいい、具体的には、絶対値が50V以下とは−50V〜+50Vの電荷量をいう。
表面電位の測定に使用できる装置としては、(株)キーエンス製の「高精度静電気センサSK−030/200」や春日電機(株)製の「低電位表面電位計KSD−0303」、トレック社製の「表面電位計Model344」などの非接触型の各種表面電位計が使用できる。
粉末又は粒子の帯電量の絶対値は、50V以下である。中でも、表面改質用粉末の帯電量の絶対値が大きい場合、表面改質用粉末同士の静電反発が激しくなり、コーティング層に厚みを持たせるためには好ましくない。特に洗剤粒子の耐ケーキング性を向上させるためには、コーティング層の厚みを増すことが重要であるので、結果的に表面改質用粉末の帯電量は、絶対値が小さい程好ましい。
なお、本発明においては、粉末又は粒子の帯電量は、粉末及び粒子を混合する際に、その絶対値が前記範囲に調整されていればよい。
4.帯電量の調整方法
表面改質用粉末及び洗剤粒子の帯電量の調整方法としては、以下に示すものがある。
4−A.界面活性剤による帯電量の調整
表面改質用粉末に界面活性剤を混合することによって、表面改質用粉末の帯電量の調整が可能となる。例えば、帯電防止の機能を有する界面活性剤を表面改質用粉末に添加することによって、表面改質用粉末の帯電量の絶対値を低減することが可能となる。また、帯電制御剤としての機能を有する界面活性剤を洗剤粒子に添加することによって、洗剤粒子の帯電量の絶対値を低減することが可能となる。
前記帯電量の調整に使用可能な界面活性剤としては、表面改質用粉末や洗剤粒子の表面物性の違いによって多種多様な組み合わせが考えられる。例えば、負に帯電している粒子及び粉末の帯電量の絶対値を減少させるという観点から、カチオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤が好ましい。カチオン界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩が好ましく、炭素数12〜16のアルキルトリメチルアンモニウムクロライドと炭素数12〜18のジアルキルジメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。また両性界面活性剤としては炭素数12〜18のアルキルベタインが好ましく、特にアルキルジメチルカルボキシベタインが好ましい。
界面活性剤の量は、表面改質用粉末又は洗剤粒子それぞれに対して0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。この量は、洗剤粒子の流動性を維持する観点から、10重量%以下が好ましく、また、帯電量を制御するに十分な効果が得られる観点から、0.1重量%以上が好ましい。また、界面活性剤の量は、表面改質用粉末に対して、0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。界面活性剤の量は、洗剤粒子に対して0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。
また、界面活性剤の添加方法としては、表面改質用粉末及び洗剤粒子との十分な混合を保証するものであれば、どのような方法で行っても良い。但し、液状の界面活性剤を混合する際には、界面活性剤を噴出、噴霧する技術を併用するのが好ましい。
界面活性剤と表面改質用粉末又は洗剤粒子とを緊密に混合するために用いられる粉砕装置や混合装置は特に限定されるわけではないが、以下に示されるものが好ましく用いられる。
粉砕装置としては、化学便覧(化学工学会編、p.826〜838(1998))記載の粉砕機が用いられ、例えば以下のものが挙げられる。
(1)圧力や打撃力により粉砕する装置で、例えばジョークラッシャー、ジャイレトリクラシャー、ロールクラッシャー、ロールミル等がある。
(2)高速回転するローター周辺に打撃板が固定され、ローターと打撃板とによるせん断力等によって処理物を粉砕する装置で、例えばハンマーミル、インパクトクラッシャー、ピンミル等がある。
(3)リング上にロールもしくはボールが押しつけられつつ回転し、その間で処理物をすりつぶして粉砕する装置で、例えばリングローラーミル、リングボールミル、遠心ローラーミル、ボールベアリングミル等がある。
(4)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室の中に粉砕媒体としてボールやロッドを入れて回転もしくは振動させることにより処理物を粉砕する粉砕装置で、例えばボールミル、振動ミル、遊星ミル等がある。
(5)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室にボールまたはビーズなどの粉砕媒体を入れ、この媒体に挿入したディスク型やアニュラー型の攪拌機構による、せん断、摩擦作用によって処理物を粉砕する装置で、タワーミル、アトライター、サンドミル等がある。
(6)高速回転する径の小さい円板間に液体を流し、強いせん断力を加えて分散・粉砕する装置でコロイドミル等がある。
次に混合装置としては、以下のものが例示される。
(1)混合槽内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて、混合を行う形式のミキサー。例えばヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)等がある。
(2)粉体投入口を備えた竪型シリンダーと混合ブレードを備えたメインシャフトより成り、メインシャフトは上部軸受けによって支えられ、排出側がフリーになっている構造の連続ミキサー。例えばフレキソミックスミキサー((株)パウレック製)がある。
(3)攪拌ピンを有した円盤の上部に原料を投入し、この円盤を高速回転させて、せん断作用によって混合を行う連続ミキサー。例えばフロージェットミキサー((株)粉研パウテックス製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工(株)製)等がある。
混合時間は、好ましくは1秒〜50分、より好ましくは10秒〜10分である。また特に混合機を使用せずに界面活性剤をガス状、蒸気、エアロゾル様の状態で表面改質用粉末及び洗剤粒子との接触/混合を行うことも可能である。
4−B.空気イオンによる帯電量の調整
表面改質用粉末及び洗剤粒子の帯電量は、イオン化した空気を吹き付けることによって調整することが可能である。例えば表面改質用粉末及び洗剤粒子の帯電量と反対の電荷を有した空気イオンを表面改質用粉末及び洗剤粒子に吹き付けることによって、電荷を打ち消すことで帯電量の絶対値を低減することができる。
かかる空気イオンを用いる操作については、市販の静電気除去装置が利用できる。市販の静電気除去装置としては、対象物に空気イオンを送風によって吹き付けるタイプのものや、軟X線を照射して大気中のイオンを電離させるタイプのものが存在する。対象物が粉末や粒子である場合、軟X線照射のタイプの方が送風によって空気イオンを運ぶ必要がないので除電効率としては好ましいが、X線を遮蔽するための防護装置などが必要となるので、空気イオンを送風で吹き付けるタイプの方が安全性の面では好ましい。また空気イオンを吹き付けるタイプのものに関しては、帯電量測定装置を併用した場合、除電対象物の帯電量に合わせて空気イオンの生成量を変化させることが可能となり除電効率が上昇するので好ましい。
