JP4476274B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には洗濯機に関し、特定的には洗濯物が接触する洗浄槽の内壁面に繁殖する微生物を除菌する機能を備えた洗濯機に関するものである。
洗濯機で洗濯を行うと、洗浄槽の内壁面に石鹸カスが蓄積する。この石鹸カスを栄養源として細菌やカビといった微生物が繁殖する。細菌やカビが繁殖する箇所は、基本的には洗浄槽内のあらゆる箇所である。普段、水が頻繁に接触する洗浄槽の底部のみならず、たとえば、汚れが蓄積しやすい喫水線の部分や、最高水位時の水面より上方にあり、頻繁に水が接触しない洗浄槽の上部にも、洗濯中に水滴が飛沫となって付着したり、脱水時に内壁に沿って上昇した水が残留したりするため、微生物が繁殖する。
洗浄槽の底部など、洗濯時に水や洗濯物が接触する部分は、洗濯の度に洗浄されることになるため、日常的に洗濯している場合、微生物の繁殖は限られている。しかしながら、洗浄槽の上部に対しては、そのような洗浄効果が弱いため、微生物が激しく繁殖することがある。このような状況で、洗濯を繰り返すと、洗濯水中に微生物が分散し、洗濯物を汚染してしまうという問題が起こる。また、洗浄槽に微生物が繁殖していると、生活環境への微生物の飛散などが危惧されるとともに、視覚的にも使用者に不快感を与えてしまう。このような問題を解決するために、槽洗浄の機能を備えた洗濯機が提案されている。
たとえば、特開2004−321683号公報(特許文献1)では、抗菌性のある薬液を微生物の繁殖しやすい場所へ効果的に散布するために、回転可能な洗濯槽と、洗濯槽を内包する水受槽と、抗菌剤の溶けた薬液とを備え、薬液は、洗濯槽の回転する遠心力によって飛散し、洗濯槽の外側あるいは水受槽の内側に散布するようにした洗濯機が提案されている。
また、特開平9−56972号公報(特許文献2)では、槽の洗浄効果が充分に得られるようにするために、槽洗浄コースを設け、給水時または排水時に、最終到達水位より低い複数段階の水位でそれぞれ給水または排水を中断し、槽内に溜まった水または槽内に残った水の撹拌を所定時間ずつ行なうようにした洗濯機が提案されている。
さらに、特開2000−308793号公報(特許文献3)では、槽洗浄コースによって、洗濯兼脱水槽をきれいに洗浄するために、外槽内に回転自在に配置された洗濯兼脱水槽を備え、洗濯コースで設定される水位よりも上方の位置に設けられ、その位置まで来た水を排出する溢水口を外槽に備えると共に、槽洗浄コースの運転において、外槽内に溜めた水が撹拌されることによって溢水口から溢れ出すように、パルセータを回転させる洗濯機が提案されている。
特開2004−321683号公報 特開平9−56972号公報 特開2000−308793号公報
特開2004−321683号公報(特許文献1)で提案された槽洗浄は、内側に洗濯槽(内槽)、外側に水槽(外槽)を備えた、すなわち、二重槽構造の洗濯機の外槽をターゲットとして、内槽の外側あるいは外槽の内側に薬剤を散布することにより洗浄するものである。つまり、内槽と外槽の間に薬剤を散布しており、洗濯物が直接接触する洗濯槽の内側の壁面には薬剤が接触しない。また、内槽や外槽とは別に水貯留室を備え、その水貯留室の水を薬剤の散布に使用する必要がある。
仮に、内槽や外槽の水に薬剤を加え、その水と薬剤を遠心力で壁面に沿って流動させるとしても、内槽の内側の壁面には貫通孔があいているため、貫通孔から水と薬剤が流出し、すべての壁面を網羅することができない。内槽の内側の壁面にも、たとえば、喫水線付近や上部では細菌やカビが繁殖するおそれがあるにもかかわらず、上記公報で提案された槽洗浄では、当該箇所に薬剤が接触しないため、除菌・抗菌効果を期待することができない。
特開平9−56972号公報(特許文献2)で提案された洗濯機では、給水および排水を段階的に数回中断して攪拌を行っている。これは、段階的に水位を変えながら攪拌することによって、水面付近を洗浄するためである。そのため、この方式で、最高水位より上方の洗浄槽の上部を洗浄するためには、最高水位付近の水位で攪拌を実施する必要があり、水を大量に消費する必要がある。
また、段階的な洗浄を数回行うことにより洗濯機の運転時間が長くなり、その分多くの電力消費が必要となる。共働き世帯が増えている現代、洗濯に要する時間は短ければ短いほど利便性がよい。このように省エネルギーの観点と利便性の点から洗濯機の運転時間短縮が望まれる傾向において、槽洗浄のために洗濯機の運転時間が長くなるのは時代に逆行している。
特開2000−308793号公報(特許文献3)で提案された洗濯機では、槽洗浄のために水を外槽内にほぼ最高水位程度まで溜める必要があるので、水資源を大量に使用しなければならない。したがって、環境負荷の少ない製品がこれからの時代には必要とされる傾向において、この洗濯機は環境を配慮したものではない。
そこで、この発明の目的は、洗浄槽の下部から上部までのすべての内壁面に対して有効に除菌効果を付与することができるとともに、洗浄槽の洗浄に要する運転時間を短く、洗浄に使用する水量も少なくすることが可能な洗濯機を提供することである。
