JP4467391B2 - 石英ルツボ - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン単結晶の引上げに用いられる石英ルツボに係わり、特にシリコン単結晶引上げ歩留まりを改善することができる石英ルツボに関する。
これまで、シリコン単結晶の製造には、チョクラルスキー法(CZ法)が広く採用されている。この方法は、石英ルツボ中でシリコン原料を溶融し、この液面に種結晶となる単結晶を浸漬し、徐々にこれを引き上げながら、シリコン単結晶を成長させるものである。
近年、半導体製造に用いられるシリコンウェハの大口径化が進み、現在では、300mmの直径を持つシリコンウェハが主流となっている。このような大口径のシリコンウェハの製造に用いられるシリコン単結晶を引き上げるための石英ルツボとしては、直径が80cm(32インチ)の大口径ルツボを必要としている。このような大口径ルツボを用いたシリコン単結晶引上げには、多量のアモルファスシリコン原料が用いられており、1回のシリコン単結晶引上げ工程における成否によってその工程の実用性を問われるために、そのシリコン単結晶引上げ歩留まりを向上させることが、求められている。
従来、シリコン単結晶引上げ歩留まりすなわち単結晶化率(DF率)を低下させる要因としては、結晶転移の発生、溶融シリコン液面振動による引上げ工程遂行不能などがあるが、これらの現象は、ルツボ内面に気泡が発生し、これが破壊される際の衝撃によってもたらされると見られている。
現在の石英ルツボは、耐久性及び単結晶化率を向上させるために、φ100μmもしくはそれ以下の気泡が多数存在し、天然原料により作られている外層(不透明層)と、合成原料もしくは天然原料を使用し、気泡が皆無もしくは極少数である内層(透明層)により構成されているものが主流となっている。透明層の形成は、完全密閉ではない減圧下で実施されており、完成された石英ルツボ製品の透明層内には過剰酸素が少なからず存在していた。
図3に従来の石英ルツボ製造装置の例を示す。支持台51上にガス不透過性の保持体52が配置され、保持体52内にガス透過性のモールド54が配置されている。前記保持体52とモールド54との間には、空間53が形成されており、この空間53内は、空間53に接続している通気口を兼ねる回転軸57に接続された減圧装置58によって減圧に維持される。前記モールド54の内面には水晶などのような石英原料粉をルツボ形状に成形した成形体55が配置されており、その上部には、アーク放電電極が、配置されている。このアーク電極56は図示しない電源装置に接続され、アーク放電を行って原料粉成形体55の内面を加熱溶融するようになっている。このような石英ルツボ製造装置は、石英溶融は大気(酸素含有雰囲気)中で行われることになり、上記したように石英ルツボの透明層には過剰酸素が存在する原因となっていた。
本発明者らは、透明層に過剰酸素が存在する石英ルツボをシリコン単結晶の引上げに使用した場合、千数百度に加熱されることにより、透明層の表層に存在する過剰酸素が起因となり、O主成分の気泡が発生、もしくは元々存在する気泡が膨れる場合があることを究明し、特許文献1の発明を完成するに至った。
この発明は、石英ガラスルツボの厚さ方向に垂直な断面を514nmのレーザー光で励起するレーザーラマン法で測定した際の波長数4000〜4100cm−1の蛍光強度の積分値を波長800cm−1のSiOピークの積分値で除した値:αを石英ガラスルツボの内表面から0.5mm以上の厚さでα<=0.05とし、かつ石英ガラスルツボの内表面から少なくとも1.0mmの厚さより外周側全域のOH基濃度を100ppm以下とするというものであるが、この発明によっても内周側に透明石英からなる透明層を有し、この外周側に多数の閉気孔を含んだ不透明石英からなる不透明石英を有する石英ルツボにおいては、これをシリコン単結晶の引上げに用いた場合の透明層の気泡の発生や膨れを完全に抑制することが困難であり、本発明者らは、前記特許文献1の発明を改良することによって、特に石英ルツボの内周側透明層における気泡の発生や膨れをより抑制することができることを見出した。

