JP4480516B2 - バリア膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バリア膜の形成方法に関し、特に、配線材料として銅(Cu)やアルミニウム(Al)等を主成分とする導電膜を形成する際に、導電膜の下地のバリア膜としてZrB及びZrBN(ZrB)膜を形成する方法に関する。
近年、半導体集積回路のパターンの微細化に伴い、アスペクト比の高い微細なコンタクトホールやトレンチ等をCuやAl等の配線材料で埋め込ことが行われている。このようにアスペクト比が高くなると、ホールやトレンチ内に導電膜を良好なカバレッジで埋め込むことが難しくなる。
上記のような埋込配線構造の場合、例えば主配線材料としてCuを用いると、Cuが絶縁膜中に拡散されやすく、不具合が生じる。そのため、絶縁膜と導電膜との間に導電性のバリア膜を設けて、Cuの拡散を抑制又は防止している。このバリア膜の形成には、種々の方法が提案されているが、例えばPVD法やMOCVD法やALD法を用いて、Ta、TiN、TaN等の材料層を堆積させてバリア膜を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記したALD(Atomic Layer Deposition)法は、前駆体間の化学反応を利用するという点でCVD法と類似している。しかし、通常のCVD法では、ガス状態の前駆体が互いに接触して反応が起きる現象を利用するのに対し、ALD法では、二つの前駆体間の表面反応を利用するという点で異なる。すなわち、ALD法によれば、一種類の前駆体が基板表面に吸着されている状態で別の前駆体を供給することにより、二つの前駆体が基板表面で互いに接触して反応し、所望の金属膜を形成する。ALD法では、基板表面に最初に吸着された前駆体と次いで供給される前駆体と間の反応が基板表面で非常に速い速度で起きる。前駆体としては、固体、液体、気体状態のいずれでも使用することができ、原料気体は、N、Ar等のようなキャリアガスにのせて供給される。
また、バリア膜としてZrB膜を形成する場合、原料としてZr(BH)を用いると次の反応式(1)、(2)に従って成膜できることが知られている。
Figure 0004480516
Figure 0004480516
上記式(1)の場合は、原料をSi基板からの熱アシストのみにより直接熱分解して基板上にZrB膜を形成する方法であり、良好なZrB膜を得るには、基板を550℃以上の高温に加熱することが必要となる。また、上記式(2)の場合は、原料に水素ラジカルを添加し、この水素ラジカル及びSi基板からの熱アシストにより原料を低温(300〜350℃)で反応せしめて基板上にZrB膜を形成する方法であり、水素ラジカルを加えることにより、基板温度を低温化できる。この方式としては、例えば、リモートプラズマCVD法により、300℃程度の低い基板温度でZrB膜をバリア膜として形成することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2004−6856号公報(特許請求の範囲など) J.Appl.Phys.,Vol.91,No.6,15 March 2002,pp.3904-3907(p.3904)
上記式(1)の反応を利用して原料を直接熱分解してバリア膜のZrB膜を形成する方法では、成膜温度が高すぎるため、配線材料としてCuやAlを用いた半導体装置の配線層の場合には、上記したような不具合が生じる。
また、上記式(2)の反応を利用してバリア膜を形成する方法では、式(1)の場合と比較して低温化はできるが、アスペクト比の高い微細なホールにカバレージ良くZrB膜を形成することはできない。この場合、Zr(BH)と水素ラジカルとの気相反応が反応のメインとなるため、図1に示すように、ホールやトレンチの上部でZrB膜がオーバーハングし(図1中のA)、最悪の場合、ホール等の上部が塞がってしまう。図1中、101はSi基板、102はSiO膜、103はZrB膜を示す。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、ALD法を利用して、低温プロセスで、微細なホール、トレンチ等の上部でバリア膜がオーバーハングすることもなく、これらのホールやトレンチの内面にカバレージ良くZrB膜、ZrB(以下、ZrBNと称す)膜等のバリア膜を形成する方法を提供することにある。
請求項1によれば、本発明のバリア膜の形成方法は、ホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を真空チャンバー内に載置し、この成膜対象物の表面上で、ALD法を用いて、Zr(BH)ガスからなる原料ガスと励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスとを反応させ、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする。このように構成することにより、ホールやトレンチの上部でのオーバーハングもなく、ホールやトレンチにカバレージ良くバリア膜を形成することができる
請求項2によれば、本発明のバリア膜の形成方法はまた、ホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を真空チャンバー内に載置し、この成膜対象物の表面上で、ALD法を用いて、所定の圧力下で導入されたZr(BH)ガスからなる原料ガスを吸着させる工程と、所定の圧力下で導入された、励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスと成膜対象物の表面に吸着された原料ガスとを反応させる工程とを有する、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする。
請求項3によれば、本発明のバリア膜の形成方法はまた、ホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を真空チャンバー内に載置し、この成膜対象物の50〜450℃、好ましくは80〜300℃に加熱された表面上で、ALD法を用いて、Zr(BH)ガスからなる原料ガスを所定の圧力下に0.1〜10秒の間、0.5〜200sccmの流量で導入して吸着させる工程と、励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスを所定の圧力下に0.1〜10秒の間、20〜1000sccmの流量で導入して吸着された原料ガスと反応させる工程とを有する、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする。
成膜対象物が50℃未満であると、温度が低すぎて改質処理に時間がかかってしまい、450℃を超えると、温度が高すぎてCuやAlの用いられた半導体装置の配線層に本発明によるバリア膜(ZrB膜、ZrBN膜)を用いることができない。
吸着工程において、原料ガスの供給時間が0.1秒未満であると、吸着処理が十分に図れず、10秒を超えると、スループットの観点から長すぎて妥当でない。原料ガスのみの供給流量が0.5sccm未満であると、必要な吸着効果が得られず、200sccmを超えると、吸着後の排気処理に時間がかかってしまい妥当でない。また、反応工程、すなわち原料の分解工程において、励起された反応ガスの供給時間が0.1秒未満であると、吸着処理が十分に図れず、10秒を超えると、スループットの観点から長すぎて妥当でない。反応ガスの供給流量が20sccm未満であると、必要な吸着効果が得られず、1000sccmを超えると、吸着後の排気処理に時間がかかってしまい妥当でない。
請求項4によれば、原料ガスとして、固体状態、液体状態又は固相状態と液相状態との混ざった状態のいずれかの状態のZr(BH)原料から昇華又は気化させて得られたガスを導入することを特徴とする。
請求項5によれば、原料ガスとして、原料が固体状態、固相状態と液相状態との混ざった状態又は液体状態になるような60℃以下の温度に保温されたタンク内に入れられた原料から得られたガスを導入することを特徴とする。
請求項6によれば、原料ガスとして、原料の融点より低い温度に保温されたタンク内に設けられた網の上に乗せられた顆粒状等の固体状の原料に対して、又は該タンク内に設けられた2枚の網で挟持された顆粒状等の固体状の原料に対して、該網を通して不活性ガスからなるバブリングガスを流して原料を昇華させて得られたガスを導入することを特徴とする。
請求項7によれば、励起された反応ガスとして、真空チャンバーにバルブ等を介して連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起されたガスを導入することを特徴とする。
請求項8によれば、真空チャンバー内の、原料ガス及び反応ガスの導入前の圧力が少なくとも10Pa以下であることを特徴とする。圧力が10Paを超えていると、チャンバー壁や配管からガスが漏れていたり、チャンバーがリークしていると考えられる。その結果、成膜レートが変動したり、面内膜厚分布が悪くなり、成膜プロセスが不安定になる。
請求項9によれば、吸着工程において原料ガスを真空チャンバー内に導入後、真空チャンバー内の圧力が原料ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で吸着工程を終了させて、該真空チャンバー内へ励起された反応ガスを導入し、真空チャンバー内の圧力が反応ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で反応工程を終了させることを特徴とする。
上記したように、吸着工程においては、所定の圧力まで下がった時点で成膜対象物への吸着が終了したとし、また、反応工程においては、所定の圧力まで下がった時点で反応が終了したとする。真空チャンバー内の圧力が反応ガス導入時の圧力に比べて1/5になる前に反応ガスを供給すると、CVD法により近い反応形態となり、反応ガスが成膜対象物へ到達する前に気相中で原料ガスと反応ガスとが反応して、パーティクルが発生(クラスター粒子が形成)したり、また、膜質の低下が引き起こされる。
