JP4469655B2 - 核酸抽出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルター部材を備えた核酸抽出カートリッジを用いて試料液の核酸を自動抽出する核酸抽出装置に関するものである。
従来の核酸抽出法としては、遠心法によるもの、磁気ビーズを用いるもの、フィルターを用いるもの等がある。
例えば、フィルターを用いた核酸抽出装置としては、フィルターを収容したフィルターチューブをラックに多数セットし、これに試料液を分注し、上記ラックの底部の周囲をシール材を介してエアチャンバーで密閉して内部を減圧し、全フィルターチューブを同時に排出側より吸引し試料液を通過させて核酸をフィルターに吸着し、その後、洗浄液および溶出液を分注して、同様に減圧吸引して洗浄・溶出するようにした機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2832586号公報
しかしながら、上記のような従来の自動抽出装置では、装置が大型で多量の検体を分析する場合に適したもので、検体数が少なく分析頻度の少ない場合には、高価で不向きであるとともに、処理効率が低くなる問題を有する。
また、このような装置においては、短時間で効率よくコンタミネーションが発生しないように処理し、かつ、装置を小型化する等の点が要望されるが、特許文献1では次のような問題がある。
採取全血のように各試料液の特性が異なる場合に、特許文献1のように全体を同時に吸引するものでは、一部のフィルターチューブの吸引が終了してその抵抗がなくなると、他のフィルターチューブに作用する減圧が小さくなって粘度の高い試料液の処理が終了しない場合が生じる。その減圧容量を増大することは装置の小型化を図る際の障害となり、減圧容積が大きいために減圧を作用させるまでの時間が掛かり、また、液が全部排出されたことの検出が困難で、時間設定が長く、処理効率の向上の障害となる。一方、粘度の低い試料液では、フィルターチューブより勢いよく液が排出されて、泡状の飛沫が隣接するフィルターチューブ及びラックに付着してコンタミネーションを生じ、精度低下を招く問題がある。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、短時間で効率よく試料液の核酸を自動的に抽出できるようにしたコンパクト化が可能な核酸抽出装置を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、下記の構成よりなるものである。
(1) フィルター部材を備えた核酸抽出カートリッジを用い、該核酸抽出カートリッジに核酸を含む試料液を注入し加圧して該試料液中の核酸を前記フィルター部材に吸着させた後、前記核酸抽出カートリッジに洗浄液を分注し加圧して不純物を除去し、その後、前記核酸抽出カートリッジに回収液を分注し加圧してフィルター部材に吸着した核酸を分離して回収液とともに回収する抽出動作を自動的に行う核酸抽出装置であって、
前記核酸抽出カートリッジ及び前記核酸を含む回収液を収容する回収容器をそれぞれ複数配列させて保持する保持機構と、
前記核酸抽出カートリッジに単一の加圧ノズルから加圧エアを導入する加圧エア供給機構と、
前記核酸抽出カートリッジに洗浄液及び回収液をそれぞれ分注する洗浄液分注ノズルおよび回収液分注ノズルを有する分注機構と、
少なくとも前記加圧エア供給機構の加圧ノズルと前記保持機構とを相対移動させる移動手段と、を備え、
前記洗浄液分注ノズル、前記回収液分注ノズルおよび前記加圧ノズルが、一体の可動体に設けられており、前記複数の核酸抽出カートリッジが均等な配列ピッチで設けられ、前記加圧ノズルに対する前記洗浄液分注ノズルおよび前記回収液分注ノズルの配列ピッチが、それぞれ前記核酸抽出カートリッジの配列ピッチの整数倍であることを特徴とする核酸抽出装置。
この構成によれば、保持機構により核酸抽出カートリッジ及び核酸を含む回収液を収容する回収容器をそれぞれ複数配列させて保持し、移動手段手段によって加圧エア供給機構の単一のノズルと分注機構の分注ノズルとを核酸抽出カートリッジに対して相対移動することで、核酸抽出カートリッジへの加圧エアの導入や洗浄液及び回収液の分注を行い、核酸抽出カートリッジ内のフィルター部材に吸着した核酸を分離して回収する核酸の抽出動作を、簡単な機構により実施することが可能となる。
また、この構成によれば、加圧ノズルと分注ノズルとを一体の可動体に設けたことにより、加圧エア供給機構と分注機構とを簡単に構成できる。
そして、核酸抽出カートリッジを均等な配列ピッチで設け、加圧ノズルに対する分注ノズルの配列ピッチを核酸抽出カートリッジの配列ピッチの整数倍とすることで、複数の異なる核酸抽出カートリッジに対して分注処理と加圧処理を同時に実施することもでき、処理時間の短縮が図られる
(2) 前記複数の核酸抽出カートリッジが固定側に支持され、前記加圧エア供給機構の加圧ノズルが前記核酸抽出カートリッジの配列方向に沿って移動自在に支持されていることを特徴とする(1)記載の核酸抽出装置。
この構成によれば、加圧ノズルを核酸抽出カートリッジの配列方向に沿って移動させることで、複数の核酸抽出カートリッジに対して、順次エア供給を実施することができる。
本発明の核酸抽出装置によれば、核酸を分離して回収する核酸の抽出動作を短時間で効率よく行うことができ、核酸抽出のための機構をコンパクトにしかも安価に構成することとができる。
以下に本発明に係る核酸抽出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は核酸抽出装置の一実施形態であってカバーを除去した状態を示す斜視図、図2は核酸抽出装置の移動ヘッドの概略構成図、図3は核酸抽出装置の概略ブロック構成図である。