特開2000−344536号公報
本発明は、石英ルツボの上記問題を解決させるためになされたもので、気泡膨れを効果的に抑止することのできる石英ルツボの実現を目的とする。
本発明は、内周側に透明石英からなる透明層を有し、この外周側に前記透明層に比較し、光透過性が低い層である多数の閉気孔を含んだ不透明石英からなる不透明石英層を有する石英ルツボにおいて、透明層の赤色蛍光強度が0.05を超え0.5以下で、且つ不透明層と透明層における赤色蛍光強度の平均値の差が、0.9以上、同じく比が3.0以上であることを特徴とする石英ルツボである。
レーザーラマン分光法による特定の赤色蛍光強度を有する石英ルツボの発明によれば、シリコン単結晶引上げ時に、ルツボ内部に存在する気泡の膨張が無く、シリコン単結晶引上率の優れた石英ルツボを実現することができる。
[石英ルツボ]
以下、本発明に係わる石英ルツボの実施の形態について添付図面に基づき説明する。
図1は本実施の形態に係わる石英ルツボ1である。本実施の形態の石英ルツボ1は、その内表面2側に透明層(内層)3を有し、一方その外周面4側に多数の気泡が存在し、前記透明層に比較し、光透過性が低い層である不透明層(外層)5を有する2層で形成されている。
そして、本実施の形態の発明の石英ルツボは、前記内周側に透明石英からなる透明層を有し、この外周側に多数の閉気孔を含んだ不透明石英からなる不透明石英層を有する石英ルツボにおいて、この透明層の赤色蛍光強度が0.05を超え0.5以下であって、かつ、不透明層と透明層における赤色蛍光強度の平均値の差が、0.9以上、同じく比が3.0以上であることを特徴とするものである。
以下、試料となる石英ルツボについての赤色蛍光強度の測定方法について説明する。
(サンプリング)
本発明において、石英ルツボの赤色蛍光強度をレーザーラマン分光法により測定する際に用いられる石英ルツボのサンプルは次のようにして作成する。
ルツボ内表面から外表面にかけてのルツボ断面について、1cm角の直方体に切り出し、内表面、外表面以外の全ての面を鏡面研磨する。
上記サンプリングの位置は、図1において、シリコン融液の液面に近いルツボ直胴部である1aの位置であってもよいし、単結晶引上げ時にルツボの座屈を発生しやすい屈曲部1bの位置であってもよいし、ルツボ底部1cの位置であってもよいが、最も気泡の破裂によるシリコン単結晶化率に影響を及ぼし易い直胴部1aの位置でサンプリングすることが好ましい。
上記サンプルをレーザーラマン分析装置の試料室にセットし、レーザー光をルツボ断面に対して垂直に照射し、入射光と垂直に位置するラマン散乱光を検出しスペクトルにする。
測定箇所は透明層については、内表面から0.1mmを第1測定点とし、外方に向かって0.2mm間隔で14点測定する。不透明層に関しては、透明層−不透明層界面から0.1mmの位置を第1測定点とし、上記透明層同様に0.5mm間隔で13点測定する。
これらのサンプルについて、以下の方法により非架橋の酸素(−Si−O・)に起因すると考えられる650nmの赤色蛍光強度を測定し、透明層のサンプル及び不透明層のサンプルともそれぞれの平均値を算出して、評価を行う。
(レーザーラマン分光法による蛍光強度の決定)
上記したように試料を切り出し、鏡面に研磨した後、この側面より514nmのアルゴンレーザー光を照射し、正面より散乱光として観測される蛍光の強度を測定する。
蛍光ピークは2000〜6000cm−1にわたって分布しているが、特に4000〜4100cm−1の範囲は650nmの赤色蛍光に相当する。赤色蛍光は過剰酸素の1つであるNBOCH(≡Si−O・)と相関するため石英ルツボの内表層の過剰酸素の評価に適する。
この理由により4000〜4100cm−1の範囲で赤色蛍光の面積強度を算出する。一方、参照ピークとして800cm−1に現れるSiOネットワークピークを測定し、700〜900cm−1にわたってその面積強度を算出して、その強度比で蛍光強度を決定する。