軟X線照射のタイプとしては、例えば浜松ホトニクス(株)製のフォトイオナイザ(光照射式静電気除去装置)が挙げられ、空気イオンを吹き付けるタイプとしては、(株)キーエンスの除電ブロアや春日電機(株)の送風型直流除電機などが挙げられる。静電気除去装置による処理方法については、装置と表面改質用粉末及び洗剤粒子の位置については、装置と処理物との距離が近いと空気イオンの飛散や軟X線の減衰が抑制されるので除電性能は上がって好ましく、逆に遠くなると、除電可能な領域は広くなるという点で好ましい。これらの装置と対象物の距離としては、0.1〜1.0mが好ましく、0.1〜0.6mが更に好ましい。装置での処理時間に関しては、短いほど生産の効率という点では好ましいが、長く処理した方が除電効果は向上して好ましい。処理時間としては、0.1〜60秒が好ましい。なお、イオン化した空気と洗剤粒子又は表面改質用粉末を接触させる時期としては、除電後の帯電量の変化を抑制するという観点から、これらの粒子と粉末を混合する直前が好ましい。
4−C.摩擦による帯電量の調整
洗剤粒子及び表面改質用粉末は、製造の過程プロセス中の装置や配管との摩擦によって帯電し、その帯電量が変化する。例えば、粒子を空気輸送する際などは、輸送管内壁と粒子、及び粒子同士の衝突による摩擦によって粒子の帯電量が増大する現象が知られている。一般的に配管や装置に使われている素材は鉄やステンレス鋼が多いので、表面改質用粉末や洗剤粒子は、摩擦によって負の電荷を持つ場合が多い。従って、表面改質用粉末を洗剤粒子により多く被覆させるためには、製造プロセス中の装置や配管との摩擦抵抗を少なくして帯電を抑制することが効果的である。
摩擦を抑制するためには、装置や配管の内壁に潤滑剤を塗布することが効果的である。潤滑剤としては、炭素数12〜18の脂肪酸の1価アルコールエステル(例えば、メチルエステル)、多塩基酸(例えば、アジピン酸/フタル酸)の1価アルコールエステル、多価アルコールの脂肪酸エステル及びその誘導体などが好ましく、中でもパルミチン酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸ステアリル、アジピン酸ジイソデシル、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどが特に好ましい。
上記4−A〜4−Cの方法は、併用しても構わない。
上記4−A〜4−Cの帯電量調整法による処理で、洗剤粒子と表面改質用粉末間の電気的な反発を抑制し、表面改質用粉末による洗剤粒子の被覆率を向上させるという効果が発現される。また、同時に、表面改質用粉末間の電気的な反発を抑制し、表面改質用粉末が洗剤粒子の表面に形成するコーティング層を厚くすることができる。従ってかかる目的のためには、表面改質用粉末によって洗剤粒子がコーティングされる工程において、表面改質用粉末が無電荷の状態に近くなることが好ましい。表面改質用粉末が無電荷に近くなれば、洗剤粒子との電気的な反発は弱くなり、表面改質用粉末間の電気的な反発も抑制される。
帯電量の絶対値は、150V以下が好ましく、100V以下がより好ましく、50V以下が特に好ましい。また、洗剤粒子の帯電量は、表面改質用粉末と同符号の場合は、絶対値が小さい方が好ましく、その絶対値は150V以下がより好ましく、100V以下がさらに好ましく、50V以下が特に好ましい。
尚、表面改質用粉末による洗剤粒子の被覆率に関しては、実施例において例示するようなFT−IR/PASなどの表面分析装置を用いて実測可能である。該被覆率としては、高ければ高いほど洗剤粒子の露出面積が小さくなるという観点から、1.4以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。また、コーティング層の厚みに関しては、コーティング操作後の粒子を割断し、走査型電子顕微鏡による観察を行うことによって実測可能である。該コーティング層の厚みとしては、厚ければ厚いほど洗剤粒子間の接触を防ぐことになるという観点から、7μm以上が好ましく、8μm以上がより好ましく、9μm以上が特に好ましい。
また、本発明の処理方法は、洗剤粒子の溶解性を高める観点から、前記洗剤粒子表面を表面改質用粉末にてコーティングする工程において、実質的に液状のバインダー成分の添加を行なわないことが好ましい。液状のバインダー成分としては、特に限定はないが、後述する洗剤粒子群に用いることができる界面活性剤や水溶性ポリマー等が挙げられる。
5.洗剤粒子群の溶解性と耐ケーキング性
前記のように本発明の処理方法を用いて、得られた洗剤粒子群は、実質的にバインダー成分を含有しなくとも表面改質用の微粉体(表面改質用粉末)による表面被覆率が高くなるという特徴を有している。従って、本発明の処理方法を用いることで、溶解性を損なうことなく、耐ケーキング性の優れた洗剤粒子群を得ることができる。
溶解性を評価する方法の一つに、5℃の冷水中に一分間撹拌したのち、メッシュを通過する割合を重量百分率で求め、その数値を指標とすることができる。かかる溶解率は特に限定されるものではないが、帯電量を操作した表面改質用粉末によって被覆された洗剤粒子群は、処理を行っていない表面改質用粉末によって被覆された洗剤粒子群に比べて、溶解率が±5ポイント以内になるのが好ましく、±4ポイント以内になるのがより好ましい。
耐ケーキング性を評価する方法の一つとして、洗剤粒子群を高湿度の大気下に保存した後に、篩目開き5mmの篩を通過する割合を重量百分率で求め、その数値を指標として用いる評価方法がある。かかる篩通過率は特に限定されるものではないが、帯電量を操作した表面改質用粉末によって被覆された洗剤粒子は、処理を行っていない表面改質用粉末によって被覆された洗剤粒子に比べて、篩通過率が5ポイント以上高くなることが好ましく、10ポイント以上高くなることがより好ましい。
なお、溶解率、篩通過率は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
6.洗剤粒子群
本発明の洗剤粒子群は、結晶性アルカリ金属珪酸塩、界面活性剤、水溶性ポリマー、水溶性塩類、水不溶性物質等を含有することができる。
本発明の洗剤粒子群に用いることができる結晶性アルカリ金属珪酸塩としては、例えば、式(I):
xM2 O・ySiO2 ・zMeO・wH2 O (I)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca=0〜10である)
で表される組成のものが好適である。また、特にイオン交換能の高いアルカリ金属珪酸塩として特公平1−41116号公報記載の結晶質アルカリ金属珪酸塩が例示される。
更に高いイオン交換能を発現する、より好ましいアルカリ金属珪酸塩としては、上記の組成式(I)において、さらに、y/x=1.0〜2.1、z/x=0.001〜1.0のアルカリ金属珪酸塩が挙げられる。このような組成のアルカリ金属珪酸塩は、特許第2525318号公報記載の合成無機ビルダーが好適である。
