JP4479146B2 - 電気泳動分散液、電気泳動分散液の製造方法、電気泳動表示装置、並びに電子機器 - Google Patents

電気泳動分散液、電気泳動分散液の製造方法、電気泳動表示装置、並びに電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界の作用により可逆的に視認状態を変化させうる電気泳動表示装置用の分散液とその製造方法、及びこの電気泳動分散液を用いた電気泳動表示装置、並びに、この電気泳動表示装置を備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、その場の自然な明るさで見るという印刷物に近い使用感を与えることのできる反射型の表示装置の開発が行われている。このような反射型表示装置として、近年、偏光板が不要で光利用効率の高い電気泳動表示装置が注目されている。
【0003】
電気泳動表示装置は、例えば少なくとも一方が透明基板からなる一対の基板が封止部材を介して対向配置され、これらの基板と封止部材とにより形成される閉空間に電気泳動分散液が収容されて構成されている。この分散液は、例えば黒色の非水溶媒中に、二酸化チタンからなる白色のプラスに帯電した粒子を分散させたもので、粒子の分散性を高めるために分散媒中に界面活性剤が添加されている。
また、これらの基板の互いに対向する内側の面にはITO等の透明電極が形成されており、電極間に電圧を印加することで、上記粒子をいずれか一方の基板側に泳動させることができるようになっている。
【0004】
このような電気泳動表示装置において、例えば透明基板側の電極にマイナスの電圧を印加すると、上記粒子はクーロン力によって透明基板側に泳動し、電極に付着する。このような状態の表示装置を透明基板側から観察すると粒子が付着して層が形成された部分は白色に見えることになる。一方、印加電圧の極性を逆にすると、白色の粒子は対面側の電極に付着して層を形成し、この層が黒色の分散媒の背後に隠れるため、表示は黒色となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の電気泳動表示装置では、駆動電圧が50Vと高く、アクティブ駆動が困難であった。また、粒子の分散状態を安定させることが難しく、繰り返しスイッチングを行なう際に粒子同士が凝集して沈降し、表示のコントラストが低下する虞があった。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、駆動電圧を低減するとともに電気泳動粒子の分散性を高められるようにした、電気泳動分散液、電気泳動分散液の製造方法、電気泳動表示装置、並びに電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電気泳動分散液は、酸化物又は水酸化物からなる電気泳動粒子と、上記電気泳動粒子と異なる色相を有し、上記電気泳動粒子を分散させる分散媒とを備え、上記分散媒のpHと上記電気泳動粒子の表面等電点とが異なることを特徴とする。
【0007】
従来の電気泳動表示装置において駆動電圧が高くなる理由としては、界面活性剤により粒子表面に形成された電気二重層の厚さが厚いことや、粒子の表面電荷密度が小さいこと等が考えられる。また、粒子の沈降し易い理由は、粒子密度が分散媒の密度に比べて相当大きいことによるが、それに加えて、粒子の表面電荷密度が小さく分散性が悪く粒子同士が凝集しやすいことも原因として考えられる。
このような粒子表面の電気二重層の厚さは非水溶媒では誘電率が小さいため小さくすることは困難であり、又、粒子の材質が酸化物や水酸化物である場合には、一般的に酸化物等の無機物の密度は非水溶媒等の有機物より相当大きいため、粒子の密度を小さくすることは難しい。このため、駆動電圧を下げ、粒子の分散性を高めるためには粒子の表面電荷密度を高くする手段が不可欠となる。
【0008】
ところで、酸化物又は水酸化物の表面は、分散媒のpHが表面等電点よりも低いときにはプラスの電荷を帯び、逆にpHが表面等電点より高いときにはマイナスの電荷を帯びる。このため、本構成のように分散媒のpHを電気泳動粒子の表面等電点と異ならせることで、粒子の表面電荷密度を高めることができる。これにより、帯電した粒子同士の電気的な反発力により粒子の分散性が向上する。また、電気泳動粒子の表面電荷密度が高まることで粒子の易動度が大きくなり、駆動電圧が低減される。
【0009】
この際、上記分散媒のpHと上記電気泳動粒子の表面等電点との差の絶対値が1以上となるようにすることが望ましい。
分散媒のpHと電気泳動粒子の表面等電点との差を大きくしていった場合、粒子の帯電量は増加していくが、後述の[実施例]の項で説明するように、この差が1以上となると粒子の帯電量は略飽和し、この差をそれ以上大きくしても帯電量は変化せずに略一定値となる。したがって、上述のように分散媒のpHと粒子の表面等電点との差を1以上とした本構成によれば、駆動電圧を最大限低減できる。また、この場合、粒子の帯電量は飽和するため、分散液の劣化等によるpHの変動に対して安定した応答特性を得ることができる。
【0010】
また、本発明の電気泳動分散液は、酸化物又は水酸化物からなり互いに異なる色相を有する第1の電気泳動粒子と第2の電気泳動粒子と、上記第1の電気泳動粒子及び上記第2の電気泳動粒子と異なる色相を有し、上記第1の電気泳動粒子と上記第2の電気泳動粒子とを分散させる分散媒とを備え、上記分散媒のpHが上記第1の電気泳動粒子の表面等電点よりも小さく、且つ、上記第2の電気泳動粒子の表面等電点よりも大きいことを特徴とする。
本構成によれば、第1の電気泳動粒子はプラスに帯電し、逆に第2の電気泳動粒子はマイナスに帯電するため、外部電界の作用により、第1の電気泳動粒子と第2の電気泳動粒子とは逆方向に泳動する。このため、上記分散液を用いて電気泳動表示装置を構成した場合に、一方の粒子の色を背景色とし、他方の粒子の色を表示色とした表示が可能となる。
【0011】
上記分散液に高分子界面活性剤を添加することが望ましい。
本構成によれば、高分子界面活性剤が電気泳動粒子にファンデアワールス力等により吸着して吸着層を形成し、吸着層間の重なりにより生じる浸透圧効果と吸着高分子の配座エントロピーの減少による反発作用により分散性が更に向上する。
