JP4482771B2 - プロピレンブロック共重合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、剛性と耐衝撃性、特に低温耐衝撃性とのバランスに優れた、射出成形用樹脂として有用なプロピレンブロック共重合体に存する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源、省エネルギーの観点から射出成形品の薄肉化や軽量化が求められている。ポリプロピレンの剛性と耐衝撃性のバランスを向上させることにより、成形品の薄肉化や軽量化を可能にするため例えばプロピレンとエチレンまたは他のオレフィンを段階的に重合させたブロック共重合体やその製造する方法等、種々の提案がなされている。
【0003】
更に、最近では低温耐衝撃性等の物性を改良する方法として、メタロセン化合物と助触媒からなる触媒の存在下でプロピレンブロック共重合体を製造する方法(特開平4ー337308号公報、特開平5ー202152号公報、特開平6ー206921号公報、特表平8ー510491号公報、WO95/27740号公報、WO95/27741号公報等)、特定の担体や特定の重合方法を用いたメタロセン触媒系での改良方法(特開平6ー172414号公報、特開平6ー287257号公報、特開平8ー27237号公報等)が提案されている。
しかしながら、従来の改良においてもこれらの提案では、剛性と耐衝撃強度、特に低温耐衝撃強度のバランスが十分でなく、なお一層の向上が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は剛性と耐衝撃性、特に低温耐衝撃性のバランスに優れた、射出成形品を容易に製造可能なプロピレンブロック共重合体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々探索検討を行った結果、ある共重合モノマーに関して、そのブロック平均連鎖長と総平均連鎖長が特定の関係を満足するランダム共重合体を用いることにより、剛性と耐衝撃性、特に低温耐衝撃性のバランスに優れた共重合体を得られることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の要旨は、実質的に下記ブロック(A)およびブロック(B)からなり、MFRが4.0g/10分(2.16kg荷重)以上であることを特徴とするプロピレンブロック共重合体に存する。
【0006】
ブロック(A):
プロピレン単独重合体
ブロック(B):
プロピレンとエチレンとからなる共重合体であり、該共重合体における含有量が10−80モル%であるエチレンにおいてブロック平均連鎖長と総平均連鎖長がnb≦n+1.2(ここで、nbはブロック平均連鎖長で、エチレン2個以上の連鎖を形成するものに関する平均連鎖長を示し、nはエチレンに関する総平均連鎖長を示し、かつnb及びnは、下記式(1)で定義されるものとする。)の関係にあり、この重合体のMFRが0.01−3g/10分であるプロピレンブロック共重合体[ここで、該MFRは下記式(2)で定義されるものとする]に存する。
【数3】
【数4】
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] プロピレンブロック共重合体
<一般的説明>
本発明のプロピレンブロック共重合体は、実質的にブロック(A)およびブロック(B)からなり、MFRが4.0g/10分(2.16kg荷重)以上のものである。(以下、MFRの値を単に「4.0」の様に数値のみで記すことがある)。ここで、「実質的にブロック(A)およびブロック(B)からなる」とは、ブロック(A)およびブロック(B)がそれぞれ単位重合体鎖上に存在する、いわゆる真のブロック共重合体の外に、両ブロックの物理的混合物や、例えば異なる物性のブロック(B)をさらに含む(物理的混合を含む)プロピレンブロック共重合体をも包含する。本発明において、一般的には先ずブロック(A)を生成(第一段階重合)させ、次いでブロック(B)を生成(第二段階重合)させて得られたものであり、好ましくは両ブロックがそれぞれ一つの分子鎖上に存在するものである。
【0008】
本発明のプロピレンブロック共重合体のMFRは4.0以上、好ましくは4.0〜200である。MFRが4.0未満では成形性が劣る場合があり、また先述の様にブロック(A)を生成させた後にブロック(B)を生成させて本発明のブロック共重合体を得る場合にブロック(B)の分散性が低下することがある。一方200を超えるとでは耐衝撃性が不十分となる。尚、MFR値は、ASTM−D−1238に準じて測定したものである。
【0009】
<ブロック(A)>
ブロック(A)は、プロピレン単独重合体であって、好ましくはMFRが5.0−400g/10分のものである。
【0010】
<ブロック(B)>
ブロック(B)は、プロピレンとエチレンとからなるランダム共重合体であって、該共重合体における含有量が10−80モル%、好ましくは25−75モル%であるエチレンにおいてブロック平均連鎖長と総平均連鎖長がnb≦n+1.2の関係(ここで、nbはブロック平均連鎖長で、エチレン2個以上の連鎖を形成するものに関する平均連鎖長を示し、nはエチレンに関する総平均連鎖長を示し、かつnb及びnは、上記式(1)で定義されるものとする)にあるものである。またブロック(B)のMFRは、本発明のブロック共重合体のMFRが4.0g/10分以上を保てる限り任意であるが、0.01−3.0g/10分のものである。
【0011】
本発明において、ブロック(A)の共重合組成が上記を外れると剛性が低下することがあり、又ブロック(B)におけるブロック平均連鎖長と総平均連鎖長との関係が上記範囲を外れると流動性や耐衝撃性が不十分となり、好ましくない。
MFRはたとえば次の式により求めることができる。
【0012】
【数4】
【0013】
さらに、組成や各種の平均連鎖長等は例えば13C−NMRを用いて決定される。以下に本発明のプロピレンブロック共重合体としてブロック(A)がポリプロピレン単独重合体、ブロック(B)がエチレン−プロピレンランダム共重合体の場合を例に決定法を説明する。
13C−NMRスペクトルの測定は定量的な信頼性が確保出来る範囲でいくつかの手法が利用出来る。例えば、120 ℃のオルトジクロルベンゼン溶液とし、緩和時間(T1)の10倍の待ち時間をとってゲーテッドデカップリング法で測定出来る。ブロックBの各種平均連鎖長はG.J.Ray,P.E.Johnson and J.R.Knox Macromolecules10,773(1977)やT.Usami,Y.Gotoh,H.Umemoto and S.Takayama J.Appl.Polym.Sci.:Appl.Polym.Symp. 52, 145(1993) 等の文献に記載されたような種々のメチレン炭素の表記法を用い、各NMRシグナルの積分強度をIで表すと、以下のように決定出来る。
すなわち、
【0014】
【数5】
【0015】
[II] プロピレンブロック共重合体の製造
一般的には少なくとも二段階の重合工程を実施することにより製造することが出来る。
【0016】