また、本発明においては、カリウムを含有するアルカリ金属珪酸塩を用いることにより、その保存安定性を一段と向上させることができる。このような好適な、カリウムを含有するアルカリ金属珪酸塩の組成としては、上記の式(I)において、さらに、y/x=1.4〜2.1、z/x=0.001〜1.0、M2 O中のK/Na=0.09〜1.11で表される組成が挙げられる。このようなアルカリ金属珪酸塩としては、特許第2525342号公報記載の結晶性アルカリ金属珪酸塩が特に好適例として挙げられる。
これらの結晶性アルカリ金属珪酸塩の中でも、カルシウムやマグネシウム等の硬度成分捕捉能の観点から、最も好ましいのは、式中のx=1、y=2、z=0で、M=Naである結晶性層状二珪酸ナトリウムNa2 Si2 5 ・wH2 Oである。結晶性層状二珪酸ナトリウムは、α、β、δ及びεの多型の相から構成される。商業的な製品では、非晶質画分も存在し得る。そのため、商業的な製品でのyの値は奇数であっても、小数点以下を含む値になってもよい。好ましくは、yは1.9以上かつ2.2以下である。好ましい結晶性層状二珪酸ナトリウムは、0〜40重量%の割合のα−二珪酸ナトリウム、0〜40重量%のβ−二珪酸ナトリウム、40〜100重量%の割合のδ−二珪酸ナトリウム、0〜40重量%の割合の非晶質画分からなる。特に好ましい結晶性層状二珪酸ナトリウムは7〜21重量%の割合のα−二珪酸ナトリウム、0〜12重量%の割合のβ−二珪酸ナトリウム、65〜95重量%の割合のδ−二珪酸ナトリウム、0〜20重量%の割合の非晶質画分からなる。最も好ましいものは、δ−二珪酸ナトリウムを80〜100重量%の割合で含む結晶性層状二珪酸ナトリウムである。
結晶性アルカリ金属珪酸塩は、前記のように例示したものを単独で使用してもよいし、数種類のものを混ぜて混合物として使用してもよい。
結晶性アルカリ金属珪酸塩の量としては、洗剤粒子群中、アルカリ緩衝能とカルシウム捕捉能の観点から、1〜14重量%が好ましく、3〜12重量%がより好ましい。
本発明の洗剤粒子群に用いることができる界面活性剤としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤よりなる群から選ばれた1種以上を用いることができる。陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はこのエステル、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤等が例示される。特に炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜18のアルキル硫酸塩又はアルキルエーテル硫酸塩があげられ、対イオンとしてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミンが好ましい。
更に、消泡効果を得るために脂肪酸塩を併用することができる。好ましい脂肪酸の炭素数は、12〜18である。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、商標プルロニックに代表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド等があげられる。中でも親水性の高いもの及び水と混和した際に生じる液晶の形成能の低い若しくは液晶を生じないものが好ましく、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルが特に好ましい。好ましくは炭素数が10〜18、より好ましくは12〜14であり、平均付加モル数が好ましくは5〜30、より好ましくは7〜30、更に好ましくは9〜30、特に好ましくは11〜30であるアルコールのエチレンオキサイド(以下EO)付加物、その他に炭素数8〜18のアルコールのEO付加物及びプロピレンオキサイド(以下PO)付加物であることが好ましい。付加順序としてはEOを付加した後にPOを付加したもの、POを付加した後にEOを付加したもの、あるいはEOとPOをランダムに付加したものを用いることができるが、特に好ましい付加順序を有するものとしては、EOを付加した後、POをブロック付加し、更にEOをブロック付加した一般式:
R−O−(EO)X −(PO)Y −(EO)Z −H
〔式中、Rは炭素数8〜18の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキサイド基、POはプロピレンオキサイド基、X、Y及びZはそれぞれ平均付加モル数を表す。〕
で表されるものであり、その中でも最も好ましい平均付加モル数の関係に関しては、X>0、Z>0、X+Y+Z=6〜14であり、X+Z=5〜12であり、Y=1〜4である。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボベタイン型のもの、スルホベタイン型のもの等が例示される。
かかる界面活性剤の量としては、洗剤粒子群中、洗浄性能の観点から、5〜35重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましく、15〜35重量%が更に好ましく、20〜30重量%が特に好ましい。
本発明の洗剤粒子群にキレート剤や分散剤として含有される水溶性ポリマーとしては、例えば、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリグリオキシル酸塩、ポリアスパラギン酸塩等のアミノカルボン酸系のポリマー、可溶性澱粉、糖類等からなる群より選ばれる一種以上が好ましいものとして例示でき、中でもカルボン酸系ポリマーが水溶性塩類の微細化作用の点、並びに洗浄力、具体的には、金属イオンを封鎖する作用、固体粒子汚れを衣料から洗濯浴中へ分散させる作用及びその粒子が衣料へ再付着することを防ぐ作用の点からより好ましい。
カルボン酸系ポリマーの中で、アクリル酸−マレイン酸共重体とその塩(Na、K、NH4 等)、アクリル酸重合体とその塩(Na、K、NH4 等)が特に優れている。
これらの水溶性ポリマーの重量平均分子量は1千〜30万が好ましく、2千〜10万がより好ましく、2千〜8万が更に好ましく、5千〜5万が中でも好ましく、6千〜2万が特に好ましい。
分子量測定法としては、
1.換算標準物質:ポリアクリル酸(AMERICAN STANDARDS CORP)
2.溶離液:0.2mol/Lリン酸バッファー/CH3 CN:9/1(容量比)
3.カラム:PWXL+G4000PWXL +G2500PWXL (東ソー(株)製)
4.検出器:RI
5.試料濃度:5mg/mL
6.注入量:0.1mL
7.測定温度:40℃
8.流速:1.0mL/min
で行なう。
上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグリオキシル酸塩等のポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、並びにポリアスパラギン酸塩等のアミノカルボン酸系のポリマーも金属イオン封鎖能、分散能及び再汚染防止能を有するものとして用いることができる。
その他にポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等があげられる。PVPは、色移り防止剤として好ましく、又分子量1千〜2万程度のPEG及びPPGは、粉末洗剤が含水して生じるペースト粘度特性を改善することから好ましい。