【0012】
上記分散媒に水を含有させるようにすることが好ましい。
本構成によれば、水分子は電気泳動粒子に吸着して粒子表面のOH基のイオン化を促進するため、粒子の表面電荷密度が高まる。これにより、粒子の分散性が向上し、駆動電圧も低減できる。
【0013】
また、本発明の電気泳動分散液は、酸化物又は水酸化物からなる電気泳動粒子と、上記電気泳動粒子と異なる色相を有し、上記電気泳動粒子を分散させる分散媒とを備え、上記分散媒が水を含有することを特徴とする。
本構成によれば、分散媒中に含有された水分子が電気泳動粒子に吸着して粒子表面OH基のイオン化を促進するため、粒子の表面電荷密度が高まる。これにより、粒子の分散性が向上し、駆動電圧も低減できる。
【0014】
なお、上述の分散媒の水の含有比率は0.05wt%以上であることが好ましい。
本構成によれば、後述の[実施例]の項で説明するように、電気泳動粒子の表面のOH基のイオン化が促進され、粒子の分散性が大きく向上する。
【0015】
また、本発明の電気泳動分散液の製造方法は、電気泳動粒子と界面活性剤とを上記電気泳動粒子と異なる色相を有する分散媒中に分散させる分散工程と、上記分散液中に酸性溶媒を添加して上記分散媒のpHが上記電気泳動粒子の等電点と異なる値となるように調整するpH調整工程とを備えたことを特徴とする。
本製造方法によれば、pH調整工程において電気泳動粒子は帯電し、粒子の表面電荷密度が高められる。これにより、粒子の分散性が向上し、駆動電圧も低減できる。
【0016】
このとき、上記分散工程において上記分散媒中に更に水を含有させるようにすることが望ましい。
本製造方法によれば、分散媒中に含有された水分子が電気泳動粒子に吸着して粒子表面のOH基のイオン化を促進するため、粒子の表面電荷密度が高まる。
【0017】
また、上記分散工程において上記分散液中に更に高分子界面活性剤を添加するようにすることが望ましい。
本製造方法によれば、添加された高分子界面活性剤が電気泳動粒子表面に吸着層を形成するため、更に粒子の分散性が向上する。
【0018】
また、本発明の電気泳動表示装置は、透明電極が形成された透明な第1の基板と、上記第1の基板に対向配置され、上記透明電極に対向する位置に電極が形成された第2の基板と、上記第1の基板と上記第2の基板との間に挟持された上述の電気泳動分散液とを備えたことを特徴とする。
本構成によれば、電気泳動粒子の分散性の高い電気泳動分散液を用いているため、凝集により沈降する粒子の量を少なくすることができる。このため、表示のコントラストが長期間に亘って維持され、信頼性の高い表示が得られる。また、上記分散液中の電気泳動粒子は表面電荷密度を高めた構成となっているため、小さな駆動電圧により表示を高速で切り替えることができる。このため、消費電力を低減できる。
【0019】
このとき、上記第1の基板と第2の基板との間の領域が隔壁により複数の領域に区画され、上記電気泳動分散液が上記各領域に互いに隔離されて保持されるようにしてもよい。
本構成によれば、電気泳動粒子の流動範囲が隔壁によって区画された領域内に限定されるため、電気泳動粒子の分布を均一とすることができる。これにより、表示面内においてコントラストにばらつきの少ない高品質な表示を得ることができる。
なお、上記隔壁は非表示領域に設けることが望ましい。本構成によれば、表示の明るさが損なわれることはない。
【0020】
また、上記電気泳動分散液をカプセル状の樹脂皮膜に内包させ、このカプセルが上記第1の基板と第2の基板との間に挟持されるようにしてもよい。
本構成によれば、電気泳動粒子の流動範囲がカプセル状の樹脂皮膜内に限定されるため、電気泳動粒子の分布を均一とすることができる。これにより、表示面内においてコントラストのばらつきの少ない高品質な表示を得ることができる。
【0021】
また、本発明の電子機器は、上述の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする。
本構成によれば、コントラストの劣化が少なく、消費電力の小さい表示部を備えた電子機器を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
(電気泳動分散液及びその製造方法)
本発明の電気泳動分散液は、染料によって染色された分散媒中に電気泳動粒子を分散させた構成となっている。
電気泳動粒子は、無機酸化物又は無機水酸化物からなる直径0.01μm〜10μm程度の略球状の微粒子であり、上記分散媒と異なる色相(白色及び黒色を含む)を有している。このように酸化物又は水酸化物からなる電気泳動粒子には固有の表面等電点が存在し、分散媒の水素イオン指数pHによってその表面電荷密度(帯電量)が変化する。
【0023】
ここで、表面等電点とは、水溶液中の両性電解質の電荷の代数和がゼロとなる状態を水素イオン指数pHによって示したものである。例えば、分散媒のpHが電気泳動粒子の表面等電点に等しい場合には、粒子の実効電荷はゼロとなり、粒子は外部電界に対して無反応な状態となる。また、分散媒のpHが粒子の表面等電点よりも低い場合には、粒子の表面は下式(1)によりプラスの電荷を帯びる。逆に、分散媒のpHが粒子の表面等電点よりも高い場合には、粒子の表面は下式(2)によりマイナスの電荷を帯びる。
pH低:M−OH+H(過剰)+OH→M−OH +OH ・・・(1)
pH高:M−OH+H+OH(過剰)→M−OH+H ・・・(2)
【0024】
なお、分散媒のpHと粒子の表面等電点との差を大きくしていった場合、反応式(1)又は(2)に従って粒子の帯電量は増加していくが、この差が所定値以上となると略飽和し、pHをそれ以上変化させても帯電量は変化しない。この差の値は、粒子の種類,大きさ,形状等によって異なるものの、後述の[実施例]の項で示されるように、概ね1以上であればどのような粒子においても帯電量は略飽和すると考えられる。
【0025】
上述の電気泳動粒子としては、例えば、二酸化チタン,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,ベンガラ,酸化アルミニウム,黒色低次酸化チタン,酸化クロム,ベーマイト,FeOOH,二酸化珪素,水酸化マグネシウム,水酸化ニッケル,酸化ジルコニウム,酸化銅等が用いられている。