<触媒>本発明のプロピレンブロック共重合体の生成において使用する触媒としては、例えば次の成分(A)、(B)と任意成分(C)を含有するα−オレフィン重合用メタロセン触媒が挙げられる。
(A)下記一般式[I]で表される遷移金属化合物
【0017】
【化1】
【0018】
(式中、A1 及びA2 は共役五員環配位子(同一化合物内においてA1 及びA2は同一でも異なっていてもよい)を示し、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、Mは周期律表族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)
(B)珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質(C)有機アルミニウム化合物
【0019】
先ず、成分(A)の遷移金属化合物について説明する。本発明においては、下記一般式(I)で表される遷移金属化合物を使用する。
【0020】
【化2】
【0021】
一般式(I)中、A1 及びA2 は、共役五員環配位子(同一化合物内においてA1 及びA2 は同一でも異なっていてもよい)を示し、好ましくはそのうち少なくとも一方は、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を有する。そして、A1 及びA2 の共役五員環配位子は、結合性基Qに結合していない炭素に置換基を有していてもよい。
上記の共役五員環配位子の典型例としては、例えば、シクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。このシクロペンタジエニル基は、水素原子を4個有するもの[C5 4 −]であってもよく、また、上記した通り、その水素原子の幾つかが置換基で置換されているものであってもよい。
【0022】
上記の置換基の1つの具体例は、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜15の炭化水素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、トリフェニルカルビル基などが挙げられる。
上記の炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、その置換基の末端で2種が結合して縮合環を形成してもよい。縮合環を形成したシクロペンタジエニル基の典型例としては、インデン、フルオレン、アズレン等の化合物やその誘導体である。
【0023】
具体的にはシクロペンタジエニル、n−ブチル−シクロペンタジエニル、インデニル、2−メチル−インデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデニル、2−メチル−テトラヒドロインデニル、2−メチルベンゾインデニル、2,4−ジメチルアズレニル、2−メチル−4−フェニルアズレニル、2−メチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−フェニルアズレニル、2−メチル−4−(4ークロロフェニル)アズレニル等が挙げられる。この中においては2,4−ジメチルアズレニル、2−メチル−4−フェニルアズレニル、2−メチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−ナフチルアズレニル、2−エチル−4−フェニルアズレニル、2−イソプロピル−4−ナフチルアズレニル、2−メチル−4−(4ークロロフェニル)アズレニルが好ましい。
【0024】
上記の炭化水素基以外の置換基としては、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含有する炭化水素残が挙げられる。その典型例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニル硼素基、ジメトキシ硼素基、チエニル基などが挙げられる。
その他の置換基としては、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典型的例としては、塩素、臭素、沃素、フッ素、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0025】
成分(A)として使用する遷移金属化合物は、A1 及びA2 のうち少なくとも一方が、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を有するものが好ましい。すなわち、A1 及びA2 のどちらか一方は、少なくとも共役五員環の隣接する炭素2原子を含めた7〜10の縮合環を形成しているものが好ましい。
1 及びA2 のうち少なくとも一方を構成する上記の様な配位子としては、A1 ,A2 の具体例として前述したものの中にも含まれるが、他にヒドロアズレニル基、メチルヒドロアズレニル基、エチルヒドロアズレニル基、ジメチルヒドロアズレニル基、メチルエチルヒドロアズレニル基、メチルイソプロピルヒドロアズレニル基、メチルフェニルイソプロピルヒドロアズレニル基、各種アズレニル基の水添体、ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、エチル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、フェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、エチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチルジフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジニル基、メチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジニル基、エチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジニル基、メチルイソプロピル−[6.3.0]−ウンデカジニル基、ビシクロ−[7.3.0]−ドデカニル基及びその誘導体、ビシクロ−[7.3.0]−ドデカジエニル基及びその誘導体、ビシクロ−[8.3.0]−トリデカニル基及びその誘導体、ビシクロ−[8.3.0]−トリデカジエニル基及びその誘導体などが挙げられる。
上記の各基の置換基としては、前述した炭化水素基、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含有する炭化水素基、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。
【0026】
Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。すなわち、Qは、2価の結合性基であり、A1 とA2 とを架橋する。Qの種類は特に制限されないが、その具体例としては、(イ)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン基、(ロ)無置換または炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはオリゴシリレン基、(ハ)無置換または炭素数が通常1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基や、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはゲルミレン基が好ましい。
