JP4470237B2 - LIGHT EMITTING ELEMENT, LIGHT EMITTING DEVICE, DISPLAY DEVICE, AND LIGHT EMITTING ELEMENT MANUFACTURING METHOD - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微結晶を用いた発光素子,発光装置および表示装置並びに発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、GaAs,GaAsP混晶,GaAlAs混晶またはGaPなどの半導体を用いた発光素子が開発されている。これらの発光素子は、基板の上にn型半導体層,発光層およびp型半導体層が順次積層された構造を有しており、順方向バイアスに電圧が印加されると、発光層において電子と正孔とが再結合し発光するようになっている。なお、従来は、n型半導体層,発光層およびp型半導体層を単結晶によりそれぞれ構成しており、基板の上にエピタキシャル成長させることにより形成していた。よって、基板も単結晶により構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の発光素子ではn型半導体層,発光層およびp型半導体層を単結晶によりそれぞれ構成していたので、良好な結晶を得るためには、基板との格子整合や結晶構造の整合が必要不可欠であった。また、エピタキシャル成長させる際の条件も厳しく限定されると共に、欠陥を低減するには高温でエピタキシャル成長させる必要があった。よって、基板を構成する材料が著しく限定されてしまい、材料選択の自由度が小さかった。従って、石英やガラスなどを基板に用いることができず、大面積の素子列を作成することができないという問題があった。
【0004】
また、発光層,n型半導体層およびp型半導体層を構成する材料も基板の材料により著しく限定されてしまい、それらの材料選択の自由度も小さかった。よって、発光波長が限定されてしまうという問題もあった。更に、このように欠陥を低減する工夫が成されていても欠陥を全く無くすことはできず、欠陥が非発光中心として働き、発光効率の低下や劣化の原因となってしまうという問題もあった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、発光効率が高く、材料選択の幅が広く、大面積の素子列を形成することができる発光素子,発光装置および表示装置並びに発光素子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による発光素子は、第1導電型層と、第2導電型層と、第1導電型層と第2導電型層との間に形成され、異なる半導体よりなる2種以上の発光可能な粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層と、第1導電型層と第2導電型層との間で複数の微結晶間を埋め込むように設けられた絶縁層とを備え、第1導電型層および第2導電型層を通じて発光層の微結晶に電流が流れるものである。
【0008】
本発明による発光素子の製造方法は、第1導電型層および第2導電型層を通じて微結晶を含む発光層に電流が流れることにより発光する発光素子の製造方法であって、第1導電型層を形成する工程と、第1導電型層上に異なる半導体よりなる2種以上の発光可能な粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層を形成する工程と、第1導電型層上に複数の微結晶間を埋め込むように絶縁層を形成する工程と、複数の微結晶および絶縁層上に第2導電型層を形成する工程とを含むものである。
【0010】
本発明による発光装置は、複数の発光素子を積層してなり、発光素子として本発明の発光素子を含むものである。
【0012】
本発明による表示装置は、複数の発光素子を有し、発光素子として本発明の発光素子を含むものである。
【0014】
本発明による発光素子では、第1導電型層と第2導電型層との間に電圧が印加されると、発光層の2種以上の粒子状の微結晶に電流が注入され発光が起こる。この微結晶には欠陥がほとんど無く、高い効率で発光する。
【0016】
本発明による発光素子の製造方法では、第1導電型層が形成されたのち、この第1導電型層上に2種以上の発光可能な粒子状の微結晶を含む発光層が形成され、更にこれら微結晶間を埋め込むように絶縁層が形成され、第2導電型層がこれら微結晶および絶縁層上に形成される。
【0018】
本発明による発光装置および本発明による表示装置は、本発明の発光素子をそれぞれ用いたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(発光素子における第1の実施の形態)
図1は本発明の発光素子における第1の実施の形態に係る発光ダイオード(light emitting diode;LED)10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11の一面に、第1導電型層である第1導電型クラッド層12,微結晶層である発光層13および第2導電型層である第2導電型クラッド層14が順次積層されている。なお、本実施の形態においては、第1導電型がn型であり、第2導電型がp型となっている。
【0021】
基板11は、例えば、積層方向における厚さ(以下、単に厚さという)が0.5mmであり、石英ガラスあるいはケイ酸塩ガラスなどのガラスまたは結晶性の石英またはサファイアなどの透明材料により構成されている。このように透明材料により基板11を構成すれば、基板11の側からも光を取りだすことができるので好ましい。また、透明材料に限らず、ガラス以外の非晶質体により基板11を構成するようにしてもよい。このように非晶質体により構成するようにすれば、基板11の面積を容易に大きくすることができるので好ましい。
【0022】
第1導電型クラッド層12は、例えば、厚さが1μmであり、ケイ素(Si)などのn型不純物を添加したn型AlGaNまたはn型GaNにより構成されている。また、第1導電型クラッド層12は、これらの多結晶体,非晶質体あるいは多結晶体と非晶質体との複合体などの非単結晶体により構成されている。n型AlGaNにおけるアルミニウムの組成は、例えば50モル%以下である。
【0023】
発光層13は、例えば、ZnOよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。ここで、微結晶13aというのは単結晶または多結晶よりなる微小な粒子のことであり、発光可能なものを言う。この各微結晶13aの結晶粒径(すなわち1つの単結晶の結晶粒径)は100nm以下であるとが好ましい。100nm以下であれば欠陥の無い結晶を得ることができるからである。また、この各微結晶13aは、積層方向においてほぼ1層形成されている。
【0024】
第2導電型クラッド層14は、例えば、厚さが0.5μmであり、マグネシウム(Mg)などのp型不純物を添加したp型BNの非単結晶体あるいは亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型AlNの非単結晶体により構成されている。すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14は窒素(N)を含む無機半導体によりそれぞれ構成されており、発光層13は酸素(O)を含む無機半導体により構成されている。
【0025】
第1導電型クラッド層12と第2導電型クラッド層14との間には、また、発光層13の各微結晶13aの間を埋めるように絶縁層15が形成されており、第1導電型クラッド層12と第2導電型クラッド層14との接触を防止するようになっている。この絶縁層は、例えば、厚さが発光層13の各微結晶13aの粒径の大きさよりも薄くなっており、アルミニウム(Al)とガリウム(Ga)と酸素との化合物またはガリウムと酸素との化合物により構成されている。
【0026】
また、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側には第1の電極16が形成されている。この第1の電極16は、例えば、第1導電型クラッド層12の側からチタン(Ti)層,アルミニウム層,白金(Pt)層および金(Au)層を順次積層して加熱処理により合金化した構造を有しており、第1導電型クラッド層12と電気的に接続されている。更に、第2導電型クラッド層14の基板11と反対側には第2の電極17が形成されている。この第2の電極17は、例えば、第2導電型クラッド層14の側からニッケル(Ni)層,白金層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した構造を有しており、第2導電型クラッド層14と電気的に接続されている。すなわち、ここにおいて第1の電極16はn側電極として機能し、第2の電極17はp側電極として機能するようになっている。
【0027】
図2はこの発光ダイオード10のバンドギャップ構造を表すものである。図2中において、実線は第1導電型クラッド層12,発光層13および第2導電型クラッド層14の各バンドギャップをそれぞれ表し、破線は絶縁層15のバンドギャップを表している。このように、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。また、絶縁層15のバンドギャップは発光層13のバンドギャップよりも大きくなっている。すなわち、第2導電型クラッド層14と第1導電型クラッド層12との間においては、電流が発光層13を介して流れるようになっている。
【0028】
なお、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップは、それらを構成する材料により決定され、発光層13(すなわち各微結晶13a)のバンドギャップは、各微結晶13aを構成する材料およびその粒径によって決定される。発光層13のバンドギャップは各微結晶13aの粒径が小さくなるほど広くなる傾向を有する。また、この発光ダイオード10の発光波長は発光層13のバンドギャップにより決定される。ここでは、発光層13のバンドギャップが約3.3eVであり、発光波長は約380nmとなっている。
【0029】
このような構成を有する発光ダイオード10は、次のようにして製造することができる。
【0030】
図3はその各製造工程を表すものである。まず、図3(A)に示したように、石英ガラスなどよりなる基板11を用意し、その一面に、例えば、スパッタリング法,CVD(Chemical Vapor Deposition )法,分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法あるいはレーザ堆積法を用いてn型AlGaNの非単結晶体またはn型GaNの非単結晶体よりなる第1導電型クラッド層12を形成する。その際、基板11の温度は600℃以下とする。第1導電型クラッド層12を非単結晶体により構成するので温度をあまり高くする必要がないからであり、これにより、基板11をガラスなどの非晶質体により構成しても十分に耐え得る温度となっている。次いで、第1導電型クラッド層12における不純物の活性化が不十分である場合には、例えばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0031】
続いて、図3(B)に示したように、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、電着法,MBE法あるいはレーザ堆積法を用いてZnOよりなる複数の微結晶13aを被着することにより、あるいは溶媒中に分散させたZnOよりなる複数の微結晶13aを塗布することにより、発光層13を形成する。この際、各条件を調整することにより、各微結晶13aの粒径,各微結晶13aによる第1導電型クラッド層12の被覆率および各微結晶13aの積層数(すなわち発光層13の厚さ)をそれぞれ制御する。具体的には、電着法においては、溶液の純度,溶液の温度,印加電圧および処理時間などを調整することにより制御する。また、MBE法およびレーザ堆積法においては、基板11の温度,雰囲気ガス圧および蒸着速度などを調整することにより制御する。溶媒中に分散させた微結晶13aを塗布する方法においては、溶媒の種類,粘性および濃度などを調整することにより制御する。
【0032】
発光層13を形成したのち、図3(C)に示したように、酸素プラズマ処理などの酸素含有雰囲気中における加熱処理を行う。これにより、発光層13の各微結晶13aに存在する酸素空孔を補完してその結晶性を向上させると共に、各微結晶13aが接触していない第1導電型クラッド層12の表面を酸化し、アルミニウムとガリウムと酸素との化合物またはガリウムと酸素との化合物よりなる絶縁膜15を形成する。そののち、更に、水素プラズマ処理などの水素含有雰囲気中における加熱処理を行うことが好ましい。これにより、発光層13の各微結晶13aに残存する酸素空孔を補完して更にその結晶性を向上させることができるからである。すなわち、これらの酸素および水素を用いた処理により、酸素空孔の作るドナーが関与するドナー−アクセプタ再結合による緑色(波長510nm)の発光を不活性化する(T. Sekiguchi et al. Jpn. J. Appl. Phys 36, L289(1997) )。
【0033】
酸素含有雰囲気中および水素含有雰囲気中における加熱処理をそれぞれ行ったのち、図3(D)に示したように、発光層13および絶縁層15をそれぞれ介して、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、スパッタリング法,CVD法,MBE法あるいはレーザ堆積法を用いてp型BNの非単結晶体またはp型AlNの非単結晶体よりなる第2導電型クラッド層14を形成する。その際、基板11の温度は600℃以下とする。第2導電型クラッド層14も非単結晶体により構成するので温度をあまり高くする必要がないからであり、これにより、基板11をガラスなどにより構成しても十分に耐え得る温度となっている。そののち、第2導電型クラッド層14における不純物の活性化が不十分である場合には、例えばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0034】
第2導電型クラッド層14を形成したのち、リソグラフィ技術を用い、第1の電極16の形成位置に対応して、第2導電型クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択的に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露出させる。なお、この際、第1導電型クラッド層12の一部も選択的に除去してもよい。第1導電型クラッド層12を露出させたのち、第2導電型クラッド層14およびエッチングにより露出された第1導電型クラッド層12の全面に図示しないレジスト膜を塗布形成し、n側電極14の形成位置に開口を形成する。そののち、その全面に、例えば、真空蒸着法によりチタン層,アルミニウム層,白金層および金層を順次蒸着し、レジスト膜をその上に形成された各金属層と共に除去(リフトオフ)することにより第1の電極16を形成する。また、例えば、第1の電極16と同様にして、ニッケル層,白金層および金層を順次蒸着し、第2の電極17を選択的に形成する。そののち、加熱処理を行い、第2の電極17および第1の電極16をそれぞれ合金化する。これにより、図1に示した発光ダイオード10が形成される。
【0035】
このようにして製造した発光ダイオード10は、次のように作用する。
【0036】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結晶13aにおいてそれぞれ電子−正孔再結合により発光が起こる。この各微結晶13aには欠陥がほとんど無く、高い効率で発光する。発光波長は発光層13のバンドギャップに応じて決定され、ここでは約380nmである。また、第2導電型クラッド層14と第1導電型クラッド層12との間に絶縁層15が形成されているので、第2導電型クラッド層14と第1導電型クラッド層12との間における漏れ電流が低減され、電流は各微結晶13aを介して流れる。よって、各微結晶13aに効率良く電子および正孔が注入される。
【0037】
なお、この発光ダイオード10は、照明,表示装置あるいは殺菌灯などの光源として用いられる。
【0038】
このように本実施の形態に係る発光ダイオード10によれば、複数の微結晶13aを利用して発光層13を構成するようにしたので、発光層13の結晶性を向上させることができ、発光効率を向上させることができると共に寿命を延長することができる。また、基板11との格子整合などを考慮する必要がないので、発光波長などに応じて任意の材料を選択することができる。更に、粒子サイズ効果により粒径が小さくなるほどバンドギャップが広くなるので、発光波長を短波長化することができ、例えば各微結晶13aをZnOにより構成した場合など紫外領域の発光を得ることができる。よって、殺菌灯などの光源としても用いることができる。
【0039】
加えて、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14も単結晶により構成する必要がなくなり、それらを構成する材料の選択幅が広がると共に、低温で形成可能な非単結晶体によりそれらを構成することもできる。よって、基板11を構成する材料の選択幅が広がり、例えば、ガラスなどの非晶質体によっても基板11を構成することができる。従って、大面積の素子列を形成することが可能となる。
【0040】
更にまた、この発光ダイオード10によれば、発光層13の各微結晶層13aの間に絶縁層15を設けるようにしたので、第2導電型クラッド層14と第1導電型クラッド層12との間における漏れ電流を低減することができ、各微結晶13aに効率良く電子および正孔を注入することができる。よって、発光効率を向上させることができる。
【0041】
加えてまた、本実施の形態に係る発光ダイオード10の製造方法によれば、基板11に第1導電型クラッド層12および発光層13を順次積層し、絶縁層15を形成したのち、第2導電型クラッド層14を形成するようにしたので、本実施の形態に係る発光ダイオード10を容易に形成することができ、本実施の形態に係る発光ダイオード10を実現することができる。特に、発光層13を形成したのち、酸素含有雰囲気中において加熱処理をするようにしたので、絶縁層15を容易に形成することができると共に、各微結晶13aの結晶性を向上させることもできる。また、酸素含有雰囲気中において加熱処理をしたのち、更に、水素含有雰囲気中において加熱処理を行うようにしたので、各微結晶13aの結晶性を更に向上させることができる。
【0042】
(発光素子における第2の実施の形態)
図4は本発明の発光素子における第2の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、発光層13の構成が異なることを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有しており、同様にして製造することができ、同様にして用いられる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0043】
発光層13は、例えば、ZnOよりなる複数の微結晶13aを含むと共に、TiO2 よりなる複数の微結晶13bも含んでいる。すなわち、この発光層13は、異なる半導体よりそれぞれなる2種の各微結晶13a,13bをそれぞれ含んでおり、発光層13は2つのバンドギャップを有している。ZnOよりなる各微結晶13aのバンドギャップは約3.3eVであり、TiO2 よりなる各微結晶13bのバンドギャップは約2.9eVである。
【0044】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13a,13bに電流が注入され、各微結晶13a,13bにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、各微結晶13aと各微結晶13bとは異なった半導体によりそれぞれ構成されているので、バンドギャップが互いに異なっている。よって、それぞれ異なった波長(約380nmと約430nm)で発光する。なお、TiO2 よりなる各微結晶13bは、大きなストークスシフトを生じると低温において530nmで発光する(N. Hosaka et al., J. Luminescence 72-74, 874(1997))。