【0026】
また、このような電気泳動粒子は、単独の微粒子としてだけでなく、各種表面改質を施した状態でも用いることが可能である。このような表面改質の方法としては、例えば、粒子表面をアクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂等のポリマーでコーティング処理する方法や、シラン系,チタネート系,アルミニウム系,弗素系等のカップリング剤でカップリング処理する方法や、アクリル系モノマー,スチレンモノマー,エポキシ系モノマー,イソシアネート系モノマー等とグラフト重合処理する方法等があり、これらの処理を単独又は二種類以上組み合わせて行なうことができる。
【0027】
分散媒には、炭化水素,ハロゲン化炭化水素,エーテル等の非水系有機溶媒が用いられており、スピリトブラック,オイルイエロー,オイルブルー,オイルグリーン,バリファーストブルー,マクロレックスブルー,オイルブラウン,スーダンブラック,ファーストオレンジ等の染料によって染色されて、電気泳動粒子と異なる色相を呈している。
【0028】
例えば、上述の炭化水素としては、ヘキサン等のアルカン、石油エーテル,石油ベンジン,石油ナフサ,リグロイン,ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン類、工業ガソリン,灯油,ソルベントナフサ,1−オクテン等の不飽和炭化水素類、ビフェニル誘導体,ビシクロヘキシル誘導体,デカリン誘導体,シクロヘキシルベンゼン誘導体,テトラリン誘導体等の各種誘導体等が用いられている。
また、ハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム,ジクロロエタン,トリクロロエタン,テトラクロロエタン,ジクロロエチレン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,ジクロロプロパン,トリクロロプロパン,モノクロロアルカン類,クロロフルオロアルカン類,パーフルオロアルカン類,パーフルオロデカリン誘導体,パーフルオロアルキルベンゼン類等が用いられている。
【0029】
エーテルとしては、ジヘキシルエーテル等のジアルキルエーテル類、フェネトール等のアルコキシベンゼン類、ジオキサン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン等のエチレングリコール誘導体、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体、グリセリンエーテル類、アセタール類等が用いられている。
【0030】
さらに、上述の炭化水素,ハロゲン化炭化水素,エーテルの他にも、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類、カルボン酸類、アルキルアミン類、ドデカメチルペンタシロキサン等のシロキサン類、DMF、DMA、NMP、DMSO、シリコーンオイル、液晶化合物、液晶混合物等を用いることができる。
そして、分散媒には、上述の有機化合物を単独又は二種類以上混合したものが用いられている。
【0031】
また、分散媒にはpHを調整するためのpH調整剤が配合されており、分散媒のpHが電気泳動粒子の表面等電点と異なる値となるように調整されている。この際、分散媒のpHを7以上(即ち、分散媒がアルカリ性を示す状態)とすると、水酸化物の水酸基の持つ凝集作用により、粒子同士が凝集し易くなるため、分散媒のpHは7以下(即ち、分散媒が酸性を示す状態)とすることが望ましい。また、分散媒のpHは粒子の帯電量が飽和するように調整することが好ましく、例えば分散媒のpHと粒子の表面等電点との差が1以上となるようにすることで粒子の帯電量を飽和させることができる。
【0032】
具体的には、電気泳動粒子として、二酸化チタン,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム等の表面等電点が6以上の材料を用いる場合には、分散媒のpHが粒子の表面等電点よりも1以上低いことが好ましい条件となる。この場合、粒子は分散媒中でプラスに帯電した状態となる。一方、電気泳動粒子として、二酸化珪素等の表面等電点が6以下の材料を用いた場合には、分散媒のpHが粒子の表面等電点よりも1以上低いこと、或いは、pHが粒子の表面等電点よりも1以上高く且つ7以下であることが好ましい条件となる。
【0033】
上述のpH調整剤としては、例えば、蟻酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸等の有機モノカルボン酸、シュウ酸,マロン酸等の有機ジカルボン酸、塩酸,硫酸等の無機酸等及びアンモニア水、メチルアミン等のアルキルアミン、アニリン、ジエチルアニリン、ヒドロキシルアミン類、水酸化ナトリウム等の無機塩基が用いられている。
【0034】
さらに、分散媒には水が混合されている。このように分散媒中に混合された水分子は、電気泳動粒子に吸着して粒子表面のOH基のイオン化を促進し、粒子の表面電荷密度を増加させるため、同種のイオン間の反発によって粒子の分散性が更に高められる。また、このように水を含有した分散液によって電気泳動層を構成した場合に、その駆動電圧を低減できる。特に、分散媒中の水の含有量を0.05wt%以上とすることにより、後述の[実施例]の項で示されるように、粒子の帯電量を飽和させることができ、粒子の分散性を最大限高めることができる。
【0035】
また、この分散媒には高分子界面活性剤が添加されている。高分子界面活性剤は、電気泳動粒子に吸着して粒子表面に吸着層を形成し、浸透圧効果とエントロピー効果により、界面活性剤に低分子のものを用いた場合に比べて、粒子の分散安定化に大きく寄与すると考えられる。
このような高分子界面活性剤としては、以下に示すようなアニオン系,カチオン系,非イオン系の高分子界面活性剤を例として挙げることができる。
【0036】