この発明に従った洗濯機は、槽壁に孔がなく、かつ、開口部に向かうにつれて内壁面の径が大きくなるように形成されている回転可能な洗浄槽と、洗浄槽内に殺菌作用を有する水を供給することが可能な水供給部とを備える。すなわち、洗浄槽は、上部開口部の径が下部の径よりも大きい、いわゆるテーパ型の洗浄槽である。そして、この発明の洗濯機は、水供給部によって洗浄槽内に供給された殺菌作用を有する水が、洗浄槽を回転させることによって生じる遠心力で洗浄槽の最上部から排出されない程度の低速で洗浄槽を回転させることにより、殺菌作用を有する水が洗浄槽の内壁面に沿って流動して洗浄槽の内壁面を除菌する内壁面除菌機能を有することを特徴とするものである。
このように構成することにより、洗浄槽内に供給された殺菌作用を有する水が、洗浄槽の回転による遠心力で、いわゆるテーパ型の洗浄槽の内壁面全体に沿って流動するので、少ない量の水でも、殺菌作用を有する水が遠心力により洗浄槽の内壁面の最上部まで到達しやすくなる。このため、洗浄槽の内壁面に付着している石鹸カスや微生物などを洗浄槽の内壁面全体にわたって洗い流すことができるだけでなく、殺菌することもできるので、洗浄槽の内壁面に繁殖したカビや細菌といった微生物を除去し、洗浄槽の内壁面に付着した微生物による洗濯物の汚染を防ぐことができる。
この発明の洗濯機において、水供給部によって洗浄槽内に供給された殺菌作用を有する水が、洗浄槽を回転させることによって生じる遠心力で洗浄槽の最上部から排出される程度の高速で洗浄槽を回転させることにより、洗浄槽の外側に排出された殺菌作用を有する水で洗浄槽の外壁面を除菌する外壁面除菌機能をさらに有することが好ましい。
この発明の洗濯機においては、洗浄槽を回転させる間に水を洗浄槽内に供給することが好ましい。このとき、洗浄槽の回転速度は低速であることが好ましい。
このようにすることにより、洗浄槽の回転が安定した後に水を洗浄槽内に供給することができるので、水が予め貯留された洗浄槽が回転を開始するときに起こり得る洗浄槽の回転障害(アンバランス)を防ぐことができる。
また、この発明の洗濯機においては、洗浄槽を回転させる間に水を洗浄槽から排出することが好ましい。このとき、洗浄槽の回転速度は高速であることが好ましい。
このようにすることにより、水が遠心力によって洗浄槽の内壁面に均一に流動した後、不要となった水を完全に洗浄槽から取り除くことができる。
さらに、この発明の洗濯機においては、殺菌作用を有する水が銀イオン水であることが好ましい。
このようにすることにより、優れた殺菌効果および防カビ効果を持つ銀イオンにより、洗浄槽の内壁面を殺菌することができ、一度繁殖した細菌を除去することが可能である。
以上のようにこの発明によれば、洗浄槽に供給された殺菌作用を有する水が洗浄槽の回転による遠心力で洗浄槽の内壁面全体に沿って流動するので、洗浄槽の内壁面に付着している石鹸カスや微生物などを洗浄槽の内壁面全体にわたって洗い流すことができるだけでなく、殺菌することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1として、洗濯機の実施の形態を図1に従って説明する。
まず、本実施形態の洗濯機の構成について説明する。図1は、洗濯機1の全体構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、左側が洗濯機1の正面、右側が背面とすると、洗濯機1の背面側に位置する合成樹脂製の上面板11の上面には、同様に合成樹脂製のバックパネル12が重ねられて設けられている。バックパネル12は外箱10または上面板11にネジで固定されている。外箱10の底面開口部には、合成樹脂製のベース13が重ねられている。ベース13は外箱10にネジで固定されている。なお、図1では、上述したネジの図示は省略されている。
ベース13の四隅には、外箱10を床の上に支えるための脚部14a、14bが設けられている。正面側の脚部14aは高さ可変のネジ脚である。脚部14aを回して洗濯機1のレベル出しを行う。背面側の脚部14bは、ベース13と一体成型された固定脚である。
上面板11には、後述する洗濯槽30に洗濯物を投入するための洗濯物投入口15が形成されている。蓋16は、上面板11にヒンジ部17で結合され、上面板11に対して垂直な面内で回動するとともに、洗濯物投入口15を上から覆う。
外箱10の内部には、水槽20と、脱水槽を兼ねる洗濯槽30とが配置されている。洗濯槽30が、繊維構造体を洗浄する洗浄槽に相当する。水槽20および洗濯槽30は、両者ともに、上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々の軸線が鉛直方向に延び、かつ、水槽20が外側、洗濯槽30が内側となるように同心状に配置されている。
洗濯槽30は、上部の開口部に向かうにつれて内壁面の径が大きくなるように形成されている。いいかえれば、洗濯槽30は、上方に向かうにつれて緩やかに広がるテーパー形状の傾斜した内周壁面を有し、より具体的には、逆円錐形の内周壁面を有する。洗濯槽30の槽壁(周壁)には、その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31を除き、液体を通過させるための開口部はない。すなわち、洗濯槽30は、いわゆる「穴なし」タイプである。洗濯槽30の上部開口部の縁には、環状のバランサ32が装着されている。バランサ32は、洗濯物の脱水のため、洗濯槽30を高速回転させたときに、その振動を抑制する働きを有している。洗濯槽30の内部底面には、槽内で洗濯水あるいはすすぎ水の流動を生じさせるためのパルセータ33が配置されている。