請求項10によれば、吸着工程において原料ガスを真空チャンバー内に所定時間導入後、不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、原料ガスの吸着工程を終了させて、該真空チャンバー内へ励起された反応ガスを所定時間導入し、その後に不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、反応工程を終了させることを特徴とする。不活性ガスの上記した導入時間、導入流量の範囲内であれば、真空チャンバー内の余分のガスの排気が効率的に行われ得る。
上述した吸着工程と反応工程との切り替えについては、一旦真空ポンプの排気を利用して高真空にチャンバー内を引き切る方法とNやAr等の不活性ガスでチャンバー内をパージして原料ガス、反応ガスを効率的に排気する方法の2種類がある。当然に両者を併用するものも含む。
上記した本発明のバリア膜形成方法により、アスペクト比の高い微細なホール、トレンチ等の上部でのオーバーハングもなく、これらのホール、トレンチ等にカバレッジ良くZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜が形成できる。
請求項11によれば、吸着工程及び反応工程を数回〜数百回繰り返すことを特徴とする。これにより、所望の膜厚を有するバリア膜が形成できる。
請求項12によれば、吸着工程を実施する前に、真空チャンバーにバルブ等を介して連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起させた反応ガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素ラジカル又はプラズマ発生装置により励起させた反応ガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素イオン及び水素ラジカルを真空チャンバー内へ導入して前処理することにより、成膜対象物(ウェハー)上の金属膜表面及び絶縁膜表面を処理することを特徴とする。このような前処理により、下地の絶縁膜とバリア膜との密着性が向上する。この前処理により、金属膜、例えばCu、Ta、TaN、Al、Ti、TiN膜であれば、表面に形成された自然酸化物膜層を効果的に除去でき、これらの金属膜上でのALD成膜がより均一となり、電気的な導通がよくできる。また、絶縁膜であれば、この絶縁膜表面のダングリングボンド等を効果的に水素原子でターミネートすることができ、ALD成膜をより均一化できる。
請求項13によれば、本発明のバリア膜の形成方法はまた、成膜対象物を載置するための昇降自在の複数の基板ステージと、この基板ステージに対向して設けられる昇降自在の複数のベルジャー形真空容器とが離隔して配置され、該基板ステージ及びベルジャー形真空容器のいずれか一方を他方に向かって移動させるか又は両者を相互に移動させることができるように構成して、成膜プロセス時に該基板ステージとベルジャー形真空容器とで真空チャンバーが構成されうるようにし、該基板ステージとベルジャー形真空容器とで囲まれる複数の真空チャンバーの各空間内に所定のガスを導入するガス導入手段が各ベルジャー形真空容器に設けられ、各基板ステージ相互間で成膜対象物の搬送を行う搬送手段が設けられ、そして該真空チャンバーの空間内で成膜対象物の表面に原料ガスを吸着させる吸着工程及び吸着された原料ガスと反応ガスとを反応させる反応工程のいずれかを行うことができるように構成してなる真空成膜装置を用いてALD法に従ってバリア膜を形成する方法であって、該原料ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内にホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を載置し、この空間内にZr(BH)ガスからなる原料ガスを所定の圧力下に導入し、成膜対象物の表面に吸着させる吸着工程を行い、また、該反応ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内に原料ガスの吸着された成膜対象物を搬送し、この空間内に励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガス反応ガスを導入し、吸着された原料ガスと反応させる反応工程を行って、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする。
請求項14によれば、吸着工程では、空間内に載置されている50〜450℃に加熱された成膜対象物に対して、所定の圧力下に0.1〜10秒の間、20〜500sccmの流量で原料ガスを導入してその表面に吸着させ、また、前記反応工程では、空間内へ搬送されてきた成膜対象物に対して、所定の圧力下に0.1〜10秒の間、20〜1000sccmの流量で励起された反応ガスを導入して、成膜対象物表面に吸着されていた原料ガスと反応させてZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする。この場合の基板温度、並びに原料ガス及び反応ガスの導入条件は、上記した場合と同様である。
請求項15によれば、真空チャンバー内の、原料ガス及び反応ガスの導入前の圧力が少なくとも10Pa以下であり、前記吸着工程を行う真空チャンバーの空間内の圧力が原料ガスを導入後、原料ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で吸着工程を終了させ、また、前記反応工程を行う真空チャンバーの空間内の圧力が反応ガスを導入後、反応ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で反応工程を終了させることを特徴とする。
請求項16によれば、真空チャンバー内の、原料ガス及び反応ガスの導入前の圧力が少なくとも10Pa以下であり、前記吸着工程を行う真空チャンバーの空間内へ原料ガスを所定時間導入後、N又はAr等の不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、原料ガスの吸着工程を終了させて、また、前記反応工程を行う真空チャンバーの空間内へ励起された反応ガスを所定時間導入後、N又はAr等の不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、反応工程を終了させることを特徴とする。N又はAr等の不活性ガスの導入時間、導入量流量をこの範囲内にすれば、上記したように、その目的を十分に達成できる。
請求項17によれば、吸着工程を行う空間及び反応工程を行う空間のいずれか一方又は両方の空間内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生装置がベルジャー形真空容器の外側に設けられた真空成膜装置を用いて吸着工程及び反応工程を行うことを特徴とする。
請求項18によれば、成膜プロセス時にベルジャー形真空容器によって基板ステージが覆われて構成される真空チャンバーの空間内で吸着工程及び反応工程を行う際に、ベルジャー形真空容器の開口部の内周面と基板ステージの外周壁面との間に所定の寸法の間隙が形成されるように構成された真空成膜装置を用いてこれらの工程を行うことを特徴とする。これにより、空間内に所定のガスを導入する際に、間隙を介して排気され、空間内の圧力を所定値に保持できる。
請求項19によれば、請求項13〜18のいずれかに記載のバリア膜の形成方法において、吸着工程を実施する前に、真空チャンバーに連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起させた反応ガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素ラジカル又はプラズマ発生装置により励起させた反応ガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素イオン及び水素ラジカルを真空チャンバー内へ導入して前処理することにより、ウェハー上の金属膜表面及び絶縁膜表面を処理することを特徴とする。これにより、上記したように、ALD成膜をより均一化できる。
請求項20によれば、請求項13〜19のいずれかに記載のバリア膜の形成方法において、請求項3〜12のいずれかに記載のバリア膜の形成方法に従ってバリア膜を形成することを特徴とする。
請求項21によれば、本発明のバリア膜の形成方法はまた、成膜対象物を載置するための基板保持部を備えた昇降自在の回転テーブルと、この回転テーブルに対向して離隔して配置された複数のベルジャー形真空容器とを設けてなり、成膜プロセス時に該回転テーブルを上昇させると各ベルジャー形真空容器の開口部を覆って複数の真空チャンバーが構成されるようになっており、該回転テーブルとベルジャー形真空容器とで囲まれる複数の真空チャンバーの各空間に所定のガスを導入するガス導入手段が各ベルジャー形真空容器に設けられ、該回転テーブルには成膜対象物の搬送を行うための回転機構が設けられ、そして該真空チャンバーの空間内で成膜対象物の表面に原料ガスを吸着させる吸着工程及び吸着された原料ガスと反応ガスとを反応させる反応工程のいずれかを行うことができるように構成してなる真空成膜装置を用いてALD法に従ってバリア膜を形成する方法であって、該原料ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内にホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を載置し、この空間内にZr(BH)ガスからなる原料ガスを所定の圧力下に導入し、成膜対象物の表面に吸着させる吸着工程を行い、また、該反応ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内に原料ガスの吸着された成膜対象物を搬送し、この空間内に励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスを導入し、吸着された原料ガスと反応させる反応工程を行って、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする。