【0045】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、発光層13における各微結晶13a,13bを異なる半導体よりそれぞれ構成するようにしたので、波長が異なる2種類の光を得ることができるという効果も有する。
【0046】
なお、上記第2の実施の形態では、発光層13が2種の各微結晶13a,13bをそれぞれ含む場合について説明したが、発光層13は異なる半導体よりそれぞれなる3種以上の微結晶をそれぞれ複数づつ含んでいてもよい。各微結晶を構成する材料としては、例えば、ZnOあるいはTiO2 以外に、ZnSe,CdS,CdSe,InN,GaAsP混晶あるいはα−SiCなどを用いることもできる。このように各微結晶の種類の数を多くすれば、それだけ発光波長の数も多くすることができる。
【0047】
(発光素子における第3の実施の形態)
図5は本発明の発光素子における第3の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、発光層13の構成が異なることを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有しており、同様にして製造することができ、同様にして用いられる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0048】
発光層13は、例えば、内部層13cとその表面に形成された表面層13dとの層状構造を有する複数の微結晶13aを含んでいる。内部層13cは発光部として機能するものであり、表面層13dは内部層13cの発光効率を高めるためのものである。表面層13dを構成する材料は、表面層13dのバンドギャップが内部層13cよりも大きく第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14よりもそれぞれ小さくなるように選択される。例えば、内部層13cは不純物を添加しないZnOにより構成され、表面層13dはマグネシウムを添加したMg-dopedZnOにより構成される。また、内部層13cは不純物を添加しないCdSにより構成され、表面層13dは不純物を添加しないZnSにより構成される。
【0049】
図6はこの発光ダイオード10のバンドギャップ構造を表すものである。図6中において、実線は第1導電型クラッド層12,発光層13および第2導電型クラッド層14の各バンドギャップをそれぞれ表し、破線は絶縁層15のバンドギャップを表している。このように、発光層13のバンドギャップは、表面層13dよりも更に内部層13cにおいて小さくなっている。また、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0050】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、各微結晶13aが内部層13cと表面層13dとから構成されているので、バンドギャップが段階的に変化している。よって、発光効率が高くなっている。
【0051】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、発光層13における各微結晶13aを層状構造とするようにしたので、発光効率を更に高めることができるという効果も有する。なお、本実施の形態は、先の第2の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0052】
(発光素子における第4の実施の形態)
図7は本発明の発光素子における第4の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15および第1の電極16をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0053】
第1導電型クラッド層12は、例えば、炭素(C)などのn型不純物を添加したn型BNの非単結晶体により構成されている。発光層13は、例えば、GaNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド層14は、例えば、マグネシウムなどのp型不純物を添加したp型BNの非単結晶体により構成されている。絶縁層15は、例えば、ホウ素(B)と酸素との化合物により構成されている。すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド層12,発光層13および第2導電型クラッド層14は窒素を含む無機半導体によりそれぞれ構成されている。また、第1導電型クラッド層12と第2導電型クラッド層14とは導電型が異なる同一の半導体材料により構成されている。
【0054】
なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0055】
第1の電極16は、例えば、第2の電極17と同様に、第1導電型クラッド層12の側からニッケル層,白金層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した構造を有している。
【0056】
このような構成を有する発光ダイオード10は、次のようにして製造することができる。
【0057】
まず、基板11を用意し、その一面に、例えば、スパッタリング法またはレーザ堆積法を用いてn型BNの非単結晶体よりなる第1導電型クラッド層12を形成する。その際、先の第1の実施の形態と同様に、基板の温度は600℃以下とする。次いで、第1導電型クラッド層12における不純物の活性化が不十分である場合には、先の第1の実施の形態と同様に、例えばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0058】
続いて、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、スパッタリング法,MBE法あるいはレーザ堆積法を用いてGaNよりなる複数の微結晶13aを被着し、発光層13を形成する。この際、各微結晶13aの粒径,各微結晶13aによる第1導電型クラッド層12の被覆率および各微結晶13aの積層数(すなわち発光層13の厚さ)は、基板11の温度,雰囲気ガス圧および蒸着速度などを調整することにより制御する。
【0059】
発光層13を形成したのち、窒素プラズマ処理などの窒素含有雰囲気中における加熱処理を行う。これにより、発光層13の各微結晶13aに存在する窒素空孔を補完してその結晶性を向上させる。そののち、酸素プラズマ処理などの酸素含有雰囲気中における加熱処理を行う。これにより、各微結晶13aが接触していない第1導電型クラッド層12の表面を酸化し、ホウ素と酸素との化合物よりなる絶縁膜15を形成する。なお、この際、各微結晶13aの表面も僅かに酸化される。ちなみに、この酸素含有雰囲気中における加熱処理は、窒素含有雰囲気中における加熱処理の後に行うことが好ましい。各微結晶13aに欠陥が多いと酸化され易いからである。
【0060】
酸素含有雰囲気中における加熱処理を行ったのち、更に、水素プラズマ処理などの水素含有雰囲気中における加熱処理を行うことが好ましい。これにより、各微結晶13aの表面に形成された酸化膜を除去することができると共に、各微結晶13aに残存する窒素空孔を補完して結晶性を更に向上させることができるからである。水素含有雰囲気中における加熱処理を行ったのち、発光層13および絶縁層15をそれぞれ介して、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、スパッタリング法またはレーザ堆積法を用いてp型BNの非単結晶体よりなる第2導電型クラッド層14を形成する。そののち、第2導電型クラッド層14における不純物の活性化が不十分である場合には、先の第1の実施の形態と同様に、例えばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0061】
第2導電型クラッド層14を形成したのち、先の第1の実施の形態と同様にリソグラフィ技術を用い、第1の電極16の形成位置に対応して、第2導電型クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択的に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露出させる。第1導電型クラッド層12の一部を露出させたのち、先の第1の実施の形態と同様にして、ニッケル層,白金層および金層を順次蒸着し、第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ選択的に形成する。そののち、加熱処理を行い、第2の電極17および第1の電極16をそれぞれ合金化する。これにより、本実施の形態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0062】
このような発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用すると共に、同様にして用いることができる。また、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0063】
(発光素子における第5の実施の形態)
図8は本発明の発光素子における第5の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15および第1の電極16をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0064】
第1導電型クラッド層12は、例えば、β─Ga2 O3 またはアルミニウムなどのn型不純物を添加したn型Al-dopedGa2 O3 の非単結晶体により構成されている。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド層14は、例えば、窒素などのp型不純物を添加したp型ZnOの非単結晶体により構成されている。絶縁層15は、例えば、ガリウムと窒素との化合物またはアルミニウムとガリウムと窒素との化合物により構成されている。すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が酸素を含む無機半導体によりそれぞれ構成され、発光層53が窒素を含む無機半導体により構成されている。
【0065】
なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0066】
第1の電極16は、例えば、第1導電型クラッド層12の側からニッケルとクロム(Cr)との合金層と金層とを順次積層して加熱処理により合金化した構造を有している。
【0067】
このような構成を有する発光ダイオード10は、次のようにして製造することができる。
【0068】
まず、基板11を用意し、その一面に、例えば、スパッタリング法,CVD法,MBE法またはレーザ堆積法を用いてβ─Ga2 O3 またはn型Al-dopedGa2 O3 の非単結晶体よりなる第1導電型クラッド層12を形成する。その際、先の第1の実施の形態と同様に、基板の温度は600℃以下とする。次いで、第1導電型クラッド層12における不純物の活性化が不十分である場合には、先の第1の実施の形態と同様に、例えばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0069】
続いて、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、スパッタリング法,MBE法あるいはレーザ堆積法を用いてInNよりなる複数の微結晶13aを被着し、発光層13を形成する。この際、各微結晶13aの粒径,各微結晶13aによる第1導電型クラッド層52の被覆率および各微結晶13aの積層数(すなわち発光層13の厚さ)は、基板11の温度,雰囲気ガス圧および蒸着速度などを調整することにより制御する。
【0070】
発光層13を形成したのち、窒素プラズマ処理などの窒素含有雰囲気中における加熱処理を行う。これにより、発光層13の各微結晶13aに存在する窒素空孔を補完して結晶性を向上させると共に、各微結晶13aが接触していない第1導電型クラッド層12の表面を窒化し、アルミニウムとガリウムと窒素との化合物よりなる絶縁膜15を形成する。そののち、更に、水素プラズマ処理などの水素含有雰囲気中における加熱処理を行うことが好ましい。これにより、各微結晶13aに残存する窒素空孔を補完して結晶性を更に向上させることができるからである。
【0071】
酸素含有雰囲気中および水素含有雰囲気中における加熱処理をそれぞれ行ったのち、発光層13および絶縁層15をそれぞれ介して、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、スパッタリング法,CVD法,MBE法またはレーザ堆積法を用いてp型ZnOの非単結晶体よりなる第2導電型クラッド層14を形成する。そののち、第2導電型クラッド層14における不純物の活性化が不十分である場合には、先の第1の実施の形態と同様に、例えばレーザアニール法によりその活性化を行う。
【0072】
第2導電型クラッド層14を形成したのち、先の第1の実施の形態と同様にリソグラフィ技術を用い、第1の電極16の形成位置に対応して、第2導電型クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択的に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露出させる。第1導電型クラッド層12の一部を露出させたのち、先の第1の実施の形態と同様にして、ニッケルとクロムとの合金層および金層を順次蒸着して第1の電極16を選択的に形成すると共に、ニッケル層,白金層および金層を順次蒸着して第2の電極17を選択的に形成する。そののち、加熱処理を行い、第2の電極17および第1の電極16をそれぞれ合金化する。これにより、本実施の形態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0073】
このような発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用すると共に、同様にして用いることができる。また、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0074】
(発光素子における第6の実施の形態)
図9は本発明の発光素子における第6の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0075】
基板11は、例えば、先の第1の実施の形態と同様に、ガラス,石英あるいはサファイアなどにより構成されてもよいが、プラスチックにより構成されていてもよい。本実施の形態では、後述するように第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が有機半導体により構成されるので、より低温で製造することができるからである。このように基板11をプラスチックにより構成するようにすれば、基板11の面積を容易に大きくすることができると共に、価格もより安価とすることができるので好ましい。
【0076】
第1導電型クラッド層12は、例えば、ポリピロールあるいはポリ(p−フェニレン)などのπ共役高分子錯体にp型添加物を添加したp型π共役高分子錯体により構成されている。p型添加物としては、例えば、ヨウ素(I2 ),臭素(Br2 )あるいは臭化ヨウ素(IBr)などのハロゲン、または塩化鉄(FeCl3 ),塩化アルミニウム(AlCl3 ),フッ化砒素(AsF5 )あるいは塩化スズ(SnCl3 )などの金属化合物が挙げられる。第2導電型クラッド層14は、例えば、ポリ(p−フェニレン),ポリ(2,5−ピリジンジイル)あるいはポリ(キノリン)などのπ共役高分子錯体にn型添加物を添加したn型π共役高分子錯体により構成されている。n型添加物としては、例えば、リチウム(Li),カリウム(K)あるいはナトリウム(Na)などの金属が挙げられる。
【0077】
すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が有機半導体によりそれぞれ構成されており、第1導電型がp型で、第2導電型がn型となっている。
【0078】
また、絶縁層15は、例えば、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0079】
第1の電極16は、例えば、ITO(インジウム(In)とスズ(Sn)と酸素との化合物;Indium Tin Oxide)または酸化スズ(SnO2 )により構成されている。第2の電極17は、例えば、インジウム,アルミニウム,マグネシウム,金あるいは白金などの金属、またはマグネシウムとインジウムとの合金(MgIn),アルミニウムとリチウムとの合金(AlLi)あるいはマグネシウムと銀との合金(MgAg)などの合金により構成されている。なお、本実施の形態においては第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極17がn側電極として機能するようになっている。
【0080】
このような構成を有する発光ダイオード10は、次のようにして製造することができる。
【0081】
まず、基板11を用意し、その一面に、例えば、塗布法,真空蒸着法あるいはレーザ堆積法によりp型π共役高分子錯体よりなる第1導電型クラッド層12を形成する。次いで、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、先の第1の実施の形態と同様にしてZnOよりなる複数の微結晶13aを被着し、発光層13を形成する。続いて、第1導電型クラッド層12の発光層13側に、例えば、塗布法、真空蒸着法あるいはレーザ堆積法によりポリイミドよりなる絶縁層15を形成する。そののち、この絶縁層15をエッチングし、発光層13の一部を表面に露出させる。
【0082】
発光層13の一部を表面に露出させたのち、発光層13および絶縁層15をそれぞれ介して、第1導電型クラッド層12の基板11と反対側に、例えば、塗布法,真空蒸着法あるいはレーザ堆積法によりn型π共役高分子錯体よりなる第2導電型クラッド層14を形成する。第2導電型クラッド層14を形成したのち、先の第1の実施の形態と同様にリソグラフィ技術を用い、第1の電極16の形成位置に対応して第2導電型クラッド層14,発光層13および絶縁層15を選択的に順次除去し、第1導電型クラッド層12の一部を露出させ、例えば蒸着により第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ選択的に形成する。これにより、本実施の形態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0083】
このような発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用すると共に、同様にして用いることができる。このように、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成することができる。よって、基板11を構成する材料の選択幅が更に広がり、プラスチックなどによっても基板11を構成することができる。従って、大面積の素子列を低価格で形成することが可能となる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0084】
(発光素子における第7の実施の形態)
図10は本発明の発光素子における第7の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0085】