例えば、アニオン系高分子界面活性剤としては、スチレン無水マレイン酸共重合体等の含カルボン酸共重合体類、ポリアクリル酸等のポリカルボン酸類等が用いられている。また、カチオン系高分子界面活性剤としては、ポリエチレンイミン類、ポリビニルイミダゾリン類、ポリビニルピリジン類等が用いられている。さらに、非イオン系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ヒドロキシ脂肪酸のオリゴマー、ポリエチレングリコールジステアラート、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリスチレン、ポリ(1−ビニルピロリドン−co−ビニルアセタート)等が用いられている。
そして、高分子界面活性剤には、上述の高分子材料を単独又は二種類以上混合したものが用いられている。
【0037】
ここで、「高分子」は、分子量が数百程度の所謂「低分子」よりも分子量の大きい重合体を意味し、上述の高分子材料には、一般に高分子と呼ばれる分子量10000以上の重合体の他に、分子量が10000以下のオリゴマーと呼ばれる低重合体が含まれる。
【0038】
また、上述の高分子界面活性剤に、以下に示すようなアニオン系,カチオン系,非イオン系,弗素系の低分子界面活性剤を併用して用いてもよい。
例えば、アニオン系低分子界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ラウリル酸ナトリウム等のカルボン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム等の燐酸塩類等が用いられている。また、カチオン系低分子界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩類、ドデシルピリジニウムブロミド等のピリジニウム塩類、ラウリルアミン塩酸塩等のアミン塩類等が用いられている。非イオン系低分子界面活性剤としては、ソルビタントリオリエート等の多価アルコールの脂肪酸エステル類等が用いられている。さらに、弗素系低分子界面活性剤としては、パーフルオロデカン酸ナトリウム等のパーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロノニルアルコール等のパーフルオロアルコール類等が用いられている。
なお、重力による粒子の沈降を避けるために、分散媒の比重と粒子の比重とはほぼ等しく設定されることが好ましい。
【0039】
上述の電気泳動分散液は、例えば、以下のように製造される。
まず、電気泳動粒子を表面改質剤と共に分散媒と同じ溶媒か、または異なる適切な溶媒に混合して攪拌する。なお、必要であれば適切な温度に加熱しながら攪拌する。そして、この懸濁液を遠心分離機等にかけて上澄み液を除去し、沈殿物を得る。これにより、表面改質処理された電気泳動粒子が得られる。
次に、得られた沈殿物を高分子界面活性剤,染料,水と共に分散媒に混合して超音波洗浄機中で攪拌し、分散液を得る。
次に、この分散液にpH調整剤を配合して、分散液のpHと粒子の表面等電点との差が1以上となるようにpHを調整する。
以上により、電気泳動分散液が得られる。
【0040】
従って、本電気泳動分散液によれば、分散媒のpHが表面等電点と異なる値に調整されているため、電気泳動粒子の表面電荷密度が高まり、帯電粒子同士の電気的な反発力により粒子の分散性が向上する。また、粒子の表面電荷密度が高まることで粒子の易動度が大きくなり、外部電界に対する応答性が増す。このため、この分散液を電気泳動表示装置の電気泳動層に用いた場合、高速応答性や低消費電力化が実現される。
【0041】
特に、分散媒のpHと粒子の表面等電点との差を1以上とした場合、粒子の帯電量は飽和して略一定となるため、分散液の劣化等によるpHの変動に対して安定した応答特性を得ることができる。
また、分散媒に水を混合した場合、水分子が粒子表面のOH基のイオン化を促進するため、更に粒子の表面電荷密度を高めることができる。このとき、分散媒の水の含有比率を0.05wt%以上とした場合、後述の[実施例]の項で示されるように、分散性が大きく向上し、駆動電圧も低減される。
さらに、分散液に高分子界面活性剤を添加することで、粒子表面に吸着層が形成され、この吸着層間の反発作用により粒子の分散性が更に高まる。
【0042】
(電気泳動表示装置)
次に、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置について、図1,図2を用いて説明する。
図1,図2は、それぞれ本実施形態の電気泳動表示装置の構成を示す断面図,部分平面図あり、図1は、図2に示すA−A’線に沿う断面構造を示している。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0043】
図1に示すように、本実施形態の電気泳動装置10は、対向して配置された第1基板1と第2基板8との間に上述の電気泳動層(電気光学層)11を備えて構成されている。
第1基板1は、例えば透明ガラスや透明フィルムなどの透光性を有する基板からなり、内面側(電気泳動層11側)にはITO(インジウムスズ酸化物)等の透明な導電材料からなる共通電極2が形成されている。そして、第1基板1外面がこの電気泳動装置10の表示面とされている。
【0044】
第2基板8は必ずしも透明である必要はなく、例えばガラス基板や樹脂フィルム基板などの他、ステンレスプレート等の金属板に絶縁層を形成したもの等を用いることができる。この第2基板8上には、図2に示すように、それぞれ行方向,列方向に走査線71a,データ線70aが互いに絶縁されて複数形成されており、走査線71aとデータ線70aとによりマトリクス状に区画された画素領域には、画素電極7aと、この画素電極7aへの通電制御を行なうためのTFT素子(スイッチング素子)7bとが形成されている。そして、マトリクス状に配された複数の画素領域によって表示領域が構成されている。
【0045】
データ線70aはTFT素子7bのソース70bに電気的に接続されており、画像信号はデータ線70aに対して線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデータ線70aに対してグループ毎に供給されるようになっている。また、走査線71aはTFT素子71bのゲートに電気的に接続されており、複数の走査線71aに対して走査信号が所定のタイミングでパルス的に線順次で供給されるようになっている。さらに、画素電極7aはTFT素子7bのドレイン72bに電気的に接続されており、ゲート71bにパルス電圧を印加してTFT素子7bを一定期間だけオンすることで、データ線70aから供給される画像信号が所定のタイミングで書き込まれるようになっている。これにより、画素領域毎に表示を行なうことができるなっている。