本核酸抽出装置100は、容器内にフィルター部材を収容した核酸抽出カートリッジ(以降は単にカートリッジと称する)11及び核酸を含む回収液を収容する回収容器13をそれぞれ複数配列させて保持する保持機構3と、カートリッジ11に単一の加圧ノズル41から加圧エアを導入する加圧エア供給機構4と、カートリッジ11に洗浄液及び回収液をそれぞれ分注する分注ノズル51を有する分注機構5と、加圧エア供給機構20の加圧ノズル41と保持機構10とを相対移動させる移動機構7とを備えて構成される。フィルター部材は、核酸吸着性多孔質体(ここでは核酸吸着性多孔性膜)が用いられる。
そして、この核酸抽出装置100では、(1)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、(2)該核酸吸着性多孔性膜を、核酸が吸着した状態で洗浄する工程、及び(3)回収液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を分離させる工程を順次実施するものである。
本実施形態の核酸抽出装置100の機構を説明する前に、この核酸抽出装置による核酸の抽出工程を説明する。
図4はカートリッジの(a)斜視図と(b)P−P断面図、図5は抽出動作の工程図(a)〜(g)である。
この核酸抽出装置100は、図4(a)に示すようなカートリッジ11を用いて試料液中の核酸を抽出するものである。このカートリッジ11は、上端が開口した筒状本体11aの底部に核酸吸着性多孔膜11bが保持され、筒状本体11aの核酸吸着性多孔膜11bより下方部位はロート状に形成され、下端中心部に細管ノズル状の排出部11cが所定長さに突出形成され、筒状本体11aの側部両側に縦方向の突起11dが形成されてなる。カートリッジ11の上部開口11eより後述の試料液、洗浄液、回収液が分注された後、上部開口11eより加圧エアが導入され、各液を核酸吸着性多孔膜11bを通して排出部11cより後述の廃液容器12又は回収容器13に流下排出する。なお、図示の場合、筒状本体11aは上部と下部に分割され嵌着する構造となっている。また、上部開口11eは、図4(b)にP−P断面を示すように、内周面をテーパ状にカットした傾斜面11fを有し、この傾斜面11fは、後述する加圧ノズル41先端の傾斜外周面に略一致するように形成されている。
核酸抽出装置100は、基本的に図5(a)〜(g)に示すような抽出工程によって核酸の抽出を行う。まず図5の(a)工程で、廃液容器12上に位置するカートリッジ11に溶解処理された核酸を含む試料液Sを注入する。次に(b)工程で、カートリッジ11に加圧エアを導入して加圧し、核酸吸着性多孔膜11bを通して試料液Sを通過させ、この核酸吸着性多孔膜11bに核酸を吸着させ、通過した液状成分は廃液容器12に排出する。
次に(c)工程でカートリッジ11に洗浄液Wを自動分注し、(d)工程でカートリッジ11に加圧エアを導入して加圧し、核酸吸着性多孔膜11bに核酸を保持したままその他の不純物の洗浄除去を行い、通過した洗浄液Wを廃液容器12に排出する。この(c)工程及び(d)工程は複数回繰り返してもよい。
その後、(e)工程でカートリッジ11の下方の廃液容器12を回収容器13に交換してから、(f)工程でカートリッジ11に回収液Rを自動分注し、(g)工程でカートリッジ11に加圧エアを導入して加圧し、核酸吸着性多孔膜11bと核酸の結合力を弱め、吸着されている核酸を離脱させて、核酸を含む回収液Rを回収容器13に排出し回収する。
上記カートリッジ11における核酸吸着性多孔膜11bは、基本的には核酸が通過可能な多孔質体であり、その表面は試料液中の核酸を化学的結合力で吸着する特性を有し、洗浄液による洗浄時にはその吸着を保持し、回収液による回収時に核酸の吸着力を弱めて離すように構成されてなる。その詳細は後述することにする。
核酸抽出装置100は、図1〜図3に示すように、装置本体2に、複数のカートリッジ11を保持するカートリッジホルダ21と、廃液容器12及び回収容器13を保持する容器保持台22と、カートリッジ11に加圧エアを導入する加圧エア供給機構4と、カートリッジ11に洗浄液W及び回収液Rを分注する分注機構5等を備えてなる。カートリッジホルダ21と容器保持台22は保持機構3を構成する。次に各機構3〜5を具体的に説明する。
<保持機構>
保持機構3は、カートリッジホルダ21と容器保持台22からなる。容器保持台22には、装置本体2の前方下部に廃液容器12及び回収容器13を保持したラック6が載置される。ラック6の容器交換移動(前後動)は、容器保持台22の基部に設置された作動部材31(図3参照)が、容器交換モータ32(DCモータ)の駆動に応じて移動することで行われる。この前後動により、カートリッジホルダ21の下方に回収容器13が位置したり、廃液容器12がカートリッジホルダ21の下方に位置するようになる。上記容器交換モータ32の作動は位置センサ33a,33bの検出に応じて制御される。
カートリッジホルダ21は、前後のプレート材の接合による2分割構造に構成され、横方向に延びる保持部材21a,21bを備える。保持部材21a,21bには複数の保持孔21cが並設され、上方よりカートリッジ11が挿入され、カートリッジ11の筒状本体11aの側部両側に形成された突起11d(図4参照)の下端がカートリッジホルダ21内の係合部材(不図示)に係合保持される。係合部材は移動可能で、移動時には突起11dとの係合を解除してカートリッジ11を全部同時に下方に落下廃棄するようになっている。
このカートリッジホルダ21は、図1のようにラック6が下降した位置では、カートリッジホルダ21に保持されたカートリッジ11の排出部11cの下端はラック6にセットされた廃液容器12及び回収容器13より上方に位置している。容器保持台22がパルスモータ等の昇降モータ47(図3参照))の駆動により昇降動作されて、ラック6がフォトセンサ48a〜48cの検出に伴う制御により昇降移動されると、これにより、ラック6が上昇した際にカートリッジ11の排出部11cが廃液容器12又は回収容器13の内部に所定量挿入されるようになる。