水槽20の下面には、駆動ユニット40が装着されている。駆動ユニット40は、モータ41、クラッチ機構42およびブレーキ機構43を含んでおり、その中心部から、脱水軸44とパルセータ軸45とが上向きに突出している。脱水軸44とパルセータ軸45とは、脱水軸44を外側、パルセータ軸45を内側とする二重軸構造となっている。脱水軸44は、下方から上方に向かって水槽20の中に入り込んだ後、洗濯槽30に連結し、これを支えている。パルセータ軸45は、下方から上方に向かって水槽20を貫いてさらに洗濯槽30の中に入り込み、パルセータ33に連結し、これを支えている。脱水軸44と水槽20との間、および、脱水軸44とパルセータ軸45の間には、各々、水もれを防ぐためのシール部材が配置されている。水槽20は、サスペンション部材21によって外箱10内で吊り下げられている。
バックパネル12の下の空間には、電磁的に開閉する給水弁50が配置されている。給水弁50は、バックパネル12を貫通して上方に突きだす接続管51を有している。接続管51には、水道水などの上水を供給する給水ホース(図示せず)が接続されている。また、給水弁50は、容器状の給水口53に接続されている。このようにして、洗濯槽30に水を供給する水供給部が構成されている。
図2は、本発明の実施の形態に係る給水口を模式的に示す縦断面図、図3は本発明の実施の形態に係る給水口の外観を示す平面図である。
図2に示すように、給水弁50はメイン給水弁50aとサブ給水弁50bからなる。メイン給水弁50aは相対的に流量大、サブ給水弁50bは相対的に流量小に設定されている。流量の大小設定は、メイン給水弁50aとサブ給水弁50bの内部構造を互いに異ならせることにより実現してもよく、弁の構造そのものは同じとし、これに絞り率の異なる流量制限部材を組み合わせることにより実現してもよい。接続管51はメイン給水弁50a及びサブ給水弁50bの両方に共通である。
メイン給水弁50aは、金属イオン生成部としてのイオン溶出ユニット100を介して、メイン給水管52aを通じて給水口53の天井部の開口に接続される。この開口は、洗剤室54に向かって開いている。したがって、メイン給水弁50aから流れ出す水は、メイン給水管52aから洗剤室54に注ぎ込まれる。
サブ給水弁50bは、サブ給水管52bを通じて給水口53の天井部の開口に接続される。この開口は、仕上剤室55に向かって開いている。仕上剤室55は、内管57aと外管57bとを有するサイホン部57を備えている。したがって、サブ給水弁50bから流れ出す水は、サブ給水管52bから仕上剤室55に注ぎ込まれる。すなわち、メイン給水弁50aから洗剤室54を通って洗濯槽30に注ぐ経路と、サブ給水弁50bから仕上剤室55を通って洗濯槽30に注ぐ経路とは別系統である。
なお、接続管51の中には、図示しないストレーナが配置されている。ストレーナは、給水弁50の中に異物が入り込まないようにするためのものである。洗剤室54の底部には注水口54aが設けられ、給水口53の底部には注水口56が設けられている。給水口53は引き出し53aを備えている。
図1に示すように、水槽20の底部には、水槽20および洗濯槽30の中の水を外箱10の外に排水する排水ホース60が取り付けられている。排水ホース60には、排水管61および排水管62から水が流れ込む。排水管61は、水槽20の底面の外周寄りの箇所に接続されている。一方、排水管62は、水槽20の底面の中心寄りの箇所に接続されている。
水槽20の内部底面には、排水管62の接続箇所を内側に囲い込むように環状の隔壁63が固定されている。隔壁63の上部には、環状のシール部材64が取り付けられている。シール部材64が洗濯槽30の底部外面に固定したディスク65の外周面に接触することにより、水槽20と洗濯槽30との間に独立した排水空間66が形成されている。排水空間66は、洗濯槽30の底部に形設した排水口67を介して洗濯槽30の内部に連通している。
排水管62には、電磁的に開閉する排水弁68が設けられている。排水管62の排水弁68の上流側にあたる箇所にはエアトラップ69が設けられており、エアトラップ69から導圧管70が延び出ている。導圧管70の上端には、洗濯槽30または水槽20の水量検知手段である水位スイッチ71が接続されている。
外箱10の正面側には、制御部80が配置されている。制御部80は、上面板11の下に置かれており、上面板11の上面に設けられた操作/表示部81を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁50および排水弁68などに動作指令を発する。また、制御部80は、操作/表示部81に表示指令を発する。なお、操作/表示部81にて、殺菌水で洗濯槽壁を洗浄する「槽洗浄コース」を選択することが可能である。
