JP4475673B2 - ワイヤーソー接続用スリーブおよびワイヤーソー - Google Patents

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Description

本発明は、石材やコンクリートなどを切断するためのワイヤーソーで、切断を行う際にワイヤーソーの両端部を接続し無端状のワイヤーソーにするための接続用スリーブおよび接続用スリーブにより無端状に接続されたワイヤーソーに関する。
石材の原石の切断やコンクリート構造物の解体などの切断に、ワイヤーソーが使用されている。このワイヤーソーは、円筒状の台金の外周に超砥粒層が設けられたビーズと呼ばれるものが多数ワイヤーロープに通され、間隔をおいて固定されている。ビーズをワイヤーロープに固定する方法としては、ワイヤーロープの外周やビーズの周囲に被覆部材を形成しこの被覆部材との接着により固定する方法や、ビーズの台金をかしめて機械的にワイヤーロープに固定する方法があるが、それぞれに利点と欠点がある。被覆部材との接着による方法では、ワイヤーロープを傷めることが少なく、傷みが原因で破断するトラブルを少なくすることができる反面、ビーズをワイヤーロープに固定する強度が不足することがあり、特に使用を重ねるうちに被覆部材が摩耗したり亀裂が発生したりするとビーズを固定する強度が低下して、ビーズが移動することがある。一方、ビーズの台金をかしめて固定する方法では、ビーズをワイヤーロープに固定する強度は高くなるが、かしめることによりワイヤーロープの形状を変形させる上、ワイヤーロープにかしめた力がかかるため、使用を重ねると繰り返しの曲げによりワイヤーロープの強度が低下しやすい問題が起こりやすい。
ところで、これらのワイヤーソーは、切断対象物に巻き付けて無端状にしておき、切断機に設けられたプーリーに巻きかけて使用される。切断時には、プーリーを引っ張ることによりワイヤーソーに張力をかけ、その状態でプーリーを回転させるとワイヤーソーが走行して被切断物が切断される。このような切断においては、切断される対象物の大きさは様々で、使用するワイヤーソーの長さは一定ではない。そのため、必要な長さにワイヤーソーを切断して両端部を接続し、無端状にした上で使用する必要がある。この接続方法として、ワイヤーソーの両端部のワイヤーロープを露出させ、円筒状のスリーブに露出させた両端部のワイヤーロープを挿入し、高圧プレスを用いてスリーブをかしめることが行われる。
このようなスリーブを用いた接続部分は、ワイヤーロープの破断強度に比べると大幅に強度が低く、切断中にワイヤーソーが被切断物に引っかかるなどしてワイヤーソーに急激な張力が働いた場合に、スリーブからワイヤーソー端部のワイヤーロープが抜けてしまうことが起こりうる。また、接続時にワイヤーロープ表面のゴム除去が不充分であった場合はさらに抜けやすい状況になる。この時に、スリーブがワイヤーソーの両端部のうち片方だけから抜けてもう一方に残れば問題は少ないが、スリーブがその後側のワイヤソーから抜けて前側のワイヤーソーに付いた状態になった場合、前側のワイヤーソーは走行の勢いで予想外の方向へ飛ぶ場合があり、その勢いでスリーブは前側のワイヤーソーからも抜けて単独で飛散する可能性があり、非常に危険な状態になる。ワイヤーソーが走行している部分は防護用の網などが設けられているのでワイヤーソーが飛散する可能性は非常に低いが、スリーブだけになった場合、防護用の網の隙間などから飛散する恐れがあり、危険度は大幅に増してしまう。
このような問題を解決するものとして、スリーブの前後でかしめ強度に差を持たせ、スリーブからワイヤーロープが抜ける場合に、かしめ強度の弱い側が抜けることにより、ワイヤーソー端部の片側にスリーブが残るようなスリーブを使い、スリーブの走行方向前側をかしめ力の弱い側として、スリーブの後側のワイヤーソーにスリーブが残るようにした接続構造のワイヤーソーがある。その例として、図5に示すように、スリーブの穴内面の片側にメネジ状などの溝を設けて、前後でかしめ強度に差を持たせたスリーブにより接続したワイヤーソーがある(例えば、特許文献1参照)。