ラック6は、その天面で横方向に延びる廃液容器保持孔と回収容器保持孔とを平行2列に備え、後側の廃液容器保持孔に複数の廃液容器12が、前側の回収容器保持孔に複数の回収容器13がそれぞれ列状に保持される。廃液容器保持孔及び回収容器保持孔はカートリッジホルダ21の保持孔21cと等ピッチで等位置に配設され、保持された各カートリッジ11の下方にそれぞれ廃液容器12及び回収容器13が位置するように設定されている。この廃液容器12と回収容器13とは混同防止のためにサイズ、形状等が異なったものを使用するのが好ましい。
<加圧エア供給機構>
加圧エア供給機構4は、図1〜図3に示すように、前記保持機構3のラック6に対して昇降移動する可動体としての移動ヘッド40と、この移動ヘッド40に設置された単一の加圧ノズル41と、加圧エアを発生するエアポンプ43と、リリーフバルブ44と、加圧ノズル41側に設置され給気経路を開閉する開閉バルブ45と、加圧ノズル41側に設置された圧力センサ46と、加圧ノズル41を昇降動作させるノズル昇降手段を備えている。ノズル昇降手段は、パルスモータ等のノズル昇降モータ81とこれに接続されるネジ−ナット機構により昇降動作を実現している。この構成により、順次カートリッジ11に加圧エアを送給する。そして、エアポンプ43と、リリーフバルブ44と、加圧ノズル41はそれぞれ制御部70からの制御指令に基づいて動作する。
前記移動ヘッド40は、装置本体2の中間フレーム23と上フレーム24との間に設置された移動手段としてのパルスモータ等のヘッド移動モータ26(図3参照)、ヘッド移動モータ26により回転駆動される駆動側プーリ27、回転自在でテンション調整を行う従動側プーリ28、駆動側プーリ27と従動側プーリ28との間を懸架されるタイミングベルト29とを備えている。なお、ヘッド移動モータ26は、フォトセンサ25a〜25cの検出に伴う制御により駆動され、カートリッジ11の配列方向に沿って移動ヘッド40を移動させる。
加圧ノズル41は移動ヘッド40に上下移動可能にかつ下方に付勢されて設置され、加圧ノズル41の下方先端の外周面は、円錐形状とされている。これにより、加圧ノズル41が下降移動した際に、カートリッジホルダ21にセットされたカートリッジ11の上端開口に、加圧ノズル41先端で当接させることで、カートリッジ11のテーパ状にカットされた傾斜面11fが、加圧ノズル41の先端の円錐面と密着してカートリッジ11内を密閉する。この密封状態の下で、漏れのないカートリッジ11内への加圧エア送給が可能となる。
リリーフバルブ44はエアポンプ43と開閉バルブ45との間の通路のエアを排出する際に大気開放作動される。開閉バルブ45は選択的に開作動されて、エアポンプ43からの加圧エアを加圧ノズル41を経てカートリッジ11内に導入するようにエア回路が構成されている。以上の構成により、エアポンプ43からカートリッジ11までの間に給気流路が形成される。
<分注機構>
分注機構5は、カートリッジホルダ21上を横方向に移動可能な前述の移動ヘッド40に一体に搭載された洗浄液分注ノズル51w及び回収液分注ノズル51rと、洗浄液ボトル56wに収容された洗浄液Wを洗浄液分注ノズル51wに給送する洗浄液供給ポンプ52w(図3参照)と、回収液ボトル56rに収容された回収液Rを回収液分注ノズル51rに給送する回収液供給ポンプ52r(図3参照)と、中間フレーム23に載置された廃液容器57等を備える。
移動ヘッド40は、ヘッド移動モータ26(図3参照)によって各カートリッジ11上で順次停止し、復帰状態では廃液容器57上に停止して、各カートリッジ11上の空間を空けるように駆動制御される。各カートリッジ11上の空間が空くことによって、作業性が大きく向上される。
洗浄液分注ノズル51w及び回収液分注ノズル51rは先端が下方に向けて屈曲され、洗浄液分注ノズル51wはバルブ55wを介して洗浄液供給ポンプ52wに接続され、洗浄液供給ポンプ52wは洗浄液ボトル56wに接続され、回収液分注ノズル51rはバルブ55rを介して回収液供給ポンプ52rに接続され、回収液供給ポンプ52rは回収液ボトル56rに接続されている。洗浄液ボトル56w及び回収液ボトル56rはそれぞれ装置本体2の前面側に装着されて操作性を高めている。洗浄液供給ポンプ52w及び回収液供給ポンプ52rはチューブポンプで構成され、それぞれポンプモータ53w,53r(パルスモータ)によってセンサ54w,54rの位置検出に基づいて所定量の洗浄液W及び回収液Rを分注するように駆動制御される。これら、ポンプモータ53w,53r、及びバルブ55w,55rは、制御部70からの指令に基づいて動作する。
洗浄液W又は回収液Rを分注する場合には、バルブ55w又は55rを開き、ポンプモータ53w又は53rを駆動して洗浄液供給ポンプ52w又は回収液供給ポンプ52rのロータ部材を回転作動させる。これにより、洗浄液W又は回収液Rを洗浄液供給ポンプ52w又は回収液供給ポンプ52rにより吸引してバルブ55w又は55rを通じて洗浄液分注ノズル51w又は回収液分注ノズル51rより吐出させる。この吐出時には、洗浄液分注ノズル51w又は回収液分注ノズル51rをカートリッジ11上に移動させておく。これにより、所定量の洗浄液W又は回収液Rがカートリッジ11に分注される。
洗浄液ボトル56w及び回収液ボトル56rは、容器本体56wb,56rbとキャップ56wu,56ruよりなり、両キャップ56wu,56ruにはそれぞれ細パイプ状の吸引チューブ58w,58rが設置され、該吸引チューブ58w,58rの下端が容器本体56wb,56rbの底部近傍に開口して、洗浄液供給ポンプ52w又は回収液供給ポンプ52rの作動に応じて洗浄液W、回収液Rを吸い上げるようになっている。
上記のような各機構3〜5は、装置本体2の上部に設置された図示しない操作パネルの入力操作に対応して、連係された制御部70によって制御される。つまり、制御部70に接続された記憶部72に予め記憶されているプログラムに基づいて駆動制御される。
次に、上記核酸抽出装置100による抽出動作を具体的に説明する。まず保持機構3のラック6におけるカートリッジホルダ21にカートリッジ11をセットし、ラック6に廃液容器12及び回収容器13をそれぞれセットし、このラック6を装置本体2の容器保持台22に載置して準備を行う。次に、溶解処理された試料液Sをピペット等によって各カートリッジ11に順次注入する。このとき、移動ヘッド40は廃液容器57の直上に位置して、カートリッジ11上の空間を空けている。なお、核酸抽出装置100に搭載する前のラック6にセットした後又はセットする前のカートリッジ11に試料液Sを先に注入するようにしてもよい。
