JP4470263B2 - 指紋照合装置および指紋照合方法 - Google Patents
指紋照合装置および指紋照合方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋を照合して個人を識別する指紋照合装置および指紋照合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータが広範な社会システムの中に導入されるのに伴い、システムの管理や安全性の確保が問題となっている。例えば、使用者が直接暗証番号の入力をしたり、暗証番号等を記録した磁気カード等を用いて各個人の識別を行うことが一般的に行われている。また、普段の生活においても、例えば家や車の管理に鍵を使用して個人を識別している。しかし、暗証番号は忘れる可能性があり、磁気カードや鍵は紛失したり偽造される可能性があり、安全性としては十分なものとはいえなかった。
【0003】
そこでこれらの方法に代わって、生体情報を利用した個人照合技術が開発されている。その中でも指紋による個人照合は、各個人固有で生涯普遍であるという指紋の特徴から、本人であることを確実に識別することができる有効な技術である。
【0004】
以下、従来の指紋照合装置の例について説明する。
図8は従来の指紋照合装置の処理の流れを示す図であり、(a)は指紋登録時、(b)は指紋照合時を示す。
【0005】
指紋を登録する場合は図8(a)のように、まず撮像面に指先を置いて密着させ、CCD(Charge Coupled Device)を用いた光学カメラや、半導体センサ等によって、1枚の画像として指紋を読み込み、指紋の凹凸をアナログ信号に変換する(S801)。このアナログ画像信号のうち特定範囲がデジタル画像信号に変換され、x方向に256ドット、y方向に128ドットに2値化された画像データが作成される(S802)。
【0006】
この2値化データから、x方向に64ドット、y方向に64ドットの正方形を3カ所抽出し、各正方形内でx方向に64ドットの直線、およびy方向に64ドットの直線を、例えば8ドットの等間隔のような所定の間隔でそれぞれ8本ずつとる(S803)。このようにして抽出された直線データを3つの正方形それぞれから計48本抽出し、64個のドット列である各直線データを16進数の数字列で記録し、登録テンプレートとして保管する(S804)。
【0007】
指紋の照合の場合は図8(b)のように、登録の場合と同様にまずアナログ画像として指紋が読み込まれて(S811)、2値化データに変換されたあと(S812)、照合者の識別番号をキーにして登録テンプレートから当該人物の直線データが読み込まれる(S813)。
【0008】
次にこの直線データのすべてについて、64個のドットの配列が一致する場所を、2値化データの画面全体から探索する(S814)。このとき、指紋の撮像状態の違いによって、同一人物の指紋画像でも2値化データに多少の相違があり得ることを考慮して、例えば64個のドットのうち一致するドットが48個を超えたとき、同一の直線データと見なしてこれを一致直線として抽出する。またこのとき、抽出された一致直線の先頭の座標(x,y)も同時に読み込む。
【0009】
なお、直線データはx方向およびy方向にのみ抽出されたデータであることから、もし照合時に読み込まれた指紋画像が、登録時の画像と異なる角度に回転して読み込まれていた場合は、一致直線を抽出することができない。そこで、S814で一致直線が抽出できなかったときは、読み込まれた画像を一定角度ずつ両方向に回転させて、その都度一致直線の抽出を行って、すべての直線データあるいは一定数以上の直線データについて、一致曲線を抽出できたとき、次の処理に進むことにする。ただし、図8(b)ではこのような画像を回転して一致直線を抽出する処理については省略している。
【0010】
48本すべての直線データについて、あるいはある一定数以上の直線データについて、一致直線が抽出されると、抽出されたそれぞれの一致曲線の先頭の座標の相対位置と、登録されていた直線データのそれぞれの相対位置とが比較される(S815)。すなわち、登録された直線データが8ビット間隔で抽出されていた場合は、隣り合った一致曲線の間隔が8ビット間隔であるかどうかが比較される。そして、このような比較が48本の各照合曲線について行われ、直線データの相対位置と一致した数が、スコア値として算出される(S816)。
【0011】
あるいは、登録時の1つの正方形すなわちx方向、y方向に各8本ずつの直線データごとに相対位置の一致数を算出し、一致数が8本のうち5本のとき1点、6本のとき2点、7本のとき3点、8本のとき4点、4本以下のとき0点のように、一致数がとる値を適当な複数の段階に分割して段階ごとに点数を割り当て、このような点数割り当てを各正方形のx方向、y方向のそれぞれについて行い、点数を合計して計24点を限度とするスケールを算出してこれをスコア値としてもよい。
【0012】