請求項22によれば、回転テーブルとして、同一円周上に複数の開口が形成されており、この開口の周縁には成膜対象物を載置する基板保持部が設けられており、基板ステージがこの開口を貫通して載置された成膜対象物をベルジャー形真空容器内へ持ち上げることができるように構成されている回転テーブルが設けられた真空成膜装置を用いて吸着工程及び反応工程を行うことを特徴とする。
請求項23によれば、回転テーブルを一方向に回転させて、原料ガス導入手段を備えた真空チャンバーの空間内で吸着工程を行い、反応ガス導入手段を備えた真空チャンバーの空間で反応工程を行うことができるように各成膜対象物を搬送することを特徴とする。
請求項24によれば、請求項21〜23のいずれかに記載のバリア膜の形成方法において、吸着工程を実施する前に、真空チャンバーに連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起させた反応ガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素ラジカル又はプラズマ発生装置により励起させた反応ガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素イオン及び水素ラジカルを真空チャンバー内へ導入して前処理することにより、ウェハー上の金属膜表面及び絶縁膜表面を処理することを特徴とする。これにより、上記したように、ALD成膜をより均一化できる。
請求項25によれば、請求項21〜24のいずれかに記載のバリア膜の形成方法において、請求項3〜12のいずれかに記載のバリア膜の形成方法に従ってバリア膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、原料としてZr(BH)ガスを用い、ALD法に従って低温で吸着工程及び反応工程を実施することにより、アスペクト比の高い微細なホール、トレンチ等の上部でのZrB膜又はZrBN膜のオーバーハングもなく、これらのホール、トレンチ等にカバレージ良くZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することができるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図2〜13を参照して詳細に説明する。
本発明によれば、基板上に、スパッタ法やCVD法或いは塗布法等により、例えばP−SiO膜、BPSG膜、HDP−PSG膜等の絶縁膜や、P−SiOC膜や、ポーラスLow−k膜等の低誘電率膜を形成し、この絶縁膜や低誘電率膜を通常のエッチング条件でエッチングしてアスペクト比の高い微細なホール、トレンチ等を形成した基板を成膜対象物として用い、ALD法により、このホール等の上部でバリア膜がオーバーハングすることもなく、ホール等の内面にカバレージ良く良質のバリア膜を形成することができる。本発明で使用することができる基板としては、例えばSi基板等の半導体装置において通常用いられる基板を挙げることができる。
本発明によれば、真空チャンバー内に載置された成膜対象物を所定温度に加熱して、原料ガスとしてZr(BH)ガスを導入し、成膜対象物上に吸着させ、真空チャンバー内の圧力が、原料ガスの導入時又は導入直後の圧力に比べ所定の値以下になった時点で原料ガスの成膜対象物への吸着工程が終了したとし、次いで真空チャンバー内へ、反応ガスとして、励起されたHガス及び/又はNHガスを導入し、成膜対象物上に吸着された原料ガスと反応させ、真空チャンバー内の圧力が、反応ガスの導入時又は導入直後の圧力に比べ所定の値以下になった時点で反応工程が終了したとする。この吸着工程及び反応工程を数回〜数百回繰り返すことにより所望の膜厚を有するバリア膜であるZrB膜又はZrBN膜を形成することができる。
原料ガスに関しては、原料が60℃を超えると熱分解を起こすことから、60℃以下の温度でガス化せしめ、搬送することが必要である。例えば、図2及び図3に示す装置を用いて生成せしめた原料ガスを、0.1〜10秒の間、0.5〜200sccmの流量で真空チャンバー内へ導入する。すなわち、原料Zr(BH)の融点(28.7℃)より低い温度、例えば25℃(蒸気圧16mmHg)に加熱保温されたタンク201内にメッシュの細かい網202を設け、その網の上に顆粒状の原料203を乗せ、バブリングガスとしてのAr、N等の不活性ガスをマスフローコントローラー204を介してタンク201内の下方へ供給し、網202の下方から上方へと原料内を流し、このバブリングにより原料を昇華させて、バブリングガスと共に原料ガスを真空チャンバー内へ導入するか(図2(a))、又は原料Zr(BH)の融点より低い温度、例えば25℃程度に加熱保温されたタンク201内に設けられた2枚の網202a及び202bの間に顆粒状の原料203を挟持させ、バブリングガスとしてのAr、N等の不活性ガスをマスフローコントローラー204を介してタンク201内の網202aから網202bへと原料内を流し、このバブリングにより原料203を昇華させて、バブリングガスと共に原料ガスを真空チャンバー内へ導入し(図2(b))、成膜対象物の表面上に吸着させる。
原料ガスの真空チャンバー内への導入はまた、次のようにして行っても良い。すなわち、原料Zr(BH)の融点以上、例えば50℃(蒸気圧55mmHg)程度に加熱保温されたタンク301内へ原料を入れ、これを低差圧マスフローコントローラーのようなマスフローコントローラー303を用いて、原料302の気化ガスを直接制御しながら真空チャンバー内へ導入してもよく(図3)、導入後成膜対象物の表面上に吸着させる。
上記励起されたHガス及び/又はNHガスからなる反応ガスについて、図4〜6に模式的に例示する真空チャンバー及び触媒室からなる真空成膜装置の一構成図を参照して説明する。この励起された反応ガスは、真空チャンバー401にバルブ402を介して連通可能に接続されている触媒室403内で生成される。触媒室403内には、タングステン(W)等のような公知の励起用触媒金属からなるワイヤー404等が配置されており、この触媒室403の外壁面には、冷却システム405が設けられている。また、触媒室403には、ターボ形分子ポンプ等の真空ポンプからなる排気手段406が接続され、触媒室内を例えば0.1〜10Torr(13.3〜1333.3Pa)の圧力まで排気することができるように構成されている。この範囲外では反応ガスの励起が効率的に生じない。
本発明によれば、反応ガスのHガス及び/又はNHガスをガス導入口403aから触媒室403内へ導入し、一般に1600〜1900℃、好ましくは1700〜1800℃に加熱された触媒と接触させて励起せしめ、バルブ402を開放して、励起されたガスを0.1〜10秒の間、20〜1000sccmの流量で真空チャンバー401内へ導入し、成膜対象物S上に吸着された原料ガスとの反応工程を行う。触媒温度が1600℃未満であると、例えばWからなる触媒配線の触媒効果が低く、HやNHのラジカル化効率が低くなり、触媒温度が1900℃を超えると、例えばWからなる触媒自身が熱で昇華し、触媒配線が切れたり、昇華したW原子が汚染源となり、膜質に影響を与える。なお、触媒室403と排気手段406との間にはバルブ407が介設されている。このバルブ407と触媒室403との間にベントライン408を設けてもよい。このようなベントライン408を設けることにより、触媒室403と真空チャンバー401との間を仕切るアイソレーションバルブのようなバルブ402を開け閉めしても、触媒室の圧力が変動しないように構成することができる。
真空チャンバー401内には、成膜対象物Sを載置する基板ステージ409が配置され、この基板ステージ409は、ヒーター等の加熱手段が内蔵されて基板を加熱できるように構成されている。真空チャンバー401には、ターボ形分子ポンプ等の真空ポンプからなる排気手段410が接続され、真空チャンバー内を0.01〜10Torr(1.3〜1333.3Pa)、好ましくは少なくとも133.3Pa以下に排気できるように構成されている。真空チャンバー401の壁面には、このチャンバー内へ原料ガス、反応ガス及びクリーニングガス(例えば、NF)をそれぞれ導入するための導入口401a、401b及び401cが設けられている。また、真空チャンバー401の天井部にはRF電源411が接続されている。さらに、真空チャンバー401の壁面にはバルブを介して基板搬送室412が接続され、この搬送室を経てロボットにより真空チャンバーへの成膜対象物Sの搬入及び搬出が行われる。原料ガスの導入口401aからはArやN等の不活性ガスであるキャリアガスが一緒に導入され得る。
本発明において、原料としてZr(BH)ガスを用いて、ALD法によりZrB膜又はZrBN膜を形成する際のガス配管・排気系統図の一例を模式的に図7に示す。
