JP4478355B2

JP4478355B2 - Key, processing method thereof, and cylinder lock using the key

Info

Publication number: JP4478355B2
Application number: JP2001164916A
Authority: JP
Inventors: 邦夫赤松
Original assignee: 美和ロック株式会社
Priority date: 2001-05-31
Filing date: 2001-05-31
Publication date: 2010-06-09
Anticipated expiration: 2021-05-31
Also published as: JP2002357031A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍵及びその加工方法並びにその鍵を用いるシリンダー錠に関し、特に、ピッキングと称される不正解錠の防止に有効な鍵、シリンダー錠の改良技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、特殊な工具を用いることで鍵孔内のタンブラーを操作して不正解錠を行うピッキングと称される犯罪が多発している。そこで、このような不正解錠に対して、施錠装置のシリンダー錠部分をピッキング困難なものとすることで、不正解錠を防止する対策が採られ始めている。
【０００３】
この種のシリンダー錠としては、図８に示すように、例えばすり鉢状の凹部、所謂、ディンプル１を表裏面の所定の位置に設けた鍵３を用いるものがある。
この種のシリンダー錠は、鍵孔に挿入される鍵３のディンプル１に応じてタンブラーピンを進退移動させ、内筒に外挿した外筒との境にタンブラーピンのシアーラインを一致させて、内筒を外筒に対し回転規制解除して解錠を行う。
【０００４】
図９に示すように、シリンダー錠５は、鍵３を抜きとった状態でタンブラーピン７がスプリング９に押され、外筒１１と内筒１３を貫いているため、内筒１３を回転させることができない。
一方、図１０に示すように、鍵３を差し込むと、所定箇所のタンブラーピン７が鍵３のディンプル１の形状に応じて後退し、タンブラーピン７のシアーライン１５が外筒１１と内筒１３との境にそろい、内筒１３を回転させることができる。
【０００５】
従来、この種のシリンダー錠１７に用いるタンブラーピン７は、図１１に示すように、鍵挿入部３ａの表裏面に対し垂直方向から当接するものが主であり、表裏面に所定角度傾斜したタンブラーピン７は補助的に用いていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の鍵は、主に挿入部３ａの面に直行する方向でタンブラーピンを当接させていたため、タンブラーピンが当接する方向の距離（進退距離）を大きく確保することができず、鍵違いを増やすことができなかった。つまり、タンブラーピンが当接する方向の距離が、挿入部３ａの厚みに依存していた。これに対し、挿入部の厚みを厚くすれば、鍵孔が大きくなり、不正解錠を容易にさせた。
【０００７】
また、鍵の加工方法としては、一般にエンドミルを用い切削加工にて行うが、斜め方向のディンプルを形成する場合、従来ではエンドミルの回転中心を斜めにしてディンプルを切削するか、或いはワークである鍵をエンドミルの回転中心に対して斜めに保持して切削を行っていたため、エンドミルが切削抵抗を受け易く、それによりエンドミルが撓み、作業性を低下させるとともに、加工精度を低下させる問題があった。
【０００８】
さらに、従来の鍵を用いるシリンダー錠は、タンブラーピンが、すり鉢状のディンプルに対して進退する構造であることから、このディンプルの成形方向が斜め方向である場合に、鍵挿入時にタンブラーピンが後退され難く、衝撃の生じる場合があった。このため、斜め方向のタンブラーピンは、磨耗が比較的多くなることから、主タンブラーピンとして用いていなかった。
【０００９】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その第一の目的は、タンブラーピンが当接する方向の設定距離範囲を大きく確保することができるとともに、タンブラーピン衝接時の後退動作をスムースにすることができる鍵を提供することにある。
また、その第二の目的は、切削抵抗を受けることによるエンドミルの撓みを少なくでき、加工を容易にして、加工精度を高めることのできる鍵の加工方法を提供することにある。
さらに、その第三の目的は、タンブラーピンの進退方向を鍵挿入部の面に対して傾斜方向にでき、しかも、シアーラインを一致させるためのタンブラーピンの突出距離も複数に設定できるシリンダー錠を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項１記載の鍵２１は、シリンダー錠２３の内筒２５に設けた鍵孔２７に所定幅長に形成される板状の挿入部２１ａを進入させ、該鍵孔２７に突出した複数のタンブラーピン３１の所定のものを後退させることで前記内筒２５に外挿した外筒３３との境に前記タンブラーピン３１のシアーライン３５を一致させて、前記外筒３３に対し前記内筒２５を回動可能にして解錠を行う鍵２１であって、
前記挿入部２１ａの少なくとも表裏一方の面に、前記タンブラーピン３１の先端が当接し、挿入部の直線状側周縁の方向にのみ傾斜し、挿入部の先端縁から基部側にかけて挿入方向に面状に連続する傾斜面３９を、該斜面３９に直行する方向に変位させかつ前記面３７内で連続させて形成し、該斜面３９には、その斜面の挿入方向の複数位置に、対応する前記複数のタンブラーピン３１の先端が当接して、その前記シアーライン３５を一致させるための斜面が形成されたことを特徴とする。
【００１１】
この鍵２１では、挿入部２１ａの面３７に直行する方向でタンブラーピン３１を鍵２１に当接させるより、タンブラーピン３１が当接する方向の距離が大きくなる。すなわち、挿入部２１ａに直交する方向である挿入部２１ａの厚さ内で、タンブラーピン３１の進退距離範囲を設定するより、例えば傾斜角度を４５度とした場合では約１．４倍の進退距離範囲を確保することが可能になる。これにより、鍵違いを増やすことができる。また、斜面３９を連続させることで、タンブラーピン３１が徐々に後退し、ディンプルに当接する場合に比べて、斜面３９に対するタンブラーピン衝接時の後退動作がスムースになる。さらに、斜面３９が、斜面３９に直行する方向に連続するように変位しているので、３次元加工が必要になり、鍵２１の複製が困難になる。
【００１２】
請求項２記載の鍵２１は、前記挿入部２１ａの少なくとも表裏一方の面３７に、すり鉢状の凹部を併設したことを特徴とする。
【００１３】
この鍵２１では、連続する斜面３９に加え、すり鉢状の凹部を併設することで、挿入部２１ａの面３７に垂直方向に進退するタンブラーピン３１もシリンダー錠２３に配設できるようになり、鍵違いをさらに増やすことができる。
【００１４】
請求項３記載の鍵２１の加工方法は、鍵孔２７に進入する挿入部２１ａの少なくとも表裏一方の面３７に、タンブラーピン３１の先端が当接する斜面３９を、該斜面３９に直行する方向に変位させかつ前記面３７内で連続させて形成する鍵２１の加工方法であって、