【0046】
第1基板1と第2基板8とは、表示領域の周囲を囲むように枠状に形成された封止部材(図示略)によって貼り合わされ、スペーサ(図示略)により一定に離間された状態で保持されている。そして、本実施形態の電気泳動表示装置10では、基板1,8と封止部材とにより形成された閉空間に、上述のように構成された分散媒5,電気泳動粒子6等を有する電気泳動分散液が封入され、電気泳動層11が形成されている。
【0047】
本実施形態の電気泳動表示装置10は、上述のように構成されているので、第1基板1側の共通電極2が電気泳動粒子6の帯電極性と逆極性となるように電圧印加を行なった場合、粒子6はクーロン力によって共通電極2側に速やかに泳動し、第1基板1の表面に付着する。そして、表示面には、このように第1基板1に付着して層の形成された領域が粒子6の色相に着色されて表示される。
なお、粒子6は、その大きな帯電量による電気的な反発力に加えて、その表面に形成された高分子界面活性剤の吸着層による反発作用によって、高速泳動により粒子6同士が激しく衝突した場合でも、殆ど凝集することなく分散状態が維持される。
【0048】
一方、第1基板1側の共通電極2が粒子6の帯電極性と同じ極性となるように電圧印加を行なった場合には、粒子6は第2基板8に付着して層を形成する。この場合、この層は分散媒5の背後に隠れるため、分散媒5の色相に着色された表示となる。
【0049】
したがって、本発明の電気泳動表示装置によれば、電気泳動層11に、粒子6の分散性の高い電気泳動分散液を用いているため、凝集により沈降する粒子6の量を少なくすることができる。このため、表示のコントラストが長期間に亘って維持され、信頼性の高い表示が得られる。また、電気泳動粒子6の表面電荷密度が高いため、小さな駆動電圧により表示の切替を高速で行なうことができ、消費電力も低減できる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電気泳動表示装置について、図3及び図4を用いて説明する。図3,図4は、それぞれ本実施形態の電気泳動表示装置の断面構成図,部分平面図であり、図3は図4のA−A’線に沿う断面構造を示している。
【0051】
図3に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置は、上記第1実施形態の電気泳動表示装置の構成において、対向する第1基板1と第2基板8との間に一定の厚みを有する平面視格子状の隔壁27が設けられた構成となっている。
この隔壁27は、図4に示すように、第2基板8に形成された走査線71a及びデータ線70aと平面視で重なるように設けられており、隔壁27と基板1,8により密閉された複数の分割セルCのそれぞれに上述の電気泳動分散液が封入されている。
そして、これ以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0052】
したがって、本実施形態の電気泳動表示装置でも、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、電気泳動粒子6の流動範囲が分割セルCの内部に限定されるため、電気泳動層11内で粒子が偏って分布されたり、複数の粒子6が凝集して大きな凝結塊を形成したりすることが効果的に防止され、高品質な表示を得ることができる。この際、隔壁27は表示に寄与しない非表示領域(走査線71a,データ線70a,TFT7bの形成領域)に設けられているため、表示の明るさを損なうことはない。
【0053】
なお、本実施形態では、全ての配線71a,70aに対して隔壁27が設けられているが、走査線71a又はデータ線70aに対して一本おき或いは複数本おきに隔壁27を設け、1つの分割セルC内に複数の画素領域が配置されるようにしてもよい。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電気泳動表示装置について、図5〜図7を用いて説明する。図5,図6は、それぞれ本実施形態の電気泳動表示装置の断面構成図,部分平面図であり、図5は図6のA−A’線に沿う断面構造を示している。
【0055】
気泳動表示装置の構成において、電気泳動分散液をカプセル状の樹脂皮膜で覆ってマイクロカプセル化し、マイクロカプセル60を第1基板1と第2基板2との間に配置した構成となっている。
マイクロカプセル60は、図2に示すように、画素電極7aと同程度の大きさとされ、表示領域全域を覆うように複数配置されている。なお、図6では、マイクロカプセル60を円形で示したが、実際には隣接するマイクロカプセル60同士は密着するため、表示領域はマイクロカプセル60によって平面視で隙間なく覆われている。
そして、これ以外の構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0056】
したがって、本実施形態の電気泳動表示装置でも、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、電気泳動粒子6の流動範囲がマイクロカプセル60の内部に限定されるため、電気泳動層11内で粒子が偏って分布されたり、複数の粒子6が凝集して大きな凝結塊を形成したりすることが効果的に防止され、高品質な表示を得ることができる。
【0057】
(電子機器)
本発明の電気泳動表示装置は、表示部を備えた様々な電子機器に適用される。以下、上述の電気泳動表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
【0058】
1.モバイル型コンピュータ
本発明の電気泳動表示装置を、モバイル型(ポータブル型)のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図7はこのパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図であり、パーソナルコンピュータ1200は、本発明の電気泳動表示装置を表示部1201として備える。パーソナルコンピュータ1200は、キーボード1203を備えた本体部1202を備えて構成されている。
