JP4484464B2 - 発光材料及び発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセント素子などの発光素子の発光材料として用いることができる、ジカルボニル化合物及びその金属錯体並びにこれを用いた発光材料及び発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセント素子などの発光素子に用いることができる発光材料として、種々の金属錯体が検討されている。
【0003】
特許文献1には、金属群{Al,Zn,Mn,Ni,Cr,Co,Eu,Fe,Mg,Be}から選択される金属原子に対して、共役二重結合を含有するアルキル基及び/またはアリル基が置換した1,3−ジケトン誘導体が、2ないし4個配位してなる金属錯体、及びそれを用いた有機多層型エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環状基を有していても良い1,3−ジケトン置換基で置換されたトリフェニルアミン骨格を有する蛍光性化合物、及びその希土類金属錯体が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシドと、オキサジアゾール環が連結したβ−ジケトン誘導体と、を希土類金属原子の配位子として含む有機金属錯体及びそれを使用した電界発光素子が開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、金属群{Ir,Pt,Rh,Pd}から選択される金属原子に対して、炭素数1ないし20の直鎖状または分岐状のアルキル基、またはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリアルキルシリル基、炭素数1ないし20の直鎖状または分岐状のアルキル基を有していても良い芳香環基で置換された1,3−ジケトン誘導体が、0ないし3個配位してなる金属配位化合物を含む発光素子が開示されている。
【0007】
また、非特許文献1には、2,4−ペンタンジオンや、ジベンゾイルメタンなどよりなる金属錯体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−255700号公報
【特許文献2】
特開2000−319236号公報
【特許文献3】
特開2001−233880号公報
【特許文献4】
特開2002−332291号公報
【非特許文献1】
Sergey LamanskyらによるJ.Am.Chem.Soc.,2001,Vol.123,pp.4304−4312
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これらのジカルボニル化合物、及びその金属錯体では、発光強度が不十分であり、より発光強度の優れた発光材料が求められていた。また、発光スペクトルが使用目的に対して最適ではなく、より目的に合致した発光スペクトルが得られる発光材料が求められていた。
【0010】
本発明の目的は、発光材料として用いることができる新規なジカルボニル化合物及びその金属錯体並びにこれを用いた発光材料及び発光素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のジカルボニル化合物は、以下の一般式(I)で表されることを特徴としている。
【0012】
【化6】
【0013】
(式中、R1及びR2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、以下の一般式(i)で表わされるフェニレン基、あるいは水素の一部が置換されていてもよい、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、チエニル基、フリル基、またはピロリル基を示し、R3は水素または炭素数20以下のアルキル基を示す。)
【0014】
【化7】
【0015】
(式中、R4はアミノ基、アルコキシ基、またはフェニル基を示す。)
本発明におけるジカルボニル化合物は、上記一般式(I)で表される化合物の互変異性体を含むものである。
【0016】
一般式(i)中のR4のアミノ基としては、以下の一般式(ii)で表されるアノミ基が挙げられる。
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、G1及びG2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。但し、G1及びG2が同時にフェニル基またはフェニレン基である場合を除く。)
上記一般式(ii)で表されるアミノ基の具体例としては、水素の一部が置換されていてもよい、ジアルキルアミノ基、アゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、アゼピノ基、モルホリノ基、及びピペラジノ基などが挙げられる。
【0019】
1、R2、及び上記アミノ基における水素の一部が置換されていてもよい置換基としては、炭素数20以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下のアルキル基が挙げられる。
【0020】
また、R3のアルキル基としては、さらに好ましくは炭素数10以下、さらに好ましくは炭素数5以下のアルキル基が挙げられる。
本発明の金属錯体は、上記本発明のジカルボニル化合物を配位子として用いた以下の一般式(II)で表されることを特徴とする金属錯体である。
【0021】
【化9】
【0022】
(式中、R1、R2及びR3は一般式(I)の場合と同様であり、Aは以下に示すグループより選ばれる配位子であり、水素の一部はフッ素またはCF3で置換されていてもよい。MはIr、PtまたはReであり、nはMがIrまたはReの場合、2であり、MがPtの場合、1である。)
【0023】
【化10】
【0024】
本発明の発光材料は、上記本発明のジカルボニル化合物または上記本発明の金属錯体からなることを特徴とする発光材料である。具体的には、有機エレクトロルミネッセント素子や電気化学発光素子などの発光素子における発光材料として用いることができる。また、有機エレクトロルミネッセント素子におけるホール(正孔)注入層、ホール(正孔)輸送層、電子注入層、電子輸送層などに用いることも可能である。
【0025】
本発明の発光素子は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極及び第2の電極に挟まれた発光層とを備え、該発光層に、本発明のジカルボニル化合物または本発明の金属錯体が含まれていることを特徴としている。
【0026】
本発明の発光素子としては、例えば、有機エレクトロルミネッセント素子が挙げられる。
本発明の発光素子の素子構造としては、Sergey Lamansky らによるJ. Am. Chem. Soc., 2001, Vol.123,pp.4304−4312や、特開2003−7469号公報等に開示された様な素子構造が挙げられる。同様に、本発明のジカルボニル化合物または金属錯体を、特開平8−315983号公報、特開平8−319482号公報、特開平11−288786号公報、特許第3208145号公報、米国特許第6008588号公報、米国特許第6229505号公報等に記載の発光性物質や、発光性ドーパントの代わりに用いる事で、強い発光が可能な発光素子とすることができる。
【0027】
また、特に、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.40 Part2,No.9A/B,(2001)pp.L945〜L947、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.40 Part2,No.12A,(2001)pp. L1323〜L1326、特開2002−324401号公報、等に記載の発光性物質の代わりに用いる事で、強い発光が可能な電気化学発光素子とすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の新規なジカルボニル化合物は、文献(J.Org.Chem.,1966,31,2319)を参考にして、次のようにして合成した。本明細書では、ケトン誘導体と、カルボン酸エステル誘導体とを、総称してカルボニル誘導体ということにする。
【0029】
(1)環状アミノ基を有するケトン誘導体の合成
環状アミノ基を有するケトン誘導体であるアセトフェノン誘導体A06,A07,A08(次の表1中のEntry 1〜3)は、次の合成スキームに従い、物質量X mmol(但し、X mmol=49.4 mmol)の4−フルオロアセトフェノンと、1.2X mmol(1.2 equiv)の環状アミンR‘2NHと、X mmol(1 equiv)の炭酸カリウム(K2CO3)とを混合し、{16・(X/49.4) cm3}のジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として用い、4−フルオロアセトフェノンの濃度を約3.09mol/リットルとなるようにして、100℃で6時間、加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、2X cm3の氷水に注ぎ込み、析出した固体を濾過により取り出し、更に、0.4X cm3の蒸留水で3回洗浄した後、熱ヘプタンを溶媒として再結晶法により精製し、次の表に示すように、96%(A06), 91%(A07),96%(A08)の収率(Yield)で得た。
【0030】
アセトフェノン誘導体A31(次の表1中のEntry 4)は、前記の合成法に従い、100℃で21時間、加熱・撹拌して反応させた後、同様に処理し、熱ヘプタンを溶媒として再結晶法により精製し、88%の収率で得た。
【0031】
7員環を有するアセトフェノン誘導体A26(次の表1中のEntry 5)は、同様の合成法に従い、{16・(X/49.4) cm3}(但し、X mmol=29.6mmol)のジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として用い、4−フルオロアセトフェノンの濃度を約3.09mol/リットルとなるようにして、100℃で18時間加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、2X cm3の氷水に注ぎ込み、2X cm3のジクロロメタンで抽出し、更にジクロロメタンをX cm3の蒸留水で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物を酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製して91%の収率で得た。
【0032】
また、アゼチジン誘導体とも呼ぶ事ができる、4員環を有するアセトフェノン誘導体A25(次の表1中のEntry 6)は、塩基として炭酸カリウムだけでなく、X mmol(但し、X mmol=3.7 mmol)のピリジンを添加し、{16・(X/49.4) cm3}のジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として用い、4−フルオロアセトフェノンの濃度を約3.09mol/リットルとなるようにして、100℃で14時間加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、2X cm3の氷水に注ぎ込み、2X cm3のジクロロメタンで抽出し、更にジクロロメタンをX cm3の蒸留水で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物を酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製して54%の収率で得た。
【0033】
【化11】
【0034】
【表1】
【0035】
以下、各化合物の構造を確認するために測定した赤外分光分析の特徴的なピークの波数(IRと略記)、核磁気共鳴分析(NMR)の化学シフトなどの結果を記す。
【0036】
4−ピペリジノアセトフェノン〔A06〕の合成
4−フルオロアセトフェノン(6.0cm3,49.4mmol)、ピペリジン(5.7cm3,57.6mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで無色結晶として4−ピペリジノアセトフェノン〔A06〕(9.640g,96%)を得た。
【0037】
IR(KBr,cm-1):1654(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.63−1.69(m,6H),2.50(s,3H,CH3),3.34−3.38(m,4H),6.83(d,J=9.0Hz,2H),7.84(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.4,26.1(CH3CO),48.6,113.1,126.5,130.3,154.2,196.1(CO).
【0038】
4−ピロリジノアセトフェノン〔A07〕の合成
4−フルオロアセトフェノン(6.0cm3,49.4mmol)、ピロリジン(5.8cm3,58.5mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで黄色結晶として4−ピロリジノアセトフェノン〔A07〕(8.551g,91%)を得た。
【0039】
Mp:93−96℃;IR(KBr,cm-1):1654(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.01−2.06(m,4H),2.50(s, 3H,CH3),3.34−3.38(m,4H),6.51(d,J=8.9Hz,2H),7.87(d,J=8.9Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ25.5,26.0(CH3CO),47.6,110.5,124.7,130.6,150.8,196.1(CO).
【0040】
4−モルホリノアセトフェノン〔A08〕の合成
4−フルオロアセトフェノン(6.0cm3,49.4mmol)、モルホリン(5.1cm3,58.5mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで黄色結晶として4−モルホリノアセトフェノン〔A08〕(9.719g,96%)を得た。
【0041】
IR(KBr,cm-1):1659(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.47(s,3H,CH3),3.23−3.29(m,4H),3.78−3.82(m,4H),6.82(d,J=9.0Hz,2H),7.84(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ26.1(CH3CO),47.3,66.4,113.0,127.8,130.1,153.9,196.1(CO).
【0042】
4−アゼチジノアセトフェノン〔A25〕の合成
4−フルオロアセトフェノン(0.45cm3,3.7mmol)、アゼチジン塩酸塩(0.413g,4.4mmol)、ピリジン(0.36cm3,4.5mmol)、炭酸カリウム(0.513g, 3.7mmol)をジメチルスホキシド1cm3を溶媒として100℃で14時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、蒸留水10cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン20cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水10cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで黄色固体として4−アゼチジノアセトフェノン〔A25〕(0.126g、54%)を得た。
【0043】
Mp:92−94℃;IR(KBr,cm-1):1654(CO);1H−NMR (CDCl3,300MHz):δ1.19(fifth,J=7.1Hz,2H,CH2N)、2.50(s,3H,CH3CO)、3.99(t,J=7.1Hz,4H,CH2N),6.35(d,J=9.0Hz,2H),7.85(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):16.6(CH2),26.1(CH3CO),51.6(CH2),109.4,125.9,130.3,154.2,196.2(CO);ESI−Mass(m/z):176(M++1).
【0044】
1−[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]エタノン〔A26〕の合成
4−フルオロアセトフェノン(3.6cm3,29.6mmol)、ヘキサメチレンイミン(4.0cm3,35.5mmol)、炭酸カリウム(4.099g,29.6mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で18時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン100cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水50cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで黄色結晶として1−[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]エタノン〔A26〕(5.888g,91%)を得た。
【0045】
IR(KBr,cm-1):1656(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.52−1.57(m,4H,CH2),1.75−1.82(m,4H,CH2),2.49(s,3H,CH3),3.50−3.54(m,4H,CH2),6.65(d,J=9.0Hz,2H),7.84(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ26.0(CH3CO),26.9,27.4,49.4,110.0,124.7,130.7,152.1,195.9(CO).
【0046】
4−(4−メチルピペラジノ)アセトフェノン〔A31〕の合成
4−フルオロアセトフェノン(6.0cm3,49.4mmol)、1−メチルピペラジン(5.1cm3,58.5mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで橙色結晶として4−(4−メチルピペラジノ)アセトフェノンA31(9.456g,88%)を得た。
【0047】
IR(KBr,cm-1):1659(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.33(s,3H,CH3),2.49(s,3H,CH3),2.51−2.54(m,4H,CH2),3.33−3.36(m,4H,CH2),6.85(d,J=9.0Hz,2H),7.85(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ26.1(CH3CO),46.1,47.2,54.7,113.2,127.4,130.2,153.9,196.2(CO).