図7に示すように、タンク701内の原料Zr(BH)4ガスの所定流量を、バルブ及び低差圧マスフローコントローラー等のマスフローコントローラー(MFC)を備えた配管701aを経て真空チャンバー(ALDチャンバー)702内へ導入し、このチャンバー内に載置された成膜対象物S(50〜450℃、好ましくは80〜300℃に加熱されている)の表面上に吸着せしめる。この場合、真空チャンバー702内の圧力が、原料ガスの導入時の圧力に比べて1/5以下、好ましくは1/100以下になった時点で原料ガスの成膜対象物Sへの吸着工程が終了したとし、余分の原料ガスを排気する。次いで、反応ガス源G3又はG5から反応ガス(H又はNHガス)をマスフローコントローラーを介して触媒室(CAT)703内へ導入する。導入された反応ガスを触媒の作用で励起せしめた後、触媒室703と真空チャンバー702との間に設けられたバルブ704を開放して、励起された反応ガスを真空チャンバー702内へ導入し、吸着されていた原料ガスと反応せしめて目的とする膜を形成する。反応ガスがHである場合にはZrB膜、反応ガスがNHである場合やNH及びHである場合にはZrBN膜が形成される。NH及びHの場合、Hは原料の分解を促進するものと考えられる。この反応工程は、真空チャンバー内の圧力が、反応ガスの導入時の圧力に比べ1/5以下、好ましくは1/100以下になった時点で終了したとし、未反応ガスや副生成物ガス等を排気する。上記吸着工程及び反応工程を数回〜数百回繰り返すことにより所望の膜厚を有するバリア膜としてZrB膜又はZrBN膜を形成することができる。得られたバリア膜は、ホール、トレンチ等の上部にオーバーハングもなく、その内面にカバレージ良く形成されている。
上記吸着工程及び反応工程からなる成膜工程において、真空チャンバー702内の排気は、バタフライバブル等のバブルを設けたラインを経てターボ形分子ポンプ705等の真空ポンプにより行われ、また、触媒室703内の排気は、バタフライバブル等のバブルを設けたラインを経てターボ形分子ポンプ706等の真空ポンプにより行われる。成膜対象物Sの搬送・搬出は、ロボットアームが設置されている搬送室707を介して行われる。
図7において、原料ガスを真空チャンバー702内へ導入するラインである配管701aには原料導入ラインをパージするためArやN等のパージ用ガスを流すことができるようになっており、配管702aは原料ガスの真空チャンバー702への導入部のバルブをAr又はN等のようなパージ用ガスでパージするラインであり、配管701bは原料ガスをドライポンプ等の排気ポンプ708へ流すラインであり、配管G3a/G5aは反応ガス(H、NH)を触媒室703へ導入するラインであり、配管G1a/G2a/G4aはAr又はN、H、NHを直接排気ポンプ708へ流すベントラインである。排気されるガスは、ドライポンプ等のポンプ708を経て燃焼され、スクラバにより不純物が除去され、大気中に排気され、また、搬送室707からの排気ガスはドライポンプ等のポンプ709を経て排気される。上記パージ用ガスは、原料ガス、反応ガスのキャリアガスとしても利用できる。
本発明によれば、上記吸着工程を行う前に、励起させた反応ガス、例えば触媒室703内で触媒により励起させたHガス及び/又はNHガス、好ましくはHガスを励起させて得られた水素ラジカルや、プラズマ発生装置により好ましくはHガスを励起させて得られた水素イオン及び水素ラジカルを真空チャンバー702内へ導入して、成膜対象物Sの表面に照射して前処理することが望ましい。これにより、ウェハー上の金属膜表面及び絶縁膜表面が処理され、得られるバリア膜と下地の例えばSiO等の絶縁膜との密着性が向上する。
なお、上記成膜工程を所定のサイクル行った後の真空チャンバー702、触媒室703内や配管等のクリーニングは、NF等の公知のクリーニングガスを導入し、所定の条件下で行うことができる。
また、本発明によれば、上記ALDチャンバーである真空チャンバー702の代わりに、昇降自在の基板ステージと、この基板ステージに対向して配置された昇降自在のベルジャー形真空容器とから構成され得る真空チャンバーを備えた真空成膜装置を用いても、上記バリア膜の形成方法を実施することができる。すなわち、この真空チャンバーが複数個相互に隔離して配置されてなる真空成膜装置であって、真空チャンバーを構成する基板ステージ及びベルジャー形真空容器のいずれか一方を他方に向かって移動させるか又は両者を相互に移動させることができるように構成して、成膜プロセス時に基板ステージをベルジャー形真空容器で覆って真空チャンバーが構成されるようにしたものである。この基板ステージとベルジャー形真空容器とで囲まれてなる真空チャンバーの空間のそれぞれに所定のガスを導入するために、各ベルジャー形真空容器に所定のガスを導入するガス導入手段が設けられている。また、真空成膜装置内には、各基板ステージ相互間で成膜対象物の搬送を可能とする搬送手段が設けられている。反応ガス導入手段には触媒室が接続されている。このような真空成膜装置を用いて、各真空チャンバー内で、すなわち原料ガス導入手段を設けた真空チャンバー内の空間では成膜対象物の表面に原料ガスを吸着させる吸着工程を行い、また、反応ガス導入手段を設けた真空チャンバー内の空間では吸着した原料ガスと反応ガスとを反応させる反応工程を行うようにして、上記と同様に、ALD法によりバリア膜を形成することができる。
以下、この真空成膜装置(ALD装置)について、図8(a)〜(c)を参照して説明する。
図8に示す真空成膜装置801には、ターボ分子ポンプ、ロータリーポンプ等の真空排気手段(図示せず)が設けられ、この装置内を任意の真空度(例えば、1×10−6Torr)に維持できるように構成されている。真空成膜装置801内には、成膜対象物Sが載置され得る複数の基板ステージ802a及び802b(図8では2個を例示してある)が設けられ、この基板ステージ802a及び802bのそれぞれは、モータやエアーシリンダ等の駆動手段803a及び803bによって昇降自在に構成されている。
基板ステージ802a及び802bのそれぞれに、抵抗加熱等による加熱手段(図示せず)が内蔵され、各基板ステージ毎に、成膜対象物Sを所定の温度に加熱することができる。真空成膜装置801内にはまた、各基板ステージ802a及び802bに対向してベルジャー形真空容器804a及び804bが設けられ、成膜プロセス時に各基板ステージと各ベルジャー形真空容器とが一対になって真空チャンバー(図8では、2つのチャンバーが例示されている)を構成する。すなわち、基板ステージ802a及び802bのそれぞれを上昇させた場合に、ベルジャー形真空容器804a及び804bのそれぞれが、各基板ステージを覆って真空チャンバーを構成し、各基板ステージと各ベルジャー形真空容器とで形成された空間805a及び805bのそれぞれが吸着工程及び反応工程を行う成膜プロセス室として機能する。
成膜プロセス時には、駆動手段803a及び803bを駆動させて基板ステージ802a及び802bのそれぞれを上昇させ、基板ステージ802a及び802b上の成膜対象物Sのそれぞれが、形成される各空間805a及び805b内に載置されるようにする。この場合、各基板ステージ802a及び802bの外周側面と各ベルジャー形真空容器804a及び804bの開口部の内周面との間に、所定寸法の間隙806a及び806bが形成されるように、各ベルジャー形真空容器804a及び804bの開口部の寸法を設定する。これにより、空間805a及び805b内に所定のガスを導入する際に、間隙806a及び806bのそれぞれを介して排気され、空間805a及び805b内の圧力を所定値に保持できる(図8(b)参照)。なお、間隙806a及び806bの大きさを変えてコンダクタンスを調節することができる。
各ベルジャー形真空容器804a及び804bの天井部には、それぞれ、公知の構造を有するガス導入手段807a及び807bが成膜対象物Sに対向して設けられている。ガス導入手段807a及び807bは、それぞれ、ガス管808a及び808bを介してガス源(図示せず)に接続され、一方の真空チャンバー内の空間805a内に原料ガスを導入して吸着工程を行い、他方の真空チャンバー内の空間805b内に所定の反応ガスを導入して反応工程を行うことができるように構成されている。もちろん、同じ真空チャンバー内の空間で吸着工程及び反応工程を行ってもよい。
また、吸着工程を行う一方の真空チャンバーには、この真空チャンバー、特にベルジャー形真空容器の周囲に、高周波電源に接続されたRFコイル809を有するプラズマ発生装置が設けられ、成膜対象物Sの表面への原料ガスの吸着に先立って、空間805a内に、例えばアルゴンプラズマを発生させ、プラズマ照射によって各成膜対象物Sの表面をクリーニングできるようになっている。
ところで、他方の空間805b内に反応ガスを導入して反応工程を行う際に、例えば成膜対象物Sの処理温度を高くせずに、原料ガスと反応ガスとの反応を促進できることが望ましい。そのためには、例えば、他方のベルジャー形真空容器804bの外周部に、高周波電源に接続されたRFコイル(図示せず)を有するプラズマ発生装置を設け、空間805b内にアルゴンプラズマを発生させてプラズマアシストによる反応工程を行えばよい。
上記真空成膜装置801にはまた、例えばタングステン製の触媒線のような触媒手段を有する触媒室(図示せず)がガス導入手段807bに連結したガス管808bに介設されており、反応ガスを励起してラジカル化した後、空間805b内に導入することができるように構成されていることは、図4〜6の場合と同様である。
基板ステージ802aと802bとの間には基板搬送手段810が設けられている。この基板搬送手段810は、モータやエアーシリンダなどの駆動手段(図示せず)によって昇降自在な軸部810aを有し、軸部810aの一端には、この軸部を中心として回動自在なアーム810bが設けられている。この軸部810aを昇降させつつアーム810bを適宜回動させることにより、基板ステージ802aと802bとの間で成膜対象物Sの受渡しを行うことができる。
また、上記真空成膜装置801には、基板搬送室(ロードロックチャンバー)811がゲートバルブ812を介して連結されており、このロードロックチャンバーに設けた基板搬送手段(図示せず)によって、真空成膜装置801とロードロックチャンバー811との間で成膜対象物Sの受渡しを行うことができるようになっている。
上記真空成膜装置801では、この装置内に、吸着工程を行う空間805aの形成された真空チャンバーと反応工程を行う空間805bの形成された真空チャンバーとを別々に設けてある。そのため、この真空成膜装置を用いるバリア膜の形成方法によれば、吸着工程及び反応工程における各プロセス条件を独立に設定でき、原料ガスと反応ガスとの反応を促進させて膜質のよい薄膜を得ることができる上、成膜対象物Sの搬送時間を短縮でき、サイクル時間を早くできる上、低コストでバリア膜を形成することができる。