スコア値が算出されると、事前に設定された照合レベルにしたがって、この値が所定の数値以上のときに、読み込まれた指紋が同一人物のものであると判定される(S817)。またこのとき、24点を限度とする場合ならば、0点から4点をレベル1,5点から9点までをレベル2のように、スコア値のとる範囲を適当な段階に分割して、各段階を照合レベルとし、段階ごとに照合の判定を行うこともある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、指紋照合の精度を高めるためには、まず登録の際にできるだけ良好なテンプレートを登録する必要がある。すなわち、上記のような指紋照合を行う場合、登録の際に読み込まれた2値化画像において、指紋の隆線および谷線の形状がより鮮明に、より広い範囲に切れ目なく読み込まれていることが重要である。
【0014】
このように、実物の指紋の模様がより正確に読み込まれた良好なテンプレートから、直線データを抽出して登録することができれば、指紋照合の際に算出されるスコア値がより高い値をとるようになり、他人の指紋と一致したという誤った照合判定をする確率が少なくなる。
【0015】
しかし、上記のような光学的に、あるいは半導体センサ等で指紋を読み込む装置の場合、指紋を読み込む際に、指先の湿り具合や季節による湿度の変化などによって、指紋の隆線の太さが違ったり、部分的に欠落した部分ができる等、読み込む指紋画像の画質にバラツキが生じ、登録される直線データが不正確なものになる。このため、登録時に読み込まれた指紋画像が粗い登録者については、照合時に同一人物の指紋を読み込んでも、指紋の一致を正しく判断しない可能性が高くなる。
【0016】
従来、複数の人の指紋が登録されていて、登録者によって登録されたデータの質にバラツキがある場合、指紋一致を判定するためのスコア値のしきい値(照合レベル)を、登録データの質が悪い登録者に合わせて、一意に設定するのが一般的であった。しかしこの場合、登録データの質がよい人も悪い人も、すべて低い照合レベルで指紋照合の判定がされるため、照合判定の誤りが起きる確率がすべての登録者に対して高くなってしまう。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、登録時に読み込んだ指紋画像の登録者ごとの画質のバラツキに関わらず、指紋の照合レベルを高め、照合判定の誤りを減少させた指紋照合装置が提供される。
【0018】
また、本発明の他の目的は、登録時に読み込んだ指紋画像の登録者ごとの画質のバラツキに関わらず、指紋の照合レベルを高め、照合判定の誤りを減少させた指紋照合方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、指紋を照合して個人を識別する指紋照合装置において、指紋画像を撮像することで読み込む撮像手段と、前記指紋画像を2値化した2値化データを作成する2値化手段と、前記2値化データから1ドット幅で第1の特定数のドット列をなした直線データを所定の間隔で複数抽出する直線データ抽出手段と、前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれについてドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを一致直線として探索する一致直線探索手段と、探索された前記一致直線のそれぞれの相対位置と既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれの前記相対位置とを比較する相対位置比較手段と、前記相対位置の一致した数の合計をスコア値とするスコア値算出手段と、前記直線データの登録直後に前記撮像手段により読み込まれた指紋画像を処理対象として、前記2値化手段、前記一致直線探索手段、及び前記相対位置比較手段の一連の処理が実行されることにより実現される試し照合が複数回繰り返され、各々の回の前記試し照合で得られた前記スコア値の平均値を算出し、照合レベルとして出力する照合レベル設定手段と、前記直線データおよび前記照合レベルを登録者ごとに登録して記憶する記憶手段と、指紋照合の際に前記撮像手段により読み込まれた処理対象としての前記指紋画像より算出された前記スコア値が、登録者それぞれの前記照合レベル以上であるとき指紋が同一人物のものであると判定する判定手段と、を有し、前記一致直線探索手段は、前記試し照合の場合には、前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データを構成する前記ドット列のうち前記第1の特定数以下、かつ第2の特定数以上のドットについてのドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを、前記一致直線として探索し、前記一致直線が探索できなかったときは、処理対象の前記指紋画像を一定角度ずつ回転させて、その都度前記一致直線の探索を繰り返し、一定数以上の前記一致直線を探索することを特徴とする指紋照合装置が提供される。
【0020】
このような指紋照合装置では、指紋登録時に指紋の登録者ごとに照合レベルを設定して登録するので、登録時の読み込み状態によって指紋画像の画質に登録者ごとにバラツキが生じても、指紋照合の精度を高めることができる。