基板11は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。第1導電型クラッド層12は、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分子化合物に導電体として超微粒子状の硫化銅(CuS)などの金属硫化物を混合したp型の導電性樹脂により構成されている。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド層14は、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分子化合物に導電体として超微粒子状の硫化銅あるいは硫化水銀(HgS)などの金属硫化物を混合したn型の導電性樹脂により構成されている。すなわち、この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14がそれぞれ導電性樹脂により構成されており、第1導電型クラッド層12がp型クラッド層、第2導電型クラッド層14がn型クラッド層とそれぞれなっている。
【0086】
また、絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0087】
第1の電極16および第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極17がn側電極として機能するようになっている。
【0088】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。
【0089】
まず、基板11の一面に、例えば、超微粒子状の金属硫化物を含有するオルガノゾルを塗布したのち乾燥して、p型の導電性樹脂よりなる第1導電型クラッド層12を形成する。次いで、InNよりなる複数の微結晶13aを被着して発光層13を形成したのち、ポリイミドよりなる絶縁層15を形成する。続いて、この絶縁層15をエッチングして発光層13の一部を表面に露出させたのち、例えば、超微粒子状の金属硫化物を含有するオルガノゾルを塗布乾燥させて、n型の導電性樹脂よりなる第2導電型クラッド層14を形成する。そののち、リソグラフィ技術により第1導電型クラッド層12の一部を露出させ、第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ選択的に形成する。これにより、本実施の形態に係る発光ダイオード10が形成される。
【0090】
このような発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いることができる。このように、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を導電性樹脂によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成することができる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0091】
(発光素子における第8の実施の形態)
図11は本発明の発光素子における第8の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0092】
基板11は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。第1導電型クラッド層12は、例えば、オルガノポリシランあるいはジラニレン系ポリマーなどの高分子シリコン誘導体にp型添加物を添加したp型高分子シリコン誘導体により構成されている。p型添加物としては、例えば、ヨウ素などのハロゲン、または塩化鉄,塩化アルミニウム,フッ化砒素あるいは塩化スズなどの金属化合物が挙げられる。第2導電型クラッド層14は、例えば、n型不純物を添加したn型π共役高分子錯体あるいはn型高分子金属錯体、または高分子化合物に導電体を混合したn型の導電性樹脂により構成されている。すなわち、この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12が有機半導体により構成されたp型クラッド層となっており、第2導電型クラッド層14が有機半導体または導電性樹脂により構成されたn型クラッド層となっている。
【0093】
また、絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0094】
第1の電極16および第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極17がn側電極として機能するようになっている。
【0095】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。また、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いることができる。このように、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、第1導電型クラッド層12を有機半導体により構成し、第2導電型クラッド層14を有機半導体または導電性樹脂により構成するようにしたので、より低温で形成することができる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0096】
(発光素子における第9の実施の形態)
図12は本発明の発光素子における第9の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0097】
基板11は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。第1導電型クラッド層12は、例えば、高分子金属錯体にp型添加物を添加したp型高分子金属錯体により構成されている。高分子金属錯体としては、例えば、フタロシアニン、または鉄,ニッケル,銅(Cu),亜鉛(Zn),白金,鉛(Pb),クロム(Cr),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),ケイ素,ゲルマニウム(Ge)あるいはスズ(Sn)などの金属を含む金属フタロシアニン、またはそれらの誘導体が挙げられる。また、p型添加物としては、例えば、ヨウ素,臭素あるいは臭化ヨウ素などのハロゲン、または塩化鉄,塩化アルミニウム,フッ化砒素あるいは塩化スズなどの金属化合物が挙げられる。
【0098】
発光層13は、例えば、CdSeよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド層14は、例えば、高分子金属錯体にn型不純物を添加したn型高分子金属錯体により構成されている。高分子金属錯体としては、例えば、コバルト(Co)などの金属を含む金属フタロシアニン,ペリレン顔料あるいはポルフィリン金属錯体が挙げられ、n型添加物としては、例えば、ヨウ素などのハロゲンが挙げられる。すなわち、この発光ダイオード10は、先の第6の実施の形態と同様に、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14がそれぞれ有機半導体により構成されており、第1導電型クラッド層12がp型クラッド層、第2導電型クラッド層14がn型クラッド層とそれぞれなっている。
【0099】
また、絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0100】
第1の電極16および第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極17がn側電極として機能するようになっている。
【0101】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。また、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いることができる。このように、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成することができる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0102】
(発光素子における第10の実施の形態)
図13は本発明の発光素子における第10の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11,第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料について先の第1の実施の形態とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0103】
基板11は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。第1導電型クラッド層12は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、p型π共役高分子錯体により構成されている。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。第2導電型クラッド層14は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、n型π共役高分子錯体により構成されている。絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。第1の電極16および第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれぞれ構成されている。すなわち、この発光ダイオード10は、発光層13を構成する材料が異なることを除き、先の第6の実施の形態と同一の構成となっている。
【0104】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。また、この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いることができる。更に、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、より低温で形成することができる。なお、本実施の形態は、先の第2および第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0105】
(発光素子における第11の実施の形態)
図14は本発明の発光素子における第11の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14の構成、並びに第1の電極16を構成する材料異なることを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有しており、同様にして製造することができる。また、先の第1の実施の形態と同様にして用いられる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一の部分についての詳細な説明を省略する。
【0106】
第1導電型クラッド層12は、例えば、基板11の側から順に積層された第1層12aと第2層12bとよりなる多層構造を有している。第1層12aは、例えば、厚さが0.4μmであり、炭素などのn型不純物を添加したn型BNの非単結晶体により構成されている。第2層12bは、例えば、厚さが0.1μmであり、ケイ素などのn型不純物を添加したn型AlGaNの非単結晶により構成されている。
【0107】
第2導電型クラッド層14は、例えば、発光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層14bとよりなる多層構造を有している。第1層14aは、例えば、厚さが0.1μmであり、マグネシウムなどのp型不純物を添加したp型AlGaNの非単結晶体により構成されている。第2層14bは、例えば、厚さが0.4μmであり、マグネシウムなどのp型不純物を添加したp型BNの非単結晶により構成されている。
【0108】
第1の電極16は、n側電極として機能し、例えば、第1導電型クラッド層12の側からチタン層,ニッケル層,白金層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した構造を有している。
【0109】
図15はこの発光ダイオード10のバンドギャップ構造を表すものである。図15中において、実線は第1導電型クラッド層12,発光層13および第2導電型クラッド層14の各バンドギャップをそれぞれ表し、破線は絶縁層15のバンドギャップを表している。第1導電型クラッド層12のバンドギャップは、第1層12aが約6.2eV、第2層12bが約3.4〜4.8eVであり、発光層13側の方がより小さくなっている。第2導電型クラッド層14のバンドギャップも、第1層14aが約3.4〜4.8eV、第2層14bが約6.2eVであり、発光層13側の方がより小さくなっている。これは、電荷の注入効率を高め、発光効率を向上させるためである。また、発光層13のバンドギャップは約3.3eVであり、先の第1の実施の形態と同様に、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0110】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14がそれぞれ多層構造となっており、発光層13側に向かってバンドギャップが段階的に小さくなっているので、電荷の注入効率が高くなり、発光効率が高くなる。
【0111】
このように本実施の形態によれば、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14をそれぞれ多層構造とし、発光層13側の方がより小さなバンドギャップをそれぞれ有するようにしたので、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、発光効率を更に高めることができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第5の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0112】
(発光素子における第12の実施の形態)
図16は本発明の発光素子における第12の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14の構成、並びに基板11,発光層13,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料が異なることを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一の部分についての詳細な説明を省略する。
【0113】
第1導電型クラッド層12は、例えば、基板11の側から順に積層された第1層12aと第2層12bとよりなる多層構造を有している。第1層12aは、例えば、厚さが0.4μmであり、p型添加物を添加したp型ポリジメチルシランにより構成されている。第2層12bは、例えば、厚さが0.1μmであり、p型添加物を添加したp型ポリ(p−フェニレン)により構成されている。なお、第1層12aのバンドギャップは約3.5eVであり、第2層12bのバンドギャップは約3.2eVである。
【0114】
第2導電型クラッド層14は、例えば、発光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層14bとよりなる多層構造を有している。第1層14aは、例えば、厚さが0.4μmであり、n型添加物を添加したn型ポリ(p−フェニレン)により構成されている。第2層14bは、例えば、厚さが0.1μmであり、n型添加物を添加したn型ポリジメチルシランにより構成されている。なお、第1層14aのバンドギャップは約3.2eVであり、第2層14bのバンドギャップは約3.5eVである。すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が有機半導体よりなる多層構造とそれぞれなっており、それらのバンドギャップは発光層13側の方がより小さくなるようにそれぞれ構成されている。
【0115】
基板11は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成した先の第6の実施の形態と同様に、例えば、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、発光層13のバンドギャップは約1.9eVであり、先の第1の実施の形態と同様に、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0116】
第1の電極16および第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極17がn側電極として機能するようになっている。
【0117】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。また、この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いられる。但し、ここでは、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14がそれぞれ多層構造となっており、発光層13側に向かってバンドギャップが段階的に小さくなっているので、電荷の注入効率が高くなり、発光効率が高くなる。
【0118】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態で説明した効果に加えて、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成することができると共に、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14をそれぞれ多層構造とし、発光層13側の方がより小さなバンドギャップをそれぞれ有するようにしたので、発光効率を更に高めることができる。なお、本実施の形態は、先の第2、第3および第6乃至第10の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0119】
(発光素子における第13の実施の形態)
図17は本発明の発光素子における第13の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14の構成、並びに基板11,発光層13,絶縁層15,第1の電極16および第2の電極17をそれぞれ構成する材料が異なることを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0120】
第1導電型クラッド層12は、例えば、基板11の側から順に積層された第1層12aと第2層12bとよりなる多層構造を有している。第1層12aは、例えば、厚さが0.4μmであり、p型添加物を添加したp型ポリピロールにより構成されている。第2層12bは、例えば、厚さが0.1μmであり、p型添加物を添加したp型ポリ(p−フェニレン)により構成されている。なお、第1層12aのバンドギャップは約3.6eVであり、第2層12bのバンドギャップは約3.2eVである。
【0121】
第2導電型クラッド層14は、例えば、発光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層14bとよりなる多層構造を有している。第1層14aは、例えば、厚さが0.1μmであり、n型添加物を添加したn型ポリ(p−フェニレン)により構成されている。第2層14bは、例えば、厚さが0.4μmであり、n型添加物を添加したn型ポリキノリンにより構成されている。この第2の層14bは、第2の電極17との密着性が高く、第2の電極17との密着性を高める密着層としての機能を有している。なお、第1層14aおよび第2層14bの各バンドギャップはそれぞれ約3.2eVである。すなわち、本実施の形態では、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14が有機半導体よりなる多層構造とそれぞれなっており、第1導電型クラッド層12においては発光層13側のバンドギャップがより小さくなるように構成され、第2導電型クラッド層14においては第2の電極17側に密着層が形成されている。