【0048】
(2)環状アミノ基を有するカルボン酸エステル誘導体の合成
環状アミノ基を有するカルボン酸エステル誘導体である安息香酸エステル誘導体E06,E07,E08,E26,E31(次の表2中のEntry 1〜5)は、次の合成スキームに従い、物質量X mmol(但し、Entry 1〜3ではX mmol=49.4mmol、Entry 4ではX mmol=10mmol、Entry 5ではX mmol=29.4mmol)の4−フルオロ安息香酸エステルと、1.2X mmol(1.2 equiv)の環状アミンR‘2NHと、塩基としてX mmol(1 equiv)の炭酸カリウム(K2CO3)とを混合し、{16・(X/49.4) cm3}のジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として用い、4−フルオロ安息香酸エステルの濃度を約3.09mol/リットルとなるようにして、100℃で6〜21時間加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、2X cm3の氷水に注ぎ込み、析出した固体を濾過により取り出し、更に、0.4X cm3の蒸留水で3回洗浄した後、熱ヘプタンを溶媒として再結晶法により精製し、表2に示すように、67%(E06),77%(E07),56%(E08), 48%(E26),49%(E31)の収率で得た。
【0049】
尚、アゼチジン誘導体とも呼ぶ事ができる、4員環を有する安息香酸メチルエステル誘導体E25(次の表2中のEntry 6)は、原料の環状アミンとして1.15X mmolのアゼチジン塩酸塩を用いて、前記の塩基である炭酸カリウムの代わりに、X mmol(但し、X mmol=3.9mmol)の炭酸セシウムと、1.15X mmolのピリジンとを用い、{5・(X/3.9) cm3}のジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として用い、4−フルオロ安息香酸エステルの濃度を約0.78mol/リットルとなるようにして、100℃で41時間反応加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、2.5X cm3の氷水に注ぎ込み、5X cm3のジクロロメタンで抽出し、更にジクロロメタン層を2.5X cm3の蒸留水で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物を酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製して64%の収率で得た。
【0050】
【化12】
【0051】
【表2】
【0052】
以下、各化合物の構造を確認するために測定した融点(Mpと略記)、赤外分光分析の特徴的なピークの波数(IRと略記)、核磁気共鳴分析(NMRと略記)の化学シフトなどの結果を記す。
【0053】
メチル 4−ピペリジノベンゾエート〔E06〕の合成
メチル 4−フルオロベンゾエート(6.4cm3,49.4mmol)、ピペリジン(5.7cm3,57.6mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで無色結晶としてメチル 4−ピペリジノベンゾエート〔E06〕(7.218g,67%)を得た。
【0054】
IR(KBr,cm-1):1707(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.63−1.69(m,6H),3.30−3.34(m,4H),3.85(s,3H,CH3),6.84(d,J=9.0Hz,2H),7.89(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.4,48.8,51.6(CH3),113.4,118.5,131.1,154.3,167.0(CO).
【0055】
メチル 4−ピロリジノベンゾエート〔E07〕の合成
メチル 4−フルオロベンゾエート(6.4cm3,49.4mmol)、ピロリジン(5.8cm3,58.5mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで無色結晶としてメチル 4−ピロリジノベンゾエート〔E07〕(7.784 g,77%)を得た。
【0056】
IR(KBr,cm-1):1697(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.01−2.05(m,4H),3.32−3.37(m,4H),3.85(s,3H,CH3),6.51(d,J=9.0Hz,2H),7.90(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ25.5,47.5,51.5(CH3),110.5,116.1,131.2,150.6,167.4(CO).
【0057】
メチル 4−モルホリノベンゾエート〔E08〕の合成
メチル 4−フルオロベンゾエート(6.4cm3,49.4mmol)、モルホリン(5.1cm3,58.5mmol)、炭酸カリウム(6.828g,49.4mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で6時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで黄色結晶としてメチル 4−モルホリノベンゾエート〔E08〕(6.072g,56%)を得た。
【0058】
IR(KBr,cm-1):1701(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.25−3.28(m,4H),3.82−3.85(m,4H),3.85(s,3H,CH3),6.84(d,J=9.0Hz,2H),7.91(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ47.7,51.7(CH3),66.6,113.3,120.1,131.0,154.0,166.8(CO).
【0059】
メチル 4−アゼチジノベンゾエート〔E25〕の合成
メチル 4−フルオロベンゾエート(0.50cm3,3.9mmol)、アゼチジン塩酸塩(0.422g,4.5mmol)、ピリジン(0.36cm3,4.5mmol)、炭酸セシウム(1.260g, 3.9mmol)をジメチルスホキシド5cm3を溶媒として100℃で41時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水10cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン20cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水10cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで無色固体としてメチル 4−アゼチジノベンゾエート〔E25〕(0.548g、64%)を得た。
【0060】
Mp:100−101℃;IR(KBr,cm-1):1691(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.42(fifth,J=7.4Hz,2H,CH2),3.85(s,3H,CH3),3.97(t,J=7.4Hz,4H,CH2),6.36(d,J=9.0Hz,2H),7.87(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl375.5MHz):δ16.7,43.0,51.6,51.7,109.6,117.6,131.0,154.3,167.3(CO);ESI−Mass(m/z):191(M+).
【0061】
メチル 4−(1−ヘキサメチレンイミノ)ベンゾエート〔E26〕
メチル 4−フルオロベンゾエート(3.8cm3,29.4mmol)、ヘキサメチレンイミン(4.0cm3,35.5mmol)、炭酸カリウム(4.099g,29.6mmol)をジメチルスホキシド16cm3を溶媒として100℃で18時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで無色結晶としてメチル 4−(1−ヘキサメチレンイミノ)ベンゾエート〔E26〕(3.290g,48%)を得た。
【0062】
Mp:56−57℃;IR(KBr,cm-1):1697(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.52−1.57(m,4H,CH2),1.75−1.82(m,4H,CH2),3.49−3.53(m,4H,CH2),3.84(s,3H,CH3),6.64(d,J=9.0Hz,2H),7.87(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ26.9,27.4,49.4,51.5,110.0,116.0,131.4,152.0,168.4(CO);ESI−Mass(m/z):234(M++1).
【0063】
メチル 4'−(4−メチルピペラジノ)ベンゾエート〔E31〕の合成
メチル 4−フルオロベンゾエート(1.3cm3,10.0mmol)、1−メチルピペラジン(1.3cm3,11.7mmol)、炭酸カリウム(1.382g,10.0mmol)をジメチルスホキシド8cm3を溶媒として100℃で21時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、析出した固体をろ別、さらに固体を蒸留水20cm3で3回洗浄した。得られた化合物を熱ヘプタンから精製することで黄色結晶としてメチル 4'−(4−メチルピペラジノ)ベンゾエート〔E31〕(1.143g,49%)を得た。
【0064】
IR(KBr,cm-1):1705(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.35(s,3H,CH3),2.53−2.57(m,4H,CH2),3.33−3.36(m,4H,CH2),3.86(s,3H,CH3),6.87(d,J=9.0Hz,2H),7.91(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ46.2,47.4,51.7,54.8,113.5,120.0,131.1,153.9,167.0(CO).
【0065】
(3)鎖状アルキルアミノ基を有するカルボニル誘導体の合成
鎖状アルキルアミノ基を有するカルボニル誘導体は次の方法によって合成した。
【0066】
鎖状アルキルアミノ基を有するケトン誘導体であるアセトフェノン誘導体A32,A33(次の表3中のEntry 1、2)は、次の合成スキームに従い、物質量X mmolの4−アミノアセトフェノンと、3X mmolのヨウ化アルキルR‘Iと、3.03X mmolの炭酸ナトリウム(Na2CO3)とを混合し、X cm3のヘキサメチル亜りん酸トリアミド(HMPA)を溶媒として用い、4−アミノアセトフェノンの濃度を約1mol/リットルとなるようにして、100℃で24時間加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、10Xcm3の氷水に注ぎ込み、10X cm3のジクロロメタンで抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水5X cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物を酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製して、表3に示すように、92%(A32),98%(A33)の収率で得た。
【0067】
鎖状アルキルアミノ基を有するカルボン酸エステル誘導体である安息香酸エチルエステル誘導体E32,E33(次の表3中のEntry 3、4)は、次の合成スキームに従い、物質量X mmolの4−アミノ安息香酸エチルエステルと、3X mmolのヨウ化アルキルR‘Iと、3.1X mmolの炭酸ナトリウム(Na2CO3)とを混合し、X cm3のヘキサメチル亜りん酸トリアミド(HMPA)を溶媒として用い、4−アミノ安息香酸エチルエステルの濃度を約1mol/リットルとなるようにして、100℃で24時間加熱・撹拌して反応させた後、室温まで冷却し、10X cm3の氷水に注ぎ込み、10X cm3のジクロロメタンで抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水5X cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物を酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製して、表3に示すように、98%(E32),72%(E33)の収率で得た。
【0068】
【化13】
【0069】
尚、ここでは、物質量X mmol=10mmolとして行ったが、スケールを適宜変更して行っても良い。
【0070】
【表3】
【0071】
以下、各化合物の構造を確認するために測定した赤外分光分析の特徴的なピークの波数(IRと略記)、核磁気共鳴分析(NMR)の化学シフトなどの結果を記す。
【0072】
4−(N,N−ジエチルアミノ)アセトフェノン〔A32〕の合成
4−アミノアセトフェノン(1.352g,10.0mmol)、ヨードエタン(2.4cm3,30.0mmol)、炭酸ナトリウム(3.300g,31.1mmol)をへキサメチルホスホロアミド10cm3を溶媒として100℃で24時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン100cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水50cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで無色油状物質として4−(N,N−ジエチルアミノ)アセトフェノン〔A32〕(1.760g,92%)を得た。
【0073】
IR(neat,cm-1):1661(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.19(t,J=7.1Hz,6H,CH3),2.48(s,3H,CH3CO),3.41(q,J=7.1Hz,4H,CH2),6.61(d,J=9.0Hz,2H),7.83(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ12.6(CH3),25.9(CH2),44.5(CH3CO),109.9,124.4,130.7,150.9,195.8(CO).
【0074】
4−(N,N−ジブチルアミノ)アセトフェノン〔A33〕の合成
4−アミノアセトフェノン(1.352g,10.0mmol)、ヨードブタン(3.4cm3,29.7mmol)、炭酸ナトリウム(3.300g,31.1mmol)をへキサメチルホスホロアミド10cm3を溶媒として100℃で24時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン100cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水50cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで無色油状物質として4−(N,N−ジブチルアミノ)アセトフェノン(2.420g,98%)〔A33〕を得た。
【0075】
IR(neat,cm-1):1662(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ0.96(t,J=7.5Hz,6H,CH3),1.38(sex,J=7.5Hz,4H,CH2),1.59(fifth,J=7.5Hz,4H,CH2),2.49(s,3H,CH3),3.33(t,J=7.5Hz,4H,CH2),6.58(d,J=9.0Hz,2H),7.83(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ14.1,20.4,26.0,29.4,50.8,110.1,124.4,130.6,151.4,195.8(CO).
【0076】
エチル 4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾエート〔E32〕
エチル 4−アミノベンゾエート(1.652g,10.0mmol)、ヨードエタン(2.4cm3,30.0mmol)、炭酸ナトリウム(3.300g,31.1mmol)をへキサメチルホスホロアミド10cm3を溶媒として100℃で24時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン100cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水50cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで無色油状物質としてエチル 4−(N,N−ジエチルアミノ)エンゾエート〔E32〕(2.169g,98%)を得た。
【0077】
IR(neat,cm-1):1700(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.19(t,J=7.1Hz,6H,CH3),1.35(t,J=7.1Hz,3H,CH3),3.40(q,J=7.1Hz,4H,CH2),4.31(q,J=7.1Hz,2H,CH2),6.61(d,J=9.0Hz,2H),7.88(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ12.4,14.5,44.4,59.9,109.9,116.1,131.2,150.6,166.7(CO).