【0021】
また本発明では、指紋を照合して個人を識別する指紋照合方法において、指紋画像を撮像することで読み込み、前記指紋画像を2値化した2値化データを作成し、前記2値化データから1ドット幅で第1の特定数のドット列をなした直線データを所定の間隔で複数抽出し、前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれについてドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを一致直線として探索し、探索された前記一致直線のそれぞれの相対位置と既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれの前記相対位置とを比較し、前記相対位置の一致した数の合計をスコア値とし、前記直線データの登録直後に読み込まれた指紋画像を処理対象として、試し照合が複数回繰り返され、各々の回の前記試し照合で得られた前記スコア値の平均値を算出し、照合レベルとして出力し、前記直線データおよび前記照合レベルを登録者ごとに登録して記憶し、指紋照合の際に、読み込まれた処理対象としての前記指紋画像より算出された前記スコア値が、登録者それぞれの前記照合レベル以上のとき前記指紋が同一人物のものであると判定し、前記試し照合の場合には、前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データを構成する前記ドット列のうち前記第1の特定数以下、かつ第2の特定数以上のドットについてのドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを、前記一致直線として探索し、前記一致直線が探索できなかったときは、処理対象の前記指紋画像を一定角度ずつ回転させて、その都度前記一致直線の探索を繰り返し、一定数以上の前記一致直線の探索することを特徴とする指紋照合方法が提供される。
【0022】
このような指紋照合方法では、指紋登録時に試し照合を行って、照合レベルを指紋の登録者ごとに設定するので、登録時の読み込み状態によって指紋画像の画質に登録者ごとにバラツキが生じても、指紋照合の精度を高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に本発明の指紋照合装置の原理図を示す。指紋照合装置1は、指紋を読み込んで登録し、また読み込んだ指紋と登録された指紋とを照合して、指紋が同一人物のものかを判定する。
【0024】
撮像手段2は、指紋を撮像してアナログ画像信号として読み込み、2値化手段3は、この画像データを2値化してデジタル画像信号に変換する。
登録時には指紋の撮像を複数回行い、1枚目の指紋画像の2値化データから、直線データ抽出手段4によって、画像の縦方向および横方向について、それぞれ1ドット幅で所定のドット数の並びで示される直線データが、所定の間隔で複数抽出される。この直線データは、記憶手段9で記憶される。
【0025】
この後、再び指紋の撮像を行ってこの直線データと試し照合を複数回行う。1枚目の指紋の読み込みと同様に、撮像手段2によって読み込まれた指紋画像は2値化手段3によって2値化データに変換される。一致直線探索手段5は、記憶手段9より登録された直線データを読み込み、すべての直線データについて2値化データの画像全体から、ドットの並びが一致する一致直線を探し出す。
【0026】
相対位置比較手段6は、抽出された一致直線のそれぞれの相対位置と、登録された直線データのそれぞれの相対位置とを比較して、一致するかを調べる。スコア値算出手段7は、この相対位置が一致した数の合計をスコア値とし、照合レベル設定手段8は、複数回の試し照合によって算出されたスコア値を平均して、照合の際に同一人物と判断するしきい値を示す照合レベルに、この平均値を設定する。この照合レベルは、直線データとともに、記憶手段9によって登録者ごとに記憶される。
【0027】
一方、指紋照合の際は、登録の際の試し照合と同様にスコア値が算出される。すなわち、撮像手段2によって指紋が撮像され、2値化手段3によって2値化データに変換される。一致直線探索手段5では、記憶手段9から登録された直線データが読み込まれ、2値化データの画像全体からそれぞれの直線データのドットの並びと一致する一致直線が探し出される。スコア値算出手段7では、抽出された一致直線のぞれぞれの相対位置と、登録された直線データのそれぞれの相対位置とが比較され、スコア値算出手段7で、相対位置が一致した数が合計されて、これがスコア値に設定される。
【0028】
判定手段10では、算出されたスコア値が、記憶手段9に登録された照合レベルを満たしている場合に、読み込まれた指紋が登録された指紋と同一人物のものであると判定される。
【0029】