【0027】
Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは、チタン、ジルコニウム又はハフニウム、更に好ましくは、ジルコニウム又はハフニウムである。X及びYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。上記の各炭化水素基における炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これらの中では、水素原子、塩素原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等のケイ素含有炭化水素基が好ましい。
【0028】
遷移金属化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。Q=アルキレン基のものとしては例えば
(1)メチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)エチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)エチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジロコニウムハイドライドモノクロリド、
(4)エチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)メチルジルコニウムモノクロリド、
(5)エチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジルコニウムモノメトキシドモノクロリド、
(6)エチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジルコニウムジエトキシド、
(7)エチレンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジルコニウムジメチル、
(8)エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)エチレンビス(2−メチル、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)エチレンビス(2−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0029】
(11)エチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(12)エチレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(13)エチレン(2−メチル−4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3′−tert−ブチル−5′−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(14)エチレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(15)エチレン−1,2−ビス(4−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(16)エチレン−1,2−ビス〔4−(2,7−ジメチルインデニル)〕ジルコニウムジクロリド、
(17)エチレンビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(18)エチレンビス〔1, 1´−(4−ヒドロアズレニル)〕ジルコニウムジクロリド
(19)エチレンビス〔1, 1´−(2−エチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)〕ジルコニウムジクロリド
(20)エチレンビス〔1, 1´−(2−メチル、4−(4ークロロフェニル)、4ーヒドロアズレニル)〕ジルコニウムジクロリド
【0030】
(21)エチレンビス(9−ビシクロ[8.3.0]トリデカ−2−メチルペンタエニル)ジルコニウムジクロリド
(22)エチレン(1−インデニル)〔1−(4−ヒドロアズレニル)〕ジルコニウムジクロリド (23)イソプロピリデンビス(2−メチル、4−フェニル、4ーヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(24)イソプロピリデン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,
5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(25)イソプロピリデン(2−メチル−4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3′−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
又、Q=シリレン基のものとしては、例えば
【0031】
(1)ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,4−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−4−シラインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)ジメチルシリレンビス〔4−(2−フェニルインデニル)〕ジルコニウムジクロリド、
【0032】
(11)ジメチルシリレンビス〔4−(2−tert−ブチルインデニル)〕ジルコニウムジクロリド、
(12)ジメチルシリレンビス〔4−(1−フェニル−3−メチルインデニル)〕ジルコニウムジクロリド、
(13)ジメチルシリレンビス〔4−(2−フェニル−3−メチルインデニル)〕ジルコニウムジクロリド、
(14)フェニルメチルシリレンビス(2−メチル4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(15)フェニルメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(16)フェニルメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(17)ジフェニルシリレンビス(2−メチル4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(18)テトラメチルジシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(19)ジメチルシリレンビス〔1, 1’−(2−イソプロピル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)〕ジルコニウムジクロリド