先端に向かって前記斜面３９の傾斜角度で徐々に細くなるエンドミル４３を用い、
該エンドミル４３の回転中心４５を前記挿入部２１ａの面３７に垂直に保持しながら、
該エンドミル４３を回転中心軸方向と、前記面３７に平行な方向とに移動させながら前記斜面３９を連続形成することを特徴とする。
【００１５】
この鍵２１の加工方法では、エンドミル４３の回転中心４５を挿入部２１ａの面３７に垂直に保持し、エンドミル４３を回転中心軸方向Ｚと、挿入部２１ａの面３７に平行な方向Ｘ，Ｙとに移動させながら、斜面３９を３次元方向の切削によって連続形成するので、従来、エンドミル４３の回転中心４５を挿入部２１ａの面３７に傾斜させて切削を行う場合に比べ、切削抵抗を小さくし、エンドミル４３の撓みが少なくなる。これにより、加工が容易になり、加工精度が高まる。
【００１６】
請求項４記載のシリンダー錠２３は、内筒２５に設けた鍵孔２７に板状の挿入部２１ａを進入させ、該鍵孔２７に突出した複数のタンブラーピン３１の所定のものを後退させることで前記内筒２５に外挿した外筒３３との境に前記タンブラーピン３１のシアーライン３５を一致させて、前記外筒３３に対し前記内筒２５を回動可能にするシリンダー錠２３であって、
前記タンブラーピン３１を前記挿入部２１ａの面３７に対して傾斜させて配設し、かつ前記タンブラーピン３１の突出距離を複数に設定したことを特徴とする。
【００１７】
このシリンダー錠２３では、タンブラーピン３１の進退方向が鍵挿入部２１ａの面３７に対して傾斜方向となり、従来のような垂直又は水平方向でタンブラーピン３１が進退する構造に比べ、ピッキング工具等によるタンブラーピン３１の不正な進退操作すなわち不正解錠行為が行い難くなる。また、タンブラーピン３１の突出距離が複数になるので、シアーライン３５を容易に一致させ難くなり、これによってもピッキングが困難になり防犯性が向上する。
【００１８】
請求項５記載のシリンダー錠２３は、前記タンブラーピン３１を前記挿入部２１ａの面３７に対して異なる複数の傾斜角度で配設したことを特徴とする。
【００１９】
このシリンダー錠２３では、異なる複数の傾斜角度の方向からタンブラーピン３１が当接し、ピッキング等の不正解錠操作を困難なものにでき、同時に、鍵違い数も増やすことができる。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る鍵及びその加工方法並びにその鍵を用いるシリンダー錠の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図１は本発明に係る鍵の正面図、図２は二次元切削により斜面を形成した鍵の先端拡大斜視を（ａ）、その場合のエンドミルの移動方向を（ｂ）で表した鍵加工の説明図、図３は三次元切削により斜面を形成した鍵の先端拡大斜視を（ａ）、その場合のエンドミルの移動方向を（ｂ）で表した鍵加工の説明図である。
【００２１】
本実施の形態による鍵２１は、タンブラーピンタイプのシリンダー錠２３（図４参照）を解施錠可能にする。
すなわち、鍵２１は、シリンダー錠２３の内筒２５に設けた鍵孔２７に所定幅長に形成される板状の挿入部２１ａを進入させ、この鍵孔２７に突出した複数のタンブラーピン３１の所定のものを後退させることで、内筒２５に外挿した外筒３３との境にタンブラーピン３１のシアーライン３５を一致させて、外筒３３に対し内筒２５を回動可能にして解錠を行う。
【００２２】
鍵２１は、挿入部２１ａの少なくとも表裏一方の面３７に、タンブラーピン３１の先端が当接する斜面３９を有している。この斜面３９は、斜面３９に直行する方向に変位しながら、かつ面３７内で連続している。この斜面３９には、タンブラーピン３１の先端が、垂直に当接する。
【００２３】
なお、本実施の形態において、斜面３９は、挿入部２１ａの面３７に対して４５度の傾斜角度を有するものとして説明するが、これ以外の傾斜角度のものであっても勿論良い。
【００２４】
斜面３９は、挿入部２１ａの周縁に沿って連続する他、挿入部２１ａの挿入方向である長手方向略中央に、真直な溝４１を形成し、この溝４１内の内壁に形成してもよい。また、斜面３９は、挿入部２１ａの表裏両方の面に形成してもよく、この場合、鍵２１をシリンダー錠２３の鍵孔２７内へ挿入する際に、表裏面を注意しなくともよくなる。
【００２５】
したがって、挿入部２１ａは、図１に示すように、従来の鍵のような略鋸歯状の切り欠きのない略半長円形の外形となる。
【００２６】
また、この挿入部２１ａの先端は、鍵孔２７への挿入性を良好にするため先端に向かって肉厚が徐々に薄くなるテーパ３８となっている。
【００２７】
この斜面３９は、エンドミル４３を用い、フライス削りして加工を行うことで得られる。エンドミル４３は、図２，図３に示すように、先端に向かって斜面３９の傾斜角度、本実施の形態では傾斜角４５度で徐々に細くなるように形成されたものが用いられる。また、このエンドミル４３は、外周方向と先端面とに、複数の切れ刃を有する。
エンドミル４３は、回転中心４５が挿入部２１ａの面３７に対して常に垂直となるように保持される。
【００２８】
したがって、図２に示すように、一定の切削深さｄ、好ましくは挿入部２１ａの厚さよりやや短い距離内で、回転中心４５を挿入部２１ａの面３７と平行な方向（Ｘ，Ｙ方向）で移動させる二次元方向の切削を行えば、エンドミル先端の傾斜角度の斜面３９が挿入部２１ａの面３７における縁部分に形成することができ、かつ傾斜長さが一定の斜面３９を所望の位置に、切削深さが一定となって連続形成することができる。
【００２９】
さらに本実施の形態では、図３に示すように、エンドミル４３をＸ，Ｙ方向に加えて、回転中心４５の軸方向であるＺ方向にも移動させながら切削を行う。つまり、三次元切削により斜面３９を形成する。これにより、挿入部２１ａの面３７に、斜面３９に直行する方向に変位させた斜面３９を、面３７内で、切削深さを可変させながら連続して形成することができる。
なお、図２，図３中のＰ，Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３は、タンブラーピン３１の先端当接位置を示す。
【００３０】
この他、鍵２１は、斜面３９と共に、挿入部２１ａの面に垂直に形成されるすり鉢状の凹部であるディンプルを併設してもよい。このように連続する斜面３９に加え、ディンプルを併設することで、挿入部２１ａの面３７に垂直方向に進退するタンブラーピンもシリンダー錠に配設できるようになり、鍵違いをさらに増やすことができるようになる。
【００３１】
図４は浅い斜面への当接を（ａ）、深い斜面への当接を（ｂ）で表したタンブラーピン当接状況の説明図、図５は斜面に当接したタンブラーピンを（ａ）、その側面視を（ｂ）で表したタンブラーピン進退状況の説明図、図６は複数の傾斜角度でタンブラーピンを配設した例の説明図である。
【００３２】
斜面３９は、斜面３９に直行する方向に変位することで、図４（ａ）に示す浅い斜面３９ａ、図４（ｂ）に示す深い斜面３９ｂ等の複数の深さに形成できる。これに対応して図５に示すように、タンブラーピン突出長の設定も種々に増えることになる。