【0078】
エチル 4−(N,N−ジブチルアミノ)ベンゾエート〔E33〕の合成
エチル 4−アミノベンゾエート(1.652g,10.0mmol)、ヨードブタン(3.4cm3,29.7mmol)、炭酸ナトリウム(3.300g,31.1mmol)をへキサメチルホスホロアミド10cm3を溶媒として100℃で24時間加熱撹拌した。この溶液を室温まで冷却した後、氷水100cm3に注ぎ込み、ジクロロメタン100cm3で抽出、更にジクロロメタン層を蒸留水50cm3で2回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)で精製することで無色油状物質として4−(N,N−ジブチルアミノ)アセトフェノン(2.001g,72%)〔E33〕を得た。
【0079】
IR(neat,cm-1):1703(CO);1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ0.96(t,J=7.5Hz,6H,CH3),1.35(t,J=7.1Hz,3H,CH3),1.36(sex,J=7.5Hz,4H,CH2),1.58(fifth,J=7.5Hz,4H,CH2),3.31(t,J=7.5Hz,4H,CH2),4.30(q,J=7.1Hz,2H,CH2),6.57(d,J=9.0Hz,2H),7.87(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ14.0,14.5,20.2,29.2,50.6,59.9,110.0,116.0,131.2,151.0,166.7(CO).
【0080】
(4)1,3−ジカルボニル化合物の合成
1,3−ジカルボニル化合物L03〜L33(次の表4〜表6中のEntry1〜30)は、次の合成スキームに従い、前記の様にして得られた、または市販のケトン誘導体A、カルボン酸エステル誘導体Eとを原料として、非プロトン性極性溶媒中で、クライゼン縮合させることにより合成した。
【0081】
物質量X mmol(但し、Entry 1〜28ではX mmol=10mmol、Entry 29〜30ではX mmol=5mmol)のアセトフェノン誘導体と、X mmolの安息香酸エステル誘導体と、非プロトン性極性溶媒として用いる10X cm3のテトラヒドロフラン(THF)とを混合し、塩基として用いる2X mmolのナトリウムアミド(NaNH2)を加え、12時間、加熱還流(reflux)して、1,3−ジカルボニル化合物の互変異性体であるエノール塩を生成させた。続いて、質量X gのシリカゲル(SiO2)を固体酸として加えて、1時間、加熱還流した後、室温まで冷却し、20X cm3のジクロロメタンを加えて撹拌後、シリカゲル等の不溶物を濾過により除き、得られたろ液から溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。
【0082】
その後、L03〜L12、L25〜L29、L31(次の表4〜表6中のEntry 1〜10、22〜26、28)は、前記の粗生成物に、ジクロロメタンとヘキサンとの1:10混合溶媒を5.5X cm3加えて洗浄し、溶け残った固体を濾過により取り出して減圧乾燥し、表4〜表6に示すように、39〜76%の収率で得た。
【0083】
また、L13〜L24,L30(次の表5〜表6中のEntry 11〜21および27)は、熱エタノールを溶媒として再結晶法により、前記の粗生成物を精製し、表4に示すように、43〜76%の収率で得た。
【0084】
また、L32,L33(次の表6中のEntry 29,30)は、酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製し、表6に示すように、55%(L32),59%(L33)の収率で得た。
【0085】
尚、ここでは、物質量X mmolを5〜10mmolとして行ったが、スケールを適宜変更して行っても良い。
【0086】
【化14】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】
以下、各化合物の構造を確認するために測定した赤外分光分析の特徴的なピークの波数(IRと略記)、核磁気共鳴分析(NMR)の化学シフトなどの結果を記す。
【0091】
1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L03〕の合成
4−ジメチルアミノアセトフェノン(1.632g,10.0mmol)、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L03〕(2.344g,76%)を得た。
【0092】
Mp:200−202℃;IR(KBr,cm-1):2902,2857,2803,1604,1559,1490,1437,1374,1244,1183,1136,948,825,786,712;1H−NMR(CDCl3,300MHz)enol type:δ3.06(s,12H,CH3),6.68(s,1H,CH),6.70(d,J=9.3Hz,4H),7.90(d,J=9.3Hz,4H);keto type:δ3.04(s,12H,CH3N),4.44(s,2H,CH2),6.63(d,J=9.0Hz,4H),7.96(d,J=9.0Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):40.1(CH3N),89.8(CH),111.0,123.0,128.6,152.7,183.8(CO);GC−MS:m/z 310(M+);Anal.Calcd for C192222:C,73.52;H,7.14;N,9.03.Found:C,73.30;H,7.06;N,8.96.
【0093】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L04〕の合成
4−ジメチルアミノアセトフェノン(1.632g,10.0mmol)、エチル 4−メトキシベンゾエート(1.7cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(20g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L04〕(1.838g,62%)を得た。
【0094】
Mp:117−118℃;IR(KBr,cm-1):2908,2839,1604,1491,1437,1379,1308,1258,1238,1172,1119,1031,946,843,825,788,722,575,510;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.08(s,6H,CH3N),3.88(s,3H,CH3O),6.70(s,1H,CH),6.71(d,J=9.0Hz,2H),6.97(d,J=9.0Hz,2H),7.91(d,J=9.0Hz,2H),7.94(d,J=9.0Hz,2H); keto type:δ3.06(s,6H,CH3N),3.85(s,3H,CH3O),4.49(s,2H,CH2);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1,55.5,90.7,111.0,113.7,122.6,128.4,128.7,128.9,153.0,162.4,182.7(CO),185.3(CO);GC−MS:m/z 297(M+).
【0095】
1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L05〕の合成
4−メトキシアセトフェノン(1.502g,10.0mmol)、エチル 4−メトキシベンゾエート(1.7cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで無色固体として1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L05〕(2.020g,75%)を得た。
【0096】
Mp:117−118℃;IR(KBr,cm-1):2961,2839,1604,1560,1491,1438,1303,1258,1229,1186,1171,1117,1022,841,780,635,576,507;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.89(s,6H,CH3),6.74(s,1H,CH),6.97(d,J=9.0Hz,4H),7.97(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ3.87(s,6H,CH3),4.53(s,2H,CH2),6.93(d,J=9.0Hz,4H),8.01(d,J=9.0Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ55.5,91.4,113.8,128.1,129.0,162.8,184.4(CO);ESI−Mass(m/z):285(M++1).
【0097】
1,3−ビス(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L06〕の合成
4−ピペリジノアセトフェノン(2.033g,10.0mmol)、メチル4−ピペリジノベンゾエート(2.193g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで橙色固体として1,3−ビス(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L06〕(2.201g,56%)を得た。
【0098】
Mp:170−173℃;IR(KBr,cm-1):2934,2853,1602,1563,1507,1473,1391,1350,1225,1188,1124,916,786,604,518,502;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ1.64−1.69(m,12H,CH2),3.33−3.37(m,8H,CH2),6.68(s,1H,CH),6.90(d,J=9.2Hz,4H),7.88(d,J=9.2Hz,4H); keto type:δ1.64−1.69(m,12H,CH2),3.33−3.37(m,8H,CH2),4.44(s,2H,CH2),6.82(d,J=9.0Hz,4H),7.93(d,J=9.0Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.5,25.5,48.9,90.3,113.8,124.5,128.6,153.9,183.8(CO);GC−MS:m/z 390(M+).
【0099】
1,3−ビス(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L07〕の合成
4−ピロリジノアセトフェノン(1.893g,10.0mmol)、メチル4−ピロリジノベンゾエート(2.053g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L07〕(1.446g,43%)を得た。
【0100】
Mp:275−280℃;IR(KBr,cm-1):2917,2853,1603,1560,1507,1473,1391,1350,1240,1178,1125,962,818,781,631,503;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ2.02−2.06(m,8H,CH2),3.32−3.40(m,8H,CH2),6.56(d,J=9.0Hz,4H),6.67(s,1H,CH),7.89(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ2.02−2.06(m,8H,CH2),3.32−3.40(m,8H,CH2),4.43(s,2H,CH2),6.49(d,J=9.3Hz,4H),7.95(d,J=9.3Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ25.6,47.6,89.6,110.9,122.4,128.7,146.6,183.7(CO);ESI−Mass(m/z):362(M+).
【0101】
1,3−ビス(4−モルホリノフェニル)−1,3−プロパンジオンL〔08〕の合成
4−モルホリノアセトフェノン(2.053g,10.0mmol)、メチル4−モルホリノベンゾエート(2.221g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス(4−モルホリノフェニル)−1,3−プロパンジオンL08(2.227g,56%)を得た。
【0102】
Mp:130−134℃;IR(KBr,cm-1):2934,2853,1600,1563,1507,1448,1382,1224,1195, 1112,1052,928,787,627,512;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.27−3.32(m,8H,CH2),3.83−3.89(m,8H,CH2),6.70(s,1H,CH),6.91(d,J=9.0Hz,4H),7.90(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ3.27−3.32(m,8H,CH2),3.83−3.89(m,8H,CH2),4.48(s,2H,CH2),6.84(d,J=9.0Hz,4H),7.91(d,J=9.0Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ47.8,66.6,91.0,113.7,126.0,128.6,153.6,183.9(CO);ESI−Mass(m/z):395(M++1).
【0103】
1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L09〕の合成
4−ジメチルアミノアセトフェノン(1.632g,10.0mmol)、エチル ベンゾエート(1.5cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L09〕(1.577g,59%)を得た。
【0104】
Mp:132−134℃;IR(KBr,cm-1):2915,2825,1610,1559,1539,1521,1507,1490,1457,1437,1375,1339,1239,1205,1137,1052,802,774,740,705,693;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.09(s,6H,CH3N),6.71(d,J=9.3Hz,2H),6.77(s,1H,CH),7.48(d,J=7.3Hz,2H),7.50(t,J=7.3Hz,1H),7.94(d,J=9.3Hz,2H),7.96(d,J=7.3Hz,2H); keto type:δ3.06(s,6H,CH3N),4.54(s,2H,CH2),6.65(d,J=9.3Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.2(CH3N),91.7(CH),109.2,111.0,126.7,128.4,129.2,131.6,135.8,153.1,182.0(CO),186.6(CO).
【0105】
1,3−ビス(3−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L10〕の合成
3−ジメチルアミノアセトフェノン(1.632g,10.0mmol)、メチル 3−ジメチルアミノベンゾエート(1.792g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス(3−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L10〕(1.473g,47%)を得た。
【0106】
Mp:81−82℃;IR(KBr,cm-1):2982,2890,2808,1606,1560,1490,1438,1362,1309,1242,1182,1065,998,968,857,840,807,766,715,676,627,527;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.03(s,12H,CH3N),6.82(s,1H,CH),6.91(ddd,J=1.6,2.7,7.8Hz,2H),7.29(t,J=1.6Hz,2H),7.32(d,J=7.8Hz,2H),7.34(dd,J=1.6,2.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.7,93.7,110.6,115.2,116.2,129.1,136.3, 150.5,186.2(CO);ESI−Mass(m/z):310(M+).
【0107】
1−(3−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L11〕の合成
3−ジメチルアミノアセトフェノン(1.632g,10.0mmol)、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L11〕(1.690g,54%)を得た。
【0108】
Mp:151−152℃;IR(KBr,cm-1):2894,2801,1604,1508,1438,1375,1231,1191,1063,993,945,830,800,783,710,674,562,505;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.02(s,6H,CH3N),3.08(s,6H,CH3N),6.71(d,J=9.3Hz,2H),6.75(s,1H,CH),6.88(ddd,J=1.4,2.9,7.8Hz,1H),7.27(t,J=1.4Hz,1H),7.30(d,J=7.8Hz,1H),7.33(dd,J=1.4,2.9Hz,1H),7.92(d,J=9.3Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1,40.6,91.9,110.4,110.9,114.9,115.6,122.6,128.9,129.1,136.6,150.5,153.0,183.3(CO),186.1(CO);ESI−Mass(m/z):310(M+).
【0109】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L12〕の合成
4−ジメチルアミノアセトフェノン(1.632g,10.0mmol)、エチル 4−メチルベンゾエート(1.6cm3,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(20g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L12〕(1.210g,43%)を得た。
【0110】
Mp:132−133℃;IR(KBr,cm-1):2911,2862,2821,1604,1559,1521,1491,1437,1375,1235,1185,947,825,783,720,569;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ2.42(s,3H,CH3),3.08(s,6H,CH3N),6.70(d,J=9.2Hz,2H),6.74(s,1H,CH),7.27(d,J=8.4Hz,2H),7.87(d,J=8.4Hz,2H),7.92(d,J=9.2Hz,2H);keto type:δ2.39(s,3H,CH3),3.06(s,6H,CH3N),4.51(s,2H,CH2);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ21.7,40.1,91.3,110.9,122.6,126.7,129.0,133.0,142.2,153.0,182.3(CO),186.2(CO);ESI−Mass(m/z):281(M+).