(20)ジメチルシリレンビス〔1, 1´−(2−エチル−4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)〕ジルコニウムジクロリド
【0033】
(21)ジメチルシリレンビス〔1, 1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}〕ジルコニウムジクロリド
(22)ジメチルシリレンビス(9−ビシクロ[8.3.0]トリデカ−2−メチルペンタエニル)ジルコニウムジクロリド
(23)(メチル)(フェニル)シリレンビス{1, 1´−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
Q=ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基のものとしては、例えば
【0034】
(1)ジメチルゲルマニウムビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)メチルアルミニウムビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)フェニルアルミニウムビス(2−メチル−4−フェニルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)フェニルホスフィノビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)エチルボラノビス(2−メチル−4−フェニルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)フェニルアミノビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
また、前述の化合物の塩素を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチル、フェニル等に置きかえてもよい。さらに、成分(A)として上記したジルコニウム化合物の中心金属をチタン、ハフニウム、ニオブ、モリブデン又はタングステン等に換えた化合物も用いることができる。
【0035】
これらのうちで好ましいものは、ハフニウム化合物及びチタン化合物である。さらに好ましいのは、ハフニウム化合物である。これら(A)成分は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、重合の第一段階終了時や第二段階の重合開始前に、新たに成分(A)を追加してもよい。成分(B)としては、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩、からなる群より選ばれる一種以上の物質を用いる。
【0045】
珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換可能なものを言う。珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、CdI2 型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等を例示することができる。このような結晶構造を有するイオン交換性層状化合物の具体例としては、α−Zr(HAsO4 2 ・H2 O、α−Zr(HPO42 、α−Zr(KPO4 2 ・3H2 O、α−Ti(HPO4 2 、α−Ti(HAsO4 2 ・H2 O、α−Sn(HPO4 2 ・H2 O、γ−Zr(HPO4 2 、γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti(NH4 PO4 2 ・H2 O等の多価金属の結晶性酸性塩があげられる。
【0046】
また、無機珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土等が挙げられる。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。
粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
【0047】
人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。
これら具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられる。これらは、特に処理を行うことなくそのまま使用してもよいし、ボールミル、篩い分け等の処理を行った後に使用してもよい。また、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
【0048】
上記のイオン交換性層状化合物および無機珪酸塩は、塩類処理および/または酸処理により、固体の酸強度を変えることが出来る。また、塩類処理においては、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成することにより、表面積や層間距離を変えることが出来る。すなわち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることが出来る。
上記の前処理を行っていない化合物においては、含有される交換可能な金属陽イオンを次に示す塩類および/または酸より解離した陽イオンとイオン交換することが好ましい。
【0049】
上記のイオン交換に使用する塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子または原子団よりより誘導される陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO4 、SO4 、NO3 、CO3 、C2 4 、ClO4 、OOCCH3 、CH3 COCHCOCH3 、OC12、O(NO3 2 、O(ClO4 2 、O(SO4 )、OH、O2 12、OC13、OOCH及びOOCCH2 CH3 から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。また、これら塩類は2種以上を同時に使用してもよい。
【0050】
上記のイオン交換に使用する酸は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、これらは、2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる方法としては、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法などがある。なお、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、Li等の陽イオンの一部を溶出させる効果がある。