また、スリーブの前後で外径に差を持たせてかしめ強度に差を持たせたスリーブもある(例えば、特許文献2参照)。
特許第2700973号公報(第2図) 特開2003−260651号公報(第2図)
上記のような走行方向前後でかしめ強度に差を持たせたスリーブを使用する場合、前述のように走行方向後側のかしめ強度を高くするように接続されることが多い。これは、前述した理由もあるが、この他にも切断中にワイヤーソーにかかる力を考えた場合、走行方向前側から後側に向かって順次力がかかり、スリーブ位置を基準に考えると走行方向前側のワイヤーソーにまず力がかかるので、この前側の部分のワイヤーロープのかしめ強度を低めにしておくことで、スリーブは確実に走行方向後側のワイヤーソーに残ることになることも理由の一つである。従って、スリーブの飛散防止の観点からは、走行方向後側のかしめ強度を高くするように接続するのが最も安全な使い方であるといえる。
しかしながら、スリーブの走行方向前側のワイヤーソーが抜けた場合、この部分のワイヤーソーには非常に大きな力がかかって飛散することになる。この時、このワイヤーソーの最後部に固定されていたビーズ(言い換えると、接続スリーブのすぐ前側のビーズ)が飛散する恐れがある。この理由は、接続スリーブをかしめるためにワイヤーソー端部の被覆部材を除去し、ワイヤーロープを露出させているために、最も端にあるビーズの保持力が低下してしまうためである。従来は、ビーズを保持させるために被覆部材の接着力のみに頼っており、ビーズの後側の被覆部材をカッターナイフなどで削りワイヤーロープを露出させてもビーズ自身はビーズ周辺の被覆部材の接着力により保持されているので、最も端にあるビーズが飛散するような問題は起こりにくかった。しかしながら、最近ではビーズがワイヤーロープに沿ってずれにくくするために、ビーズ間にコイルバネを設け、このコイルバネやワイヤーロープの周囲に被覆部材を設けたワイヤーソーが主流になりつつある。このコイルバネを有するワイヤーソーを接続する場合、ワイヤーソー端部にもコイルバネがあるためこれを除去することになるが、コイルバネを除去するとその周囲の被覆部材がコイルバネに接着した状態で一緒に除去されてしまい、そのために最も端にあるビーズの周囲の被覆部材やビーズ内面とワイヤーロープとの隙間にある被覆部材の一部も除去されることがあり、このビーズの保持力が大きく低下してしまう。
ビーズの台金をかしめてワイヤーロープに固定しているタイプのワイヤーソーでは、被覆部材がなくても使用初期はビーズの保持力が高いが、繰り返し切断を行い曲げ応力がかかるうちに保持力が徐々に低下するので、被覆部材の接着力のみによってワイヤーロープに固定されているタイプのワイヤーソーほどではないにしろ、保持力の低下が見られ、いずれのタイプのワイヤーソーでもビーズが飛散する可能性が高くなる。ビーズが飛散した場合、スリーブが飛散する場合ほどではないもののやはり危険性は高く、作業者が怪我をする可能性も考えられる。
以上のようなことから、本発明はスリーブからワイヤーロープが抜けた場合でも、ワイヤーソーの端にあるビーズが飛散せず、安全性の高いワイヤーソー接続用スリーブおよびワイヤーソーを提供するものである。
本発明のワイヤーソー接続用スリーブの第1の特徴は、ワイヤーソーを無端状に接続するためのスリーブであって、
前記スリーブは、円筒状でワイヤーソーに接続して使用する場合の走行方向前側に穴の径が相対的に大きい大径穴部と走行方向後側に穴の径が相対的に小さい小径穴部とを有する主スリーブと、
前記主スリーブの大径穴部の内部に設けられる円筒状の補助スリーブとからなり、
前記主スリーブの大径穴部の長さは、主スリーブ長さの1/3以下であることである。