次に、図8に示す真空成膜装置801を用いて行う本発明のバリア膜の形成方法について説明する。
まず、真空排気手段を作動させてロードロックチャンバー811及び真空成膜装置801を真空排気した後、ロードロックチャンバー811から成膜対象物Sを真空成膜装置内へ搬送し、一方の基板ステージ802aに載置する。この際に、基板ステージ802a及び802bに内蔵された加熱手段をそれぞれ作動させる。
上記真空排気により真空成膜装置801内の圧力が所定値(例えば、2×10−5Torr)に達したら、基板ステージ802aを上昇させ、成膜対象物Sが基板ステージ802aとベルジャー形真空容器804aとで形成された空間805a内に位置され得るようにし、この際に、基板ステージ802bも同時に上昇させ、空間805b内の雰囲気と空間805a内の雰囲気とを相互に隔絶するのがよい(図8(b)参照)。
成膜対象物Sが図8(b)に示したような位置にある状態で、加熱手段によって基板ステージ802a上の成膜対象物Sを所定温度(例えば、150℃)まで加熱し、真空チャンバーの空間805a内の圧力が所定値(例えば、3×10−1Torr)になるように、ガス導入手段807aを介して原料ガスであるZr(BH)ガスを真空チャンバー内へ導入し、所定時間(例えば、2秒)保持して原料ガスを成膜対象物S上に吸着させる。
上記吸着工程の終了後、余分の原料ガスを真空排気する。次いで、基板ステージ802a及び802bを下降させて真空チャンバーを開放し、基板搬送手段810によって成膜対象物Sを基板ステージ802aから基板ステージ802bに搬送する。そして、真空排気によりベルジャー形真空容器804a及び804b内を含む真空成膜装置801の圧力が再度所定値(例えば、2×10−5Torr)に達したら、基板ステージ802a及び802bを上昇させ、成膜対象物Sが基板ステージ802bとベルジャー形真空容器804bとで形成された空間805b内に位置するようにする。この際に、基板ステージ802aも同時に上昇させ、空間805a内の雰囲気と空間805b内の雰囲気とを相互に隔絶するのがよい。
成膜対象物Sが上記したような位置にある状態で、加熱手段によって基板ステージ802b上の成膜対象物Sを所定温度(例えば、450℃)まで加熱し、真空チャンバーの空間805bの圧力が所定値(例えば、5×10−1Torr)になるように、ガス導入手段807bを介して励起されたNH及び/又はHのような反応ガスを導入し、成膜対象物S上に吸着している原料ガスと反応させ、成膜対象物S上に所望のバリア膜(ZrB膜又はZrBN膜)を形成する。この場合、導入する反応ガスは、触媒室内で励起してラジカル化したものである。
上記反応工程の終了後、副生成物ガスや未反応ガスを真空排気する。次いで、基板ステージ802a及び802bを下降させて真空チャンバーを開放し、基板搬送手段810によって成膜対象物Sを吸着工程用の基板ステージ802aに再度搬送する。そして、上記と同様の手順で吸着工程及び反応工程からなる一連の成膜操作を所望の回数繰り返すことにより所定の膜厚を有するZrB膜又はZrBN膜を形成することができる。得られたバリア膜は、ホール、トレンチ等の上部にオーバーハングもなく、その内面にカバレージ良く形成されている。
本実施の形態では、基板ステージ802aと基板ステージ802bとの間で1枚の成膜対象物Sを順次搬送し、所定の真空チャンバーの空間内で、別々に、吸着工程と反応工程とを繰り返して薄膜を形成することについて説明したが、例えば、軸部810aに2本のアームを取付け、基板ステージ802aと基板ステージ802bとの間で2枚の成膜対象物Sを同時に搬送し、2枚の成膜対象物Sのそれぞれに対して一方は吸着工程、他方は反応工程の一連の操作が同時に行なわれるようにしてもよい。この場合、真空チャンバーやアームの数を増やして、複数の成膜対象物Sのそれぞれに対して同時に上記一連の操作を行うこともできる。
上記したように、成膜プロセス時の空間805a及び805b内の排気は、それぞれ、各基板ステージの周りを取り囲むように成膜プロセス時に形成され得る間隙806a及び806bから行われる。この間隙から真空成膜装置内へ直接排気してしまうと、上記吸着工程/反応工程の操作を同時に行う場合、反応ガスと原料ガスとが真空成膜装置801内で混ざり合い、気相反応を起こしてパーティクルを発生させてしまう。このパーティクル発生が起こらないようにするため、排気手段813を設け、成膜プロセス時にこの排気手段でベルジャー形真空容器804a、804bをキャップできるようにする(図8(b)及び(c))ことが好ましい。図8(c)は図8(a)の指示線A−Aからみた上面図である。この排気手段を固定部材813aで基板ステージに固定すれば、排気手段の一部をベローズタイプの配管にすることで、排気手段を基板ステージ802a、802bの上下動と共に動かせるようにできる。この排気手段は、図示したように一つに纏めて装置801外へ排気するように構成したものでも、各真空容器ごとに排気手段を別個に設けて、それぞれから装置外へ排気するように構成してもよい。
次に、本発明のバリア膜形成方法に係る他の実施の形態について、図9〜11に示す真空成膜装置を参照して説明する。図9は、回転テーブルとベルジャー形真空容器とで囲まれて真空チャンバーが構成されている状態の装置の模式的構成図を示す。図10は、この装置の上面図を示す。図11は、バリア膜を形成するプロセスを説明するための模式的構成図であって、図10の指示線A−Aからみた側面図であり、成膜対象物の搬送された状態(図11(a))、真空チャンバーが構成された状態(図11(b))、成膜が実施される状態(図11(c))を示す。
図9〜11に示す真空成膜装置(ALD装置)901は、図8に示す真空成膜装置801とほぼ同様の構成を有するが、複数の成膜対象物Sを同時に処理できるように構成されている。図9〜11では、4枚の成膜対象物Sを用いる場合を示してある。そのため、真空排気手段を備えた真空成膜装置901内には、4個の基板ステージ902a、902b、902c及び902dが設けられ、これらの基板ステージは、モータやエアーシリンダ等の駆動手段903によって昇降自在に構成され、後述するように、排気手段としても機能する円形のステージ支持台904上に設置され、固定されている。この場合、4個の基板ステージは、同一円周上に所定の間隔を置いて均等に配置されている。
基板ステージ902a、902b、902c及び902dのそれぞれに、抵抗加熱等による加熱手段(図示せず)が内蔵され、各基板ステージ毎に、成膜対象物Sを所定の温度に加熱することができる。真空成膜装置901内にはまた、基板ステージ902a、902b、902c及び902dのそれぞれに対向してベルジャー形真空容器905a、9050b、905c及び905dが設けられている。各ベルジャー形真空容器は、成膜プロセス時に、以下述べるようにして真空チャンバーを構成する。すなわち、以下述べる回転テーブルをベルジャー形真空容器の開口部に向かって上昇させた場合に、ベルジャー形真空容器のそれぞれの開口部が回転テーブルで覆われて4つの真空チャンバーが構成され、各真空チャンバーの空間906が吸着工程、反応工程を行う成膜プロセス室として機能する。
真空成膜装置901内には成膜対象物Sを搬送する基板搬送手段907が設けられ、この搬送手段は、円形の回転テーブル908からなっている。回転テーブル908には、円形の開口908a(4つ)が形成され、これらの開口は、成膜プロセス時に、駆動手段903によってステージ支持台904を上昇させた時に、各基板ステージが各開口を通過できるように配置されている。回転テーブル908上には、各開口908aの周縁の一部に成膜対象物Sを保持する基板保持部908bがそれぞれ設けられている。
回転テーブル908には、図示省略する駆動手段が設けられている。この駆動手段によって、この回転テーブル908は、回転自在であると共に、上記したように、ベルジャー形真空容器905a、905b、905c及び905dに対して昇降自在である。回転テーブル908をこのように構成することにより、成膜プロセス時に、基板ステージ902a、902b、902c及び902dのそれぞれと4つの開口908aのそれぞれとが一致する位置まで回転テーブル908を回転させた後に、この回転テーブルをベルジャー形真空容器の開口部に向かって開口908aを貫通して上昇させると、回転テーブル908と各ベルジャー形真空容器とで空間906が4つ形成される。次いで、各基板ステージを上昇させ、各成膜対象物Sが各空間内の所定の成膜位置にくるようにする。
回転テーブル908の上面がベルジャー形真空容器の開口部側を完全に覆って、真空チャンバーを構成するようになる位置まで回転テーブルを上昇させることが好ましい。この場合、各空間906内に所定のガスを導入する際に各空間内を排気して所定の圧力に保持できるように、回転テーブル908には、各基板保持部908bの外周壁の近傍に複数個の孔908dが設けられる。この孔908dの数や開口面積を変えてコンダクタンスを調節できる。なお、回転テーブル908の上面と各ベルジャー形真空容器の開口部側との間が若干離れていても良いが、この場合には、各空間906内に所定のガスを導入する際に、この間隙を介しても排気されるので、あまり好ましくない。
上記したように、各空間906内の排気は、それぞれ、回転テーブル908に設けられた孔908dから行われる。その際、反応ガスと原料ガスとが真空成膜装置901内で混ざり合い、気相反応を起こしてパーティクルを発生させてしまう。このパーティクル発生が起こらないようにするため、ステージ支持台904の内部に排気経路を設け、ステージ支持台が排気手段としても機能するように、回転テーブルの孔908dとこの排気経路の排気入口とが整合するように構成し、吸着工程時、反応工程時に孔908dと排気入口とが連通できるように構成する(図11(c))。この排気経路の真空成膜装置901の壁面に接続する側をベローズタイプの配管にして、ステージ支持台(すなわち、排気経路)が基板ステージ902a〜902dの動作と共に上下に動くことが可能となるように構成する。この排気経路は、図示したように一つに纏めて真空成膜装置901外へ排気できるように構成することが好ましい。