【0059】
2.携帯電話
本発明の電気泳動表示装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図8はこの携帯電話の構成を示す斜視図であり、携帯電話1300は、本発明の電気泳動表示装置を小サイズの表示部1301として備える。携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
【0060】
3.電子ペーパー
本発明の電気泳動表示装置を、フレキシブルな電子ペーパーに適用した例について説明する。図9はこの電子ペーパーの構成を示す斜視図であり、電子ペーパー1400は、本発明の電気泳動表示装置を表示部1401として備える。電子ペーパー1400は、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1402を備えて構成されている。
また、図10は、電子ノートの構成を示す斜視図であり、電子ノート1500は、図9で示した電子ペーパー1400が複数枚束ねられ、カバー1501に挟まれているものである。カバー1501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する不図示の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容を変更したり更新したりできる。
【0061】
また、上述した例に加えて、他の例として、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。本発明に係るの電気光学装置は、こうした電子機器の表示部としても適用することができる。
【0062】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、電気泳動分散液は、染色された分散媒中に一種類の電気泳動粒子が分散された構成となっているが、この代わりに、無色の分散媒中に、色相及び帯電極性の異なる二種類の電気泳動粒子を分散させるようにしてもよい。このような分散液を用いた場合、一方の粒子の色を背景色とし、他方の粒子の色を表示色とした表示を行うことができる。
【0063】
このように異なる帯電極性を有する二種類の粒子を得る方法としては、例えば一方を上記実施形態と同様に無機酸化物又は無機水酸化物からなる粒子とし、他方をそれ以外の無機化合物又は有機化合物とする方法が考えられる。
このような無機化合物としては、例えば、クロムイエロー,カドミウムイエロー,カーボンブラック,コバルトブルー,硫酸バリウム,珪酸カルシウム,タルク,カドミウムオレンジ,鉛丹,コバルトクロムグリーン等を用いることができる。
【0064】
また、上述の有機化合物としては、例えば、アニリンブラック,フタロシアニンブルー,ナフトールレッド,トルイジンレッド,ベンズイミダゾインイエロー,フタロシアニングリーン,ファーストイエロー,レーキレッド,ジオキサンバイオレット,アルカリブルー等の有機顔料や、メチルアクリレート,エチルアクリレート,メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,メチルビニルエーテル,アクリロニトリル,スチレン,プロピレン,ブタジエン,エチレン,アクリル酸,メタクリル酸,ジメチルアミノエチルアクリレート,及びこれらのモノマーの混合物を懸濁重合,乳化重合,溶液重合,分散重合等により重合させた高分子を用いることができる。
【0065】
この他、例えば、色相及び表面等電点の異なる無機酸化物又は無機水酸化物からなる二種類の粒子を分散媒中に分散させた場合でも、この二種類の粒子の帯電極性を異ならせることができる。具体的には、分散媒のpHが、一方の粒子(第1の電気泳動粒子)の表面等電点よりも低く、且つ、他方の粒子(第2の電気泳動粒子)の表面等電点よりも高くなるようする。この場合、第1の電気泳動粒子は分散媒中で上述の反応式(1)によりプラスに帯電し、第2の電気泳動粒子は反応式(2)によりマイナスに帯電するため、外部電界の作用により二種類の粒子は逆方向に泳動する。このため、印加電圧の極性を切り替えることで、二色表示が可能となる。
【0066】
【実施例】
本発明者らは、本発明の効果を実証するために、本発明に係る構成の電気泳動表示装置を実際に作製し、その応答特性と表示の保持特性とを測定した。その結果について以下、報告する。
【0067】
本実施例では、分散媒と電気泳動粒子の表面等電点との差ΔpH、分散媒中の水の含有量、分散させる電気泳動粒子や界面活性剤の種類を変えた電気泳動セルC1〜C10を以下の手順により作製した。
【0068】
セルを作製するに当たって、まず、分散媒と同じ溶媒であるドデシルベンゼン50mlと、電気泳動粒子と、表面改質剤とを70℃で1時間攪拌した。そして、この懸濁液を卓上遠心機を用いて3000rpmで1時間遠心分離を行ない、上澄み液をデカンテーションにより除いた。これにより、疎水化処理された電気泳動粒子の沈殿物を得た。
【0069】
次に、得られた沈殿物に、分散媒であるドデシルベンゼン50mlと、界面活性剤3gと、アントラキノン系青色染料0.3gとを加えて超音波洗浄機中で30分攪拌し、分散液を得た。
そして、この分散液を1ml採り、pH調整剤である氷酢酸でpHを調整した後、市販のBriggs型の電気泳動セルを用いてゼータ電位を測定し、電気泳動粒子の表面等電点を求めた。また、この分散液に含まれる水の量をカールフィッシャー型の水分計で測定した。
【0070】
一方、二枚のガラス基板の片面にITOからなる透明電極を形成し、このITO面が内側になるように二枚のガラス基板を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを介して貼り合わせて電気泳動用の空セルを作製した。そして、上述の分散液のpHをpH調整剤としての氷酢酸で調整してから上記空セルに注入し、セルを作製した。
【0071】
そして、このセルの透明電極間に直流電圧を印加して表示が青から白に変化するのに要する時間(応答時間)t1を測定し、この後、白表示の状態で電源を切って表示が青色に戻る時間(戻り時間)t2を測定した。