メイン給水弁50aよりも給水経路下流側には、流量検知手段185が配置されている。流量検知手段185は、周知の流量計により構成することができる。流量検知は、水位スイッチ71の検知した単位時間当たりの水量変化や、単位水量の変化に要する時間などから演算して求めるという手法で行うこともできる。また、流量検知を行わず、一般的な給水水圧では、ある範囲の流量しか流れない弁を用いて、流量をある範囲内に設定する構成であってもよい。
前述の通り、洗濯槽30はテーパー状に上方に広がっているので、洗濯槽30が回転すると、洗濯槽30に貯留された水は遠心力によって洗濯槽30の内側の洗濯槽壁を流動して上昇する。洗濯水は、洗濯槽30の上端にたどりついたところで脱水孔31から放出される。脱水孔31を離れた洗濯水は、水槽20の内面にたたきつけられ、水槽20の内面を伝って水槽20の底部に流れ落ちる。そして、上記洗濯水は、排水管61と、それに続く排水ホース60とを通って外箱10の外に排出される。
洗濯機1は、図2と図3に示すように金属イオン生成部としてイオン溶出ユニット100を備える。図2に示すように、イオン溶出ユニット100はメイン給水管52aの上流側に接続される。金属イオン生成部により生成される金属イオンを含んだ水は、殺菌作用を有する水として洗濯槽30に供給される。
図4は本発明の実施の形態に係るイオン溶出ユニットを示す縦断面図、図5は本発明の実施の形態に係るイオン溶出ユニットを示す横断面図である。
以下、図3〜図5を参照して、イオン溶出ユニット100の構造と機能、及び洗濯機1に搭載されて果たす役割について説明する。
図3は、給水弁50、イオン溶出ユニット100、及び給水口53の配置関係を示す部分上面図である。イオン溶出ユニット100の両端はメイン給水弁50aと給水口53とに直接接続されている。すなわち、イオン溶出ユニット100は単独でメイン給水管52aの全体を構成する。サブ給水管52bは給水口53から突出したパイプとサブ給水弁50bとをホースで連結して構成される。なお、図1の模型的表現では、説明の都合上、給水弁50、給水管52(イオン溶出ユニット100を含む)、及び給水口53を洗濯機1の前後方向に並べて描いてあるが、実際の洗濯機ではこれらは前後方向にではなく左右方向に沿って並ぶ形で配置される。
図4に示すように、イオン溶出ユニット100は透明又は半透明の合成樹脂(無色又は着色)、あるいは不透明の合成樹脂からなるケース110を有する。ケース110は、上面が開口したケース本体110aと、その上面開口を閉じる蓋110bとから構成される。図4と図5に示すように、ケース本体110aは細長い形状を有しており、長手方向の一方の端に水の流入口111、他方の端に水の流出口112を備える。流入口111と流出口112はいずれもパイプ形状を有する。流出口112の断面積は流入口111の断面積より小さい。
ケース110は長手方向を水平方向として配置されるものである。図4に示すように、水平に配置されたケース本体110aの底面は、流出口112に向かって次第に低下する傾斜面となっている。すなわち、流出口112はケース110の内部空間において最も低位に設けられている。
蓋110bは、4本のネジ(図示せず)によりケース本体110aに固定される。ケース本体110aと蓋110bの間にはシールリング171が挟み込まれている。
図5に示すように、ケース110の内部には、流入口111から流出口112へと向かう水流に沿う形で、2枚の板状電極113、114が向かい合わせに配置されている。ケース110の中に水が存在する状態で電極113、114に所定の電圧を印加すると、電極113、114の陽極側から電極構成金属の金属イオンが溶出する。電極113、114は、一例として、2cm×5cm、厚さ1mm程度の銀プレートを約5mmの距離を隔てて配置する構成とすることができる。
電極113と端子(図示せず)、及び電極114と端子116はそれぞれ同一の金属素材により一体成形される。電極115、116はケース本体110aの底壁に設けた貫通孔を通じてケース本体110aの下面に導出される。端子116がケース本体110aを突き抜ける箇所には、水密シールが施される。水密シールはスリーブ175とともに二重のシール構造を形成し、ここからの水もれを防ぐ。
図4に示すように、ケース本体110aの下面には、端子116を隔てる絶縁壁173が一体成形されている。端子116は図示しないケーブルを介して制御部80に付属する駆動回路に接続される。
電極113、114の材料は銀に限られない。抗菌性を有する金属イオンのもとになる金属であればよい。電極113、114を構成する金属としては、銀以外では、銅、亜鉛、または、銀、銅、亜鉛の合金であってもよい。銀電極から溶出する銀イオン、亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは、防カビ性に優れている。また、これらの合金からは、成分金属のイオンを同時に溶出させることができるので、優れた殺菌効果および防カビ効果を得ることができる。
イオン溶出ユニット100では、電圧の印加の有無で金属イオンの溶出/非溶出を選択することができる。また、電流や電圧印加時間を制御することにより金属イオンの溶出量を制御することができる。ゼオライトなどの金属イオン担持体から金属イオンを溶出させる方式と比較した場合、金属イオンを投入するかどうかの選択や金属イオンの濃度の調節をすべて電気的に行えるので使い勝手がよい。