【0122】
基板11は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成した先の第6の実施の形態と同様に、例えば、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、発光層13のバンドギャップは約1.9eVであり、先の第1の実施の形態と同様に、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。第1の電極16および第2の電極17は、例えば、先の第6の実施の形態と同様の材料によりそれぞれ構成されている。これらは、先の第6の実施の形態と同様に、第1の電極16がp側電極として機能し、第2の電極17がn側電極として機能するようになっている。
【0123】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。また、この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いられる。但し、ここでは、第1導電型クラッド層12が多層構造となっており、発光層13側に向かってバンドギャップが段階的に小さくなっているので、電荷の注入効率が高くなり、発光効率が高くなる。
【0124】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態で説明した効果に加えて、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成することができる。また、第1導電型クラッド層12を多層構造とし、発光層13側の方がより小さなバンドギャップを有するようにしたので、発光効率を更に高めることができる。更に、第2導電型クラッド層14を多層構造とし、第2の電極17側に密着層を有するようにしたので、第2の電極17の密着性を改善することができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第12の実施の形態についても適用することができる。
【0125】
(発光素子における第14の実施の形態)
図18は本発明の発光素子における第14の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、第2導電型クラッド層14が多層構造とされ、第2の電極が削除されると共に、基板11,第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14,絶縁層15および第1の電極16をそれぞれ構成する材料が異なることを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0126】
基板11は、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成した先の第6の実施の形態と同様に、例えば、ガラス,石英,サファイアあるいはプラスチックにより構成されている。第1導電型クラッド層12は、例えば、p型添加物を添加したp型ポリ(p−フェニレン)などのp型有機半導体により構成されている。この第1導電型クラッド層12のバンドギャップは約3.2eVである。発光層13は、例えば、InNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。
【0127】
第2導電型クラッド層14は、例えば、発光層13の側から順に積層された第1層14aと第2層14bとよりなる多層構造を有している。第1層14aは、例えば、厚さが0.1μmであり、n型添加物を添加したn型ポリキノリンにより構成されている。第2層14bは、例えば、厚さが0.4μmであり、n型添加物を添加したn型ポリ(p−フェニレン)により構成されている。この第2の層14bは、高い導電性を有しており、第2の電極(ここではn側電極)として機能する電極層ともなっている。なお、第1層14aおよび第2層14bの各バンドギャップはそれぞれ約3.2eVである。
【0128】
絶縁層15は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ポリイミドなどの有機化合物により構成されている。なお、これらの材料により第1導電型クラッド層12,発光層13,第2導電型クラッド層14および絶縁層15をそれぞれ構成した場合においても、先の第1の実施の形態と同様に、発光層13のバンドギャップは、第1導電型クラッド層12,第2導電型クラッド層14および絶縁層15の各バンドギャップよりもそれぞれ小さくなっている。
【0129】
第1の電極16は、例えば、先の第6の実施の形態と同様に、ITOあるいは酸化スズ(SnO2 )により構成されている。この第1の電極16はp側電極として機能するようになっている。
【0130】
このような構成を有する発光ダイオード10は、例えば、先の第6の実施の形態と同様にして製造することができる。また、この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様に作用し、同様にして用いられる。また、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態で説明した効果に加えて、第1導電型クラッド層12および第2導電型クラッド層14を有機半導体によりそれぞれ構成するようにしたので、より低温で形成することができと共に、第2導電型クラッド層14を多層構造とし、電極層を有するようにしたので、金属あるいは金属合金による第2の電極を新たに形成する必要がなく、素子構造および製造工程を簡素化することができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第13の実施の形態についても適用することができる。
【0131】
(発光素子における第15の実施の形態)
図19は本発明の発光素子における第15の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11と第1導電型クラッド層12との間に拡散防止層21を備えたことを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有し、同様にして用いられる。よって、ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0132】
拡散防止層21は、基板11と第1導電型クラッド層12との間における各構成元素の拡散を防止すると共に、基板11と第1導電型クラッド層12との密着性を高めるためのものである。この拡散防止層21は、例えば、厚さが数nmであり、窒化チタン(Ti3 N4 )または窒化ケイ素(Si3 N4 )により構成されている。
【0133】
この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様にして製造することができる。なお、拡散防止層21は、例えば、スパッタリング法,CVD法あるいはレーザー堆積法などにより形成される。
【0134】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、拡散防止層21が設けられているので、基板11と第1導電型クラッド層12との間における各構成元素の拡散が防止されると共に、基板11と第1導電型クラッド層12との密着性が確保される。よって、品質が保持される。
【0135】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、拡散防止層21を備えるようにしたので、基板11と第1導電型クラッド層12との間における各構成元素の拡散を防止することができると共に、基板11と第1導電型クラッド層12との密着性を確保することができる。よって、品質を向上させることができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第14の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0136】
(発光素子における第16の実施の形態)
図20は本発明の発光素子における第16の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11と第1導電型クラッド層12との間に補助電極22を備えたことを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有し、同様にして用いられる。よって、ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0137】
補助電極22は、第1の電極16に対する補助的な電極として機能するものであり、発光層13の全面に渡って均一に電圧が印加されようにするためのものである。この補助電極22は、例えば、厚さが0.2μmであり、酸化スズ(SnO2 )などの導電性の材料により構成されている。なお、補助電極22を酸化スズなどの拡散防止機能も有する材料により構成した場合には、この補助電極22は拡散防止層としても機能する。
【0138】
この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様にして製造することができる。なお、補助電極22は、例えば、スパッタリング法,CVD法あるいは真空蒸着法などにより形成される。
【0139】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、補助電極22が設けられているので、発光層13の全面に渡って均一に電圧が印加される。よって、発光層13の全面において均一に発光が起こる。
【0140】
このように本実施の形態に係る発光ダイオード10によれば、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、補助電極22を備えるようにしたので、発光層13の全面に渡って均一に電圧を印加することができ、発光層13の全面において均一に発光させることができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第15の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0141】
(発光素子における第17の実施の形態)
図21は本発明の発光素子における第17の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、基板11を導電性材料により構成し第1の電極としての機能を持たせると共に、第1の電極16を削除したことを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成および作用を有しており、同様にして用いられる。また、先の第1の実施の形態と同様にして製造することができる。よって、ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0142】
基板11は、例えば、金属,半導体あるいは炭化ケイ素(doped-SiC)などの導電性材料により構成されている。基板11を構成する金属としては、タングステン(W)あるいはタンタル(Ta)などの高融点金属、または鉄(Fe)などが好ましい。高融点金属は高温での製造が可能となるからであり、鉄は安価で入手が容易だからである。また、金属により基板11を構成すれば、大面積の素子列を形成することができるので好ましい。基板11を構成する半導体としてはシリコンが好ましい。高温での製造が可能であると共に、安価で入手が容易だからである。なお、基板11を半導体により構成する場合には、不純物(ここではn型不純物)を添加することにより抵抗を低くしたものを用いる。更に、基板11を半導体または炭化ケイ素により構成する場合には、単結晶体または非単結晶体のいずれのものを用いてもよい。但し、非単結晶体の半導体または炭化ケイ素により基板11を構成すれば、入手が容易であると共に、高温での製造が可能であり、かつ大面積の素子列を形成することができるので好ましい。
【0143】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、基板11に第1の電極(すなわちn側電極)の機能を持たせるようにしたので、発光層13の全面に均一に電圧を印加することができ、発光層13の全面において均一に発光させることができると共に、製造工程を簡素化することができる。特に、鉄などにより基板11を構成するようにすれば、安価で大面積の素子列を形成することができる。また、シリコンまたは炭化ケイ素などにより基板11を構成するようにすれば、安価で高温でも安定して製造することができる。更に、シリコンまたは炭化ケイ素の非単結晶体により基板11を構成するようにすれば、大面積の素子列を形成することができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第15の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0144】
(発光素子における第18の実施の形態)
図22は本発明の発光素子における第18の実施の形態に係る発光ダイオード10の断面構造を表すものである。この発光ダイオード10は、蛍光体層23を備えると共に、発光層13が異なる材料により構成されたことを除き、先の第1の実施の形態と同一の構成を有しており、同様にして用いられる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0145】
発光層13は、例えば、GaNよりなる複数の微結晶13aを含んでいる。蛍光体層23は、例えば、第2導電型クラッド層14の基板11と反対側に形成されている。蛍光体層23を構成する蛍光材料としては、例えば、ユウロピウム(Eu)を添加したBaMgAl10O17(以下、BaMgAl10O17:Euと表す)や、銅(Cu)および銀(Ag)を添加したZnS(以下、ZnS:Cu,Agと表す)や、あるいはユウロピウムを添加したYO2 S2 (以下、YO2 S2 :Euと表す)などの無機蛍光体材料、またはクマリン1や、クマリン6や、あるいはローダミン101などの有機蛍光体材料が挙げられる。これらの蛍光材料は、例えば、紫外光の励起により発光を示すものであり、BaMgAl10O17:Euおよびクマリン1は青色の発光を、ZnS:Cu,Agおよびクマリン6は緑色の発光を、YO2 S2 :Euおよびローダミン101は赤色の発光をそれぞれ示すものである。
【0146】
この発光ダイオード10は、先の第1の実施の形態と同様にして製造することができる。但し、発光層13を形成したのち、絶縁層15を形成する工程においては、先の第4の実施の形態で説明したように、まず、窒素含有雰囲気中における加熱処理を行い、次いで、酸素含有雰囲気中における加熱処理を行い、更に、必要に応じて水素含有雰囲気中における加熱処理を行うようにすることが好ましい。また、蛍光体層23は、例えば、MBE法またはレーザ堆積法などによりそれぞれ形成される。
【0147】
この発光ダイオード10では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。発光層13で発生した光は蛍光体層23に照射され、蛍光体層23では励起により蛍光材料に応じた色の光を発生する。
【0148】
このように本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態において説明した効果に加えて、蛍光体層23を備えるようにしたので、蛍光体層23を構成する蛍光材料を変化させることにより発光色を容易に変化させることができる。よって、材料の選択幅が広がると共に、得ることができる発光色の範囲も広くすることができる。なお、本実施の形態は、先の第2乃至第17の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0149】
(発光素子における第19の実施の形態)
図23は本発明の発光素子における第19の実施の形態に係る半導体レーザ(laser diode ;LD)30の断面構造を表すものである。この半導体レーザ30は、一対の反射鏡31,32を備えたことを除き、先の第1の実施の形態に係る発光ダイオード10と同一の構成および効果を有している。よって、ここでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0150】
反射鏡31は基板11と第1導電型クラッド層12との間に形成されており、反射鏡32は第2導電型クラッド層14の基板11と反対側に形成されている。反射鏡31,32は、ここでは図示しないが、低屈折率層と高屈折率層とが交互に1層以上積層されているか、そのいずれか一方により構成されている。反射鏡31,32の各反射率は低屈折率層と高屈折率層との積層数に応じて制御されており、反射鏡31の反射率は高く、反射鏡32の反射率は低くなっている。すなわち、これら一対の反射鏡31,32の間で往復して増幅された光は、反射鏡32から外部に射出されるようになっている。なお、低屈折率層を構成する材料としては二酸化ケイ素(SiO2 ),フッ化カルシウム(CaF)あるいはフッ化マグネシウム(MgF2 )などがあり、高屈折率層を構成する材料としては酸化セリウム(CeO2 ),硫化亜鉛(ZnS),酸化ハフニウム(HfO2 )あるいは酸化タンタル(TaO2 )などがある。
【0151】
この半導体レーザ30は、先の第1の実施の形態と同様にして製造することができる。なお、反射鏡31,32は、例えば、スパッタリング法またはCVD法などによりそれぞれ形成される。
【0152】
この半導体レーザ30では、第1の電極16と第2の電極17との間に所定の電圧が印加されると発光層13の各微結晶13aに電流が注入され、各微結晶13aにおいてそれぞれ発光が起こる。発光層13で発生した光は、一対の反射鏡31,32の間を往復して増幅され、反射鏡32から外部に射出される。
【0153】
このように、本発明は、発光ダイオードのみならず、半導体レーザについても応用することができる。なお、本実施の形態は、先の第1の実施の形態に限らず、先の第2乃至第18の実施の形態についても同様に適用することができる。
【0154】
(発光装置における第1の実施の形態)
図24は本発明の発光装置における第1の実施の形態の断面構造を表すものである。この発光装置100は、基板111を共通とする複数の発光ダイオード110,120,130が絶縁部膜121,131を間に介して積層された構造を有している。これらの発光ダイオード110,120,130は、発光層113,123,133が異なる材料により構成されたことを除き、本発明の発光素子における第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応する構成要素に百の位を“1”、十の位を“1”,“2”あるいは“3”に変更した符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0155】
発光層113,123,133は、互いに異なる材料よりなる微結晶113a,123a,133aをそれぞれ含むように構成されている。例えば、発光層113はInNよりなる微結晶113aを含み、発光層123はZnOよりなる微結晶123aを含み、発光層133はGaNよりなる微結晶133aを含むようにそれぞれ構成されている。これにより、発光ダイオード110からは赤色、発光ダイオード120からは緑色、発光ダイオード130からは青色とそれぞれ異なる色の発光が得られるようになっている。なお、発光ダイオード120における発光はドナーアクセプターペア発光(ドナーアクセプター準位間遷移に起因する発光)によるものであり、他はバンド間発光(バンドギャップ間遷移に起因する発光)によるものである。
【0156】
なお、発光ダイオード110,120,130は、基板111側に位置するものの方がより大きくなるように構成されており、他の発光ダイオード120,130により覆われず露出された部分がそれぞれの発光面となっている。また、絶縁部膜121,131は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2 )によりそれぞれ構成されている。