その後、操作パネルの操作によって装置を作動させると、図6(a)に示すように、移動ヘッド40がカートリッジ11の直上位置まで移動する。そして、一例として示す図中左端のカートリッジ(C1)の直上に加圧ノズル41を配置させ、加圧エア供給機構4のノズル昇降モータ81の駆動によって移動ヘッド40の加圧ノズル41を下降移動させる(図6(b))。すると、加圧ノズル41の先端外周面が、カートリッジ11の傾斜面11fと密着する。一方、容器保持台22が昇降モータ47の駆動により上昇動作され、カートリッジ11の下端排出部11cを廃液容器12内に所定量挿入させて、排出液が飛散等によって外部に漏れてコンタミネーションの原因とならないようにする。
その後、加圧エアの供給が行われる。制御部70の指令により、開閉バルブ45が閉状態でエアポンプ43が駆動され、開閉バルブ45が開作動される。そして、加圧ノズル41を通して1番目のカートリッジ(C1)にエアポンプ43からの加圧エアが所定量供給される。
次いで、開閉バルブ45を閉作動するのに続いて、加圧ノズル41をノズル昇降モータ81により上昇させてヘッド移動モータ26を駆動して移動ヘッド40をカートリッジ11の配列ピッチ分移動させる。そして、次の2番目のカートリッジ(C2)に対して同様に加圧エアを所定量供給する(図6(c))。
圧力が作用した試料液Sは、核酸吸着性多孔膜11bを通って核酸が吸着保持され、その他の液状成分は下端部の排出部11cより廃液容器12に排出される。試料液Sが全て核酸吸着性多孔膜11bを通過すると圧力が液排出完了圧力以下に低下し、圧力センサ46によってカートリッジ11の抽出終了が検出される。この工程をカートリッジ11の数だけ繰り返し行う。
次に、洗浄処理に移行する。上記加圧エア供給後に移動ヘッド40を上昇させて、最初のカートリッジ(C1)上へ戻す。そして、移動ヘッド40の洗浄液分注ノズル51wを1番目のカートリッジ(C1)上で停止させて洗浄液Wを所定量分注し、移動ヘッド40を次のカートリッジ(C2)上に移動させて順次洗浄液Wを分注する。全部のカートリッジ11への洗浄液Wの分注が終了すると、移動ヘッド40を最初のカートリッジ(C1)上へ戻す。
次に、図6に示したように、移動ヘッド40の加圧ノズル41が下降して、加圧ノズル41の下端部がカートリッジ11の上端開口に圧接して密閉してから、前述と同様に開閉バルブ45を開作動してカートリッジ11に加圧エアを供給する。圧力が作用した洗浄液Wは、核酸吸着性多孔膜11bを通って核酸以外の不純物の洗浄除去を行い、洗浄液Wは下端部の排出部11cより廃液容器12に排出される。全部のカートリッジ11における洗浄液Wが全て核酸吸着性多孔膜11bを通過して排出されると、移動ヘッド40が初期の位置まで作動される。なお、洗浄処理を複数回行う場合には上記動作を繰り返す。
次に、回収処理に移行する。まず洗浄処理後の前記移動ヘッド40の戻り動作に同期して、ラック6が昇降モータ47により下降動作して、カートリッジ11の下端排出部11cが廃液容器12から外れた後、保持機構3の作動部材31を容器交換モータ32の駆動により移動させてラック6を後退移動させる。このようにして、カートリッジ11の下方に回収容器13を位置させる容器交換を行う。
続いて、ラック6を昇降モータ47により上昇させて、カートリッジ11の下端が回収容器13内に挿入されている状態に保持する。そして、図8(a)に示すように、移動ヘッド40を移動させて回収液分注ノズル51rを1番目のカートリッジ(C1)上に停止させて回収液Rを所定量分注し、移動ヘッド40を次のカートリッジ(C2)に移動させて順次回収液Rの分注を行う(図8(b))。全部のカートリッジ11への回収液Rの分注が終了すると、図6に示すように、前述と同様の加圧エアの供給を各カートリッジ11に対して実施する。
加圧エアが前述同様に供給され、圧力が作用した回収液Rは、核酸吸着性多孔膜11bを通ってそれに吸着されている核酸を離脱させて、回収液Rとともに核酸が下端部の排出部11cより回収容器13に排出される。全部のカートリッジ11における回収液Rが全て回収容器13に排出されると、移動ヘッド40が最初の廃液容器57直上の待避位置に移動して、一連の動作が終了する。
抽出動作が終了したラック6は昇降モータ47の駆動により下降され、カートリッジ11及び廃液容器12はカートリッジホルダ21及びラック6より取り出されて廃棄され、一方、回収容器13はラック6より取り出され、必要に応じて蓋がされて、次の核酸分析処理等が施される。
なお、本実施形態では、複数のカートリッジ11が固定側に支持され、加圧エア供給機構4の加圧ノズル41がカートリッジ11の配列方向に沿って移動自在に支持されている構成を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、図9に核酸抽出装置の概略構成を示すように、加圧エア供給機構4の加圧ノズル41が固定側に支持され、複数のカートリッジ11、廃液容器12、及び回収容器13が、それらの配列方向に沿って移動自在に支持された構成としてもよい。図9に示す構成によれば、固定された加圧ノズル41,洗浄液分注ノズル51w、回収液分注ノズル51rに対して、カートリッジ11、廃液容器12、及び回収容器13をそれぞれ連続的に供給し、核酸の抽出を完了したものを回収することで、大量の核酸抽出処理を連続して実施することができる。
また、エアポンプ43からカートリッジ11に供給するエアは、試料液、洗浄液、回収液液体等の性状に影響を及ぼさなければ、他のいかなる気体であってもよい。