【0072】
なお、応答時間t1は粒子の帯電量に依存し、応答時間t1が短い程、粒子の帯電量、即ち、表面電荷密度が高いことを意味する。また、戻り時間t2は粒子の分散性に依存し、戻り時間t2が長い程、分散性が高いことを意味する。
下表1に、各セルC1〜C10で用いた電気泳動粒子及び界面活性剤の材料と、各種パラメータの測定結果について示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004479146
【0074】
本実施例では、まず、水の含有量をそれぞれ0.02wt%,0.05wt%,0.2wt%とした電気泳動セルC1〜C3を用いて、水の含有量による影響を調べた。なお、電気泳動粒子として、市販されている白色の二酸化チタンの微粒子(平均粒径0.15μm)を用い、表面改質剤としてイソプロピルトリス(イソステアロイル)チタネート1gを用いた。また、他の影響を排除するために、各セルC1〜C3では、ΔpHをゼロとし、界面活性剤に低分子界面活性剤であるソルビタンセスキオレートを用いた。
【0075】
表1に示すように、水の含有量を0.05wt%としたセルC2は、含有量が0.02wt%であるセルC1に比べて、戻り時間t2が5倍となっており、粒子の分散性が大幅に改善されていることがわかる。また、同程度の応答時間t1(0.6秒)を得るための駆動電圧も20V低減されている。これは、水分子が電気泳動粒子の表面に吸着して粒子表面のOH基のイオン化が促進され、粒子の表面電荷密度が高められたためと考えられる。
一方、セルC2を、水の含有量を更に大きくしたセルC3と比較した場合、応答時間t1,戻り時間t2共に大きな改善は見られなかった。これは、水分子の増加に対して粒子の帯電量が飽和したためと考えられる。
【0076】
したがって、水の含有量を0.05wt%以上とした場合、粒子の分散性が最大限高められるとともに、駆動電圧を最も小さくできると考えられる。また、この場合、粒子表面の帯電量は飽和しており、pHが多少変化しても粒子の帯電量は変化しないため、安定した応答特性を得ることができる。
【0077】
次に、高分子界面活性剤を添加した電気泳動セルC4,C5を用い、セルC3との比較により、界面活性剤に高分子材料を用いた場合の効果を調べた。なお、他の影響を排除するために、セルC4,C5では、セルC1〜C3と同様に、ΔpHをゼロとし、電気泳動粒子,表面改質剤にそれぞれ市販の二酸化チタン(平均粒径0.1μm)10g,イソプロピルトリス(イソステアロイル)チタネート1gを用いている。また、含有された水の影響を小さくするために、水の含有量をセルC3よりも少なくしている。また、高分子材料の違いによる影響を調べるために、セルC4,C5には異なる高分子界面活性剤である、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸、花王),ポリ(メタクリレート−co−メタクリル酸)をそれぞれ添加した。
【0078】
表1に示すように、高分子界面活性剤を添加したセルC4は、低分子界面活性剤を添加したセルC3に比べて、戻り時間t2が2時間長くなっており、粒子の分散性が更に改善されたことがわかる。これは、高分子界面活性剤によって粒子表面に吸着層が形成され、この吸着層間の反発力により分散性が高められたためと考えられる。また、同程度の応答時間t1(0.6秒)を得るための駆動電圧も10V低減されている。このように駆動電圧が低減された理由は、低分子界面活性剤はイオン性の結合により粒子表面に吸着して粒子の表面電荷が中和されて表面電荷が減少して駆動電圧が上昇するが、高分子界面活性剤はファンデアワールス力により吸着するため粒子の表面電荷は減少しないため駆動電圧の上昇が抑制されると考えられる。
一方、セルC4を、異なる種類の高分子界面活性剤を添加したセルC5と比較した場合、応答時間t1,戻り時間t2共に大きな差異は見られず、高分子材料による大きな違いはないと考えられる。
【0079】
したがって、界面活性剤に高分子材料を用いることで、低分子材料を用いる場合よりも、粒子の分散性を高め、駆動電圧を低減できると考えられる。
【0080】
次に、ΔpHの絶対値を1以上とした電気泳動セルC6〜C9を用い、セルC5との比較により、ΔpHに対する依存性を調べた。なお、他の影響を排除するために、セルC6〜C9では、セルC5と同様に、電気泳動粒子,表面改質剤にそれぞれ市販の二酸化チタン(平均粒径0.1μm)10g,イソプロピルトリス(イソステアロイル)チタネート1gを用い、水の含有量を0.1wt%としている。また、分散媒のpHが粒子の表面等電点よりも低い場合に、ΔpHをマイナスで示している。
【0081】
表1に示すように、ΔpHを−1としたセルC6は、ΔpHがゼロであるセルC5に比べて、戻り時間t2が1時間長くなっており、粒子の分散性が更に改善されていることがわかる。また、応答時間t2,駆動電圧が共に低減されており、更なる低電圧駆動が可能となっている。これは、上述の反応式(1)により粒子がプラスに帯電し、表面電荷密度が更に高められたことによると考えられる。
【0082】
一方、ΔpHの絶対値を更に大きくしたセルC7は、セルC6に比べて応答時間t1,戻り時間t2共に更に改善されているものの、その改善幅は、セルC5からセルC6への改善幅に比べて小さい。また、このセルC7よりも更にΔpHの絶対値を大きくしたセルC8では、セルC7に比べて応答時間t1,戻り時間t2共に大きな差異は見られなかった。つまり、粒子の帯電量はΔpHが1のときに略飽和し、ΔpHの絶対値をそれ以上大きくしても帯電量は変化せずに略一定の値に収束したと考えられる。
【0083】
なお、セルC9とセルC8との比較からわかるように、ΔpHの絶対値を大きくした場合には、高分子界面活性剤の種類を変えても応答時間t1,戻り時間t2に関して殆ど変化が見られないことから、粒子の帯電量は上述の状態において最大になっていると考えられる。
【0084】
したがって、ΔpHの絶対値を1以上とする構成によって、粒子の分散性が最大限高められるとともに、駆動電圧を最も小さくできると考えられる。また、この場合、粒子の帯電量は飽和して略一定となるため、分散液の劣化等によるpHの変動に対して安定した応答特性を得ることができる。