すなわち、挿入部２１ａの厚み方向（面３７に垂直な方向）に深さを変える場合に比べて２の平方根倍（約１．４倍）の変位可能領域を確保することができる。つまり、鍵違い数を増やすことが可能となる。
【００３３】
また、鍵２１は、エンドミルの加工により、斜面３９を任意の方向で設けることができるので、挿入部２１ａに予め形成される溝４１においても斜面が形成でき、図６に示すように、異なる複数の傾斜角度のタンブラーピン３１を同時に当接させることもできる。
【００３４】
このように、上記した鍵２１によれば、タンブラーピン３１の当接面を、斜面３９としたので、挿入部２１ａの面３７に直行する方向でタンブラーピン３１を当接させるより、タンブラーピン３１が当接する方向の距離が大きくなる。すなわち、挿入部２１ａに直交する方向で、タンブラーピン３１の進退距離範囲を設定するより、傾斜角度を４５度とした場合では約１．４倍の進退距離範囲を確保することができる。これにより、鍵違いを増やすことが可能となる。
【００３５】
また、斜面３９を鍵２１の挿入方向に連続形成させることで、タンブラーピン３１が徐々に後退し、ディンプルに当接する場合に比べて、斜面３９に対するタンブラーピン衝接時の後退動作がスムースになる。
さらに、斜面３９が、斜面３９に直行する方向に変位しているので、３次元加工が必要になり、鍵２１の複製を困難にすることができる。
【００３６】
また、上記した鍵２１の加工方法によれば、エンドミル４３の回転中心４５を挿入部２１ａの面３７に垂直に保持し、エンドミル４３を回転中心軸方向Ｚと、挿入部２１ａの面３７に平行な方向Ｘ，Ｙとに移動させながら、斜面３９を３次元方向の切削によって連続形成するので、従来、エンドミル４３の回転中心４５を面３７に傾斜させて切削を行う場合に比べ、切削抵抗を小さくし、エンドミル４３の撓みを少なくすることができる。これにより、加工を容易にして、加工精度を高めることができる。また、ワークである鍵２１を斜めに保持するなどの煩雑さがなくなり、このことからも加工を容易なものとすることが可能となる。
【００３７】
図７は本発明に係るシリンダー錠の鍵挿入方向に垂直な断面図である。
上記した鍵２１を用いるシリンダー錠２３は、内筒２５に設けた鍵孔２７に、鍵２１の挿入部２１ａを進入させ、この鍵孔２７に異なる複数の角度で突出させた複数のタンブラーピン３１ａ，３１ｂ，３１ｃの所定のものを後退させることで内筒２５に外挿した外筒３３との境にタンブラーピン３１ａ，３１ｂ，３１ｃのシアーライン３５を一致させて、外筒３３に対し内筒２５を回動可能にする。
【００３８】
すなわち、タンブラーピン３１ａ，３１ｂ，３１ｃは、挿入部２１ａの面３７に対して傾斜しているとともに、挿入部２１ａの表裏両面に当接するように配置されている。また、タンブラーピン３１の突出距離は、異なる複数の中から任意なもので設定される。
【００３９】
したがって、このシリンダー錠２３によれば、ピッキング工具等によるタンブラーピン３１ａ，３１ｂ，３１ｃの進退操作がさらに行い難くなり、ピッキング等の不正な解錠操作が困難になる。
また、タンブラーピン３１ａ，３１ｂ，３１ｃの突出距離が複数になり、かつ突出方向も複数となるので、シアーライン３５を一致させ難くなり、これによっても一層ピッキング等の不正な行為を困難なものにすることができる。
【００４０】
さらに、タンブラーピン３１を傾斜配置することは、複数の傾斜方向からのタンブラーピン３１ａ，３１ｂ，３１ｃの当接を可能にでき、鍵違い数も増やすことができる。
【００４１】
なお、上記の実施の形態では、先端に向かって斜面３９の傾斜角度で徐々に細くなるように形成したエンドミル４３を用いたが、エンドミル４３としては、三次元切削に好適なボールエンドミル等を用いることも可能である。
【００４２】
また、上記の実施の形態による加工方法では、エンドミル４３の先端側外周傾斜角度で、斜面３９の傾斜を加工することとしたが、鍵２１の加工方法は、このエンドミル４３の傾斜角度には依存させず、エンドミル４３の回転中心４５を例えば図３のＺ，Ｘ方向に移動させることにより、図３中破線で示した斜面３９ｄを形成するものであってもよい。さらに、このように水平移動と垂直移動とを同時に可変制御させる切削によれば、曲面状の斜面を形成することも可能になり、よりピッキングの困難な鍵２１の加工も可能にすることができる。そして、このような鍵２１の場合には、シリンダー錠２３内のタンブラーピン３１の角度も斜面３９ｄに対応させ、異なる角度で構成させることとし、すなわち、斜面３９ｄに対してタンブラーピン３１が垂直に当接するように構成させる。
【００４３】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る鍵によれば、挿入部の少なくとも表裏一方の面に、タンブラーピンの先端が当接する斜面を形成し、この斜面を、斜面に直行する方向に変位させかつ挿入部の面内で連続させて形成したので、挿入部の面に直行する方向でタンブラーピンを当接させるものより、タンブラーピンが当接する方向の距離を大きく確保することができ、鍵違いを増やすことができる。
また、斜面を連続形成させたので、鍵を挿入した際のタンブラーピン衝接時の後退動作をスムースにすることができる。
さらに、斜面を、斜面に直行する方向に変位させて形成するので、３次元加工が必要になり、鍵の複製を困難にすることができる。
【００４４】
また、鍵の挿入部に連続する斜面に加え、すり鉢状の凹部を併設することで、挿入部の面に垂直方向に進退するタンブラーピンもシリンダー錠に配設できるようになり、鍵違いをさらに増やすことができる。
【００４５】
本発明に係る鍵の加工方法によれば、先端に向かって斜面の傾斜角度で徐々に細くなるエンドミルを用い、エンドミルの回転中心を挿入部の面に垂直に保持しながら、エンドミルを回転中心軸方向と、挿入部の面に平行な方向とに移動させながら斜面を連続形成するので、従来、エンドミルの回転中心を挿入部の面に傾斜させて切削を行う場合に比べ、切削抵抗を受けることによるエンドミルの撓みを少なくでき、加工を容易にして、加工精度を高めることができる。
【００４６】
本発明に係るシリンダー錠によれば、タンブラーピンを、鍵挿入部の面に傾斜させて配設し、かつタンブラーピンの突出距離を複数に設定したので、タンブラーピンの進退方向が鍵挿入部の面に対して傾斜方向となり、ピッキング等の不正な解錠操作が困難になるのに加え、シアーラインを一致させるためのタンブラーピンの突出距離も複数になるのでさらにピッキング等の不正行為を困難なものにすることができ、防犯性が向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る鍵の正面図である。
【図２】二次元切削により斜面を形成した鍵の先端拡大斜視を（ａ）、その場合のエンドミルの移動方向を（ｂ）で表した鍵加工の説明図である。
【図３】三次元切削により斜面を形成した鍵の先端拡大斜視を（ａ）、その場合のエンドミルの移動方向を（ｂ）で表した鍵加工の説明図である。
【図４】浅い斜面への当接を（ａ）、深い斜面への当接を（ｂ）で表したタンブラーピン当接状況の説明図である。