このような構造にすることで、スリーブのワイヤーソー走行方向に対して前側にあるワイヤーロープには補助スリーブと主スリーブの小径穴部の一部分が固定され、ワイヤーソー走行方向に対して後側にあるワイヤーロープには主スリーブの小径穴部の大部分が固定されることになる。従って、ワイヤーソーを無端状に固定する力は、主スリーブが固定されている部分の力および主スリーブの太径穴部と補助スリーブとの摩擦力によるものとなる。この摩擦力は、主スリーブがワイヤーロープに固定される力に比べると大幅に小さいため、ワイヤーソー走行方向に対して前側にあるワイヤーロープの固定力は後側にあるワイヤーロープの固定力に比べて小さくなり、ワイヤーソーの切断中に大きな力がかかった場合には、走行方向前側のワイヤーロープが主スリーブから抜け、走行方向後側のワイヤーロープに残るので、主スリーブは単独で飛散する恐れがなくなる。しかも、補助スリーブは走行方向前側のワイヤーロープに残るので、接続スリーブのすぐ前にあるビーズが飛散するのを防止することが可能になる。また、主スリーブの長さの範囲内で補助スリーブを設けることができるので、接続部分の長さが長くならず切断中にスリーブが摩耗しやすくなるなどのトラブルが防止できる。さらに、走行方向前側のワイヤーソーと後側のワイヤーソーのそれぞれのワイヤーロープを同じ長さだけ接続スリーブに挿入すればよく、接続スリーブを固定する向きも容易に判別できるので、現場での作業性が向上する。
第2の特徴は、前記主スリーブの小径穴部の穴内面の少なくとも一部分および前記補助スリーブの穴内面には溝が形成されていることである。
このようにすることで、主スリーブや補助スリーブがワイヤーロープに固定される強度はより高くなり、主スリーブの大径穴部と補助スリーブの外径との間の摩擦力との差がより大きくなるので、本発明のスリーブでワイヤーソーを接続した時の、走行方向前側と後側との固定力の差を明確に設けることができ、スリーブが単独で飛散することをより確実に防止することが可能になる。なお、溝の形状は、主スリーブの小径穴部や補助スリーブの内周面全体にメネジ状やハチ巻き状の溝を形成したものとするのが好ましいが、溝の加工のやりやすさの点からメネジ状とするのがより好ましい。また、溝を形成せずに、内周面の表面粗さを粗くすることでも同様の効果が得られる。
第3の特徴は、前記主スリーブに形成された溝は、前記主スリーブの小径穴部のうち走行方向後側の1/2以上の長さにわたって形成されていることである。
このようにすることで、主スリーブがワイヤーロープに固定される強度は、スリーブの走行方向後側で保持するワイヤーソーの保持力がより大きくなり、スリーブの走行方向前側で保持するワイヤーソーの保持力との差を大きくしやすくなるので、ワイヤーロープが抜けた時により確実にスリーブの走行方向後側にあるワイヤーソーにスリーブを残すことができる。なお、主スリーブの小径穴部の穴内面の一部分に溝を設けたものは、全体に溝を設けたものに比べて、絶対的な保持力は低下することになる。従って、切断装置の動力の出力の大きさ、切断条件、切断方法、および切断状況などに応じて使い分けることが好ましい。
第4の特徴は、前記主スリーブの小径穴部の穴径と、前記補助スリーブの穴径とは同じ径であることである。
このようにすることで、スリーブをかしめる際に、ワイヤーロープに対してスリーブの位置が安定して定まり、特に両者の軸心がずれるようなトラブルが発生しにくい。なお、ここで言う同じ径とは、製造上での公差の範囲内に収まっている場合のことを言う。
第5の特徴は、前記主スリーブの大径穴部の穴径は、前記補助スリーブの外径と同じか、あるいは前記補助スリーブの外径より最大で0.2mm大きいことである。
このように、主スリーブの大径穴部の穴径と、補助スリーブの外径とをほぼ同じにしておくことで、主スリーブに補助スリーブを嵌め込んでおいてワイヤーロープを挿入することができるので、現場での作業性が向上する。また、スリーブをかしめて固定した場合に、主スリーブの大径穴部の形状と補助スリーブの外径の形状がほぼ同じ形となりかしめた後の両者の間の摩擦力が高くなりにくいので、本発明のスリーブでワイヤーソーを接続した時の、走行方向前側と後側との固定力の差を明確に設けることができ、スリーブが単独で飛散することをより確実に防止することが可能になる。特に、主スリーブの大径穴部の穴径と、補助スリーブの外径とを同じにしておき、公差の違いのみによってお互いに嵌め合わせられるようにすれば、この効果はより大きくなる。