以上説明した核酸抽出装置100によれば、複数のカートリッジ11をまとめて吸引する構成と比較して、個々のカートリッジ11に対して最適なエア供給時間、エア供給量等を制御することが可能となり、また、試料液の液量や粘度等にばらつきがあっても、それによる影響を受けにくくなり、核酸の抽出処理のタクトを速めることができ、核酸抽出の対象を広げることができ、装置の汎用性を高めることができる。例えば、複数のカートリッジを同時にエア供給を行う構成にあっては、一部のカートリッジの加圧エア供給が終了した場合でも、他のカートリッジに加圧エア供給が完了しない場合には、加圧エア供給を完了させることができない。即ち、複数のカートリッジ11が全て完了するまでは次の工程に移行できなくなる。これに対して本発明に係る核酸抽出装置100によれば、各カートリッジを個々に順次処理を行うので、他のカートリッジによる影響を受けることがなく、最適な処理を最短の時間で実施することが可能となる。
また、1つのカートリッジ11だけにエアを供給するだけなので、複数のカートリッジ11に同時に供給する場合と比較してエアポンプ43の能力を下げることができる。もって、小型のエアポンプ43が使用可能となり設置スペースが少なく、コンパクトな構成にできる。
さらに、カートリッジ11を均等な配列ピッチで設け、加圧ノズル41に対する分注ノズル51r、51wの配列ピッチをカートリッジ11の配列ピッチの整数倍とすることで、複数の異なるカートリッジ11に対して分注処理と加圧処理を同時に実施することもでき、処理時間の短縮が図られる。なお、カートリッジ11、廃液容器12、回収容器13は、直線状に配列する他にも円弧状等の曲線状に配列させてもよい。例えば円弧状に配列した場合には、支軸を中心とするアームを用いることで円弧状の各位置に加圧エア供給や分注を行うことができる。
次に、上記のカートリッジ11が備える核酸吸着性多孔膜(核酸吸着性多孔質体)11bについて詳細に説明する。
上記カートリッジ11に内有する核酸吸着性多孔膜11bは、基本的には核酸が通過可能な多孔性であり、その表面は試料液中の核酸を化学的結合力で吸着する特性を有し、洗浄液による洗浄時にはその吸着を保持し、回収液による回収時に核酸の吸着力を弱めて離すように構成されてなる。
上記核酸抽出カートリッジ11に内有する核酸吸着性多孔膜11bは、イオン結合が実質的に関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜である。これは、多孔性膜側の使用条件で「イオン化」していないことを意味し、環境の極性を変化させることで、核酸と多孔性膜が引き合うようになると推定される。これにより分離性能に優れ、しかも洗浄効率よく、核酸を単離精製することができる。好ましくは、核酸吸着性多孔性膜は、親水基を有する多孔性膜であり、環境の極性を変化させることで、核酸と多孔性膜の親水基同士が引き合うようになると推定される。
親水基とは、水との相互作用を持つことができる有極性の基(原子団)を指し、核酸の吸着に関与する全ての基(原子団)が当てはまる。親水基としては、水との相互作用の強さが中程度のもの(化学大事典、共立出版株式会社発行、「親水基」の項の「あまり親水性の強くない基」参照)が良く、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、オキシエチレン基等を挙げることができる。好ましくは水酸基である。
ここで、親水基を有する多孔性膜とは、多孔性膜を形成する材料自体が、親水性基を有する多孔性膜、または多孔性膜を形成する材料を処理またはコーティングすることによって親水基を導入した多孔性膜を意味する。多孔性膜を形成する材料は有機物、無機物のいずれでも良い。例えば、多孔性膜を形成する材料自体が親水基を有する有機材料である多孔性膜、親水基を持たない有機材料の多孔性膜を処理して親水基を導入した多孔性膜、親水基を持たない有機材料の多孔性膜に対し親水基を有する材料でコーティングして親水基を導入した多孔性膜、多孔性膜を形成する材料自体が親水基を有する無機材料である多孔性膜、親水基を持たない無機材料の多孔性膜を処理して親水基を導入した多孔性膜、親水基を持たない無機材料の多孔性膜に対し親水基を有する材料でコーティングして親水基を導入した多孔性膜等を、使用することができるが、加工の容易性から、多孔性膜を形成する材料は有機高分子等の有機材料を用いることが好ましい。
親水基を有する材料の多孔性膜としては、水酸基を有する有機材料の多孔性膜を挙げることができる。水酸基を有する有機材料の多孔性膜としては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物等で、形成された多孔性膜を挙げることができるが、特に多糖構造を有する有機材料の多孔性膜を好ましく使用することができる。
水酸基を有する有機材料の多孔性膜として、好ましくは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物から成る有機高分子の多孔性膜を使用することができる。アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物として、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合物、トリアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物、ジアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物を好ましく使用する事ができる。
特にトリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合物を好ましく使用することができる。トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合比(質量比)は、99:1〜1:99である事が好ましく、90:10〜50:50である事がより好ましい。