水溶性ポリマーの洗剤粒子群中の含有量は、2〜25重量%が好ましく、2.5〜20重量%がより好ましく、3〜15重量%が更に好ましく、3.5〜10重量%が特に好ましい。この範囲であると、洗剤粒子の強度が十分高いものとなる。
本発明の洗剤粒子群において、アルカリ緩衝剤や充填剤として使用される水溶性塩類としては以下に記載のものが好ましい。水溶性塩類としては、炭酸、硫酸、炭酸水素、亜硫酸、硫酸水素、リン酸等の水溶性の無機塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩)を挙げることができる。又、塩化物、臭化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)及びアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)等が挙げられる。
これらの中で、炭酸塩、硫酸塩及び亜硫酸塩が好ましい。炭酸塩は洗濯液中で好適なpH緩衝領域を示すアルカリ剤として好ましく、硫酸塩、亜硫酸塩等の解離度の高い塩類は、洗濯液のイオン強度を高め、皮脂汚れ洗浄等に好適に作用する。亜硫酸塩は水道水中に含有されている次亜塩素酸イオンを還元し、酵素や香料等の洗剤成分の次亜塩素酸イオンによる酸化劣化を防止する効果を有する。トリポリリン酸ナトリウムも水溶性塩類として使用できる。
水溶性塩類は、単独成分からなっていても、炭酸塩と硫酸塩等の複数成分を併用しても良い。
低分子量の水溶性有機酸塩類としては、クエン酸塩、フマル酸塩等のカルボン酸塩が挙げられる。又、洗浄力の点から、メチルイミノジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩、エチレンジアミンジコハク酸塩、タウリンジ酢酸塩、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、グルタミン酸ジ酢酸塩、アスパラギンジ酢酸塩、セリンジ酢酸塩等が好ましいものとして挙げられる。
水溶性塩類の洗剤粒子群中の含有量は、10〜45重量%が好ましく、15〜40重量%がより好ましく、20〜37.5重量%が更に好ましく、25〜35重量%が特に好ましい。これらの範囲内であれば、洗剤粒子の粒子強度が十分高いものとなり、又、洗剤粒子の溶解性の点でも好ましい。
本発明の洗剤粒子群には、例えば、ゼオライトのような水不溶性物質は、金属イオン封鎖能を有するので、洗浄力の点で含有することが好ましい。このような水不溶性物質としては、結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等を用いることができ、結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。又、該アルミノ珪酸塩の平均粒径は、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩として好適なものは、A型ゼオライト(例えば、商品名:「トヨビルダー」;東ソー(株)製、商品名:「合成ゼオライト」;日本ビルダー(株)製、商品名:「VALFOR100」「VALFOR300」;PQ CHEMICALS(Thailand)Ltd、商品名:「ZEOBUILDER」;ZEOBUILDER Ltd、商品名:「VEGOBOND A」;OMAN CHEMICAL INDUSTRIES Ltd、商品名:「Zeolite」;THAI SILICATE CHEMICALS Ltd)であり、金属イオン封鎖能及び経済性の点でも好ましい。ここで、A型ゼオライトの、JIS K 5101法による担持能の値は40〜50mL/100gであることが好ましい。その他、P型(例えば商品名「Doucil A24」や「ZSE064」等;Crosfild社製;担持能60〜150mL/100g)やX型(例えば商品名:「WessalithXD」;Degussa社製;担持能80〜100mL/100g)が挙げられる。国際公開第98/42622号パンフレット記載のハイブリッドゼオライトも好適な結晶性アルミノ珪酸塩として挙げられる。
又、金属イオン封鎖能は低いが、高い担持能を有する非晶質アルミノ珪酸塩や非晶質シリカ等も洗剤組成物に含有することができる。例えば特開昭62−191417号公報第2頁右下欄第19行〜第5頁左上欄第17行(特に初期温度は15〜60℃の範囲が好ましい。)、特開昭62−191419号公報第2頁右下欄第20行〜第5頁左下欄第11行(特に吸油量は170mL/100gが好ましい。)に記載の非晶質アルミノ珪酸塩や、特開平9−132794号公報第17欄第46行〜第18欄第38行、特開平7−10526号公報第3欄第3行〜第5欄第9行、特開平6−227811号公報第2欄第15行〜第5欄第2行、特開平8−119622号公報第2欄第18行〜第3欄第47行に記載されている非晶質アルミノ珪酸塩(担持能285mL/100g)等を挙げることが出来る。例えば、「トクシールNR」(徳山ソーダ(株)社製:担持能210〜270mL/100g)、「フローライト」(同:担持能400〜600mL/100g)、「TIXOLEX25」(韓仏化学社製:担持能220〜270mL/100g)、「サイロピュア」(富士ディビソン(株)社製:担持能240〜280mL/100g)等の吸油担体を用いることが出来る。特に吸油担体としては特開平6−179899号公報第12欄第12行〜第13欄第1行、第17欄第34行〜第19欄第17行に記載のものが好適である。
水不溶性物質の洗剤粒子群中での含有量は、5〜55重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましく、15〜45重量%が更に好ましく、20〜40重量%が最も好ましい。この範囲であれば、洗浄性能が高く、粒子強度や溶解性に優れる洗剤粒子群が得られる。
水不溶性物質は、単独成分又は複数成分から構成されていても良い。
又、洗剤粒子群には、公知の蛍光染料、顔料、染料、酵素等の補助成分を含むことができる。該補助成分の含有量は洗剤粒子群中の0.1〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
7.洗剤粒子群の製造方法
本発明の洗剤粒子群の製造方法は、前記本発明の表面改質処理方法を用いることに特徴があり、かかる特徴を有することで、得られる洗剤粒子群の保存安定性、特に耐ケーキング性が優れるという利点がある。製造方法については特に限定はなく、コーティング操作の前に洗剤粒子と表面改質用粉末の帯電量を調整する操作を含めば良い。以下に、洗剤粒子群の製造方法を一例として示すが、この製法に限定されるわけではない。
工程(a):水溶性ポリマー、水不溶性物質及び水溶性塩類を含有するスラリーを調製する工程、
工程(b):そのスラリーを噴霧乾燥して、界面活性剤担持用顆粒群を調製する工程、
工程(c):界面活性剤組成物が液状の条件下にて、工程(b)で得られた界面活性剤担持用顆粒群と界面活性剤組成物と結晶性アルカリ金属珪酸塩を混合する工程、
工程(d):工程(c)で得られた混合物(洗剤粒子)及び/又は微粉体(表面改質用粉末)の帯電量の絶対値を50V以下に調整する工程、