【0111】
1−ビフェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L13〕の合成
4−アセチルビフェニル(1.962g,10.0mmol)、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、20時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−ビフェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L13〕(1.751g,51%)を得た。
【0112】
Mp:164−165℃;IR(KBr,cm-1):3060,3033,2904,2811,1606,1570,1534,1508,1484,1443,1375,1306,1236,1195,1123,1059,1005,947,838,793,769,744,713,693;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.08(s,6H,CH3N),6.72(d,J=9.1Hz,2H),6.81(s,1H,CH),7.35−7.50(m,2H),7.58−7.75(m,3H),7.94(d,J=9.1Hz,2H),8.03(d,J=9.0Hz,2H),8.23(d,J=9.0Hz,2H); keto type:δ3.07(s,6H,CH3N),4.59(s,2H,CH2);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1(CH3),91.7,111.0,119.6,122.6,127.1−156.2(m),181.5(CO),186.6(CO);ESI−Mass(m/z):343(M+).
【0113】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ナフチル)−1,3−プロパンジオン〔L14〕の合成
2−アセトナフトン(1.702g,10.0mmol)、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、20時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ナフチル)−1,3−プロパンジオン〔L14〕(1.524g,48%)を得た。
【0114】
Mp:153−154℃;IR(KBr,cm-1):3055,2916,2862,2804,1597,1560,1540,1522,1508,1442,1375,1297,1194,1131,1058,947,912,867,829,787,713,563,553;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.09(s,6H,CH3),6.72(d,J=9.0Hz,2H),6.92(s,1H,CH),7.54−7.58(m,2H),7.87−8.01(m,6H),8.52(Brs,1H); keto type:δ3.06(s,6H,CH3),4.63(s,2H,CH2);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1(CH3),92.1,111.0,122.7,123.2,126.5,127.5,127.6,128.1,129.1,129.3,132.7,133.0,134.9,153.2,169.3,181.7(CO),186.7(CO);GC−MS:m/z 317(M+);Anal. Calcd for C21H19NO2:C,79.47;H,6.03;N,4.41. Found:C,79.18;H,5.97;N,4.33.
【0115】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L15〕の合成
2−アセチルチオフェン(1.1cm3, 10.2mmol)、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで橙色針状結晶として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L15〕(1.422g,52%)を得た。
【0116】
Mp:124−125℃;IR(KBr,cm-1):3088,2903,2820,1608,1560,1522,1444,1374,1293,1236,1196,1053,857,822,784,715,502;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.07(s,6H,CH3),6.59(s,1H,CH),6.70(d,J=9.0Hz,2H),7.14(dd,J=3.6,5.0Hz,1H),7.57(dd,J=1.2,5.0Hz,1H),7.75(dd,J=1.2,3.6Hz,1H),7.87(d,J=9.0Hz,2H);13C―NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1(CH3),91.0,111.0,121.2,128.0,128.8,129.0,131.1,142.3,153.0,179.9(CO),182.4(CO);GC−MS:m/z 273(M+);Anal. Calcd for C1515NO2S:C,65.91;H,5.53;N,5.12. Found:C,65.62;H,5.42;N,5.04.
【0117】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(3−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L16〕の合成
3−アセチルチオフェン(1.262g, 10.0mmol)、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで橙色針状結晶として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(3−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L16〕(1.398g,51%)を得た。
【0118】
Mp:112−113℃;IR(KBr,cm-1):3087,2906,2857,2816,1610,1522,1443,1375,1237,1201,1064,946,870,819,777,737,701,629,578;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.06(s,6H,CH3),6.58(s,1H,CH),6.69(d,J=9.0Hz,2H),7.36(dd,J=3.0,5.2Hz,1H),7.53(dd,J=1.3,5.2Hz,1H),7.89(d,J=9.0Hz,2H),8.04(dd,J=1.3,3.0Hz,1H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1(CH3),92.1,110.9,122.3,125.6,126.2,128.3,129.0,139.4,153.1,177.6(CO),186.1(CO);GC−MS:m/z 273(M+);Anal. Calcd for C1515NO2S:C,65.91;H,5.53;N,5.12. Found:C,65.75;H,5.41;N,5.10.
【0119】
1,3−ビス(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L17〕の合成
2−アセチルチオフェン(1.1cm3, 10.2mmol)、エチル 2−チオフェンカルボキシレート(1.4cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.796g,20.4mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色針状結晶として1,3−ビス(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L17〕(1.808g,75%)を得た。
【0120】
Mp:97℃;IR(KBr,cm-1):3101,1533,1406,1359,1344,1288,1237,1089,1062,1034,861,842,779,752,728,720,700,627,601,561,461;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ6.54(s,1H,CH),7.16(dd,J=3.6,5.0Hz,1H),7.61(dd,J=1.2,5.0Hz,1H),7.78(dd,J=1.2,3.6Hz,1H);13C―NMR(CDCl3,75.5MHz):δ91.6,128.2,129.6,131.9,140.5,178.5(CO);Anal. Calcd for C11822:C,55.91;H,3.41. Found:C,55.77;H,3.39.
【0121】
1−(4−メトキシフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L18〕の合成
4−メトキシアセトフェノン(1.502g,10.0mmol)、エチル 2−チオフェンカルボキシレート(1.4cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(4−メトキシフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L18〕(1.796g,69%)を得た。
【0122】
Mp:124℃;IR(KBr,cm-1):3102,2999,2841,1608,1560,1517,1453,1438,1408,1354,1261,1235,1191,1120,1081,1057,1023,962,865,850,837,804,778,755,732,717,705,672,633,588,504;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.88(s,3H,CH3),6.62(s,1H,CH),6.98(d,J=9.0Hz,2H),7.16(dd,J=3.6,5.0Hz,1H),7.61(dd,J=1.2,5.0Hz,1H),7.79(dd,J=1.2,3.6Hz,1H),7.92(d,J=9.0Hz,2H);13C―NMR(CDCl3,75.5MHz):δ55.5,92.0,113.9,126.8,128.1,128.8,129.8,131.9,142.0,162.9,181.1(CO),181.5(CO);Anal. Calcd for C141232:C,64.60;H,4.65. Found:C,64.44;H,4.63.
【0123】
1−(4−メトキシフェニル)−3−(2−ナフチル)−1,3−プロパンジオン〔L19〕の合成
2−アセトナフトン(1.702g,10.0mmol)、エチル 4−メトキシベンゾエート(1.7cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(4−メトキシフェニル)−3−(2−ナフチル)−1,3−プロパンジオン〔L19〕(2.343g,77%)を得た。
【0124】
Mp:123−124℃;IR(KBr,cm-1):3049,2972,2931,2839,1598,1522,1295,1250,1211,1192,1175,1117,1057,1029,950,920,871,842,823,791,771,756,726,683,637,609,559,504;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.89(s,3H,CH3),6.94(s,1H,CH),6.98(d,J=9.0Hz,2H),7.51−7.62(m,2H),7.87−8.04(m,6H),8.52(s,1H);13C―NMR(CDCl3,75.5MHz):δ55.5,92.7,113.9,123.1,126.6,127.6,127.9,129.1,129.2,132.7,135.0,163.1,183.5(CO),186.0(CO).
【0125】
1−(2−ナフチル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L20〕の合成
2−アセトナフトン(1.702g,10.0mmol)、エチル 2−チオフェンカルボキシレート(1.4cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(2−ナフチル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン〔L20〕(1.906g,68%)を得た。
【0126】
Mp:104−105℃;IR(KBr,cm-1):3093,3050,1608,1590,1560,1517,1447,1426,1387,1350,1291,1250,1231,1211,1191,1158,1132,1059,1011,953,912,871,862,853,840,826,786,768,749,723,712,659,614,553,518;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ6.83(s,1H,CH),7.19(dd,J=3.6,5.0Hz,1H),7.55−7.60(m,2H),7.65(dd,J=1.2,5.0Hz,1H),7.85(dd,J=1.2,3.6Hz,1H),7.90−7.99(m,6H),8.51(s,1H);13C―NMR(CDCl3,75.5MHz):δ93.4,122.8,126.7,127.6,127.8,128.0,128.2,128.3,129.2,130.3,131.5,132.5,132.6,135.1,142.2,180.3(CO),182.8(CO).
【0127】
1−フェニル−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L22〕の合成
4−ピロリジノアセトフェノン(1.893g,10.0mmol)、エチルベンゾエート(1.5cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−フェニル−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L22〕(1.460g,50%)を得た。
【0128】
Mp:158−160℃;IR(KBr,cm-1):2970,2871,2844,1610,1559,1507,1490,1457,1400,1352,1313,1299,1239,1197,1162,1119,1053,964,826,805,776,706,694,619;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ2.03−2.07(m,4H,CH2),3.37−3.41(m,4H,CH2),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.76(s,1H,CH),7.26−7.54(m,3H),7.92(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.96(d,J=9.0Hz,2H); keto type:δ2.03−2.07(m,4H,CH2),3.37−3.41(m,4H,CH2),4.53(s,1H,CH2),6.52(d,J=9.0Hz,2H),7.26−7.54(m,3H),7.86(d,J=9.0Hz,2H),8.03(d,J=7.8Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ25.5,47.6,91.6,111.0,122.0,126.6,128.4,129.4,131.5,135.8,150.8,181.6(CO),182.5(CO);ESI−Mass(m/z):294(M++1).
【0129】
1−(4−ピペリジノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン〔L23〕の合成
4−ピペリジノアセトフェノン(2.033g,10.0mmol)、エチルベンゾエート(1.5cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(4−ピペリジノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン〔L23〕(1.243g,40%)を得た。
【0130】
Mp:122−126℃;IR(KBr,cm-1):2933,2858,1606,1560,1540,1507,1228,1196,1125,1022,918,771,526,511;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ1.64−1.72(m,6H,CH2),3.36−3.40(m,4H,CH2),6.77(s,1H,CH),6.90(d,J=9.2Hz,2H),7.44−7.52(m,3H),7.91(d,J =9.2Hz,2H),7.96(dd,J=1.5,8.0Hz,2H); keto type:δ1.64−1.72(m,6H,CH2),3.36−3.40(m,4H,CH2),4.54(s,2H,CH2),6.83(d,J=9.0Hz,2H),7.44−7.52(m,3H),7.90(d,J=9.0Hz,2H),8.03(dd,J=1.5,7.8Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.4,48.6,91.8,113.5,124.0,126.7,128.4,129.1,131.6,135.7,154.1,182.5(CO),186.2(CO);ESI−Mass(m/z):308(M++1).
【0131】
1−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン〔L24〕の合成
4−モルホリノアセトフェノン(2.055g,10.0mmol)、エチルベンゾエート(1.5cm3,10.4mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン〔L24〕(1.190g,39%)を得た。
【0132】
Mp:132−134℃;IR(KBr,cm-1):2966,2898,2855,1603,1559,1507,1382,1228,1198,1121,1052,927,833,771,687,621,514;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ3.31−3.35(m,4H,CH2),3.86−3.89(m,4H,CH2),6.78(s,1H,CH),6.93(d,J=8.7Hz,2H),7.45−7.53(m,3H),7.94(d,J=8.7Hz,2H),7.96(dd,J=1.5,8.1Hz,2H); keto type:δ3.31−3.35(m,4H,CH2),3.86−3.89(m,4H,CH2),4.56(s,2H,CH2),6.85(d,J=9.0Hz,2H),7.44−7.52(m,3H),7.91(d,J=9.0Hz,2H),8.02(dd,J=1.5,7.8Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ47.5,66.5,92.0,113.5,125.6,126.8,128.5,129.0,131.8,135.5,153.9,183.0(CO),186.0(CO);ESI−Mass(m/z):310(M++1).
【0133】
1,3−ビス(4−アゼチジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L25〕の合成
4−アゼチジノアセトフェノン(0.349g,2.0mmol)、メチル 4−アゼチジノベンゾエート(0.381g,2.0mmol)のテトラヒドロフラン30cm3溶液にナトリウムアミド(0.156g,4.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(5g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液11cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス(4−アゼチジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L25〕(0.274g,41%)を得た。
【0134】
Mp:221−224℃;IR(KBr,cm-1):2916,2854,1604,1577,1570,1560,1555,1540,1522,1507,1491,1466,1395,1302,1233,1168,1138,826,784,656,631;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ2.42(fifth,J=7.2Hz,2H,CH2),3.98(t,J=7.2Hz,4H,CH2),6.41(d,J=9.0Hz,4H),6.64(s,1H,CH),7.85(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ2.42(fifth,J=7.2Hz,2H,CH2),3.98(t,J=7.2Hz,4H,CH2),4.42(s,2H,CH2),6.32(d,J=8.7Hz,4H),7.92(d,J=8.7Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ16.7,51.8,90.0,109.9,123.8,128.5,153.9,183.9(CO);ESI−Mass(m/z):335(M++1).