本発明のワイヤーソーの第1の特徴は、上記のようなワイヤーソー接続用スリーブにより、無端状に接続されたことである。
このようなワイヤーソーとすることで、使用中にワイヤーソーに急激な力がかかってワイヤーロープから接続スリーブが抜けることがあっても、スリーブが単独で飛散することが防止され、スリーブの前にあるビーズが飛散することも防止されるので、安全なワイヤーソーとすることが可能になる。
第2の特徴は、前記スリーブの走行方向前側に挿入されるワイヤーロープと、後側に挿入されるワイヤーロープの長さは同じであることである。
このようにすることで、スリーブの走行方向前側に挿入されるワイヤーロープと、後側に挿入されるワイヤーロープの固定強度の差を明確に設けることができ、スリーブが抜けた際にワイヤーソー走行方向後側のワイヤーロープにスリーブが確実に残されて安全性が向上する。
本発明のワイヤーソー接続用スリーブによれば、スリーブにワイヤーソー端部のワイヤーロープを挿入させる場合やかしめる場合の作業性が向上し、接続部材の向きも容易に判別できる。また、ワイヤーソーに急激な力がかかってワイヤーロープから接続スリーブが抜けた場合でも、スリーブが単独で飛散することがなく、スリーブの走行方向前側のワイヤーソーが飛散した場合でも、端にあるビーズが単独で飛散することもない。
また、本発明のワイヤーソーによれば、使用中にワイヤーソーがスリーブから抜けて、スリーブのワイヤーソー走行方向前側のワイヤーソーが飛散した場合でも、端にあるビーズが単独で飛散することなく、安全性が向上する。しかも、スリーブはワイヤーソー走行方向後側のワイヤーロープに接合されたまま残るので、より安全性が向上する。
本発明のワイヤーソー接続用スリーブにより無端状にしたワイヤーソーの例を図1に、接続部分の部分拡大図を図2に示す。図1は接続部分周辺の外観並びにスリーブの部分の断面を示しており、その他の部分は形状を省略した点線で示している。また、図2は接続部分(スリーブの部分)のみ断面を示し、その他の部分は外観を示している。図1を参照して、ワイヤーソー1は円筒状の台金(図示せず)の外周に超砥粒層が設けられたビーズ2がワイヤーロープ4に通され、間隔をおいて被覆部材3のみにより固定されている。ワイヤーソー1の両端部は、スリーブにより接続するために、一端1aおよび他端1bの被覆部材が除去されてワイヤーロープ4が露出しており、主スリーブ5および補助スリーブ6の穴に挿入されている。主スリーブ5は円筒形状で走行方向前側には穴の径が相対的に大きい大径穴部5aが設けられ、走行方向後側は穴の径が相対的に小さい小径穴部5bが設けられている。大径穴部5aの内部には円筒形状の補助スリーブ6が設けられており、ワイヤーソー1の一端1a側のワイヤーロープ4に固定されている。補助スリーブ6は主スリーブ5とともに高圧ポンプによりかしめられてワイヤーロープ4に固定されている。なお、主スリーブ5と補助スリーブ6は円筒形状ではあるが、かしめられた後は、必ずしもその形状を維持せず、かしめ用金型の形状により断面が六角形の形状などになることもある。
図2を参照して、ワイヤーソー1の一端1aのうち、主スリーブ5および補助スリーブ6に挿入される長さL+Lは、他端1bが主スリーブ5に挿入される長さLとほぼ同じ長さになっている。両者の長さは同じとするのが好ましいが、最大で2mmの差があっても良い。補助スリーブ6のかしめる前の直径は全体にわたって主スリーブ5の大径穴部の穴径と同じになっており、主スリーブ5をかしめる際に同時にかしめられる。また、補助スリーブ6のかしめる前の穴径は全体にわたって主スリーブ5の小径穴部の穴径と同じになっており、材質も主スリーブ5と同じものである。