更に好ましい、水酸基を有する有機材料としては、特開2003−128691号公報に記載の、アセチルセルロースの表面鹸化物が挙げられる。アセチルセルロースの表面鹸化物とは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理したものであり、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の鹸化物、トリアセチルセルロースとモノアセチルセルロース混合物の鹸化物、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースとモノアセチルセルロース混合物の鹸化物、ジアセチルセルロースとモノアセチルセルロース混合物の鹸化物も好ましく使用することができる。より好ましくは、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の鹸化物を使用することである。トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の混合比(質量比)は、99:1〜1:99であることが好ましい。更に好ましくは、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の混合比は、90:10〜50:50であることである。この場合、鹸化処理の程度(鹸化率)で固相表面の水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。核酸の分離効率をあげるためには、水酸基の量(密度)が多い方が好ましい。例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロースの場合には、鹸化率(表面鹸化率)が約5%以上であることが好ましく、10%以上であることが更に好ましい。また、水酸基を有する有機高分子の表面積を大きくするために、アセチルセルロースの多孔性膜を鹸化処理することが好ましい。この場合、多孔性膜は、表裏対称性の多孔性膜であってもよいが、裏非対称性の多孔性膜を好ましく使用することができる。
鹸化処理とは、アセチルセルロースを鹸化処理液(例えば水酸化ナトリウム水溶液)に接触させることを言う。これにより、鹸化処理液に接触したアセチルセルロースの部分に、再生セルロースとなり水酸基が導入される。こうして作成された再生セルロースは、本来のセルロースとは、結晶状態等の点で異なっている。
又、鹸化率を変えるには、水酸化ナトリウムの濃度を変えて鹸化処理を行えば良い。鹸化率は、NMR、IR又はXPSにより、容易に測定することができる(例えば、カルボニル基のピーク減少の程度で定めることができる)。
親水基を持たない有機材料の多孔性膜に親水基を導入する方法として、ポリマー鎖内または側鎖に親水基を有すグラフトポリマー鎖を多孔性膜に結合することができる。
有機材料の多孔性膜にグラフトポリマー鎖を結合する方法としては、多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法と、多孔性膜を起点として重合可能な二重結合を有する化合物を重合させグラフトポリマー鎖とする2つの方法がある。
まず、多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合にて付着させる方法においては、ポリマーの末端または側鎖に多孔性膜と反応する官能基を有するポリマーを使用し、この官能基と、多孔性膜の官能基とを化学反応させることでグラフトさせることができる。多孔性膜と反応する官能基としては、多孔性膜の官能基と反応し得るものであれば特に限定はないが、例えば、アルコキシシランのようなシランカップリング基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エポキシ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等を挙げることができる。
ポリマーの末端、または側鎖に反応性官能基を有するポリマーとして特に有用な化合物は、トリアルコキシシリル基をポリマー末端に有するポリマー、アミノ基をポリマー末端に有するポリマー、カルボキシル基をポリマー末端に有するポリマー、エポキシ基をポリマー末端に有するポリマー、イソシアネート基をポリマー末端に有するポリマーが挙げられる。この時に使用されるポリマーとしては、核酸の吸着に関与する親水基を有するものであれば特に限定はないが、具体的には、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレン等を挙げることができる。
多孔性膜を基点として重合可能な二重結合を有する化合物を重合させ、グラフトポリマー鎖を形成させる方法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれる。表面グラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、加熱等の方法で基材表面上に活性種を与え、多孔性膜と接するように配置された重合可能な二重結合を有する化合物を重合によって多孔性膜と結合させる方法を指す。
基材に結合しているグラフトポリマー鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な二重結合を有しており、核酸の吸着に関与する親水基を有するという、2つの特性を兼ね備えていることが必要である。これらの化合物としては、分子内に二重結合を有していれば、親水基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーのいずれの化合物をも用いることができる。特に有用な化合物は親水基を有するモノマーである。
特に有用な親水基を有するモノマーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができる。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等の水酸性基含有モノマーを特に好ましく用いることができる。また、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー、もしくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩も好ましく用いることができる。