【0135】
1,3−ビス[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]−1,3−プロパンジオン〔L26〕の合成
1−[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]エタノン(1.087g,5.0mmol)、メチル 4−(1−ヘキサメチレンイミノ)ベンゾエート(1.167g,5.0mmol)のテトラヒドロフラン30cm3溶液にナトリウムアミド(0.390g,10.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]−1,3−プロパンジオン〔L26〕(1.549g,74%)を得た。
【0136】
Mp:189−196℃;IR(KBr,cm-1):2926,2848,1602,1565,1508,1490,1458,1399,1354,1269,1242,1188,1162,1133,1001,895,825,785,690,635,620;1H−NMR(CDCl3,300MHz)enol type:δ1.54−1.58(m,8H,CH2),1.78−1.86(m,8H,CH2),3.51−3.55(m,8H,CH2),6.65(s,1H,CH),6.71(d,J=9.0Hz,4H),7.87(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ1.54−1.58(m,8H,CH2),1.78−1.86(m,8H,CH2),3.49−3.51(m,8H,CH2),4.42(s,2H,CH2),6.71(d,J=9.0Hz,4H),7.87(d,J=9.0Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ26.9,27.5,49.4,89.5,110.4,122.3,128.9,131.6,151.5,183.6(CO);ESI−Mass(m/z):419(M++1).
【0137】
1−(4−ピペリジノフェニル)−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L27〕の合成
4−ピペリジノアセトフェノン(2.033g,10.0mmol)、メチル4−ピロリジノベンゾエート(2.053g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン30cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L27〕(1.848g,51%)を得た。
【0138】
Mp:124−126℃;IR(KBr,cm-1):2933,2853,1603,1565,1508,1477,1448,1389,1230,1182,1124,916,825,786,614;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.64−1.72(m,6H,CH2),2.02−2.06(m,4H,CH2),3.32−3.40(m,8H,CH2),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.67(s,1H,CH),6.91(d,J=9.0Hz,2H),7.87(d,J=9.0Hz,2H),7.89(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.5,25.6,47.6,48.9,90.0,110.9,113.9,122.3,124.7,128.5,128.9,150.4,153.8,182.9(CO),184.6(CO);ESI−Mass(m/z):377(M++1).
【0139】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L28〕の合成
4−ピロリジノアセトフェノン(1.893g,10.0mmol)、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート(1.932g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン30cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L28〕(2.103g,63%)を得た。
【0140】
Mp:224−227℃;IR(KBr,cm-1):2961,2907,2861,1604,1560,1473,1437,1375,1242,1182,948,823,785,658,581,519;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ2.02−2.06(m,4H,CH2),3.06(s,6H,CH3N),3.35−3.40(m,4H,CH2),6.56(d,J=9.0Hz,2H),6.67(s,1H,CH),7.71(d,J=9.0Hz,2H),7.90(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ2.02−2.06(m,4H,CH2),3.04(s,6H,CH3N),3.35−3.40(m,4H,CH2),4.44(s,2H,CH2),6.49(d, J=9.0Hz,2H),6.63(d,J=9.0Hz,2H),7.95(d,J=9.0Hz,2H),7.96(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ25.5,40.2,47.6,89.7,110.9,111.0,122.3,123.0,128.6,150.3,152.6,183.4(CO),184.1(CO);ESI−Mass(m/z):337(M++1).
【0141】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L29〕の合成
4−ピペリジノアセトフェノン(2.033g,10.0mmol)、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート(1.932g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン30cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L29〕(2.104g,60%)を得た。
【0142】
Mp:172−173℃;IR(KBr,cm-1):2933,2853,1604,1570,1491,1442,1375,1235,1189,1125,947,915,827,785,700,668,635,581,512;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ1.64−1.72(m,6H,CH2),3.07(s,6H,CH3N),3.33−3.50(m,4H,CH2),6.68(s,1H,CH),6.70(d,J=8.7Hz,2H),6.91(d,J=8.7Hz,2H),7.88(d,J=8.7Hz,2H),7.90(d,J=8.7Hz,2H);keto type:δ1.64−1.72(m,6H,CH2),3.07(s,6H,CH3N),3.33−3.50(m,4H,CH2),4.44(s,2H,CH2),6.63(d,J=9.0Hz,2H),6.82(d,J=9.0Hz,2H),7.94(d,J=9.0Hz,2H),7.95(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.5,40.1,48.9,90.1,111.0,113.8,122.9,124.6,128.5,128.7,152.7,153.8,183.2(CO),184.3(CO);ESI−Mass(m/z):351(M++1).
【0143】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L30〕の合成
4−モルホリノアセトフェノン(2.053g,10.0mmol)、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート(1.933g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物を熱エタノールから再結晶で精製することで黄色固体として1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L30〕(1.623g,46%)を得た。
【0144】
Mp:169−171℃;IR(KBr,cm-1):2959,2853,1599,1560,1508,1438,1382,1234,1194, 1119,926,787,513;1H−NMR(CDCl3,300MHz)enol type:δ3.07(s,6H,CH3N),3.29−3.32(m,4H,CH2),3.84−3.89(m,4H,CH2),6.69(s,1H,CH),6.71(d,J=9.0Hz,2H),6.91(d,J=9.0Hz,2H),7.90(d,J=9.0Hz,2H),7.91(d,J=9.0Hz,2H); keto type:δ3.04(s,6H,CH3N),3.29−3.32(m,4H,CH2),3.84−3.89(m,4H,CH2),4.45(s,2H,CH2),6.63(d,J=9.0Hz,2H),6.87(d,J=9.0Hz,2H),7.89(d,J=9.0Hz,2H),7.91(d,J=9.0Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.1,47.8,66.6,90.3,110.9,113.7,122.7,126.2,128.4,130.2,152.8,153.4,182.8(CO),184.7(CO);ESI−Mass(m/z):353(M++1).
【0145】
1,3−ビス[4'−(4−メチルピペラジノフェニル)]−1,3−プロパンジオン〔L31〕の合成
4−メチルピペラジノアセトフェノン(2.183g,10.0mmol)、メチル 4−メチルピペラジノベンゾエート(2.343g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン100cm3溶液にナトリウムアミド(0.780g,20.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(10g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン200cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をジクロロメタン/ヘキサン(1/10)混合溶液55cm3を加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体として1,3−ビス[4'−(4−メチルピペラジノフェニル)]−1,3−プロパンジオン〔L31〕(1.648g,39%)を得た。
【0146】
Mp:194−200℃;IR(KBr,cm-1):2934,2839,2795,1602,1563,1508,1499,1458,1448,1381,1298,1226,1198,1142,1062,1008,923,827,789,631,564,553,519;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ2.36(s,6H,CH3),2.55−2.58(m,8H,CH2),3.35−3.39(m,8H,CH2),6.69(s,1H,CH),6.92(d,J=9.0Hz,4H),7.90(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ2.35(s,6H,CH3),2.51−2.53(m,8H,CH2),3.30−3.32(m,8H,CH2),4.46(s,1H,CH2),6.85(d,J=9.1Hz,4H),7.94(d,J=9.1Hz,4H);13C−NMR(CDCl,75.5MHz):δ46.2,47.5,54.8,90.6,113.8,125.4,128.6,153.5,183.9(CO);ESI−Mass(m/z):421(M++1).
【0147】
1,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L32〕の合成
4−ジエチルアミノアセトフェノン(0.956g,5.0mmol)、エチル 4−ジエチルアミノベンゾエート(1.107g,5.0mmol)のテトラヒドロフラン50cm3溶液にナトリウムアミド(0.390g,10.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(5g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン100cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1:5)から精製することで黄色固体として1,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L32〕(0.999g,55%)を得た。
【0148】
Mp:102−104℃;IR(KBr,cm-1):2971,2936,2903,1597,1560,1507,1491,1404,1375,1351,1271,1244,1188,1154,1077,827,790,690,503;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ1.21(t,J=7.2Hz,12H,CH3),3.43(q,J=7.2Hz,8H,CH2),6.64(s,1H,CH),6.67(d,J=9.3Hz,4H),7.87(d,J=9.3Hz,4H); ketotype:δ1.20(t,J=7.2Hz,12H,CH3),3.43(q,J=7.2Hz,8H,CH2),4.41(s,2H,CH2),6.60(d,J=9.3Hz,4H),7.94(d,J=9.3Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ12.5,44.4,89.3,110.3,122.0,128.8,150.2,183.4(CO);ESI−Mass(m/z):367(M++1).
【0149】
1,3−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L33〕の合成
4−ジブチルアミノアセトフェノン(1.237g,5.0mmol)、エチル 4−ジブチルアミノベンゾエート(1.387g,5.0mmol)のテトラヒドロフラン50cm3溶液にナトリウムアミド(0.390g,10.0mmol)を加え、12時間加熱還流させた。この溶液にシリカゲル(5g)を加え、さらに1時間加熱還流させた。室温まで冷却後、反応物にジクロロメタン100cm3を加えろ過し、得られたろ液を減圧濃縮させた。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1:5)から精製することで黄色油状物質として1,3−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン〔L33〕(1.418g,59%)を得た。
【0150】
IR(neat,cm-1):2957,2930,2866,1599,1479,1405,1359,1290,1186,1059,926,827,783,734;1H−NMR(CDCl3,300MHz) enol type:δ0.97(t,J=7.4Hz,12H,CH3),1.36(sex,J=7.4Hz,8H,CH2),1.59(m,8H,CH2),3.34(t,J=7.4Hz,8H,CH2),6.63(s,1H,CH),6.63(d,J=9.0Hz,4H),7.85(d,J=9.0Hz,4H); keto type:δ0.95(t,J=7.4Hz,12H,CH3),1.36(sex,J=7.4Hz,8H,CH2),1.56(m,8H,CH2),3.31(t,J=7.4Hz,8H,CH2),4.40(s,2H,CH2),6.57(d,J=9.3Hz,4H),7.94(d,J=9.3Hz,4H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ14.1,20.4,29.4,50.8,89.5,110.5,122.1,128.8,150.7,183.5(CO);ESI−Mass(m/z):479(M++1).
【0151】
(5)ジカルボニル化合物の金属錯体の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)は、Bull.Chem.Soc.Jpn.1974,47,767に記載の方法に従い合成した。
【0152】
ジカルボニル化合物の金属錯体は、次の合成スキームに従い、物質量X mmolのテトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)と、2.2X mmolのジカルボニル化合物と、22X mmolの炭酸ナトリウムとを混合し、50X cm3の2−エトキシエタノールを溶媒として用い、90℃で21時間、加熱・撹拌した後、室温まで冷却し、1000X cm3の蒸留水を加えた。
【0153】
S01〜S31(次の表7〜表9中のEntry 1〜28)は、前記の蒸留水を加えた混合物から、析出した固体を濾過により取り出し、10X cm3のメタノールを加えて洗浄し、次いで、100X cm3のジエチルエーテルを加えて洗浄し、溶け残った固体を濾過により取り出して減圧乾燥し、表5に示すように、33〜93%の収率で得た。
【0154】
また、S32,S33(次の表9中のEntry 29,30)は、前記の蒸留水を加えた混合物から、1000X cm3のジクロロメタンで抽出し、さらにジクロロメタン層を500X cm3の蒸留水で3回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧留去した。得られた混合物を、酢酸エチル:ヘキサン=1:5の混合物を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製し、更に、得られた固体に20X cm3のジエチルエーテルを加えて洗浄し、溶け残った固体を濾過により取り出して減圧乾燥し、表9に示すように、40〜84%の収率で得た。尚、ここでは、物質量X mmol=0.10mmolとして行ったが、スケールを適宜変更して行っても良い。
【0155】
【化15】
【0156】
【表7】
【0157】
【表8】
【0158】
【表9】
【0159】
以下、各化合物の構造を確認するために測定した赤外分光分析の特徴的なピークの波数(IRと略記)、核磁気共鳴分析(NMR)の化学シフトなどの結果を記す。
【0160】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S03〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(68.3g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S03〕(121.0mg,74%)を得た。
【0161】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3037,2981,2889,2801,1604,1569,1492,1473,1414,1391,1363,1242,1195,1133,1060,1030,945,827,780,756,630,608,576,551,527,511;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.97(s,12H,CH3),6.41(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.53(s,1H,CH),6.61(d,J=9.0Hz,4H),6.75(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.87(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.60(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.79(d,J=9.0Hz,4H),7.84(d,J=7.5Hz,2H),8.66(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.3(CH3),96.7(CH),111.1,118.0,120.0,121.2,122.3,123.4,128.5,133.1,136.3,144.9,148.2,149.4,151.5,168.5,177.2(CO);Fab−Mass(m/z):825(M+).