ベルジャー形真空容器905a、905b、905c及び905dにはまた、その天井部に公知の構造を有するガス導入手段910が成膜対象物Sに対向して設けられ、例えばベルジャー形真空容器905aと905cとに原料ガスを、また、ベルジャー形真空容器905bと905dとに励起された反応ガスを導入できるようになっている。この場合、ベルジャー形真空容器905aと905cとに励起された反応ガスを、また、ベルジャー形真空容器905bと905dとに原料ガスを導入しても良い。このように原料ガス、反応ガスを導入すれば、回転テーブル908を一方向に回転させることにより、成膜対象物を順番にずらしながら吸着工程と反応工程とを連続して行うことができる。
また、各ベルジャー形真空容器の周囲には、高周波電源に接続されたRFコイル911を有するプラズマ発生装置が設けられていてもよい。このプラズマ発生装置により、成膜対象物Sの表面への最初の原料ガスの吸着に先立って、空間906内に例えばアルゴンプラズマを発生させ、プラズマ照射によって成膜対象物Sの表面をクリーニングできる。また、空間906内にアルゴンプラズマを発生させてプラズマアシストによる反応工程を行えば、成膜対象物Sの処理温度を高くせずに、反応を促進できる。
上記真空成膜装置901にはまた、例えばタングステン製の触媒線のような触媒手段を有する触媒室(図示せず)が反応ガスの導入手段910に連結したガス管912に介設されており、反応ガスを励起してラジカル化した後、空間906内に導入することができるように構成されていることは、図4〜6及び8の場合と同様である。
上記真空成膜装置901にはまた、基板搬送室(ロードロックチャンバー)913がゲートバルブ914を介して連結されており、このロードロックチャンバーに設けた基板搬送手段(図示せず)によって、真空成膜装置901とロードロックチャンバー913との間で成膜対象物Sの受渡しを行うことができるようになっている。
上記真空成膜装置901では、この装置内に、吸着工程を行う空間906の形成された真空チャンバーと反応工程を行う空間906の形成された真空チャンバーとを別々に設けてある。そのため、この真空成膜装置を用いるバリア膜の形成方法によれば、吸着工程及び反応工程における各プロセス条件を独立に設定でき、原料ガスと反応ガスとの反応を促進させて膜質のよい薄膜を得ることができる上、成膜対象物Sの搬送時間を短縮して、サイクル時間を早くでき、低コストでバリア膜を形成することができる。
次に、図9〜11に示す真空成膜装置901を用いて行う本発明のバリア膜の形成方法について説明する。
まず、真空排気手段を作動させてロードロックチャンバー913及び真空成膜装置901を真空排気した後、ロードロックチャンバー913から成膜対象物Sを真空成膜装置内へ搬送し、基板保持部908b上にこの一枚目の成膜対象物Sを載置する(図11(a)参照)。この際、基板ステージ内に内蔵された加熱手段を作動させる。
上記真空排気により真空成膜装置901内の圧力が所定値(例えば、2×10−5Torr)に達したら、上記図示省略の駆動手段により回転テーブル908を上昇させる。この場合、成膜対象物Sを載置した基板保持部908bがベルジャー形真空容器905a内に突出するまで上昇させ、成膜対象物Sが回転テーブル908とベルジャー形真空容器905aとで形成された第1の空間906内に位置するようにする(図11(b)参照)。この際、図に示すように、回転テーブル908でベルジャー形真空容器の開口部を覆って、各空間906内の雰囲気が相互に隔絶されるようにすることが好ましい。
次いで、駆動手段903を駆動させてステージ支持台904を上昇させ、基板ステージ902aを回転テーブル908の開口908aを貫通させ、その基板ステージの上面を成膜対象物Sの下面に当接せしめ、そしてステージ支持台をさらに上昇させて、基板ステージ902a上に載置された成膜対象物Sを第1の空間906内の成膜位置にセットする(図11(c)参照)。
図11(c)に示す状態で、加熱手段によって基板ステージ902a上の一枚目の成膜対象物Sを所定温度(例えば、300℃)まで加熱し、回転テーブル908とベルジャー形真空容器905aとで形成された真空チャンバー内の空間906の圧力が所定値(例えば、3×10−1Torr)になるように、ガス導入手段910を介して原料ガスであるZr(BH)ガスを空間906内へ導入し、所定時間(例えば、2秒)保持して原料ガスを一枚目の成膜対象物Sの表面上に吸着させる。この場合、孔908dと連通したステージ支持台904の排気入口を経てステージ支持台内の排気経路を通って排気され、各空間906内の圧力を所定の値に保持できる。また、余分の原料ガスも真空排気される。
上記吸着工程の終了後、ステージ支持台904を下降させ、また、回転テーブル908も下降させて、真空チャンバーを開放し、図11(a)の状態に戻す。その後、上記図示省略の駆動手段により回転テーブル908を所定の回転角(本実施の形態では、90度)だけ回転させ、基板ステージ902a、902b、902c及び902dのそれぞれと開口908aとを一致させる。この場合、一枚目の成膜対象物Sは、第2の基板ステージ902bの上方に搬送され、基板保持部908b上に載置される。そして、ロードロックチャンバー913から二枚目の成膜対象物Sを搬送して、一枚目の成膜対象物Sが載置されていた空の基板ステージ902aの基板保持部908b上に載置する。
次いで、真空排気しながら真空成膜装置901内の圧力が上記所定値に再度達したら、上記図示省略の駆動手段により回転テーブル908を上昇させる。この場合、一枚目及び二枚目の成膜対象物Sを載置した基板保持部908bがベルジャー形真空容器905b、905a内にそれぞれ突出するまで上昇させ、これらの成膜対象物Sが回転テーブル908と各ベルジャー形真空容器905a、905bとでそれぞれ形成された第1及び第2の空間906内に位置するようにする。
その後、駆動手段903を駆動させてステージ支持台904を上昇させて、基板ステージ902a、902bを回転テーブル908の開口908aを貫通させ、各基板ステージの上面を各成膜対象物Sの下面にそれぞれ当接せしめ、そしてステージ支持台をさらに上昇させて、基板ステージ902b及び902a上にそれぞれ載置された一枚目及び二枚目の成膜対象物Sを、それぞれ、第2及び第1の各空間906内のそれぞれの成膜位置にセットする。
成膜対象物が成膜位置にセットされた状態で、加熱手段によって基板ステージ902b上の一枚目の成膜対象物Sであって表面に原料ガスが吸着したものを所定温度(例えば、500℃)まで加熱し、触媒室内で反応ガス(NH又はHガス)を励起してイオン化またはラジカル化したガスを、ガス導入手段910を介して、回転テーブル908とベルジャー形真空成膜容器905bとで形成された第2の真空チャンバー内の空間906内の圧力が所定値(例えば、5×10−1Torr)になるように空間内に導入し、所定時間(例えば、2秒)保持して成膜対象物S上に吸着された原料ガスと反応させ、一枚目の成膜対象物S上にZrB膜又はZrBN膜を形成する。
同時に、基板ステージ902a上の二枚目の成膜対象物Sを所定温度(例えば、300℃)まで加熱し、回転テーブル908とベルジャー形真空容器905aとで形成された第1の真空チャンバー内の空間906の圧力が所定値(例えば、3×10−1Torr)になるように、ガス導入手段910を介して原料ガスを導入し、所定時間(例えば、2秒)保持して原料ガスを二枚目の成膜対象物Sの表面上に吸着させる。
一枚目の成膜対象物Sへの反応工程及び二枚目の成膜対象物Sへの吸着工程が終了した時点で、余分の原料ガス、未反応ガスや副生成物ガス等を真空排気した。その後、ステージ支持台904を下降させ、また、回転テーブル908も下降させて真空チャンバーを開放した。次いで、上記図示省略の駆動手段により回転テーブル908を所定の回転角(本実施の形態では、90度)だけさらに回転させ、基板ステージ902a、902b、902c及び902dのそれぞれと開口908aとを一致させる。この場合、一枚目の成膜対象物Sは、第3の基板ステージ902cの上方に搬送され、二枚目の成膜対象物Sは、第2の基板ステージ902bの上方に搬送され、それぞれ、基板保持部908b上に載置される。そして二枚目の成膜対象物Sが載置されていた空の基板ステージ902aの基板保持部908b上には、ロードロックチャンバー913から三枚目の成膜対象物Sを搬送して載置する。
次いで、上記と同じ手順で、一枚目及び三枚目の成膜対象物Sに対して吸着工程を実施し、二枚目の成膜対象物Sに対して反応工程を実施し、各工程が終了した時点で、余分の原料ガス、未反応ガスや副生成物ガス等を真空排気した。その後、ステージ支持台904を下降させ、また、回転テーブル908も下降させて真空チャンバーを開放した。次いで、上記図示省略の駆動手段により回転テーブル908を所定の回転角(本実施の形態では、90度)だけさらに回転させ、基板ステージ902a、902b、902c及び902dのそれぞれと各開口908aとを一致させる。この場合、一枚目の成膜対象物Sは、第4の基板ステージ902dの上方まで搬送され、二枚目の成膜対象物Sは、第3の基板ステージ902cの上方に搬送され、三枚目の成膜対象物Sは第2の基板ステージ902bの上側に搬送され、それぞれ、基板保持部908b上に載置される。そして、ロードロックチャンバー913から四枚目の成膜対象物Sを搬送して、三枚目の成膜対象物Sが載置されていた空の基板ステージ902aの基板保持部908b上に載置する。次いで、上記と同じ手順で、二枚目及び四枚目の成膜対象物Sに対して吸着工程を実施し、一枚目及び三枚目の成膜対象物Sに対して反応工程を実施する。