ワイヤーソー1の一端1aの被覆部材3が除去された長さは、主スリーブ5および補助スリーブ6に挿入される長さL+Lと同じ長さであり、いずれの長さも主スリーブ5の長さLの1/2である。なお、補助スリーブ6は必ずしも主スリーブ5と同じ材質である必要はない。補助スリーブ6の長さMは、走行方向前側にあるビーズ2を保持でき、主スリーブがワイヤーロープ4の一端1aから抜けた時にも一端1aから抜けない程度の強度が得られる長さであれば良いので、2mm以上とするのが好ましい。2mm未満では、かしめた際に補助スリーブ6が割れる恐れがあったり、ワイヤーロープ4への固定力が不足する恐れがある。また、スリーブ全長Lの1/3以下の長さとするのが好ましい。これ以上長いと、ワイヤーソー1の一端1aを主スリーブ5で固定するための部分の長さLが短くなるため固定強度が不足し、ワイヤーソー1に急激な力がかかった場合に接続スリーブが抜けやすくなる。
図3は、ワイヤーソー1の接続部分の第2の例を示す図である。大部分は図2に示したものと同じであるが、主スリーブ5の小径穴部5b全体と補助スリーブ6の穴内周面の部分全体にメネジ状の溝5cを形成したものを使用している点が異なる。ワイヤーソー1の一端1aのうち、主スリーブ5に挿入される長さL+Lは、他端1bが主スリーブ5および補助スリーブ6に挿入される長さLと同じ長さになっており、いずれの長さも主スリーブ5の長さLの1/2である。また、図2のものと同様に、主スリーブ5の走行方向前側には穴の径が相対的に大きい大径穴部5aが設けられ、この大径穴部5aの内部には補助スリーブ6が設けられていて、ワイヤーソー1の一端1a側のワイヤーロープ4に固定されている。なお、すべての図においてRの矢印はワイヤーソー1の走行方向を示している。
図4は、ワイヤーソー1の接続部分の第3の例を示す図である。大部分は図3に示したものと同じであるが、主スリーブ5の小径穴部5bのうち走行方向後側のみと補助スリーブ6の穴内周面の部分全体にメネジ状の溝5cを形成したものを使用している点が異なる。主スリーブ5の溝5cを設けている部分の長さは、主スリーブ5の全長Lのうち1/2の長さ(図4ではLの長さ)である。ワイヤーソー1の一端1aのうち、主スリーブ5に挿入される長さL+Lは、他端1bが主スリーブ5および補助スリーブ6に挿入される長さLと同じ長さになっており、いずれの長さも主スリーブ5の長さLの1/2である。また、図2や図3のものと同様に、主スリーブ5の走行方向前側には穴の径が相対的に大きい大径穴部5aが設けられ、この大径穴部5aの内部には補助スリーブ6が設けられていて、ワイヤーソー1の一端1a側のワイヤーロープ4に固定されている。この例では、主スリーブ5がワイヤーソー1の一端1aを保持する力が図3のものに比べて低くなる。そのため、主スリーブ5がワイヤーソー1の一端1aを保持する力と他端1bを保持する力との差がより大きくなるとともに、絶対的な保持力は図3のものに比べて小さくなる。従って、絶対的な保持力も高くする必要のある切断装置の動力の出力が大きい場合などには適さない場合もあるが、切断装置の動力の出力が小さい場合などには、有効である。
図8は、ワイヤーソー1の接続方法の例の一部を示す図である。接続を行うには、まずワイヤーソー1の一端1aおよび1bの被覆部材3を除去し、ワイヤーロープ4を露出させる。そしてこの露出させたワイヤーロープ4を主スリーブ5および補助スリーブ6に挿入させる。この時に、補助スリーブ6のある方は主スリーブ5の走行方向前側になるように一端1aを挿入させる。次に、図8(a)に示すように、主スリーブ5のうちの約半分の長さ部分をかしめ用金型10により圧着してかしめる。その後、主スリーブ5のうち残りの部分をかしめ用金型10により圧着してかしめる。本例では、図8(c)に示すように、かしめ後の断面形状が六角形になるようかしめ用金型10の断面は凹型の形状になっているので、上記のようにかしめられた主スリーブ5および補助スリーブ6をその軸を中心に約60度回転させて再びかしめ用金型10により圧着してかしめる。