なお、蛍光強度測定における0レベルは試料にレーザー光を照射しない場合とし、分光器に送られる散乱光は、入射レーザー光照射により生じるレイリー散乱を十分に除去することができるノッチフィルターを通過したものでなければならない。また測定領域を4000〜4100cm−1とした理由は、妨害が少なく、また、蛍光強度が最大となって十分な強度がとれる領域であると共に、3500〜3800cm−1に現れるOHピークおよび4100〜4200cm−1に現れるHピークによる妨害を考慮し、また低波数側の黄色蛍光による影響を除去するためである。SiOピークは700〜900cm−1を両端として直線のベースライン処理を行った後、この範囲で積算する。
本発明においては、上記方法によって測定したレーザーラマン分光法によって得られる透明層の赤色蛍光強度は、0.05を超え、0.5以下であることが必要である。また、不透明層の赤外蛍光強度の平均値(α1)と透明層の赤外蛍光強度の平均値(α2)との差、すなわちα1−α2が0.9以上であることが必要であり、かつ、不透明層の赤外蛍光強度(α1)と透明層の赤外蛍光強度の比、すなわちα1/α2が3.0以上であることが必要である。透明層及び不透明層の赤外蛍光強度の関係を上記範囲とすることにより、透明層中の過剰酸素が少なく不透明層中の過剰酸素がこれより所定量少ない石英ルツボとすることができる。
多数の閉気孔が存在する不透明層に過剰酸素が多く存在することで、シリコン単結晶引上げ中に酸素が前記閉気孔中に拡散し該閉気孔の膨張が生じ、結果、透明層はシリコン融液から内圧を受け、かつ不透明層から外圧を受けることとなる。その結果、シリコン単結晶引上げに際し透明層中の気泡の膨張を効果的に抑止することができる。
[石英ルツボの製造方法]
本発明の石英ルツボの製造方法は、原料となる石英粉を石英ルツボ形状に成形した後、この石英ルツボの原料成形体の内面に透明層を形成し、次いでその外面に不透明層を形成する工程から成っている。
従来公知の石英ルツボの製造においては、透明層の形成は通常大気中で行っていたが、本発明においては、例えば、石英ルツボ溶融成形時に、ルツボ内表面にArガスを吹き付けることで、透明層内への過剰酸素の混入を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態の石英ルツボの製造方法について添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
(製造装置)
まず、本発明において石英ルツボを製造するのに適した製造装置の1例を図2に示す。
図2の石英ルツボ装置10は、断面U字状の石英ルツボ原料粉成形体26を保持するモールド13、及びこのモールド13と協働して空間14を形成するように配置したガス不透過性の保持体15が配置されており、この保持体15の下部には、保持体15を回転可能に支持する回転軸16が接続されている。この回転軸16は、図示しない回転駆動装置に接続されており、石英ルツボの製造時に保持体15、モールド13及び原料粉成形体26を回転させるようになっている。
前記モールド13は、その厚さ方向に複数の貫通孔を穿設しその内側に微細気孔径のセラミックス多孔質体を配置した金型、もしくはそれ自身、三次元網目状の開気孔を有する高純化処理した多孔質カーボン型などの通気孔部を有するガス透過性部材で構成されている。
回転軸16の内部は、前記空間14に接続する通気口17が形成されており、この通気口17に減圧装置19が接続され、この減圧装置19によって、モールド13と保持体15間の空間14内を減圧できるようになっている。また、この保持体15には、通気口35が設けられており、空間14内に気体を導入できるようになっている。
前記モールド13の上部には、アーク放電電極20が配置されており、図示しない電源装置によって供給される電流によってアーク放電し、原料粉成形体26を加熱するようになっている。また、アーク放電電極20の周辺部に吹き付け部が駆動式となっているガス供給システム40が装備されており、アーク放電時に稼働し、Arガスを吹き付けることで、酸素の混入を抑制させるようになっている。また、モールド13の上部には、冷却ガス供給管24が配置され、石英ルツボ製作終了時に、高温の石英ルツボを冷却できるようになっている。