【図５】斜面に当接したタンブラーピンを（ａ）、その側面視を（ｂ）で表したタンブラーピン進退状況の説明図である。
【図６】複数の傾斜角度でタンブラーピンを配設した例の説明図である。
【図７】本発明に係るシリンダー錠の鍵挿入方向に垂直な断面図である。
【図８】従来の鍵の正面図である。
【図９】従来の鍵を用いるシリンダー錠の鍵挿入方向に平行な断面図である。
【図１０】従来の鍵を挿入したシリンダー錠の鍵挿入方向に平行な断面図である。
【図１１】従来のシリンダー錠の鍵挿入方向に垂直な断面図である。
【符号の説明】
２１…鍵
２１ａ…挿入部
２３…シリンダー錠
２５…内筒
２７…鍵孔
３１…タンブラーピン
３３…外筒
３５…シアーライン
３７…面
３９…斜面
４３…エンドミル
４５…回転中心[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a key, a processing method thereof, and a cylinder lock using the key, and more particularly, to an improved technique of a key and a cylinder lock effective for preventing unauthorized unlocking called picking.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a crime called picking, in which unauthorized unlocking is performed by operating a tumbler in a keyhole by using a special tool, has frequently occurred. Therefore, measures against the unauthorized unlocking have been started by making the cylinder lock portion of the locking device difficult to pick against such unauthorized unlocking.
[0003]
As this type of cylinder lock, as shown in FIG. 8, for example, there is a type using a mortar-shaped recess, that is, a key 3 provided with so-called dimples 1 at predetermined positions on the front and back surfaces.
This type of cylinder lock moves the tumbler pin forward and backward according to the dimple 1 of the key 3 inserted into the key hole, and aligns the shear line of the tumbler pin with the boundary between the outer cylinder and the outer cylinder. The inner cylinder is unlocked by releasing the rotation restriction with respect to the outer cylinder.
[0004]
As shown in FIG. 9, the cylinder lock 5 rotates the inner cylinder 13 because the tumbler pin 7 is pushed by the spring 9 with the key 3 removed, and penetrates the outer cylinder 11 and the inner cylinder 13. I can't.
On the other hand, as shown in FIG. 10, when the key 3 is inserted, the tumbler pin 7 at a predetermined location is retracted according to the shape of the dimple 1 of the key 3, and the shear line 15 of the tumbler pin 7 is moved to the outer cylinder 11 and the inner cylinder 13. The inner cylinder 13 can be rotated at the same boundary.
[0005]
Conventionally, as shown in FIG. 11, the tumbler pin 7 used for this type of cylinder lock 17 mainly comes into contact with the front and back surfaces of the key insertion portion 3a from the vertical direction, and the tumbler is inclined at a predetermined angle on the front and back surfaces. The pin 7 was used as an auxiliary.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the conventional key described above has the tumbler pin abutting mainly in a direction perpendicular to the surface of the insertion portion 3a, a large distance (advance / retreat distance) in the direction in which the tumbler pin abuts cannot be secured. , Could not increase the key difference. That is, the distance in the direction in which the tumbler pin comes into contact depends on the thickness of the insertion portion 3a. On the other hand, if the thickness of the insertion portion is increased, the keyhole becomes larger, and unauthorized unlocking is facilitated.