その後、上記のように四枚の成膜対象物が載置された状態で、回転テーブル908を順次所定の回転角で回転させながら吸着工程及び反応工程を数回〜数百回繰り返し、各成膜対象物S上に所定の膜厚のZrBN膜又はZrB膜を形成する。得られたバリア膜は、ホール、トレンチ等の上部にオーバーハングもなく、その内面にカバレージ良く形成されていた。
上記図9〜11に示す回転テーブルを備えた真空成膜装置については、説明の便宜上、成膜対象物を真空チャンバー内へ搬送した後次の成膜対象物を入れるまでの間、吸着工程、反応工程を一回ずつしか行わないように記述してある。しかし、次の成膜対象物を入れるまでの空き時間を利用して、これらの工程を複数回行うことが好ましい。すなわち、バリア膜の成膜のみではなく、その前後のプロセスも真空成膜装置に付加された、いわゆるインテグレーション装置の場合、成膜対象物が成膜装置内まで搬送されてくるのにかかる時間を有効に利用するために、この空き時間に回転テーブルを回転させ、すでに真空チャンバー内に搬送されている成膜対象物に対して、吸着工程、反応工程を複数回繰り返し、スループットを上げることが効率的である。
なお、上記本発明の方法において、原料ガス(反応ガス)がチャンバー内に濃い濃度で残留していると、反応ガス(原料ガス)と気相中で反応し、パーティクル発生などの問題が生じるので、できるだけ真空に引き切ったり、不活性ガス(例えば、NやAr等)を導入して原料ガスや反応ガスの残留ガス濃度を低くすることが好ましい。図12及び13に、バリア膜の形成方法について、チャンバー内の圧力変化で各工程を表したイメージ図を示す。
図12は、できるだけ真空に引き切って行う場合についてのチャンバー内圧力変化を示している。原料ガスを真空チャンバー内へ所定の時間導入した後、真空ポンプにより所定の時間引き切り、真空チャンバー内の圧力が原料ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で吸着工程を終了させる吸着工程と、次いで真空チャンバー内へ励起された反応ガスを所定の時間導入した後、真空ポンプにより所定の時間引き切り、真空チャンバー内の圧力が反応ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で反応工程を終了させる反応工程とを数回〜数百回繰り返し実施することにより、所望の膜厚を有するバリア膜を、パーティクル発生などの問題もなく形成できる。
また、図13は、不活性ガスを導入して残留ガス濃度を低くして行う場合についてのチャンバー内圧力変化を示している。原料ガスを真空チャンバー内に所定の時間導入した後、不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入して原料ガスをパージして、原料ガスの吸着工程を終了させる吸着工程と、次いで真空チャンバー内へ励起された反応ガスを所定の時間導入した後、不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入して反応ガスをパージして、反応工程を終了させる反応工程とを数回〜数百回繰り返し実施することにより、所望の膜厚を有するバリア膜を、パーティクル発生などの問題もなく形成できる。
本発明によれば、Zr(BH)からなる原料ガスを用い、ALD法に従って、所定の条件下で、アスペクト比の高い微細なホール、トレンチ等の上部にオーバーハングを発生することなく、これらのホール等の内面にカバレージ良くバリア膜としてのZrB膜又はZrBN膜を形成することができるので、本発明の方法は、ホール、トレンチ等の内部をCuやAl等の配線材料で埋め込んで半導体集積回路を作製する技術分野に適用できる。
従来技術の方法により形成されたバリア膜を説明するための断面図。 本発明における原料ガスの生成方法に関し、(a)はその一例を説明するための模式的構成図であり、(b)は別の例を説明するための模式的構成図。 本発明における原料ガスの生成方法を説明するためのさらに別の例を示す模式的構成図。 本発明のバリア膜の形成方法を実施するための真空チャンバー及び触媒室の構成を模式的に示す平面図。 図4において線A−Aで切り取った断面図。 図4において線B−Bで切り取った断面図。 本発明によりバリア膜を形成する際のガス配管・排気の一例を模式的に示す系統図。 本発明のバリア膜の形成方法を実施するための別の装置の模式的構成図であり、(a)は成膜対象物搬送位置、(b)は成膜プロセス位置で模式的に示す構成図。 本発明のバリア膜形成方法を実施するためのさらに別の装置の模式的構成図。 図9に示す装置の平面図。 図9に示す装置を用いてバリア膜を形成する際の成膜対象物の搬送について説明するための模式的構成図であり、(a)は成膜対象物搬送位置、(b)は真空チャンバーが構成された位置、(c)は成膜プロセス位置で模式的に示す構成図。 本発明のバリア膜の形成方法について、真空に引き切って行う場合についてのチャンバー内の圧力変化で各工程を表したイメージ図。 本発明のバリア膜の形成方法について、不活性ガスを導入して残留ガス濃度を低くして行う場合についてのチャンバー内の圧力変化で各工程を表したイメージ図。
符号の説明
201、301 タンク 202、202a、202b 網
203、302 原料 401 真空チャンバー
403 触媒室 403a ガス導入口
408 ベントライン 409 基板ステージ
401a 原料ガス導入口 401b 反応ガス導入口
411 RF電源 702 真空チャンバー
703 触媒室 801 真空成膜装置
802a、802b 基板ステージ 804a、804b ベルジャー形真空容器
805a、805b 空間 806a、806b 間隙
813 排気手段 901 真空成膜装置
902a、902b、902c、902d 基板ステージ
905a、9050b、905c、905d ベルジャー形真空容器
906 空間 908 回転テーブル
908a 開口 908b 基板保持部

Claims (25)

  1. ホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を真空チャンバー内に載置し、この成膜対象物の表面上で、ALD法を用いて、Zr(BH)ガスからなる原料ガスと励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスとを反応させ、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
  2. ホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を真空チャンバー内に載置し、この成膜対象物の表面上で、ALD法を用いて、所定の圧力下で導入されたZr(BH)ガスからなる原料ガスを吸着させる工程と、所定の圧力下で導入された、励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスと成膜対象物の表面に吸着された原料ガスとを反応させる工程とを有する、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
  3. ホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を真空チャンバー内に載置し、この成膜対象物の50〜450℃に加熱された表面上で、ALD法を用いて、Zr(BH)ガスからなる原料ガスを所定の圧力下に0.1〜10秒の間、0.5〜200sccmの流量で導入して吸着させる工程と、励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスを所定の圧力下に0.1〜10秒の間、20〜1000sccmの流量で導入して吸着された原料ガスと反応させる工程とを有する、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
  4. 前記原料ガスとして、固体状態、液体状態又は固相状態と液相状態との混ざった状態のいずれかの状態のZr(BH)原料から昇華又は気化させて得られたガスを導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  5. 前記原料ガスとして、原料が固体状態、固相状態と液相状態との混ざった状態又は液体状態になるような60℃以下の温度に保温されたタンク内に入れられた原料から得られたガスを導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  6. 前記原料ガスとして、原料の融点より低い温度に保温されたタンク内に設けられた網の上に乗せられた固体状の原料に対して、又は該タンク内に設けられた2枚の網で挟持された固体状の原料に対して、該網を通して不活性ガスからなるバブリングガスを流して原料を昇華させて得られたガスを導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  7. 前記励起された反応ガスとして、真空チャンバーに連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起されたガスを導入することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  8. 前記真空チャンバー内の、原料ガス及び反応ガスの導入前の圧力が少なくとも10Pa以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  9. 