親水基を持たない有機材料の多孔性膜に親水基を導入する別の方法として、親水基を有する材料をコーティングすることができる。コーティングに使用する材料は、核酸の吸着に関与する親水基を有するものであれば特に限定はないが、作業の容易さから有機材料のポリマーが好ましい。ポリマーとしては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物等を挙げることができるが、多糖構造を有するポリマーが好ましい。
また、親水基を持たない有機材料の多孔性膜に、アセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物をコーティングした後に、コーティングしたアセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理することもできる。この場合、鹸化率が約5%以上であることが好ましい。さらには、鹸化率が約10%以上であることが好ましい。
親水基を有する無機材料である多孔性膜としては、シリカ化合物を含有する多孔性膜を挙げることができる。シリカ化合物を含有する多孔性膜としては、ガラスフィルターを挙げることができる。また、特許公報第3058342号に記載されているような、多孔質のシリカ薄膜を挙げることができる。この多孔質のシリカ薄膜とは、二分子膜形成能を有するカチオン型の両親媒性物質の展開液を基板上に展開した後、基板上の液膜から溶媒を除去することによって両親媒性物質の多層二分子膜薄膜を調整し、シリカ化合物を含有する溶液に多層二分子膜薄膜を接触させ、次いで前記多層二分子膜薄膜を抽出除去することで作製することができる。
親水基を持たない無機材料の多孔性膜に親水基を導入する方法としては、多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法と、分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを使用して、多孔性膜を起点として、グラフトポリマー鎖を重合する2つの方法がある。
多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合にて付着させる場合は、グラフトポリマー鎖の末端の官能基と反応する官能基を無機材料に導入し、そこにグラフトポリマーを化学結合させる。また、分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを使用して、多孔性膜を起点として、グラフトポリマー鎖を重合する場合は、二重結合を有する化合物を重合する際の起点となる官能基を無機材料に導入する。
親水性基を持つグラフトポリマー、および分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーとしては、上記、親水基を持たない有機材料の多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法において、記載した親水性基を持つグラフトポリマー、および分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを好ましく使用することができる。
親水基を持たない無機材料の多孔性膜に親水基を導入する別の方法として、親水基を有する材料をコーティングすることができる。コーティングに使用する材料は、核酸の吸着に関与する親水基を有するものであれば特に限定はないが、作業の容易さから有機材料のポリマーが好ましい。ポリマーとしては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物等を挙げることができる。
また、親水基を持たない無機材料の多孔性膜に、アセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物をコーティングした後に、コ−ティングしたアセチルセルロ−スまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理することもできる。この場合、鹸化率が約5%以上であることが好ましい。さらには、鹸化率が約10%以上であることが好ましい。
親水基を持たない無機材料の多孔性膜としては、アルミニウム等の金属、ガラス、セメント、陶磁器等のセラミックス、もしくはニューセラミックス、シリコン、活性炭等を加工して作製した多孔性膜を挙げることができる。
上記の核酸吸着性多孔性膜は、溶液が内部を通過可能であり、厚さが10μm〜500μmである。さらに好ましくは、厚さが50μm〜250μmである。洗浄がし易い点で、厚さが薄いほど好ましい。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、最小孔径が0.22μm以上である。さらに好ましくは、最小孔径が0.5μm以上である。また、最大孔径と最小孔径の比が2以上である多孔性膜を用いる事が好ましい。これにより、核酸が吸着するのに十分な表面積が得られるとともに、目詰まりし難い。さらに好ましくは、最大孔径と最小孔径の比が5以上である。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、空隙率が50〜95%である。さらに好ましくは、空隙率が65〜80%である。また、バブルポイントが、0.1〜10kgf/cmである事が好ましい。さらに好ましくは、バブルポイントが、0.2〜4kgf/cmである。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、圧力損失が、0.1〜100kPaである事が好ましい。これにより、過圧時に均一な圧力が得られる。さらに好ましくは、圧力損失が、0.5〜50kPaである。ここで、圧力損失とは、膜の厚さ100μmあたり、水を通過させるのに必要な最低圧力である。