【0162】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−メトキシベンゾイル)]メタン〔S04〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン(65.4g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−メトキシベンゾイル)]メタン〔S04〕(110.7mg,69%)を得た。
【0163】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3058,2995,2834,1604,1582,1562,1528,1491,1477,1432,1419,1392,1366,1315,1304,1290,1265,1232,1199,1173,1136,1110,1060,1029,1007,947,932,841,827,781,756,746,729,703,669,630,609;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.95(s,6H,CH3),3.78(s,3H,CH3O),6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.78(d,J=9.0Hz,2H),6.84(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.64(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,2H),7.78(d,J=9.0Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.66(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.3(CH3),55.7(CH3O),92.5(CH),109.2,111.0,113.2,118.0,120.2,121.2,123.5,128.3,128.4,128.7,129.9,133.1,136.5,144.9,148.2,148.8,151.6,160.8,168.4,176.7(CO),178.0(CO);Fab−Mass(m/z):811(M+−1).
【0164】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−メトキシベンゾイル)]メタン〔S05〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン(61.1mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−メトキシベンゾイル)]メタン〔S05〕(109.0mg,70%)を得た。
【0165】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3041,2835,1604,1585,1560,1537,1490,1477,1429,1390,1304,1254,1226,1173,1133,1107,1061,1030,1007,933,842,782,756,730,669,631,614;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.79(s,6H,CH3O),6.36(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.79(d,J=9.0Hz,4H),6.85(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.67(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.79(d,J=9.0Hz,4H),7.84(d,J=7.5Hz,2H),8.59(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ55.4(CH3O),93.2,113.3,118.1,120.3,121.3,123.5,128.5,128.7,133.1,133.9,136.6,144.8,148.1,155.2,161.0,168.4(CO);Fab−Mass(m/z):800(M++1).
【0166】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−ピペリジノベンゾイル)]メタン〔S06〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(85.9mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−ピペリジノベンゾイル)]メタン〔S06〕(127.1mg,71%)を得た。
【0167】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3041,2933,2852,1604,1576,1524,1490,1451,1429,1387,1313,1267,1222,1196,1159,1126,1060,1023,919,780,755,728;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.60−1.63(m,12H),3.18−3.21(m,8H),6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.50(s,1H,CH),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.76(d,J=9.0Hz,4H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.64(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.73(d,J=9.0Hz,4H),7.82(d,J=7.5Hz,2H),8.60(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.5,49.5,92.4,114.3,118.0,120.1,121.2,123.5,128.2,128.6,131.1,133.1,136.4,144.9,148.2,149.0,152.8,168.4,177.2(CO);Fab−Mass(m/z):905(M+).
【0168】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S07〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(76.7mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S07〕(144.6mg,86%)を得た。
【0169】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3052,2967,2839,1604,1570,1528,1495,1478,1459,1436,1422,1380,1306,1265,1227,1185,1159,1132,1059,1029,1006,964,930,866,825,779,754,740,729,694,670,650,634;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.96−2.00(m,8H),3.24−3.28(m,8H),6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.41(d,J=9.0Hz,4H),6.50(s,1H,CH),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.98(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.62(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,4H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.64(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.3(CH3)25.5,47.6,94.3,110.6,118.0,120.0,121.2,122.3,123.4,128.4,128.5,133.1,136.3,144.9,148.3,149.0,149.6,169.0,177.2(CO);Fab−Mass(m/z):877(M+).
【0170】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−モルホリノベンゾイル)]メタン〔S08〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−モルホリノフェニル)−1,3−プロパンジオン(86.8mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−モルホリノベンゾイル)]メタン〔S08〕(131.6mg,74%)を得た。
【0171】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3042,2961,2854,1604,1579,1559,1525,1490,1448,1429,1387,1305,1266,1221,1197,1161,1114,1061,1030,1006,928,832,782,757,729,691,668,632;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.15−3.18(m,8H),3.81−3.85(m,8H),6.36(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.50(s,1H,CH),6.73(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.76(d,J=9.0Hz,4H),6.84(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.59(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.77(d,J=9.0Hz,4H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.59(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ48.4,66.7,92.7,114.0,118.1,120.2,121.3,123.5,128.2,128.6,132.3,133.1,136.5,144.8,148.1,148.6,152.3,168.4,177.3(CO);Fab−Mass(m/z):910(M++1).
【0172】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−ベンゾイル−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S09〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(58.8mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−ベンゾイル−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S09〕(104.1mg,68%)を得た。
【0173】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3055,2894,2802,1605,1583,1562,1526,1506,1477,1456,1447,1423,1396,1367,1304,1267,1230,1196,1161,1136,1061,1030,1007,945,856,828,795,755,729,716,694,659,630,612;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.96(s,6H,CH3),6.37(ddd,J=1.0,1.5,7.5Hz,2H),6.52(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.72(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),6.84(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),7.01(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.27−7.31(m,2H),7.36(t,J=7.5Hz,1H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.77(dd,J=1.5,5.7Hz,2H),7.78(d,J=9).0Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.62(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.3,93.3,111.0,118.1,120.2,121.3,123.5,126.7,128.0,128.5,128.6,128.7,129.5,133.1,136.5,141.8,144.8,148.1,148.5,148.7,151.7,168.4,177.3(CO),178.4(CO);ESI−Mass(m/z):767(M+).
【0174】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(3−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S10〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(3−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(68.3g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(3−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S10〕(69.6mg,43%)を得た。
【0175】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3055,2894,2801,1605,1583,1561,1526,1506,1477,1447,1423,1396,1367,1304,1267,1227,1196,1160,1061,1030,945,827,795,756,729,694,659,630;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.87(s,12H,CH3),6.40(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.68−6.79(m,4H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.09−7.18(m,6H),7.66(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.79(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.84(d,J=7.5Hz,2H),8.62(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.6,89.8,95.5,111.0,114.2,115.2,118.0,120.4,121.3,123.4,128.6,128.7,133.3,136.6,142.3,144.8,148.1,148.2,150.4,168.4,179.9(CO);ESI−Mass(m/z):811(M++1).
【0176】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(3−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S11〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(3−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(68.3g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(3−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)]メタン〔S11〕(112.8mg,69%)を得た。
【0177】
Mp:235−236℃;IR(KBr,cm-1):3037,2894,2797,1605,1559,1526,1507,1477,1436,1419,1394,1362,1226,1195,1061,1030,755,729;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.86(s,6H,CH3),2.95(s,6H,CH3),6.39(dd,J=1.5,7.5,14Hz,2H),6.48(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.67−6.76(m,3H),6.83(dtd,J=1.5,7.514Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.06−7.10(m,1H),7.12−7.15(m,2H),7.54−7.63(m,2H),7.62−7.68(m,2H),7.77(d,J=9.0Hz,2H),7.83(ddd,J=1.5,3.9,7.5Hz,2H),8.66(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.3,40.7,93.7,111.0,111.2,115.2,117.9,121.1,120.2,121.2,121.3,123.4,128.5,128.6,133.2,136.5,141.7,142.8,148.9,150.4,151.7,166.6,168.4,178.3(CO),178.7(CO);ESI−Mass(m/z):811(M++1).
【0178】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−メチルベンゾイル)]メタン〔S12〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−1,3−プロパンジオン(61.9g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−メチルベンゾイル)]メタン〔S12〕(108.6mg,70%)を得た。
【0179】
Mp:207−208℃;IR(KBr,cm-1):3042,2912,2852,1605,1580,1559,1526,1491,1477,1419,1388,1363,1294,1266,1234,1197,1136,1061,1030,946,827,777,755,728;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.29(s,6H,CH3),2.95(s,6H,CH3O),6.37(d,J=8.1Hz,2H),6.52(s,1H,CH),6.57(d,J=8.7Hz,2H),6.72(t,J=7.5Hz,2H),6.84(t,J=7.5Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.07(d,J=8.7Hz,2H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.64(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.69(d,J=8.7Hz,2H),7.77(d,J=8.7Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.66(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ21.5,40.3,93.0,111.0,118.1,120.2,121.2,123.4,123.5,126.7,128.4,128.6,133.1,136.5,139.0,139.7,144.8,148.1,148.7,148.8,151.7,168.4,177.3(CO),178.2(CO);ESI−Mass(m/z):781(M+).
【0180】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−フェニルベンゾイル)]メタン〔S13〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−ビフェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(76.0mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−フェニルベンゾイル)]メタン〔S13〕(55.8mg,33%)を得た。
【0181】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3051,2898,2799,1605,1570,1559,1526,1498,1481,1457,1418,1387,1363,1313,1195,1061,1030,755;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.96(s,6H,CH3),6.38(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.58(d,J=9.0Hz,2H),6.59(s,1H,CH),6.74(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.88(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.04(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.32(d,J=8.4Hz,1H),7.44(t,J=7.5Hz,2H),7.50(d,J=8.4Hz,2H),7.57(t,J=7.5Hz,2H),7.58(t,J=8.4Hz,2H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.80(d,J=9.0Hz,4H),7.84(d,J=7.5Hz,2H),7.87(d,J=8.4Hz,2H),8.62(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.3,93.3,111.0,118.1,120.3,121.3,123.5,126.7,126.9,127.2,127.4,128.5,131.7,133.1,136.6,140.6,142.3,142.8,144.9,148.2,148.5,148.7,151.7,168.5,176.7(CO),178.4(CO);ESI−Mass(m/z):844(M++1).
【0182】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(2−ナフチルカルボニル)]メタン〔S14〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ナフチル)−1,3−プロパンジオン(69.8mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(2−ナフチルカルボニル)]メタン〔S14〕(98.7mg,60%)を得た。
【0183】
Mp:297−298℃;IR(KBr,cm-1):3054,2894,2797,1605,1577,1559,1527,1497,1477,1437,1420,1399,1363,1292,1267,1192,1161,1128,1061,1030,946,827,783,754,728,670,630;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.97(s,6H,CH3),6.39(ddd,J=1.0,3.2,7.5Hz,2H),6.59(d,J=9.0Hz,2H),6.68(s,1H,CH),6.74(t,J=7.5Hz,2H),6.86(t,J=7.5Hz,2H),7.02(t,J=7.5Hz,2H),7.43−7.47(m,2H),7.58(m,12H),8.30(s,1H),8.65(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.2,93.8,111.0,118.1,120.2,120.3,121.2,121.3,123.5,123.6,124.5,126.0,126.2,126.4,127.5,128.4,128.5,128.6,128.7,132.8,133.1,133.2,133.9,136.6,139.2,144.8,144.9,148.1,148.2,148.5,148.6,151.7,168.4,177.3(CO),178.4(CO);ESI−Mass(m/z):817(M+).
【0184】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S15〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン(60.2g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S15〕(111.4mg,72%)を得た。
【0185】
Mp:293−298℃;IR(KBr,cm-1):3035,2894,2802,1606,1581,1564,1521,1493,1477,1415,1401,1368,1349,1293,1267,135,1186,1161,1122,1061,1030,946,926,858,829,777,752,729,704,670,630,615;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.96(s,6H,CH3),6.35(d,J=7.5Hz,2H),6.45(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.74(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.84(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.95(dd,J=3.6,5.1Hz,1H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.31(dd,J=1.3,5.1Hz,1H),7.54−7.58(m,3H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.61(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.2,92.9,111.0,118.1,120.3,121.3,123.5,126.5,127.5,128.0,128.2,128.4,128.6,130.7,133.1,136.5,144.9,148.1,148.4,151.7,168.5,170.7(CO),178.1(CO);ESI−Mass(m/z):773(M++1).
【0186】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(3−チオフェンカルボニル)]メタン〔S16の合成〕
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン(60.2g,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(3−チオフェンカルボニル)]メタン〔S16〕(92.7mg,60%)を得た。
【0187】
Mp:219−224℃;IR(KBr,cm-1):3042,2889,2810,1605,1568,1559,1539,1506,1496,1476,1457,1496,1476,1457,1436,1418,1363,1286,1232,1191,1132,1061,1030,945,827,776,756,729;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.95(s,6H,CH3),6.35(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.41(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.86(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.16(dd,J=3.6,5.1Hz,1H),7.40(dd,J=1.3,5.1Hz,1H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.74(d,J=9.0Hz,2H),7.77(dd,J=1.3,3.6Hz,1H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.61(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ40.2,93.8,111.0,118.1,120.2,121.3,123.5,124.9,126.2,126.6,128.4,128.6,133.1,136.5,144.8,145.2,148.1,148.5,148.7,151.7,168.4,172.4(CO),178.3(CO);ESI−Mass(m/z):733(M+).