【0085】
次に、セルC10を用いて、電気泳動粒子の種類を変えた場合の影響について調べた。このセルC10では、電気泳動粒子として市販の酸化アルミニウム(平均粒径0.15μm)を用い、表面改質剤としてアセトオクタデシルオキシアルミニウムジイソプロピレート1gを用いた。また、粒子の帯電量が飽和するように、ΔpHを−1.8、水の含有量を0.1wt%とし、セルC7或いはセルC8との比較を行なった。
【0086】
表1に示すように、粒子に酸化アルミニウムを用いた場合には、セルC7或いはセルC8に比べて応答特性,分散性は共に若干低下しているが、従来のものに比べると大幅な改善が見られる。このことから、粒子の種類によって若干の差異はあるものの、ΔpHや水の含有量を調整することで、従来のものに比べて応答特性や分散性を大きく改善できることがわかった。
【0087】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、電気泳動分散液における分散媒のpHを電気泳動粒子の表面等電点と異ならせているため、粒子の表面電荷密度が高められる。これにより、粒子同士の電気的な反発力により粒子の分散性が向上する。また、粒子の表面電荷密度が高まると、粒子の分散媒中での易動度が大きくなるため、外部電界に対する応答性が増し、駆動電圧も低減される。特に、上述の分散媒のpHを粒子の帯電量が飽和するような値とすることで、電圧印加に対する粒子の応答特性を最大限高めることができる。また、帯電量が飽和しているため、応答特性が安定する利点もある。また、分散媒に水を含有させることで、粒子の分散性を更に高めることができる。
また、上述の電気泳動分散液を電気泳動表示装置に用いることにより、凝集により沈降する粒子の量を少なくすることができ、表示のコントラストを長期間に亘って維持することができる。また、電気泳動粒子の表面電荷密度が高いため、応答性がよく、消費電力も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す図であり、図2のA−A′矢視断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す部分平面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す図であり、図4のA−A′矢視断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す部分平面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す図であり、図4のA−A′矢視断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す部分平面図である。
【図7】 本発明の電子機器の一例を示す図である。
【図8】 本発明の電子機器の一例を示す図である。
【図9】 本発明の電子機器の一例を示す図である。
【図10】 本発明の電子機器の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1基板
2 共通電極
5 分散媒
6 電気泳動粒子
8 第2基板
27 隔壁
60 マイクロカプセル

Claims (8)

  1. 酸化物又は水酸化物からなる電気泳動粒子と、
    上記電気泳動粒子と異なる色相を有し、上記電気泳動粒子を分散させる非水系の分散媒とを備え、
    上記分散媒のpHと上記電気泳動粒子の表面等電点との差の絶対値が1以上であり
    上記分散媒の水の含有比率が0.05wt%以上かつ0.2wt%未満であり、
    上記分散媒に高分子界面活性剤が添加されていることを特徴とする、電気泳動分散液。
  2. 酸化物又は水酸化物からなり互いに異なる色相を有する第1の電気泳動粒子と第2の電気泳動粒子と、
    上記第1の電気泳動粒子及び上記第2の電気泳動粒子と異なる色相を有し、上記第1の電気泳動粒子と上記第2の電気泳動粒子とを分散させる非水系の分散媒とを備え、
    上記分散媒のpHが上記第1の電気泳動粒子の表面等電点よりも1以上小さく、且つ、上記第2の電気泳動粒子の表面等電点よりも1以上大きく、
    上記分散媒の水の含有比率が0.05wt%以上かつ0.2wt%未満であり、
    上記分散媒に高分子界面活性剤が添加されていることを特徴とする、電気泳動分散液。
  3. 電気泳動粒子が非水系の分散媒中に分散された電気泳動分散液の製造方法であって、
    前記電気泳動粒子と高分子界面活性剤とを上記電気泳動粒子と異なる色相を有する非水系の前記分散媒中に分散させることによって分散液を得る分散工程と、
    上記分散液中に酸性又は塩基性溶媒を添加して上記分散媒のpH上記電気泳動粒子の表面等電点との差の絶対値が1以上となるように調整するpH調整工程とを備え
    上記分散工程において、上記分散液中に更に、上記分散媒の水の含有比率が0.05wt%以上かつ0.2wt%未満となるように水を添加することを特徴とする、電気泳動分散液の製造方法。
  4. 透明電極が形成された透明な第1の基板と、
    上記第1の基板に対向配置され、上記透明電極に対向する位置に電極が形成された第2の基板と、
    上記第1の基板と上記第2の基板との間に挟持された請求項1又は2に記載の電気泳動分散液とを備えたことを特徴とする、電気泳動表示装置。
  5. 上記第1の基板と第2の基板との間の領域が隔壁により複数の領域に区画されており、上記電気泳動分散液が上記各領域に互いに隔離されて保持されたことを特徴とする、請求項記載の電気泳動表示装置。
  6. 上記隔壁が非表示領域に設けられたことを特徴とする、請求項記載の電気泳動表示装置。
  7. 上記電気泳動分散液がカプセル状の樹脂皮膜に内包されたことを特徴とする、請求項記載の電気泳動表示装置。
  8. 請求項のいずれかの項に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする、電子機器。
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