【0157】
このような構成を有する発光装置100は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0158】
まず、例えば、発光素子における第1の実施の形態と同様にして、基板111の一面に第1導電型クラッド層112を形成し、その上に発光層113を形成する。次いで、例えば、窒素含有雰囲気中における加熱処理および酸素含有雰囲気中における加熱処理をそれぞれ行い、絶縁層115を形成する。続いて、必要に応じて水素含有雰囲気中における加熱処理を行う。そののち、例えば、発光素子における第1の実施の形態と同様にして、発光層113および絶縁層115の上に第2導電型クラッド層114を形成する。
【0159】
第2導電型クラッド層114を形成したのち、例えば、CVD法により絶縁部膜121を形成し、この絶縁部膜121の上に、同様にして第1導電型クラッド層122,発光層123,絶縁層125および第2導電型クラッド層124をそれぞれ形成する。但し、絶縁層125を形成する際には、窒素含有雰囲気中における加熱処理は行わない。そののち、第2導電型クラッド層124の上に、同様にして、絶縁部膜131,第1導電型クラッド層132,発光層133,絶縁層135および第2導電型クラッド層134をそれぞれ形成する。
【0160】
このようにして第1導電型クラッド層112から第2導電型クラッド層134までを形成したのち、リソグラフィ技術により、第2導電型クラッド層134,124,114、絶縁層135,125,115、発光層133,123,133、第1導電型クラッド層132,122および絶縁部膜131,121をそれぞれ選択的に除去し、第1の電極116,126,136および第2の電極117,127,137をそれぞれ形成する。これにより、図24に示した発光装置100が形成される。
【0161】
このような発光装置100では、第1の電極116,126,136と第2の電極117,127,137との間に所定の電圧がそれぞれ印加されると、各微結晶113a,123a,133aにおいてそれぞれ発光が起こる。ここでは、各微結晶113a,123a,133aがそれぞれ異なる材料により構成されているので、発光ダイオード110,120,130により異なる色の赤、緑、青の発光が得られる。
【0162】
このように本実施の形態に係る発光装置100によれば、発光ダイオード110,120,130を積層するようにしたので、発光色が異なる複数の発光ダイオード110,120,130を同一基板上に形成することができる。よって、この発光装置を用いて表示装置などを構成すれば、発光色が異なる複数の発光ダイオードを平面的に配列する場合に比べて画素を細かくすることができ、高精細なカラー表示装置を得ることができる。
【0163】
なお、この発光装置には、上述した発光ダイオード110,120,130に変えて、発光素子の第2乃至第19の実施の形態において説明したものを用いることもできる。
【0164】
(表示装置における第1の実施の形態)
図25は本発明の表示装置における第1の実施の形態の概略構成を表すものである。この表示装置は、例えば、発光色が赤の発光ダイオード210と、発光色が緑の発光ダイオード220と、発光色が青の発光ダイオード230とをそれぞれ複数づつ備えている。これらの発光ダイオード210,220,230は互いに基板211を共通としており、M行×N列(M,Nは2以上の整数)のアレイ状に配列されている。このうち同一行の発光ダイオード210,220,230は発光色が同一であり、同一列の発光ダイオード210,220,230は発光色が一定の順番で繰り返すように配置されている。
【0165】
図26は図25におけるI−I線に沿った断面構造を表すものである。発光ダイオード210,220,230は、発光層213,223,233が異なる材料により構成されたことを除き、本発明の発光素子における第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応する構成要素には百の位を“2”、十の位を“1”,“2”あるいは“3”に変更した符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略する。
【0166】
発光層213,223,233は、互いに異なる材料よりなる微結晶213a,223a,233aをそれぞれ含むように構成されている。例えば、発光ダイオード210はInNよりなる微結晶213aを含み、発光ダイオード220はZnOよりなる微結晶223aを含み、発光ダイオード230はGaNよりなる微結晶233aを含むようにそれぞれ構成されている。また、第1の電極216,226,236は、例えば、ワイヤ201を介して行方向の共通配線202とそれぞれ接続されており、第2の電極217,227,237は、例えば、列方向の共通配線であるワイヤ203とそれぞれ接続されている。
【0167】
このような構成を有する表示装置は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0168】
まず、例えば、発光素子における第1の実施の形態と同様にして、基板211の一面に第1導電型クラッド層212,222,232を構成することとなる第1導電型構成層を形成する。次いで、例えば、発光ダイオード210の形成予定領域以外をマスクで覆い、発光素子における第1の実施の形態と同様にして、第1導電型構成層の上に発光層213を形成する。続いて、窒素含有雰囲気中における加熱処理および酸素含有雰囲気中における加熱処理をそれぞれ行って絶縁層215を形成し、必要に応じて水素含有雰囲気中における加熱処理を行う。そののち、例えば、マスクにより覆う位置を移動させ、同様にして、発光層223,絶縁層225,発光層233および絶縁層235を順次形成する。但し、絶縁層225を形成する際には、窒素含有雰囲気中における加熱処理は行わない。
【0169】
発光層213,223,233および絶縁層215,225,235をそれぞれ形成したのち、例えば、発光素子における第1の実施の形態と同様にして、全面に第2導電型クラッド層214,224,234を構成することとなる第2導電型構成層を形成する。第2導電型構成層を形成したのち、リソグラフィ技術により各層を選択的に除去し、第1導電型クラッド層212,222,223および第2導電型クラッド層214,224,234をそれぞれ形成する。そののち、第1の電極216,226,236、第2の電極217,227,237および行方向の共通配線202をそれぞれ形成し、第1の電極216,226,236を例えばワイヤ201により共通配線202にそれぞれ接続すると共に、第2の電極217,227,237を例えばワイヤ203によりそれぞれ接続する。これにより、図25および図26に示した表示装置が形成される。
【0170】
このような表示装置では、第1の電極216,226,236と第2の電極217,227,237との間に所定の電圧がそれぞれ印加されると、各微結晶213a,223a,233aにおいてそれぞれ発光が起こり、発光ダイオード210,220,230により赤色、緑色、青色の異なる発光が得られる。
【0171】
このように本実施の形態に係る表示装置によれば、本発明の発光ダイオードを用いるようにしたので、ガラスなどの非晶質体よりなる基板211を用いることができ、大面積の基板211の上に素子列を形成することができる。
【0172】
(表示装置における第2の実施の形態)
図27は本発明の表示装置における第2の実施の形態の断面構造を表すものである。この表示装置は、第2導電型クラッド層214,224,234の上に蛍光体層218,228,238がそれぞれ設けられると共に、発光層213,223,233をそれぞれ構成する材料が異なることを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同一の構成を有している。よって、ここでは対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を削除する。
【0173】
発光層213,223,233は、例えば、GaNよりなる複数の微結晶213a,223a,233aをそれぞれ含んでいる。発光ダイオード210の蛍光体層218は例えばYO2 S2 :Euにより構成されており、発光ダイオード220の蛍光体層228は例えばZnS:Cu,Agにより構成されており、発光ダイオード230の蛍光体層238は例えばBaMgAl10O17:Euにより構成されている。
【0174】
この表示装置は、第1の実施の形態に係る表示装置と同様にして製造することができる。なお、発光層213,223,233の構成はそれぞれ同一なので、マスクを用いることなくそれらを同時に形成することができる。また、蛍光体層218,228,238は、例えば、MBE法またはレーザ堆積法などによりそれぞれ形成される。この表示装置では、発光層213,223,233でそれぞれ発生した光が蛍光体層218,228,238にそれぞれ照射され、それぞれにおいて蛍光材料に応じた色の光を発生することを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同様に作用する。
【0175】
このように本実施の形態によれば、第1の実施の形態において説明した効果に加えて、蛍光体層218,228,238を備えるようにしたので、蛍光材料を変えることにより容易に発光色の異なる発光ダイオード210,220,230を得ることができる。よって、同一基板上に発光色の異なる発光ダイオード210,220,230を容易に形成することができる。
【0176】
(表示装置における第3の実施の形態)
図28は本発明の表示装置における第3の実施の形態の断面構造を表すものである。この表示装置は、蛍光体層218,228,238をそれぞれ構成する材料について第2の実施の形態に係る表示装置とは異なる他の一例を示すものである。よって、ここでは対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を削除する。
【0177】
この表示装置では、例えば、蛍光体層218がローダミン101により構成され、蛍光体層228がクマリン6により構成され、蛍光体層238がクマリン1により構成されている。この表示装置は、第2の実施の形態に係る表示装置と同様にして製造することができ、同様に作用し、同様の効果を有する。
【0178】
(表示装置における第4の実施の形態)
図29は本発明の表示装置における第4の実施の形態の断面構造を表すものである。この表示装置は、発光ダイオード210,220について第2導電型クラッド層214,224の上に蛍光体層218,228がそれぞれ設けられると共に、発光層213,223をそれぞれ構成する材料が異なることを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同一の構成および効果を有している。すなわち、この表示装置は、赤色および緑色を蛍光体層218,228からの発光により得るようにし、青色をGaNよりなる微結晶233aからの発光により得るようにしたものである。よって、ここでは対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を削除する。
【0179】
発光層213,223は、例えば、GaNよりなる複数の微結晶213a,223aをそれぞれ含んでいる。これらの微結晶213a,223aは微結晶233aよりも粒径が小さくなるように調節されており、蛍光体層218,228の励起光として紫外光を発生するようになっている。蛍光体層218は例えばローダミン101により構成されており、蛍光体層228は例えばZnS:Cu,Agにより構成されている。
【0180】
この表示装置は、第1の実施の形態に係る表示装置と同様にして製造することができる。なお、蛍光体層218,228は、例えば、MBE法またはレーザ堆積法などによりそれぞれ形成される。また、この表示装置では、発光層213,223でそれぞれ発生した光が蛍光体層218,228にそれぞれ照射され、それぞれにおいて蛍光材料に応じた色の光を発生することを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同様に作用する。
【0181】
(表示装置における第5の実施の形態)
図30は本発明の表示装置における第5の実施の形態の断面構造を表すものである。この表示装置は、同一の発光色を有する発光ダイオード210,220,230が行ごとに基板211,221,231を共通にすると共に、発光ダイオード210,220,230の構成が一部異なることを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同一の構成を有している。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を削除する。
【0182】
発光ダイオード210は、構成材料が異なることを除き、本発明の発光素子における第1の実施の形態と同一の構成を有している。基板211は、例えば、ガラスにより構成されている。第1導電型クラッド層212は、例えば、アルミニウムなどのn型不純物を添加したn型Al-dopedGa2 O3 により構成されている。発光層213は、例えば、InNよりなる複数の微結晶213aを含んでいる。第2導電型クラッド層214は、例えば、AlCuO2 により構成されている。絶縁層215は、例えば、アルミニウムとガリウムと窒素との化合物により構成されている。第1の電極216は、例えば、第1導電型クラッド層212の側からクロム層,ニッケル層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した構成とされている。第2の電極217は、例えば、第2導電型クラッド層214の側からニッケル層,白金層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した構成とされている。
【0183】
発光ダイオード220は、構成材料が異なることを除き、本発明の発光素子における第1の実施の形態と同一の構成を有している。基板221は、例えば、プラスチックにより構成されている。第1導電型クラッド層222は、例えば、リチウムなどのn型添加物を添加したn型ポリキノリンにより構成されている。発光層223は、例えば、ZnOよりなる複数の微結晶223aを含んでいる。第2導電型クラッド層224は、例えば、塩化鉄などのp型添加物を添加したポリピロールにより構成されている。絶縁層215は、例えば、ポリイミドにより構成されている。第1の電極216は、例えば、酸化スズにより構成されている。第2の電極217は、例えば、アルミニウムとリチウムとの合金により構成されている。
【0184】
発光ダイオード230は、蛍光体層238を備えると共に、構成材料が異なり、かつ第1の電極が排除されたことを除き、本発明の発光素子における第1の実施の形態と同一の構成を有している。基板231は、例えば、アルミニウム,銅,銀,ステンレスあるいは真鍮などの金属により構成されており、第1の電極としての機能を兼ね備えている。第1導電型クラッド層232は、例えば、ケイ素などのn型不純物を添加したn型AlGaNまたはn型GaNにより構成されている。発光層233は、例えば、ZnOよりなる複数の微結晶233aを含んでいる。第2導電型クラッド層234は、例えば、マグネシウムなどのp型不純物を添加したp型BNにより構成されている。絶縁層235は、例えば、アルミニウムとガリウムと酸素との化合物により構成されている。第2の電極237は、例えば、第2導電型クラッド層234の側からニッケル層,白金層および金層を順次積層して加熱処理により合金化した構成とされている。
【0185】
これらの発光ダイオード210,220,230は例えば行ごとに基板211,221,231が共通となっており、これら基板211,221,231は配設基板204の上にそれぞれ配設されている。配設基板204には行方向の共通配線202が形成されており、発光ダイオード210,220の第1の電極216,226は例えばワイヤ201を介して共通配線202にそれぞれ接続されている。発光ダイオード230については、基板231がそのまま行方向の共通配線202として用いられている。
【0186】
このような構成を有する表示装置は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0187】
まず、発光ダイオード210,220,230をそれぞれ第1の実施の形態に係る表示装置と同様にして製造する。なお、発光ダイオード220の第1導電型クラッド層222,第2導電型クラッド層224および絶縁層225は、有機材料を用いているので、例えば、塗布法,真空蒸着法あるいはレーザ堆積法によりそれぞれ形成される。そののち、発光ダイオード210,220,230を行ごとに分割して配設基板204に配設し、例えば、第1の電極216,226をワイヤ201を介して共通配線202にそれぞれ接続すると共に、第2の電極217,227,237をワイヤ203でそれぞれ接続する。これにより、図30に示した表示装置が形成される。
【0188】
また、この表示装置では、発光ダイオード230において蛍光体層238からの発光を利用することを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同様に作用する。このように本実施の形態に係る表示装置によれば、本発明の発光ダイオードを用いるようにしたので、行ごとあるいは列ごとに基板211,221,231を共通とするように構成することもできる。また、発光ダイオード230のように基板231を金属により構成することもできるので、基板231を共通配線202として用いることもできる。よって、構成を簡素化でき、製造が容易となる。
【0189】
(表示装置における第6の実施の形態)
図31は本発明の表示装置における第6の実施の形態の断面構造を表すものである。この表示装置は、基板211を導電性材料により構成し、列ごとあるいは行ごとに基板211を共通にすると共に、基板211と第1導電型クラッド層212,222,232との間に拡散防止層241を備えたことを除き、第1の実施の形態に係る表示装置と同一の構成および作用を有し、同様にして製造することができる。よって、ここでは、対応する構成要素には同一の符号を付し、同一部分についての詳細な説明を削除する。
【0190】
基板211は、例えば、アルミニウム,銅,銀,ステンレスあるいは真鍮などの金属により構成されており、第1の電極としての機能および列方向の共通配線としての機能を兼ね備えている。拡散防止層241は、例えば、酸化スズにより構成されている。なお、これら発光ダイオード210,220,230は、列ごとあるいは行ごとに配設基板204に配設されており、第2の電極217,227,237は行ごとあるいは列ごとに例えばワイヤ203により接続されている。ちなみに、図31では列ごとに基板211を共通とした場合を示している。
【0191】
このように本実施の形態に係る表示装置によれば、本発明の発光ダイオードを用いるようにしたので、第5の実施の形態においても説明したように、基板211を金属などでも構成することができ、基板211を共通配線として用いることができる。よって、構成を簡素化でき、製造が容易となる。
【0192】
(表示装置における第7の実施の形態)
図32は本発明の表示装置における第7の実施の形態の概略構成を表すものである。この表示装置は、本発明の発光装置100を複数備えている。これら発光装置100は、アレイ状に配列されており、互いに基板111を共通としている。なお、これら発光装置100は、列ごとあるいは行ごとに基板111を共通とするように構成されていてもよく、また、個々に基板111を別々とするように構成されていてもよい。これらの場合には、発光装置100は図示しない配設基板に配設されることによりアレイ状に配列される。また、発光装置100の第1の電極116,126,136は、例えば、基板111あるいは配設基板に形成された列方向の共通配線205にワイヤによりそれぞれ接続されており、第2の電極117,127,137は、例えば、基板111あるいは配設基板に形成された行方向の共通配線206,207,208にワイヤによりそれぞれ接続されている。