【0188】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S17〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン(52.0mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S17〕(105.6mg,72%)を得た。
【0189】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3047,1605,1581,1553,1527,1500,1476,1423,1408,1345,1267,1237,1159,1123,1060,1030,857,756,728;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ6.31(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.38(s,1H,CH),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.84(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.97(dd,J=3.6,5.0Hz,2H),7.07(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.36(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.56−7.58(m,4H),7.69(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.85(d,J=7.5Hz,2H),8.58(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):737(M++1).
【0190】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−メトキシベンゾイル)−3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S18〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−メトキシフェニル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン(57.3mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−メトキシベンゾイル)−3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S18〕(79.3mg,52%)を得た。
【0191】
Mp:265−270℃;IR(KBr,cm-1):3037,2996,2824,1605,1582,1559,1539,1507,1491,1477,1457,1424,1398,1305,1266,1235,1173,1061,1030,778,756,729;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.79(s,3H,CH3O),6.34(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.44(s,1H,CH),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.80(d,J=9.0Hz,2H),6.85(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.96(dd,J=3.6,5.0Hz,1H),7.04(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.34(dd,J=1.5,7.5Hz,1H),7.56−7.59(m,3H),7.67(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.76(d,J=9.0Hz,2H),7.84(d,J=7.5Hz,2H),8.59(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):760(M+).
【0192】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−メトキシベンゾイル)−3−(2−ナフチルカルボニル)]メタ〔S19〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−メトキシフェニル)−3−(2−ナフチル)−1,3−プロパンジオン(61.7mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−メトキシベンゾイル)−3−(2−ナフチルカルボニル)]メタン〔S19〕(82.6mg,51%)を得た。
【0193】
Mp:210−212℃;IR(KBr,cm-1):3055,2974,1605,1583,1559,1540,1495,1477,1437,1423,1396,1345,1304,1247,1224,1198,1173,1119,1062,1031,958,842,785,755,729,670,630;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.80(s,3H,CH3O),6.38(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.68(s,1H,CH),6.74(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.82(d,J=9.0Hz,2H),6.87(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.04(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.46(ddd,J=1.0,3.6,7.5Hz,2H),7.60(ddd,J=1.0,3.6,7.5Hz,2H),7.66−7.88(m,10H),8.30(s,1H),8.63(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):805(M++1).
【0194】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(2−ナフチルカルボニル)−3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S20〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(2−ナフチル)−3−(2−チオフェン)−1,3−プロパンジオン(61.7mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで赤色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(2−ナフチルカルボニル)−3−(2−チオフェンカルボニル)]メタン〔S20〕(84.6mg,53%)を得た。
【0195】
Mp:250−252℃;IR(KBr,cm-1):3055,1559,1540,1522,1507,1477,1457,1437,1405,1267,1061,1031,782,755,728;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.63(s,1H,CH),6.74(tdd,J=1.5,3.6,7.5Hz,2H),6.86(tdd,J=1.5,3.6,5.0Hz,2H),6.99(dd,J=3.6,7.5Hz,1H),7.06(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.38(dd,J=1.5,7.5Hz,1H),7.42−7.51(m,3H),7.59(ddd,J=1.0,3.6,7.5Hz,2H),7.64(dd,J=1.0,3.6Hz,1H),7.66−7.87(m,7H),8.29(s,1H),8.64(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):781(M++1).
【0196】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−ベンゾイル−3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S22〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−フェニル−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(61.5mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−ベンゾイル−3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S22〕(143.6mg,91%)を得た。
【0197】
Mp:210−212℃;IR(KBr,cm-1):3056,2977,2862,1606,1583,1559,1526,1507,1480,1419,1387,1305,1267,1227,1192,1160,1061,1030,826,756,729,645;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.98−2.00(m,4H,CH2),3.24−3.29(m,4H,CH2),6.37(ddd,J=1.0,1.5,7.5Hz,2H),6.41(d,J=8.9Hz,2H),6.52(s,1H,CH),6.72(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),6.84(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.29−7.38(m,3H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.65(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.76(d,J=8.9Hz,2H),7.77(dd,J=1.5,5.7Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.62(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ25.5,47.6,93.2,110.7,118.0,118.1,120.2,120.2,123.5,123.5,126.7,127.6,127.9,128.6,128.7,129.4,133.1,136.5,141.9,144.8,144.9,148.1,148.2,148.6,148.8,149.3,168.4,168.4,177.1(CO),178.6(CO);ESI−Mass(m/z):794(M++1).
【0198】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−ベンゾイル−3−(4−ピペリジノベンゾイル)]メタン〔S23〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−フェニル−3−(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(64.5mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−ベンゾイル−3−(4−ピペリジノベンゾイル)]メタン〔S23〕(89.9mg,56%)を得た。
【0199】
Mp:250−252℃;IR(KBr,cm-1):3056,2932,2848,1604,1584,1559,1527,1501,1477,1448,1423,1395,1305,1266,1224,1197,1159,1126,1061,1030,920,831,795,756,729,695,670,631;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.61−1.65(m,6H,CH2),3.20−3.23(m,4H,CH2),6.37(ddd,J=1.0,1.5,7.5Hz,2H),6.53(s,1H,CH),6.73(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),6.76(d,J=8.9Hz,2H),6.84(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.27−7.39(m,3H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.66(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=8.9Hz,2H),7.77(dd,J=1.5,5.7Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.60(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.4,49.3,93.6,114.2,118.1,120.3,120.3,121.3,121.3,123.5,123.5,126.7,128.0,128.6,128.7,129.6,130.3,133.1,136.6,141.7,144.8,144.8,148.0,148.1,148.3,148.5,152.9,168.4,168.4,177.6(CO),178.2(CO);ESI−Mass(m/z):807(M+).
【0200】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−モルホリノベンゾイル)−3−ベンゾイル]メタン〔S24〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−モルホリノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン(68.0mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−モルホリノベンゾイル)−3−ベンゾイル]メタン〔S24〕(135.2mg,84%)を得た。
【0201】
Mp:225−230℃;IR(KBr,cm-1):3056,2959,2852,1605,1584,1559,1532,1503,1477,1448,1424,1399,1304,1266,1225,1200,1159,1122,1061,1030,929,832,798,757,729,694,670,642;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ3.16−3.19(m,4H,CH2),3.81−3.85(m,4H,CH2),6.37(ddd,J=1.0,1.5,7.5Hz,2H),6.53(s,1H,CH),6.73(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),6.77(d,J=8.9Hz,2H),6.85(ddd,J=1.5,2.7,7.5Hz,2H),7.02(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.28−7.39(m,3H),7.58(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.67(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=8.9Hz,2H),7.77(dd,J=1.5,5.7Hz,2H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.59(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ48.3,66.7,93.8,114.0,118.1,118.2,120.3,120.4,121.3,121.3,123.5,123.6,126.7,128.0,128.3,128.7,128.7,129.7,131.9,133.1,133.1,136.6,141.5,144.8,144.8,148.0,148.1,148.3,152.4,168.4,177.9(CO),178.0(CO);ESI−Mass(m/z):809(M+).
【0202】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−アゼチジノベンゾイル)]メタン〔S25〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−アゼチジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(73.6mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−(4−アゼチジノベンゾイル)]メタン〔S25〕(97.9mg,59%)を得た。
【0203】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3046,2967,2927,2852,1604,1577,1526,1492,1474,1433,1420,1388,1304,1266,1231,1183,1132,1060,1029,931,835,780,755,741,730,664,630,563,556;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.35(fifth,J=7.2Hz,4H),3.86(t,J=7.2Hz,8H),6.28(d,J=9.0Hz,4H),6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.46(s,1H,CH),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.64(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.72(d,J=9.0Hz,4H),7.82(d,J=7.5Hz,2H),8.61(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):835(M++1).
【0204】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)ベンゾイル)]メタン〔S26〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)フェニル]−1,3−プロパンジオン(92.1mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス[4−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)ベンゾイル)]メタン〔S26〕(166.5mg,91%)を得た。
【0205】
Mp:245−247℃;IR(KBr,cm-1):3041,2924,2851,1604,1570,1523,1490,1437,1420,1391,1437,1420,1391,1365,1316,1266,1237,1191,1165,1136,1059,1029,998,896,826,777,756,728,693,669,630;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.49(brs,8H,CH2),1.74(brs,8H,CH2),3.44(t,J=6.0Hz,8H,CH2),6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.48(s,1H,CH),6.54(d,J=9.0Hz,4H),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.99(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.56(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.62(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.73(d,J=9.0Hz,4H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.63(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):919(M++1).
【0206】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ピペリジノベンゾイル)−3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S27〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ピペリジノフェニル)−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(82.8mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ピペリジノベンゾイル)−3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S27〕(153.6mg,88%)を得た。
【0207】
Mp:225−230℃;IR(KBr,cm-1):3047,2932,2844,1604,1571,1560,1522,1492,1481,1437,1492,1481,1437,1420,1382,1305,1225,1192,1126,1060,1030,780,755,729;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.59−1.65(m,6H,CH2),1.95−2.00(m,4H,CH2),3.17−3.21(m,4H,CH2),3.24−3.28(m,4H,CH2),6.37(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.41(d,J=8.7Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.77(d,J=8.7Hz,2H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.99(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.63(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.73(d,J=8.7Hz,2H),7.75(d,J=8.7Hz,2H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.62(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ24.4,25.5,25.5,47.6,49.6,92.1,110.6,111.7,114.4,118.0,120.1,121.2,123.4,128.1,128.5,131.4,133.1,136.4,144.9,148.2,149.1,149.3,152.7,168.5,176.8(CO),177.7(CO);ESI−Mass(m/z):877(M++1).
【0208】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S28〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピロリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(74.0mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−ピロリジノベンゾイル)]メタン〔S28〕(160.8mg,93%)を得た。
【0209】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3042,2846,1604,1570,1527,1494,1480,1437,1421,1383,1306,1266,1238,1191,1134,1060,1030,946,826,779,754,729,669;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.96−2.00(m,4H,CH2),2.94(s,6H,CH3),3.24−3.28(m,4H,CH2),6.37(d,J=7.5Hz,2H),6.41(d,J=9.0Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.58(d,J=9.0Hz,2H),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.83(td,J=8.7Hz,2H),6.99(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(d,J=7.5Hz,2H),7.63(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,4H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.62(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):837(M++1).
【0210】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−ピペリジノベンゾイル)]メタン〔S29〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−1,3−プロパンジオン(77.1mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−ピペリジノベンゾイル)]メタン〔S29〕(152.0mg,89%)を得た。
【0211】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3042,2934,2852,2811,1604,1571,1560,1522,1491,1420,1389,1363,1314,1266,1227,1197,1126,1060,1030,827,780,755,729;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.60−1.65(m,6H,CH2),2.95(s,6H,CH3),3.18−3.21(m,4H,CH2),6.37(d,J=7.5Hz,2H),6.50(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.77(d,J=9.0Hz,2H),6.83(d,J=1.5,7.5Hz,2H),6.99(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(d,J=7.5Hz,2H),7.63(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.73(d,J=9.0Hz,2H),7.75(d,J=8.7Hz,2H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.61(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):851(M++1).
【0212】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−モルホリノベンゾイル)]メタン〔S30〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−1,3−プロパンジオン(77.5mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−3−(4−モルホリノベンゾイル)]メタン〔S30〕(105.8mg,62%)を得た。
【0213】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3051,2968,2853,1604,1577,1560,1527,1491,1420,1395,1303,1266,1225,1199,1123,1060,1030,929,780,755,730,669,655,518,511;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.95(s,6H,CH3),3.14−3.17(m,4H,CH2),3.81−3.84(m,4H,CH2),6.37(d,J=7.5Hz,2H),6.50(s,1H,CH),6.57(d,J=9.0Hz,2H),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.77(d,J=9.0Hz,2H),6.84(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.99(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.64(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,2H),7.76(d,J=9.0Hz,2H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.61(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);ESI−Mass(m/z):853(M++1).
【0214】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス[4'−(4−メチルピペラジノベンゾイル)]メタン〔S31〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス[4'−(4−メチルピペラジノフェニル)]−1,3−プロパンジオン(92.5mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体をメタノール1cm3、ジエチルエーテル10cm3で洗浄し、減圧乾燥することで橙色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス[4'−(4−メチルピペラジノベンゾイル)]メタン〔S31〕(157.0mg,85%)を得た。
【0215】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3037,2936,2839,2790,1604,1577,1560,1526,1491,1432,1420,1388,1297,1221,1202,1135,1160,1029,1006,927,830,779,755,740,729,669,646;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ2.33(s,6H,CH3),2.51−2.55(m,8H,CH2),3.21−3.24(m,8H,CH2),6.36(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.77(d,J=9.0Hz,4H),6.84(td,J=1.5,7.5Hz,2H),7.00(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.65(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.74(d,J=9.0Hz,4H),7.83(d,J=7.5Hz,2H),8.59(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ46.2,48.1,54.8,92.6,114.2,118.0,120.2,121.2,123.5,128.2,128.6,131.9,133.1,136.5,144.8,148.1,148.8,152.2,168.4,177.2(CO);ESI−Mass(m/z):921(M++1).