イオン溶出ユニット100で生成した金属イオンは、次のようにして洗濯槽30に投入される。
ユーザーが操作/表示部81にて、「槽洗浄コース」を選択した場合、洗濯槽30に金属イオン水を給水する。メイン給水弁50aとサブ給水弁50bの両方が開き、メイン給水管52aとサブ給水管52bの両方に水が流れる。サブ給水弁50bに設定された水量よりも多い、メイン給水弁50aに設定された所定の水量の水流がイオン溶出ユニット100の内部空間を満たすように流れる。これと同時に駆動回路が電極113、114の間に電圧を印加し、電極構成金属のイオンを水中に溶出させる。電極構成金属が銀の場合、陽極側の電極においてAg→Ag+eの反応が生じ、水中に銀イオンAgが溶出する。電極間を流れる電流は直流である。金属イオンが添加された水は洗剤室54に入り、注水口54aから注水口56を経て洗濯槽30に注ぎ込まれる。
洗濯槽30に所定量の金属イオン添加水が投入され、以後、金属イオン非添加水を設定水位まで注げば、すすぎ水の金属イオン濃度が所定値に達する、と判断されたところで電極113、114への電圧印加は停止する。イオン溶出ユニット100が金属イオンを生成しなくなった後もメイン給水弁50aは給水を続け、洗濯槽30の内部の水位が設定水位に達したところで給水を止める。
なお、本実施の形態においては、銀イオン濃度が約90ppbの銀イオン水を使用している。後述するように本実施の形態で示す例は、洗濯槽壁に繁殖した細菌に効果のある銀イオン濃度で実験を行っているが、ターゲットとする微生物が真菌などの場合はさらに高濃度の銀イオン水を使用してもよい。
図6は、本発明の実施の形態1に係る槽洗浄コースS100の工程を示すフローチャートである。
図6を用いて、「槽洗浄コース」の基本的動作の説明を行う。ユーザーが操作/表示部81にて、「槽洗浄コース」を選択した場合、ステップS101では洗濯槽30への給水を開始する。洗濯槽30に所定の水量が貯留されたら、ステップS102にて、洗濯槽30が比較的低速の回転(後述の高速の槽回転よりも低速の槽回転)を行った後、ステップS103にて、洗濯槽30が高速の回転(前述の低速の槽回転よりも高速の槽回転)を行う。ステップS104では、モータ41への通電を断ち、ブレーキをかける等の停止処理を行う。
上記のように行われる「槽洗浄コース」の基本的動作において、本実施形態では、次のような制御を行う。すなわち、殺菌効果のある銀イオン水を所定の水位まで洗濯槽30に溜め、洗濯槽30の回転運動を開始することにより、洗濯槽30に溜まっている銀イオン水を遠心力によって洗濯槽30の内壁面に沿って流動させて上昇させることにより、洗濯槽の内壁面に付着している石鹸カスや微生物を洗い流す。なお、所定の判断を行う主体は制御部80である。
図6のフローチャートにおいて、ステップS101の給水では、制御部80に付属する駆動回路によって、イオン溶出ユニット100に流入してきた水に銀イオンを付与する。銀イオンが付与された水は洗濯槽30に投入される。このとき、洗濯槽30に貯留される銀イオン水の量は、パルセータ33が浸る程度の少量でよく、洗濯槽30の底部から高さ10cm程度の水位である。本実施形態では最高水位(44L)の1/以下である10Lの銀イオン水を洗濯槽30に貯留している。銀イオン水が所定量、洗濯槽30に貯留されたら、ステップS102に進む。
ステップS102では、洗濯槽30が回転運動を開始する。ステップS102では、後述の高速の槽回転よりも低速で、たとえば、100〜300rpmで槽の回転が行われる。このとき、洗濯槽30に溜まっている銀イオン水は洗濯槽30の内壁面に沿って流動して上昇し、一部は、洗濯槽30の最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31から排出されることがあるが、残りは、一定期間排出されずに、洗濯槽30の内壁面に均一に接触する。また、洗濯槽30の回転を低速で行うことにより、銀イオン水と内壁面との接触時間を長くすることもできる。洗濯槽30の内壁面の最上部に達した銀イオン水は、洗濯槽30の最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31から排出される。
銀イオン水が洗濯槽30の内壁面に均一に接触した後、ステップS103にて高速で槽の回転が行われる。なお、本実施形態では、低速の槽回転の時間は約15秒である。要は、銀イオン水を被殺菌部(洗濯槽の内壁面)に均一に接触させることができればよい。
ステップS103では、洗濯槽30が低速の槽回転から高速の槽回転に切り替わり、高速の槽回転を行う。高速の槽回転は、前述の低速の槽回転よりも高速で、たとえば、800〜1200rpmで槽の回転が行われ、銀イオン水が最上部の脱水孔31から排出される。このとき、脱水孔31から飛ばされた銀イオン水は、洗濯槽30の外側に設置された水槽20の内側面に勢いよく散布されることになり、水槽20の内側面に衝突して、さらに細かな水滴となって、洗濯槽30の外壁面も覆うようになる。このようにして、洗濯槽30の内外両壁面と水槽20の内側面が除菌される。