【0193】
このように本実施の形態の表示装置によれば、本発明の発光装置を用いるようにしたので、第1乃至第6の実施の形態に係る表示装置のように発光色の異なる発光ダイオードを平面的に配列する場合に比べて、画素を細かくすることができ、高精細なカラー表示装置を得ることができる。
【0194】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態においては、第1導電型クラッド層,発光層,第2導電型クラッド層および絶縁層をそれぞれ構成する材料について具体的な例を挙げて説明したが、本発明は、他の材料によりそれらを構成することもできる。例えば、発光層を、亜鉛,マグネシウム,カドミウム(Cd),マンガン(Mn),水銀(Hg)およびベリリウム(Be)からなる群より選ばれた少なくとも1種のII族元素と、酸素,セレン(Se),硫黄(S)およびテルル(Te)からなる群より選ばれた少なくとも1種のVI族元素とを含む他のII−VI族化合物半導体、あるいはホウ素,アルミニウム,ガリウムおよびインジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種のIII族元素と、窒素,燐(P),ヒ素(As),アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)からなる群より選ばれた少なくとも1種のV族元素とを含むIII−V族化合物半導体により構成することもできる。
【0195】
更に、上記実施の形態においては、発光層の各微結晶を積層方向においてほぼ1層形成する場合について説明したが、2層以上に積み重ねて形成するようにしてもよい。
【0196】
加えて、上記発光素子における第1乃至第5,第11および第15乃至第19の実施の形態においては、第1導電型クラッド層をn型とし第2導電型クラッド層をp型とする場合について説明したが、第1導電型クラッド層をp型とし第2導電型クラッド層をn型とするようにしてもよい。また、上記発光素子における第6乃至第10および第12乃至第14の実施の形態においては、第1導電型クラッド層をp型とし第2導電型クラッド層をn型とする場合について説明したが、第1導電型クラッド層をn型とし第2導電型クラッド層をp型とするようにしてもよい。
【0197】
更にまた、上記発光素子における第1乃至第5,第11および第15乃至第19の実施の形態においては、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層を非単結晶の無機半導体によりそれぞれ構成する場合について説明したが、そのどちらか一方のみを非単結晶の無機半導体により構成するようにしてもよい。また、両方を単結晶の無機半導体によりそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0198】
加えてまた、上記発光素子における第6乃至第10および第12乃至第14の実施の形態においては、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層を有機半導体または導電性樹脂によりそれぞれ構成する場合について説明したが、第1導電型クラッド層または第2導電型クラッド層のどちらか一方のみを有機半導体または導電性樹脂により構成するようにしてもよい。また、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層をそれぞれ有機半導体により構成するようにしても、それぞれ導電性樹脂により構成するようにしてもよく、第1導電型クラッド層または第2導電型クラッド層のどちらか一方を有機半導体により構成し、他方を導電性樹脂により構成するようにしてもよい。更に、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層をそれぞれ有機半導体により構成する場合には、それらを同一種類の有機半導体によりそれぞれ構成するようにしてもよく、異なる種類の有機半導体によりそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0199】
更にまた、上記発光素子における第12乃至第14の実施の形態においては、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層のうちの少なくとも一方が有機半導体よりなる多層構造を有する場合について説明したが、多層構造のうちの少なくとも一部を導電性樹脂により構成するようにしてもよい。
【0200】
加えてまた、上記発光素子における第11乃至第13の実施の形態においては、第1導電型クラッド層および第2導電型クラッド層がそれぞれ多層構造を有する場合について説明したが、どちらか一方のみが多層構造とされていてもよい。
【0201】
更にまた、上記発光素子における第11乃至第14の実施の形態においては、第1導電型クラッド層または第2導電型クラッド層が2層の多層構造を有する場合について説明したが、3層以上の多層構造を有するようにしてもよい。その際、発光層に近いほどバンドギャップが小さくなるように構成すれば、上記発光素子における第11および第12の実施の形態と同様に発光効率を高めることができる。また、発光層に近いほどバンドギャップが小さくなるように積層された複数の層と共に、密着層および電極層のうちの少なくとも一方を有するようにしてもよい。
【0202】
加えてまた、上記発光素子における第13または第14の実施の形態においては、第2導電型クラッド層に密着層または電極層が形成された場合について説明したが、第1導電型クラッド層に密着層または電極層を設けるようにしてもよい。
【0203】
更にまた、上記実施の形態においては、第1導電型クラッド層と第2導電型クラッド層との間に絶縁層を備える場合について説明したが、第1導電型クラッド層と第2導電型クラッド層との間の漏れ電流が問題とならない場合などには絶縁層を備えていなくてもよい。
【0204】
加えてまた、上記発光素子における第1の実施の形態において説明したように、発光層を溶媒中に分散させた複数の微結晶を塗布することにより形成する場合には、溶媒として、SOG(spin on glass )のように焼成処理後に絶縁膜となるような物質を用いれば、絶縁層の形成を容易とすることもできる。
【0205】
更にまた、上記発光素子における第18の実施の形態、および表示装置における第2乃至第5の実施の形態においては、蛍光体層を第2導電型クラッド層に設ける場合について説明したが、発光層からの光が照射されれば他の位置に配設するようにしてもよく、第2導電型クラッド層などとは離間して別に設けた支持体により支持するようにしてもよい。
【0206】
加えてまた、発光装置における第1の実施の形態、および表示装置における第1乃至第7の実施の形態においては、複数色の発光を得る場合について説明したが、本発明は、単色の発光を得る場合にも適用することができる。
【0207】
更にまた、上記表示装置における第1乃至第7の実施の形態においては、本発明の発光ダイオードをアレイ状に配列する場合について説明したが、部分的に本発明の発光ダイオードを用いるようにしてもよい。すなわち、本発明の表示装置は、本発明の発光素子を少なくとも1つ備えていればよく、他の構成を有する発光素子を含んでいてもよい。
【0208】
更にまた、上記発光装置における第1の実施の形態および上記表示装置における第1乃至第7の実施の形態においては、発光ダイオードの構成について具体的に例を挙げて説明したが、本発明の発光素子であれば他の構成のものを用いても同様の効果を得ることができる。すなわち、上記実施の形態で説明した発光素子をいずれも用いることができる。
【0209】
加えてまた、上記表示装置における第1乃至第7の実施の形態においては、全ての発光素子について基板を共通にする場合および列方向あるいは行方向の発光素子について基板を共通にする場合を説明したが、個々の発光素子についてそれぞれ基板を別にし、配設基板にそれぞれ配設するようにしてもよい。
【0210】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1乃至請求項11のいずれか1に記載の発光素子によれば、第1導電型層と第2導電型層との間に形成された発光層に結晶性を向上させた複数の微結晶を含むようにしたので、発光効率を向上させることができ、素子の寿命を延長することができる。また、格子整合などを考慮する必要がないので、発光波長などに応じて任意の材料を選択することができる。更に、粒子サイズ効果により粒径が小さくなるほどバンドギャップが広くなるので、発光波長を短波長化することができ、発光層を構成する材料を選択することにより紫外領域の発光を得ることもできる。よって、殺菌灯などの光源としても用いることができる。加えて、第1導電型層および第2導電型層も単結晶の無機半導体により構成する必要がなくなり、それらを構成する材料の選択幅が広がると共に、非単結晶の無機半導体,有機半導体または導電性樹脂によってもそれらを構成することができ、低温で容易に形成することができるという効果も奏する。
【0211】
特に、発光層が異なる半導体よりそれぞれなる2種以上の微結晶をそれぞれ含むようにしたので、波長が異なる複数の光を得ることができるという効果を奏する。
【0212】
また、請求項4記載の発光素子によれば、微結晶が層状構造を有するようにしたので、発光効率を更に高めることができるという効果を奏する。
【0213】
更に、請求項5または請求項11に記載の発光素子によれば、第1導電型層および第2導電型層のうちの少なくとも一方を、非単結晶体または有機半導体および導電性樹脂のうちの少なくとも一方により構成するようにしたので、低温で容易に製造することができるという効果を奏する。
【0224】
加えてまた、請求項12乃至請求項16のいずれか1に記載の発光素子の製造方法によれば、第1導電型層を形成する工程と、第1導電型層上に異なる半導体よりなる2種以上の粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層を形成する工程と、発光層上に第2導電型層を形成する工程とを含むので、本発明に係る発光素子を容易に製造することができ、本発明に係る発光素子を容易に実現することができるという効果を奏する。
【0229】
更にまた、請求項17または請求項18に記載の発光装置によれば、本発明の発光素子を複数積層して用いるようにしたので、発光色が異なる複数の発光素子を平面的に配列する場合に比べて、画素を細かくすることができ、高精細なカラー表示装置を得ることができるという効果を奏する。
【0230】
加えてまた、請求項19または請求項20に記載の表示装置によれば、本発明の発光素子を備えるようにしたので、ガラスなどの非晶質体,プラスチック,あるいは金属などよりなる基板を用いることができ、大面積の基板の上に素子列を配設することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子における第1の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した発光ダイオードのバンドギャップ構造図である。
【図3】図1に示した発光ダイオードの各製造工程を表す断面図である。
【図4】本発明の発光素子における第2の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図5】本発明の発光素子における第3の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図6】図5に示した発光ダイオードのバンドギャップ構造図である。
【図7】本発明の発光素子における第4の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図8】本発明の発光素子における第5の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図9】本発明の発光素子における第6の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図10】本発明の発光素子における第7の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図11】本発明の発光素子における第8の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図12】本発明の発光素子における第9の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。
【図13】本発明の発光素子における第10の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図14】本発明の発光素子における第11の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図15】図14に示した発光ダイオードのバンドギャップ構造図である。
【図16】本発明の発光素子における第12の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図17】本発明の発光素子における第13の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図18】本発明の発光素子における第14の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図19】本発明の発光素子における第15の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図20】本発明の発光素子における第16の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図21】本発明の発光素子における第17の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図22】本発明の発光素子における第18の実施の形態に係る発光ダイオードの構成を表す断面図である。
【図23】本発明の発光素子における第19の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す断面図である。
【図24】本発明の発光装置における第1の実施の形態の構成を表す断面図である。
【図25】本発明の表示装置における第1の実施の形態の構成を表す概略図である。
【図26】図25に示した表示装置のI−I線に沿った断面図である。
【図27】本発明の表示装置における第2の実施の形態の構成を表す断面図である。
【図28】本発明の表示装置における第3の実施の形態の構成を表す断面図である。
【図29】本発明の表示装置における第4の実施の形態の構成を表す断面図である。
【図30】本発明の表示装置における第5の実施の形態の構成を表す断面図である。
【図31】本発明の表示装置における第6の実施の形態の構成を表す断面図である。
【図32】本発明の表示装置における第7の実施の形態の構成を表す概略図である。
【符号の説明】
10,110,120,130,210,220,230…発光ダイオード(発光素子)、11,111,211…基板、12,112,122,132,212,222,232…第1導電型クラッド層(第1導電型層)、13,113,123,133,213,223,233…発光層、13a,13b,113a,123a,133a,213a,223a,233a…微結晶、14,114,124,134,214,224,234…第2導電型クラッド層(第2導電型層)、15,115,125,135,215,225,235…絶縁層、16,116,126,136,216,226,236…第1の電極、17,117,127,137,217,227,237…第2の電極、13c…内部層、13d…表面層、12a,14a…第1層、12b,14b…第2層、21241…拡散防止層、22…補助電極、23,218,228,238…蛍光体層、30…半導体レーザ(発光素子)、31,32…反射鏡、100…発光装置、112,113…絶縁部膜、201,203…ワイヤ、202,205,206,207,208…共通配線、204…配設基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a light-emitting element, a light-emitting device, a display device, and a method for manufacturing the light-emitting element using microcrystals.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, light-emitting elements using semiconductors such as GaAs, GaAsP mixed crystals, GaAlAs mixed crystals, or GaP have been developed. These light-emitting elements have a structure in which an n-type semiconductor layer, a light-emitting layer, and a p-type semiconductor layer are sequentially stacked on a substrate. When a voltage is applied to a forward bias, electrons and electrons are emitted from the light-emitting layer. The holes recombine and emit light. Conventionally, the n-type semiconductor layer, the light-emitting layer, and the p-type semiconductor layer are each composed of a single crystal and are formed by epitaxial growth on a substrate. Therefore, the substrate is also composed of a single crystal.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional light-emitting device, the n-type semiconductor layer, the light-emitting layer, and the p-type semiconductor layer are each composed of a single crystal. Therefore, in order to obtain a good crystal, lattice matching and crystal structure matching with the substrate are required. It was essential. Further, the conditions for epitaxial growth are strictly limited, and it is necessary to perform epitaxial growth at a high temperature in order to reduce defects. Therefore, the material which comprises a board | substrate was limited significantly and the freedom degree of material selection was small. Therefore, there is a problem that quartz or glass cannot be used for the substrate, and a large-area element array cannot be formed.