[0007]
In addition, as a key processing method, generally, an end mill is used for cutting, but when forming dimples in an oblique direction, conventionally, the dimple is cut with the end mill rotation center inclined or a key that is a workpiece is used. Since the cutting was performed while being held at an angle with respect to the center of rotation of the end mill, the end mill was susceptible to cutting resistance, which caused the end mill to bend, reducing workability and reducing machining accuracy.
[0008]
Furthermore, the cylinder lock using a conventional key has a structure in which the tumbler pin advances and retreats with respect to the mortar-shaped dimple. Therefore, when the molding direction of the dimple is oblique, the tumbler pin retracts when the key is inserted. There was a case where an impact was generated. For this reason, the tumbler pin in the oblique direction has not been used as the main tumbler pin because of relatively high wear.
[0009]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and a first object of the present invention is to ensure a large set distance range in the direction in which the tumbler pin abuts, and to smoothly perform the backward movement operation at the time of tumbler pin contact. It is to provide a key that can be.
A second object of the present invention is to provide a key processing method that can reduce the bending of the end mill due to receiving cutting force, facilitate processing, and increase processing accuracy.
Furthermore, the third purpose is to provide a cylinder lock in which the tumbler pin can be advanced and retracted in an inclined direction with respect to the surface of the key insertion portion, and the protrusion distance of the tumbler pin for matching the shear line can be set to a plurality. It is to provide.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
Next, means for solving the above problems will be described with reference to the drawings corresponding to the embodiments.
The key 21 according to the first aspect of the present invention has a plate-like insertion portion 21 a formed in a predetermined width length inserted into a key hole 27 provided in the inner cylinder 25 of the cylinder lock 23 and protruded into the key hole 27. By reversing a predetermined one of the plurality of tumbler pins 31, the shear line 35 of the tumbler pin 31 is aligned with the boundary of the outer cylinder 33 that is extrapolated to the inner cylinder 25, so A key 21 for unlocking the cylinder 25 by being rotatable,
The tip of the tumbler pin 31 comes into contact with at least one of the front and back surfaces of the insertion portion 21a, is inclined only in the direction of the straight side periphery of the insertion portion, and is planar in the insertion direction from the distal end edge to the base side of the insertion portion. Are formed so as to be displaced in a direction perpendicular to the inclined surface 39 and continuously in the surface 37. The inclined surface 39 has a plurality of positions corresponding to a plurality of positions in the insertion direction of the inclined surface. The tip of the tumbler pin 31 is in contact with each other, and an inclined surface for matching the shear line 35 is formed .
[0011]
In the key 21, the distance in the direction in which the tumbler pin 31 abuts is larger than in the case where the tumbler pin 31 abuts on the key 21 in a direction perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21 a. That is, within the thickness of the insertion portion 21a that is orthogonal to the insertion portion 21a, the advance / retreat distance range of the tumbler pin 31 is set. For example, when the inclination angle is 45 degrees, the advance / retreat distance is about 1.4 times. A range can be secured. Thereby, a key difference can be increased. Further, by making the inclined surface 39 continuous, the tumbler pin 31 gradually retreats, and the retreating operation at the time of the tumbler pin contact with the inclined surface 39 becomes smoother. Furthermore, since the inclined surface 39 is displaced so as to be continuous in a direction perpendicular to the inclined surface 39, three-dimensional processing is required, making it difficult to duplicate the key 21.
[0012]
The key 21 according to claim 2 is characterized in that a mortar-shaped recess is provided on at least one of the front and back surfaces 37 of the insertion portion 21a.
[0013]
In this key 21, in addition to the continuous slope 39, a mortar-shaped recess is also provided so that a tumbler pin 31 that advances and retreats in the direction perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21 a can also be disposed on the cylinder lock 23. The difference can be further increased.
[0014]
In the method of processing the key 21 according to claim 3, an inclined surface 39 in which the tip of the tumbler pin 31 abuts at least one of the front and back surfaces 37 of the insertion portion 21 a entering the key hole 27 is directed in a direction perpendicular to the inclined surface 39. A processing method of the key 21 to be displaced and continuously formed in the surface 37,
Using an end mill 43 that gradually becomes narrower at the inclination angle of the slope 39 toward the tip,
While holding the rotation center 45 of the end mill 43 perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21a,
The inclined surface 39 is continuously formed while the end mill 43 is moved in the direction of the rotation center axis and in a direction parallel to the surface 37.
[0015]
In the processing method of the key 21, the rotation center 45 of the end mill 43 is held perpendicularly to the surface 37 of the insertion portion 21a, and the end mill 43 is held in the rotation center axis direction Z and the directions X and Y parallel to the surface 37 of the insertion portion 21a. Since the slope 39 is continuously formed by cutting in a three-dimensional direction while being moved, the cutting resistance is reduced compared with the conventional case where the rotation center 45 of the end mill 43 is inclined to the surface 37 of the insertion portion 21a. In addition, the bending of the end mill 43 is reduced. Thereby, processing becomes easy and processing accuracy increases.
[0016]
In the cylinder lock 23 according to the fourth aspect, a plate-like insertion portion 21 a is inserted into a key hole 27 provided in the inner cylinder 25, and a predetermined one of a plurality of tumbler pins 31 protruding into the key hole 27 is retracted. The cylinder lock 23 enables the inner cylinder 25 to rotate with respect to the outer cylinder 33 by aligning the shear line 35 of the tumbler pin 31 with the boundary with the outer cylinder 33 that is externally inserted into the inner cylinder 25. And
The tumbler pin 31 is disposed to be inclined with respect to the surface 37 of the insertion portion 21a, and the protruding distance of the tumbler pin 31 is set to a plurality.
[0017]
In this cylinder lock 23, the advancing / retreating direction of the tumbler pin 31 is inclined with respect to the surface 37 of the key insertion portion 21a, and compared with a conventional structure in which the tumbler pin 31 is advanced / retracted in a vertical or horizontal direction, by a picking tool or the like. It becomes difficult to perform an illegal advance / retreat operation of the tumbler pin 31, that is, an illegal unlocking action. In addition, since the protrusion distance of the tumbler pin 31 is plural, it is difficult to easily match the shear lines 35, which also makes picking difficult and improves crime prevention.