また、並行して排水弁68を開き、洗濯槽30の中の銀イオン水は、排水空間66を通じて排出される。排水弁68は、高速の槽回転中は開いたままである。
高速の槽回転は、洗濯槽30の中の銀イオン水が洗濯槽30から完全に除去されるように行わればよい。本実施形態では約120秒程度である。高速の槽回転が終了したら、ステップS104の停止処理に進む。
ステップS104の停止処理では、モータ41への通電を断ち、ブレーキをかける等の停止処理を行う。
本実施形態では、殺菌作用を有する水として10Lの銀イオン水を使用しているが、これまで一般的に行われてきた洗濯槽の洗浄方法と比較すると、使用水量が非常に少ないという利点がある。すなわち、これまでは、洗濯槽いっぱいに水を貯留しなければならない方法が一般的であったが、本実施形態では、少量の銀イオン水を洗濯槽の回転による遠心力で流動させ、洗濯槽の内壁面に均一に接触させることができる。
また、このような運転をすることによって、銀イオン水を洗濯槽の内壁面に均一に接触させることができるのは、洗濯槽がいわゆる「テーパ型」であり、かつ、いわゆる「穴なし」タイプであることによる。
テーパ型の洗濯槽による利点は、洗濯槽が回転したときに、洗濯槽に貯留されている殺菌作用を有する水が遠心力で上方向に向かって流動しやすいことである。すなわち、殺菌作用を有する水が洗濯槽の内壁面の上部にまで到達させることができ、また、内壁面に殺菌作用を有する水が接触した状態を保持することができるので、内壁面に殺菌効果を確実に付与することができる。
また、一般的な洗濯機は、内側に洗濯槽(内槽)、外側に水槽(外槽)を備えている、すなわち、二重槽構造を有し、内槽には外槽に連通する貫通孔が形成されている。このため、たとえ、洗濯槽の回転による遠心力で殺菌作用を有する水を流動させることができるとしても、その貫通孔から水が外槽へ抜けていくので、洗濯槽の内壁面に均一に殺菌作用を有する水を接触させることはできない。つまり、二重槽構造を有し、内槽には外槽に連通する貫通孔が形成されている洗濯機では、少ない量の殺菌作用を有する水を、洗濯槽の内壁面の上部にまで到達させることはできない。したがって、一般的な二重構造の洗濯機では、洗濯槽を洗浄するために、洗濯槽いっぱいに水を貯留しなければならない。これに対して、本発明の洗濯機では、「穴なし」タイプの洗濯槽を用いているので、洗濯槽の回転による遠心力を利用して、少ない水量で洗濯槽の内壁面の殺菌が可能となる。
なお、上記で説明した槽洗浄コースは、洗濯物が入った通常の洗濯コースの最終脱水行程などの代わりに実施してもよい。この場合、脱水行程の代わりに槽洗浄コースを実施する際には、ステップS103で行われる高速の槽回転を洗濯物の脱水が可能な時間に設定すればよい。しかし、洗濯物を入れずに独立した行程として槽洗浄コースを実施する方が、洗浄槽と殺菌作用を有する水との接触を確実に行うことができるため効果を得やすく、また、洗濯物への影響を考慮しないで殺菌作用を有する物質を選択することができるので、望ましい。独立した行程として槽洗浄コースを実施する場合には、使用水量が多いと省資源の観点から特に問題であるが、本発明の場合、使用水量が少ないので、そのような問題もない。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2として、上記の実施の形態1と「槽洗浄コース」の制御が異なる制御の例を図7に示す。すなわち、図7に示すように、洗濯槽30が低速度の槽回転を開始した後、銀イオン水を洗濯槽30に供給する。その他の部分は実施の形態1と同様である。
本実施形態に従った槽洗浄コースを実施することにより、槽回転の初期に発生しやすいアンバランスを抑制することができる。槽回転が開始される時点で洗濯槽内に水が貯留されていると、槽回転を開始したときに、水の重みで洗濯槽全体のバランスが悪くなり、運転に支障をきたすことがある。これをアンバランスと呼ぶ。しかし、水を給水する前に槽回転を開始し、その後、水を給水すると槽回転の安定を保つことができるので、アンバランスを防ぐことが可能である。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3として、上記の実施の形態1と「槽洗浄コース」の制御が異なる制御の例を図8に示す。すなわち、図8に示すように、はじめに、殺菌作用を有する銀イオン水を洗濯槽30に供給し、洗濯槽30が低速度の槽回転を開始した後、もう一度銀イオン水を洗濯槽30に供給する。その他の部分は実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、洗濯槽に10Lの水を貯留した場合にはアンバランスは発生しなかったが、15Lの水を貯留した場合にはアンバランスが発生する。つまり、洗濯槽に貯留する水量によっては、アンバランスが発生する可能性がある。実施の形態3では、洗濯槽の大きさによって、水量がある程度必要な場合、はじめに少なめの銀イオン水を貯留して槽回転を開始し、槽回転が安定したところで所定量の水量に達するように銀イオン水を追加することが可能である。
また、ステップS302の低速槽回転時の回転速度を、ゆっくりと銀イオン水が最上部の脱水孔から排出される速度に設定し、併せて銀イオン水を洗濯槽に供給することによって、多量の銀イオン水を使用して槽洗浄を実施することができ、使用水量は多くなるが、殺菌効果を増大することができる。