[0004]
Further, the materials constituting the light emitting layer, the n-type semiconductor layer, and the p-type semiconductor layer are significantly limited by the material of the substrate, and the degree of freedom in selecting these materials is small. Therefore, there is also a problem that the emission wavelength is limited. Furthermore, even if such a device for reducing defects is made, there is a problem that the defects cannot be eliminated at all, and the defects act as non-light emitting centers, causing a decrease in luminous efficiency and deterioration. .
[0005]
The present invention has been made in view of such problems, and its object is to provide a light-emitting element, a light-emitting device, a display device, and a light-emitting element that have high luminous efficiency, a wide range of material selection, and can form a large-area element array. It is providing the manufacturing method of a light emitting element.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The light emitting device according to the present invention is formed between a first conductivity type layer, a second conductivity type layer, and between the first conductivity type layer and the second conductivity type layer, and includes two or more kinds of different semiconductors.Can emit lightA light emitting layer containing a plurality of particulate microcrystals, andAnd an insulating layer provided so as to embed a plurality of microcrystals between the first conductivity type layer and the second conductivity type layer, and the fineness of the light emitting layer through the first conductivity type layer and the second conductivity type layer. Current flows through the crystalIs.
[0008]
A method for manufacturing a light emitting device according to the present invention includes:A method of manufacturing a light emitting device that emits light when a current flows through a light emitting layer containing microcrystals through a first conductive type layer and a second conductive type layer,A step of forming the first conductivity type layer, and two or more kinds of different semiconductors formed on the first conductivity type layer.Can emit lightForming a light emitting layer containing a plurality of particulate microcrystals, andForming an insulating layer so as to embed a plurality of microcrystals on the first conductivity type layer; and on the plurality of microcrystals and the insulating layerAnd a step of forming a second conductivity type layer.
[0010]
A light emitting device according to the present invention is formed by laminating a plurality of light emitting elements.Including the light emitting device of the present inventionIs.
[0012]
The display device according to the present invention has a plurality of light emitting elements, and the light emitting elementsIncluding the light emitting device of the present inventionIs.
[0014]
In the light emitting device according to the present invention, when a voltage is applied between the first conductivity type layer and the second conductivity type layer,Two or more kinds of particulates in the light emitting layerElectric current is injected into the microcrystal and light emission occurs. This microcrystal has almost no defects and emits light with high efficiency.
[0016]
In the method for manufacturing a light emitting device according to the present invention, after the first conductivity type layer is formed,On this first conductivity type layerTwo or moreCan emit lightA light emitting layer containing particulate microcrystals is formed.Further, an insulating layer is formed so as to fill the space between these microcrystals, and a second conductivity type layer is formed on these microcrystals and the insulating layer.
[0018]
The light emitting device according to the present invention and the display device according to the present invention each use the light emitting element of the present invention.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0020]
(First Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 1 shows a cross-sectional structure of a light emitting diode (LED) 10 according to a first embodiment of a light emitting device of the present invention. The
[0021]
The
[0022]
The first conductivity
[0023]
The
[0024]
The second conductivity
[0025]
An insulating
[0026]
A
[0027]
FIG. 2 shows a band gap structure of the
[0028]
In addition, each band gap of the 1st conductivity type clad
[0029]
The
[0030]
FIG. 3 shows each manufacturing process. First, as shown in FIG. 3A, a
[0031]
Subsequently, as shown in FIG. 3B, on the opposite side of the
[0032]
After the
[0033]
After performing the heat treatment in the oxygen-containing atmosphere and the hydrogen-containing atmosphere, respectively, as shown in FIG. 3D, the substrate of the first conductivity
[0034]
After forming the second conductivity
[0035]
The
[0036]
In the
[0037]
The
[0038]
As described above, according to the
[0039]
In addition, the first conductivity type clad
[0040]
Furthermore, according to the
[0041]
In addition, according to the method of manufacturing the
[0042]
(Second Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 4 shows a cross-sectional structure of the
[0043]
The
[0044]
In this
[0045]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, the
[0046]
In the second embodiment, the case where the
[0047]
(Third Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 5 shows a cross-sectional structure of the
[0048]
The
[0049]
FIG. 6 shows a band gap structure of the
[0050]
In the
[0051]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, each microcrystal 13a in the
[0052]
(Fourth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 7 shows a cross-sectional structure of a
[0053]
The first conductivity
[0054]
Even in the case where the first conductivity
[0055]
For example, like the
[0056]
The
[0057]
First, a
[0058]
Subsequently, a plurality of
[0059]
After the
[0060]
After heat treatment in an oxygen-containing atmosphere, it is preferable to further perform heat treatment in a hydrogen-containing atmosphere such as hydrogen plasma treatment. Thereby, the oxide film formed on the surface of each microcrystal 13a can be removed, and the nitrogen vacancies remaining in each
[0061]
After forming the second conductivity
[0062]
Such a
[0063]
(Fifth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 8 shows a cross-sectional structure of a
[0064]
The first conductivity
[0065]
Even in the case where the first conductivity
[0066]
The
[0067]
The
[0068]
First, a
[0069]
Subsequently, a plurality of
[0070]
After the
[0071]
After performing the heat treatment in the oxygen-containing atmosphere and the hydrogen-containing atmosphere, respectively, on the side opposite to the
[0072]
After forming the second conductivity
[0073]
Such a
[0074]
(6th Embodiment in a light emitting element)
FIG. 9 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0075]
The
[0076]
The first conductivity
[0077]
That is, in the present embodiment, the first conductivity
[0078]
The insulating
[0079]
The
[0080]
The
[0081]
First, a
[0082]
After exposing a part of the
[0083]
Such a
[0084]
(Seventh Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 10 shows a cross-sectional structure of a
[0085]
The
[0086]
The insulating
[0087]
The
[0088]
The
[0089]
First, for example, an organosol containing ultrafine metal sulfide is applied to one surface of the
[0090]
Such a
[0091]
(Eighth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 11 shows a cross-sectional structure of a
[0092]
The
[0093]
The insulating
[0094]
The
[0095]
The
[0096]
(Ninth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 12 shows a cross-sectional structure of a
[0097]
The
[0098]
The
[0099]
The insulating
[0100]
The
[0101]
The
[0102]
(10th Embodiment in a light emitting element)
FIG. 13 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0103]
The
[0104]
The
[0105]
(Eleventh Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 14 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0106]
The first conductivity
[0107]
The second conductivity
[0108]
The
[0109]
FIG. 15 shows a band gap structure of the
[0110]
In the
[0111]
As described above, according to the present embodiment, each of the first conductivity
[0112]
(Twelfth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 16 shows a cross-sectional structure of a
[0113]
The first conductivity
[0114]
The second conductivity
[0115]
The
[0116]
The
[0117]
The
[0118]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, the first conductivity
[0119]
(Thirteenth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 17 shows a cross-sectional structure of a
[0120]
The first conductivity
[0121]
The second conductivity
[0122]
The
[0123]
The
[0124]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, the first conductivity
[0125]
(Fourteenth embodiment of light emitting device)
FIG. 18 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0126]
The
[0127]
The second conductivity
[0128]
The insulating
[0129]
The
[0130]
The
[0131]
(Fifteenth embodiment of light emitting device)
FIG. 19 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0132]
The diffusion preventing layer 21 prevents diffusion of each constituent element between the
[0133]
The
[0134]
In the
[0135]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effect described in the first embodiment, the diffusion prevention layer 21 is provided, so that the
[0136]
(Sixteenth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 20 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0137]
The auxiliary electrode 22 functions as an auxiliary electrode for the
[0138]
The
[0139]
In the
[0140]
As described above, according to the
[0141]
(Seventeenth embodiment of light-emitting device)
FIG. 21 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0142]
The
[0143]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, the
[0144]
(Eighteenth Embodiment of Light-Emitting Element)
FIG. 22 shows a cross-sectional structure of the light-emitting
[0145]
The
[0146]
The
[0147]
In the
[0148]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, since the
[0149]
(Nineteenth embodiment of light emitting device)
FIG. 23 shows a cross-sectional structure of a semiconductor laser (laser diode; LD) 30 according to a nineteenth embodiment of the light emitting device of the present invention. The
[0150]
The reflecting mirror 31 is formed between the
[0151]
The
[0152]
In this
[0153]
As described above, the present invention can be applied not only to a light emitting diode but also to a semiconductor laser. The present embodiment is not limited to the first embodiment, but can be similarly applied to the second to eighteenth embodiments.
[0154]
(First Embodiment of Light-Emitting Device)
FIG. 24 shows a cross-sectional structure of the first embodiment of the light-emitting device of the present invention. The
[0155]
The
[0156]
The
[0157]
The
[0158]
First, for example, the first conductivity type cladding layer 112 is formed on one surface of the
[0159]
After the formation of the second conductivity
[0160]
After forming the first conductivity type clad layer 112 to the second conductivity type clad
[0161]
In such a
[0162]
As described above, according to the
[0163]
Note that the light emitting device described in the second to nineteenth embodiments of the light emitting element can be used instead of the
[0164]
(First embodiment of display device)
FIG. 25 shows a schematic configuration of the first embodiment of the display device of the present invention. The display device includes, for example, a plurality of
[0165]
FIG. 26 shows a cross-sectional structure taken along line II in FIG. The
[0166]
The
[0167]
A display device having such a configuration can be manufactured, for example, as follows.
[0168]
First, for example, in the same manner as in the first embodiment of the light emitting device, a first conductivity type constituent layer that forms the first conductivity type cladding layers 212, 222, and 232 is formed on one surface of the
[0169]
After forming the
[0170]
In such a display device, when a predetermined voltage is applied between the
[0171]
As described above, according to the display device of this embodiment, since the light emitting diode of the present invention is used, the
[0172]
(Second Embodiment of Display Device)
FIG. 27 shows a cross-sectional structure of the second embodiment of the display device of the present invention. In this display device, phosphor layers 218, 228, and 238 are provided on the second conductivity type cladding layers 214, 224, and 234, respectively, and the materials constituting the
[0173]
The
[0174]
This display device can be manufactured in the same manner as the display device according to the first embodiment. Note that the structures of the light-emitting
[0175]
As described above, according to the present embodiment, in addition to the effects described in the first embodiment, the phosphor layers 218, 228, and 238 are provided. Therefore, the emission color can be easily changed by changing the fluorescent material. Can be obtained. Therefore, the
[0176]
(Third Embodiment of Display Device)
FIG. 28 shows a cross-sectional structure of the third embodiment of the display device of the present invention. This display device shows another example different from the display device according to the second embodiment with respect to the materials constituting the phosphor layers 218, 228, and 238, respectively. Therefore, here, the corresponding components are denoted by the same reference numerals, and detailed descriptions of the same parts are omitted.
[0177]
In this display device, for example, the
[0178]
(Fourth Embodiment of Display Device)
FIG. 29 shows a cross-sectional structure of the fourth embodiment of the display device of the present invention. In this display device, phosphor layers 218 and 228 are provided on the second conductivity type cladding layers 214 and 224 for the
[0179]
The
[0180]
This display device can be manufactured in the same manner as the display device according to the first embodiment. The phosphor layers 218 and 228 are formed by, for example, the MBE method or the laser deposition method. Further, in this display device, the light emitted from the
[0181]
(Fifth Embodiment of Display Device)
FIG. 30 shows a cross-sectional structure of the fifth embodiment of the display device of the present invention. In this display device, except that the
[0182]
The
[0183]
The
[0184]
The
[0185]
These
[0186]
A display device having such a configuration can be manufactured, for example, as follows.
[0187]
First, the light-emitting
[0188]
Further, this display device operates in the same manner as the display device according to the first embodiment, except that the
[0189]
(Sixth Embodiment of Display Device)
FIG. 31 shows a cross-sectional structure of the sixth embodiment of the display device of the present invention. In this display device, the
[0190]
The
[0191]
As described above, according to the display device according to this embodiment, since the light emitting diode of the present invention is used, the
[0192]
(Seventh Embodiment of Display Device)
FIG. 32 shows a schematic configuration of the seventh embodiment of the display device of the present invention. This display device includes a plurality of light emitting
[0193]
As described above, according to the display device of this embodiment, since the light-emitting device of the present invention is used, the light-emitting diodes having different emission colors are planarized as in the display devices according to the first to sixth embodiments. As compared with the case where the pixels are regularly arranged, the pixels can be made finer, and a high-definition color display device can be obtained.