(透明層の形成)
この石英ルツボ製造装置10を用いて透明層を形成するには、まず、原料粉末からなる断面U字状の成形体26を、慣用されている公知の方法によってモールド13の内部に形成する。次いで、減圧装置19を稼働させ、モールド13と保持体15間の空間14内を減圧状態とし、ガス供給システム40よりArガスを供給し始め、原料粉成型体表層をAr雰囲気に維持する。次いで、図示しない回転駆動装置を稼働させ、モールド13を回転させ、図示しない電源装置から供給される電力によりアーク放電電極20間にアーク放電を行い、石英原料粉末からなる成形体26の内面を溶融する。このアーク放電溶融工程は、3〜5分間継続することが望ましい。放電時間が、上記範囲を下回った場合、十分ルツボ内面の透明層が形成されず、多数の気泡が残留することとなり、好ましくない。一方、放電時間が、上記範囲を上回ったとしても、それ以上の透明層の気泡減少を期待することはできず、不経済である。
本工程において、ガス供給システム40によるArガスの吹き付けは少なくともアーク放電の間は継続してなされることが望ましい。このようにしなかった場合、透明層内面に酸素が非架橋酸素として残留し、当該ルツボ使用時に気泡の膨張及び破裂が発生し、単結晶化率が低下してしまう。
(不透明層の形成)
上記工程によって原料粉成形体26の内面に透明層を形成した後、減圧機構19を操作し、モールド13と保持体15との間の空間14の減圧程度を下げ、その後開口部35から酸素を含有するガス(好ましくは空気)を前記空間14に導入し、継続してアーク溶融を行う。
所定時間アーク溶融を行った後、アーク通電を停止し、冷却ガス供給管24から、窒素ガスのような冷却ガスをルツボ内面に大量に吹付けて内面を急冷し、ルツボ製造工程を終了する。
以下実施例により本発明を説明する。
(実施例1)
ルツボの製造:
まず図2に示した透明層形成装置を用いて、透明層を形成する。すなわち、ルツボ形状型寸法が外径560mm、高さ500mmのモールド13に、堆積層厚さ25mm(水晶原料で堆積厚さ17mm+内表面側:合成シリカ原料で第1合成シリカ粉末層堆積厚さ8mm)にシリカ質原料粉末を充填し、原料粉成形体26を形成した。
次いで、減圧装置19を稼働させ、モールド13と保持体15間の空間14内を減圧状態とし、ガス供給システム40よりArガスを供給し、原料粉成型体表層をAr雰囲気に維持した。Arガスの供給は、以降アーク放電が行われている間継続して行った。
次いで、図示しない回転駆動装置を稼働させ、モールド13を回転させ、図示しない電源装置から供給される電力によりアーク放電電極20間に、5分間アーク放電を行い、石英原料粉末からなる成形体26の内面を溶融した。
上記工程によって原料粉成形体26の内面に透明層を形成した後、減圧機構19を操作し、モールド13と保持体15との間の空間14の減圧程度を下げ、その後、開口部35から空気を前記空間14に導入し、継続してアーク溶融を行った。
アーク溶融開始後30分経過してから、アーク通電を停止し、冷却ガス供給管24から、窒素ガスのような冷却ガスをルツボ内面に大量に吹付けて内面を急冷し、ルツボを製造した。
(比較例1〜4)
図3に示す従来の石英ルツボ製造装置を用いて、アーク通電の間Ar雰囲気にすることなく、減圧装置を制御して空間内の圧力を異ならせることによって4種類の石英ルツボを製造した。
(試験例)
試料の作成:
こうして得られた4種類の石英ルツボについて、透明層及び不透明層を前記サンプリング方法に従ってサンプルを柱形状に切り出し、レーザー光入射面および反射面を、研磨して鏡面とし、試料とした。
赤色蛍光強度の測定:
柱形状サンプルの表面を鏡面に研磨した後、レーザーラマン測定を行った。514nmのArレーザーを400mWのパワーで試料の側面に垂直に入射し、正面からラマン散乱光および蛍光を測定し、分解能1cm−1以下のツエルニターナ型分光器を用いて分光し、液体窒素で冷却したCCDにより検出した。