[0018]
The cylinder lock 23 according to claim 5 is characterized in that the tumbler pins 31 are arranged at a plurality of different inclination angles with respect to the surface 37 of the insertion portion 21a.
[0019]
In the cylinder lock 23, the tumbler pins 31 come into contact with each other from a plurality of different inclination angles, making unauthorized unlocking operations such as picking difficult, and simultaneously increasing the number of key differences.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Preferred embodiments of a key, a processing method thereof, and a cylinder lock using the key according to the present invention will be described below in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a front view of a key according to the present invention, FIG. 2 is an enlarged perspective view of the tip of a key formed with a slope by two-dimensional cutting, and (a) shows the direction of movement of the end mill in that case. FIG. 3 is an explanatory view of key processing, in which (a) shows an enlarged perspective view of the tip of a key formed with a slope by three-dimensional cutting, and (b) shows the moving direction of the end mill in that case.
[0021]
The key 21 according to the present embodiment makes it possible to unlock the tumbler pin type cylinder lock 23 (see FIG. 4).
That is, the key 21 has a plurality of tumbler pins 31 protruding into the key hole 27 by inserting a plate-like insertion portion 21 a formed in a predetermined width into a key hole 27 provided in the inner cylinder 25 of the cylinder lock 23. By reversing a predetermined one, the shear line 35 of the tumbler pin 31 is aligned with the boundary of the outer cylinder 33 extrapolated to the inner cylinder 25 so that the inner cylinder 25 can be rotated with respect to the outer cylinder 33. Do the lock.
[0022]
The key 21 has a slope 39 with which the tip of the tumbler pin 31 abuts on at least one of the front and back surfaces 37 of the insertion portion 21a. The inclined surface 39 continues in the surface 37 while being displaced in a direction perpendicular to the inclined surface 39. The tip of the tumbler pin 31 abuts on the inclined surface 39 vertically.
[0023]
In the present embodiment, the inclined surface 39 is described as having an inclination angle of 45 degrees with respect to the surface 37 of the insertion portion 21a, but it may of course have an inclination angle other than this.
[0024]
In addition to being continuous along the peripheral edge of the insertion portion 21a, the inclined surface 39 may be formed on the inner wall of the groove 41 by forming a straight groove 41 at the approximate center in the longitudinal direction that is the insertion direction of the insertion portion 21a. . In addition, the slope 39 may be formed on both the front and back surfaces of the insertion portion 21a. In this case, when inserting the key 21 into the key hole 27 of the cylinder lock 23, it is not necessary to pay attention to the front and back surfaces.
[0025]
Therefore, as shown in FIG. 1, the insertion portion 21a has a substantially semi-oval shape without a substantially serrated notch like a conventional key.
[0026]
Further, the distal end of the insertion portion 21a is a taper 38 that gradually decreases in thickness toward the distal end in order to improve the insertability into the key hole 27.
[0027]
The slope 39 is obtained by milling and machining using an end mill 43. As shown in FIGS. 2 and 3, the end mill 43 is formed so as to be gradually narrowed at an inclination angle of the inclined surface 39 toward the tip, that is, an inclination angle of 45 degrees in the present embodiment. The end mill 43 has a plurality of cutting edges in the outer peripheral direction and the tip surface.
The end mill 43 is held so that the rotation center 45 is always perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21a.
[0028]
Therefore, as shown in FIG. 2, the rotation center 45 is parallel to the surface 37 of the insertion portion 21a (X and Y directions) within a certain cutting depth d, preferably a distance slightly shorter than the thickness of the insertion portion 21a. If the cutting is performed in a two-dimensional direction, an inclined surface 39 having an inclination angle at the end of the end mill can be formed at the edge portion of the surface 37 of the insertion portion 21a, and the inclined surface 39 having a constant inclination length can be formed at a desired position. In addition, it can be continuously formed with a constant cutting depth.
[0029]
Further, in the present embodiment, as shown in FIG. 3, cutting is performed while moving the end mill 43 in the Z direction that is the axial direction of the rotation center 45 in addition to the X and Y directions. That is, the slope 39 is formed by three-dimensional cutting. Thereby, the inclined surface 39 displaced in the direction orthogonal to the inclined surface 39 on the surface 37 of the insertion portion 21a can be continuously formed in the surface 37 while varying the cutting depth.
2, P, P 1, P 2, and P 3 indicate the tip contact position of the tumbler pin 31.
[0030]
In addition, the key 21 may be provided with a dimple that is a mortar-shaped recess formed perpendicular to the surface of the insertion portion 21 a together with the inclined surface 39. In addition to the continuous inclined surface 39 as described above, the dimples are also provided so that a tumbler pin that advances and retreats in the direction perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21a can be arranged in the cylinder lock, and the key difference can be further increased. It becomes like this.
[0031]
FIG. 4 is an explanatory diagram of a tumbler pin contact state in which contact with a shallow slope is represented by (a) and contact with a deep slope is represented by (b), and FIG. 5 shows a tumbler pin in contact with the slope (a). FIG. 6 is an explanatory view of the tumbler pin advance / retreat state represented by (b) in a side view, and FIG. 6 is an explanatory view of an example in which tumbler pins are arranged at a plurality of inclination angles.
[0032]
The inclined surface 39 can be formed in a plurality of depths such as a shallow inclined surface 39a shown in FIG. 4A and a deep inclined surface 39b shown in FIG. 4B by being displaced in a direction perpendicular to the inclined surface 39. Correspondingly, as shown in FIG. 5, the setting of the tumbler pin protrusion length is variously increased.
That is, a displaceable region of 2 times the square root (about 1.4 times) can be secured as compared with the case where the depth is changed in the thickness direction (direction perpendicular to the surface 37) of the insertion portion 21a. That is, the number of key differences can be increased.
[0033]
Further, since the key 21 can be provided with the inclined surface 39 in an arbitrary direction by processing the end mill, the inclined surface can be formed also in the groove 41 formed in advance in the insertion portion 21a. As shown in FIG. The tumbler pins 31 having the inclination angle can be simultaneously brought into contact with each other.