上記の指紋照合装置1では、照合レベルが高いほど、指紋照合の精度が高められ、逆に照合レベルが低いほど、誤った判定が下される可能性が高くなるが、この照合レベルを、登録時に試し照合を複数回行って、このときに算出されたスコア値の平均から登録者ごとに設定される。このため、指紋画像を比較的良好に読み込むことができる傾向にある人ほど照合レベルがより高く設定され、撮像手段2で指紋を読み込むときに、指先の湿り具合や力の入れ方等の違いから登録者ごとに指紋画像の画質にバラツキが生じても、全体として指紋照合の精度を高めることができる。
【0030】
次に、図2に本発明の指紋照合装置の構成例を示す。
指紋画像の撮像は、CCD11を用いた光学カメラによって行われる。ホストコンピュータ20より、RS232Cインタフェース14を通して指紋登録コマンドをCPU13が受け取ると、指紋をCCD11が撮像し、読み込まれたアナログ画像信号は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)12を通ってSRAM15に記憶される。このデータはASIC12によって2値化データに変換され、直線データの抽出がCPU13の処理によって行われる。作成された直線データは、フラッシュメモリ16に記憶され、登録される。
【0031】
この後、試し照合のため再びCCD11によって指紋が撮像され、ASIC12によって2値化データに変換されて、CPU13の処理によって、フラッシュメモリ16に記憶された直線データと、照合アルゴリズムによって照合され、スコア値が計算されて、照合レベルが設定され、フラッシュメモリ16に記憶される。
【0032】
また、ホストコンピュータ20より指紋照合コマンドが送られると、指紋がCCD11によって読み込まれる。指紋登録時の試し照合の際と同様に、CPU13の処理によって、フラッシュメモリ16に記憶された直線データと照合アルゴリズムによって照合され、算出されたスコア値から登録された照合レベルに基づいて照合の判定が行われる。照合結果は、CPU13よりRS232Cインタフェース14を介してホストコンピュータ20に出力される。
【0033】
なお、指紋の撮像にはCCD11の代わりに、半導体センサが用いられる場合もある。
次に、指紋照合の処理過程の例を詳しく説明する。
【0034】
図3に指紋登録の処理の流れを示す。また、図4に登録データの作成方法を詳しく示す。図4(a)は2値データの画像を、(b)は直線データの抽出方法を示す。さらに、図5に直線データの照合方法を詳しく示す。図5(a)は一致データの探索方法を、(b)は一致データの相対位置の比較方法を示す。図3、図4および図5を用いて指紋の登録処理を説明する。
【0035】
指紋登録の操作が開始されると、指紋が撮像され(S301)、読み込まれた画像が2値化データ41に変換される(S302)。
S302では、図4(a)のように、読み込まれたアナログ指紋画像の特定範囲が、x方向に256ドット、y方向に128ドットの2値化データ41に変換される。この2値化された画像データから、64ドット四方の正方形範囲が3カ所抽出され、図4(b)のように、それぞれの正方形41a、41b、41cの中で、64ドットの直線データ42がx方向、y方向にそれぞれ8本ずつ特定の間隔で抽出される(S303)。図4(b)では直線データ42は8ドット間隔で抽出されている。計48本の直線データ42のそれぞれは、64個のドットの並びを16進数の数字列で表され、各直線データ42の先頭の座標とともに、登録テンプレートとして登録される(S304)。
【0036】
次に、試し照合のために再び指紋が撮像され(S305)、2値化データ51が作成される(S306)。そして、登録された直線データ42が読み込まれ(S307)、図5(a)のように、48本の直線データ42それぞれについて、2値化データ51の画像全体からドット並びの一致する一致直線52が探し出される(S308)。ここで、実際には、指紋の撮像状態の違いによって、同一人物の指紋画像でも2値化データ51に多少の相違があり得ることを考慮して、例えば64個のドットのうち一致するドットが48個を超えたとき、同一の直線データ42と見なしてこれを一致直線52として抽出する。またこのとき、抽出された一致直線52の先頭の座標(x,y)も同時に読み込む。
【0037】
なお、直線データ42はx方向およびy方向にのみ抽出されたデータであることから、もし照合時に読み込まれた指紋画像が、登録時の画像と異なる角度に回転して読み込まれていた場合は、一致直線52を抽出することができない。そこで、S308で一致直線52が抽出できなかったときは、読み込まれた画像を一定角度ずつ両方向に回転させて、その都度一致直線52の抽出を行って、すべての直線データ42あるいは一定数以上の直線データ42について、一致直線52を抽出できたとき、次の処理に進むことにする。ただし、図3ではこのような画像を回転して一致直線52を抽出する処理については省略している。
【0038】
一致直線52が抽出された後、図5(b)のように、正方形51aごとにx軸、y軸各方向の8本の一致直線52について、先頭部の座標の相対位置が、登録された直線データ42の相対位置と比較される(S309)。そして、すべての正方形範囲について、相対位置の一致した数の合計をスコア値とする(S310)。