本発明のワイヤーソーとして、図3に示す接続構造を有するワイヤーソーを製作し、強度試験を行った。また比較のために従来のワイヤーソーとして、図5に示す接続構造を有するワイヤーソーを製作した。ワイヤーロープ4は直径が4.76mmのスチール製ワイヤーロープを使用し、被覆部材3としてJISA硬度85の加硫ゴムを使用したワイヤーソーを準備した。本発明のスリーブとして、補助スリーブ6は直径7.5mm(公差は、+0mm、−0.5mm)、穴径5.16mm、長さMは2.5mmの円筒状のものを使用し、主スリーブ5は直径9.3mm、小径穴の径5.16mm、大径穴の径7.5mm(公差は、+0.5mm、−0mm)、長さLは20mm、大径穴部の長さLは2.5mmの円筒状で穴が段付きのものを使用した。主スリーブ5の小径穴部と補助スリーブ6の穴内周面には全体にわたってメネジ状の溝5cを形成した。また、従来のスリーブとして、直径9.3mm、穴径5.16mm、長さ20mmの円筒状のものを使用し、スリーブ5の穴内周面のうち一端から中央部までの10mmの長さにわたってメネジ状の溝5cを形成した。
本実施例では、強度試験用のワイヤーソーとするため、長さ約200mmのワイヤーロープ4のうち片側約100mmにわたってビーズ2および被覆部材3を形成した。そして、このような試験用ワイヤーソー2本を主スリーブ5と補助スリーブ6を使い接続した。接続の方法は、次のようにして行った。ワイヤーソー1の一端1aおよび他端1bは長さ10mmにわたって被覆部材3を除去してワイヤーロープ4を露出させた。そして本発明のワイヤーソーは、主スリーブ5の大径穴部5aに補助スリーブ6を嵌め込み、ワイヤーロープ4の一端1aを、補助スリーブ6のある側に挿入させ、他端1bは主スリーブ5の小径穴部5b側に挿入させた。その後、主スリーブ5および補助スリーブ6を高圧プレスに取り付けたかしめ用金型に挟み込み、加圧して圧着した。従来のワイヤーソーは、スリーブ5のメネジ状の溝5cを設けていない側にワイヤーロープ4の一端1aを挿入し、メネジ状の溝5cを設けた側にワイヤーロープ4の他端1bを挿入した。その後、スリーブ5を高圧プレスに取り付けたかしめ用金型に挟み込み、加圧して圧着した。
以上のようにして製作した試験用ワイヤーソーを万能試験機に取り付け、引っ張り試験を行った。試験方法の概略図を図6および図7に示す。
まず第1の試験として、図6に示すようにビーズ2および被覆部材3を形成せずワイヤーロープ4のみのままとした約100mmの部分を万能試験機の固定部に挟んで固定した。この際に、スリーブは補助スリーブ6が設けられた側が上側になるように固定した。そして上側の固定部を上方に引っ張り、順次引っ張り荷重を増加させてワイヤーソー1の一端1aから主スリーブ5が抜ける荷重を測定した。
次に第2の試験として、図7に示すように上側の固定部にはワイヤーロープ4をそのまま固定しておき、下側の固定部には主スリーブ5が抜けた一端1aのすぐ上にあるビーズ2を固定した。そして、上側の固定部を上方に引っ張り、順次引っ張り荷重を増加させてワイヤーソー1の一端1aからビーズ2が抜ける荷重を測定した。
さらに第3の試験として、主スリーブ5がワイヤーロープ4に残ったままになっているワイヤーソー1の他端1bから主スリーブ5が抜ける荷重を測定するため、図7に示したものと同じ方法により、上側の固定部に主スリーブ5が引っかかる形状の治具を固定し、下側の固定部にはビーズ2や被覆部材3が形成されていないワイヤーロープ4のみのままの部分を挟んで固定した。
以上の3種類の引っ張り試験を各5本ずつ行った結果は以下のようであった。