[0034]
As described above, according to the key 21 described above, the contact surface of the tumbler pin 31 is the inclined surface 39, and therefore, the tumbler pin 31 is made to contact the tumbler pin 31 in a direction perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21a. The distance in the direction in which the abuts increases. In other words, when the inclination angle is set to 45 degrees, the advance / retreat distance range of about 1.4 times can be secured when the advance / retreat distance range of the tumbler pin 31 is set in the direction orthogonal to the insertion portion 21a. Thereby, it is possible to increase key differences.
[0035]
Further, by continuously forming the inclined surface 39 in the insertion direction of the key 21, the tumbler pin 31 is gradually retracted and the retreating operation at the time of the tumbler pin contact with the inclined surface 39 becomes smoother. .
Furthermore, since the inclined surface 39 is displaced in a direction perpendicular to the inclined surface 39, three-dimensional processing is required, making it difficult to duplicate the key 21.
[0036]
Further, according to the processing method of the key 21 described above, the rotation center 45 of the end mill 43 is held perpendicular to the surface 37 of the insertion portion 21a, and the end mill 43 is parallel to the rotation center axis direction Z and the surface 37 of the insertion portion 21a. Since the inclined surface 39 is continuously formed by cutting in a three-dimensional direction while moving in various directions X and Y, the cutting resistance can be reduced compared to the conventional case where cutting is performed with the rotation center 45 of the end mill 43 inclined to the surface 37. It is possible to reduce the bending of the end mill 43. Thereby, processing can be facilitated and processing accuracy can be increased. Further, the trouble of holding the key 21 which is a work at an angle is eliminated, and this makes it possible to facilitate the processing.
[0037]
FIG. 7 is a cross-sectional view perpendicular to the key insertion direction of the cylinder lock according to the present invention.
The cylinder lock 23 using the key 21 described above has a plurality of tumbler pins 31a which are inserted into a key hole 27 provided in the inner cylinder 25 and the insertion portion 21a of the key 21 is protruded from the key hole 27 at a plurality of different angles. , 31b, 31c are moved backward so that the shear lines 35 of the tumbler pins 31a, 31b, 31c are aligned with the boundary of the outer cylinder 33 that is externally inserted into the inner cylinder 25, so that the inner cylinder 25 can be rotated.
[0038]
That is, the tumbler pins 31a, 31b, and 31c are inclined with respect to the surface 37 of the insertion portion 21a and are disposed so as to contact both the front and back surfaces of the insertion portion 21a. Moreover, the protrusion distance of the tumbler pin 31 is arbitrarily set from a plurality of different distances.
[0039]
Therefore, according to this cylinder lock 23, the advance / retreat operation of the tumbler pins 31a, 31b, 31c with a picking tool or the like is further difficult to perform, and an illegal unlocking operation such as picking becomes difficult.
Further, since the projection distances of the tumbler pins 31a, 31b, 31c are plural and the projection directions are plural, it is difficult to match the shear lines 35, and this also makes illegal actions such as picking more difficult. can do.
[0040]
Further, the inclined arrangement of the tumbler pins 31 enables the contact of the tumbler pins 31a, 31b, 31c from a plurality of inclination directions, and can increase the number of key differences.
[0041]
In the above-described embodiment, the end mill 43 formed so as to be gradually narrowed toward the tip at the inclination angle of the inclined surface 39 is used. As the end mill 43, a ball end mill suitable for three-dimensional cutting is used. It is also possible.
[0042]
Further, in the machining method according to the above embodiment, the slope of the slope 39 is machined at the tip side outer peripheral slope angle of the end mill 43, but the machining method of the key 21 depends on the slope angle of the end mill 43. Instead, the inclined center 39d indicated by the broken line in FIG. 3 may be formed by moving the rotation center 45 of the end mill 43 in the Z and X directions in FIG. 3, for example. Further, according to the cutting in which the horizontal movement and the vertical movement are variably controlled in this way, it is possible to form a curved slope, and it is also possible to process the key 21 that is more difficult to pick. . In the case of such a key 21, the angle of the tumbler pin 31 in the cylinder lock 23 also corresponds to the inclined surface 39 d and is configured to have a different angle, that is, the tumbler pin 31 is perpendicular to the inclined surface 39 d. It is made to abut.
[0043]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the key according to the present invention, the inclined surface with which the tip of the tumbler pin abuts is formed on at least one surface of the insertion portion, and the inclined surface is displaced in a direction perpendicular to the inclined surface. Since it is formed continuously in the plane of the insertion portion, it can secure a larger distance in the direction in which the tumbler pin abuts than that in which the tumbler pin abuts in the direction perpendicular to the surface of the insertion portion. You can increase the difference.
Further, since the slope is continuously formed, the retreating operation at the time of tumbler pin contact when the key is inserted can be made smooth.
Furthermore, since the slope is formed by being displaced in a direction perpendicular to the slope, three-dimensional processing is required, making it difficult to duplicate the key.
[0044]
In addition to the slope that continues to the key insertion part, a mortar-shaped concave part is also provided so that a tumbler pin that advances and retreats in the direction perpendicular to the surface of the insertion part can also be arranged on the cylinder lock. Can be increased.
[0045]
According to the key machining method of the present invention, the end mill is gradually narrowed toward the tip at an inclination angle of the inclined surface, and the end mill is rotated around the rotation center axis while maintaining the rotation center of the end mill perpendicular to the surface of the insertion portion. Since the slope is continuously formed while moving in the direction parallel to the direction of the insertion portion and the surface of the insertion portion, it is subject to cutting resistance compared to the conventional case where cutting is performed with the rotation center of the end mill inclined to the surface of the insertion portion. Can reduce the bending of the end mill, facilitate the processing, and increase the processing accuracy.
[0046]
According to the cylinder lock according to the present invention, the tumbler pin is disposed so as to be inclined on the surface of the key insertion portion, and the protrusion distance of the tumbler pin is set to a plurality. In addition to making it difficult to perform unauthorized unlocking operations such as picking, the tumbler pins have multiple protrusion distances to match the shear lines, making it more difficult to perform illegal acts such as picking. It can be made into a thing, and a crime prevention property will improve.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a key according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view of key processing in which an enlarged perspective view of the tip of a key formed with a slope by two-dimensional cutting is shown in (a), and the moving direction of the end mill in that case is shown in (b).
FIG. 3 is an explanatory view of key processing in which an enlarged perspective view of the tip of a key having a slope formed by three-dimensional cutting is shown in (a), and the moving direction of the end mill in that case is shown in (b).