【0039】
このとき、各正方形範囲の1方向ごとに、スコア値の撮る範囲を適当な段階に分割し、それぞれの段階にスコア値を設定してもよい。ここでは例えば、各正方形範囲の1方向について、8本の一致直線52のうち相対位置が一致した数が4本以下のとき0点、5本のとき1点、6本のとき2点、7本のとき3点、8本のとき4点として、x方向、y方向を3つの正方形内で同様に点数を算出し、合計24点を満点とするスコア値のスケールを作成する。
【0040】
この後、S305からS310までの試し照合の処理を複数回繰り返し、各回の処理でスコア値を算出する(S311)。所定の回数の試し照合を終了した後、スコア値を平均して(S312)、この平均値を照合レベルに設定する(S313)。
【0041】
また、照合レベルの設定時(S313)には、最高点が24点であるスコア値の範囲を適当な段階に分割し、それぞれの段階ごとに照合レベルを設定してもよい。例として図6に、複数回の試し照合を行ったときの、算出されたスコア値と試し照合の回数との関係をグラフに示す。
【0042】
図6では、登録者AおよびBの2名について、試し照合を複数回行って各回で算出されたスコア値ごとの回数が示され、登録者Aの平均スコア値が9点で、登録者Bの平均スコア値が18点となったとする。ここで、24点を上限とするスコア値の範囲を、0点から4点、5点から9点、10点から14点、15点から19点、20点から24点の5段階に分割し、それぞれの段階を照合レベル1、2、3、4、5と割り振る。すなわち、図6ではスコア値が9点の登録者Aは照合レベル2、スコア値が18点の登録者Bは照合レベル4が設定される。
【0043】
各登録者ごとに設定された照合レベルは、直線データ42とともに登録される(S314)。このように、登録時に複数回の試し照合処理が行われることによって、この登録者の指紋画像が、どの程度の画質で読みこまれるかという傾向が判断され、これに応じて登録者ごとに照合レベルが設定される。
【0044】
次に、図7に指紋照合の処理の流れを示す。
照合者の指紋を撮像して指紋画像を読み込み(S701)、2値化データを作成する(S702)。そして、照合者の識別番号をキーにして、登録されたテンプレートデータから直線データが読み込まれ(S703)、試し照合の際と同様に、2値化データの画像全体から、各直線データとドットの並びが一致する一致直線が探し出される(S704)。このとき実際には、指紋登録時の試し照合のときと同様に、一致直線が抽出されないときには、2値化データの画像を両方向に一定角度ずつ回転させて、その都度一致データを探索し、全直線データまたは一定数以上の直線データについて一致直線が抽出されたとき、次の処理に進むようにする。ただし図7では、このような画像を回転させる処理については省略している。
【0045】
次に、抽出された一致直線のそれぞれの先頭座標から、一致直線の相対位置と登録されていた直線データの相対位置とが比較され(S705)、相対位置が一致した数からスコア値が算出される(S706)。ここで登録されていた照合レベルが読み込まれ(S707)、算出されたスコア値が照合レベルの値を満たしている場合に、この指紋が同一人物のものであると判定される(S708)。
【0046】
なお、登録時の試し照合のときと同様に、照合時における一致直線の相対位置の一致数のとる範囲を複数の段階に分割し、各段階にスコア値を割り当てることも可能である。また、このようなスコア値や照合レベルの段階的割り当て方法は、登録時と照合時で同じ設定でなければならない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の指紋照合装置では、指紋登録時に指紋の登録者ごとに照合レベルを設定して登録するので、登録時の読み込み状態によって指紋画像の画質に登録者ごとにバラツキが生じても、指紋照合の精度を高めることができる。
【0048】
また、本発明の指紋照合方法では、指紋登録時に試し照合を行って、照合レベルを指紋の登録者ごとに設定するので、登録時の読み込み状態によって指紋画像の画質に登録者ごとにバラツキが生じても、指紋照合の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の指紋照合装置の原理図を示す図である。
【図2】本発明の指紋照合装置の構成例を示す図である。
【図3】指紋登録の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】登録データの作成方法を示す図であり、(a)は2値データの画像を示し、(b)は直線データの抽出方法を示す。
【図5】直線データの照合方法を示す図であり、(a)は一致データの探索方法を、(b)は一致データの相対位置の比較方法を示す。
【図6】複数回の試し照合を行ったときの、算出されたスコア値と試し照合の回数との関係を示すグラフである。
【図7】指紋照合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】従来の指紋照合装置の処理の流れを示すフローチャートであり、(a)は指紋登録時、(b)は指紋照合時を示す。