塩類および酸による処理条件は特に制限されない。しかしながら、通常、塩類および酸濃度は0.1〜30重量%、処理温度は室温から使用溶媒の沸点の範囲の温度、処理時間は5分〜24時間の条件を選択し、被処理化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は一般的には水溶液で使用される。
【0051】
上記の塩類処理および/または酸処理を行う場合、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有機物処理などの他の化学処理を併用してもよい。この様にして得られる成分(B)としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gであることが好ましい。粘土、粘土鉱物は、通常、吸着水および層間水を含む。ここで、吸着水とは、イオン交換性層状化合物または無機珪酸塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水であり、層間水とは、結晶の層間に存在する水である。
【0052】
本発明において、粘土、粘土鉱物は、上記の様な吸着水および層間水を除去してから使用することが好ましい。脱水方法は特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水などの方法が使用される。加熱温度は、吸着水および層間水が残存しない様な温度範囲とされ、通常100℃以上、好ましくは150℃以上とされるが、構造破壊を生じる様な高温条件は好ましくない。加熱時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、脱水乾燥した後の成分(B)の重量減少は、温度200℃、圧力1mmH gの条件下で2時間吸引した場合の値として3重量%以下であることが好ましい。本発明においては、重量減少が3重量%以下に調整された成分(B)を使用する場合、必須成分(A)及び後述の任意成分(C)と接触する際にも、同様の重量減少が示される様な状態で取り扱うことが好ましい。
次に、成分(C)有機アルミニウム化合物としては、一般式[7]で表される有機アルミニウム化合物が好適に使用される。
【0053】
【化6】
AlRa 3-a [7]
【0054】
一般式[7]中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Pは、水素、ハロゲン、アルコキシ基またはシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。一般式[7]で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが好ましい。また、成分(C)として、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類なども使用できる。(尚、成分(B)がアルミノキサンの場合は成分(C)の例示としてアルミノキサンは除く。)
【0055】
オレフィン重合用触媒は、成分(A)、(B)、及び任意成分(C)とを接触させることにより調製される。接触方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することが出来る。なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。
(1)成分(A)と成分(B)を接触させる。
(2)成分(A)と成分(B)を接触させた後に成分(C)を添加する。
(3)成分(A)と成分(C)を接触させた後に成分(B)を添加する。
(4)成分(B)と成分(C)を接触させた後に成分(A)を添加する。
(5)成分(A)、(B)、(C)を同時に接触させる。
【0056】
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させるか、または、接触させてもよい。また、上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行い、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。成分(A)及び(B)の使用量は任意であるが、例えば溶媒重合の場合、成分(A)の使用量は遷移金属原子換算で、通常10-7〜102mmol /L、好ましくは10-4〜1mmol/Lである。
【0057】
また、成分(B)として、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機珪酸塩を使用した場合、成分(B)1g当たり、成分(A)は、通常10-4〜10mmol、好ましくは10-3〜5mmolであり、成分(C)は、通常0.01〜104 mmol、好ましくは0.1〜100mmolである。また、成分(A)中の遷移金属と成分(C)中のアルミニウムの原子比は、通常1:0.01〜106 、好ましくは1:0.1〜105 である。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。また、必要に応じて新たに成分(C)を組み合わせて使用してもよい。すなわち、成分(A)及び/又は(B)と成分(C)とを使用して触媒調製を行った場合は、この触媒調製とは別途に更に成分(C)を反応系に添加してもよい。この際、使用される成分(C)の量は、成分(A)中の遷移金属に対する成分(C)中のアルミニウムの原子比で1:0〜104 となる様に選ばれる。
【0058】
また任意成分として微粒子担体を共存させてもよい。微粒子担体は、無機または有機の化合物から成り、通常5μから5mm、好ましくは10μから2mmの粒径を有する微粒子状の担体である。
上記の無機担体としては、例えば、SiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO、TiO2 、B2 3 、ZnO等の酸化物、SiO2 −MgO、SiO2 −A123 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −Cr2 3 、SiO2 −Al2 3 −MgO等の複合酸化物などが挙げられる。
【0059】
上記の有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンの(共)重合体、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和炭化水素の(共)重合体などから成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。これらの比表面積は、通常20〜1000m2 /g、好ましくは50〜700m2 /gであり、細孔容積は、通常0.1cm2 /g以上、好ましくは0.3cm2 /g、更に好ましくは0.8cm2 /g以上である。
オレフィン重合用触媒は、微粒子担体以外の任意成分として、例えば、H2 O、メタノール、エタノール、ブタノール等の活性水素含有化合物、エーテル、エステル、アミン等の電子供与性化合物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキシアルミニウム、亜リン酸フェニル、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシ含有化合物を含むことが出来る。