以上、本発明について、実施の形態1〜3を説明してきたが、上記の実施の形態に記載の構成は一例に過ぎず、洗濯機の具体的な構成、銀イオン溶出ユニットの具体的な形状や構成、取り付け位置などについても、すべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
本発明の実施の形態1にて得られる具体的な効果について、実験データに基づいて以下に説明する。
図9は、本発明の実施例において除菌効果を確認するために実験にて用いた洗濯槽の内壁を示す縦断面図である。
銀イオン濃度が90ppbの銀イオン水を洗濯槽30に貯留し、前述した「槽洗浄コース」を実行した。
まず、ここで、銀イオン濃度が90ppbの銀イオン水を使用した理由について、以下の実験データに基づいて説明する。
この実験は、銀イオン濃度を変えた銀イオン水に細菌を添加し、どの程度の銀イオン濃度の銀イオン水が細菌に対して効果を発揮し始めるのかを確認したものである。銀イオン濃度が30ppb、90ppbの銀イオン水と、銀イオンが含まれていない水道水を準備し、これらの銀イオン水と水道水に細菌として緑膿菌を添加した。各水中の緑膿菌の数が3.2×10個/mlとなるようにし、10分後の各水中の緑膿菌の数の変化を確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0004476274
表1に示す結果から、10分後の各水中の緑膿菌の数は、銀イオン濃度が30ppbの銀イオン水では1.4×10個/ml、銀イオン濃度が90ppbの銀イオン水では3.0×10個/ml、水道水では3.0×10個/mlとなった。これらの結果を対数値化し、初期の菌数の対数値から除菌効果として静菌活性値を求めると、銀イオン濃度が30ppbの銀イオン水では1.3、銀イオン濃度が90ppbの銀イオン水では2.0となった。なお、ここで示した除菌効果とは、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める「菌の成育・増殖・活動の抑制の操作・処理を行ったときの「菌」数が、無操作・無処理での「菌」数に比べて対数値で2.0以上(=99%以上)の増減値差となる場合に、効果有りと判定する。」という基準に従っている。
上記の実験により、短時間で細菌に銀イオン水が効果を発揮し始める銀イオン濃度が90ppbであることが示唆された。この実験結果に基づき、殺菌効果を確認することが可能な必要最小限の銀イオン濃度である90ppbを本実施例において採用した。
本実施例では、まず、前述したように銀イオン濃度が90ppbの銀イオン水を洗濯槽30に貯留し、洗濯槽30の内壁面に菌液を染み込ませたろ紙600を貼った。ろ紙600は、洗濯槽30の内壁面に付着する微生物を模擬的に形成したものである。ろ紙600は洗濯槽30の底部から約30cmの高さに6枚貼った。ろ紙600に付着している菌数の変化を槽洗浄コースの運転前後で確認した。なお、以下に述べる菌数のデータは、ろ紙3枚の平均値である。なお、各ろ紙の大きさは全て同じであった。槽洗浄コースの運転前後における、ろ紙1枚当たり菌数の変化と除菌効果を表2に示す。
Figure 0004476274
槽洗浄コース運転前の菌数を測定するために、ろ紙3枚に菌液を添加し、菌数の平均値を求めたところ、ろ紙1枚当たり、8.2×10個であった。次に、槽洗浄コースの運転後の菌数を求めたところ、ろ紙1枚当たり、5.7×10個、3.8×10個であった。
これらの結果を対数値化し、初期の菌数の対数値から除菌効果を求めると、3.8、および、3.7であった。なお、ここで示した除菌効果は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める「菌の成育・増殖・活動の抑制の操作・処理を行ったときの「菌」数が、無操作・無処理での「菌」数に比べて対数値で2.0以上(=99%以上)の増減値差となる場合に、効果有りと判定する。」という基準に従っている。なお、この基準において「無操作・無処理」は、ある処理に対する「対照試験」、または「処理を行わない状態」の両方の意味に解釈することができるが、本明細書では、無操作・無処理が「処理を行わない状態」(初期菌数)である場合の実験結果を示している。
以上の結果より、洗濯槽の内壁面に細菌が繁殖していたとしても、本発明で示す槽洗浄コースを運転することにより、除菌することが可能であることがわかる。
なお、表1は、銀イオン水を使用せずに水道水を使用して槽洗浄コースを運転したときの菌数の変化についての結果も示す。この結果より、水道水で槽洗浄コースの運転を行っても菌数は減少していることから、水道水でも除菌効果は得られることがわかる。しかし、銀イオン水を使用したときの方が高い除菌効果を得ることができることがわかる。
また、ろ紙を貼り付けた箇所は槽洗浄コースで貯留する水位よりも高い位置にあるが、槽洗浄コースを行うことにより、菌数が減っていることから、確実に銀イオン水が洗濯槽の内壁面の各部位に接触していることがわかる。このことは、殺菌箇所に水が接触するほど水を溜めなくても、槽洗浄コースの運転によって、少ない水量でも被殺菌箇所を殺菌することが可能であることを示している。