工程(e):工程(d)において帯電量を調整した洗剤粒子と表面改質用粉末とを混合し、洗剤粒子の表面を表面改質用粉末で被覆して洗剤粒子群を得る工程から成る。以下、各工程について詳細に記述する。
<工程(a)>
工程(a)で調製するスラリーは、ポンプ送液が可能で非硬化性のスラリーであればよい。スラリーの温度を一定の範囲にすることで水溶性塩類の溶解度が増し、スラリーの粘度上昇を抑制し、ポンプ送液性の点で好ましい。つまりスラリー温度は、好ましくは30〜80℃であり、さらに好ましくは35〜65℃である。
また、スラリーの水分が少ないほど、乾燥工程で蒸発させる水分が少なくなり生産性の面で好ましい。スラリー水分が多いほど、水溶性塩類の溶解量が多くなり、スラリー粘度が減少するのでポンプ送液性の面で好ましい。従ってスラリー水分は、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは35〜65重量%、最も好ましくは40〜60重量%である。
スラリー調製方法として、成分の添加方法、順序については、状況に応じて適宜可変である。例えば、最初に水の全て又は殆ど全てを混合槽に加え、好ましくは水温が設定温度にほぼ到達した後に、他の成分を逐次又は同時に添加する。通常の添加順序としては、先にポリアクリル酸塩等の液状成分を添加し、その後に、ソーダ灰等の水溶性の粉体原料を添加する。また、染料等の少量の補助成分も添加する。最後にゼオライト等の水不溶性物質などの水不溶性の成分を添加する。その際に、混合効率を向上させる目的で、水不溶性の成分を2回以上に分割して添加してもよい。また、粉体原料を予め混合後に水性媒体中に添加してもよい。また、全成分添加後に、粘度やスラリー水分調整のために水を添加してもよい。最終的に均質なスラリーを得るために、スラリー中に全成分を添加した後に、好ましくは10分以上、さらに好ましくは30分以上混合する。
<工程(b)>
スラリーの乾燥方法としては、粒子形状が実質的に球状となる噴霧乾燥が特に好ましい。噴霧乾燥塔としては、熱効率や、界面活性剤担持用顆粒群の粒子強度が向上することから向流塔がより好ましい。スラリーの微粒化装置としては圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式のいずれの形態でも構わないが、所望の平均粒径を得るために、圧力噴霧ノズルが特に好ましい。
乾燥塔に供給されるガスの温度、ガスの送風量を調節することによって、得られる界面活性剤担持用顆粒群の水分を調節することができる。生産性、製造し易さの点や安全性の面も考慮すると乾燥塔に供給されるガスの温度は、140〜360℃、好ましくは170〜330℃である。また、乾燥塔より排出されるガスの温度は乾燥塔の熱効率の点で、70〜105℃、好ましくは75〜100℃である。又、噴霧乾燥後の界面活性剤担持用顆粒群を気流乾燥器、流動層乾燥器、回転乾燥器などによって更に乾燥して製造しても良い。
<工程(c)>
本発明に用いられる界面活性剤担持用顆粒群に担持させる界面活性剤の量は、洗浄力を発揮させる点から、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して5〜80重量部が好ましく、5〜60重量部がより好ましく、10〜60重量部がさらに好ましく、20〜60重量部が特に好ましい。ここで、陰イオン性界面活性剤の担持量は1〜60重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましく、3〜40重量部が特に好ましい。非イオン性界面活性剤の担持量は1〜45重量部が好ましく、1〜35重量部がより好ましく、4〜25重量部が更に好ましい。非イオン性界面活性剤は単独で用いることもできるが、好ましくは、陰イオン性界面活性剤と混合して用いるのが良い。また、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤を目的に合わせ併用することも出来る。ここでいう界面活性剤の担持量とは、工程(a)でのスラリー調製時に界面活性剤が添加される場合、その界面活性剤の添加量を含まないものである。
界面活性剤担持用顆粒群への界面活性剤の担持方法は、例えば、回分式や連続式の公知の混合機を用いることができる。また、回分式で行う場合は、混合機への仕込み方法は、(1)混合機に先ず界面活性剤担持用顆粒群を仕込んだ後、界面活性剤を添加する;(2)混合機に界面活性剤担持用顆粒群と、界面活性剤を少量ずつ仕込む;(3)界面活性剤担持用顆粒群の一部を混合機に仕込んだ後、残りの界面活性剤担持用顆粒群と界面活性剤とを少量ずつ仕込む;等の方法をとることができる。尚、(1)〜(3)の方法は、混合機を運転させながら行う。
これらの方法の中で、特に上記(1)が好ましい。また、界面活性剤は液体状態で添加することが好ましく、さらに液体状態の界面活性剤を噴霧して供給することが好ましい。
界面活性剤の中で、実用上の温度範囲内において昇温しても固体あるいはペースト状で存在するものについては、これらを予め粘性の低い例えば非イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤水溶液又は水中に分散又は溶解させて界面活性剤の混合液又は水溶液を調製し、該混合液又は水溶液の形態で界面活性剤担持用顆粒群に添加することができる。この方法により、固体あるいはペースト状で存在する界面活性剤をも容易に界面活性剤担持用顆粒群に添加することができ、更に単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群の製造に有利である。粘性の低い界面活性剤又は水と固体あるいはペースト状の界面活性剤の混合比率は、得られる混合液又は水溶液が噴霧可能である粘度範囲であれば好ましく、例えばポリオキシエチレンドデシルエーテルとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであれば、両者の比を1:1.4〜1.4:1の範囲で調整することで、容易に噴霧可能な界面活性剤混合液を得ることができる。
上記混合液の製法は、例えば、粘性の低い界面活性剤又は水に固体あるいはペースト状の界面活性剤を投入して混合する方法や、粘性の低い界面活性剤中又は水中で界面活性剤の酸前駆体をアルカリ剤(例えば苛性ソーダ水溶液や苛性カリ水溶液)で中和することにより界面活性剤混合液を調製してもよい。
本発明で用いることのできる陰イオン性界面活性剤の酸前駆体としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸、アルキル又はアルケニル硫酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン化脂肪酸、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸、脂肪酸等が挙げられる。特に脂肪酸を界面活性剤の添加後に添加することが洗剤粒子群の流動性向上の観点より好ましい。
陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量としては、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましく、1〜20重量部がさらに好ましい。陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量はこの範囲において、洗剤粒子群中の粒子の単核性が維持される傾向にあり、従って良好な高速溶解性を呈する。また、陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の添加方法としては、常温で液体のものは噴霧して供給することが好ましく、常温で固体のものは粉末として添加してもよく、溶融させた後噴霧して供給してもよい。ただし、粉末で添加する場合は、粉末が溶融する温度まで混合機中の洗剤粒子群の温度を昇温するのが好ましい。
工程(c)で好ましく用いられる装置としては、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
好ましい混合機としては、単核性洗剤粒子を多く含有する洗剤粒子群を製造する観点から界面活性剤担持用顆粒に強い剪断力がかかりにくい(界面活性剤担持用顆粒を崩壊させにくい)装置であり、界面活性剤の分散効率の観点から混合効率のよい装置が好ましい。上記の混合機の中で特に好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー(横型混合機)でレディゲミキサー、プロシェアミキサー等がある。
また、上記混合機の連続型装置を用いて界面活性剤担持用顆粒群に界面活性剤を担持させてもよい。また、上記以外の混合機で連続型の装置としては、例えばフレキソミックス型((株)パウレック製)、タービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
また、この工程において、非イオン性界面活性剤が使用される場合、この界面活性剤の融点上昇剤となる融点45〜100℃、分子量1000〜30000の水溶性非イオン性有機化合物(以下、融点上昇剤という)又はこの水溶液を界面活性剤の添加前、界面活性剤の添加と同時、界面活性剤の添加途中、または界面活性剤添加後、あるいは界面活性剤に予め混合して添加することも可能である。融点上昇剤を添加することで、洗剤粒子群中の界面活性剤のシミ出し性を抑制することができる。本発明で用いることのできる融点上昇剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プルロニック型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
融点上昇剤の使用量は、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部が好ましい。この範囲が、洗剤粒子群に含有される洗剤粒子の単核性の維持、高速溶解性、及びシミ出し抑制の点から好ましい。融点上昇剤の添加方法として、予め界面活性剤と任意の方法で混合して添加すること、または界面活性剤の添加後に融点上昇剤を添加することが洗剤粒子群のシミ出しの抑制に有利である。
混合機内の温度は、界面活性剤の融点以上に昇温して混合を行えば、より好ましい。ここで、昇温させる温度としては、界面活性剤の担持を促進させるために添加する界面活性剤の融点より高ければよいが、実用的な範囲を挙げると融点を越えて融点より50℃高い温度までが好ましく、融点より10℃〜30℃高い温度がより好ましい。また、この工程で陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は、当該陰イオン性界面活性剤の酸前駆体が反応できる温度に昇温して混合を行えばより好ましい。
好適な洗剤粒子群を得るための回分式の混合時間、及び連続式の混合における平均滞留時間は、1〜20分間が好ましく、2〜10分間が更に好ましい。
工程(c)においては、界面活性剤の添加前、界面活性剤の添加と同時、界面活性剤の添加途中、または界面活性剤添加後に、結晶性アルカリ金属珪酸塩を添加することが可能である。結晶性アルカリ金属珪酸塩は、この工程(c)で加えられるのが好ましいが、一部を表面改質剤として工程(e)において添加しても良いし、結晶性アルカリ金属珪酸塩顆粒として、アフターブレンドしても良い。
また、結晶性アルカリ金属珪酸塩を添加する場合、その添加前、添加と同時、添加途中、添加後に、結晶性アルカリ金属珪酸塩以外の粉末ビルダー、及び/又は粉末の界面活性剤を添加することも可能である。粉末ビルダーを添加することで、洗剤粒子群の粒子径をコントロールすることができ、また洗浄力の向上を図ることができる。特に陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は該酸前駆体を添加する前にアルカリ性を呈する粉末ビルダーを添加することが中和反応を促進する観点から有効である。尚、ここで言う粉末ビルダーとは、界面活性剤以外の粉末の洗浄力強化剤を意味し、具体的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ緩衝能を示す基剤、その他硫酸ナトリウム等のイオン強度を高める基剤等を指す。
当該粉末ビルダーの使用量としては、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して0.5〜12重量部が好ましく、1〜6重量部がさらに好ましい。当該洗剤用粉末ビルダーの使用量はこの範囲において、洗剤粒子群に含有される洗剤粒子の単核性を維持し、良好な高速溶解性を得られ、また、粒子径のコントロールも好適である。
<工程(d)>
前述した帯電量調整方法を用いて、工程(c)で得られた混合物(洗剤粒子)及び/又は表面改質用粉末の帯電量の絶対値を50V以下に調整する。
該表面改質用粉末としては、アルミノ珪酸塩が特に好ましく、結晶性、非晶質の何れでも構わないが、カルシウム捕捉能の観点から、結晶性のものが好ましい。アルミノ珪酸塩以外では、硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体のような微粉体も好ましい。また結晶性アルカリ金属珪酸塩で平均粒径が10μm以下であるものは、表面改質用粉末として用いることができる。また、一次粒子が0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの金属石鹸、粉末の界面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)や水溶性有機酸塩も同様に用いることができる。
表面改質用粉末の使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対して0.5〜40重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましく、2〜20重量部が特に好ましい。当該表面改質用粉末の使用量はこの範囲において、流動性が向上し、消費者に良好な使用感を与える。
帯電量の調整方法に関しては、プロセス内の摩擦を少なくする場合は、事前に潤滑剤をプロセスに行き渡らせることが重要である。
また、界面活性剤を添加する場合は、事前に添加していても良いが、コーティング操作の直前に行う方が好ましい。界面活性剤の添加方法としては、連続的に添加しても良いし、回分式処理をしても構わない。