【0060】
オレフィン重合用触媒において、成分(B)の珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機珪酸塩からなる群より選ばれる一種以上の物質は、それぞれ単独使用される他、これらを適宜組み合わせて使用することが出来る。また、成分(C)の低級アルキルアルミニウム、ハロゲン含有アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムヒドリド、アルコキシ含有アルキルアルミニウム、アリールオキシ含有アルキルアルミニウムの1種または2種以上は、任意成分ではあるが、併用し、オレフィン重合用触媒として用いるのが好ましい。また、成分(A)、(B)及び成分(C)を予め接触させる際、重合させるモノマーを存在させてα−オレフィンの一部を重合する、いわゆる予備重合を行ってもよい。すなわち、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のオレフィンの予備重合を行い、必要に応じて洗浄した予備重合生成物を触媒として使用することも出来る。この予備重合は、不活性溶媒中で穏和な条件で行うことが好ましく、固体触媒1g当たり、通常0.01〜1000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が生成する様に行うのが好ましい。
【0061】
<プロピレンブロック共重合体の製造>
プロピレンブロック共重合は一般的には二段階で行う。重合反応はプロパン、ブタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒を使用する溶媒重合の他、実質的に溶媒を使用しない液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合であってもよい。また、重合方式は、連続重合および回分式重合の何れであってもよい。中でも、溶媒重合又は液相無溶媒重合が好ましい。
溶媒重合における溶媒としては、上述したものやペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン等の不活性な飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物が使用される。重合温度は、通常−78〜250℃、好ましくは−20〜150℃、特に好ましくは0〜100℃である。反応系のオレフィン圧は、特に制限されないが、好ましくは常圧から2000kgf/cm2 G、更に好ましくは常圧から50kgf/cm2 Gの範囲とされる。また、例えば、温度や圧力の選定または水素の導入などの公知の手段により分子量調節を行なうことも出来る。
【0062】
原料のα−オレフィンとしては、エチレンプロピレンが用いられる。第一段階では、成分(A)、(B)又は成分(A)、(B)及び(C)の存在下にプロピレンの単独重合でプロピレンの結晶性単独重合体を製造する。通常、第一段階で得る重合体の量が、全重合体生成量の50から95重量%となるように重合温度および重合時間が選ばれる。
【0063】
次に第二段階では、第一段階で生成した重合体の存在下にプロピレンとエチレンとの共重合を行わせる。プロピレンとエチレンの重合比(モル比)は、通常5/95〜90/10の割合となるように重合させる。通常、第二段階で得る重合体の量が、全重合体生成量の5〜50重量%となるように重合温度および重合時間が選ばれる。重合温度は通常0〜100℃、好ましくは20〜90℃である。分子量調節剤としては水素が好ましい。これら第一段階および第二段階の重合の後、引き続き第三段階以降、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合、エチレンの単独重合もしくはエチレンと他のα−オレフィンとの共重合を行ってもよい。
【0064】
なお、本発明おいて「ブロック共重合体」とは、必ずしも理想的な姿のもの、すなわち第一段階重合で生成したブロック(ブロック[A] )と第二段階重合で生成したブロック(ブロック[B] )とが一つの分子鎖上に存在するもののみを意味するものではなく、慣用されているところに従って各工程で生成したポリマーの物理的混合物およびこれと上記の理想的なブロック共重合体との間の各種の形態のポリマーをも包含する。
【0065】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって制約を受けるものではない。
なお、実施例における各種の物性測定は下記の要領で実施した。
(イ)メルトフローインデックス(MFRで示す。単位はg/10分)はASTM−D−1238に従って測定した。
(ロ)総平均連鎖長とブロック平均連鎖長は前述した手法に従って、13C−NMRによって決定した。
(ハ)重合で得られた重合物に耐熱安定剤等の各種添加剤を配合し、それぞれに押し出し機によりペレット化し、射出成形機により試験片を成形した。
(ニ)曲げ弾性率FM(Kg/cm2 )は射出成形片をASTMーDー790に従って23℃で測定した。
(ホ)アイゾッド衝撃強度(Kg−cm/cm)はASTM−D−256に準拠してノッチ付き射出成形片について23℃および−30℃で測定した。
【0066】
(実施例ー1)
(1)触媒成分の調製
成分(A)の合成(ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリド)
以下の反応は全て不活性ガス雰囲気下で行い、また、反応溶媒は予め乾燥したものを使用した。
【0067】
(a)ラセミ・メソ混合物の合成
特開昭62−207232号公報に記載の方法に従って合成した2−メチルアズレン3.22gをヘキサン30mlに溶かし、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液21ml(1.0等量)を0℃で少しずつ加えた。この溶液を室温で1.5時間撹拌した後、−78℃に冷却しテトラヒドロフラン30mlを加えた。この溶液に1−メチルイミダゾール45μmolとジメチルジクロロシラン1.37mlを加え、室温まで戻して1時間攪拌した。その後、塩化アンモニウム水溶液を加え、分液した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、ビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシランの粗精製物5.84gを得た。
上記で得たビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシランの粗精製物をジエチルエーテル30mlに溶かし、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液14.2ml(1.6mol/L)を滴下し、徐々に室温まで戻して12時間撹拌した。減圧下に溶媒留去した後、トルエン・ジエチルエーテル(40:1)80mlを加え、−60℃で四塩化ハフニウム3.3gを加え、徐々に室温まで戻し4時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、得られた固体をトルエンで洗浄後、ジクロロメタンで抽出し、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物1.74gを得た。