その結果得られるレーザーラマンスペクトルから、波長数4000〜4100cm−1の蛍光強度の積分値を波長800cm−1のSiOピークの積分値で除した値を算出し、赤色蛍光強度とした。
前述したように、透明層について14サンプル、及び不透明層について13サンプルを測定し、それぞれの平均値を算出した。その結果を表1に示す。
透明層中の気泡の膨れの測定:
上記製造工程によって得られた石英ルツボを、切断し、0.5cmのサンプルにつきその気泡の直径を測定した。一方、全く同様にして製造した石英ルツボを用いて、ポリシリコン100kgチャージでアルゴンフロー雰囲気下にて直径200mm単結晶の引上げを行った後、用いた石英ルツボについて、同様にして切断し、同様にして気泡の直径を測定した。その結果を表1に示す。表1において、透明層中の気泡の膨れ具合の欄の記号×は、加熱前後の石英ルツボの気泡の拡大率が1〜1.5倍を示し、記号△は、同じく拡大率が4〜6倍を示し、さらに記号○は拡大率が7倍以上であることを示している。
Figure 0004467391
上記表1に示したように、上記実施例の石英ルツボについては、透明層の赤色蛍光の最大値が0.5以下であり、過剰酸素の量が少ないことを確認した。また、不透明層と透明層の差が0.9以上、比が3.0であった。一方、従来の減圧条件下で透明層の形成を行う装置を用いて作製したルツボについては、比較例1のルツボが、不透明層と透明層の赤色径高強度の差が0.9を下回っており、また、比較例2のルツボについては、不透明層と透明層の赤色蛍光強度の比が3.0を下回っており、また、比較例3及び比較例4のルツボは、不透明層と透明層の赤色蛍光強度の差が0.9を下回ると同時に不透明層と透明層の赤色強度の比が3.0を下回っており、いずれも本発明の範囲を逸脱しているものである。
また、表1の結果から明らかなように、本発明の実施例においては、透明層中の気泡の膨れ具合が、加熱の前後で1〜1.5倍であり、極めて膨張が抑制されていることが明らかとなった。一方、比較例1ないし4のいずれも、気泡の拡大率が7倍以上であり、著しく石英ルツボの透明層中の気泡が変形することが明らかとなった。
以上の結果は、本発明が、透明層の気泡をできるだけ気泡が膨れない構成としつつ、かつこれよりも不透明層を膨れやすい構成とすることで、先に不透明層が膨れ、不透明層側から透明層側へも圧力が加わり、その結果、透明層の膨れがより抑制されることによると考えられる。さらに、本発明のような石英ルツボは、この外周形状とほぼ同等の内周形状を有する黒鉛材からなるカーボンルツボ中に配置され、ルツボ中に多結晶シリコンが溶融された融液を保持しつつ、シリコン単結晶の引上げに用いられる。つまり引き上げ中にルツボの肉厚方向に所定の圧力を受けている。これによって上記透明層の気泡の膨張をさらに抑制しているものと考えられる。
石英ルツボを説明するための側面断面図。 本発明で用いることのできる石英ルツボの製造装置の概略断面図。 従来の石英ルツボ製造装置の概略断面図。
符号の説明
1…石英ルツボ
2…内表面
3…透明層
4…外周面
5…不透明層
10…石英ルツボ製造装置
13…モールド
14…通気部
15…保持体
16…回転軸
17…開口部
18…排気口
19…減圧機構
20…アーク放電電極
26…原料粉成形体
35…通気口
40…ガス供給システム
51…支持台
52…保持体
53…空間
54…モールド
55…原料粉成形体
56…アーク放電電極
57…回転軸
58…減圧装置

Claims (1)

  1. 内周側に透明石英からなる透明層を有し、この外周側に前記透明層に比較し、光透過性が低い層である多数の閉気孔を含んだ不透明石英からなる不透明石英層を有する石英ルツボにおいて、透明層の赤色蛍光強度が0.05を超え0.5以下で、且つ不透明層と透明層における赤色蛍光強度の平均値の差が、0.9以上、同じく比が3.0以上であることを特徴とする石英ルツボ。
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