市販の静電気除去装置を用いる場合は、コーティング操作の直前に帯電量調整の操作を行うことが好ましい。操作は連続的に行っても回分式処理で行っても構わない。
帯電量調整処理は、洗剤粒子と表面改質用粉末をそれぞれ別に処理することが好ましい。処理の方法としては、連続的に処理しても構わないし、バッチ処理でも構わない。
<工程(e)>
本発明においては、工程(c)により界面活性剤を担持させた洗剤粒子群の粒子表面を改質するために、工程(d)で帯電量の調整を行った表面改質用粉末を添加する工程(工程(e))を一工程あるいは二工程重複して行う。
工程(e)で使用される装置は特に限定されず、公知の混合機を用いることができるが、前述の工程(c)で例示した混合機が好ましい。表面改質用粉末の分散効率の観点からは混合効率の良い装置が好ましく、洗剤粒子に付着した表面改質用粉末が剥れ落ちるのを防止する意味では、強い剪断力がかかりにくい装置が好ましい。工程(c)で列挙した混合機の中で特に好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー(横型混合機)でレディゲミキサー、プロシェアミキサー等がある。
また、上記の混合機で一旦、洗剤粒子群のコーティング処理を行った後、更により剪断力のかかりにくい別の混合機で二段階目のコーティング処理を行うと表面被覆率が高くなり好ましい。二段階目のコーティング処理に用いられる混合機としては、ロータリーミキサーやドラムミキサーのような回転円筒型混合機が好ましい。
8.洗剤組成物
また、工程(e)を経て得られた洗剤粒子群を用い、必要であれば他の洗剤成分と混合することで、洗剤組成物を調製することができる。したがって、本発明は、前記表面改質処理方法を用いることにより得られる洗剤粒子群を用いる洗剤組成物の製造方法に関する。他の洗剤成分としては、例えば、結晶性アルカリ金属珪酸塩の造粒物、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等が好ましい。
洗剤組成物中の洗剤粒子群の含有量は、洗浄力の点から50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、80重量%以上が特に好ましい。また、洗剤粒子群の含有量の上限は、99.9重量%以下が好ましく、99重量%以下がより好ましい。
洗剤粒子群以外の洗剤成分の洗剤組成物中における含有量は、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
前記洗剤組成物の用途としては特に限定されるものではないが、衣料用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、自動車用洗剤、歯ミガキ、身体用洗剤、金属用洗浄剤等として用いられる。
本発明を以下に例示するが、本発明はこれに限定されない。実施例及び比較例において、表面改質用粉末、洗剤粒子、洗剤粒子群の物性は以下の試験方法により評価した。
(水分):JIS K 0068により規定された方法にて測定した。
(嵩密度):JIS K 3362により規定された方法で測定した。
(平均粒径):JIS Z 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出した。
(表面被覆率):フーリエ変換赤外光音響分光法(FT−IR/PAS)を用いて非破壊で洗剤粒子表面の改質剤による被覆率を定量することが可能である。すなわち、表面改質用粉末と洗剤粒子のスペクトルを測定し、お互いに重複することのないピークを指標ピークとして選定した。洗剤粒子群のFT−IR/PASを測定し、(表面改質用粉末の指標ピーク強度)と(洗剤粒子の指標ピーク強度)の比を表面被覆率とした。本発明の実施例においては、表面改質用粉末の指標ピークとしてはゼオライトの結晶水に由来する1650cm-1付近のピークを使用し、洗剤粒子の指標ピークとしてはポリアクリル酸ナトリウムの−COO−基に由来する1580cm-1付近のピークを使用した。FT−IR/PASの値が大きい程、洗剤粒子の表面が表面改質用粉末で被覆されていることを示す。
(コーティング層厚み):平均粒径を求めた際に分級した洗剤粒子群に関して、各篩上の粒子を重量百分率の値に従って、割断した。例えば、250オン、355パスの重量百分率が25%の場合、25個の洗剤粒子を割断し、割断した粒子の表面改質用粉体の厚みを操作型電子顕微鏡にて観察した。合計100個の洗剤粒子の平均値をもって、該洗剤粒子のコーティング層の厚みとした。
(耐ケーキング性):JIS P 3801に規定される2種型ろ紙(例えば、東洋濾紙(株)製「定性No2濾紙」)を用いた縦×横×高さ=14.5cm×9.2cm×13.5cmの上面が開口した容器を作った。この箱に洗剤粒子群サンプル1200gを入れた。これを温度30℃、湿度70%の恒温恒湿器中に放置し、8日後にケーキング状態について判定を行った。判定は、試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過した粉末の重量を計り、試験後の試料に対する篩通過率を求めることによって行った。篩通過率が高いほど、耐ケーキング性が高く、洗剤粒子群として好ましい物性である。
(溶解性):測定条件:5℃±0.5℃の硬度4°DHの水1.00L±0.03Lに試料1.000g±0.010gを投入し、1Lビーカー(内径105mm)内で円柱状攪拌子(長さ35mm、直径8mm)にて120秒間、回転数800rpmにて攪拌した後、JISZ8801規定の標準篩(目開き300μm)にて溶残物を濾過した。分級粒子群の溶解率Vは、下記式(a)により算出した。
V=(1−T/S)×100(%) (a)
(ここで、Sは各分級粒子群の投入重量(g)、Tは濾過後の篩上に残存する各分級粒子群の溶残物の乾燥重量(g)を示す。)。
(帯電量):(株)キーエンス製の高精度静電気センサSK−030/200のセンサ部を粉体層または粒子群の上方1cmまで近づけて測定した。5ヶ所の平均値をとって、帯電量とした。
本実施例においては、特に記載のない限り下記の原料を用いた。
硫酸ナトリウム:無水中性芒硝(四国化成(株)製)
亜硫酸ナトリウム:亜硫酸ソーダ(三井化学(株)製)
蛍光染料:チノパールCBS−X(チバスペシャリティケミカルス社製)
炭酸ナトリウム:デンス灰(平均粒径:290μm、セントラル硝子(株)製)
40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液:重量平均分子量1万(花王(株)製)
塩化ナトリウム:焼き塩S(日本製塩(株)製)
結晶性アルミノ珪酸ナトリウム(ゼオライト):ゼオビルダー(4A型、平均粒径:3.5μm、ゼオビルダー製)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:エマルゲン108KM(エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14、花王(株)製)
ポリエチレングリコール:K−PEG6000(重量平均分子量:8500、花王(株)製)
結晶性層状二珪酸ナトリウム:プリフィードN((株)トクヤマシルテック製)