【0068】
(b)ラセミ体の精製
上記の反応を繰り返して得られたラセミ・メソ混合物1.74gをジクロロメタン30mlに溶解し、100W高圧水銀ランプを有するパイレックスガラス製容器に導入した。この溶液を撹拌しながら常圧下40分間光照射してラセミ体の比率を高めた後、ジクロロメタンを減圧下に留去した。得られた黄色固体にトルエン10mlを加えて撹拌した後にろ過した。ろ別した固形分をトルエン8mlとヘキサン4mlで洗浄し、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリドのラセミ体917mgを得た。
【0069】
成分(B)の製造
500ml丸底フラスコに脱塩水135mlと硫酸マグネシウム16gを採取し、攪拌下に溶解させた。この溶液にモンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業製)22.2gを添加し、昇温して80℃で1時間処理した。次いで脱塩水300mlを加えた後ろ過して固形分を回収した。
このものに、脱塩水46mlと硫酸23.4gおよび硫酸マグネシウム29.2gを加えた後、昇温して還流下に2時間処理した。処理後脱塩水200mlを加えてろ過した。更に脱塩水400mlを加えてろ過し、この操作を2回繰り返した。次いで100℃で乾燥して化学処理モンモリロナイトを得た。
100ml丸底フラスコに上記の化学処理モンモリロナイト1.05gを採取し、減圧下200℃で2時間乾燥させた。これに、精製窒素下でトリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/ml)を3.5ml添加して室温で1時間反応させた後、トルエン30mlで2回洗浄した後トルエンスラリーとして(B)成分を得た。
【0070】
(2)プロピレン予備重合
上記スラリー全量にトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/ml)を0.6mlと実施例−1(1)で合成したジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリドラセミ体のトルエン溶液(1.5μmol/ml)を19.1mlを加えて室温で10分間接触させた。
2Lの誘導攪拌式オートクレーブに、精製窒素下、トルエン40mlと上記接触物全量を導入した。攪拌下にプロピレンを導入し、室温において全重合圧力=0.6MPaで3分間予備重合を行った。次いで未反応のプロピレンをパージし、精製窒素で加圧置換した後予備重合触媒を取り出した。このものは、[B]成分1gあたり2.98gの重合体を含有していた。
【0071】
(3)プロピレンブロック共重合
精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/ml)を0.6ml添加し、水素ガスを13KPa装入した後、液化プロピレン700gを装入した。その後、実施例−1(2)で得られた予備重合触媒を固体触媒成分として37.5mg圧入し、昇温後75℃で30分間重合を行った。次いでプロピレンおよび水素をパージして第一段階での重合反応を終わらせた。
【0072】
第一段階での重合体収量を秤量したところ296gのポリプロピレンを得た。精製窒素流通下に重合体を79g抜き出した後、攪拌混合下に60℃まで昇温し、昇温後にプロピレンガスおよびエチレンガスを全重合圧力が1.96MPaとなるよう装入し、第二段階の重合開始とした。全重合圧力が1.96MPaで一定となるようにプロピレンとエチレンの混合ガスを供給しながら、60℃で100分間重合反応を行った。ここでプロピレン/プロピレン+エチレン比は平均45.4モル%であった。その後、プロピレンおよびエチレンをパージして白色粉末状のプロピレンブロック共重合体274gを得た。得られたブロック共重合体の第二段階重合体の含量は、20.8重量%であり、MFRは12.4であった。また、第一段階で得られたポリプロピレンのMFRは36.0であった。前記したMFRの関係式(2)から計算により求めたブロック(B)のMFRは0.21であった。
【0073】
ここで得られたブロック共重合体に関して、その二段目のエチレン総平均連鎖長は1.87、ブロックエチレン平均連鎖長は2.80であった。
さらに、以上のようにして得られた重合体粉末100重量部に対して、添加剤として商品名イルガフォス168(チバガイギー社製)と商品名イルガノックス1010(チバガイギー社製)およびステアリン酸カルシウムをそれぞれ0.05重量部を添加した。これを内径30mmの単軸押出機を用いて210℃で混練を行った。次いで射出成形片を作製して各種物性の測定を行った。その結果、曲げ弾性率FMは8220Kg/cm2であり、アイゾッド衝撃強度は23℃において破断せず、−30℃において7.5kg・cm/cmであった。
【0074】
(実施例−2)
(1)触媒成分の調製
以下の反応は全て不活性ガス雰囲気下で行い、また、反応溶媒は予め乾燥したものを使用した。
(A)成分の合成(ジメチルシリレンビス[1, 1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド)
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6mmol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml(19.2mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.2g(8.6mmol)を添加して反応を行った。この反応溶液を徐々に室温まで戻しながら1.5時間攪拌した。その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−メチルイミダゾール15μl(0.19mmol)を添加し、更に、ジクロロジメチルシラン0.52ml(4.3mmol)を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の固体2.1gを得た。
【0075】
次に、上記の反応生成物1.27gをジエチルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)2.8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−78℃に冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g(2.3mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、室温で4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上で濾過し、濾別された固体をトルエン3mlで洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス[1, 1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリのラセミ・メソ混合物906mg(収率56%)を得た。