[0194]
While the present invention has been described with reference to the embodiment, the present invention is not limited to the above embodiment, and various modifications can be made. For example, in the above-described embodiment, the material constituting each of the first conductivity type cladding layer, the light emitting layer, the second conductivity type cladding layer, and the insulating layer has been described with reference to specific examples. They can also be composed of these materials. For example, the light-emitting layer includes at least one group II element selected from the group consisting of zinc, magnesium, cadmium (Cd), manganese (Mn), mercury (Hg), and beryllium (Be), oxygen, selenium (Se ), Sulfur (S) and other II-VI compound semiconductors including at least one VI group element selected from the group consisting of tellurium (Te), or selected from the group consisting of boron, aluminum, gallium and indium And at least one group III element selected from the group consisting of nitrogen, phosphorus (P), arsenic (As), antimony (Sb), and bismuth (Bi). It can also be composed of a -V group compound semiconductor.
[0195]
Further, in the above embodiment, the case where each microcrystal of the light emitting layer is formed in a substantially one layer in the stacking direction has been described, but it may be formed by stacking two or more layers.
[0196]
In addition, in the first to fifth, eleventh and fifteenth to nineteenth embodiments of the light emitting device, the first conductivity type cladding layer is n-type and the second conductivity type cladding layer is p-type. However, the first conductivity type cladding layer may be p-type and the second conductivity type cladding layer may be n-type. In the sixth to tenth and twelfth to fourteenth embodiments of the light emitting device, the case where the first conductivity type cladding layer is p-type and the second conductivity type cladding layer is n-type has been described. The first conductivity type cladding layer may be n-type and the second conductivity type cladding layer may be p-type.
[0197]
Furthermore, in the first to fifth, eleventh and fifteenth to nineteenth embodiments of the light-emitting element, the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer are each made of a non-single-crystal inorganic semiconductor. Although the case where it comprises is demonstrated, you may make it comprise only one of them with a non-single-crystal inorganic semiconductor. Alternatively, both may be made of a single crystal inorganic semiconductor.
[0198]
In addition, in the sixth to tenth and twelfth to fourteenth embodiments of the light-emitting element, the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer are each formed of an organic semiconductor or a conductive resin. Although the case has been described, only one of the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer may be formed of an organic semiconductor or a conductive resin. Further, the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer may be made of an organic semiconductor, or may be made of a conductive resin, respectively, and the first conductivity type cladding layer or the second conductivity type. One of the mold cladding layers may be made of an organic semiconductor, and the other may be made of a conductive resin. Furthermore, when each of the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer is composed of an organic semiconductor, they may be composed of the same type of organic semiconductor, respectively, You may make it comprise.
[0199]
Furthermore, in the twelfth to fourteenth embodiments of the light emitting element, the case where at least one of the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer has a multilayer structure made of an organic semiconductor has been described. However, at least a part of the multilayer structure may be made of a conductive resin.
[0200]
In addition, in the eleventh to thirteenth embodiments of the light-emitting element, the case where the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer each have a multilayer structure has been described. It may be a multilayer structure.
[0201]
Furthermore, in the eleventh to fourteenth embodiments of the light emitting device, the case where the first conductivity type cladding layer or the second conductivity type cladding layer has a multilayer structure of two layers has been described. You may make it have a multilayer structure. At that time, if the band gap is made smaller as it is closer to the light emitting layer, the light emission efficiency can be increased as in the eleventh and twelfth embodiments of the light emitting element. Moreover, you may make it have at least one of an adhesion layer and an electrode layer with the several layer laminated | stacked so that a band gap might become so small that it was near a light emitting layer.
[0202]
In addition, in the thirteenth or fourteenth embodiment of the light emitting device, the case where the adhesion layer or the electrode layer is formed on the second conductivity type cladding layer has been described. A layer or an electrode layer may be provided.
[0203]
Furthermore, in the above embodiment, the case where an insulating layer is provided between the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer has been described. However, the first conductivity type cladding layer and the second conductivity type cladding layer are described. In the case where the leakage current between the two does not cause a problem, the insulating layer may not be provided.
[0204]
In addition, as described in the first embodiment of the light-emitting element, in the case where the light-emitting layer is formed by applying a plurality of microcrystals dispersed in a solvent, as a solvent, SOG (spin If a substance that becomes an insulating film after the baking treatment, such as on glass, is used, the insulating layer can be easily formed.
[0205]
Furthermore, in the eighteenth embodiment of the light emitting element and the second to fifth embodiments of the display device, the case where the phosphor layer is provided in the second conductivity type cladding layer has been described. If it is irradiated with light from the light source, it may be disposed at another position, or may be supported by a support provided separately from the second conductivity type cladding layer.
[0206]
In addition, in the first embodiment of the light emitting device and the first to seventh embodiments of the display device, the case of obtaining light emission of a plurality of colors has been described. However, the present invention can emit light of a single color. It can also be applied when obtaining.
[0207]
Furthermore, in the first to seventh embodiments of the display device, the case where the light emitting diodes of the present invention are arranged in an array has been described. However, the light emitting diodes of the present invention may be partially used. Good. That is, the display device of the present invention only needs to include at least one light emitting element of the present invention, and may include a light emitting element having another configuration.
[0208]
Furthermore, in the first embodiment of the light-emitting device and the first to seventh embodiments of the display device, the configuration of the light-emitting diode has been described with a specific example. Similar effects can be obtained by using other elements as long as the element is used. That is, any of the light-emitting elements described in the above embodiments can be used.
[0209]
In addition, in the first to seventh embodiments of the display device, a case where a substrate is common to all light emitting elements and a case where a substrate is common to light emitting elements in a column direction or a row direction have been described. However, each light emitting element may be provided on a separate substrate separately from the substrate.
[0210]
【The invention's effect】
As described above,
[0211]
In particular,Luminescent layerSince two or more kinds of microcrystals made of different semiconductors are respectively included, a plurality of lights having different wavelengths can be obtained.
[0212]
Also,Claim 4According to the described light emitting element, since the microcrystal has a layered structure, the light emitting efficiency can be further improved.
[0213]
Furthermore,Claim 5 or claim 11According to the light-emitting element described in
[0224]
In addition,
[0229]
Furthermore,
[0230]
In addition,Claim 19 or Claim 20According to the display device described in the above, since the light emitting element of the present invention is provided, a substrate made of an amorphous material such as glass, plastic, or metal can be used, and the substrate is formed on a large area substrate. There exists an effect that an element row can be arranged.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a first embodiment of a light emitting element of the present invention.
FIG. 2 is a bandgap structure diagram of the light emitting diode shown in FIG.
3 is a cross-sectional view showing each manufacturing process of the light-emitting diode shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 4 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a second embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a third embodiment of the light emitting element of the present invention.
6 is a bandgap structure diagram of the light emitting diode shown in FIG. 5;
FIG. 7 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a fourth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a fifth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 9 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a sixth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 10 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a seventh embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 11 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to an eighth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 12 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a semiconductor laser according to a ninth embodiment of the light emitting device of the present invention.
FIG. 13 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a tenth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 14 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to an eleventh embodiment of the light emitting element of the present invention.
15 is a bandgap structure diagram of the light emitting diode shown in FIG.
FIG. 16 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a twelfth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 17 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a thirteenth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 18 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a fourteenth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 19 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to a fifteenth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 20 is a cross-sectional view showing a configuration of a light emitting diode according to a sixteenth embodiment in a light emitting element of the present invention.
FIG. 21 is a cross-sectional view showing a configuration of a light emitting diode according to a seventeenth embodiment in a light emitting element of the present invention.
FIG. 22 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a light emitting diode according to an eighteenth embodiment of the light emitting element of the present invention.
FIG. 23 is a cross-sectional view showing a configuration of a semiconductor laser according to a nineteenth embodiment of the light emitting device of the present invention.
FIG. 24 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a first embodiment of a light emitting device according to the present invention.
FIG. 25 is a schematic diagram showing the configuration of the first exemplary embodiment of the display device of the present invention.
26 is a cross-sectional view taken along line II of the display device shown in FIG. 25. FIG.
FIG. 27 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a second embodiment of the display device of the present invention.
FIG. 28 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a third embodiment of the display device of the present invention.
FIG. 29 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a fourth embodiment of the display device of the present invention.
FIG. 30 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a fifth embodiment of the display device of the present invention.
FIG. 31 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a sixth embodiment of the display device of the present invention.
FIG. 32 is a schematic diagram showing the configuration of the seventh exemplary embodiment of the display device of the present invention.
[Explanation of symbols]
10, 110, 120, 130, 210, 220, 230 ... light emitting diode (light emitting element), 11, 111, 211 ... substrate, 12, 112, 122, 132, 212, 222, 232 ... first conductivity type cladding layer ( First conductivity type layer), 13, 113, 123, 133, 213, 223, 233... Luminescent layer, 13a, 13b, 113a, 123a, 133a, 213a, 223a, 233a. , 214, 224, 234 ... second conductivity type cladding layer (second conductivity type layer), 15, 115, 125, 135, 215, 225, 235 ... insulating layer, 16, 116, 126, 136, 216, 226, 226 236 ... 1st electrode, 17, 117, 127, 137, 217, 227, 237 ... 2nd electrode, 13c ... Internal layer, 13d ... Surface layer, 2a, 14a ... 1st layer, 12b, 14b ... 2nd layer, 21241 ... Diffusion prevention layer, 22 ... Auxiliary electrode, 23, 218, 228, 238 ... Phosphor layer, 30 ... Semiconductor laser (light emitting element), 31, 32 ... Reflecting mirror, 100 ... Light emitting device, 112, 113 ... Insulating part film, 201, 203 ... Wire, 202, 205, 206, 207, 208 ... Common wiring, 204 ... Arrangement substrate
Claims (20)
第2導電型層と、
前記第1導電型層と前記第2導電型層との間に形成され、異なる半導体よりなる2種以上の発光可能な粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層と、
前記第1導電型層と第2導電型層との間で前記複数の微結晶間を埋め込むように設けられた絶縁層とを備え、
前記第1導電型層および第2導電型層を通じて前記発光層の微結晶に電流が流れる、発光素子。A first conductivity type layer;
A second conductivity type layer;
A light emitting layer formed between the first conductivity type layer and the second conductivity type layer, each including a plurality of two or more kinds of light-emitting particulate microcrystals made of different semiconductors ;
An insulating layer provided so as to embed a space between the plurality of microcrystals between the first conductivity type layer and the second conductivity type layer;
A light emitting device in which a current flows through a microcrystal of the light emitting layer through the first conductive type layer and the second conductive type layer .
第1導電型層を形成する工程と、
前記第1導電型層上に異なる半導体よりなる2種以上の発光可能な粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層を形成する工程と、
前記第1導電型層上に前記複数の微結晶間を埋め込むように絶縁層を形成する工程と、
前記複数の微結晶および前記絶縁層上に第2導電型層を形成する工程と
を含む、発光素子の製造方法。 A method of manufacturing a light emitting device that emits light when a current flows through a light emitting layer containing microcrystals through a first conductive type layer and a second conductive type layer,
Forming a first conductivity type layer;
Forming a light emitting layer including a plurality of two or more kinds of light emitting particulate microcrystals made of different semiconductors on the first conductivity type layer;
Forming an insulating layer so as to embed a space between the plurality of microcrystals on the first conductivity type layer;
Forming a second conductivity type layer on the plurality of microcrystals and the insulating layer .
前記発光素子は、第1導電型層と、第2導電型層と、前記第1導電型層と前記第2導電型層との間に形成され、異なる半導体よりなる2種以上の発光可能な粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層と、前記第1導電型層と第2導電型層との間で前記複数の微結晶間を埋め込むように設けられた絶縁層とを備え、前記第1導電型層および第2導電型層を通じて前記発光層の微結晶に電流が流れる
発光装置。A plurality of light emitting elements are stacked,
The light emitting element is formed between a first conductivity type layer, a second conductivity type layer, and the first conductivity type layer and the second conductivity type layer, and can emit two or more kinds of light made of different semiconductors. A light emitting layer including a plurality of particulate microcrystals, and an insulating layer provided so as to embed a space between the plurality of microcrystals between the first conductive type layer and the second conductive type layer, A light-emitting device in which a current flows through a microcrystal of the light-emitting layer through a first conductivity type layer and a second conductivity type layer .
前記発光素子は、第1導電型層と、第2導電型層と、前記第1導電型層と前記第2導電型層との間に形成され、異なる半導体よりなる2種以上の発光可能な粒子状の微結晶をそれぞれ複数含む発光層と、前記第1導電型層と第2導電型層との間で前記複数の微結晶間を埋め込むように設けられた絶縁層とを備え、前記第1導電型層および第2導電型層を通じて前記発光層の微結晶に電流が流れる
表示装置。Having a plurality of light emitting elements,
The light emitting element is formed between a first conductivity type layer, a second conductivity type layer, and the first conductivity type layer and the second conductivity type layer, and can emit two or more kinds of light made of different semiconductors. A light emitting layer including a plurality of particulate microcrystals, and an insulating layer provided so as to embed a space between the plurality of microcrystals between the first conductive type layer and the second conductive type layer, A display device in which a current flows through a microcrystal of the light emitting layer through a first conductivity type layer and a second conductivity type layer .
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