実施例1
混合槽に水486重量部を入れ、水温が45℃に達した後に、硫酸ナトリウム112重量部、亜硫酸ナトリウム5重量部、蛍光染料1重量部を添加して10分間攪拌した。炭酸ナトリウム124重量部を添加し、40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液230重量部を添加し10分間攪拌し、塩化ナトリウム46重量部と、更にゼオライト196重量部を添加し、15分間攪拌して均質なスラリーを得た(スラリー水分53重量%)。このスラリーの最終温度は50℃であった。
スラリーをポンプで噴霧乾燥塔(向流式)に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が250℃で供給され、塔頂より95℃で排出された。その際の送風インバータの出力は70%であった。得られた界面活性剤担持用顆粒群1の水分は2.6%、嵩密度は532g/L、平均粒径は295μmであった。この界面活性剤担持用顆粒群1を用いて、次に示す方法で洗剤粒子群を製造した。
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に得られた界面活性剤担持用顆粒群1を100重量部と結晶性層状二珪酸ナトリウムを20重量部投入し、主軸(攪拌翼、回転数:60r/m、周速:1.6m/s)の攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、80℃に加熱した界面活性剤組成物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル/ポリエチレングリコール/アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム/水=42/8/42/8)50重量部を2分間で投入し、その後5分間攪拌を行った。撹拌終了後、レディゲミキサーから洗剤粒子群を排出し、振動コンベアにて輸送し、φ400mmのコンクリートミキサー内に供給した。コンクリートミキサー内における洗剤粒子の帯電量は−20V(絶対値20V)であった。
ゼオライト20重量部を容量9Lのヘンシェルミキサー(三井三池工機(株) 、FM10B)に入れ、ジャケット温度を20℃にして、3500r/mで撹拌しながら、0.2重量部の両性イオン界面活性剤(アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン:商品名アンヒトール20BS)を30秒間かけて添加した。その後、3500r/mで90秒間撹拌し、表面改質用粉末1を得た。該表面改質用粉末1(10重量部)を内径42.6mm、配管長23.5mの輸送管を用いて風量1.2m3 /min、輸送圧0.8kgf/cm2 、元加圧1.0kgf/cm2 の条件で空気輸送し、洗剤粒子が供給されているコンクリートミキサー内まで輸送した。空気輸送後の該表面改質用粉末1の帯電量は−35Vであった。φ400mmコンクリートミキサー(バッフル8枚)を回転数14r/m、遠心効果0.04、傾斜角10°にて180秒間運転することにより、洗剤粒子を表面改質用粉末1によってコーティング処理し、洗剤粒子群1を得た。洗剤粒子群の表面被覆量はFT−IR/PASの値で1.85(−)であった。また耐ケーキング性は、篩通過率の値で82(%)だった。
実施例2
実施例1の両性イオン界面活性剤をカチオン界面活性剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド:商品名コータミン24P)に変更した以外は、全て実施例1と同様な方法で、表面改質用粉末2と洗剤粒子群2を得た。空気輸送後該表面改質用粉末の帯電量は−30Vであった。また洗剤粒子群2の表面被覆量はFT−IR/PASの値で1.78(−)であった。また耐ケーキング性は、篩通過率の値で80(%)だった。
実施例3
ゼオライト10重量部を空気輸送し、コンクリートミキサーに供給した。空気輸送後のゼオライトの帯電量は−350Vであった。該ゼオライトをキーエンス製のコンパクト除電ブロア(SJ−F010)にて1分間除電し、帯電量が−35Vまで下がった表面改質用粉末3を得た。該表面改質用粉末3を実施例1と同じ運転条件でコーティング処理に用いて洗剤粒子群3を得た。洗剤粒子群3の表面被覆量はFT−IR/PASの値で1.74(−)であった。また耐ケーキング性は、篩通過率の値で77(%)だった。
比較例
ゼオライト10重量部を空気輸送し、コンクリートミキサーに供給したところ、帯電量は−360Vであった。特に帯電量調整の操作を行わずに、実施例1と同じ運転条件でコーティング処理を行い、洗剤粒子群4を得た。洗剤粒子群3の表面被覆量はFT−IR/PASの値で1.03(−)であった。また耐ケーキング性は、篩通過率の値で58(%)だった。
表面改質用粉末の帯電量、洗剤粒子群のFT−IR/PAS値、篩通過率を表1にまとめた。実施例1〜3では、得られた表面改質用粉末は、コーティング処理を開始する前に帯電量の絶対値が低減されており、洗剤粒子群及び表面改質用粉末間での電気的な反発が抑制されることにより、帯電量を調整していない比較例の場合より、表面被覆率が有意に高くなることがわかる。また、表面被覆率が高くなったことにより、耐ケーキング性も向上することがわかる。さらに、実施例1〜3では溶解性に影響を与えるようなバインダー成分を含んでいないので溶解率に関しても比較例のサンプルと差がないことがわかる。
Figure 0004484580
本発明により得られる洗剤組成物は、衣料用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、自動車用洗剤、歯ミガキ、身体用洗剤、金属用洗浄剤等として好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 面改質用粉末及び洗剤粒子のうち、少なくとも表面改質用粉末の帯電量を低減させてその絶対値を50V以下に調整した後、前記表面改質用粉末及び洗剤粒子を混合して洗剤粒子表面を表面改質用粉末でコーティングする、洗剤粒子の表面改質処理方法。
  2. 両性界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤を添加することにより、表面改質用粉末及び/又は洗剤粒子の帯電量の絶対値を低減させる請求項1記載の処理方法。
  3. イオン化した空気を吹き付けることにより、表面改質用粉末及び/又は洗剤粒子の帯電量の絶対値を低減させる請求項1又は2記載の処理方法。
  4. 実質的に液状のバインダー成分の添加を行なわずに、洗剤粒子表面を表面改質用粉末にてコーティングする請求項1〜3いずれか記載の処理方法。
  5. 表面改質用粉末が結晶性アルミノ金属珪酸塩である請求項1〜4いずれか記載の処理方法。
  6. 洗剤粒子の帯電と表面改質用粉末の帯電とが同符号である、請求項1〜5いずれか記載の処理方法。
  7. 請求項1〜いずれか記載の処理方法を用いる洗剤粒子群の製造方法。
  8. 請求項1〜いずれか記載の処理方法を用いて得られる洗剤粒子群を用いる洗剤組成物の製造方法。
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