【0216】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンゾイル)]メタン〔S32〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(80.6mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、ジクロロメタン100cm3で抽出し、さらにジクロロメタン層を蒸留水50cm3で3回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧留去した。得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1:5)から精製し、さらに得られた固体をジエチルエーテル2cm3をを加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンゾイル)]メタン〔S32〕(145.5mg,84%)を得た。
【0217】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):3047,2973,2898,1604,1570,1522,1491,1420,1392,1350,1266,1237,1198,1133,1079,779,757,729;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.13(t,J=7.2Hz,12H,CH3),3.33(q,J=7.2Hz,8H,CH2),6.38(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.49(s,1H,CH),6.53(d,J=9.0Hz,4H),6.71(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.98(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.62(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.74(d,J=9.0Hz,4H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.63(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ12.6,44.5,91.4,110.3,117.9,119.9,121.1,123.4,128.1,128.6,133.1,136.3,138.2,144.9,148.3,148.7,149.7,168.5,176.9(CO);ESI−Mass(m/z):867(M++1).
【0218】
イリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(4−ジブチルアミノベンゾイル)]メタン〔S33〕の合成
テトラキス[2−(2−ピリジニル)フェニル−N,C2'](μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)(107.2mg,0.10mmol)、1,3−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−1,3−プロパンジオン(110.1mg,0.22mmol)および炭酸ナトリウム(233.2mg,2.20mmol)を2−エトキシエタノール中、90℃で21時間加熱した。室温まで冷却した後、蒸留水100cm3を加え、ジクロロメタン100cm3で抽出し、さらにジクロロメタン層を蒸留水50cm3で3回洗浄した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧留去した。得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1:5)から精製し、さらに得られた固体をジエチルエーテル2cm3をを加えて撹拌、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥することで黄色固体としてイリジウム(III)ビス(フェニルピリジナト−N,C2')[1,3−ビス(4−ジブチルアミノベンゾイル)]メタン〔S33〕(78.7mg,40%)を得た。
【0219】
Mp:>300℃;IR(KBr,cm-1):2954,2921,2862,1605,1570,1525,1488,1420,1394,1368,1314,1194,1135,1061,1030,826,776,756,728,630;1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ0.95(t,J=7.2Hz,12H,CH3),1.31(sex,J=7.2Hz,8H,CH2),1.53(fifth,J=7.2Hz,8H,CH2),3.25(t,J=7.2Hz,8H,CH2),6.39(dd,J=1.0,7.5Hz,2H),6.50(s,1H,CH),6.50(d,J=9.0Hz,4H),6.72(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.83(td,J=1.5,7.5Hz,2H),6.98(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.57(dd,J=1.5,7.5Hz,2H),7.61(ddd,J=1.5,5.7,7.5Hz,2H),7.75(d,J=9.0Hz,4H),7.81(d,J=7.5Hz,2H),8.63(ddd,J=1.0,1.5,5.7Hz,2H);13C−NMR(CDCl3,75.5MHz):δ14.1,20.4,29.4,50.8,91.3,110.3,117.9,119.9,121.1,123.4,127.9,128.5,128.8,133.1,136.3,144.9,148.2,149.1,149.7,168.4,176.8(CO);Fab−Mass(m/z):978(M+).
【0220】
尚、前記の合成において用いた主な市販の化合物を以下に記す。
2−エトキシエタノール、メタノール、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、テトラヒドロフラン、シリカゲル、ナトリウムアミド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、ピペリジン、ピリジン、ヘキサン、ヘプタン、1−メチルピペラジン、モルホリン、ヨウ化エチル、1−ヨードブタンは和光純薬社製のものを用いた。
【0221】
アゼチジン塩酸塩、ヘキサメチル亜りん酸トリアミド(HMPA)、ヘキサメチレンイミン、3−アセチルチオフェン、エチル 2−チオフェンカルボキシレートはアルドリッチ社製のものを用いた。
【0222】
4−アミノアセトフェノン、4−フルオロアセトフェノン、2−アセナフトン、4−アセチルビフェニル、2−アセチルチオフェン、3−ジメチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、エチル ベンゾエート、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル 4−メトキシベンゾエート、エチル 4−メチルベンゾエート、メチル 3−ジメチルアミノベンゾエートは東京化成工業社製のものを用いた。
【0223】
酢酸エチルはナカライテスク社製のものを用いた。
合成したジカルボニル化合物L01〜L33の構造式を以下に示す。
【0224】
【化16】
【0225】
【化17】
【0226】
【化18】
【0227】
合成した金属錯体S01〜S33の構造式を以下に示す。
【0228】
【化19】
【0229】
【化20】
【0230】
【化21】
【0231】
<発光特性の評価>
市販または本発明で新規に合成したジカルボニル化合物と、ジカルボニル化合物の金属錯体とを、ジクロロメタン溶液とし、株式会社島津製作所製蛍光分光光度計RF-5300PCを用いて、光励起による発光スペクトル特性を評価した。表10〜表12に、各化合物の溶液状態における光励起発光スペクトルの発光ピーク波長、発光ピーク強度(I)、励起波長の吸光度(A)、及び発光ピーク強度/励起波長の吸光度(I/A)を示す。
【0232】
【表10】
【0233】
【表11】
【0234】
【表12】
【0235】
上記各表で、感度「3」は、感度「1.5」に比べておおよそ12倍の感度で測定した事を示している。濃度が「8.0E-7」と記されているものは、容量モル濃度が8.0×10-7mol/リットルのジクロロメタン溶液として測定した事を示しており、「E−X」は「×10-X」を意味している。強度備考の欄に、「上限値」の記載のあるS07は、発光が強すぎて、測定された発光強度が測定器の上限値に達していた事を示しており、この場合には、発光ピーク波長を求める事ができないため、発光ピーク波長の欄には「算出不能」と記載した。この場合、発光ピーク波長を求め、化合物間の発光ピーク強度Iを相対比較する目的で、より低い感度においても、測定を行った。
【0236】
上記の結果より、本発明の物質には、従来知られているジカルボニル化合物であるL01、L02や、ジカルボニル化合物の従来知られている金属錯体であるS01、S02に比べ、より強い発光強度を示し、発光性物質として優れているものが含まれていることが確認された。
【0237】
前記の表に示したジカルボニル化合物の相互間で、発光強度を比較すると、L07>L27>L26>L25>L03>L06>L08>比較化合物L02>比較化合物L01の順であった。
【0238】
最も強度が強かったのは、ジカルボニル化合物L07であり、5員環状アミノ基(ピロリジル基など)を有するジカルボニル化合物である。
強度が強い順に、構造との関係を整理すると次のようになる。
【0239】
L07
>L27{5員環状アミノ基(ピロリジル基など)と、6員環状アミノ基(ピペリジル基など)とを有するジカルボニル化合物}
>L26{7員環状アミノ基(アゼピン誘導体など)を有するジカルボニル化合物}
>L25{4員環状アミノ基(アゼチジン基など)を有するジカルボニル化合物}
>L03
>L06{6員環状アミノ基(ピロリジル基など)を有するジカルボニル化合物}
>L08{モルホリル基を有するジカルボニル化合物}
>比較化合物L02
次に、前記の表に示したジカルボニル化合物の金属錯体の相互間で、発光強度を比較すると、S33>S28>S07>S25>S27>S06>S03>S26>S08>比較化合物S01>比較化合物S02の順であった。
【0240】
最も強度が強かったのは、ジカルボニル化合物S33であり、5員環状アミノ基(ピロリジル基など)を有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体である。
【0241】
強度が強い順に、構造との関係を整理すると次のようになる。
S33
>S28{6員環状アミノ基(ピペリジル基など)とを有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>S07{5員環状アミノ基(ピロリジル基など)を有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>S25{4員環状アミノ基(アゼチジン基など)を有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>S27{5員環状アミノ基(ピロリジル基など)と、6員環状アミノ基(ピペリジル基など)とを有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>S06{6員環状アミノ基(ピペリジル基など)を有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>S03
>S26{7員環状アミノ基(アゼピン誘導体など)を有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>S08{モルホリル基を有するジカルボニル化合物が金属に配位してなる金属錯体}
>比較化合物S01
【0242】
<発光素子の作製>
本発明の発光材料を用いる発光素子として、図1に示すような有機エレクトロルミネッセント素子が挙げられる。図1を参照して、ガラス基板などの基板1の上には、陽極2が形成されており、陽極2の上には、正孔注入層3及び正孔輸送層4が形成されている。正孔輸送層4の上には、発光層5が設けられており、この発光層5に、本発明の発光材料を含有させることができる。発光層5の上には、正孔阻止層6が設けられており、その上には電子注入層7が設けられている。電子注入層7の上には、陰極8が形成されている。
【0243】
陽極2は、例えばIn23−SnO2(ITO)から形成することができる。正孔注入層3は、例えば(化22)に示す4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)から形成することができる。正孔輸送層4は、例えば(化23)に示す4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ〕ビフェニル(NPB)から形成することができる。
【0244】
発光層5は、例えば(化24)に示す4,4′−ビス(カルバゾール−9−イル)−ビフェニル(CBP)に、本発明の発光材料を例えば10質量%混合して形成することができる。
【0245】
正孔阻止層6は、例えば(化25)に示す2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)から形成することができる。電子注入層7は、例えば(化26)に示すアルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノリン)(Alq)から形成することができる。陰極8は、インジウムを10質量%含むマグネシウム合金(Mg:In)から形成することができる。
【0246】
上記のいずれの層も、真空蒸着法により形成することができる。
【0247】
【化22】
【0248】
【化23】
【0249】
【化24】
【0250】
【化25】
【0251】
【化26】
【0252】
【発明の効果】
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセント素子などの発光素子の発光材料として用いることができるジカルボニル化合物及びその金属錯体並びにこれを用いた発光材料及び発光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセント素子の一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板
2…陽極
3…正孔注入層
4…正孔輸送層
5…発光層
6…正孔阻止層
7…電子注入層
8…陰極

Claims (6)

  1. 以下の一般式(I)で表わされることを特徴とするジカルボニル化合物を配位子として用いた以下の一般式(II)で表わされる金属錯体からなることを特徴とする発光材料。
    (式中、R1及びR2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、以下の一般式(i)で表わされるフェニレン基、あるいは水素の一部が置換されていてもよい、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、チエニル基、フリル基、またはピロリル基を示し、R3は水素または炭素数20以下のアルキル基を示す。)
    (式中、R4はアミノ基、アルコキシ基、またはフェニル基を示す。)
    (式中、R 1 、R 2 及びR 3 は一般式(I)の場合と同様であり、Aは以下に示すグループより選ばれる配位子であり、水素の一部はフッ素またはCF 3 で置換されていてもよい。MはIr、PtまたはReであり、nはMがIrまたはReの場合、2であり、MがPtの場合、1である。)
  2. 上記一般式(i)中のR4が以下の一般式(ii)で表されるアミノ基であることを特徴とする前記請求項1に記載の発光材料。
    (式中、G1及びG2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、または複素環基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。但し、G1及びG2が同時にフェニル基またはフェニレン基である場合を除く。)
  3. 上記一般式(ii)で表されるアミノ基が、水素の一部が置換されていてもよい、ジアルキルアミノ基、アゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、アゼピノ基、モルホリノ基、及びピペラジノ基であることを特徴とする前記請求項1または請求項2に記載の発光材料。
  4. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に挟まれた発光層とを備える発光素子であって、
    前記発光層に、以下の一般式(I)で表わされるジカルボニル化合物からなる発光材料が含まれていることを特徴とする発光素子。
    (式中、R 1 及びR 2 は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、以下の一般式(i)で表わされるフェニレン基、あるいは水素の一部が置換されていてもよい、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、チエニル基、フリル基、またはピロリル基を示し、R 3 は水素または炭素数20以下のアルキル基を示す。)
    (式中、R 4 はアミノ基、アルコキシ基、またはフェニル基を示す。)
  5. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極に挟まれた発光層とを備える発光素子であって、
    前記発光層に、前記請求項1〜3のいずれかに記載の発光材料が含まれていることを特徴とする発光素子。
  6. 有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする前記請求項4または5に記載の発光素子
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