次に、カビに対して殺菌効果を発揮するために好適な銀イオン濃度について調べるために以下のとおり実験した。
洗剤に用いられる界面活性剤であるオレイン酸ナトリウムと銀イオンとを混入した寒天培地を作製し、この培地上に撒かれたカビのコロニーの形成数を調べた。カビとしては、Scolecobasidium、Exophiala、Cladosporiumの三種を用いた。オレイン酸ナトリウム濃度は0.1%とし、銀イオン濃度は0ppb、90ppb、450ppb、900ppbとした四種類の寒天培地を作製した。ただし、カビとしてExophialaを用いた実験では、オレイン酸ナトリウムの代わりにPDA(Potato Dextrose Agar:ポテトデキストロース寒天培地)を用いた。
実験結果を表3に示す。表3では、銀イオン濃度が0ppbの寒天培地におけるカビのコロニー数を、各銀イオン濃度の寒天培地におけるカビのコロニー数で割った値を有効数値2桁の対数値にし、その数値が0〜1.9のとき×、2.0〜3.9のとき△、4.0〜のとき○と示した。たとえば、銀イオンによって、カビのコロニー数が1/100に減少した場合、上記の数値が2.0となり、△となる。
Figure 0004476274
表3に示す結果から、カビに対しては、銀イオン濃度が900ppbの銀イオン水を用いると非常に殺菌効果があることがわかる。また、特に、洗濯機で多く見られるとされるScolecobasidium、Exophialaに対しては、銀イオン濃度が450ppbの銀イオン水を用いても十分な殺菌効果があることがわかる。
なお、上述したように、細菌に対しては、銀イオン濃度が90ppbで十分な殺菌効果がある。さらに銀イオン濃度を高くして450ppb以上にすることによって、細菌だけでなく、カビに対しても十分な殺菌効果を発揮することができる。
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
本発明の実施の形態に係る洗濯機の全体構成を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る給水口を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る給水口の外観を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るイオン溶出ユニットを示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るイオン溶出ユニットを示す横断面図である。 本発明の実施の形態1に係る槽洗浄コースの工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る槽洗浄コースの工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る槽洗浄コースの工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例において除菌効果を確認するために実験にて用いた洗濯槽の内壁を示す縦断面図である。
符号の説明
1:洗濯機、30:洗濯槽、50:給水弁、51:接続管、52:給水管、53:給水口、100:イオン溶出ユニット。

Claims (5)

  1. 槽壁に孔がなく、かつ、開口部に向かうにつれて内壁面の径が大きくなるように形成されている回転可能な洗浄槽と、
    前記洗浄槽内に殺菌作用を有する水を供給することが可能な水供給部とを備え、
    前記水供給部によって前記洗浄槽内に供給された殺菌作用を有する水が、前記洗浄槽を回転させることによって生じる遠心力で前記洗浄槽の最上部から排出されない程度の低速で前記洗浄槽を回転させることにより、殺菌作用を有する水が前記洗浄槽の内壁面に沿って流動して前記洗浄槽の内壁面を除菌する内壁面除菌機能を有することを特徴とする、洗濯機。
  2. 前記水供給部によって前記洗浄槽内に供給された殺菌作用を有する水が、前記洗浄槽を回転させることによって生じる遠心力で前記洗浄槽の最上部から排出される程度の高速で前記洗浄槽を回転させることにより、前記洗浄槽の外側に排出された殺菌作用を有する水で前記洗浄槽の外壁面を除菌する外壁面除菌機能をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記洗浄槽を回転させる間に水を前記洗浄槽内に供給することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の洗濯機。
  4. 前記洗浄槽を回転させる間に水を前記洗浄槽から排出することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の洗濯機。
  5. 前記殺菌作用を有する水が銀イオン水であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の洗濯機。
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