本発明のワイヤーソーは、第1の試験で主スリーブ5が抜けた荷重は750〜820kgfで平均値は778kgfであり、第2の試験でビーズ2が抜けた荷重は470〜515kgfで平均値は501kgfであった。これに対し、従来のワイヤーソーは、第1の試験で主スリーブ5が抜けた荷重は680〜800kgfで平均値は742kgfであり、第2の試験でビーズ2が抜けた荷重は80〜110kgfで平均値は100kgfであった。さらに、第3の試験で主スリーブ5がワイヤーロープ4に残ったままになっているワイヤーソー1の他端1bから主スリーブ5が抜ける荷重は、本発明のワイヤーソーが950〜1075kgfで平均値は1013kgfであったのに対し、従来のワイヤーソーは950〜1050kgfで平均値は985kgfであった。
以上の結果より、主スリーブ5の抜ける荷重については当然のことながら大きな差は見られなかったが、主スリーブ5の走行方向前側の方がワイヤーロープ4の固定強度は低く確実に抜けることが確認でき、ビーズ2の固定強度は大きな差が見られて、本発明のワイヤーソーはより安全性が高いことがわかった。
本発明のワイヤーソー接続用スリーブおよびワイヤーソーは、スリーブにより接続されるタイプの各種ワイヤーソーに利用することができる。
本発明のワイヤーソーの接続部分周辺を示す概略説明図である。 本発明のワイヤーソーの接続部分の例を示す概略説明図である。 本発明のワイヤーソーの接続部分の第2の例を示す概略説明図である。 本発明のワイヤーソーの接続部分の第3の例を示す概略説明図である。 従来のワイヤーソーの接続部分の例を示す概略説明図である。 実施例における引っ張り試験の方法を示す概略説明図である。 実施例における引っ張り試験の方法を示す概略説明図である。 本発明のワイヤーソーの接続方法の例を示す概略説明図で、(a)および(b)は正面図、(c)は(a)のA−A断面図である。
符号の説明
1 ワイヤーソー
1a ワイヤーソーの一端
1b ワイヤーソーの他端
2 ビーズ
3 被覆部材
4 ワイヤーロープ
5 主スリーブ
5a 太径穴部
5b 細径穴部
5c 溝
6 ビーズ支持部材
7 試験機固定部
10 かしめ金型

Claims (7)

  1. ワイヤーソーを無端状に接続するためのスリーブであって、
    前記スリーブは、円筒状でワイヤーソーに接続して使用する場合の走行方向前側に穴の径が相対的に大きい大径穴部と走行方向後側に穴の径が相対的に小さい小径穴部とを有する主スリーブと、
    前記主スリーブの大径穴部の内部に設けられる円筒状の補助スリーブとからなり、
    前記主スリーブの大径穴部の長さは、主スリーブ長さの1/3以下であることを特徴とするワイヤーソー接続用スリーブ。
  2. 前記主スリーブの小径穴部の穴内面の少なくとも一部分および前記補助スリーブの穴内面には溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーソー接続用スリーブ。
  3. 前記主スリーブに形成された溝は、前記主スリーブの小径穴部のうち走行方向後側の1/2以上の長さにわたって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤーソー接続用スリーブ。
  4. 前記主スリーブの小径穴部の穴径と、前記補助スリーブの穴径とは同じ径であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤーソー接続用スリーブ。
  5. 前記主スリーブの大径穴部の穴径は、前記補助スリーブの外径と同じか、あるいは前記補助スリーブの外径より最大で0.2mm大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワイヤーソー接続用スリーブ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のワイヤーソー接続用スリーブにより、無端状に接続されたことを特徴とするワイヤーソー。
  7. 前記スリーブの走行方向前側に挿入されるワイヤーロープと、後側に挿入されるワイヤーロープの長さは同じであることを特徴とする請求項6に記載のワイヤーソー。
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