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、25℃で1kg/cmの圧力で水を通過させたときの透水量が、膜1cmあたり1分間で1〜5000mLであることが好ましい。さらに好ましくは、25℃で1kg/cmの圧力で水を通過させたときの透水量が、膜1cmあたり1分間で5〜1000mLである。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、多孔性膜1mgあたりの核酸の吸着量が0.1μg以上である事が好ましい。さらに好ましくは、多孔性膜1mgあたりの核酸の吸着量が0.9μg以上である。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、一辺が5mmの正方形の多孔性膜をトリフルオロ酢酸5mLに浸漬したときに、1時間以内では溶解しないが48時間以内に溶解するセルロース誘導体が、好ましい。また、一辺が5mmの正方形の多孔質膜をトリフルオロ酢酸5mLに浸漬したときに1時間以内に溶解するが、ジクロロメタン5mLに浸漬したときには24時間以内に溶解しないセルロース誘導体がさらに好ましい。
核酸吸着性多孔性膜中を、核酸を含む試料溶液を通過させる場合、試料溶液を一方の面から他方の面へと通過させることが、液を多孔性膜へ均一に接触させることができる点で、好ましい。核酸吸着性多孔性膜中を、核酸を含む試料溶液を通過させる場合、試料溶液を核酸吸着性多孔性膜の孔径が大きい側から小さい側に通過させることが、目詰まりし難い点で好ましい。
核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔性膜を通過させる場合の流速は、液の多孔性膜への適切な接触時間を得るために、膜の面積cmあたり、2〜1500μL/secである事が好ましい。液の多孔性膜への接触時間が短すぎると十分な核酸抽出効果が得られず、長すぎると操作性の点から好ましくない。さらに、上記流速は、膜の面積cmあたり、5〜700μL/secである事が好ましい。
また、使用する溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜は、1枚であってもよいが、複数枚を使用することもできる。複数枚の核酸吸着性多孔性膜は、同一のものであっても、異なるものであって良い。
複数枚の核酸吸着性多孔性膜は、無機材料の核酸吸着性多孔性膜と有機材料の核酸吸着性多孔性膜との組合せであっても良い。例えば、ガラスフィルターと再生セルロースの多孔性膜との組合せを挙げることができる。また、複数枚の核酸吸着性多孔性膜は、無機材料の核酸吸着性多孔性膜と有機材料の核酸非吸着性多孔性膜との組合せであってもよい、例えば、ガラスフィルターと、ナイロンまたはポリスルホンの多孔性膜との組合せを挙げることができる。
そして、以上に説明した核酸吸着性多孔性膜は、カートリッジの形状に応じて、膜状以外の形態にすることができる。例えば、チップ状やブロック状等とすることができる。
核酸抽出装置の一実施形態であってカバーを除去した状態を示す斜視図である。 核酸抽出装置の移動ヘッドの概略構成図である。 核酸抽出装置の概略ブロック構成図である。 カートリッジの(a)斜視図と(b)P−P断面図である。 抽出動作の工程図(a)〜(g)である。 移動ヘッドからカートリッジへの加圧エアの供給の様子を示す説明図(a),(b),(c)である。 移動ヘッドからカートリッジへの洗浄液の分注の様子を示す説明図(a),(b)である。 移動ヘッドからカートリッジへの回収液の分注の様子を示す説明図(a),(b)である。 核酸抽出装置の他の形態を示す概略構成図である。
符号の説明
2 装置本体
3 保持機構
4 加圧エア供給機構
5 分注機構
6 ラック
7 移動手段
11 カートリッジ(核酸抽出カートリッジ)
11b 核酸吸着性多孔膜
12 廃液容器
13 回収容器
21 カートリッジホルダ
22 容器保持台
40 移動ヘッド(可動体)
41 加圧ノズル
43 エアポンプ
45 開閉バルブ
46 圧力センサ
51w,51r 分注ノズル
52w,52r 供給ポンプ
56w,56r ボトル
70 制御部
72 記憶部
100 核酸抽出装置
S 試料液
W 洗浄液
R 回収液

Claims (2)

  1. フィルター部材を備えた核酸抽出カートリッジを用い、該核酸抽出カートリッジに核酸を含む試料液を注入し加圧して該試料液中の核酸を前記フィルター部材に吸着させた後、前記核酸抽出カートリッジに洗浄液を分注し加圧して不純物を除去し、その後、前記核酸抽出カートリッジに回収液を分注し加圧してフィルター部材に吸着した核酸を分離して回収液とともに回収する抽出動作を自動的に行う核酸抽出装置であって、
    前記核酸抽出カートリッジ及び前記核酸を含む回収液を収容する回収容器をそれぞれ複数配列させて保持する保持機構と、
    前記核酸抽出カートリッジに単一の加圧ノズルから加圧エアを導入する加圧エア供給機構と、
    前記核酸抽出カートリッジに洗浄液及び回収液をそれぞれ分注する洗浄液分注ノズルおよび回収液分注ノズルを有する分注機構と、
    少なくとも前記加圧エア供給機構の加圧ノズルと前記保持機構とを相対移動させる移動手段と、を備え、
    前記洗浄液分注ノズル、前記回収液分注ノズルおよび前記加圧ノズルが、一体の可動体に設けられており、前記複数の核酸抽出カートリッジが均等な配列ピッチで設けられ、前記加圧ノズルに対する前記洗浄液分注ノズルおよび前記回収液分注ノズルの配列ピッチが、それぞれ前記核酸抽出カートリッジの配列ピッチの整数倍であることを特徴とする核酸抽出装置。
  2. 前記複数の核酸抽出カートリッジが固定側に支持され、前記加圧エア供給機構の加圧ノズルが前記核酸抽出カートリッジの配列方向に沿って移動自在に支持されていることを特徴とする請求項1記載の核酸抽出装置。
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