FIG. 4 is an explanatory diagram of a tumbler pin contact state in which contact with a shallow slope is represented by (a) and contact with a deep slope is represented by (b).
FIG. 5 is an explanatory diagram of a tumbler pin advance / retreat situation in which a tumbler pin that is in contact with a slope is represented by (a) and a side view thereof is represented by (b).
FIG. 6 is an explanatory diagram of an example in which tumbler pins are arranged at a plurality of inclination angles.
FIG. 7 is a cross-sectional view perpendicular to the key insertion direction of the cylinder lock according to the present invention.
FIG. 8 is a front view of a conventional key.
FIG. 9 is a cross-sectional view parallel to the key insertion direction of a cylinder lock using a conventional key.
FIG. 10 is a cross-sectional view parallel to the key insertion direction of a conventional cylinder lock with a key inserted therein.
FIG. 11 is a cross-sectional view perpendicular to the key insertion direction of a conventional cylinder lock.
[Explanation of symbols]
21 ... Key 21a ... Insert 23 ... Cylinder lock 25 ... Inner cylinder 27 ... Key hole 31 ... Tumbler pin 33 ... Outer cylinder 35 ... Shear line 37 ... Surface 39 ... Slope 43 ... End mill 45 ... Center of rotation

Claims

シリンダー錠の内筒に設けた鍵孔に所定幅長に形成される板状の挿入部を進入させ、該鍵孔に突出した複数のタンブラーピンの所定のものを後退させることで前記内筒に外挿した外筒との境に前記タンブラーピンのシアーラインを一致させて、前記外筒に対し前記内筒を回動可能にして解錠を行う鍵であって、
前記挿入部の少なくとも表裏一方の面に、前記タンブラーピンの先端が当接し、挿入部の直線状側周縁の方向にのみ傾斜し、挿入部の先端縁から基部側にかけて挿入方向に面状に連続する傾斜面を、該斜面に直行する方向に変位させかつ前記面内で連続させて形成し、該斜面には、その斜面の挿入方向の複数位置に、対応する前記複数のタンブラーピンの先端が当接して、その前記シアーラインを一致させるための斜面が形成されたことを特徴とする鍵。A plate-like insertion portion formed in a predetermined width is inserted into a key hole provided in the inner cylinder of the cylinder lock, and a predetermined one of a plurality of tumbler pins protruding into the key hole is moved backward to the inner cylinder. A key for unlocking the inner cylinder by allowing the inner cylinder to rotate with respect to the outer cylinder by matching the shear line of the tumbler pin with the boundary between the outer cylinder and the extrapolated outer cylinder,
The tip of the tumbler pin comes into contact with at least one of the front and back surfaces of the insertion portion, and is inclined only in the direction of the linear side periphery of the insertion portion, and continues in a plane shape in the insertion direction from the tip edge of the insertion portion to the base side. An inclined surface is formed to be displaced in a direction perpendicular to the slope and continuous in the plane, and the tip of the plurality of tumbler pins corresponding to a plurality of positions in the insertion direction of the slope is formed on the slope. A key characterized in that a slope is formed for abutting and matching the shear line .

前記挿入部の少なくとも表裏一方の面に、すり鉢状の凹部を併設したことを特徴とする請求項１記載の鍵。 The key according to claim 1, wherein a mortar-shaped recess is provided on at least one of the front and back surfaces of the insertion portion.

鍵孔に進入する挿入部の少なくとも表裏一方の面に、タンブラーピンの先端が当接し、挿入部の直線状側周縁の方向にのみ傾斜し、挿入部の先端縁から基部側にかけて挿入方向に面状に連続する傾斜面を、該斜面に直行する方向に変位させかつ前記面内で連続させて形成する鍵の加工方法であって、
先端に向かって前記斜面の傾斜角度で徐々に細くなるエンドミルを用い、
該エンドミルの回転中心を前記挿入部の面に垂直に保持しながら、
該エンドミルを回転中心軸方向と、前記面に平行な方向とに移動させながら前記斜面を連続形成することを特徴とする請求項１に記載の鍵の加工方法。The tip of the tumbler pin comes into contact with at least one of the front and back surfaces of the insertion portion that enters the keyhole, and is inclined only in the direction of the straight side peripheral edge of the insertion portion, and faces in the insertion direction from the leading edge of the insertion portion to the base side. A key processing method of forming an inclined surface that is continuous in a shape to be displaced in a direction perpendicular to the inclined surface and continuously in the surface,
Using an end mill that gradually narrows at the inclination angle of the slope toward the tip,
While maintaining the rotation center of the end mill perpendicular to the surface of the insertion part,
The key processing method according to claim 1, wherein the inclined surface is continuously formed while the end mill is moved in a rotation center axis direction and a direction parallel to the surface.

請求項１に記載の鍵を用い、内筒に設けた鍵孔に前記鍵の板状の挿入部を進入させ、該鍵孔に突出した複数のタンブラーピンの所定のものを後退させることで前記内筒に外挿した外筒との境に前記タンブラーピンのシアーラインを一致させて、前記外筒に対し前記内筒を回動可能にするシリンダー錠であって、
前記タンブラーピンを前記挿入部の面に対して傾斜させて配設し、かつ前記タンブラーピンの突出距離を複数に設定したことを特徴とするシリンダー錠。Using the key according to claim 1, the plate-like insertion portion of the key is inserted into a key hole provided in an inner cylinder, and a predetermined one of a plurality of tumbler pins protruding into the key hole is retracted. A cylinder lock that allows the inner cylinder to rotate with respect to the outer cylinder by matching the shear line of the tumbler pin to the boundary with the outer cylinder that is extrapolated to the inner cylinder,
A cylinder lock characterized in that the tumbler pin is disposed to be inclined with respect to the surface of the insertion portion, and the protruding distance of the tumbler pin is set to a plurality.

前記タンブラーピンを前記挿入部の面に対して異なる複数の傾斜角度で配設したことを特徴とする請求項４記載のシリンダー錠。 The cylinder lock according to claim 4, wherein the tumbler pins are arranged at a plurality of different inclination angles with respect to the surface of the insertion portion.