前記吸着工程において原料ガスを真空チャンバー内に導入後、真空チャンバー内の圧力が原料ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で吸着工程を終了させて、該真空チャンバー内へ励起された反応ガスを導入し、真空チャンバー内の圧力が反応ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で反応工程を終了させることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  10. 前記吸着工程において原料ガスを真空チャンバー内に所定時間導入後、不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、原料ガスの吸着工程を終了させて、該真空チャンバー内へ励起された反応ガスを所定時間導入し、その後に不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、反応工程を終了させることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  11. 前記吸着工程及び反応工程を数回〜数百回繰り返すことを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  12. 前記吸着工程を実施する前に、真空チャンバーに連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起させた反応ガス又はプラズマ発生装置により励起させた反応ガスを真空チャンバー内へ導入して前処理することを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  13. 成膜対象物を載置するための昇降自在の複数の基板ステージと、この基板ステージに対向して設けられる昇降自在の複数のベルジャー形真空容器とが離隔して配置され、該基板ステージ及びベルジャー形真空容器のいずれか一方を他方に向かって移動させるか又は両者を相互に移動させることができるように構成して、成膜プロセス時に該基板ステージとベルジャー形真空容器とで真空チャンバーが構成されうるようにし、該基板ステージとベルジャー形真空容器とで囲まれる複数の真空チャンバーの各空間内に所定のガスを導入するガス導入手段が各ベルジャー形真空容器に設けられ、各基板ステージ相互間で成膜対象物の搬送を行う搬送手段が設けられ、そして該真空チャンバーの空間内で成膜対象物の表面に原料ガスを吸着させる吸着工程及び吸着された原料ガスと反応ガスとを反応させる反応工程のいずれかを行うことができるように構成してなる真空成膜装置を用いてALD法に従ってバリア膜を形成する方法であって、該原料ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内にホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を載置し、この空間内にZr(BH)ガスからなる原料ガスを所定の圧力下に導入し、成膜対象物の表面に吸着させる吸着工程を行い、また、該反応ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内に原料ガスの吸着された成膜対象物を搬送し、この空間内に励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスを導入し、吸着された原料ガスと反応させる反応工程を行って、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
  14. 前記吸着工程では、空間内に載置されている50〜450℃に加熱された成膜対象物に対して、所定の圧力下に0.1〜10秒の間、20〜500sccmの流量で原料ガスを導入してその表面に吸着させ、また、前記反応工程では、空間内へ搬送されてきた成膜対象物に対して、所定の圧力下に0.1〜10秒の間、20〜1000sccmの流量で励起された反応ガスを導入して、成膜対象物表面に吸着されていた原料ガスと反応させてZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とする請求項13記載のバリア膜の形成方法。
  15. 前記真空チャンバー内の、原料ガス及び反応ガスの導入前の圧力が少なくとも10Pa以下であり、前記吸着工程を行う真空チャンバーの空間内の圧力が原料ガスを導入後、原料ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で吸着工程を終了させ、また、前記反応工程を行う真空チャンバーの空間内の圧力が反応ガスを導入後、反応ガス導入時の圧力に比べ1/5以下になった時点で反応工程を終了させることを特徴とする請求項13又は14記載のバリア膜の形成方法。
  16. 前記真空チャンバー内の、原料ガス及び反応ガスの導入前の圧力が少なくとも10Pa以下であり、前記吸着工程を行う真空チャンバーの空間内へ原料ガスを所定時間導入後、不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、原料ガスの吸着工程を終了させて、また、前記反応工程を行う真空チャンバーの空間内へ励起された反応ガスを所定時間導入後、不活性ガスを20〜1000sccmの流量で真空チャンバー内に0.1〜10秒の間導入し、反応工程を終了させることを特徴とする請求項13又は14記載のバリア膜の形成方法。
  17. 前記吸着工程を行う空間及び前記反応工程を行う空間のいずれか一方又は両方の空間内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生装置がベルジャー形真空容器の外側に設けられた真空成膜装置を用いて吸着工程及び反応工程を行うことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  18. 成膜プロセス時にベルジャー形真空容器によって基板ステージが覆われて構成される真空チャンバーの空間内で吸着工程及び反応工程を行う際に、ベルジャー形真空容器の開口部の内周面と基板ステージの外周壁面との間に所定の寸法の間隙が形成されるように構成された真空成膜装置を用いてこれらの工程を行うことを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  19. 前記吸着工程を実施する前に、真空チャンバーに連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起させた反応ガス又はプラズマ発生装置により励起させた反応ガスを真空チャンバー内へ導入して前処理することを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  20. 請求項13〜19のいずれかにおいて、請求項3〜12のいずれかに記載のバリア膜の形成方法に従ってバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
  21. 成膜対象物を載置するための基板保持部を備えた昇降自在の回転テーブルと、この回転テーブルに対向して離隔して配置された複数のベルジャー形真空容器とを設けてなり、成膜プロセス時に該回転テーブルを上昇させると各ベルジャー形真空容器の開口部を覆って複数の真空チャンバーが構成されるようになっており、該回転テーブルとベルジャー形真空容器とで囲まれる複数の真空チャンバーの各空間に所定のガスを導入するガス導入手段が各ベルジャー形真空容器に設けられ、該回転テーブルには成膜対象物の搬送を行うための回転機構が設けられ、そして該真空チャンバーの空間内で成膜対象物の表面に原料ガスを吸着させる吸着工程及び吸着された原料ガスと反応ガスとを反応させる反応工程のいずれかを行うことができるように構成してなる真空成膜装置を用いてALD法に従ってバリア膜を形成する方法であって、該原料ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内にホール、トレンチが形成されている絶縁膜を有する成膜対象物を載置し、この空間内にZr(BH)ガスからなる原料ガスを所定の圧力下に導入し、成膜対象物の表面に吸着させる吸着工程を行い、また、該反応ガスの導入手段が設けられた真空チャンバーの空間内に原料ガスの吸着された成膜対象物を搬送し、この空間内に励起されたHガス及びNHガスの少なくとも1種を含む反応ガスを導入し、吸着された原料ガスと反応させる反応工程を行って、ホール、トレンチの内面を含めて絶縁膜上にZrB膜又はZrBN膜からなるバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
  22. 前記回転テーブルとして、同一円周上に複数の開口が形成されており、この開口の周縁には成膜対象物を載置する基板保持部が設けられており、基板ステージがこの開口を貫通して載置された成膜対象物をベルジャー形真空容器内へ持ち上げることができるように構成されている回転テーブルが設けられた真空成膜装置を用いて吸着工程及び反応工程を行うことを特徴とする請求項21記載のバリア膜の形成方法。
  23. 前記回転テーブルを一方向に回転させて、原料ガス導入手段を備えた真空チャンバーの空間内で吸着工程を行い、反応ガス導入手段を備えた真空チャンバーの空間で反応工程を行うことができるように各成膜対象物を搬送することを特徴とする請求項21又は22載のバリア膜の形成方法。
  24. 前記吸着工程を実施する前に、真空チャンバーに連通可能に接続された触媒室内で触媒により励起させた反応ガス又はプラズマ発生装置により励起させた反応ガスを真空チャンバー内へ導入して前処理することを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載のバリア膜の形成方法。
  25. 請求項21〜24のいずれかにおいて、請求項3〜12のいずれかに記載のバリア膜の形成方法に従ってバリア膜を形成することを特徴とするバリア膜の形成方法。
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