【0076】
(b)ラセミ体の精製
更に、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ混合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を40分照射することによりラセミ体の比率を高め、その後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次いで、得られた固体成分をトルエン22mlと共に攪拌し、静置後に上澄み液を除去した、斯かる精製操作を4回繰り返し、残った固体成分を乾燥し、ジメチルシリレンビス[1, 1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリドのラセミ体275mgを得た。
【0077】
(2)プロピレン予備重合
実施例1(1)と同様にして得た(B)成分1.0gにトルエン20mlを導入しスラリーとした。このスラリーにトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/ml)を0.6mlと実施例−2(1)で合成したジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体のトルエン溶液(1.0μmol/ml)を30.0mlを加えて室温で10分間接触させた。
2Lの誘導攪拌式オートクレーブに、精製窒素下、トルエン20mlと上記接触物全量を導入した。攪拌下にプロピレンを導入し、室温において全重合圧力=0.6MPaで15分間予備重合を行った。次いで未反応のプロピレンをパージし、精製窒素で加圧置換した後予備重合触媒を取り出した。このものは、[B]成分1gあたり0.80gの重合体を含有していた。
【0078】
(3)プロピレンブロック共重合
精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.5mmol/ml)を0.6ml添加し、水素ガスを12.9KPa装入した後、液化プロピレン700gを装入した。その後、実施例−1(2)で得られた予備重合触媒を固体触媒成分として99.3mg圧入し、昇温後75℃で40分間重合を行った。次いでプロピレンおよび水素をパージして第一段階での重合反応を終わらせた。
【0079】
第一段階での重合体収量を秤量したところ403gのポリプロピレンを得た。精製窒素流通下に重合体を130g抜き出した後、攪拌混合下に50℃まで昇温し、昇温後にプロピレンガスおよびエチレンガスを全重合圧力が1.96MPaとなるよう装入し、第二段階の重合開始とした。全重合圧力が1.96MPaで一定となるようにプロピレンとエチレンの混合ガスを供給しながら、50℃で26分間重合反応を行った。ここでプロピレン/プロピレン+エチレン比は平均45.0モル%であった。その後、プロピレンおよびエチレンをパージして白色粉末状のプロピレンブロック共重合体328gを得た。得られたブロック共重合体の第二段階重合体の含量は、16.8重量%であり、MFRは7.39であった。また、第一段階で得られたポリプロピレンのMFRは10.14であった。前記したMFRの関係式(2)から計算により求めたブロック(B)のMFRは1.54であった。
【0080】
ここで得られたブロック共重合体に関して、その二段目のエチレン総平均連鎖長は2.86、ブロックエチレン平均連鎖長は3.45であった。
さらに、以上のようにして得られた重合体粉末100重量部に対して、添加剤として商品名イルガフォス168(チバガイギー社製)と商品名イルガノックス1010(チバガイギー社製)およびステアリン酸カルシウムをそれぞれ0.05重量部を添加した。これを内径30mmの単軸押出機を用いて210℃で混練を行った。次いで射出成形片を作製して各種物性の測定を行った。その結果、曲げ弾性率FMは10013Kg/cm2であり、アイゾッド衝撃強度は23℃において12.4kg・cm/cm、ー30℃において5.6kg・cm/cmであった。
【0081】
(比較例ー1)
チーグラーナッタ触媒で製造されたプロピレンブロック共重合体(MFR=10.0、ゴム成分量=19重量%、ブロックB中のエチレン含量=55モル%)ついて、実施例−1(3)と同様にして添加剤を添加し、溶融混練した後に射出成形片を作成し各種物性を測定した。結果を表1に示す。
【0082】
(比較例ー2)
チーグラーナッタ触媒で製造されたプロピレンブロック共重合体(MFR=23.6、ゴム成分量=14重量%、ブロックB中のエチレン含量=73モル%)について、実施例−1(3)と同様にして添加剤を添加し、溶融混練した後に射出成形片を作成し各種物性を測定した。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
本発明の特定の構造を有するプロピレンブロック共重合体は、機械的強度(特に剛性と低温耐衝撃性)のバランスに優れており、射出成形用ないし押し出し成形用樹脂として工業的に非常に有用なものである。

Claims (1)

  1. プロピレンブロック共重合体が、
    成分(A):下記一般式[I]で表される遷移金属化合物、
    (式中、A 1 及びA 2 は共役五員環配位子(同一化合物内においてA 1 及びA 2 は同一でも異なっていてもよい)を示し、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示し、Mは周期律表4族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)
    成分(B):モンモリロナイト、並びに
    任意成分(C):有機アルミニウム化合物
    を含有するメタロセン触媒の存在下、プロピレンの単独重合(第一段階重合)を行い、次に、該第一段階で生成した重合体の存在下にプロピレンとエチレンとの第二段階重合を行って得られたものであって、実質的に下記ブロック(A)およびブロック(B)からなり、MFRが4.0g/10分(2.16kg荷重)以上であることを特徴とするプロピレンブロック共重合体。
    ブロック(A):プロピレン単独重合体。
    ブロック(B):プロピレンとエチレンとからなる共重合体であり、該共重合体における含有量が10−80モル%であるエチレンにおいてブロック平均連鎖長と総平均連鎖長がnb≦n+1.2の関係にある重合体(ここで、nbはブロック平均連鎖長で、エチレン2個以上の連鎖を形成するものに関する平均連鎖長を示し、nはエチレンに関する総平均連鎖長を示し、かつnb及びnは、下記式(1)で定義されるものとする)であり、MFRが0.01−3.0g/10分(2.16kg荷重)(ここで、ブロック(B)のMFRは下記式(2)で定義されるものとする)である重合体。
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