【符号の説明】
1……指紋照合装置、2……撮像手段、3……2値化手段、4……直線データ抽出手段、5……一致直線探索手段、6……相対位置比較手段、7……スコア値算出手段、8……照合レベル設定手段、9……記憶手段、10……判定手段、11……CCD、12……ASIC、13……CPU、14……RS232Cインタフェース、15……SRAM、16……フラッシュメモリ、20……ホストコンピュータ
Claims (4)
- 指紋を照合して個人を識別する指紋照合装置において、
指紋画像を撮像することで読み込む撮像手段と、
前記指紋画像を2値化した2値化データを作成する2値化手段と、
前記2値化データから1ドット幅で第1の特定数のドット列をなした直線データを所定の間隔で複数抽出する直線データ抽出手段と、
前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれについてドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを一致直線として探索する一致直線探索手段と、
探索された前記一致直線のそれぞれの相対位置と既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれの前記相対位置とを比較する相対位置比較手段と、
前記相対位置の一致した数の合計をスコア値とするスコア値算出手段と、
前記直線データの登録直後に前記撮像手段により読み込まれた指紋画像を処理対象として、前記2値化手段、前記一致直線探索手段、及び前記相対位置比較手段の一連の処理が実行されることにより実現される試し照合が複数回繰り返され、各々の回の前記試し照合で得られた前記スコア値の平均値を算出し、照合レベルとして出力する照合レベル設定手段と、
前記直線データおよび前記照合レベルを登録者ごとに登録して記憶する記憶手段と、
指紋照合の際に前記撮像手段により読み込まれた処理対象としての前記指紋画像より算出された前記スコア値が、登録者それぞれの前記照合レベル以上であるとき指紋が同一人物のものであると判定する判定手段と、
を有し、
前記一致直線探索手段は、前記試し照合の場合には、
前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データを構成する前記ドット列のうち前記第1の特定数以下、かつ第2の特定数以上のドットについてのドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを、前記一致直線として探索し、
前記一致直線が探索できなかったときは、処理対象の前記指紋画像を一定角度ずつ回転させて、その都度前記一致直線の探索を繰り返し、一定数以上の前記一致直線を探索することを特徴とする指紋照合装置。 - 前記スコア値算出手段は、前記相対位置の一致数がとる値を適当な複数の段階に分割して、前記段階ごとに前記スコア値を設定することを特徴とする請求項1記載の指紋照合装置。
- 前記照合レベル設定手段は、前記スコア値の平均値がとる値を適当な複数の段階に分割して、前記段階ごとに前記照合レベルを設定することを特徴とする請求項1記載の指紋照合装置。
- 指紋を照合して個人を識別する指紋照合方法において、
指紋画像を撮像することで読み込み、
前記指紋画像を2値化した2値化データを作成し、
前記2値化データから1ドット幅で第1の特定数のドット列をなした直線データを所定の間隔で複数抽出し、
前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれについてドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを一致直線として探索し、
探索された前記一致直線のそれぞれの相対位置と既に抽出され、登録されている前記直線データのそれぞれの前記相対位置とを比較し、
前記相対位置の一致した数の合計をスコア値とし、
前記直線データの登録直後に読み込まれた指紋画像を処理対象として、試し照合が複数回繰り返され、各々の回の前記試し照合で得られた前記スコア値の平均値を算出し、照合レベルとして出力し、
前記直線データおよび前記照合レベルを登録者ごとに登録して記憶し、
指紋照合の際に、処理対象としての前記指紋画像より算出された前記スコア値が、登録者それぞれの前記照合レベル以上のとき前記指紋が同一人物のものであると判定し、
前記試し照合の場合には、前記2値化データと、既に抽出され、登録されている前記直線データを構成する前記ドット列のうち前記第1の特定数以下、かつ第2の特定数以上のドットについてのドット並びが一致する既に抽出され、登録されている前記直線データを、前記一致直線として探索し、前記一致直線が探索できなかったときは、処理対象の前記指紋画像を一定角度ずつ回転させて、その都度前記一致直線の探索を繰り返し、一定数以上の前記一致直線の探索することを特徴とする指紋照合方法。
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